JP2014095543A - 調湿装置 - Google Patents

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JP2014095543A JP2013054164A JP2013054164A JP2014095543A JP 2014095543 A JP2014095543 A JP 2014095543A JP 2013054164 A JP2013054164 A JP 2013054164A JP 2013054164 A JP2013054164 A JP 2013054164A JP 2014095543 A JP2014095543 A JP 2014095543A
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Shuji Ikegami
周司 池上
Arashi Ko
嵐 江
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Abstract

【課題】熱歪材料に応力を付与して空気の湿度を調節する調湿装置において、調湿運転の運転が停止時における、熱歪材料の吸着剤の表面での菌やカビの繁殖を防止する。
【解決手段】調湿装置(1)は、調湿運転の停止信号が入力される入力部(34)と、入力部(34)に上記停止信号が入力された後に、熱歪材料(21)の吸着層(23)を乾燥させる乾燥動作を行う乾燥手段(22,30,30a,30b,35,36,37,D1〜D8)とを備える。
【選択図】図16

Description

本発明は、水分の吸着と脱離とを行う調湿モジュールを備え、該調湿モジュールで空気の湿度を調節する調湿装置に関する。
従来より、吸着剤により水分の吸着と脱離とを行い、空気の湿度を調節する調湿装置が知られている。例えば特許文献1には、表面に吸着剤が担持された吸着熱交換器を備えた調湿装置が開示されている。この調湿装置は、2つの吸着熱交換器を備え、一方の吸着熱交換器で冷媒が放熱し、他方の吸着熱交換器で冷媒が蒸発する冷凍サイクルを行う。例えば放熱側の吸着熱交換器では、吸着剤が冷媒によって加熱され、吸着剤から空気中へ水分が脱離する放湿動作が行われる。また、蒸発側の吸着熱交換器では、吸着剤が冷媒によって冷却され、空気中の水分が吸着剤へ吸着される吸湿動作が行われる。調湿装置では、例えば吸湿動作により除湿した空気を室内へ供給することで、室内の除湿が行われる。また、調湿装置では、例えば放湿動作により加湿した空気を室内へ供給することで、室内の加湿が行われる。
特開2005−114291号公報
ところで、上記のような調湿装置として、熱歪材料の表面に吸着層を形成し、この熱歪材料にアクチュエータから応力を付与する、あるいはこの応力を解除することで、空気の湿度を調節することが考えられる。具体的には、熱歪材料に応力を付与すると、熱歪材料が発熱し、これに伴い吸着層の吸着剤が加熱される。この結果、応力が付与された熱歪材料では、吸着剤の水分が空気中へ放出される放湿動作が行われる。また、熱歪材料の応力を解除すると、熱歪材料の温度が低下し、これに伴い吸着層の吸着剤が冷却される。この結果、応力が解除された熱歪材料では、空気中の水分が吸着剤に吸着される吸湿動作が行われる。このようにして、熱歪材料で放湿動作や吸湿動作を行うことで、調湿装置では、空気の湿度を調節する調湿運転を行うことができる。
一方、このような調湿装置において、熱歪材料の吸着層の含水率が高い状態で、調湿運転が停止された状態が続くと、吸着剤の表面で菌やカビが繁殖しやすくなり、吸着剤の吸着性能が低下したり、悪臭が発生したりする、という問題が生じる。

本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱歪材料に応力を付与して空気の湿度を調節する調湿装置において、調湿運転の運転が停止時における、熱歪材料の吸着剤の表面での菌やカビの繁殖を防止することである。
第1の発明は、水分を吸着する吸着層(23)を表面に形成した熱歪材料(21)と、該熱歪材料(21)に応力を付与するアクチュエータ(22,120)とを有する調湿モジュール(20,20a,20b)と、該熱歪材料(21)に空気を通過させるファン(30,30a,30b)と、上記該熱歪材料(21)に応力を付与して吸着層(23)から空気中へ水分を脱離させる放湿動作と、該熱歪材料(21)の応力を解除して吸着層(23)に空気中の水分を吸着させる吸湿動作とを行うように上記アクチュエータ(22,120)を制御するアクチュエータ制御部(35)とを備え、上記調湿モジュール(20,20a,20b)で空気の湿度を調節する調湿運転を行う調湿装置を対象とし、上記調湿運転の停止信号が入力される入力部(34)と、該入力部(34)に上記停止信号が入力された後に、上記熱歪材料(21)の吸着層(23)を乾燥させる乾燥動作を行う乾燥手段(22,30,30a,30b,35,36,37,D1〜D8)とを備えていることを特徴とする。
第1の発明では、アクチュエータ(22,120)により熱歪材料(21)に応力が付与されることで、そのエントロピーが減少し、その分、熱歪材料(21)が発熱する。この結果、熱歪材料(21)の表面に形成された吸着層(23)の吸着剤が、熱歪材料(21)によって加熱され、吸着剤から空気中へ水分が脱離する放湿動作が行われる。また、本発明では、アクチュエータ(22,120)による熱歪材料(21)の応力が解除されることで、熱歪材料(21)は、マルテンサイト相から母相(オーステナイト相)に変化する。熱歪材料(21)が断熱されていた場合、このような相変化に伴い、熱歪材料(21)の温度が低下する。この結果、吸着層(23)の吸着剤が、熱歪材料(21)によって冷却され、空気中の水分が吸着剤に吸着される吸湿動作が行われる。この調湿装置では、このような調湿モジュール(20,20a,20b)の放湿動作や吸湿動作が行われることで、空気の湿度が調節される調湿運転が行われる。
この調湿運転中において、入力部(34)に停止信号が入力されると、乾燥手段(22,30,30a,30b,35,36,37,D1〜D8)が熱歪材料(21)の吸着層(23)を乾燥させる乾燥動作を行う。この結果、吸着層(23)の吸着剤の含水率が低下する。その後、調湿装置が停止状態となった際には、乾燥手段(22,30,30a,30b,35,36,37,D1〜D8)により、熱歪材料(21)の吸着層(23)の吸着剤の含水率が低くなっている。従って、調湿運転を長期に亘って停止したとしても、吸着層(23)の表面における菌やカビの繁殖が抑制される。
第2の発明は、第1の発明において、上記乾燥手段は、上記アクチュエータ(22)と、上記熱歪材料(21)に応力を付与するように該アクチュエータ(22)を制御するアクチュエータ制御部(35)を備えていることを特徴とする。
第2の発明では、入力部(34)に調湿運転の停止信号が入力されると、乾燥手段としてのアクチュエータ(22)及びアクチュエータ制御部(35)が、熱歪材料(21)に応力を付与する乾燥動作を行う。この結果、乾燥動作では、熱歪材料(21)が発熱し、熱歪材料(21)の吸着層(23)の水分が空気中へ脱離する。この結果、調湿運転の停止時においては、吸着層(23)の含水率を低い状態とすることができる。
第3の発明は、第2の発明において、上記乾燥手段は、応力が付与された上記熱歪材料(21)に空気を通過させる空気搬送機構(30,30a,30b,36)を備えていることを特徴とする。
第3の発明では、入力部(34)に調湿運転の停止信号が入力されると、乾燥手段としての空気搬送機構(30,30a,30b,36)が、応力が付与された状態の熱歪材料(21)に空気を通過させる。これにより、調湿運転の停止時には、熱歪材料(21)から空気中へ水分が放出され易くなり、吸着層(23)の吸着剤の含水率が更に小さくなる。
第4の発明は、第3の発明において、上記調湿モジュール(20,20a,20b)は、該調湿モジュール(20,20a,20b)で除湿した空気を室内へ供給する上記調湿運転としての除湿運転を行うように構成され、上記空気搬送機構(30,30a,30b,36)は、上記入力部(34)に上記除湿運転の停止信号が入力されると、応力が付与された上記熱歪材料(21)に室内空気を通過させることを特徴とする。
第4の発明の調湿装置では、調湿モジュール(20,20a,20b)で除湿された空気が室内へ供給される、除湿運転が行われる。入力部(34)に除湿運転の停止信号が入力されると、空気搬送機構(30,30a,30b,36)は、室外空気に比べて温度及び絶対湿度の低い室内空気を、応力が付与された状態の熱歪材料(21)に通過させる。熱歪材料(21)に導入された室内空気は、応力が付与された熱歪材料によって加熱されて相対湿度が低下する。これにより、除湿運転の停止時には、熱歪材料(21)から空気中へ水分が放出され易くなり、吸着層(23)の吸着剤の含水率が更に小さくなる。
第5の発明は、第3の発明において、上記調湿モジュール(20,20a,20b)は、該調湿モジュール(20,20a,20b)で加湿した空気を室内へ供給する上記調湿運転としての加湿運転を行うように構成され、上記空気搬送機構(30,30a,30b,36)は、上記入力部(34)に上記加湿運転の停止信号が入力されると、上記乾燥動作時に応力が付与された上記熱歪材料(21)に室外空気を通過させることを特徴とする。
第5の発明の調湿装置では、調湿モジュール(20,20a,20b)で加湿された空気が室内へ供給される、加湿運転が行われる。入力部(34)に加湿運転の停止信号が入力されると、空気搬送機構(30,30a,30b,36)は、室内空気に比べて温度及び絶対湿度の低い室外空気を、応力が付与された状態の熱歪材料(21)に通過させる。熱歪材料(21)に導入された室外空気は、応力が付与された熱歪材料によって加熱されて相対湿度が低下する。これにより、加湿運転の停止時には、熱歪材料(21)から空気中へ水分が放出され易くなり、吸着層(23)の吸着剤の含水率が更に小さくなる。
第6の発明は、第2の発明において、上記乾燥手段は、応力が付与された熱歪材料(21)の空気の通過を禁止させる空気流通禁止機構(37,D1〜D8)と、該空気流通禁止機構(37,D1〜D8)で熱歪材料(21)の空気の通過を禁止した後、該熱歪材料(21)の周囲の空気を室外へ排出する空気排出機構(30b)とを備えていることを特徴とする。
第6の発明では、入力部(34)に調湿運転の停止信号が入力されると、空気流通禁止機構(37,D1〜D8)が、熱歪材料(21)の空気の通過を禁止させる。これにより、乾燥動作において、比較的相対湿度の高い空気が、応力が付与された状態の熱歪材料(21)の周囲に流れ込むことに起因して、熱歪材料(21)から空気中への水分の放出が阻害されることが抑制される。
一方、熱歪材料(21)から水分が放出された直後では、熱歪材料(21)の周囲の空気の相対湿度が高くなる。このため、空気排出機構(30b)は、熱歪材料(21)の周囲の空気を室外へ排出する。この結果、調湿運転の停止時において、熱歪材料(21)の吸着層(23)に再び水分が吸着されることを抑制できる。
第7の発明は、第6の発明において、上記空気流通禁止機構(37,D1〜D8)は、上記熱歪材料(21)が収容される調湿室(C1,C2)を閉空間とするダンパ機構(37,D1〜D8)を備えていることを特徴とする。
第7の発明では、入力部(34)に調湿運転の停止信号が入力されると、空気流通禁止機構(37,D1〜D8)としてのダンパ機構(37,D1〜D8)が、調湿室(C1,C2)を閉空間とする。これにより、調湿室(C1,C2)の外部の相対湿度の高い空気が、調湿室(C1,C2)に入り込むことが確実に抑制される。
第8の発明は、第2乃至第7のいずれか1つの発明において、上記アクチュエータ制御部(35)は、上記乾燥動作の後に上記ファン(30,30a,30b)が停止状態になると、上記熱歪材料(21)の応力を解除するように上記アクチュエータ(22)を制御することを特徴とする。
第8の発明では、乾燥動作の後にファン(30,30a,30b)が停止状態になると、アクチュエータ制御部(35)が、応力が付与された状態の熱歪材料(21)の応力を解除する。すると、熱歪材料(21)は、その温度が低下するため、周囲の空気から吸着層(23)に水分が吸着され易くなる。しかし、熱歪材料(21)の応力が解除される際には、ファン(30,30a,30b)が停止状態となっているため、吸着層(23)の吸着剤に空気中の水分が吸着されることを抑制できる。この結果、調湿運転が停止する際に速やかに熱歪材料(21)の応力を解除でき、且つ吸着層(23)の含水率が増大してしまうことを抑制できる。
第9の発明は、第1の発明において、上記乾燥手段は、上記熱歪材料(21)に空気を通過させる空気搬送機構(30,36)を備えていることを特徴とする。
第9の発明では、入力部(34)に調湿運転の停止信号が入力されると、乾燥手段としての空気搬送機構(30,36)が、熱歪材料(21)に空気を通過させる乾燥動作を行う。これにより、熱歪材料(21)の吸着層(23)の水分を空気中へ放出させることができ、吸着層(23)の吸着剤の含水率を低減できる。
第10の発明は、第9の発明において、上記調湿モジュール(20,20a,20b)は、該調湿モジュール(20,20a,20b)で除湿した空気を室内へ供給する上記調湿運転としての除湿運転を行うように構成され、上記空気搬送機構(30,36)は、上記入力部(34)に上記除湿運転の停止信号が入力されると、上記熱歪材料(21)に室内空気を通過させることを特徴とする。
第10の発明では、調湿モジュール(20,20a,20b)で除湿された空気が室内へ供給される、除湿運転が行われる。入力部(34)に調湿運転の停止信号が入力されると、乾燥手段としての空気搬送機構(30,36)が、熱歪材料(21)に比較的相対湿度の低い室内空気を熱歪材料(21)に通過させる乾燥動作を行う。これにより、除湿運転が停止する際、熱歪材料(21)から空気中へ水分を放出させることができ、吸着層(23)の吸着剤の含水率を低減できる。
第11の発明は、第9の発明において、上記調湿モジュール(20,20a,20b)は、該調湿モジュール(20,20a,20b)で加湿した空気を室内へ供給する上記調湿運転としての加湿運転を行うように構成され、上記空気搬送機構(30,36)は、上記入力部(34)に上記加湿運転の停止信号が入力されると、上記熱歪材料(21)に室外空気を通過させることを特徴とする。
第11の発明では、調湿モジュール(20,20a,20b)で加湿された空気が室内へ供給される、加湿運転が行われる。入力部(34)に加湿運転の停止信号が入力されると、乾燥手段としての空気搬送機構(30,36)が、熱歪材料(21)に比較的相対湿度の低い室外空気を熱歪材料(21)に通過させる乾燥動作を行う。これにより、加湿運転が停止する際、熱歪材料(21)から空気中へ水分を放出させることができ、吸着層(23)の吸着剤の含水率を低減できる。
第12の発明は、第9乃至第11のいずれか1つの発明において、放湿通路(P1)の空気を搬送する放湿側ファン(30a)と、吸湿通路(P2)の空気を搬送する吸湿側ファン(30b)とを備え、上記アクチュエータは、複数の上記熱歪材料(21)を放湿通路(P1)と吸湿通路(P2)との間で連続的に回動させるとともに、上記吸湿通路(P2)側から放湿通路(P1)側にむかうにつれて熱歪材料(21)に付与する応力を大きくし、上記放湿通路(P1)側から上記吸湿通路(P2)側にむかうにつれて該熱歪材料(21)に付与された応力を小さくするように構成された回動機構(120)で構成され、上記乾燥手段は、上記入力部(34)に停止信号が入力されると上記吸湿通路(P2)側の熱歪材料(21)が上記放湿通路(P1)へ移動し、該放湿通路(P1)側の熱歪材料(21)が吸湿通路(P2)へ移動するように上記回動機構(120)を駆動する上記アクチュエータ制御部(35)と、上記入力部(34)に停止信号が入力されると、上記吸湿側ファン(30b)を停止し且つ上記放湿側ファン(30a)の運転を継続させるファン制御部(36)とを有していることを特徴とする。
第12の発明では、複数の熱歪材料(21)の応力の付与と解除とが回動機構(120)において連続的に行われる。具体的に、回動機構(120)は、複数の熱歪材料(21)を放湿通路(P1)と吸湿通路(P2)との間で連続的に回動させる。アクチュエータ制御部(35)は、熱歪材料(21)が吸湿通路(P2)側から放湿通路(P1)側にむかうにつれて該熱歪材料(21)の応力を大きくする。この結果、放湿通路(P1)では、応力が付与された熱歪材料(21)が発熱し、熱歪材料(21)の吸着層(23)から水分が脱離する。また、アクチュエータ制御部(35)は、熱歪材料(21)が放湿通路(P1)側から吸湿通路(P2)側にむかうにつれて該熱歪材料(21)の応力を小さくする。この結果、吸湿通路(P2)では、応力が解除された熱歪材料(21)が吸熱し、空気中の水分が吸着層(23)に吸着される。このように、本発明では、放湿通路(P1)において吸着層(23)の水分が連続的に脱離すると同時に、吸湿通路(P2)において空気中の水分が吸着層(23)に吸着される。
本発明において、入力部(34)に停止信号が入力されると、ファン制御部(36)は、吸湿側ファン(30b)を停止する一方、放湿側ファン(30a)の運転を継続させる。同時に、アクチュエータ制御部(35)は、吸湿通路(P2)に位置していた熱歪材料(即ち、吸着層(23)に水分が吸着された熱歪材料)を放湿通路(P1)側に移動させる。この結果、熱歪材料(21)に応力が付与され、熱歪材料(21)の吸着層(23)から水分が脱離する。これにより、熱歪材料(21)の吸着層(23)が乾燥される。放湿通路(P1)では、放湿側ファン(30a)の運転が継続しているため、吸着層(23)から脱離した水分は空気とともに放湿通路(P1)から排出される。また、入力部(34)に停止信号が入力されると、放湿通路(P1)に位置していた熱歪材料(即ち、吸着層(23)が乾燥状態の熱歪材料)を吸湿通路(P2)側に移動させる。この結果、放湿通路(P1)では、熱歪材料(21)の応力が解除された状態となる。しかしながら、吸湿通路(P2)では、吸湿側ファン(30b)が停止状態となっている。このため、吸湿通路(P2)の熱歪材料(21)の応力が解除されたとしても、多量の水分が吸着層(23)に吸着されることはない。従って、吸湿通路(P2)の熱歪材料(21)の吸着層(23)の含水率が高くなることも抑制できる。
本発明によれば、熱歪材料(21)に吸着層(23)を形成し、熱歪材料(21)に応力を付与する、あるいは解除することで、放湿動作と吸湿動作とを切り換えて空気の湿度を調節することができる。また、本発明によれば、調湿運転が停止する際、乾燥手段(22,30,30a,30b,35,36,37,D1〜D8)によって熱歪材料(21)の吸着層(23)を乾燥する乾燥動作を行うため、調湿装置を長期に亘って停止状態としても、吸着層(23)の表面で菌やカビが繁殖することを防止できる。この結果、このような菌やカビの繁殖に起因して、熱歪材料(21)の吸着層(23)の吸着性能が低下したり、吸着層(23)から悪臭が発生したりすることを防止できる。
第2の発明によれば、乾燥動作において、熱歪材料(21)に応力を付与することで、吸着層(23)から水分を容易に放出させることができる。この際に用いられるアクチュエータ(22)は、調湿運転時の放湿動作や吸湿動作にも用いられる。つまり、本発明では、通常の調湿運転で用いられるアクチュエータ(22)を乾燥手段として利用するので、部品点数が増大することもない。
第3の発明によれば、乾燥動作において、熱歪材料(21)に応力を付与する際、この熱歪材料(21)に空気を通過させるため、吸着層(23)から周囲の空気へ水分が脱離し易くなる。この結果、吸着層(23)の吸着剤の含水率を確実に低減でき、吸着剤の表面での菌やカビの繁殖を確実に防止できる。特に、第4や第5の発明によれば、乾燥動作において、比較的相対湿度の低い空気が熱歪材料(21)を通過するため、吸着層(23)から周囲の空気へ水分が脱離し易くなる。この結果、吸着層(23)の吸着剤の含水率を一層確実に低減でき、吸着剤の表面における菌やカビの繁殖を一層確実に防止できる。
第6の発明では、乾燥動作において、熱歪材料(21)に応力を付与する際、この熱歪材料(21)に空気を通過させない。このため、熱歪材料(21)の周囲を比較的相対湿度の高い空気が流れることがなく、応力を付与した熱歪材料(21)の吸着層(23)から水分を確実に放出させることができる。そして、本発明では、このようにして熱歪材料(21)の周囲に溜まった水分を空気とともに室外へ排出するため、熱歪材料(21)の周囲の湿度を速やかに低減できる。この結果、調湿装置を長期に亘って停止状態としても、吸着層(23)の吸着層の表面で菌やカビが繁殖することを確実に防止できる。
特に、第7の発明では、乾燥動作時において、ダンパ機構(37,D1〜D8)が調湿室(C1,C2)を閉空間とするため、熱歪材料(21)の周囲を比較的相対湿度の高い空気が流れることを確実に防止でき、応力を付与した熱歪材料(21)の吸着層(23)から水分を確実に放出させることができる。
第8の発明によれば、ファン(30,30a,30b)の停止後に、熱歪材料(21)の応力を解除するため、吸着層(23)の吸着剤に水分が吸着されることを極力抑えつつ、熱歪材料(21)の応力を速やかに解除できる。この結果、調湿装置の停止時には、熱歪材料(21)にアクチュエータ(22)の応力が作用しないため、熱歪材料(21)の応力負荷が低減でき、熱歪材料(21)の耐久性を向上できる。
第9の発明では、乾燥動作において、熱歪材料(21)に空気を通過させることで、この熱歪材料(21)の吸着層(23)から水分を放出させることができる。特に、第10や第11の発明では、比較的相対湿度の低い空気が熱歪材料(21)を通過するため、吸着層(23)の吸着剤の含水率を一層確実に低減でき、該吸着剤の表面における菌やカビの繁殖を一層確実に防止できる。
第12の発明では、回動機構(120)において、吸湿通路(P2)側から放湿通路(P1)側へむかう熱歪材料(21)の応力を大きくし、放湿通路(P1)側から吸湿通路(P2)側へむかう熱歪材料(21)の応力を小さくしている。これにより、本発明では、放湿通路(P1)においては連続的に吸着層(23)から水分を放出させると同時に、吸湿通路(P2)においては空気中の水分を吸着層(23)に連続的に吸着させることができる。この結果、例えば吸湿通路(P2)の空気を室内へ供給することで、室内を連続的に除湿できる。また、例えば放湿通路(P1)の空気を室内へ供給することで、室内を連続的に加湿できる。
図1は、本発明の実施形態1及び実施形態4に係る調湿装置を室内に設置した状態を示す概略図であり、図1(A)が吸湿動作の運転状態を示し、図1(B)が放湿動作の運転状態を示している。 図2は、図1の調湿装置に用いられる調湿モジュールの概略構成図である。 図3は、熱歪材料におけるT−S線図を示すものである。 図4(A)は調湿モジュールの概略構成図において放湿運転の状態を示す図であり、図4(B)は調湿モジュールの概略構成図において吸湿運転の状態を示す図である。 図5は、実施形態1の調湿装置のコントローラの概略構成図である。 図6は、応力調整手段の一例を示すものである。 図7は、応力調整手段の一例を示すものである。 図8は、実施形態1の調湿装置の乾燥動作を説明するためのタイムチャートであり、図8(A)は第1バッチ動作中に停止信号が入力された場合を示し、図8(B)は第2バッチ動作中に停止信号が入力された場合を示している。 図9は、実施形態1の変形例1及び実施形態4の変形例1に係る調湿装置を室内に設置した状態を示す概略図であり、図9(A)は第1バッチ動作を、図9(B)は第2バッチ動作を示している。 図10は、実施形態1の変形例1の調湿装置の乾燥動作を説明するためのタイムチャートである。 図11は、実施形態1の変形例2及び実施形態4の変形例2に係る調湿装置を室内に設置した状態を示す概略図であり、図11(A)は第1の運転状態、図11(B)は第2の運転状態を示している。 図12は、実施形態1の変形例3及び実施形態4の変形例3に係る調湿装置を設置した状態を示す概略図である。 図13は、実施形態1の変形例3の調湿装置のコントローラの概略構成図である。 図14は、図12の調湿装置の第1バッチ動作を示す図であり、図14(A)は平面構造図、図14(B)は左側面構造図、図14(C)は右側面構造図である。 図15は、図12の調湿装置の第2バッチ動作を示す図であり、図15(A)は平面構造図、図15(B)は左側面構造図、図11(C)は右側面構造図である。 図16は、実施形態1の変形例3の調湿装置の乾燥動作を説明するためのタイムチャートである。 図17は、図17の調湿装置のパージ動作を示す図であり、図17(A)は平面構造図、図17(B)は左側面構造図、図17(C)は右側面構造図である。 図18は、実施形態1の変形例4及び実施形態4の変形例4に係る調湿装置を室内に設置した状態を示す概略図である。 図19は、実施形態2及び実施形態4に係る調湿装置を室内に設置した状態を示す概略図であり、図19(A)が放湿動作の運転状態を示し、図19(B)が吸湿動作の運転状態を示している。 図20は、実施形態2の調湿装置の乾燥動作を説明するためのタイムチャートであり、図20(A)は第1バッチ動作中に停止信号が入力された場合を示し、図20(B)は第2バッチ動作中に停止信号が入力された場合を示している。 図21は、実施形態2の変形例1及び実施形態4の変形例1に係る調湿装置を室内に設置した状態を示す概略図であり、図21(A)は第1バッチ動作を、図21(B)は第2バッチ動作を示している。 図22は、実施形態2の変形例1の調湿装置の乾燥動作を説明するためのタイムチャートである。 図23は、実施形態2の変形例2及び実施形態4の変形例2に係る調湿装置を室内に設置した状態を示す概略図であり、図23(A)は第1バッチ動作を、図23(B)は第2バッチ動作をを示している。 図24は、実施形態2の変形例3及び実施形態4の変形例3に係る調湿装置を設置した状態を示す概略図である。 図25は、図24の調湿装置の第1バッチ動作を示す図であり、図25(A)は平面構造図、図25(B)は左側面構造図、図25(C)は右側面構造図である。 図26は、図24の調湿装置の第2バッチ動作を示す図であり、図26(A)は平面構造図、図26(B)は左側面構造図、図26(C)は右側面構造図である。 図27は、実施形態2の変形例3の調湿装置の乾燥動作を説明するためのタイムチャートである。 図28は、図28の調湿装置のパージ動作を示す図であり、図28(A)は平面構造図、図28(B)は左側面構造図、図28(C)は右側面構造図である。 図29は、実施形態2の変形例4及び実施形態4の変形例4に係る調湿装置を室内に設置した状態を示す概略図である。 図30は、実施形態3及び実施形態4の変形例5に係る調湿装置を室内に設置した状態を示す概略図であり、図30(A)は第1バッチ動作を、図30(B)は第2バッチ動作を示している。 図31は、実施形態3の変形例1及び実施形態4の変形例6に係る調湿装置を室内に設置した状態を示す概略図である。 図32は、実施形態3の変形例2及び実施形態4の変形例5に係る調湿装置を室内に設置した状態を示す概略図であり、図32(A)は第1バッチ動作を、図32(B)は第2バッチ動作を示している。 図33は、実施形態3の変形例3及び実施形態4の変形例6に係る調湿装置を室内に設置した状態を示す概略図である。 図34は、実施形態5に係る調湿モジュールの構造を示す斜視図である。 図35は、実施形態5に係るカムの形状例を示す図である。 図36は、実施形態5に係るカムの形状例を示す図である。 図37は、実施形態5に係るカムの形状例を示す図である。 図38は、実施形態5の変形例1に係る調湿モジュールの構造を示す斜視図である。 図39は、実施形態5の変形例2に係る調湿モジュールの構造を示す斜視図である。 図40は、実施形態5の変形例3に係る調湿モジュールの構造を示す斜視図である。 図41は、実施形態5の変形例4に係る調湿モジュールの構造を示す斜視図である。 図42は、実施形態5の変形例5に係る調湿モジュールの構造を示す斜視図である。 図43は、実施形態5の変形例6に係る調湿モジュールの構造を示す斜視図である。 図44は、実施形態5の変形例7に係る調湿モジュールの構造を示す斜視図である。 図45は、実施形態5の変形例8に係る調湿モジュールの構造を示す斜視図である。 図46は、実施形態5の変形例9に係る調湿モジュールの構造を示す斜視図である。 図47は、実施形態6に係る調湿モジュールの構造を示す概略図である。 図48は、実施形態6に係る調湿モジュールの一部を拡大して示す図であって、(A)は、上側空気通路内を示し、(B)は下側空気通路内を示す概略図である。 図49は、実施形態6の変形例1に係る調湿モジュールの構造を示す概略図である。 図50は、実施形態6の変形例2に係る調湿モジュールの構造を示す概略図である。 図51は、実施形態6の変形例3に係る調湿モジュールの構造を示す概略図である。 図52は、実施形態6の変形例4に係る調湿モジュールの構造を示す斜視図である。 図53は、実施形態6の変形例4に係る調湿モジュールの構造を示す概略の断面図である。 図54は、実施形態6の変形例4に係る調湿モジュールの構造を示す平面図である。 図55は、実施形態6の変形例5に係る調湿モジュールの構造を示す斜視図である。 図56は、実施形態6の変形例5に係る調湿モジュールの構造を示す概略の断面図である。 図57は、実施形態6の変形例5に係る調湿モジュールの構造を示す平面図である。 図58は、実施形態7に係る調湿モジュールの構造を示す概略図である。 図59は、実施形態7に係るケーシングと調湿モジュールの構造を示す概略図である。 図60は、実施形態7の変形例に係る調湿モジュールの一部を示す概略図である。 図61は、実施形態7の変形例に係る調湿モジュールの構造を示す概略図である。 図62は、実施形態7の変形例に係るケーシングと調湿モジュールの構造を示す概略図である。 図63は、実施形態8に係る調湿モジュールの構造を示す概略図である。 図64は、実施形態8に係るアクチュエータの構成を模式的に示す図である。 図65は、実施形態8の変形例1に係るアクチュエータの構成を模式的に示す図である。 図66は、その他の形態に係るアクチュエータの構成を示す図である。 図67は、その他の形態に係るアクチュエータの構成を示す図である。 図68は、その他の形態に係るアクチュエータの構成を示す図である。 図69は、その他の形態に係るアクチュエータの構成を示す図である。 図70は、その他の形態に係る乾燥動作の第1の例を説明するためのタイムチャートである。 図71は、その他の形態に係る乾燥動作の第2の例を説明するためのタイムチャートである。 図72は、乾燥手段の他の変形例に係る調湿モジュールの構造を示す概略図であり、(A)は除湿運転を(B)は乾燥動作の終了時をそれぞれ表したものである。 図73は、乾燥手段の他の変形例に係る調湿モジュールの構造を示す概略図であり、(A)は加湿運転を(B)は乾燥動作の終了時をそれぞれ表したものである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
〈発明の実施形態1〉
−装置の全体構成−
図1は、実施形態1に係る1つの室内ユニット(U)で構成される調湿装置(1)を建物(2)の室内(空調対象空間)(3)に設置した状態を示す概略図であり、図1(A)が吸湿動作の運転状態を示し、図1(B)が放湿動作の運転状態を示している。実施形態1の調湿装置(1)は、除湿装置として構成されている。
この調湿装置(1)は、ケーシング(10)と、ケーシング(10)内に収納された調湿モジュール(20)と、調湿モジュール(20)に空気を流すファン(30)と、コントローラ(33)とを備えている。
ケーシング(10)内には、該ケーシング(10)内に導入された空気を調湿モジュール(20)に通して室内(3)へ供給するための空気通路(P)が形成されている。この実施形態では、上記調湿モジュール(20)で吸湿処理した空気をこの空気通路(P)により室内(3)に導入することにより、除湿運転(調湿運転)が行われる。
−調湿モジュール−
上記調湿モジュール(20)は、概略の構成を図2に示すように、熱歪材料(Thermoelastic)(21)と、該熱歪材料(21)に引張力を付与するアクチュエータ(22)とを備えている。尚、この熱歪材料(21)に付与される引張力は、本発明に係る張力を構成している。調湿モジュール(20)の表面には、空気中の水分の吸着と脱離が可能な吸着層(23)が設けられている。
上記熱歪材料(21)は、例示として形状記憶合金によって構成され、応力(例えば引張力や圧縮力)をかけることで対象物を加熱する一方、応力を解除することで対象物を冷却するものである。具体的には、図3に示すように、熱歪材料(21)に応力をかけると、母相(オーステナイト相)からマルテンサイト相へと相変化することで、エントロピーが減少し、その分、発熱して熱歪材料(21)自身が加熱される(IからII)。熱歪材料(21)に応力をかけたまま、該熱歪材料(21)を加熱対象物に接触させると、熱歪材料(21)の熱が加熱対象物に伝わる(IIからIII)。こうすることで、熱歪材料(21)の温度は下がる。そして、熱歪材料(21)にかけられている応力を除去(解除)すると、マルテンサイト相から母相(オーステナイト相)に変化する(IIIからIV)。このとき、熱歪材料(21)が断熱されていると、熱歪材料(21)の温度が下がる。温度が下がった熱歪材料に冷却対象物を接触させると、該冷却対象物の熱が熱歪材料(21)に伝わる(IVからI)。
したがって、図4(A)に示すように、熱歪材料(21)に応力を付与すると、熱歪材料(21)が発熱し、吸着層(23)が加熱される。吸着層(23)が加熱されると、吸着層(23)に吸着されていた水分が空気中に放出される(放湿動作)。したがって、調湿モジュール(20)を通過した後の空気中の水分は通過前より多くなる。逆に図4(B)に示すように熱歪材料(21)への応力を解除すると、熱歪材料(21)が吸熱し、吸着層(23)が冷却される。吸着層(23)が冷却されると、空気中の水分が吸着層(23)に吸着される(吸湿動作)。したがって、調湿モジュール(20)を通過した後の空気中の水分は通過前より少なくなる。この調湿装置(1)では、放湿動作と吸湿動作が交互に行われる。
熱歪材料(21)の具体例として、チタン(Ti)/ニッケル(Ni)系の合金(例えば形状記憶合金)や、エラストマ樹脂を挙げることができる。
上記アクチュエータ(22)は、熱歪材料(21)に応力(引張力)を付与するためのものである。アクチュエータ(22)は、アクチュエータ制御部(35)に接続され、該アクチュエータ制御部(35)によって熱歪材料(21)への引張力の付与と解除とが制御される。
図5に示すように、コントローラ(33)は、調湿モジュール(20)及びファン(30)を制御するものである。コントローラ(33)には、入力部(34)と、アクチュエータ制御部(35)と、ファン制御部(36)とが設けられる。入力部(34)には、調湿運転(除湿運転)を開始させるための開始信号と、調湿運転(除湿運転)を停止させるための停止信号とが入力される。アクチュエータ制御部(35)は、アクチュエータ(22)によって熱歪材料(21)に張力を付与する状態と、アクチュエータ(22)による熱歪材料(21)の張力を解除する状態とを切り換えるようにアクチュエータ(22)を制御する。ファン制御部(36)は、ファン(30)のモータのON/OFF、及び回転方向を制御する。
アクチュエータ制御部(35)は、入力部(34)に除湿運転の停止信号が入力されると、熱歪材料(21)に張力を付与するようにアクチュエータ(22)を制御して乾燥動作を行う乾燥手段を構成する。また、ファン(30)及びファン制御部(36)は、乾燥動作において、張力が付与された上記熱歪材料(21)に空気を通過させる空気搬送機構であり、乾燥手段を構成する。
−引張力付与動作−
上記アクチュエータ制御部(35)は、アクチュエータ(22)を制御して、熱歪材料(21)への引張力の付与と解除を制御するものである。アクチュエータ制御部(35)は、図6(A〜C)において、アクチュエータ(22)における熱歪材料(21)に付与する引張力の大きさを変化させることにより該熱歪材料(21)の発熱量を調整し、吸放湿能力を調整するように構成されている。
また、上記アクチュエータ制御部(35)は、図7(A〜C)において、各熱歪材料(21)の全体のうち、引張力を付与する熱歪材料(21)の割合を変化させることにより該熱歪材料(21)の発熱力を調整し、吸放湿能力を調整するようにしてもよい。
さらに、上記アクチュエータ制御部(35)は、上記吸湿動作と放湿動作を繰り返す時間間隔を変化させることにより上記熱歪材料(21)の発熱量を調整し、吸放湿能力を調整するように構成してもよい。
−運転動作−
この調湿装置(1)では除湿運転のみが行われる。この除湿運転は、例えば室外空気(OA)の湿度が比較的高い夏期に行われる。この除湿運転では、第1バッチ動作と第2バッチ動作とが交互に繰り返されることで、室内の除湿が間欠的に行われる。第1バッチ動作では、室外空気(OA)が吸湿動作中の熱歪材料(21)を通過し、該熱歪材料(21)を通過した空気が供給空気(SA)として室内へ供給される。第2バッチ動作では、室内空気(RA)が放湿動作中の熱歪材料(21)を通過し、該熱歪材料(21)を通過した空気が排出空気(EA)として室外へ排出される。
具体的に、図1(A)に示す第1バッチ動作では、室外空気(OA)がケーシング(10)に取り込まれ、取り込まれた空気が供給空気(SA)として室内へ供給されるように、ファン(30)の回転方向が設定される。第1バッチ動作では、それまで加熱されていた調湿モジュール(20)への引張力が解除される。そうすると、調湿モジュール(20)が空気(室外空気(OA))から吸熱し、図2、図4の吸着層(23)が冷却される。吸着層(23)は、それまで加熱されていたことにより、既に水分を放出している。したがって、図1(A)に示すように、室外から室内(3)へ向かって空気が流れると、その空気から水分が吸着される。そして、水分が吸着されて減湿された空気が室内(3)へ供給される。また、このとき、調湿モジュール(20)が冷却されるため、吸着熱による吸着層(23)の発熱が抑えられる。したがって、吸着性能が低下せずに吸湿動作が行われる。
次に、図1(B)に示す第2バッチ動作では、室内空気(RA)がケーシング(10)に取り込まれ、取り込まれた空気が排出空気(EA)として室外へ排出されるように、ファン(30)の回転方向が第1バッチ動作とは逆方向に設定される。第2バッチ動作では、調湿モジュール(20)の熱歪材料(21)に引張力が付与される。そうすると、調湿モジュール(20)が放熱し、吸着層(23)が加熱される。吸着層(23)が加熱されると、吸着層(23)に含まれていた水分が室内(3)から室外へ流れる空気に放出される。したがって、この放湿運転のときには、調湿モジュール(20)の吸着層(23)が再生され、水分は空気(排出空気(EA))とともに室外に排出される。
<乾燥動作>
次に、上述した調湿運転(除湿運転)が停止する際に実行される乾燥動作について説明する。除湿運転の停止時において、熱歪材料(21)の吸着層(23)の含水率が比較的高い状態であり、この停止状態が長期間に亘って継続すると、吸着層(23)の吸着剤の表面で菌やカビ等が繁殖し、吸着層(23)の吸着性能が低下したり、悪臭が発生したりする。そこで、調湿装置(1)では、除湿運転が停止する際、次のような乾燥動作が行われる。
例えば図8(A)に示すように、上述した除湿運転の第1バッチ動作中(吸湿動作中)において、コントローラ(33)の入力部(34)に除湿運転の停止信号が入力されたとする。この場合、吸湿動作が終了した時点において、そのまま除湿運転を停止させると、熱歪材料(21)の吸着層(23)の吸着剤の含水率が高いままの状態が長期間に亘って維持されることになる。
そこで、調湿装置(1)では、入力部(34)に停止信号が入力された時点での吸湿動作が終了した直後に、熱歪材料(21)の吸着層(23)の吸着剤を乾燥させる動作が行われる。この乾燥動作では、アクチュエータ制御部(35)が、熱歪材料(21)に張力を付与するようにアクチュエータ(22)を制御する。すると、張力が付与された熱歪材料(21)では、該熱歪材料(21)が発熱して吸着層(23)が加熱され、吸着層(23)の吸着剤の水分が周囲の空気へ放出される。また、乾燥動作では、ファン制御部(36)が、張力が付与される熱歪材料(21)に室内空気(RA)を通過させるようにファン(30)のモータの回転方向を制御する。これにより、熱歪材料(21)の吸着層(23)から放出された水分が、室内空気(RA)に付与される。除湿運転が行われる夏期等では、室内空気(RA)の温度及び絶対湿度が室外空気(OA)よりも低くなる傾向にある。熱歪材料に導入された室内空気(RA)は、張力が付与された熱歪材料によって加熱されて相対湿度が低下する。このため、熱歪材料(21)に室内空気(RA)を通過させることで、熱歪材料(21)の吸着層(23)から水分が放出され易くなる。水分を含んだ室内空気(RA)は、排出空気(EA)として室外へ排出される。
乾燥動作が終了すると、ファン制御部(36)は、ファン(30)のモータを停止させる。この結果、乾燥動作の後には、熱歪材料(21)の空気の流通が禁止される。同時に、アクチュエータ制御部(35)は、空気の流通が禁止された状態の熱歪材料(21)の張力を解除する解除動作を行う。この解除動作では、熱歪材料(21)の温度が低下し、吸着層(23)の吸着剤に周囲の水分が吸着され易くなる。しかし、解除動作中では、既にファン(30)が停止状態となるため、熱歪材料(21)を空気が通過する場合と比較して、吸着剤に吸着される水分の量は少ない。従って、解除動作では、吸着層(23)の吸着剤の含水率の上昇を抑えつつ、熱歪材料(21)の張力を解除できる。
また、例えば図8(B)に示すように、上述した除湿運転の第2バッチ動作中(放湿動作中)において、コントローラ(33)の入力部(34)に除湿運転の停止信号が入力されたとする。この場合、入力部(34)に停止信号が入力された時点で放湿動作を終了すると、吸着層(23)の吸着剤の再生が不十分となり、吸着層(23)の吸着剤の含水率が高いままの状態が長期間に亘って維持されることになる。
そこで、調湿装置(2)では、入力部(34)に停止信号が入力されても、継続して熱歪材料(21)に張力を付与して乾燥動作を行う。これにより、乾燥動作では、張力が付与された熱歪材料(21)が継続して発熱して吸着層(23)が加熱され、吸着層(23)の吸着剤の水分が周囲の空気へ放出される。また、乾燥動作では、ファン制御部(36)が、張力が付与される熱歪材料(21)に室内空気(RA)を通過させるようにファン(30)のモータの回転方向を制御する。これにより、熱歪材料(21)の吸着層(23)から放出された水分が、室内空気(RA)に付与される。除湿運転が行われる夏期等では、室内空気(RA)の相対湿度が室外空気(OA)の相対湿度よりも低くなる傾向にある。このため、熱歪材料(21)に室内空気(RA)を通過させることで、熱歪材料(21)の吸着層(23)から水分が放出され易くなる。水分を含んだ室内空気(RA)は、排出空気(EA)として室外へ排出される。
乾燥動作が終了すると、ファン制御部(36)は、ファン(30)のモータを停止させる。この結果、乾燥動作の後には、熱歪材料(21)の空気の流通が禁止される。同時に、アクチュエータ制御部(35)は、空気の流通が禁止された状態の熱歪材料(21)の張力を解除する解除動作を行う。この解除動作では、熱歪材料(21)の温度が低下し、吸着層(23)の吸着剤に周囲の水分が吸着され易くなる。しかし、解除動作中では、既にファン(30)が停止状態となるため、熱歪材料(21)を空気が通過する場合と比較して、吸着剤に吸着される水分の量は少ない。従って、解除動作では、吸着層(23)の吸着剤の含水率の上昇を抑えつつ、熱歪材料(21)の張力を解除できる。
−実施形態1の効果−
実施形態1によれば、調湿運転が停止する際に、熱歪材料(21)の吸着層(23)を乾燥する乾燥動作を行うため、調湿装置を長期に亘って停止状態としても、吸着層(23)の表面で菌やカビが繁殖することを防止できる。この結果、このような菌やカビの繁殖に起因して、熱歪材料(21)の吸着層(23)の吸着性能が低下したり、吸着層(23)から悪臭が発生したりすることを防止できる。
また、実施形態1によれば、乾燥動作において、熱歪材料(21)に張力を付与することで、吸着層(23)から水分を容易に放出させることができる。この際に用いられるアクチュエータ(22)は、放湿動作や吸湿動作時にも用いられる。つまり、本実施形態では、通常の調湿運転で用いられるアクチュエータ(22)を乾燥手段として利用するので、部品点数が増大することもない。
また、実施形態1によれば、乾燥動作において、張力が付与された熱歪材料(21)に相対湿度の低い室内空気(RA)を通過させるので、吸着層(23)から空気へ放出される水分の量を増大でき、吸着層(23)の含水率を確実に低減できる。
また、実施形態1によれば、乾燥動作が終了してファン(30)を停止した後に、熱歪材料(21)の張力を解除するため、吸着層(23)の吸着剤に水分が吸着せることを極力抑えつつ、熱歪材料(21)の張力を速やかに解除できる。この結果、調湿装置の停止時には、熱歪材料(21)にアクチュエータ(22)の張力が作用しないため、熱歪材料(21)の応力負荷が低減でき、熱歪材料(21)の耐久性を向上できる。
(変形例1)
図9に示す変形例1は、2つの室内ユニット(U1,U2)で構成される調湿装置(1)を空調対象の室内(3)に設置するように構成したものである。図9では、部屋の対向する壁面の一方(図の右側の壁面)に第1室内ユニット(U1)が設置され、壁面の他方(図の左側の壁面)に第2室内ユニット(U2)が設置されている。各室内ユニット(U1,U2)の構成は図1の調湿装置(1)の室内ユニット(U)と同じであるため、各室内ユニット(U1,U2)の構成については説明を省略する。
この調湿装置(1)では除湿運転のみが行われる。この除湿運転は、例えば室外空気(OA)の湿度が比較的高い夏期に行われる。この除湿運転では、第1バッチ動作と第2バッチ動作とが交互に繰り返されることで、室内の除湿が連続的に行われる。第1バッチ動作では、室外空気(OA)が第1室内ユニット(U1)の吸湿動作中の熱歪材料(21)を通過し、該熱歪材料(21)を通過した空気が供給空気(SA)として室内へ供給される。同時に、第1バッチ動作では、室内空気(RA)が第2室内ユニット(U2)の放湿動作中の熱歪材料(21)を通過し、該熱歪材料(21)を通過した空気が排出空気(EA)として室外へ排出される。また、第2バッチ動作では、室外空気(OA)が第2室内ユニット(U2)の吸湿動作中の熱歪材料(21)を通過し、該熱歪材料(21)を通過した空気が供給空気(SA)として室内へ供給される。同時に、第2バッチ動作では、室内空気(RA)が第1室内ユニット(U1)の放湿動作中の熱歪材料(21)を通過し、該熱歪材料(21)を通過した空気が排出空気(EA)として室外へ排出される。
より詳細に、図9(A)に示す第1バッチ動作では、第1室内ユニット(U1)において、室外空気(OA)がケーシング(10)に取り込まれ、取り込まれた空気が供給空気(SA)として室内へ供給されるように、ファン(30)の回転方向が設定される。また、第1室内ユニット(U1)では、調湿モジュール(20)の熱歪材料(21)への引張力が解除される。したがって、第1室内ユニット(U1)の調湿モジュール(20)が吸熱し、室外空気(OA)が室外から室内(3)へ流れる際に空気中の水分が吸着される。そして、水分が吸着されて減湿された空気が供給空気(SA)として室内(3)へ供給される。
同時に、第1バッチ動作では、第2室内ユニット(U2)において、室内空気(RA)がケーシング(10)に取り込まれ、取り込まれた空気が排出空気(EA)として室外へ排出されるように、ファン(30)の回転方向が設定される。また、第2室内ユニット(U2)では、調湿モジュール(20)の熱歪材料(21)に引張力が付与される。したがって、吸着層(23)に含まれている水分が空気に与えられて、排出空気(EA)として室外へ放出され、調湿モジュール(20)の吸着層(23)が再生される。
また、図9(B)に示す第2バッチ動作では、第2室内ユニット(U2)において、室外空気(OA)がケーシング(10)に取り込まれ、取り込まれた空気が供給空気(SA)として室内へ供給されるように、ファン(30)の回転方向が設定される。また、第2室内ユニット(U2)では、調湿モジュール(20)の熱歪材料(21)への引張力が解除される。したがって、第2室内ユニット(U1)の調湿モジュール(20)が吸熱し、室外空気(OA)が室外から室内(3)へ流れる際に空気中の水分が吸着される。そして、水分が吸着されて減湿された空気が供給空気(SA)として室内(3)へ供給される。
同時に、第2バッチ動作では、第1室内ユニット(U1)において、室内空気(RA)がケーシング(10)に取り込まれ、取り込まれた空気が排出空気(EA)として室外へ排出されるように、ファン(30)の回転方向が設定される。また、第1室内ユニット(U1)では、調湿モジュール(20)の熱歪材料(21)に引張力が付与される。したがって、吸着層(23)に含まれている水分が空気に与えられて、排出空気(EA)として室外へ放出され、調湿モジュール(20)の吸着層(23)が再生される。
このように、実施形態1の変形例1によれば、いずれか一方の室内ユニット(U1,U2)で空気を減湿して、その空気を室内(3)へ供給するときに、他方の室内ユニット(U2,U1)では吸着層(23)を再生する、図9(A)の動作と図9(B)の動作とを交互に切り換えることにより、除湿運転を連続して行うことができる。
<乾燥動作>
次に、実施形態1の変形例1の調湿運転(除湿運転)が停止する際に行われる乾燥動作について説明する。
例えば図10に示すように、上述した除湿運転の第1バッチ動作中(第1室内ユニット(U1)の吸湿動作中)において、コントローラ(33)の入力部(34)に除湿運転の停止信号が入力されたとする。すると、第1室内ユニット(U1)では、吸湿動作の終了直後において乾燥動作が行われる。第1室内ユニット(U1)の乾燥動作では、張力が解除された状態の熱歪材料(21)に再び張力が付与される。すると、第1室内ユニット(U1)の熱歪材料(21)では、該熱歪材料(21)が発熱して吸着層(23)が加熱され、吸着層(23)の吸着剤の水分が周囲の空気へ放出される。同時に、ファン制御部(36)は、乾燥動作において、熱歪材料(21)に室内空気(RA)を通過させるようにファン(30)のモータの回転方向を制御する。これにより、熱歪材料(21)の吸着層(23)から放出された水分が、室内空気(RA)に付与される。水分を含んだ室内空気(RA)は、排出空気(EA)として室外へ排出される。
一方、第2室内ユニット(U2)では、入力部(34)に運転信号が入力された時点から、連続的に熱歪材料(21)に張力を付与されて乾燥動作が行われる。すると、第2室内ユニット(U2)の熱歪材料(21)では、該熱歪材料(21)が発熱して吸着層(23)が加熱され、吸着層(23)の吸着剤の水分が周囲の空気へ放出される。同時に、ファン制御部(36)は、乾燥動作において、熱歪材料(21)に室内空気(RA)を通過させるようにファン(30)のモータの回転方向を制御する。これにより、熱歪材料(21)の吸着層(23)から放出された水分が、室内空気(RA)に付与される。水分を含んだ室内空気(RA)は、排出空気(EA)として室外へ排出される。
各室内ユニット(U1,U2)で乾燥動作がそれぞれ終了すると、ファン制御部(36)は、ファン(30)のモータを停止させる。その後、各室内ユニット(U1,U2)では、上記実施形態1と同様にして、解除動作が行われる。
変形例1では、実施形態1と同様にして、除湿運転が停止する際、各室内ユニット(U1,U2)の熱歪材料(21)の吸着層(23)を乾燥することができ、吸着層(23)の表面における菌やカビの繁殖を抑制できる。
なお、変形例1では、第2バッチ動作中において、入力部(34)に停止信号が入力された場合、図10において、第1室内ユニット(U1)と第2室内ユニットとの各動作が全く逆となるように、それぞれの室内ユニット(U1,U2)で乾燥動作が行われる。
(変形例2)
図11に示す変形例2は、2つの室内ユニット(U1,U2)を空調対象の室内(3)に設置するように構成している点は図9の装置(1)と共通している。図9の変形例1と異なる点は、第1室内ユニット(U1)と第2室内ユニット(U2)の両方を、図の右側の壁面に設置した点である。各室内ユニット(U1,U2)の構成は、図1及び図9の調湿装置(1)と同じである。
図11(A)は、第1室内ユニット(U1)で吸湿動作を行い、第2室内ユニット(U2)で放湿動作を行う状態を示している。第1室内ユニット(U1)では、調湿モジュール(20)の熱歪材料(21)への引張力が解除される。したがって、第1室内ユニット(U1)の調湿モジュール(20)が吸熱し、室外空気(OA)が室外から室内(3)へ流れる際に空気中の水分が吸着される。そして、水分が吸着されて減湿された空気が供給空気(SA)として室内(3)へ供給される。
一方、第2室内ユニット(U2)では、室内空気(RA)が室外へ排出される方向へファン(30)が回転し、同時に調湿モジュール(20)の熱歪材料(21)に引張力が付与される。したがって、吸着層(23)に含まれている水分が空気に与えられて、排出空気(EA)として室外へ放出され、調湿モジュール(20)の吸着層(23)が再生される。
図11(B)は、第2室内ユニット(U2)で吸湿動作を行い、第1室内ユニット(U1)で放湿動作を行う状態を示している。第2室内ユニット(U2)では、調湿モジュール(20)の熱歪材料(21)への引張力が解除される。したがって、第2室内ユニット(U2)の調湿モジュール(20)が吸熱し、室外空気(OA)が室外から室内(3)へ流れる際に空気中の水分が吸着される。そして、水分が吸着されて減湿された空気が供給空気(SA)として室内(3)へ供給される。
一方、第1室内ユニット(U1)では、室内空気(RA)が室外へ排出される方向へファン(30)が回転し、同時に調湿モジュール(20)の熱歪材料(21)に引張力が付与される。したがって、吸着層(23)に含まれている水分が空気に与えられて、排出空気(EA)として室外へ放出され、調湿モジュール(20)の吸着層(23)が再生される。
このように、実施形態1の変形例2によれば、いずれか一方の室内ユニット(U1,U2)で空気を減湿して、その空気を室内(3)へ供給するときに、他方の室内ユニット(U2,U1)では吸着層(23)を再生する図11(A)の運転と図11(B)の運転を交互に切り換えることにより、除湿運転を連続して行うことができる。
変形例2では、除湿運転が停止される際、変形例1と同様にして乾燥動作が行われる(図10を参照)。
(変形例3)
図12に示す変形例3は、調湿装置(1)のケーシング(10)内に2つの調湿モジュール(20)を設け、一方の調湿モジュール(20)(第1調湿モジュール(20a))を通過した空気を室内(3)に供給して他方の調湿モジュール(20)(第2調湿モジュール(20b))を通過した空気を室外へ放出する第1バッチ動作と、第2調湿モジュール(20b)を通過した空気を室内(3)に供給して第1調湿モジュール(20a)を通過した空気を室外へ放出する第2バッチ動作とを切り換えるように構成したものである。
調湿装置(1)は、2つの調湿モジュール(20a,20b)と2つのファン(30a,30b)を1つのケーシング(10)内に収納した一体型の構成で、天井裏に設置されている。また、調湿装置(1)は、図13に示すように、コントローラ(33)を備えている。コントローラ(33)には、実施形態1と同様にして、入力部(34)、アクチュエータ制御部(35)、及びファン制御部(36)が設けられる。また、変形例3のコントローラ(33)には、詳細は後述する複数のダンパ(D1〜D8)の開閉制御を行うダンパ制御部(37)が設けられる。
複数のダンパ(D1〜D8)及びダンパ制御部(37)は、熱歪材料(21)が収容される調湿室(C1,C2)を閉空間とするためのダンパ機構を構成する。また、このダンパ機構及びファン制御部(36)は、詳細は後述する乾燥動作において、熱歪材料(21)での空気の通過を禁止させる空気流通禁止機構を構成する。
図14は、第1調湿モジュール(20a)を吸湿側にして第2調湿モジュール(20b)を放湿側にする第1バッチ動作を示し、図15は、第2調湿モジュール(20b)を吸湿側にして第1調湿モジュール(20a)を放湿側にする第2バッチ動作を示している。また、図14及び図15において、それぞれ、(A)図は平面構造図(装置を平面から見て内部構造を示す図)、(B)図は左側面構造図、(C)図は右側面構造図である。
この調湿装置(1)のケーシング(10)は、四角い箱形に形成されている。このケーシング(10)の1つの側壁面には、室外空気(OA)をケーシング(10)内に取り入れる第1吸込口(11)と、室内空気(RA)をケーシング(10)内に取り入れる第2吸込口(12)が設けられている。また、上記各吸込口(11,12)が設けられている側壁面の左右の側壁面には、供給空気(SA)を室内(3)に供給する第1吹出口(13)と、排出空気(EA)を室外に排出する第2吹出口(14)が設けられている。これらの第1吸込口(11)、第2吸込口(12)、第1吹出口(13)及び第2吹出口(14)には、それぞれ図12に模式的に矢印で示すダクト(4a,4b,4c,4d)が接続されている。
上記ケーシング(10)内は、上記調湿モジュール(20)が配置された調湿室(C1,C2)と、ファン(30a,30b)が配置されたファン室(C3,C4)が設けられている。調湿室(C1,C2)は、図14,図15においてケーシング(10)内の左右に隣り合って位置する第1調湿室(C1)と第2調湿室(C2)とから構成されている。上記ファン室(C3,C4)は、同じくケーシング(10)の左右に隣り合って位置する第1ファン室(C3)と第2ファン室(C4)とから構成されている。第1ファン室(C3)には給気ファン(30a)が配置され、第2ファン室(C4)には排気ファン(30b)が配置されている。
また、上記各吸込口(11,12)と調湿室(C1,C2)の間には入口側通風室(C5,C6)が形成されている。入口側通風室(C5,C6)は、上記ケーシング(10)の上下2段に配置された第1入口側通風室(C5)と第2入口側通風室(C6)とから構成されている。第1入口側通風室(C5)には第1吸込口(11)が設けられ、第2入口側通風室(C6)には第2吸込口(12)が設けられている。各入口側通風室(C5,C6)と各調湿室(C1,C2)との間には、開閉可能なダンパ(D1,D2,D3,D4)が1枚ずつ、合計4枚設けられている。
上記調湿室(C1,C2)と上記ファン室(C3,C4)との間には出口側通風室(C7,C8)が形成されている。出口側通風室(C7,C8)は、上記ケーシング(10)の上下2段に配置された第1出口側通風室(C7)と第2出口側通風室(C8)とから構成されている。各調湿室(C1,C2)と各出口側通風室(C7,C8)との間には、開閉可能なダンパ(D5,D6,D7,D8)が1枚ずつ、合計4枚設けられている。
各出口側通風室(C7,C8)は、上記各ファン室(C3,C4)と連通している。上記第1吹出口(13)はケーシング(10)の第1ファン室(C3)側に設けられ、上記第2吹出口(14)はケーシング(10)の第2ファン室(C4)側に設けられている。
以上の構成においては、第1バッチ動作のとき、第1ダンパ(D1)、第4ダンパ(D4)、第5ダンパ(D5)及び第8ダンパ(D8)が開かれ、第2ダンパ(D2)、第3ダンパ(D3)、第6ダンパ(D6)及び第7ダンパ(D7)は閉じられる。また、第2バッチ動作のとき、第2ダンパ(D2)、第3ダンパ(D3)、第6ダンパ(D6)及び第7ダンパ(D7)が開かれ、第1ダンパ(D1)、第4ダンパ(D4)、第5ダンパ(D5)及び第8ダンパ(D8)は閉じられる。
このようにダンパ(D1〜D8)の開閉状態を制御することにより、第1バッチ動作においては、図14に示すように、第1吸込口(11)からケーシング(10)内に導入された室外空気が、第1ダンパ(D1)、第1調湿モジュール(20a)及び第5ダンパ(D5)を通って第1吹出口(13)から室内(3)へ供給されるとともに、第2吸込口(12)からケーシング(10)内に導入された室内空気が、第4ダンパ(D4)、第2調湿モジュール(20b)及び第8ダンパ(D8)を通って第2吹出口(14)から室外へ排出される。また、第2バッチ動作においては、図15に示すように、第1吸込口(11)からケーシング(10)内に導入された室外空気が、第3ダンパ(D3)、第2調湿モジュール(20b)及び第7ダンパ(D7)を通って第1吹出口(13)から室内(3)へ供給されるとともに、第2吹出口(14)からケーシング(10)内に導入された室内空気が、第2ダンパ(D2)、第1調湿モジュール(20a)及び第6ダンパ(D6)を通って第2吹出口(14)から室外へ排出される。
そして、この実施形態1の変形例3では、ダンパの開閉状態を切り換えることにより、図14の第1バッチ動作と図15の第2バッチ動作が交互に繰り返される。
この調湿装置(1)は除湿専用機として構成されているので、室内(3)へ供給される空気が通過する調湿モジュール(20)は、第1調湿モジュール(20a)と第2調湿モジュール(20b)のどちらに切り換わっても、吸湿動作が行われる方の調湿モジュール(20)である。したがって、室内(3)へは、減湿された空気が連続して供給される。また、室外へ排出される空気が通過する調湿モジュール(20)は、第2調湿モジュール(20b)と第1調湿モジュール(20a)のどちらに切り換わっても放湿動作が行われる方の調湿モジュール(20)である。したがって、室外へ放出される空気が通過する調湿モジュール(20)は、常に再生側となる。
このように、実施形態1の変形例3によれば、いずれか一方の調湿モジュール(20a,20b)で空気を減湿して、その空気を室内(3)へ供給するときに、他方の調湿モジュール(20b,20a)では吸着層(23)を再生する図14の動作と図15の動作とを交互に切り換えることにより、除湿運転を連続して行うことができる。
<乾燥動作>
次に、実施形態1の変形例3の調湿運転(除湿運転)が停止する際に行われる乾燥動作について説明する。
例えば図16に示すように、上述した除湿運転の第1バッチ動作中(第1調湿モジュール(20a)の吸湿動作中)において、コントローラ(33)の入力部(34)に除湿運転の停止信号が入力されたとする。すると、第2調湿モジュール(20b)では、熱歪材料(21)に連続して張力を付与され、停止信号の入力直後から乾燥動作が行われる。一方、第1調湿モジュール(20a)では、停止信号の入力直後から連続して吸湿動作が行われる。
第1調湿モジュール(20a)での吸湿動作、及び第2調湿モジュール(20b)の乾燥動作が終了すると、ファン制御部(36)は、給気ファン(30a)及び排気ファン(30b)を停止させる。また、ダンパ制御部(37)は、全てのダンパ(D1〜D8)を閉状態とする。この結果、第1調湿室(C1)及び第2調湿室(C2)は、各空気通路から遮断される閉空間となる。
ファンの停止指令、及びダンパの全閉指令が出力された直後において、第1調湿モジュール(20a)では、熱歪材料(21)に張力が付与される。この状態では、各ファン(30a,30b)が停止状態となり、且つ第1調湿室(C1)は閉空間となっている。このため、外部の高湿の空気が第1調湿室(C1)に入り込むことはない。第1調湿モジュール(20a)の熱歪材料(21)に張力が付与されると、吸着層(23)から第1調湿室(C1)内の空気へ水分が脱離し、吸着剤が乾燥される。
一方、ファンの停止指令、及びダンパの全閉指令が出力された直後において、第2調湿モジュール(20b)では、上述した実施形態1と同様にして、解除動作が行われる。
第1調湿モジュール(20a)の熱歪材料(21)に張力が付与され、吸着層(23)の水分が脱離した後には、乾燥動作の一部であるパージ動作が行われる。図17に示すパージ動作では、第1調湿室(C1)内の空気が室外へ排出される。具体的に、パージ動作では、ダンパ制御部(37)が、第2ダンパ(D2)、第6ダンパ(D6)を開状態とし、残りのダンパ(D1,D3,D4,D5,D7,D8)を閉状態とする。また、パージ動作では、空気排出機構である排気ファン(30b)が運転状態となる。これにより、調湿装置では、室内空気(RA)が、第2吸込口(12)、第2入口側通風室(C6)、第1調湿室(C1)、第2出口側通風室(C8)、第2吹出口(14)を順に通過し、排出空気(EA)として室外へ排出される。このパージ動作では、比較的相対湿度の低い室内空気(RA)が、第1調湿室(C1)内の水分を含んで、室外へ排出される。これにより、閉空間とした第1調湿室(C1)において吸着層(23)から放出された水分を空気とともに室外へ排出でき、第1調湿室(C1)の湿度を低下させることができる。この結果、調湿装置を停止した際、第1調湿室(C1)内の水分が吸着層(23)に再び吸着してしまうことを防止できる。
パージ動作が終了すると、ファン制御部(36)によって排気ファン(30b)が停止され、且つダンパ制御部(37)によって全てのダンパ(D1〜D8)が閉状態となる。そして、第1調湿モジュール(20a)では、上述した実施形態1と同様にして、解除動作が行われる。
なお、変形例3では、第2バッチ動作中において、入力部(34)に停止信号が入力された場合、図16において、第1調湿モジュール(20a)と調湿モジュール(20b)との各動作が全く逆となるように、それぞれの調湿モジュール(20a,20b)で乾燥動作が行われる。
また、変形例3の調湿装置(1)において、実施形態1の変形例1の図10と同様に、乾燥動作を行ってもよい。つまり、入力部(34)に停止信号が入力されると、調湿モジュール(20a)の吸湿動作の直後に調湿モジュール(20a)の熱歪材料(21)に張力を付与すると同時に、この熱歪材料(21)に室内空気(RA)を通過させ、通過後の空気を室外へ排出してもよい。
なお、変形例3では、第2バッチ動作中において、入力部(34)に停止信号が入力された場合、図16において、第1調湿モジュール(20a)と調湿モジュール(20b)との各動作が全く逆となるように、それぞれの調湿モジュール(20a,20b)で乾燥動作が行われる。
(変形例4)
図18に示す変形例4は、ロータ式の調湿モジュール(20)を用いた調湿装置(1)に関する例である。この調湿装置(1)も、除湿専用機として構成されている。
この調湿装置(1)のケーシング(10)には、給気側通路(P1)と排気側通路(P2)が設けられている。給気側通路(P1)には給気ファン(30a)が設けられ、排気側通路(P2)には排気ファン(30b)が設けられている。上記調湿モジュール(20)は円板状に形成され、上記ケーシング(10)内で給気側通路(P1)と排気側通路(P2)に跨って配置されている。この調湿モジュール(20)は、回転軸を中心として回転することにより、給気側通路(P1)の中に位置していた部分が排気側通路(P2)の中へ移動し、排気側通路(P2)の中に位置していた部分が給気側通路(P1)の中へ移動できるように構成されている。
この変形例4の調湿装置(1)では、給気側通路(P1)で吸湿動作が行われ、排気側通路(P2)で放湿動作が行われる。具体的には、調湿モジュール(20)が給気側通路(P1)に位置する部分には引張力が付与されずに熱歪材料(21)が吸熱して吸着層(23)が冷却され、空気中の水分が吸着層(23)に吸着される。また、調湿モジュール(20)が排気側通路(P2)に位置する部分には引張力が付与されて熱歪材料(21)が放熱して吸着層(23)が加熱され、吸着層(23)に含まれている水分が空気に放出されて吸着剤が再生される。
この実施形態では、吸湿動作と放湿動作は調湿モジュール(20)を連続的または間欠的に回転させながら行われる。したがって、調湿モジュール(20)を排気側通路(P2)で再生しながら、同時に給気側通路(P1)で吸湿処理することができるから、減湿された空気を連続して室内(3)へ供給することができる。
この変形例4の調湿装置(1)においては、入力部(34)に調湿運転の停止信号が入力されると、吸湿側の熱歪材料(21)に空気を通過させるようにファン(30)をファン制御部(36)によって制御することで、熱歪材料(21)の吸着層(23)の吸着剤を乾燥させる。つまり、ファン(30)及びファン制御部(36)は、乾燥動作において、熱歪材料(21)に空気を通過させる空気搬送機構であって、該熱歪材料(21)の吸着層(23)の吸着剤を乾燥させる乾燥手段を構成する。
具体的に、例えば夏期の除湿運転では、入力部(34)に停止信号が入力されると、熱歪材料(21)で吸湿動作が行われる側の空気通路(給気側通路(P1))に室内空気(RA)を流通させる。これにより、給気側通路(P1)では、吸着層(23)の吸着剤の水分が、室内空気(RA)に放出され、吸着剤の含水率が低下する。そして、この乾燥動作を所定時間行った後、ファン(30)を停止する。この結果、調湿装置(1)を長期に亘って停止させても、吸着層(23)の吸着剤の表面で菌やカビが発生することを防止できる。
〈発明の実施形態2〉
次に、本発明の実施形態2について説明する。
図19に示す実施形態2は、図1に示す実施形態1の調湿装置(1)を加湿専用機として構成した例である。調湿装置(1)は、図1の調湿装置(1)と同様に、ケーシング(10)と、ケーシング(10)内に収納された調湿モジュール(20)と、調湿モジュール(20)に空気を流すファン(30)と、コントローラ(33)とを備えている。
ケーシング(10)内には、該ケーシング(10)内に導入された空気を調湿モジュール(20)に通して室内(3)へ供給するための空気通路(P)が形成されている。この実施形態では、上記調湿モジュール(20)で放湿処理した空気をこの空気通路(P)により室内(3)に導入することにより、加湿運転(調湿運転)が行われる。この加湿運転は、室外空気(OA)の湿度が比較的低い冬期に行われる。
加湿運転では、図19(A)に示す第1バッチ動作と、図19(B)に示す第2バッチ動作とが交互に繰り返されることで、室内の加湿が間欠的に行われる。第1バッチ動作では、室外空気(OA)が放湿動作中の熱歪材料(21)を通過し、該熱歪材料(21)を通過した空気が供給空気(SA)として室内へ供給される。第2バッチ動作では、室内空気(RA)が吸湿動作中の熱歪材料(21)を通過し、該熱歪材料(21)を通過した空気が排出空気(EA)として室外へ排出される。
また、実施形態2の調湿装置(1)では、加湿運転中に入力部(34)に停止信号が入力されると、実施形態1と同様にして、乾燥動作が行われる。具体的に、例えば図20(A)に示すように、第1バッチ動作中(放湿動作中)において、入力部(34)に停止信号が入力されると、その直後から連続して熱歪材料(21)に張力が付与され、乾燥動作が行われる。この際、熱歪材料(21)を室外空気(OA)が通過し、この空気は供給空気(SA)として室内へ供給される。加湿運転が行われる冬期等では、室外空気(OA)の温度及び絶対湿度が室内空気(RA)よりも低くなる傾向にある。熱歪材料(21)に導入された室外空気(OA)は、張力が付与された熱歪材料によって加熱されて相対湿度が低下する。このため、熱歪材料(21)に室外空気(OA)を通過させることで、熱歪材料(21)の吸着層(23)から水分が放出され易くなる。水分を含んだ室外空気(OA)は、排出空気(EA)として室外へ排出される。
乾燥動作が終了すると、熱歪材料(21)への張力の解除動作が行われる。また、例えば20(B)に示すように、第2バッチ動作中(吸湿動作中)において、入力部(34)に停止信号が入力されると、吸湿動作の終了の後に熱歪材料(21)に張力が付与され、乾燥動作が行われる。この際、熱歪材料(21)を室外空気(OA)が通過し、この空気は供給空気(SA)として室内へ供給される。乾燥動作が終了すると、熱歪材料(21)への張力の解除動作が行われる。
(変形例1)
図21に示す実施形態2の変形例1は、図9の調湿装置(1)を加湿専用機として構成した例である。部屋の対向する壁面の一方(図の右側の壁面)に第1室内ユニット(U1)が設置され、壁面の他方(図の左側の壁面)に第2室内ユニット(U2)が設置されている構成は、図9の調湿装置(1)と同じである。また、各室内ユニット(U1,U2)の構成は図21の実施形態2と同じである。
この調湿装置(1)では加湿運転のみが行われる。この加湿運転は、例えば室外空気(OA)の湿度が比較的低い冬期に行われる。この加湿運転では、第1バッチ動作と第2バッチ動作とが交互に繰り返されることで、室内の加湿が連続的に行われる。図21(A)に示す第1バッチ動作では、室外空気(OA)が第1室内ユニット(U1)の放湿動作中の熱歪材料(21)を通過し、該熱歪材料(21)を通過した空気が供給空気(SA)として室内へ供給される。同時に、第1バッチ動作では、室内空気(RA)が第2室内ユニット(U2)の吸湿動作中の熱歪材料(21)を通過し、該熱歪材料(21)を通過した空気が排出空気(EA)として室外へ排出される。また、図21(B)に示す第2バッチ動作では、室外空気(OA)が第2室内ユニット(U2)の放湿動作中の熱歪材料(21)を通過し、該熱歪材料(21)を通過した空気が供給空気(SA)として室内へ供給される。同時に、第2バッチ動作では、室内空気(RA)が第1室内ユニット(U1)の吸湿動作中の熱歪材料(21)を通過し、該熱歪材料(21)を通過した空気が排出空気(EA)として室外へ排出される。そして、水分が与えられて加湿された空気が供給空気(SA)として室内(3)へ供給される。
また、実施形態2の調湿装置(1)では、加湿運転中に入力部(34)に停止信号が入力されると、実施形態1と同様にして、乾燥動作が行われる。具体的に、例えば図22に示すように、第1バッチ動作中(第1室内ユニット(U1)の調湿モジュールの放湿動作中)において、入力部(34)に停止信号が入力されると、第1室内ユニット(U1)では、その直後から連続して熱歪材料(21)に張力が付与され、乾燥動作が行われる。この際、熱歪材料(21)を室外空気(OA)が通過し、この空気は供給空気(SA)として室内へ供給される。乾燥動作が終了すると、熱歪材料(21)への張力の解除動作が行われる。
一方、第2室内ユニット(U2)では、入力部(34)に停止信号が入力され且つ吸湿動作の終了の後に熱歪材料(21)に張力が付与され、乾燥動作が行われる。この際、熱歪材料(21)を室外空気(OA)が通過し、この空気は供給空気(SA)として室内へ供給される。乾燥動作が終了すると、熱歪材料(21)への張力の解除動作が行われる。
(変形例2)
図23に示す実施形態2の変形例2は、2つの室内ユニット(U1,U2)を空調対象の室内(3)に設置するように構成したものであり、図11に示す実施形態1の変形例2の調湿装置(1)を加湿専用機として構成した例である。この変形例では、第1室内ユニット(U1)と第2室内ユニット(U2)の両方が、図の右側の壁面に設置されている。
変形例2の加湿運転では、第1バッチ動作と第2バッチ動作とが交互に繰り返されることで、室内の加湿が連続的に行われる。図23(A)に示す第1バッチ動作では、室外空気(OA)が第1室内ユニット(U1)の放湿動作中の熱歪材料(21)を通過し、該熱歪材料(21)を通過した空気が供給空気(SA)として室内へ供給される。同時に、第1バッチ動作では、室内空気(RA)が第2室内ユニット(U2)の吸湿動作中の熱歪材料(21)を通過し、該熱歪材料(21)を通過した空気が排出空気(EA)として室外へ排出される。また、図23(B)に示す第2バッチ動作では、室外空気(OA)が第2室内ユニット(U2)の放湿動作中の熱歪材料(21)を通過し、該熱歪材料(21)を通過した空気が供給空気(SA)として室内へ供給される。同時に、第2バッチ動作では、室内空気(RA)が第1室内ユニット(U1)の吸湿動作中の熱歪材料(21)を通過し、該熱歪材料(21)を通過した空気が排出空気(EA)として室外へ排出される。そして、水分が与えられて加湿された空気が供給空気(SA)として室内(3)へ供給される。
また、変形例2では、実施形態2の変形例1と同様にして乾燥動作が行われる(図22を参照)。
(変形例3)
図24に示す実施形態2の変形例3は、実施形態1の変形例3の調湿装置(1)を加湿専用機として構成した例である。実施形態2の変形例3の調湿装置(1)の構成は、基本的には実施形態1の変形例3と同様である。
実施形態2の変形例3では、第1バッチ動作と第2バッチ動作とが交互に行われ、室内が連続的に加湿される。
第1バッチ動作では、第1調湿モジュール(20a)の熱歪材料(21)に張力が付与され、第1調湿モジュール(20a)で放湿動作が行われる。同時に、第1バッチ動作では、第2調湿モジュール(20b)の熱歪材料(21)の張力が解除され、第2調湿モジュール(20b)で吸湿動作が行われる。また、第1バッチ動作では、第1ダンパ(D1)、第4ダンパ(D4)、第5ダンパ(D5)及び第8ダンパ(D8)が開かれ、第2ダンパ(D2)、第3ダンパ(D3)、第6ダンパ(D6)及び第7ダンパ(D7)は閉じられる。これにより、図25に示すように、第1バッチ動作では、室外空気(OA)が第1調湿モジュール(20a)で加湿され、加湿された空気が供給空気(SA)として室内へ供給されると同時に、室内空気(RA)が第2調湿モジュール(20b)の吸着剤を再生し、排出空気(EA)として室外へ排出される。
第2バッチ動作では、第2調湿モジュール(20b)の熱歪材料(21)に張力が付与され、第2調湿モジュール(20b)で放湿動作が行われる。同時に、第2バッチ動作では、第1調湿モジュール(20a)の熱歪材料(21)の張力が解除され、第1調湿モジュール(20a)で吸湿動作が行われる。また、第2バッチ動作では、第1ダンパ(D1)、第4ダンパ(D4)、第5ダンパ(D5)及び第8ダンパ(D8)が閉じられ、第2ダンパ(D2)、第3ダンパ(D3)、第6ダンパ(D6)及び第7ダンパ(D7)は開かれる。これにより、図26に示すように、第2バッチ動作では、室外空気(OA)が第2調湿モジュール(20b)で加湿され、加湿された空気が供給空気(SA)として室内へ供給されると同時に、室内空気(RA)が第1調湿モジュール(20a)の吸着剤を再生し、排出空気(EA)として室外へ排出される。
<乾燥動作>
次に、実施形態2の変形例3の調湿運転(加湿運転)が停止する際に行われる乾燥動作について説明する。
例えば図27に示すように、上述した加湿運転の第1バッチ動作中(第1調湿モジュール(20a)の放湿動作中)において、コントローラ(33)の入力部(34)に加湿運転の停止信号が入力されたとする。すると、第1調湿モジュール(20a)では、熱歪材料(21)に連続して張力を付与され、停止信号の入力直後から乾燥動作が行われる。一方、第2調湿モジュール(20b)では、停止信号の入力直後から連続して吸湿動作が行われる。
第2調湿モジュール(20b)での吸湿動作、及び第1調湿モジュール(20a)の乾燥動作が終了すると、ファン制御部(36)は、給気ファン(30a)及び排気ファン(30b)を停止させる。また、ダンパ制御部(37)は、全てのダンパ(D1〜D8)を閉状態とする。この結果、第1調湿室(C1)及び第2調湿室(C2)は、各空気通路から遮断される閉空間となる。
ファンの停止指令、及びダンパの全閉指令が出力された直後において、第2調湿モジュール(20b)では、熱歪材料(21)に張力が付与される。この状態では、各ファン(30a,30b)が停止状態となり、且つ第2調湿室(C2)は閉空間となっている。このため、外部の高湿の空気が第2調湿室(C2)に入り込むことはない。第2調湿モジュール(20b)の熱歪材料(21)に張力が付与されると、吸着層(23)から第2調湿室(C2)内の空気へ水分が脱離し、吸着剤が乾燥される。
一方、ファンの停止指令、及びダンパの全閉指令が出力された直後において、第1調湿モジュール(20a)では、上述した実施形態1と同様にして、解除動作が行われる。
第2調湿モジュール(20b)の熱歪材料(21)に張力が付与され、吸着層(23)の水分が脱離した後には、乾燥動作の一部であるパージ動作が行われる。図28に示すパージ動作では、第2調湿室(C2)内の空気が室外へ排出される。具体的に、パージ動作では、ダンパ制御部(37)が、第3ダンパ(D3)、第8ダンパ(D8)を開状態とし、残りのダンパ(D1,D2,D4,D5,D6,D7)を閉状態とする。また、パージ動作では、空気排出機構である排気ファン(30b)が運転状態となる。これにより、調湿装置では、室外空気(OA)が、第1吸込口(11)、第1入口側通風室(C5)、第2調湿室(C2)、第2出口側通風室(C8)、第2吹出口(14)を順に通過し、排出空気(EA)として室外へ排出される。このパージ動作では、比較的相対湿度の低い室外空気(OA)が、第2調湿室(C2)内の水分を含んで、室外へ排出される。これにより、閉空間とした第2調湿室(C2)において吸着層(23)から放出された水分を空気とともに室外へ排出でき、第2調湿室(C2)の湿度を低下させることができる。この結果、調湿装置を停止した際、第2調湿室(C2)内の水分が吸着層(23)に再び吸着してしまうことを防止できる。なお、このパージ動作において、第2調湿室(C2)内の水分を含んだ空気を室内へ供給してもよい。
パージ動作が終了すると、ファン制御部(36)によって排気ファン(30b)が停止され、且つダンパ制御部(37)によって全てのダンパ(D1〜D8)が閉状態となる。そして、第2調湿モジュール(20b)では、上述した実施形態1と同様にして、解除動作が行われる。 また、変形例3の調湿装置(1)において、実施形態2の変形例1の図22と同様に、乾燥動作を行ってもよい。つまり、入力部(34)に停止信号が入力されると、調湿モジュール(20a)の吸湿動作の直後に調湿モジュール(20a)の熱歪材料(21)に張力を付与すると同時に、この熱歪材料(21)に室内空気(RA)を通過させ、通過後の空気を室外へ排出してもよい。
なお、変形例3では、第2バッチ動作中において、入力部(34)に停止信号が入力された場合、図27において、第1調湿モジュール(20a)と調湿モジュール(20b)との各動作が全く逆となるように、それぞれの調湿モジュール(20a,20b)で乾燥動作が行われる。
(変形例4)
図29に示す実施形態2の変形例4は、ロータ式の調湿モジュール(20)を用いた調湿装置(1)に関するものである。この調湿装置(1)も、実施形態2及びその変形例1〜3と同様に加湿専用機として構成されている。調湿装置(1)の構成は、実施形態1の変形例4と同様である。
この変形例4の調湿装置(1)では、給気側通路(P1)で放湿動作が行われ、排気側通路(P2)で吸湿動作が行われる。具体的には、調湿モジュール(20)が給気側通路(P1)に位置する部分には引張力が付与されて熱歪材料(21)が放熱して吸着剤が加熱され、吸着剤が再生されるとともに吸着剤に含まれている水分が空気に与えられる。また、調湿モジュール(20)が排気側通路(P2)に位置する部分には引張力が付与されずに熱歪材料(21)が吸熱して吸着剤が冷却され、空気中の水分が吸着剤に吸着される。
この実施形態では、放湿動作と吸湿動作は調湿モジュール(20)を連続的または間欠的に回転させながら行われる。したがって、調湿モジュール(20)を排気側通路(P2)で吸湿処理しながら、同時に給気側通路(P1)で放湿処理することができるから、加湿された空気を連続して室内(3)へ供給することができる。
この変形例4の調湿装置(1)においては、入力部(34)に調湿運転の停止信号が入力されると、吸湿側の熱歪材料(21)に空気を通過させるようにファン(30)をファン制御部(36)によって制御することで、熱歪材料(21)の吸着層(23)の吸着剤を乾燥させる。つまり、ファン(30)及びファン制御部(36)は、乾燥動作において、熱歪材料(21)に空気を通過させる空気搬送機構であって、該熱歪材料(21)の吸着層(23)の吸着剤を乾燥させる乾燥手段を構成する。
具体的に、例えば冬期の加湿運転では、入力部(34)に停止信号が入力されると、熱歪材料(21)で吸湿動作が行われる側の空気通路(排気側通路(P2))に室外空気(OA)を流通させる。これにより、排気側通路(P2)では、吸着層(23)の吸着剤の水分が、室内空気(RA)に放出され、吸着剤の含水率が低下する。そして、この乾燥動作を所定時間行った後、ファン(30)を停止する。この結果、調湿装置(1)を長期に亘って停止させても、吸着層(23)の吸着剤の表面で菌やカビが発生することを防止できる。
〈発明の実施形態3〉
次に、本発明の実施形態3について説明する。
図30に示す実施形態3は、図11に示す実施形態1の変形例2に係る調湿装置(1)が除湿専用機であるのに対して、空気の冷却もできるように構成した例である。この調湿装置(1)も図11の例と同様に2つの室内ユニット(U1,U2)を備え、第1室内ユニット(U1)と第2室内ユニット(U2)の両方が図の一つの壁面(右側の壁面)に設置されている。
この調湿装置(1)では、第1室内ユニット(U1)と第2室内ユニット(U2)に、上記調湿モジュール(20)に加えて、該調湿モジュール(20)に吸着層(23)を設けずに空気の冷却と加熱を行うように構成した冷却加熱モジュール(24)が設けられている。つまり、この冷却加熱モジュール(24)は、図2,図4において、熱歪材料(21)と、この熱歪材料(21)に引張力を付与するように該熱歪材料(21)の両端部に設けられたアクチュエータ(22)と、該アクチュエータ(22)による引張力を調節するアクチュエータ制御部(35)のみから構成されている。冷却加熱モジュール(24)では、引張力を付与すると空気を加熱することができ、引張力を解除すると空気を冷却することができる。
この実施形態3では、第1室内ユニット(U1)と第2室内ユニット(U2)のいずれについても、空気は調湿モジュール(20)と冷却加熱モジュール(24)を通過する。したがって、この調湿装置(1)では、空気の吸湿処理及び放湿処理を行うことに加えて、空気の冷却処理と加熱処理も行うことができる。
調湿モジュール(20)と冷却加熱モジュール(24)は、調湿モジュール(20)の吸湿動作時に調湿モジュール(20)が冷却加熱モジュール(24)の上流側に位置し、調湿モジュール(20)の放湿動作時には調湿モジュール(20)が冷却加熱モジュール(24)の下流側に位置するように配置されている。
図30(A)は、第1室内ユニット(U1)で冷却吸湿動作を行い、第2室内ユニット(U2)で加熱放湿動作を行う状態を示している。第1室内ユニット(U1)では、調湿モジュール(20)の熱歪材料(21)への引張力が解除される。したがって、第1室内ユニット(U1)の調湿モジュール(20)が吸熱し、室外から室内(3)へ流れる室外空気(OA)の水分が吸着される。また、第1室内ユニット(U1)では、冷却加熱モジュール(24)への引張力の付与も解除される。したがって、室外から室内(3)へ流れる空気が冷却される。そして、減湿されるとともに冷却された空気が供給空気(SA)として室内(3)へ供給される。
一方、第2室内ユニット(U2)では、室内空気(RA)が室外へ排出される方向へファン(30)が回転し、同時に冷却加熱モジュール(24)の熱歪材料(21)に引張力が付与され、調湿モジュール(20)の熱歪材料(21)にも引張力が付与される。したがって、室内(3)から室外へ向かう空気が冷却加熱モジュール(24)で加熱されてから調湿モジュール(20)を通過し、その際に調湿モジュール(20)も発熱しているので、調湿モジュール(20)の吸着層(23)に含まれている水分が空気に与えられて、該空気が排出空気(EA)として室外に放出される。このことにより、調湿モジュール(20)の吸着層(23)が再生される。
図30(B)は、第2室内ユニット(U2)で冷却吸湿動作を行い、第1室内ユニット(U1)で加熱放湿動作を行う状態を示している。第2室内ユニット(U2)では、調湿モジュール(20)の熱歪材料(21)への引張力が解除される。したがって、第2室内ユニット(U2)の調湿モジュール(20)が吸熱し、室外から室内(3)へ流れる室外空気(OA)の水分が吸着される。また、第2室内ユニット(U2)では、冷却加熱モジュール(24)の熱歪材料(21)への引張力の付与も解除される。したがって、室外から室内(3)へ流れる空気が冷却される。そして、減湿されるとともに冷却された空気が供給空気(SA)として室内(3)へ供給される。
一方、第1室内ユニット(U1)では、室内空気(RA)が室外へ排出される方向へファン(30)が回転し、同時に冷却加熱モジュール(24)の熱歪材料(21)に引張力が付与され、調湿モジュール(20)の熱歪材料(21)にも引張力が付与される。したがって、室内(3)から室外へ向かう空気が冷却加熱モジュール(24)で加熱されてから調湿モジュール(20)を通過し、その際に調湿モジュール(20)も発熱しているので、調湿モジュール(20)の吸着層(23)に含まれている水分が空気に与えられて、該空気が排出空気(EA)として室外に放出される。このことにより、調湿モジュール(20)の吸着層(23)が再生される。
このように、実施形態3によれば、いずれか一方の室内ユニット(U1,U2)で空気の減湿と冷却を行って、その空気を室内(3)へ供給するときに、他方の室内ユニット(U2,U1)では空気の加熱と吸着層(23)の再生を行う図30(A)の運転と図30(B)の運転を交互に切り換えることにより、除湿冷房運転を連続して行うことができる。
なお、この実施形態では、空気の流れに対して調湿モジュール(20)と冷却加熱モジュール(24)を直列に配置して、潜熱処理をした室外空気をさらに顕熱処理して室内に供給するようにしているが、調湿モジュール(20)と冷却加熱モジュール(24)を並列に配置して、潜熱処理をした室外空気と顕熱処理をした室外空気を混合して室内に供給するようにしてもよい。このように構成してもよいことは、以下の変形例においても同様である。
実施形態3においても、除湿冷房運転(除湿運転)の停止信号の入力部(34)に入力されると、実施形態1の変形例1と同様にして(図10を参照)、熱歪材料(21)に張力が付与されて各室内ユニット(U1,U2)で乾燥動作が行われる。また、乾燥動作中には、張力が付与された熱歪材料(21)を室内空気(RA)が通過し、室外へと排出される。
−実施形態3の変形例−
(変形例1)
図31に示す実施形態3の変形例1は、ロータ式の調湿モジュール(20)を用いた調湿装置(1)に関するものである。この調湿装置(1)は、ロータ式の調湿モジュール(20)に加えて、ロータ式の冷却加熱モジュール(24)も備え、除湿冷房を行えるように構成されている。
この調湿装置(1)のケーシング(10)には、給気側通路(P1)と排気側通路(P2)が設けられている。給気側通路(P1)には給気ファン(30a)が設けられ、排気側通路(P2)には排気ファン(30b)が設けられている。上記調湿モジュール(20)は円板状に形成され、上記ケーシング(10)内で給気側通路(P1)と排気側通路(P2)に跨って配置されている。この調湿モジュール(20)は、回転軸を中心として回転することにより、給気側通路(P1)の中に位置していた部分が排気側通路(P2)の中へ移動し、排気側通路(P2)の中に位置していた部分が給気側通路(P1)の中へ移動できるように構成されている。
また、冷却加熱モジュール(24)も円板状に形成され、上記ケーシング(10)内で給気側通路(P1)と排気側通路(P2)に跨って配置されている。この冷却加熱モジュール(24)は、回転軸を中心として回転することにより、給気側通路(P1)の中に位置していた部分が排気側通路(P2)の中へ移動し、排気側通路(P2)の中に位置していた部分が給気側通路(P1)の中へ移動できるように構成されている。
この変形例1の調湿装置(1)では、給気側通路(P1)で冷却吸湿動作が行われ、排気側通路(P2)で加熱放湿動作が行われる。具体的には、調湿モジュール(20)が給気側通路(P1)に位置する部分には引張力が付与されずに熱歪材料(21)が吸熱して吸着層(23)が冷却され、室外空気(OA)中の水分が吸着層(23)に吸着される。また、冷却加熱モジュール(24)が給気側通路(P1)に位置する部分には引張力が付与されずに熱歪材料(21)が吸熱し、空気が冷却される。そして、減湿されて冷却された空気が供給空気(SA)として室内(3)に供給される。
一方、冷却加熱モジュール(24)が排気側通路(P2)に位置する部分には引張力が付与されて熱歪材料(21)が放熱し、室内(3)から室外へ向かう室内空気(RA)が加熱される。また、調湿モジュール(20)が排気側通路(P2)に位置する部分には引張力が付与されて熱歪材料(21)が放熱して吸着層(23)が加熱され、吸着層(23)に含まれている水分が室内空気(RA)に放出されて吸着層(23)が再生される。そして、水分の与えられた空気が排出空気(EA)として室外へ放出される。
この変形例では、冷却吸湿動作と加熱放湿動作は調湿モジュール(20)と冷却加熱モジュール(24)を連続的または間欠的に回転させながら行われる。したがって、調湿モジュール(20)を排気側通路(P2)で再生しながら、同時に給気側通路(P1)で吸湿冷却処理することができるから、減湿かつ冷却された空気を連続して室内(3)へ供給することができる。
この変形例の調湿装置(1)の除湿運転では、入力部(34)に停止信号が入力されると、熱歪材料(21)で吸湿動作が行われる側の空気通路(給気側通路(P1))に室内空気(RA)を流通させる。これにより、給気側通路(P1)では、吸着層(23)の吸着剤の水分が、室内空気(RA)に放出され、吸着剤の含水率が低下する。そして、この乾燥動作を所定時間行った後、ファン(30)を停止する。また、加湿運転では、入力部(34)に停止信号が入力されると、熱歪材料(21)で吸湿動作が行われる側の空気通路(排気側通路(P2))に室外空気(OA)を流通させる。これにより、排気側通路(P2)では、吸着層(23)の吸着剤の水分が、室内空気(RA)に放出され、吸着剤の含水率が低下する。
(変形例2)
図32に示す実施形態3の変形例2は、図30に示した実施形態3に係る調湿装置(1)が除湿冷房機であるのに対して、加湿暖房機として構成した例である。この変形例においても、第1室内ユニット(U1)と第2室内ユニット(U2)の両方が、図の右側の壁面に設置されている。
この調湿装置(1)においても、第1室内ユニット(U1)と第2室内ユニット(U2)に、上記調湿モジュール(20)に加えて、該調湿モジュール(20)に吸着層(23)を設けずに空気の冷却と加熱を行うように構成した冷却加熱モジュール(24)が設けられている。つまり、この冷却加熱モジュール(24)は、図2,図4において、熱歪材料(21)と、この熱歪材料(21)に引張力を付与するように該熱歪材料(21)の両端部に設けられたアクチュエータ(22)と、該アクチュエータ(22)による引張力を調節するアクチュエータ制御部(35)のみから構成されている。冷却加熱モジュール(24)では、引張力を付与すると空気を加熱することができ、引張力を解除すると空気を冷却することができる。
第1室内ユニット(U1)と第2室内ユニット(U2)は、図30の実施形態3と同様に構成されている。
図32(A)は、第1室内ユニット(U1)で加熱放湿動作を行い、第2室内ユニット(U2)で冷却吸湿動作を行う状態を示している。第1室内ユニット(U1)では、調湿モジュール(20)の熱歪材料(21)に引張力が付与される。したがって、第1室内ユニット(U1)の調湿モジュール(20)が放熱し、室外から室内(3)へ流れる室外空気(OA)に水分が与えられる。また、第1室内ユニット(U1)では、冷却加熱モジュール(24)へも引張力が付与される。したがって、室外から室内(3)へ流れる室外空気(OA)が加熱される。そして、加湿されるとともに加熱された空気が供給空気(SA)として室内(3)へ供給される。
一方、第2室内ユニット(U2)では、室内空気(RA)が室外へ排出される方向へファン(30)が回転し、同時に冷却加熱モジュール(24)の熱歪材料(21)への引張力の付与が解除され、調湿モジュール(20)の熱歪材料(21)への引張力の付与も解除される。したがって、室内(3)から室外へ向かう室内空気(RA)が冷却加熱モジュール(24)で冷却されてから調湿モジュール(20)を通過する。その際に、調湿モジュール(20)も吸熱しているので、調湿モジュール(20)の吸着層(23)に室内空気(RA)中の水分が吸着されて、該空気が排出空気(EA)として室外に放出される。
図32(B)は、第2室内ユニット(U2)で加熱放湿動作を行い、第1室内ユニット(U1)で冷却吸湿動作を行う状態を示している。第2室内ユニット(U2)では、調湿モジュール(20)の熱歪材料(21)に引張力が付与される。したがって、第2室内ユニット(U2)の調湿モジュール(20)が発熱し、室外から室内(3)へ流れる室外空気(OA)に水分が与えられる。また、第2室内ユニット(U2)では、冷却加熱モジュール(24)にも引張力が付与される。したがって、室外から室内(3)へ流れる室外空気(OA)が加熱される。そして、加湿されるとともに加熱された空気が供給空気(SA)として室内(3)へ供給される。
一方、第1室内ユニット(U1)では、室内空気(RA)が室外へ排出される方向へファン(30)が回転し、同時に冷却加熱モジュール(24)の熱歪材料(21)への引張力の付与が解除され、調湿モジュール(20)の熱歪材料(21)への引張力の付与も解除される。したがって、室内(3)から室外へ向かう室内空気(RA)が冷却加熱モジュール(24)で冷却されてから調湿モジュール(20)を通過する。その際に、調湿モジュール(20)も吸熱しているので、調湿モジュール(20)の吸着層(23)に室内空気(RA)中の水分が吸着されて、該空気が排出空気(EA)として室外に放出される。
この実施形態3の変形例2によれば、いずれか一方の室内ユニット(U1,U2)で空気の加湿と加熱を行って、その空気を室内(3)へ供給するときに、他方の室内ユニット(U2,U1)では空気の冷却と吸着層(23)での吸湿を行う図32(A)の運転と図32(B)の運転を交互に切り換えることにより、加湿暖房運転を連続して行うことができる。
この変形例2においても、加湿暖房運転(除湿運転)の停止信号の入力部(34)に入力されると、実施形態2の変形例1と同様にして(図22を参照)、熱歪材料(21)に張力が付与されて各室内ユニット(U1,U2)で乾燥動作が行われる。また、乾燥動作中には、張力が付与された熱歪材料(21)を室外空気(OA)が通過し、室内へ供給される。
(変形例3)
図33に示す実施形態3の変形例3は、図31に示す変形例1に係る調湿装置(1)が除湿冷房機であるのに対して、加湿暖房機として構成した例である。この変形例においても、ロータ式の調湿モジュール(20)に加えて、ロータ式の冷却加熱モジュール(24)が用いられている。
この調湿装置(1)のケーシング(10)、調湿モジュール(20)及び冷却加熱モジュール(24)は図31と同様に構成されている。
具体的には、調湿装置(1)のケーシング(10)に、給気側通路(P1)と排気側通路(P2)が設けられている。給気側通路(P1)には給気ファン(30a)が設けられ、排気側通路(P2)には排気ファン(30b)が設けられている。上記調湿モジュール(20)は円板状に形成され、上記ケーシング(10)内で給気側通路(P1)と排気側通路(P2)に跨って配置されている。この調湿モジュール(20)は、回転軸を中心として回転することにより、給気側通路(P1)の中に位置していた部分が排気側通路(P2)の中へ移動し、排気側通路(P2)の中に位置していた部分が給気側通路(P1)の中へ移動できるように構成されている。また、冷却加熱モジュール(24)も円板状に形成され、上記ケーシング(10)内で給気側通路(P1)と排気側通路(P2)に跨って配置されている。この冷却加熱モジュール(24)は、回転軸を中心として回転することにより、給気側通路(P1)の中に位置していた部分が排気側通路(P2)の中へ移動し、排気側通路(P2)の中に位置していた部分が給気側通路(P1)の中へ移動できるように構成されている。
この変形例3の調湿装置(1)では、給気側通路(P1)で加熱放湿動作が行われ、排気側通路(P2)で冷却吸湿動作が行われる。具体的には、調湿モジュール(20)が給気側通路(P1)に位置する部分には、引張力が付与されることにより熱歪材料(21)が発熱して吸着剤が加熱され、吸着剤に吸着されている水分が空気に与えられる。また、冷却加熱モジュール(24)が給気側通路(P1)に位置する部分には、引張力が付与されることにより熱歪材料(21)が発熱し、空気が加熱される。
一方、冷却加熱モジュール(24)が排気側通路(P2)に位置する部分には、引張力の付与が解除されて熱歪材料(21)が吸熱して、室内(3)から室外へ向かう空気が冷却される。また、調湿モジュール(20)が排気側通路(P2)に位置する部分には、引張力の付与が解除されて熱歪材料(21)が吸熱して吸着剤が冷却され、空気中の水分が吸着剤に吸着される。
この実施形態3の変形例3では、加熱放湿動作と冷却吸湿動作は調湿モジュール(20)を連続的または間欠的に回転させながら行われる。したがって、調湿モジュール(20)に排気側通路(P2)で水分を与えながら、同時に給気側通路(P1)で放湿加熱処理することができるから、加熱加湿された空気を連続して室内(3)へ供給する加湿暖房運転を行うことができる。
この変形例の調湿装置(1)の除湿冷房運転では、入力部(34)に停止信号が入力されると、熱歪材料(21)で吸湿動作が行われる側の空気通路(給気側通路(P1))に室内空気(RA)を流通させる。これにより、給気側通路(P1)では、吸着層(23)の吸着剤の水分が、室内空気(RA)に放出され、吸着剤の含水率が低下する。そして、この乾燥動作を所定時間行った後、ファン(30)を停止する。また、加湿暖房運転では、入力部(34)に停止信号が入力されると、熱歪材料(21)で吸湿動作が行われる側の空気通路(排気側通路(P2))に室外空気(OA)を流通させる。これにより、排気側通路(P2)では、吸着層(23)の吸着剤の水分が、室内空気(RA)に放出され、吸着剤の含水率が低下する。
〈発明の実施形態4〉
本発明の実施形態4について説明する。
この実施形態4の調湿装置(1)は、図1及び図21に示す調湿装置(1)において、調湿モジュール(20)で吸湿処理した空気を室内(3)に導入する除湿動作と、調湿モジュール(20)で放湿処理した空気を室内(3)に導入する加湿動作とを切り換え可能に構成したものである。
例えば、図1の調湿装置(1)において、室外から室内(3)へ空気を供給するときに、図1(A)に示すように調湿モジュール(20)の熱歪材料(21)への引張力を解除する運転と、図21(A)に示すように調湿モジュール(20)の熱歪材料(21)に引張力を付与する運転とを切り換え可能に構成され、室内(3)から室外へ空気を放出するときに、図1(B)に示すように調湿モジュール(20)に引張力を付与する運転と、図21(B)に示すように調湿モジュール(20)への引張力を解除する運転とを切り換え可能に構成される。
このように構成すれば、1つの調湿モジュール(20)を備えた室内ユニット(U)を有する調湿装置(1)において、室内(3)を間欠的に除湿する運転と、室内(3)を間欠的に加湿する運転とを切り換えて行うことが可能になる。
この調湿装置(1)では、除湿運転中において、入力部(34)に停止信号が入力されると、図8に示すように乾燥動作が行われる。また、加湿運転中において、入力部(34)に停止信号が入力されると、図20に示すように乾燥動作が行われる。
−実施形態4の変形例−
(変形例1)
実施形態4の変形例1は、図9及び図21の調湿装置(1)において、引張力の付与状態を切り換えることにより、図9(A)の運転と図21(A)の運転とを切り換え可能に構成するとともに、図9(B)の運転と図21(B)の運転とを切り換え可能に構成したものである。装置の基本的な構成は図9及び図21と同様であるため、具体的な説明は省略する。
この調湿装置(1)において、図9(A),(B)の運転では、室外から室内(3)へ供給される空気が通過する調湿モジュール(20)への引張力が解除され、室内(3)から室外へ排出される空気が通過する調湿モジュール(20)へ引張力が付与される。また、図21(A),(B)の運転では、室外から室内(3)へ供給される空気が通過する調湿モジュール(20)に引張力が付与され、室内(3)から室外へ排出される空気が通過する調湿モジュール(20)への引張力が解除される。
このように構成すれば、2つの室内ユニット(U1,U2)を部屋の対向する壁面に設置した調湿装置(1)において、室内(3)を連続的に除湿する運転と、室内(3)を連続的に加湿する運転とを切り換えて行うことが可能になる。
この調湿装置(1)では、除湿運転中において、入力部(34)に停止信号が入力されると、図10に示すように乾燥動作が行われる。また、加湿運転中において、入力部(34)に停止信号が入力されると、図22に示すように乾燥動作が行われる。
(変形例2)
実施形態4の変形例2は、図11及び図23の調湿装置(1)において、引張力の付与状態を切り換えることにより、図11(A)の運転と図23(A)の運転とを切り換え可能に構成するとともに、図11(B)の運転と図23(B)の運転とを切り換え可能に構成したものである。装置の基本的な構成は図11及び図23と同様であるため、具体的な説明は省略する。
この調湿装置(1)において、図11(A),(B)の運転では、室外から室内(3)へ供給される空気が通過する調湿モジュール(20)への引張力が解除され、室内(3)から室外へ排出される空気が通過する調湿モジュール(20)へ引張力が付与される。また、図23(A),(B)の運転では、室外から室内(3)へ供給される空気が通過する調湿モジュール(20)に引張力が付与され、室内(3)から室外へ排出される空気が通過する調湿モジュール(20)への引張力が解除される。
このように構成すれば、2つの室内ユニット(U1,U2)を部屋の一方の壁面に設置した調湿装置(1)において、室内(3)を連続的に除湿する運転と、室内(3)を連続的に加湿する運転とを切り換えて行うことが可能になる。
この調湿装置(1)では、除湿運転中において、入力部(34)に停止信号が入力されると、図10に示すように乾燥動作が行われる。また、加湿運転中において、入力部(34)に停止信号が入力されると、図22に示すように乾燥動作が行われる。
(変形例3)
実施形態4の変形例3は、図12〜図15及び図24〜図26の調湿装置(1)において、引張力の付与状態を切り換えることにより、図14の運転と図25の運転とを切り換え可能に構成するとともに、図15の運転と図26の運転とを切り換え可能に構成したものである。装置の基本的な構成は図12〜図15及び図24〜図26と同様であるため、具体的な説明は省略する。
この調湿装置(1)において、図14,11の運転では、室外から室内(3)へ供給される空気が通過する調湿モジュール(20)への引張力が解除され、室内(3)から室外へ排出される空気が通過する調湿モジュール(20)へ引張力が付与される。また、図25,18の運転では、室外から室内(3)へ供給される空気が通過する調湿モジュール(20)に引張力が付与され、室内(3)から室外へ排出される空気が通過する調湿モジュール(20)への引張力が解除される。
このように構成すれば、2つの調湿モジュール(20)を備えたケーシング(10)内で空気の流通経路を切り換え可能なユニットを用いた調湿装置(1)において、室内(3)を連続的に除湿する運転と、室内(3)を連続的に加湿する運転とを切り換えて行うことが可能になる。
この調湿装置(1)では、除湿運転中において、入力部(34)に停止信号が入力されると、図16に示すように乾燥動作が行われる。また、加湿運転中において、入力部(34)に停止信号が入力されると、図27に示すように乾燥動作が行われる。
(変形例4)
実施形態4の変形例4は、図18の調湿装置(1)と図29の調湿装置(1)を1つの装置として構成し、引張力の付与状態を切り換えることにより、図18の運転と図29の運転を切り換え可能に構成したものである。装置の基本的な構成は図18及び図29と同様であるため、具体的な説明は省略する。
この調湿装置(1)において、図18の運転では、室外から室内(3)へ供給される空気が通過する部分において調湿モジュール(20)への引張力が解除され、室内(3)から室外へ排出される空気が通過する部分において調湿モジュール(20)へ引張力が付与される。また、図29の運転では、室外から室内(3)へ供給される空気が通過する部分において調湿モジュール(20)に引張力が付与され、室内(3)から室外へ排出される空気が通過する部分において調湿モジュール(20)への引張力が解除される。
このように構成すれば、ロータ式の調湿モジュール(20)を備えた調湿装置(1)において、室内(3)を連続的に除湿する運転と、室内(3)を連続的に加湿する運転とを切り換えて行うことが可能になる。
この変形例の調湿装置(1)の除湿冷房運転では、入力部(34)に停止信号が入力されると、熱歪材料(21)で吸湿動作が行われる側の空気通路(給気側通路(P1))に室内空気(RA)を流通させる。これにより、給気側通路(P1)では、吸着層(23)の吸着剤の水分が、室内空気(RA)に放出され、吸着剤の含水率が低下する。そして、この乾燥動作を所定時間行った後、ファン(30)を停止する。また、加湿暖房運転では、入力部(34)に停止信号が入力されると、熱歪材料(21)で吸湿動作が行われる側の空気通路(排気側通路(P2))に室外空気(OA)を流通させる。これにより、排気側通路(P2)では、吸着層(23)の吸着剤の水分が、室内空気(RA)に放出され、吸着剤の含水率が低下する。
(変形例5)
実施形態4の変形例5は、図30及び図32の調湿装置(1)において、引張力の付与状態を切り換えることにより、図30(A)の運転と図32(A)の運転とを切り換え可能に構成するとともに、図30(B)の運転と図32(B)の運転とを切り換え可能に構成したものである。装置の基本的な構成は図30及び図32と同様であるため、具体的な説明は省略する。
この調湿装置(1)において、図30(A),(B)の運転では、室外から室内(3)へ供給される空気が通過する調湿モジュール(20)と冷却加熱モジュール(24)への引張力が解除され、室内(3)から室外へ排出される空気が通過する調湿モジュール(20)と冷却加熱モジュール(24)へ引張力が付与される。また、図32(A),(B)の運転では、室外から室内(3)へ供給される空気が通過する調湿モジュール(20)と冷却加熱モジュール(24)に引張力が付与され、室内(3)から室外へ排出される空気が通過する調湿モジュール(20)と冷却加熱モジュール(24)への引張力が解除される。
このように構成すれば、2つの室内ユニット(U1,U2)のそれぞれに調湿モジュール(20)と冷却加熱モジュール(24)を設けた調湿装置(1)において、室内(3)を連続的に除湿冷房する運転と、室内(3)を連続的に加湿暖房する運転とを切り換えて行うことが可能になる。
この調湿装置(1)では、除湿冷房運転(除湿運転)中において、入力部(34)に停止信号が入力されると、図10に示すように乾燥動作が行われる。また、加湿暖房運転(加湿運転)中において、入力部(34)に停止信号が入力されると、図22に示すように乾燥動作が行われる。
(変形例6)
実施形態4の変形例6は、図31の調湿装置(1)と図33の調湿装置(1)を1つの装置として構成し、引張力の状態を切り換えることにより、図31の運転と図33の装置の運転を切り換え可能に構成したものである。装置の基本的な構成は図31及び図33と同様であるため、具体的な説明は省略する。
この調湿装置(1)において、図31の運転では、室外から室内(3)へ供給される空気が通過する部分において調湿モジュール(20)と冷却加熱モジュール(24)への引張力が解除され、室内(3)から室外へ排出される空気が通過する部分において調湿モジュール(20)と冷却加熱モジュール(24)へ引張力が付与される。また、図33の運転では、室外から室内(3)へ供給される空気が通過する部分において調湿モジュール(20)と冷却加熱モジュール(24)に引張力が付与され、室内(3)から室外へ排出される空気が通過する部分において調湿モジュール(20)と冷却加熱モジュール(24)への引張力が解除される。
このように構成すれば、ロータ式の調湿モジュール(20)と冷却加熱モジュール(24)を備えた調湿装置(1)において、室内(3)を連続的に除湿冷房する運転と、室内(3)を連続的に加湿暖房する運転とを切り換えて行うことが可能になる。
この変形例の調湿装置(1)の除湿冷房運転では、入力部(34)に停止信号が入力されると、熱歪材料(21)で吸湿動作が行われる側の空気通路(給気側通路(P1))に室内空気(RA)を流通させる。これにより、給気側通路(P1)では、吸着層(23)の吸着剤の水分が、室内空気(RA)に放出され、吸着剤の含水率が低下する。そして、この乾燥動作を所定時間行った後、ファン(30)を停止する。また、加湿暖房運転では、入力部(34)に停止信号が入力されると、熱歪材料(21)で吸湿動作が行われる側の空気通路(排気側通路(P2))に室外空気(OA)を流通させる。これにより、排気側通路(P2)では、吸着層(23)の吸着剤の水分が、室内空気(RA)に放出され、吸着剤の含水率が低下する。
〈発明の実施形態5〉
本発明の実施形態5について説明する。図34に示す実施形態5は、調湿モジュール(20)の具体的な構成に関するものである。本実施形態5に係る調湿モジュール(20)では、アクチュエータ制御部(35)によって、可動板(41a,41b)の位置を調節することで、熱歪材料(21)へ付与される引張力の付与と解除を切り換えている。
本実施形態5に係る調湿モジュール(20)は、図34に示すように、第1および第2調湿モジュール(20a,20b)で構成されている。図34において、第1調湿モジュール(20a)が右側に配置され、第2調湿モジュール(20b)が左側に配置されているものとする。
各調湿モジュール(20a,20b)は、それぞれが熱歪材料(21)と、アクチュエータ(22)と、アクチュエータ制御部(35)とを備えている。そして、両調湿モジュール(20a,20b)の間は、仕切板(43)によって左右に仕切られている。
上記熱歪材料(21)は、上下に延びるワイヤ状に形成され、表面に吸着剤が担持されて吸着層(23)が形成されている。この熱歪材料(21)は、例示として形状記憶合金によって構成され、引張力をかけることで対象物を加熱する一方、引張力を解除することで対象物を冷却するものである。具体的には、図3に示すように、熱歪材料(21)に引張力をかけると、母相(オーステナイト相)からマルテンサイト相へと相変化することで、エントロピーが減少し、その分、発熱して熱歪材料(21)自身が加熱される(IからII)。熱歪材料(21)に引張力をかけたまま、該熱歪材料(21)を加熱対象物に接触させると、熱歪材料(21)の熱が加熱対象物に伝わる(IIからIII)。こうすることで、熱歪材料(21)の温度は下がる。そして、熱歪材料(21)にかけられている引張力を除去(解除)すると、マルテンサイト相から母相(オーステナイト相)に変化する(IIIからIV)。このとき、熱歪材料(21)が断熱されていると、熱歪材料(21)の温度が下がる。温度が下がった熱歪材料に冷却対象物を接触させると、該冷却対象物の熱が熱歪材料(21)に伝わる(IVからI)。
上記吸着剤としては、ゼオライト、シリカゲル、活性炭、親水性の官能基を有する有機高分子材料など、空気中の水分に対して所定の吸着および脱離性能を有するものが用いられている。
上記アクチュエータ(22)は、固定板(40)と第1および第2可動板(41a,41b)と第1および第2カム(46,47)と回転軸(39)とを備えている。上記固定板(40)は、略長方形状の薄板に形成されている。固定板(40)の下面は、仕切板(43)によって左右の領域に仕切られ、右側の領域に第1調湿モジュール(20a)の熱歪材料(21)の一端が取り付けられ、左側の領域に第2調湿モジュール(20b)の熱歪材料(21)の一端が取り付けられている。
上記仕切板(43)は、第1および第2調湿モジュール(20a,20b)の間を左右に仕切るものである。仕切板(43)は、略T字状に形成された部材である。仕切板(43)は、固定板(40)と直交方向の下方に延びる矩形の薄板に形成される本体部(44)と、固定板(40)と略平行に延びる矩形の薄板に形成されるフランジ部(45)とで形成されている。仕切板(43)は、本体部(44)の基端が固定板(40)に対して取り付けられ、フランジ部(45)は、熱歪材料(21)の他端と略同じ高さ位置に配置されている。
上記第1および第2可動板(41a,41b)は、熱歪材料(21)に引張力を付与するための部材であって、第1調湿モジュール(20a)および第2調湿モジュール(20b)に対応して設けられている。第1可動板(41a)は、第1調湿モジュール(20a)の熱歪材料(21)の他端に取り付けられ、固定板(40)と対向して配置されている。また、第2可動板(41b)は、第2調湿モジュール(20b)の熱歪材料(21)の他端に取り付けられ、固定板(40)と対向して配置されている。第1可動板(41a)と固定板(40)との間には、第1空気通路(42a)が形成され、第2可動板(41b)と固定板(40)との間には、第2空気通路(42b)が形成されている。
また、第1および第2可動板(41a,41b)は、略矩形状の薄板に形成されると共に、所定の重量を有している。このため、第1および第2可動板(41a,41b)は、その重みによって熱歪材料(21)に荷重がかかることで、該熱歪材料(21)に下方への引張力が付与される。したがって、第1および第2可動板(41a,41b)は、熱歪材料(21)に対して引張力を付与可能な重さを有している。
上記第1および第2カム(46,47)は、第1および第2可動板(41a,41b)の幅方向(図34の奥行き方向)に延びる略円筒形状に形成された部材である。第1カム(46)には、円形の外周部(48)と、半円部分が切り欠かれた小径部(49)とが形成されている。また、第1カム(46)には、回転軸(39)がその中心に挿通され、回転軸(39)の回転方向に回転可能となるように取り付けられている。第2カム(47)には、円形の外周部(48)と、半円部分が切り欠かれた小径部(49)とが形成されている。また、第2カム(47)には、回転軸(39)がその中心に挿通され、回転軸(39)の回転方向に回転可能となるように取り付けられている。回転軸(39)には、アクチュエータ制御部(35)が接続され、アクチュエータ制御部(35)によって、第1および第2カム(46,47)の回転位置が制御される。
そして、第1および第2カム(46,47)は、左右で互いに180°位相がずれるようになっている。すなわち、第1可動板(41a)に対して、第1カム(46)の外周部(48)が接触した場合、第2可動板(41b)に対して、第2カム(47)の小径部(49)が接触するように構成されている。こうすることで、第2調湿モジュール(20b)の熱歪材料(21)に対して第2可動板(47b)の荷重がかかり、引張力が付与される。このため、第2調湿モジュール(20b)の熱歪材料(21)が発熱されて上記吸着層(23)も加熱され、吸着剤に含まれている水分が、周囲を流れる空気に放出されて空気が加湿される。一方、第1調湿モジュール(20a)の熱歪材料(21)は、第1可動板(47a)の荷重が第1カム(46)に支えられ、引張力が解除されている。このため、第1調湿モジュール(20a)の熱歪材料(21)が冷却されて吸着層(23)も冷却され、周囲を流れる空気中の水分が吸着剤に吸着されて空気が減湿される。
この実施形態5の調湿モジュール(20)は、簡単な構成で実用化できるとともにモジュール自体を小型化できるので、例えば図1に示した実施形態1の調湿装置(1)に適用することにより、調湿装置(1)の構成が複雑化するのを抑え、同時に装置(1)を小型化することもできる。
また、本形態では、放湿と吸湿とを切り換えて行うことができるため、上記実施形態におけるバッチ切換型の調湿装置(1)に対して好適である。
尚、各回転軸(39,39)には、それぞれにモータを取り付けて2つのカム(46,47)の位相が180°になるように制御してもよいし、1つのモータからギヤなどを介して連動するようにしてもよい。
また、カムの形状は、図35に示すように、小径部(49)と外周部(48)との割合を異ならせたり、図36に示すように、単に回転軸(39)を偏心させて構成するようにしてもよいし、図37に示すように、外周部(48)の曲率を異ならせ、且つ回転軸(39)を偏心させるようにしてもよい。
−実施形態5の変形例−
(変形例1)
次に、実施形態5の変形例1について説明する。本変形例1は、上記実施形態5とは、アクチュエータ(22)の構成が異なっている。尚、アクチュエータ制御部(35)の図示は省略している。
具体的には、図38に示すように、本変形例1に係る第1および第2カム(46,47)は、第1および第2可動板(41a,41b)の長手方向に向かって延び、同軸上に配置されている。そして、第1および第2カム(46,47)には、一の回転軸(39)が挿通されている。第1および第2カム(46,47)は、互いに180°位相をずらして回転軸(39)に取り付けられている。アクチュエータ制御部(35)によって、回転軸(39)が回転することで、第1および第2カム(46,47)が共に回転するように構成されている。その他の構成、作用・効果は実施形態5と同様である。
(変形例2)
次に、実施形態5の変形例1について説明する。本変形例2は、上記実施形態1とは、アクチュエータ(22)の構成が異なっている。尚、アクチュエータ制御部(35)の図示は省略している。
具体的には、図39に示すように、本変形例2に係るアクチュエータ(22)は、上記実施形態5に係るアクチュエータ(22)のように、重量を有する第1および第2可動板(41b)を備えておらず、代わりに第1および第2可動ハウジング(50a,50b)を有している。この第1可動ハウジング(50a)は、第1調湿モジュール(20a)に対応して設けられ、第2可動ハウジング(50b)は、第2調湿モジュール(20b)に対応して設けられている。
第1および第2可動ハウジング(50a,50b)は、それぞれ側面が開口した直方体状の箱体に形成され、上面壁が左右に突出して形成されている。第1および第2可動ハウジング(50a,50b)の上面壁には、熱歪材料(21)の他端が取り付けられている。第1可動ハウジング(50a)の内部には、第1カム(46)と回転軸(39)とが配置され、第2可動ハウジング(50b)の内部には、第2カム(47)と回転軸(39)とが配置されている。第1および第2カム(46,47)は、アクチュエータ制御部(35)によって、左右で180°位相がずれるようになっている。すなわち、図39に示すように、第1可動ハウジング(50a)の内面下部に第1カム(46)の小径部(49)が接触すると、第2可動ハウジング(50b)の内面下部に第2カム(47)の外周部(48)が接触するように構成されている。こうすることで、第2可動ハウジング(50b)が、第2カム(47)の外周部(48)によって下方に引っ張られ、第2調湿モジュール(20b)の熱歪材料(21)が下方に引っ張られる。
そして、各回転軸(39,39)が回転すると、位相が180°ずれ、第2可動ハウジング(50b)の内面下部に第2カム(47)の小径部(49)が接触し、第1可動ハウジング(50a)の内面下部に第1カム(46)の外周部(48)が接触する。こうすることで、第1可動ハウジング(50a)が、第1カム(46)の外周部(48)によって下方に引っ張られ、第1調湿モジュール(20a)の熱歪材料(21)が下方に引っ張られる。
(変形例3)
次に、実施形態5の変形例3について説明する。本変形例3は、上記変形例1とは、アクチュエータ(22)の構成が異なっている。尚、アクチュエータ制御部(35)の図示は省略している。
具体的には、図40に示すように、本変形例3に係る第1および第2カム(46,47)は、第1および第2可動ハウジング(50a,50b)の長手方向に向かって延び、同軸上に配置されている。そして、第1および第2カム(46,47)には、一の回転軸(39)が挿通されている。第1および第2カム(46,47)は、アクチュエータ制御部(35)によって、互いに180°位相をずらして回転軸(39)に取り付けられている。この回転軸(39)が回転することで、第1および第2カム(46,47)が共に回転するように構成されている。
(変形例4)
次に、実施形態5の変形例4について説明する。本変形例4は、上記変形例3とは、アクチュエータ(22)の構成が異なっている。尚、アクチュエータ制御部(35)の図示は省略している。
具体的には、図41に示すように、本変形例4に係る調湿モジュール(20)は、熱歪材料(21)と、第1および第2固定板(40a,40b)と、可動ハウジング(50)と、カム(46)と、回転軸(39)とを備えている。
上記第1および第2固定板(40a,40b)は、それぞれが略長方形状の薄板に形成されている。第1固定板(40a)は、第1調湿モジュール(20a)に対応して右端寄りに縦配置され、第2固定板(40b)は、第2調湿モジュール(20b)に対応して左端寄りに縦配置されている。第1固定板(40a)の左端面には、第1調湿モジュール(20a)の熱歪材料(21)の一端が接続され、第2固定板(40b)の右端面には、第2調湿モジュール(20b)の熱歪材料(21)の一端が接続されている。
上記可動ハウジング(50)は、第1および第2固定板(40a,40b)の間に設けられるものである。可動ハウジング(50)は、第1および第2可動板(41a,41b)と、2枚の連結板(59,59)とを備えている。
第1および第2可動板(41a,41b)は、それぞれが略矩形状の薄板に形成されている。第1可動板(41a)は、第1固定板(40a)と対向するように縦配置され、第2可動板(41b)は、第2固定板(40b)と対向するように縦配置されている。第1可動板(41a)は、第1調湿モジュール(20a)の熱歪材料(21)の他端に取り付けられ、第2可動板(41b)は、第2調湿モジュール(20b)の熱歪材料(21)の他端にそれぞれ取り付けられている。そして、第1固定板(40a)と第1可動板(41a)との間は、第1空気通路(42a)に形成され、第2固定板(40b)と第2可動板(41b)との間は、第2空気通路(42b)に形成されている。
上記各連結板(59,59)は、略矩形の薄板状に形成され、第1および第2可動板(41a,41b)の間に、高さ方向に所定の間隔を有して配置されている。つまり、第1および第2可動板(41a,41b)、および連結板(59,59)は、一体として移動するように構成されている。
上記可動ハウジング(50)の内部には、カム(46)と回転軸(39)とが配置されている。上記カム(46)は、第1および第2可動板(41a,41b)の幅方向(図41の奥行き方向)に延びる略円筒形状に形成された部材である。カム(46)には、円形の外周部(48)と、該外周部(48)の半円部分が切り欠かれて形成される小径部(49)とが形成されている。また、回転軸(39)は、カム(46)の中心に挿通され、該カム(46)をその周方向に回転可能となるように取り付けられている。すなわち、カム(46)が回転することで、第1可動板(41a)に対して、カム(46)の外周部(48)が接触した場合、第2可動板(41b)にカム(46)の小径部(49)が接触するように構成されている。こうすることで、可動ハウジング(50)が右方向に移動し、第2可動板(41b)が右方向に引っ張られ、第2調湿モジュール(20b)の熱歪材料(21)が右方向に引っ張られる。
逆に、カム(46)が回転することで、第2可動板(41b)に対して、カム(46)の外周部(48)が接触した場合、第1可動板(41a)にカム(46)の小径部(49)が接触するように構成されている。こうすることで、可動ハウジング(50)が左方向に移動し、第1可動板(41a)が左方向に引っ張られ、第1調湿モジュール(20a)の熱歪材料(21)が左方向に引っ張られる。
(変形例5)
次に、実施形態5の変形例5について説明する。本変形例5は、図42に示すように、上記実施形態1とは、アクチュエータ(22)の構成が異なっている。尚、アクチュエータ制御部(35)の図示は省略している。
具体的には、本変形例5に係るアクチュエータ(22)は、第1および第2アーム(51,52)と、回転軸(39)と、ステッピングモータ(図示なし)とを備えているものである。
上記回転軸(39)は、その軸方向が可動板(41a,41b)の幅方向(図42の奥行き方向)に延びる回転軸である。回転軸(39)は、仕切板(43)の下方に配置されている。回転軸(39)には、第1および第2アーム(51,52)が取り付けられている。この回転軸(39)は、ステッピングモータに接続され、該ステッピングモータによって周方向に自在に回転可能に構成されている。
上記第1および第2アーム(51,52)は、細長い板状部材に形成され、回転軸(39)に対して取り付けられている。第1アーム(51)の先端には、第1可動板(41a)に接触させる第1支持部(51a)が形成され、第2アーム(52)の先端には、第2可動板(41b)に接触させる第2支持部(52a)が形成されている。第1アーム(51)は、その基端が回転軸(39)に取り付けられ、その先端が第1可動板(41a)に向かって延びている。また、第2アーム(52)は、その基端が回転軸(39)に取り付けられ、その先端が第2可動板(41b)に向かって延びている。
そして、図42に示すように、回転軸(39)が反時計回りに回転した場合、回転に伴って第1アーム(51)の先端の第1支持部(51a)が上昇し、反対に第2アーム(52)の先端の第2支持部(52a)が下降する。このとき、第1アーム(51)の第1支持部(51a)が下方から第1可動板(41a)を押し上げることで、第1調湿モジュール(20a)の熱歪材料(21)に第1可動板(41a)の重みが、かからなくなって引張力が解除され、反対に、第2調湿モジュール(20b)の熱歪材料(21)へ第2可動板(41b)の重みがかかり、引張力が付与される。
逆に、図42に示すように、回転軸(39)が時計回りに回転した場合、第1アーム(51)の第1支持部(51a)が下降して第1可動板(41a)から離れることで、第1調湿モジュール(20a)に第1可動板(41a)の重みがかかる。このため、第1調湿モジュール(20a)の熱歪材料(21)へ引張力が付与される。
尚、本変形例5では、ステッピングモータの1ステップあたりの回転角を調整することで、各可動板(41a,41b)の重量を調整するようにしてもよい。こうすることで、熱歪材料(21)へ付与される引張力を調整して発熱量を調整することができる。
また、本変形例5においては、第1アーム(51)に対応する駆動軸と、第2アーム(52)に対応する駆動軸とを個別に設け、各アーム(51,52)をそれぞれ独立して回動させる構成としてもよい(変形例5のその他)。これにより、第1調湿モジュール(20a)と第2調湿モジュール(20b)の双方の熱歪材料(21)に張力を付与する動作が可能となる。
(変形例6)
次に、実施形態5の変形例6について説明する。本変形例6は、上記変形例2および5とは、アクチュエータ(22)の構成が異なっている。
具体的には、図43に示すように、本変形例6に係るアクチュエータ(22)は、第1および第2可動ハウジング(50a,50b)と、第1および第2アーム(51,52)と回転軸(39)とを備えている。第1アーム(51)は、第1可動ハウジング(50a)に対して取り付けられ、第2アーム(52)は、第2可動ハウジング(50b)に対して取り付けられている。このため、第1アーム(51)の第1支持部(51a)の上昇に伴って第1可動ハウジング(50a)が上昇する一方、第2アーム(52)の第2支持部(52a)の下降に伴って第2可動ハウジング(50b)が下降するように構成されている。その他の構成、作用・効果は、上記変形例2と同様である。
また、本変形例6においては、第1アーム(51)に対応する駆動軸と、第2アーム(52)に対応する駆動軸とを個別に設け、各アーム(51,52)をそれぞれ独立して回動させる構成としてもよい(変形例6のその他)。これにより、第1調湿モジュール(20a)と第2調湿モジュール(20b)の双方の熱歪材料(21)に張力を付与する動作が可能となる。
(変形例7)
次に、実施形態5の変形例7について説明する。本変形例7は、上記実施形態5とは、アクチュエータ(22)とアクチュエータ制御部(35)の構成が異なっている。
具体的には、図44に示すように、本変形例7に係るアクチュエータ(22)は、固定板(40)と、第1および第2可動板(56,57)と、第1および第2電磁石(53,54)とを備えている。
上記固定板(40)は、第1調湿モジュール(20a)の下方に配置されている。第1可動板(56)は、第1調湿モジュール(20a)の上方に配置され、第2可動板(57)は、第2調湿モジュール(20b)の上方側に配置されている。固定板(40)と第1可動板(56)とは、互いに対向して配置され、固定板(40)と第2可動板(57)とは互いに対向して配置されている。この第1および第2可動板(56,57)は、それぞれ磁石又は鉄などの磁性金属によって構成されている。第1電磁石(53)は、第1可動板(56)の近傍で、且つ対向するように配置され、第2電磁石(54)は、第2可動板(57)の近傍で、且つ対向するように配置されている。第1および第2電磁石(53,54)は、共にアクチュエータ制御部(35)に接続され、アクチュエータ制御部(35)によって通電が切換制御されている。
上記アクチュエータ制御部(35)は、第1および第2電磁石(53,54)に対して付与する通電を制御するものである。すなわち、第1調湿モジュール(20a)に対して引張力を付与する場合、第1電磁石(53)の極性を対向する第1可動板(56)の磁性と逆極性にすることで、第1調湿モジュール(20a)の熱歪材料(21)に引張力を付与する。このとき、第2電磁石(54)への通電を停止することで、第2調湿モジュール(20b)の熱歪材料(21)への引張力を解除する。
一方、第2調湿モジュール(20b)に対して引張力を付与する場合、第2電磁石(54)の極性を対向する第2可動板(57)の磁性と逆極性にすることで、第2調湿モジュール(20b)の熱歪材料(21)に引張力を付与する。このとき、第1電磁石(53)への通電を停止することで、第1調湿モジュール(20a)の熱歪材料(21)への引張力を解除する。
(変形例8)
次に、実施形態5の変形例8について説明する。本変形例8は、上記実施形態5の変形例7とは、アクチュエータ(22)の構成が異なっている。本変形例8では、上記変形例7と異なる部分についてのみ説明する。
具体的には、図45に示すように、本変形例8に係るアクチュエータ(22)では、固定板(40)が調湿モジュール(20)の上方に配置されている。第1および第2可動板(56,57)は、調湿モジュール(20)の下方に固定板(40)と対向して配置され、これらの第1および第2可動板(56,57)と対向するように第1および第2電磁石(53,54)が配置されている。
上記第1および第2可動板(56,57)は、磁石又は鉄などの磁性金属によって構成されると共に、所定の重量を有している。
第1調湿モジュール(20a)に対して引張力を付与する場合、第1電磁石(53)への通電を停止することで、第1可動板(56)の重量によって第1調湿モジュール(20a)の熱歪材料(21)に引張力を付与する。このとき、第2電磁石(54)の極性を対向する第2可動板(57)の磁性と同極として、第2調湿モジュール(20b)の熱歪材料(21)への引張力を解除する。
一方、第2調湿モジュール(20b)に対して引張力を付与する場合、第2電磁石(54)への通電を停止することで、第2可動板(57)の重量によって第2調湿モジュール(20b)の熱歪材料(21)に引張力を付与する。このとき、第1電磁石(53)の極性を対向する第1可動板(56)の磁性と同極として、第1調湿モジュール(20a)の熱歪材料(21)への引張力を解除する。
尚、本変形例8では、第1および第2可動板(56,57)は、所定の重量を有するようにしていたが、第1および第2可動板(56,57)を、磁石又は鉄などの磁性金属によって構成され、且つ比較的軽量な部材で構成するようにしてもよい。
この場合、第1調湿モジュール(20a)に対して引張力を付与する際、第1電磁石(53)の磁性を第1可動板(56)の極性と逆極性にして第1調湿モジュール(20a)の熱歪材料(21)に引張力を付与する。このとき、第2電磁石(54)への通電を停止することで、第2調湿モジュール(20b)の熱歪材料(21)への引張力を解除する。
一方、第2調湿モジュール(20b)に対して引張力を付与する際、第2電磁石(54)の磁性を第2可動板(57)の極性と逆極性にして第2調湿モジュール(20b)の熱歪材料(21)に引張力を付与する。このとき、第1電磁石(53)への通電を停止することで、第1調湿モジュール(20a)の熱歪材料(21)への引張力を解除する。
(変形例9)
次に、実施形態5の変形例9について説明する。本変形例9は、上記実施形態5の変形例7とは、アクチュエータ(22)の構成が異なっている。本変形例8では、上記変形例7と異なる部分についてのみ説明する。
具体的には、図46に示すように、本変形例4に係るアクチュエータ(22)は、熱歪材料(21)と、第1および第2可動板(56,57)と、第1および第2電磁石(53,54)と、仕切板(43)と、を備えている。
上記第1および第2可動板(56,57)は、それぞれが略長方形状の薄板に形成されている。第1可動板(56)は、第1調湿モジュール(20a)の右端寄りに縦配置され、第2可動板(57)は、第2調湿モジュール(20b)の左端寄りに縦配置されている。第1可動板(56)の左端面には、第1調湿モジュール(20a)の熱歪材料(21)の一端が接続され、第2可動板(57)の右端面には、第2調湿モジュール(20b)の熱歪材料(21)の一端が接続されている。
上記仕切板(43)は、第1調湿モジュール(20a)と第2調湿モジュール(20b)との間に、第1および第2可動板(56,57)と対向するように配置されるものである。仕切板(43)には、第1調湿モジュール(20a)および第2調湿モジュール(20b)のそれぞれの熱歪材料(21)の他端が接続されている。
上記実施形態5、その変形例2、その変形例5、変形例5のその他の例、変形例6のその他の例、変形例7、変形例8、及び変形例9については、調湿運転の停止信号が入力部(34)に入力されると、図8、図10、図16、図20に示すように、張力を付与した熱歪材料(21)を空気が通過する。これにより、この熱歪材料(21)の吸着剤を乾燥させる乾燥動作が行われる。
一方、上記実施形態5の変形例1、変形例3、変形例4、変形例5、及び変形例6については調湿運転の停止信号が入力部(24)に入力されると、吸湿動作中であった熱歪材料(21)を再生側の空気(夏期であれば室内空気(RA)、冬期であれば室外空気(OA))が通過する。これにより、この熱歪材料(21)の吸着剤を乾燥させる乾燥動作が行われる。
〈発明の実施形態6〉
本発明の実施形態6について説明する。図47および図48に示す実施形態6は、調湿モジュール(20)の具体的な構成に関するものである。本実施形態6に係る調湿モジュール(20)では、ケーシング(60)内に熱歪材料(21)で形成された複数のフィン(70)を搬送させる駆動部材であるベルト搬送装置(65)を備え、空気通路(P)内で熱歪材料(21)への張力の付与と解除を切り換えるようにしたものである。
上記ケーシング(60)は、長方形の箱体に形成され、内部に空気通路(P)が形成されている。ケーシング(60)の内部は、図47における手前から奥側に向かって空気が流れるように構成されている。ケーシング(60)の内部は、上下仕切板(61)によって上下に仕切られ、上側空気通路(62)と下側空気通路(63)が形成されている。そして、上下仕切板(61)には、ベルト搬送装置(65)を配置するための開口が形成されている。
上記ベルト搬送装置(65)は、ガイドレール(69)と、ベルト(67)と、2つのホイール(66,66)とを備えている。
上記ホイール(66,66)は、略円筒状に形成された回転体である。ホイール(66,66)は、ベルト(67)を搬送可能となるように構成されている。ホイール(66,66)は、ケーシング(60)内の左右に2つ並んで配置され、互いに反時計回りに回転するように構成されている。
上記ベルト(67)は、シート状の部材に形成され、外周ベルト(67a)と内周ベルト(67b)とで構成されている。
上記内周ベルト(67b)は、上記2つのホイール(66,66)に対して接触して取り付けられ、内側を移動するものである。つまり、一対のホイール(66,66)が反時計回りに回転することで、内周ベルト(67b)は、ケーシング(60)内の上側空気通路(62)内を通過する際は、左方向へ搬送され、下側空気通路(63)を通過する際は、右方向へ搬送される。内周ベルト(67b)は、幅方向の両端部に、熱歪材料(21)の形成部分よりも外側に突き出た突出部(68)が形成されている。この突出部(68)は、後述する内周レール(69b)との摺動する部分になる。
上記外周ベルト(67a)は、熱歪材料(21)を介して内周ベルト(67b)に取り付けられ、外側を移動するものである。すなわち、外周ベルト(67a)と熱歪材料(21)と内周ベルト(67b)とは、一体となって搬送されるものである。外周ベルト(67a)は、幅方向の両端部に、熱歪材料(21)の形成部分よりも外側に突き出た突出部(68)が形成されている。この突出部(68)は、後述する外周レール(69a)との摺動する部分になる。
図48に示すように、上記ガイドレール(69)は、外周ベルト(67a)および内周ベルト(67b)をガイドするものである。ガイドレール(69)は、外周レール(69a)と内周レール(69b)とで構成されている。
上記外周レール(69a)は、上記外周ベルト(67a)の幅方向の両端に設けられるレール部材である。外周レール(69a)は、外側に凹む凹部に外周ベルト(67a)の側端部を引っ掛けることで、該外周ベルト(67a)を案内するように構成されている。
上記内周レール(69b)は、上記内周ベルト(67b)の幅方向の両端に設けられるレール部材である。内周レール(69b)は、外側に凹む凹部に内周ベルト(67b)の側端部を引っ掛けることで、該内周ベルト(67b)を案内するように構成されている。
外周レール(69a)と内周レール(69b)との間の距離は、ケーシング(60)の上方と下方とで異なっている。具体的には、外周レール(69a)と内周レール(69b)との間の距離は、ケーシング(60)の上方(上側空気通路(62))では、拡がる一方、ケーシング(60)の下方(下側空気通路(63))では、狭くなっている。
また、上記調湿モジュール(20)は、熱歪材料(21)からなるフィン(70)と、該フィン(70)の表面に担持された吸着層(23)とを備えている。
各フィン(70)は、ケーシング(60)の幅方向(図47の奥行き方向)に延びる板状に形成されている。各フィン(70)は、一端が外周ベルト(67a)に取り付けられ、他端が内周ベルト(67b)に取り付けられている。
ホイール(66,66)を同時に回転させると、外周ベルト(67a)、内周ベルト(67b)およびフィン(70)が搬送される。そして、ケーシング(60)の上側空気通路(62)を搬送される際、外周ベルト(67a)と内周ベルト(67b)との間の距離が拡がることで、フィン(70)を構成する熱歪材料(21)が上方向に引っ張られる。
一方、ケーシング(60)の下側空気通路(63)を搬送される際、外周ベルト(67a)と内周ベルト(67b)との距離が縮まることで、フィン(70)を構成する熱歪材料(21)への引張力が解除される。つまり、ケーシング(60)内において、上側空気通路(62)は、空気を加熱する領域に形成され、下側空気通路(63)は、空気を冷却する領域に形成されている。したがって、放湿と吸湿とを連続して行うことができるため、上記実施形態におけるロータ型の調湿装置(1)に対して好適である。
−実施形態6の変形例−
(変形例1)
次に、実施形態6の変形例1について説明する。本変形例1は、図49に示すように、上記実施形態6とは、ベルト搬送装置(65)の構成が異なっている。
具体的には、本変形例1に係るベルト搬送装置(65)は、外周レール(69a)と、内周レール(69b)との間の距離を、ケーシング(60)の左右で異なるように構成したものである。その他の構成、作用・効果は実施形態6と同様である。
(変形例2)
次に、実施形態6の変形例2について説明する。本変形例2は、図50に示すように、上記実施形態6とは、駆動部材の構成が異なっている。
具体的に、本変形例2では、ベルト搬送装置(65)の代わりに、ロータ装置(71)を設けたものである。上記ロータ装置(71)は、外周体(73)と、偏心軸(72)とを備えている。
上記偏心軸(72)は、その軸方向が、ケーシング(60)の奥行き方向に亘って延びる回転軸である。偏心軸(72)は、後述する外周体(73)の内部であって、ケーシング(60)内の上下仕切板(61)とほぼ同じ高さ位置に配置されている。偏心軸(72)の外周には、周方向に多数のフィン(70)が取り付けられ、放射状に延びている。また、偏心軸(72)は、図示しないモータに接続され、該モータによって回転可能に構成されている。
上記外周体(73)は、ロータ装置(71)の外周部分を形成する部材である。外周体(73)は、略円筒形状に形成され、ケーシング(60)内において回転可能に配置されている。このとき、外周体(73)は、図示しないガイドレールに沿って定位置で回転するように構成されている。外周体(73)の内周面には、フィン(70)の外周端が取り付けられている。
偏心軸(72)が回転すると、フィン(70)および外周体(73)が一体に回転する。外周体(73)に対して偏心軸(72)が偏心しているため、ケーシング(60)の上側空気通路(62)を通過する際に、熱歪材料(21)が引っ張られる一方、下側空気通路(63)を通過する際に、熱歪材料(21)への引張力が解除される。つまり、ケーシング(60)の上側空気通路(62)は、空気を加熱する領域に形成され、ケーシング(60)の下側空気通路(63)は、空気を冷却する領域に形成されている。その他の構成、作用・効果は実施形態6と同様である。
(変形例3)
次に、実施形態6の変形例3について説明する。本変形例3は、図51に示すように、上記変形例3とは、ロータ装置(71)の構成が異なっている。
具体的に、本変形例3に係るロータ装置(71)では、フィン(70)をハニカム構造に構成したものである。その他の構成、作用・効果は上記変形例2と同様である。
(変形例4)
次に、実施形態6の変形例4について説明する。本変形例4は、図52〜図54に示すように、上記実施形態6とは、駆動部材の構成が異なっている。
具体的に、本変形例4では、ベルト搬送装置(65)の代わりに、回転装置(99)を設けたものである。
本変形例4に係るケーシング(80)は、仕切板(81)によって内部が左右に仕切られ、右側が第1空気通路(82)に形成され、左側が第2空気通路(83)に形成されている。そして、ケーシング(60)内に、回転装置(99)が設けられている。
上記回転装置(99)は、回転軸(84)と、該回転軸(84)に取り付けられる第1回転板(85)と、回転軸(84)の一端に取り付けられる連結部(88)と、該連結部(88)を介して回転軸(84)に取り付けられる傾斜軸(86)と、傾斜軸(86)に取り付けられる第2回転板(87)とを備えている。そして、第1回転板(85)と第2回転板(87)との間に、熱歪材料(21)からなるワイヤ状のフィン(70)が取り付けられている。また、仕切板(81)には、フィン(70)の通過位置にスリットが形成されている。本変形例4では、回転装置(99)の側方(すなわち、図53における第1回転板(85)と第2回転板(87)との間の奥行き方向)に空気が流れるように構成されている。
上記傾斜軸(86)は、回転軸(84)に対して所定の角度だけ傾斜して取り付けられている。そして、回転軸(84)は、図示しないモータに接続されて回転可能に構成されている。このため、回転軸(84)が回転すると、該回転軸(84)と共に傾斜軸(86)も回転する。したがって、第1回転板(85)と第2回転板(87)との傾斜分だけ両者の距離が離れることとなる。このため、フィン(70)が第1空気通路(82)を通過する際には、第1回転板(85)と第2回転板(87)との距離が離れるため、フィン(70)を形成する熱歪材料(21)に引張力が付与される。一方、フィン(70)が第2空気通路(83)を通過する際には、第1回転板(85)と第2回転板(87)との距離が近づくため、フィン(70)を形成する熱歪材料(21)の引張力が解除される。
(変形例5)
次に、実施形態6の変形例5について説明する。本変形例5は、図55〜図57に示すように、上記変形例4とは、回転装置(99)の構成が異なっている。
具体的に、本変形例5に係る回転装置(99)は、第1回転板(85)と第2回転板(87)に厚み方向に貫通する孔(89)が形成されている。そして、第1回転板(85)と第2回転板(87)との間において、回転軸(84)および傾斜軸(86)から放射状に延びると共に、シート状の熱歪材料(21)からなるフィン(70)が形成されている。
すなわち、本変形例5では、回転装置(99)の上下方向(すなわち、図56における第1回転板(85)と第2回転板(87)との間の上下方向)に空気が流れるように構成されている。
尚、本変形例5では、仕切板(81)と、同位置にフィン(70)を配置することで、ケーシング(60)内を左右に仕切っている。
《実施形態6の乾燥手段に係る変形例》
実施形態6及びその変形例(変形例1〜5)について、以下のような他の乾燥手段を採用してもよい。この変形例について、図72及び73を参照しながら説明する。なお、図72及び図73では、実施形態6及び変形例1に係るベルト搬送装置(65)、変形例2及び変形例3に係るロータ装置(71)、変形例4及び5に係る回転装置(99)を模式的に表しているが、その詳細の構造は上述したとおりである。
この変形例に係る調湿モジュール(20)の回動機構(120)(ベルト搬送装置(65)、ロータ装置(71)、回転装置(99))には、複数の熱歪材料(21)が保持されている。熱歪材料(21)の表面には、吸着剤からなる吸着層(23)が形成されている。回動機構(120)は、第1の空気通路(放湿通路(P1))と、第2の空気通路(吸湿通路(P2))とに跨がるように配置される。回動機構(120)は、熱歪材料(21)を放湿通路(P1)と吸湿通路(P2)との間を連続的に回動させるように構成される。回動機構(120)は、吸湿通路(P2)側から放湿通路(P1)側にむかうにつれて熱歪材料(21)に付与する張力を大きくし、放湿通路(P1)側から吸湿通路(P2)側にむかうにつれて熱歪材料(21)に付与する張力を小さくするように構成される。また、放湿通路(P1)には、第1のファン(放湿側ファン(30a))が配置され、吸湿通路(P2)には、第2のファン(吸湿側ファン(30b))が配置される。
調湿モジュール(20)のコントローラ(33)には、入力部(34)とアクチュエータ制御部(35)とファン制御部(36)とが設けられる。入力部(34)には、調湿運転(除湿運転又は加湿運転)の運転を開始させるための開始信号や、該運転を停止させるための停止信号が入力される。アクチュエータ制御部(35)は、回動機構(120)の回転角度を調節する。ファン制御部(36)は、放湿側ファン(30a)及び吸湿側ファン(30b)のON/OFFの切換を行う。
この変形例では、アクチュエータ制御部(35)及びファン制御部(36)が熱歪材料(21)の吸着層(23)を乾燥させる乾燥手段を構成する。具体的に、アクチュエータ制御部(35)は、入力部(34)に停止信号が入力されると吸湿通路(P2)側の熱歪材料(21)が放湿通路(P1)へ移動し、放湿通路(P1)側の熱歪材料(21)が吸湿通路(P2)へ移動するように回動機構(120)を駆動するように構成される。また、ファン制御部(36)は、入力部(34)に停止信号が入力されると、上記吸湿側ファン(30b)を停止し且つ上記放湿側ファン(30a)の運転を継続させるように構成される。
−除湿運転−
図72(A)に示す除湿運転では、吸湿側ファン(30b)及び放湿側ファン(30a)が運転され、回動機構(120)が2つの空気通路(P1,P2)に亘りながら回動する。吸湿通路(P2)では、取り込まれた室外空気(OA)が回動機構(120)を通過する。吸湿通路(P2)では、熱歪材料(21)の張力が解除されるため、熱歪材料(21)によって吸着層(23)が冷却される。このため、吸着層(23)では、空気中の水分が吸着層(23)に吸着される。吸湿通路(P2)の熱歪材料(21)で除湿された空気は、供給空気(SA)として室内へ供給される。
また、放湿通路(P1)では、取り込まれた室内空気(RA)が回動機構(120)を通過する。放湿通路(P1)では、熱歪材料(21)に張力が付与されるため、熱歪材料(21)によって吸着層(23)が加熱される。このため、吸着層(23)では、吸着された水分が空気中へ脱離する。放湿通路(P1)の熱歪材料(21)の吸着層(23)を再生した空気は、排出空気(EA)として室外へ排出される。
〈除湿運転の乾燥動作〉
上記の除湿運転を停止する際には、入力部(34)に停止信号が入力される。すると、ファン制御部(36)は、図72(B)に示すように、吸湿側ファン(30b)を停止する一方、放湿側ファン(30a)の運転を継続したままとする。また、入力部(34)に停止信号が入力されると、アクチュエータ制御部(35)は、回動機構(120)の熱歪材料(21)を放湿通路(P1)と吸湿通路(P2)との間で逆転させる。即ち、回動機構(120)では、入力部(34)に停止信号が入力された時点において、放湿通路(P1)側に位置していた熱歪材料(21)(図72(A)の白抜きの領域A1の熱歪材料)を吸湿通路(P2)側に移動させると同時に、吸湿通路(P2)側に位置していた熱歪材料(図72(A)のハッチングを付した領域A2の熱歪材料)を放湿通路(P1)側に移動させる(図72(B)を参照)。
図72(A)に示す状態から図72(B)に示す状態に遷移すると、それまで吸湿動作を行っていた熱歪材料(21)(即ち、吸着層(23)の含水率が比較的高い熱歪材料)が放湿通路(P1)に移動して張力が付与される。また、放湿通路(P1)では、放湿側ファン(30a)によって搬送された室内空気(RA)が熱歪材料(21)を通過する。この結果、熱歪材料(21)の吸着層(23)から水分が脱離し、この水分が空気中へ放出される。また、例えば夏季等においては、室内空気(RA)は室外空気(OA)と比較して湿度が低いため、吸着層(23)が効率良く乾燥する。
また、図72(A)に示す状態から図72(B)に示す状態に遷移すると、それまで放湿動作を行っていた熱歪材料(21)(即ち、吸着層(23)の含水率が比較的低い熱歪材料)が吸湿通路(P2)に移動して張力が解除される。しかし、吸湿通路(P2)では、吸湿側ファン(30b)が停止状態となっているため、空気中の水分が吸着層(23)に吸着されることを抑制できる。
放湿通路(P1)側の熱歪材料(21)と吸湿通路(P2)側の熱歪材料(21)の位置が完全に逆転すると、放湿側ファン(30a)が停止し、除湿運転が終了する。回動機構(120)では、双方の空気通路(P1,P2)の熱歪材料(21)の吸着層(23)の含水率が比較的低くなるため、その後に吸着層(23)の表面で菌やカビが繁殖することを防止できる。
−加湿運転−
図73(A)に示す加湿運転では、吸湿側ファン(30b)及び放湿側ファン(30a)が運転され、回動機構(120)が2つの空気通路(P1,P2)に亘りながら回動する。放湿通路(P1)では、取り込まれた室外空気(OA)が回動機構(120)を通過する。放湿通路(P1)では、熱歪材料(21)に張力が付与されるため、熱歪材料(21)によって吸着層(23)が加熱される。このため、吸着層(23)では、吸着された水分が空気中へ脱離する。熱歪材料(21)で加湿された空気は、供給空気(SA)として室内へ供給される。
また、吸湿通路(P2)では、取り込まれた室内空気(RA)が回動機構(120)を通過する。吸湿通路(P2)では、熱歪材料(21)の張力が解除されるため、熱歪材料(21)によって吸着層(23)が冷却される。このため、吸着層(23)では、空気中の水分が吸着層(23)に吸着される。放湿通路(P1)の熱歪材料(21)の吸着層(23)に水分を付与した空気は、排出空気(EA)として室外へ排出される。
〈加湿運転の乾燥動作〉
上記の加湿運転を停止する際には、入力部(34)に停止信号が入力される。すると、ファン制御部(36)は、図73(B)に示すように、吸湿側ファン(30b)を停止する一方、放湿側ファン(30a)の運転を継続したままとする。また、入力部(34)に停止信号が入力されると、アクチュエータ制御部(35)は、回動機構(120)の熱歪材料(21)を放湿通路(P1)と吸湿通路(P2)との間で逆転させる。即ち、回動機構(120)では、入力部(34)に停止信号が入力された時点において、放湿通路(P1)側に位置していた熱歪材料(21)(図73(A)の白抜きの領域A1の熱歪材料)を吸湿通路(P2)側に移動させると同時に、吸湿通路(P2)側に位置していた熱歪材料(図73(A)のハッチングを付した領域A2の熱歪材料)を放湿通路(P1)側に移動させる(図73(B)を参照)。
図73(A)に示す状態から図73(B)に示す状態に遷移すると、それまで吸湿動作を行っていた熱歪材料(21)(即ち、吸着層(23)の含水率が比較的高い熱歪材料)が放湿通路(P1)に移動して張力が付与される。また、放湿通路(P1)では、放湿側ファン(30a)によって搬送された室外空気(OA)が熱歪材料(21)を通過する。この結果、熱歪材料(21)の吸着層(23)から水分が脱離し、この水分が空気中へ放出される。また、例えば冬期等においては、室外空気(OA)は室内空気(RA)と比較して湿度が低いため、吸着層(23)が効率良く乾燥する。
また、図73(A)に示す状態から図73(B)に示す状態に遷移すると、それまで放湿動作を行っていた熱歪材料(即ち、吸着層(23)の含水率が比較的低い熱歪材料)が吸湿通路(P2)に移動して張力が解除される。しかし、吸湿通路(P2)では、吸湿側ファン(30b)が停止状態となっているため、空気中の水分が吸着層(23)に吸着されることを抑制できる。
放湿通路(P1)側の熱歪材料(21)と吸湿通路(P2)側の熱歪材料(21)の位置が完全に逆転すると、放湿側ファン(30a)が停止し、加湿運転が終了する。回動機構(120)では、双方の空気通路(P1,P2)の熱歪材料(21)の吸着層(23)の含水率が比較的低くなるため、その後に吸着層(23)の表面で菌やカビが繁殖することを防止できる。
〈発明の実施形態7〉
本発明の実施形態7について説明する。尚、アクチュエータ制御部(35)の図示は省略している。図58および図59に示す実施形態7は、調湿モジュール(20)の具体的な構成に関するものである。本実施形態7に係る調湿モジュール(20)では、ワイヤ状に形成された熱歪材料(21)の基端に設けられる回転軸(105)と、該熱歪材料(21)の先端に設けられる第1錘部(107a)および第2錘部(107b)とを備え、回転軸(105)を回転させることで空気通路(P)内で上記熱歪材料(21)への張力の付与と解除を切り換えるように構成されている。調湿モジュール(20)は、空気通路(P)が形成されるケーシング(100)内に設けられている。
ケーシング(100)は、長方形状の箱体に形成され、上下仕切板(101)によって内部が上下に仕切られている。ケーシング(100)は、内部の上側が上側空気通路(103)に形成され、下側が下側空気通路(104)に形成されている。上側空気通路(103)の出口側には、ファン(30)が設けられる一方、下側空気通路(104)の出口側にもファン(30)が設けられている。そして、上記上下仕切板(101)には、開口部(102)が形成され、ケーシング(100)内に調湿モジュール(20)が設けられている。
上記ケーシング(100)の長手方向の一側面には、上部および下部にそれぞれ空気流入口(100a,100b)が形成され、他側面には、上部および下部にそれぞれ空気流入口(100a,100b)に対応する空気流出口が形成されている。そして、空気流入口(100a,100b)からケーシング(100)内に空気が取り込まれる一方、空気流出口からケーシング(100)外に空気が排出されるように構成されている。
上記調湿モジュール(20)は、ケーシング(100)の幅方向に延びる回転軸(105)と、該回転軸(105)に取り付けられるモータ軸(108)と、回転軸(105)から一方に向かって延びる第1熱歪材料(21a)と、第1錘部(107a)と、回転軸(105)から第1熱歪材料(21a)と反対方向に向かって延びる第2熱歪材料(21b)と、第2錘部(107b)と、回転軸(105)に対して取り付けられる閉鎖板(106)とを備えている。
上記第1熱歪材料(21a)は、ワイヤ状に形成されている。第1熱歪材料(21a)は、その基端が回転軸(105)の外周に取り付けられる一方、その先端が回転軸(105)から上方に延びて形成されている。第1熱歪材料(21a)は、回転軸(105)の軸方向に沿って多数設けられている。各第1熱歪材料(21a)の先端には、第1錘部(107a)が取り付けられている。第1錘部(107a)は、細長の円柱状に形成され、回転軸(105)と略平行となるように配置されている。
上記第2熱歪材料(21b)は、ワイヤ状に形成されている。第2熱歪材料(21b)は、その基端が回転軸(105)の外周に取り付けられる一方、その先端が回転軸(105)から下方に延びて形成されている。第2熱歪材料(21b)は、回転軸(105)の軸方向に沿って多数設けられている。各第2熱歪材料(21b)の先端には、第2錘部(107b)が取り付けられている。第2錘部(107b)は、細長の円柱状に形成され、回転軸(105)と略平行となるように配置されている。
つまり、回転軸(105)が図示しないモータによって回転すると、第1熱歪材料(21a)および第2熱歪材料(21b)は、180°ずつ移動するよう構成されている。そして、回転軸(105)が回転して、第1錘部(107a)が下方に位置した場合は、第1熱歪材料(21a)に引張力が付与される。また、回転軸(105)が回転して、第2錘部(107b)が下方に位置した場合は、第2熱歪材料(21b)に引張力が付与される。
上記閉鎖板(106)は、回転軸(105)に対して水平に取り付けられている。閉鎖板(106)は、回転軸(105)の回転に伴って開口部(102)を常時閉鎖するように構成されている。
−実施形態7の変形例−
(変形例)
次に、実施形態7の変形例について説明する。本変形例は、図60〜図62に示すように、上記実施形態7とは、調湿モジュール(20)の構成が異なっている。
本変形例に係る調湿モジュール(20)は、回転軸(105)と、回転軸(105)に取り付けられるモータ軸と、回転軸(105)から放射状に延びる多数の熱歪材料(21)と、各熱歪材料(21)の先端に取り付けられる錘部(107)とを備えている。
本変形例では、ケーシング(100)内の上側空気通路(103)と、下側空気通路(104)のそれぞれに調湿モジュール(20)が設置されている。
熱歪材料(21)は、ワイヤ状に形成されている。熱歪材料(21)は、その基端が回転軸(105)の外周に取り付けられる一方、その先端が回転軸(105)の径方向外方に向かって延びて形成されている。熱歪材料(21)は、回転軸(105)の一周あたり、16本設けられ、回転軸(105)の軸方向に沿って連続して形成されている。
つまり、回転軸(105)の回転によって回転する熱歪材料(21)には、錘部(107)によって生じる遠心力が加わる。これによって、熱歪材料(21)に引張力が付与される。反対に回転軸(105)の回転を停止することで、熱歪材料(21)への引張力は解除される。
実施形態6及び7と、それらの各変形例の調湿モジュール(20)を備えた調湿装置(1)においては、入力部(34)に調湿運転の停止信号が入力されると、吸湿側の熱歪材料(21)に空気を通過させるようにファン(30)をファン制御部(36)によって制御することで、熱歪材料(21)の吸着層(23)の吸着剤を乾燥させる。つまり、ファン(30)及びファン制御部(36)は、乾燥動作において、熱歪材料(21)に空気を通過させる空気搬送機構であって、該熱歪材料(21)の吸着層(23)の吸着剤を乾燥させる乾燥手段を構成する。
具体的に、例えば夏期の除湿運転であれば、入力部(34)に停止信号が入力されると、熱歪材料(21)で吸湿動作が行われる側の空気通路(例えば実施形態6の下側空気通路(63))に室内空気(RA)を流通させる。これにより、下側空気通路(63)では、吸着層(23)の吸着剤の水分が、室内空気(RA)に放出され、吸着剤の含水率が低下する。そして、この乾燥動作を所定時間行った後、ファン(30)を停止する。この結果、調湿装置(1)を長期に亘って停止させても、吸着層(23)の吸着剤の表面で菌やカビが発生することを防止できる。
また、例えば冬期の加湿運転であれば、入力部(34)に停止信号が入力されると、熱歪材料(21)で吸湿動作が行われる側の空気通路(例えば実施形態6の下側空気通路(63))に室外空気(OA)を流通させる。これにより、下側空気通路(63)では、吸着層(23)の吸着剤の水分が、室外空気(OA)に放出され、吸着剤の含水率が低下する。そして、この乾燥動作を所定時間行った後、ファン(30)を停止する。この結果、調湿装置(1)を長期に亘って停止させても、吸着層(23)の吸着剤の表面で菌やカビが発生することを防止できる。
〈実施形態8〉
図63および図64は、実施形態8に係る調湿モジュール(20)およびアクチュエータ(22)の構成を示す図である。なお、図63では、第1調湿モジュール(20a)用、及び第2調湿モジュール(20b)用の両方のアクチュエータ(22)を図示してある。これらのアクチュエータ(22)は、形状記憶合金が形状回復する際の回復応力を利用して、熱歪材料(21)に引張力を印加する。アクチュエータ(22)は、ワイヤー部(22a)、電源部(22b)、及びスイッチ(22c)を備えている。
ワイヤー部(22a)は、ワイヤ状の形状記憶合金で構成されている。より詳しくは、ワイヤー部(22a)を構成する形状記憶合金は、加熱すると収縮するように構成されている。ワイヤー部(22a)の一端は、ローラー(29)を介して、可動板(41)における熱歪材料(21)の反対面に固定されている(図63を参照)。このローラー(29)は、回転自在にケーシング(10)に固定され、ワイヤー部(22a)の向きを変えるために設けてある。また、この例では、ワイヤー部(22a)の他端は、ケーシング(10)に固定されている。そのため、例えば、ワイヤー部(22a)が加熱されて収縮すると、第1調湿モジュール(20a)の可動板(41)は、同図の左に引張られ、第2調湿モジュール(20b)の可動板(41)は、同図の右に引張られる。
電源部(22b)は、スイッチ(22c)を介して、ワイヤー部(22a)に接続されている。このスイッチ(22c)をオンにすると、該ワイヤー部(22a)(形状記憶合金)に所定の電流が流れて、形状記憶合金自身が発熱するようになっている。スイッチ(22c)のオンオフは、コントローラ(33)の切換制御部(35)が制御する。
なお、アクチュエータ(22)には、ワイヤー部(22a)の加熱を解除した際に、該ワイヤー部(22a)が加熱前の形状に戻る(延びる)ように、金属バネを設けてもよい。
まず、第1調湿モジュール(20a)において吸湿動作が行われる場合、切換制御部(35)によって、ワイヤー部(22a)(形状記憶合金)への通電がオフにされる。これにより、第1調湿モジュール(20a)では、アクチュエータ(22)の形状記憶合金の温度が下がり、熱歪材料(21)への引張力が解除される。その結果、第1調湿モジュール(20a)の熱歪材料(21)が吸熱し、空気中の水分が吸着剤に吸着される。
一方、第2調湿モジュール(20b)において放湿動作が行われる場合、切換制御部(35)によって、ワイヤー部(22a)(形状記憶合金)への通電がオンにされる。これにより、アクチュエータ(22)の形状記憶合金の温度が上がって収縮する。その結果、第2調湿モジュール(20b)では、熱歪材料(21)に引張力が付与されて発熱する。したがって、熱歪材料(21)の吸着剤の水分が空気中へ放出される。
以上のように、本変形例では、形状記憶合金を用いてアクチュエータ(22)を構成したので、モータで引張力を熱歪材料に印加する場合と比べ、コンパクトに構成できる。また、本変形例のアクチュエータ(22)は、モータと比べ作動音をはるかに小さくできる。
(変形例1)
図65に示す実施形態8の変形例1では、アクチュエータ(22)は、磁場を印加すると形状が回復する形状記憶合金(以下、磁性形状記憶合金という)を用い、その形状記憶合金が形状回復する際の回復応力を利用して引張力を発生する。変形例1のアクチュエータ(22)は、ワイヤー部(22a)、電源部(22b)、スイッチ(22c)、及びコイル(65)を備えている。
ワイヤー部(22a)は、前記磁性形状記憶合金で構成されている。より具体的には、ワイヤー部(22a)は、ワイヤ状の形態を有し、磁場を印加すると収縮するように構成されている。ワイヤー部(22a)の取り付け構造は、実施形態8と同様である。すなわち、ワイヤー部(22a)の一端は、ローラー(29)を介して、可動板(41)における熱歪材料(21)の反対面に固定されている。また、ワイヤー部(22a)の他端は、ケーシング(10)に固定されている。そのため、例えば、ワイヤー部(22a)に磁場が印加されて収縮すると、第1調湿モジュール(20a)の熱歪材料(21)、及び第2調湿モジュール(20b)の熱歪材料(21)が引張られる。
コイル(65)は、ワイヤー部(22a)の周囲を取り囲むように、被覆電線が巻回されて構成されている。すなわち、コイル(65)に電流を流すとワイヤー部(22a)に磁場が印加される。
電源部(22b)は、スイッチ(22c)を介して、コイル(65)に接続されている。スイッチ(22c)をオンにすると、該コイル(65)に所定の電流が流れてワイヤー部(22a)に磁場が印加されるようになっている。スイッチ(22c)のオンオフは、切換制御部(35)が制御する。
なお、アクチュエータ(22)には、ワイヤー部(22a)の磁場印加を解除した際に、該ワイヤー部(22a)が磁場印加前の形状に戻る(延びる)ように、金属バネを設けてもよい。
前記の構成により、本変形例においても、それぞれの調湿モジュール(20a,20b)の熱歪材料(21)への引張力の付与と解除を行える。したがって、除湿運転や加湿運転を連続して行うことができる。
実施形態8及びその変形例1では、調湿運転の停止信号が入力部(34)に入力されると、図8、図10、図16、図20に示すように、張力を付与した熱歪材料(21)を空気が通過する。これにより、この熱歪材料(21)の吸着剤を乾燥させる乾燥動作が行われる。
〈その他の実施形態〉
上述した各実施形態の熱歪材料(21)は、引張力の付与により発熱し、引張力の解除により吸熱するように構成される。しかし、熱歪材料(21)は、圧縮力の付与により発熱し、圧縮力の解除により吸熱する構成であってもよい。
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態に係る調湿モジュール(20)において、図66〜図69に示すアクチュエータ(22)を用いて構成してもよい。
図66に係るアクチュエータは、ヒータ(111)とバイメタル(110)により構成されている。図67に係るアクチュエータは、ピエゾ素子(112)により構成されている。図68に係るアクチュエータは、駆動アーム(113)により構成されている。図69に係るに係るアクチュエータは、ソレノイド(114)により構成されている。
また、上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
例えば、上記各実施形態においては、室外空気を除加湿処理して室内に供給し、室内空気を調湿モジュール(20)の吸着再生処理に使って室外に排出する換気方式を採用しているが、室内空気を循環させる構成において調湿モジュール(20)で水分の吸着や脱離を行うように構成してもよい。
また、上記各実施形態において説明している調湿モジュール(20)や冷却加熱モジュール(24)の具体的な構成は、調湿装置(1)の装置構成に応じて適宜変更してもよい。
さらには、調湿装置(1)の構成も、除湿運転や加湿運転、あるいは除湿冷房運転や加湿暖房運転を行える限りは適宜変更してもよい。
また、上記各実施形態において説明した乾燥動作においては、例えば図70及び図71のような動作を行ってもよい。
図70は、放湿動作と吸湿動作とを繰り返して除湿運転を行う調湿装置(1)の乾燥動作の一例である。この調湿装置(1)では、入力部(34)に除湿運転の停止信号が入力されると、吸湿動作の後、熱歪材料(21)の張力が解除された状態を維持しつつ、この熱歪材料(21)に室内空気(RA)を通過させる。熱歪材料(21)を通過した空気は、排出空気(EA)として室外へ排出される。これにより、乾燥動作では、吸着層(23)の水分を空気中へ放出でき、吸着剤を乾燥させることができる。
図71は、放湿動作と吸湿動作とを繰り返して加湿運転を行う調湿装置(1)の乾燥動作の一例である。この調湿装置(1)では、入力部(34)に加湿運転の停止信号が入力されると、吸湿動作の後、熱歪材料(21)の張力が解除された状態を維持しつつ、この熱歪材料(21)に室外空気(OA)を通過させる。熱歪材料(21)を通過した空気は、例えば供給空気(SA)として室内へ供給される。これにより、乾燥動作では、吸着層(23)の水分を空気中へ放出でき、吸着剤を乾燥させることができる。
また、上述した各乾燥動作の制御では、例えば図8に示すように、乾燥動作の後、解除動作を行っているが、この解除動作を行わずファン(30)を停止させるようにしてもよい。
尚、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、、水分の吸着と脱離とを行う調湿モジュールを備え、該調湿モジュールで空気の湿度を調節する調湿装置について有用である。
20,20a,20b 調湿モジュール
21 熱歪材料
22 アクチュエータ(乾燥手段)
23 吸着層
30 ファン(乾燥手段、空気搬送機構)
30a 給気ファン(乾燥手段、空気搬送機構)
30b 排気ファン(乾燥手段、空気搬送機構、空気排出機構)
34 入力部
35 アクチュエータ制御部(乾燥手段)
36 ファン制御部(乾燥手段、空気搬送機構)
37 ダンパ制御部(乾燥手段、空気流通禁止機構)
D1〜D8 ダンパ(乾燥手段、空気流通禁止機構)

Claims (12)

  1. 水分を吸着する吸着層(23)を表面に形成した熱歪材料(21)と、該熱歪材料(21)に応力を付与するアクチュエータ(22,120)とを有する調湿モジュール(20,20a,20b)と、該熱歪材料(21)に空気を通過させるファン(30,30a,30b)と、上記該熱歪材料(21)に応力を付与して吸着層(23)から空気中へ水分を脱離させる放湿動作と、該熱歪材料(21)の応力を解除して吸着層(23)に空気中の水分を吸着させる吸湿動作とを行うように上記アクチュエータ(22,120)を制御するアクチュエータ制御部(35)とを備え、上記調湿モジュール(20,20a,20b)で空気の湿度を調節する調湿運転を行う調湿装置であって、
    上記調湿運転の停止信号が入力される入力部(34)と、
    上記入力部(34)に上記停止信号が入力された後に、上記熱歪材料(21)の吸着層(23)を乾燥させる乾燥動作を行う乾燥手段(22,30,30a,30b,35,36,37,D1〜D8)とを備えている
    ことを特徴とする調湿装置。
  2. 請求項1において、
    上記乾燥手段は、上記アクチュエータ(22)と、上記熱歪材料(21)に応力を付与するように上記アクチュエータ(22)を制御するアクチュエータ制御部(35)を備えている
    ことを特徴とする調湿装置。
  3. 請求項2において、
    上記乾燥手段は、応力が付与された上記熱歪材料(21)に空気を通過させる空気搬送機構(30,30a,30b,36)を備えている
    ことを特徴とする調湿装置。
  4. 請求項3において、
    上記調湿モジュール(20,20a,20b)は、該調湿モジュール(20,20a,20b)で除湿した空気を室内へ供給する上記調湿運転としての除湿運転を行うように構成され、
    上記空気搬送機構(30,30a,30b,36)は、上記入力部(34)に上記除湿運転の停止信号が入力されると、応力が付与された上記熱歪材料(21)に室内空気を通過させる
    ことを特徴とする調湿装置。
  5. 請求項3において、
    上記調湿モジュール(20,20a,20b)は、該調湿モジュール(20,20a,20b)で加湿した空気を室内へ供給する上記調湿運転としての加湿運転を行うように構成され、
    上記空気搬送機構(30,30a,30b,36)は、上記入力部(34)に上記加湿運転の停止信号が入力されると、上記乾燥動作時に応力が付与された上記熱歪材料(21)に室外空気を通過させる
    ことを特徴とする調湿装置。
  6. 請求項2において、
    上記乾燥手段は、応力が付与された熱歪材料(21)の空気の通過を禁止させる空気流通禁止機構(37,D1〜D8)と、該空気流通禁止機構(37,D1〜D8)で熱歪材料(21)の空気の通過を禁止した後、該熱歪材料(21)の周囲の空気を室外へ排出する空気排出機構(30b)とを備えている
    ことを特徴とする調湿装置。
  7. 請求項6において、
    上記空気流通禁止機構は、上記熱歪材料(21)が収容される調湿室(C1,C2)を閉空間とするダンパ機構(37,D1〜D8)を備えている
    ことを特徴とする調湿装置。
  8. 請求項2乃至7のいずれか1つにおいて、
    上記アクチュエータ制御部(35)は、上記乾燥動作の後に上記ファン(30,30a,30b)が停止状態になると、上記熱歪材料(21)の応力を解除するように上記アクチュエータ(22)を制御する
    ことを特徴とする調湿装置。
  9. 請求項1において、
    上記乾燥手段は、上記熱歪材料(21)に空気を通過させる空気搬送機構(30,36)を備えている
    ことを特徴とする調湿装置。
  10. 請求項9において、
    上記調湿モジュール(20,20a,20b)は、該調湿モジュール(20,20a,20b)で除湿した空気を室内へ供給する上記調湿運転としての除湿運転を行うように構成され、
    上記空気搬送機構(30,36)は、上記入力部(34)に上記除湿運転の停止信号が入力されると、上記熱歪材料(21)に室内空気を通過させる
    ことを特徴とする調湿装置。
  11. 請求項9において、
    上記調湿モジュール(20,20a,20b)は、該調湿モジュール(20,20a,20b)で加湿した空気を室内へ供給する上記調湿運転としての加湿運転を行うように構成され、
    上記空気搬送機構(30,36)は、上記入力部(34)に上記加湿運転の停止信号が入力されると、上記熱歪材料(21)に室外空気を通過させる
    ことを特徴とする調湿装置。
  12. 請求項9乃至11のいずれか1つにおいて、
    放湿通路(P1)の空気を搬送する放湿側ファン(30a)と、吸湿通路(P2)の空気を搬送する吸湿側ファン(30b)とを備え、
    上記アクチュエータは、複数の上記熱歪材料(21)を放湿通路(P1)と吸湿通路(P2)との間で連続的に回動させるとともに、上記吸湿通路(P2)側から放湿通路(P1)側にむかうにつれて熱歪材料(21)に付与する応力を大きくし、上記放湿通路(P1)側から上記吸湿通路(P2)側にむかうにつれて該熱歪材料(21)に付与された応力を小さくするように構成された回動機構(120)で構成され、
    上記乾燥手段は、上記入力部(34)に停止信号が入力されると上記吸湿通路(P2)側の熱歪材料(21)が上記放湿通路(P1)へ移動し、該放湿通路(P1)側の熱歪材料(21)が吸湿通路(P2)へ移動するように上記回動機構(120)を駆動する上記アクチュエータ制御部(35)と、上記入力部(34)に停止信号が入力されると、上記吸湿側ファン(30b)を停止し且つ上記放湿側ファン(30a)の運転を継続させるファン制御部(36)とを有している
    ことを特徴とする調湿装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2023090692A (ja) * 2021-12-17 2023-06-29 ダイキン工業株式会社 空調システム

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