JP2014091372A - 車輪位置特定装置および車輪状態取得装置 - Google Patents

車輪位置特定装置および車輪状態取得装置 Download PDF

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Abstract

【課題】車輪から送信された車輪情報に含まれる識別情報と車輪の位置とを対応づける車輪位置特定装置において、車輪位置の特定がより確実に行われるようにする。
【解決手段】複数の車輪の各々から、IDaを含む車輪情報が車輪側ユニットが上死点に達したタイミングで送信される。受信機において、設定時間の間IDaを含む車輪情報が受信されたタイミングで4輪の回転位置が車輪速度センサの各々によってそれぞれ検出され(S12)、これら検出値の各々が設定範囲内にある個数が取得され(S15,16)、車輪位置が特定される(S18)。しかし、車輪位置の特定ができなかった場合には、2輪の間の回転角速度差が生じるように、各輪のブレーキ力が制御される(S22)。その後、再度、検出値が取得され、個数が取得されて、車輪位置が特定される。回転角速度差が大きくされることにより、より確実に車輪位置を特定することができる。
【選択図】図8

Description

本発明は、車輪情報を送信する車輪の位置を特定する車輪位置特定装置および車輪位置特定装置を含む車輪状態取得装置に関するものである。
特許文献1に記載の車輪位置特定装置において、複数の車輪の各々に、加速度センサ、空気圧センサ、送信機等を含む車輪側ユニットが設けられ、車体に、車輪情報を受信する受信機、前後左右の4輪の各々に対応して設けられ、前後左右の4輪の回転位置をそれぞれ検出する車輪速度センサ(電磁ピックアップ式)、コンピュータを主体とする処理部等を含む車体側装置が設けられる。
車輪側ユニットの各々において、加速度センサの検出値(回転方向や遠心方向の加速度)が予め定められた値になった場合、すなわち、車輪側ユニットが車輪の予め定められた回転位置に達した場合に、識別情報(例えば、IDx情報)、空気圧情報等を含む一連の車輪情報が送信される。車体側装置において、受信機においてIDx情報を含む車輪情報が受信されたタイミングで、前記複数の車輪速度センサの各々の検出値が取得されるのであるが、ばらつきが最も小さい検出値を出力した車輪速度センサが1つ特定され、その1つの車輪速度センサが対応する車輪の位置とそのIDx情報とが対応付けられる。具体的には、車輪速度センサの検出値の各々が、IDx情報を含む車輪情報が送信された場合の車輪の回転位置に基づいて決まる許容範囲内にあるかどうかが判定され、許容範囲から外れたものが除かれ、最後に残った検出値を出力した車輪速度センサがIDx情報を含む車輪情報を送信した車輪に対応するものであると特定される。
特開2010−122023号公報
本発明の課題は、車輪位置特定装置、車輪状態取得装置の改良であり、例えば、より良好に車輪位置を特定できるようにすることである。
課題を解決するための手段および効果
本発明は、複数の車輪の各々から無線で送信される車輪情報に含まれる識別情報と車輪位置とを対応づける(以下、車輪位置を特定すると称する場合がある)車輪位置特定装置であって、複数の車輪のうちの少なくとも2輪の間の回転角速度差が制御された後に、前記車輪位置を特定する制御後車輪位置特定部を備えたものとされる。
本発明に係る一態様の車輪位置特定装置において、複数の車輪の各々において、加速度センサの検出値で決まる車輪の回転位置が予め定められた回転位置に達した場合に識別情報を含む車輪情報が送信され、車体において、それら車輪情報のうちの1つである対象車輪の車輪側装置から送信された車輪情報である対象車輪情報が受信されたタイミングで、2回以上、複数の車輪の回転位置がそれぞれ車体側回転センサによって検出され、少なくともそれら2つ以上ずつの検出値(回転位置)に基づき、対象車輪に対応して設けられた1つの車体側回転センサが特定されて、その対象車輪情報に含まれる識別情報と対象車輪の位置とが対応付けられる。
例えば、複数の車輪のうちの1つの対象車輪(例えば、右前輪とする。)において、IDFRの識別情報を含む対象車輪情報が、加速度センサが予め定められた回転位置に達した場合(例えば、上死点に達した場合)に送信され、車体側において、IDFRを含む対象車輪情報が受信される毎に、2回以上、複数の車体側回転センサによって、それぞれ、前後左右の各輪の回転位置{(θFL1、θFR1、θRL1、θRR1)、(θFL2、θFR2、θRL2、θRR2)、・・・}が検出される。例えば、車体側回転センサによって検出された対象車輪の回転位置(θFR1≒θFR2)は、ほぼ同じ値になるが、他の車輪の回転位置は同じ値にならないのが普通である{(θFL1≠θFL2)、(θRL1≠θRL2)、(θRR1≠θRR2)}。旋回走行中に生じる内外輪の回転角速度差、制動,駆動中に生じるスリップ(制動、駆動スリップ)等により、複数の車輪の各々の回転角速度が同じにならないからである。また、定速、直進走行中であっても、複数の車輪の動荷重半径(Dynamic Load Radius)の違いにより回転角速度が同じにはならない。
以上の事情に基づき、例えば、2つ以上の検出値の各々について、ばらつきが最も小さい検出値を出力した車体側回転センサを右前輪(対象車輪)に対応するものであると特定したり、統計的に処理した値が対象車輪情報が送信された対象車輪の回転位置に最も近い検出値を出力した車体側回転センサを右前輪に対応するものであると特定したりすること等ができる。
しかし、車体の走行状態、路面の状態、搭乗者,荷物の積載状態等によって、2つ以上の車輪の回転角速度が同じあるいは近似する場合があり、それらの場合には、対象車輪に対応する車体側回転センサを特定することが困難となる。
一方、サンプル数を多くすれば、すなわち、車体側回転センサの各々による前後左右の各輪の回転位置の検出回数を多くすれば、動荷重半径の差に起因する回転位置のずれが生じ易くなるため、対象車輪に対応する車体側回転センサの特定がし易くなる。しかし、サンプル数を多くすると車輪位置の特定に要する時間が長くなる。
それに対して、本発明に係る車輪位置特定装置においては、複数の車輪のうちの少なくとも2輪の回転角速度差が制御された後に車輪位置の特定が行われるのであり、車輪位置の特定が、複数の車輪の間の回転角速度差が生じ易い状態で行われる。その結果、対象車輪に対応する車体側回転センサの特定を良好に行うことができる。例えば、車輪位置の特定をより確実に行うことが可能となったり、信頼性の向上を図ることが可能となったり、短い時間で行うことが可能となったりする。
特許請求可能な発明
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明について説明する。
(1)車両の複数の車輪の各々に設けられ、(a)その車輪の回転位置に関連する物理量を検出する車輪側回転センサと、(b)少なくとも前記車輪について定められた識別情報を含む車輪情報を、前記車輪側回転センサの検出値に基づいて決まる前記車輪の回転位置が予め定められた回転位置に達したタイミングで送信する送信機とを備えた車輪側装置と、
前記車両の車体に設けられ、(i)前記複数の車輪側装置の各々から送信された車輪情報を受信する受信機と、(ii)前記複数の車輪の各々に対応して設けられ、その車輪の回転位置に対応する検出値を出力する車体側回転センサと、(iii)前記車輪の回転中に、前記受信機によって、前記複数の車輪側装置のうちの1つである対象車輪側装置から送信された車輪情報である対象車輪情報が受信される毎に、2回以上、前記車体側回転センサの各々によって複数の車輪の回転位置がそれぞれ検出されるとともに、それら2つ以上ずつの検出値に基づいて、前記対象車輪情報を送信した車輪である対象車輪に対応する1つの車体側回転センサを特定し、前記対象車輪情報に含まれる前記識別情報と前記対象車輪の位置とを対応付ける車輪位置特定部とを備えた車体側装置と
を含む車輪位置特定装置であって、
前記車両が、前記複数の車輪のうちの少なくとも2輪の間の回転角速度差を制御する回転角速度差制御装置を含み、
前記車体側装置が、前記回転角速度差制御装置によって前記少なくとも2輪の間の回転角速度差が制御された後に、前記対象車輪に対応する1つの車体側回転センサを特定する制御後車輪位置特定部を含むことを特徴とする車輪位置特定装置。
車輪側装置は、少なくとも、車輪側回転センサ、送信機を含む。車輪側回転センサ、送信機は車輪のほぼ同じ(隣接した)位置に設けても離れた位置に設けてもよい。前者の場合には、車輪側回転センサ、送信機等を1つのユニットとすることができる。
車輪側回転センサは、例えば、車輪側回転センサ自体(車輪側回転センサ内に設けられたマス)に加えられる力、すなわち、加速度を検出する加速度センサとすることができる。加速度センサの検出値は、車輪に作用する重力に起因して、車輪の回転に伴って周期的に変化するため、車輪側回転センサ自体の車輪における回転位置を取得することができる。
例えば、加速度センサが車輪の回転中心方向の加速度を正の値として検出するものである場合において、検出値は、車輪の回転に起因して作用する遠心力と重力とによって決まる大きさとなり、加速度センサが車輪の上死点にある場合に最大となり、下死点にある場合に最小となる。例えば、加速度センサの検出値で決まるタイミングで車輪情報が出力されるようにしても、微分値(検出値の変化)で決まるタイミングで車輪情報が出力されるようにしてもよい。具体的には、加速度センサ検出値が設定値(例えば、0としたり、1Gとしたりすることができる)に達したタイミングで送信されるようにしたり、加速度センサの検出値がピーク値に達したタイミング(例えば、極大値、あるいは、極小値に達したタイミング)で送信されるようにしたりすることができる。厳密にいえば、加速度センサの検出値の変化の向きが変化したタイミングであり、微分値が0になったタイミングであると考えることもできる。車輪情報は、車輪が1回転する間に、予め定められた回数(例えば、1回、あるいは、2回)送信される。
受信機は、車体に1つ設けられる場合、2つあるいは3つ設けられる場合があるが、いずれにしても、複数の車輪側装置に共通に設けられる。例えば、受信機が、左右前輪に近接して設けられた場合には、受信機の各々において受信された車輪情報に基づいて、車輪情報に含まれる識別情報(例えば、IDa,IDb)と2輪の位置(左前輪、右前輪)とが対応づけられる。
車体側回転センサは、車体の複数の車輪の各々に対応する位置にそれぞれ設けられる。車体側回転センサは、絶対回転角度を検出するものであっても、相対回転角度を検出するものであってもよい。相対回転角度を検出するものである場合に、基準位置は、少なくとも車輪位置を1回特定する間、同じであればよい。
車輪位置特定部は、対象車輪の位置と対象車輪情報に含まれる識別情報とを対応づけるものである。対象車輪情報を受信したタイミングで2回以上複数の車輪の回転位置が検出された場合{(θFL1,θFL2・・・)、(θFR1,θFR2・・・)、(θRL1,θRL2・・・)、(θRR1,θRR2・・・)}において、理論的には、2つ以上ずつの検出値のばらつきを比較すると、対象車輪に対応する車体側回転センサ(以下、対象車体側回転センサと称する場合がある)の2つ以上の検出値のばらつきが最も小さくなる。また、対象車体側回転センサの2つ以上の検出値を統計的に処理した値が対象車輪情報が送信された時点の対象車輪の回転位置に最も近くなる。
以上の事情に基づき、例えば、同じ車体側回転センサによって出力された2つ以上の検出値からなる検出値群GFL,GFR,GRL,GRRを、それぞれ、車体側回転センサに対応して複数想定した場合において、複数の検出値群{例えば、検出値群GFLは検出値(θFL1,θFL2・・・)からなるものである}のうち、(a)2つ以上の検出値のばらつきが最も小さい、(b)ばらつきが最も小さく、かつ、その最も小さいばらつきの程度が2番目に小さいばらつきの程度より設定程度以上小さい、(c)2つ以上の検出値を統計的に処理した値が対象車輪情報が送信された時点の対象車輪の回転位置に最も近い、(d)統計的に処理した値と前記対象車輪の回転位置との差が最も小さく、かつ、その値が2番目に小さい値より設定値以上小さい、(e)検出値に対応する回転位置と対象車輪情報が送信された時点の対象車輪の回転位置との差を統計的に処理した値が最小である、(f)前記差のばらつきが小さい、(g)検出値に対応する回転位置が、対象車輪情報が送信された時点の対象車輪の回転位置で決まる設定範囲内にある個数が最多である、(h)個数が最多であって、かつ、その最多の個数が2番目に多い個数より設定個数以上多い等の特定条件のうちの1つ以上を満たす1つの検出値群を対象検出値群として、その対象検出値群を構成する検出値を出力した車体側回転センサを対象車体側回転センサとすることができる。ばらつきの程度は、2つ以上の検出値の分布、標準偏差等により取得することができる。
制御後車輪位置特定部は、少なくとも2輪の回転角速度差が制御された後に車輪位置の特定を行うものである。(i)車輪位置特定の開始条件が成立した場合に、回転角速度差の制御が行われることなく車輪位置の特定が行われ、特定されなかった場合に回転角速度差の制御が行われ、その後に、車輪位置の特定を再度行うものであっても、(ii)車輪位置特定の開始条件が成立した場合に、回転角速度差の制御が行われ、その後に、車輪位置の特定を行うものであってもよい。いずれの場合であっても、回転角速度差の制御の前、あるいは、回転角速度差の制御を行うことなく開始される車輪位置の特定と、回転角速度差の制御の後に行われる車輪位置の特定とは、同じ態様で行っても、異なる態様で行ってもよい。
回転角速度差制御装置は、少なくとも2輪の間の回転角速度差を制御するものである。例えば、(a)少なくとも1輪に作用する制動力、駆動力等の前後力を制御するものとすることができ、コンピュータを主体とする制御部、制動装置,駆動装置等を含むものとすることができる。少なくとも1輪の前後力の制御により、回転角速度が制御され(制動スリップ、駆動スリップが制御され)、それにより、少なくとも2輪の間の回転角速度差が制御される。(b)また、少なくとも1輪に作用する荷重を制御するものとすることができ、コンピュータを主体とする制御部、車高調整装置等を含むものとすることができる。少なくとも1輪の荷重が変わると、動荷重半径が変わり、回転角速度が変わる。それにより、少なくとも2輪の間の回転角速度差が制御される。なお、少なくとも1輪の荷重の変化によって、車体の釣り合いにより、複数の車輪の荷重が変わり、複数の車輪の動荷重半径が変わる場合もある。(c)さらに、左右の回転角速度差を制御するものとすることができ、コンピュータを主体とする制御部、パワーステアリング装置等を含むものとすることができる。例えば、旋回時、あるいは、直進時のアシスト力の制御により、左側輪と右側輪との間のトルク差を制御し、回転角速度差を制御することができる。また、操舵アシスト力の制御は前後力の制御を合わせて行うこともできる。
(2)前記車輪位置特定部が、前記複数の車体側回転センサの各々について、それぞれ、2つ以上の検出値の各々に対応する回転位置が前記対象車輪情報が送信された時点の前記対象車輪の回転位置で決まる設定範囲内にある個数を取得し、それら個数に基づいて前記対象車輪に対応する1つの車体側回転センサを特定する個数依拠特定部を含む(1)項に記載の車輪位置特定装置。
例えば、同じ車体側回転センサによって出力された2つ以上の検出値からなる検出値群を、それぞれ、車体側回転センサに対応して複数想定し、複数の検出値群の各々において、2つ以上の検出値の各々が設定範囲内にあるかどうかを判定し、その設定範囲内にある個数をそれぞれ取得する。そして、(a)個数が最多である検出値群の検出値を出力した車体側回転センサを対象車輪に対応する車体側回転センサとして特定したり、(b)個数が最多であって、かつ、その最多の個数と2番目に多い個数との差が設定数以上である検出値群の検出値を出力した車体側回転センサを対象車輪に対応する車体側回転センサとして特定したりすること等ができる。
具体的に、対象車輪情報が送信された時点の対象車輪の回転位置は、最初に対象車輪情報が送信された時点に車体側回転センサによって検出された値とすることができ、設定範囲は、その車体側回転センサの検出値に基づいて決まる範囲とすることができる。設定範囲は、複数の車体側回転センサに対応してそれぞれ別個に設定される。また、車輪情報は、対象車輪の回転位置が予め定められた回転位置に達したタイミングで送信されるため、その予め定められた回転位置に基づいて設定範囲を決めることもできる。その場合には、車体側回転センサが絶対角度を検出するものである場合に有効である。
(3)前記個数依拠特定部が、前記複数の車体側回転センサの各々について取得された個数のうちの、最多の個数と2番目に多い個数との差が予め定められた設定数以上である場合に、その個数が最多である検出値を出力した車体側回転センサを前記対象車輪に対応する車体側回転センサとして特定し、前記最多の個数と前記2番目に多い個数との差が前記設定数より小さい場合に、前記個数が最多である検出値を出力した車体側回転センサを前記対象車輪に対応する車体側回転センサとして特定しないものである(2)項に記載の車輪位置特定装置。
車両に設けられた複数の車輪において、対象車輪に対応する車体側回転センサの検出値に対応する回転位置と対象車輪情報が送信された場合の対象車輪の回転位置とはほぼ同じであるが、他の車輪に対する車体側回転センサの検出値に対応する回転位置とは異なるはずである。しかし、車両に搭載された荷物、搭乗者、車体の姿勢、旋回状態、制動・駆動状態等に起因して、少なくとも2輪の間の回転角速度がほぼ同じとなり、回転位置がほぼ同じになる場合がある。
そのため、複数の車体側回転センサの各々について取得された個数のうちの最多の個数が2番目に多い個数より設定数以上である場合、すなわち、最多の個数が突出して多い場合には、それら検出値を出力した車体側回転センサを対象車輪に対応する1つの車体側回転センサとすることができる。しかし、最多の個数が突出して多いといえない場合には、対象車輪に対応する1つの車体側回転センサとして特定しない方が望ましい。
(4)前記車輪位置特定部が、前記複数の車体側回転センサの各々について、それぞれ、2つ以上の検出値からなる検出値群を想定し、それら複数の検出値群の各々が、それぞれに属する2つ以上の検出値に基づき、特定条件を満たすかどうかを判定し、特定条件を満たす1つの検出値群を特定し、前記対象車輪に対応する1つの車体側回転センサを特定する検出値群特定部を含む(1)項ないし(3)項のいずれか1つに記載の車輪位置特定装置。
例えば、右前輪の回転位置を検出する車体側回転センサについて設けられた検出値群GFRは、検出値(θFR1、θFR2、θFR3・・・)によって構成される。そして、検出値群GFRを構成する2つ以上の検出値θFR1、θFR2、θFR3、・・・等に基づきばらつきの程度が取得され、検出値群GFRが特定条件を満たすかどうかが判定される。そして、その特定された検出値群を構成する検出値を出力した車体側回転センサが対象車輪に対応する車体側回転センサとして特定される。
(5)前記車輪位置特定部が、前記複数の検出値群のうち、前記特定条件を満たすものが1つもない場合、あるいは、前記特定条件を満たすものが2つ以上ある場合に、前記対象車輪に対応する車体側回転センサの特定を行わない車輪位置否特定部を含む(4)項に記載の車輪位置特定装置。
{個数が最多で同じである検出値群が2つあり、かつ、2番目の個数との差が設定数より小さい場合}において、特定条件が、「個数が最多であって、かつ、2番目に多い個数より設定数以上多いこと」である場合には、特定条件を満たすものが1つもないが、特定条件が、「最多であること」である場合には、特定条件を満たすものが2つあると考えられる。
また、{2つ以上の検出値を統計的に処理した値がほぼ同じである検出値群が2つあり、その統計的に処理した値が対象車輪情報を送信した対象車輪の回転位置に最も近く、かつ、2番目に近い値との差が小さい場合}において、特定条件が、「対象車輪情報が送信された回転位置と統計的に処理した値との差が最小であり、差が2番目に小さい値より設定値以上小さいこと」である場合には、特定条件を満たすものが1つもないが、特定条件が、「差が設定値以下であること」である場合には、特定条件を満たすものが2つあると考えられる。
(6)前記車輪位置特定部が、(i)設定時間の間、前記車体側回転センサの各々によって複数の車輪の各々の回転位置を検出する設定時間内検出部と、(ii)前記車両が設定距離走行する間、前記車体側回転センサの各々によって複数の車輪の各々の回転位置を検出する設定距離走行中検出部と、(iii)前記車体側回転センサの各々によって複数の車輪の各々の回転位置を設定回数検出する設定回検出部とのうちの少なくとも1つを含む(1)項ないし(5)項のいずれか1つに記載の車輪位置特定装置。
(7)前記制御後車輪位置特定部が、前記車輪位置特定部によって前記車輪位置が特定されず、前記回転角速度差制御装置によって前記少なくとも2輪の間の回転角速度差が制御された後に、前記車輪位置の特定を行う車輪位置再特定部を含む(1)項ないし(6)項のいずれか1つに記載の車輪位置特定装置。
「車輪位置が特定されない場合」とは、車輪位置特定の開始条件が成立してから終了条件が成立するまでの間に、1つの車体側回転センサが特定されない場合をいう。例えば、前述のように、特定条件を満たす検出値群が2つ以上ある場合、特定条件を満たす検出値群が1つもない場合等をいう。車輪位置特定の開始条件は、後述するように、例えば、イグニッションスイッチがOFFからONに切り換えられたこと、リセットスイッチがON操作されたこと、車輪状態が正常でないと検出されたこと等とすることができ、終了条件は、例えば、開始条件が成立してから(あるいは最初に検出値が取得されてから)、検出値が設定個取得されたこと、設定時間が経過したこと、設定距離走行したこと等とすることができる。
なお、本項に記載の車輪位置特定装置においては、[1]車輪位置特定部による実行(特定されなかった)、[2]回転角速度差の制御、[3]車輪位置再特定部による実行の順に行われる。
(8)前記車輪位置再特定部が、前記少なくとも2輪の間の回転角速度差が制御された後、制御される前と同じ態様で、前記複数の車体側回転センサによって出力された複数の車輪の各々の回転位置に対応する検出値を2つ以上ずつ取得して、前記対象車輪に対応する車体側回転センサを1つ特定する(7)項に記載の車輪位置特定装置。
車輪位置再特定部は、車輪位置特定部による車輪位置の特定と同様の方法で車輪位置の特定を行うものとすることができる。特定条件を満たす検出値群が1つもない場合であっても複数ある場合であっても、制御前と同様の態様で特定が行われるのであり、少なくとも2輪の回転角速度差が制御された後に、再度、複数の車輪の回転位置がそれぞれ車体側回転センサによって検出されて、特定が行われる。
(9)前記車輪位置再特定部が、前記車輪位置特定部によって前記車輪位置が特定されず、かつ、前記複数の車体側回転センサのうちの2つ以上が特定候補で1つ以上が非特定候補であるとされた場合に、前記非特定候補である1つ以上の車体側回転センサの検出値を取得することなく、前記2つ以上の特定候補である2つ以上の車体側回転センサの検出値に基づいて前記対象車輪に対応する1つの車体側回転センサの特定を行う(7)項または(8)項に記載の車輪位置特定装置。
特定候補の車体側回転センサとは、対象車体側回転センサを特定できなかった場合に、対象車体側回転センサであると特定される可能性が高いものをいう。例えば、特定条件を満たす検出値群が2つ以上ある場合の、その2つ以上の検出値群の検出値をそれぞれ出力した2つ以上の車体側回転センサ等をいう場合、特定条件を満たす検出値群が1つもない場合の、特定条件を満たす可能性がある2つ以上の検出値群の検出値をそれぞれ出力した車体側回転センサ等をいう場合等がある。
(10)前記車輪位置特定部が、前記複数の車体側回転センサの各々について、それぞれ、2つ以上の検出値からなる検出値群を想定し、それら複数の検出値群の各々が、それぞれに属する2つ以上の検出値に基づき、特定条件を満たすかどうかを判定し、特定条件を満たす1つの検出値群を特定し、前記対象車輪に対応する1つの車体側回転センサを特定する検出値群特定部を含み、
前記車輪位置再特定部が、前記車輪位置特定部によって前記車輪位置が特定されず、かつ、前記複数の車体側回転センサのうちの2つ以上が特定候補で1つ以上が非特定候補であるとされた場合に、前記非特定候補である1つ以上の車体側回転センサによって出力される検出値からなる検出値群と前記特定候補である2つ以上の車体側回転センサによって出力される検出値からなる検出値群との間に評価の差を設けて、前記複数の車体側回転センサの検出値をそれぞれ取得して、前記1つの車体側回転センサの特定を行う(7)項ないし(9)項のいずれか1つに記載の車輪位置特定装置。
特定候補である車体側回転センサは対象車体側回転センサであると特定される可能性が高い。その可能性の高さを維持して、少なくとも2輪の間の回転角速度が制御された後の特定が行われる。
例えば、(i)特定候補に対応する検出値群の評価を検出値群特定部によって行われた評価より高くし、非特定候補に対応する検出値群の評価を検出値群特定部によって行われた評価と同じにしたり、(ii)特定候補に対応する検出値群の評価を検出値群特定部によって行われた評価より高くするとともに、非特定候補に対応する検出値群の評価を検出値群特定部によって行われた評価より低くしたりすることができる。また、検出値群特定部によって行われた評価とは関係なく、特定候補に対応する検出値群の評価が非特定候補に対応する検出値群の評価より高くなるように、新たに評価をすることもできる。
(11)前記車輪位置特定部が、前記複数の車体側回転センサの各々について、それぞれ、前記2つ以上の検出値の各々に対応する回転位置が前記対象車輪情報が送信された時点の車輪の回転位置で決まる設定範囲内にある個数を取得し、それら個数に基づいて、前記対象車輪に対応する1つの車体側回転センサを特定する個数依拠特定部を含み、
前記車輪位置再特定部が、前記車輪位置特定部によって前記車輪位置の特定がされず、かつ、前記複数の車体側回転センサのうち2つ以上が特定候補であり1つ以上が非特定候補であるとされた場合に、前記特定候補である車体側回転センサについての個数カウンタのカウント値の初期値を、前記車輪位置特定部によって取得された個数のカウント値と同じ値とし、前記非特定候補である車体側回転センサについての前記個数カウンタのカウント値の初期値を、前記車輪位置特定部によって取得された個数のカウント値より小さくして、前記複数の車体側回転センサの各々の検出値を取得して、前記車体側回転センサの各々について、それぞれ、前記初期値から前記個数を取得して、前記車体位置を特定するハンディ付き再特定部を含む(7)項ないし(10)項のいずれか1つに記載の車輪位置特定装置。
例えば、非特定候補の車体側回転センサを、(i)複数の検出値群のうち、個数が少ない2つの検出値群の各々の検出値を出力した2つの車体側回転センサとしたり、(ii)最多の個数より設定数以上少ない個数の検出値を出力した車体側回転センサとしたりすること等ができる。そして、これら非特定候補の車体側回転センサについて取得された個数のカウント値が小さく(0にすることもできる)され、特定候補の車体側回転センサについて取得された個数のカウント値はそのまままとされて、その後、複数の車輪の各々の回転位置が車体側回転センサによって検出されて、設定範囲内にある検出値の個数のカウントが、それぞれ、その設定された初期値(車輪位置再特定部によるカウントの初期値)から開始される。初期値が小さくされた車体側回転センサについては、対象車体側回転センサであると特定される可能性は低い。
なお、すべての個数の初期値を0にした後に、再度、検出値の取得、個数のカウントを行うこともできる。
(12)前記回転角速度差制御装置が、(a)前記少なくとも2輪の間の回転角速度差を生じさせる少なくとも1つのアクチュエータと、(b)それら少なくとも1つのアクチュエータを制御するアクチュエータ制御部とを備え、
前記車体側装置が、前記少なくとも2輪の間の回転角速度差を制御する要求があった場合に、前記少なくとも1つのアクチュエータに対する制御指令を出力する制御指令出力部を含む(1)項ないし(11)項のいずれか1つに記載の車輪位置特定装置。
例えば、車輪位置特定部によって車輪位置の特定がされなかった場合、車輪位置特定の開始条件が成立した場合等に、少なくとも2つの間の回転角速度差を制御する要求が有ると検出される。
(13)前記回転角速度差制御装置が、(a)前記複数の車輪の各々に設けられ、それぞれ車輪にブレーキ力を付与するブレーキと、(b)それら複数のブレーキのブレーキ力を各々制御するブレーキ力制御装置とを備え、
前記車体側装置が、前記回転角速度差制御装置に、前記複数のブレーキのうちの少なくとも1つに対する制御指令を出力するブレーキ制御指令出力部を含む(1)項ないし(12)項のいずれか1つに記載の車輪位置特定装置。
(14)前記回転角速度差制御装置が、前記複数のうちの2つ以上の駆動輪の各々の駆動力を制御可能な駆動力制御装置を備えた(1)項ないし(13)項のいずれか1つに記載の車輪位置特定装置。
回転角速度差制御装置は、複数の車輪のうちの少なくとも1輪に加えられる制動力と駆動力との少なくとも一方を含む前後力を制御する前後力制御装置を備えたものとすることができる。
前後力の制御には、既に加えられている前後力の大きさを制御する場合と、新たに前後力を付与する場合とが含まれる。また、いずれの場合であっても、少なくとも1輪に加えられる前後力を制御することにより、複数の車輪の各々に加えられる前後力の比率を目標比率に近づけるようにすることができる。
駆動力制御装置には、(i)駆動力の伝達状態を制御する駆動伝達制御装置(例えば、差動制限装置の制御を含む)、(iii)駆動輪の各々に設けられた駆動用電動モータを制御するモータ制御部等が該当する。
(15)前記回転角速度差制御装置が、(a)前記車体と、前記複数の車輪の各々との間にそれぞれ設けられ、それぞれ、その車輪と前記車体との間の距離である車高を調整可能な車高調整アクチュエータと、(b)それら複数の車高調整アクチュエータの作動をそれぞれ制御する車高調整アクチュエータ制御部とを備えた(1)項ないし(14)項のいずれか1つに記載の車輪位置特定装置。
車高を調整することにより、その車輪に加えられる荷重(上下力)が制御される。その意味において、車高調整アクチュエータを上下力制御アクチュエータと称することができる。なお、少なくとも1輪の車高調整によって姿勢が制御される場合もある。
(16)前記回転角速度差制御装置が、操舵アシスト力の制御により、前記複数の車輪のうちの左右の操舵輪の回転速度差を制御する操舵アシスト力制御装置を含む(1)項ないし(15)項のいずれか1つに記載の車輪位置特定装置。
(17)前記制御指令出力部が、前記車両の走行安定性の低下を抑制しつつ、前記少なくとも2輪の間の回転角速度差を制御する指令を出力する走行安定性維持型制御指令出力部を含む(12)項ないし(16)項のいずれか1つに記載の車輪位置特定装置。
例えば、前輪側、後輪側の左右輪の前後力の差、右側、左側の前後輪の前後力の差が、対角位置にある車輪の前後力の差に比較して大きくなるように、複数の車輪の前後力がそれぞれ制御されるようにすることができる。
また、車輪位置を特定するためには、少なくとも2輪の間に大きな回転角速度差を生じさせる必要性は低いため、車高調整、ステアリングアシスト力の制御等も走行安定性の低下を抑制しつつ、運転者が違和感を感じ難い状態で制御指令が出力されることが望ましい。
(18)前記車輪側装置が、前記車輪の状態を検出する車輪状態センサを含み、
前記車輪情報が、前記車輪状態センサによって検出された車輪の状態を表す車輪状態情報を含み、
前記車輪位置特定部が、(a)タイヤ交換が行われた場合に操作されるリセットスイッチの操作が行われた場合、(b)イグニッションスイッチがOFFからONに切り換えられた場合、(c)前記受信機において受信された車輪情報に含まれる車輪状態情報が表す車輪状態が正常な状態でないと判定された場合のうちの1つ以上が成立した場合に開始条件が成立したとして、前記車輪位置の特定を行うものである(1)項ないし(17)項のいずれか1つに記載の車輪位置特定装置。
タイヤ交換(タイヤのローティション)が行われた場合に車輪位置の特定が行われればよいのであるが、リセットスイッチの操作を忘れ、タイヤ交換後に、車輪位置の特定が行われない可能性がある。それを防止するために、イグニッションスイッチがOFFからONに切り換えられた場合に、車輪位置の特定が行われることが望ましい。また、車輪状態が正常でない場合にはそのことが報知されるが、その場合に、車輪位置が異なっていることは望ましくない。そこで、車輪状態が正常でない場合には、車輪位置の特定が確認の意味で行われることが望ましい。
車輪状態情報は、タイヤの空気圧を表すものであっても、タイヤの温度を表すものであってもよい。また、車輪状態情報は、空気圧値、温度の値を表すものであっても、空気圧が高い,低い、温度が高い,低い等の程度を表すものであってもよい。
なお、上述の開始条件が成立した場合に、少なくとも2輪の回転角速度差が制御されて、制御後車輪位置特定部による車輪位置の特定が行われるようにすることもできる。
(19)車両の複数の車輪の各々に設けられ、(a)その車輪の回転位置に関連する物理量を検出する車輪側回転センサと、(b)前記車輪について定められた識別情報を含む車輪情報を、前記車輪側回転センサの検出値に基づいて決まる前記車輪の回転位置が予め定められた回転位置に達したタイミングで送信する送信機とを備えた車輪側装置と、
前記車両の車体に設けられ、
(i)前記複数の車輪側装置の各々から送信された車輪情報を受信する受信機と、
(ii)前記複数の車輪の各々に対応して設けられ、その車輪の回転位置に対応する検出値を出力する車体側回転センサと、
(iii)前記車輪の回転中に、前記受信機によって、前記複数の車輪側装置のうちの1つである対象車輪側装置から送信された車輪情報である対象車輪情報が受信される毎に、2回以上、前記車体側回転センサの各々によって複数の車輪の回転位置がそれぞれ検出されるとともに、それら2つ以上の検出値からなる検出値群を想定し、それら複数の検出値群の各々について、前記2つ以上の検出値が、それぞれ、前記対象車輪情報が送信された時点の車輪の回転位置で決まる設定範囲内にある個数を取得し、それら個数に基づいて前記対象車輪情報が送信された車輪である対象車輪に対応する1つの車体側回転センサを特定して、前記対象車輪情報に含まれる前記識別情報と前記対象車輪の位置とを対応付ける第1車輪位置特定部と、
(iv)その第1車輪位置特定部によって前記対象車輪に対応する1つの車体側回転センサの特定がされなかった場合に、前記複数の検出値群のうち最多の個数との差が設定数より小さい検出値群の個数の初期値を前記第1車輪位置特定部によって取得された個数と同じ値とし、前記最多の個数との差が前記設定数以上である検出値群の個数の初期値を前記第1車輪位置特定部によって取得された個数より小さい値として、再度、複数の車体側回転センサの各々の検出値を取得して、前記個数をそれぞれ前記初期値からカウントして、前記1つの車体側回転センサを特定する第2車輪位置特定部とを備えた車体側装置と
を含むことを特徴とする車輪位置特定装置。
本項に記載の車輪位置特定装置において、少なくとも2輪の間の回転角速度差を制御することは不可欠ではない。また、本項に記載の車輪位置特定装置には、(1)ないし(18)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用することができる。
(20)車両の複数の車輪の各々に設けられ、(a)その車輪の回転位置に関連する物理量を検出する車輪側回転センサと、(b)少なくとも、前記車輪の回転位置に関する回転位置情報と、前記車輪について定められた識別情報とを含む車輪情報を送信する送信機とを備えた車輪側装置と、
前記車両の車体に設けられ、(i)前記複数の車輪側装置の各々から送信された車輪情報を受信する受信機と、(ii)前記複数の車輪の各々に対応して設けられ、その車輪の回転位置に対応する検出値を出力する車体側回転センサと、(iii)前記車輪の回転中に、前記受信機によって、前記複数の車輪側装置のうちの1つである対象車輪側装置から送信された車輪情報である対象車輪情報が受信される毎に、2回以上、前記車体側回転センサの各々によって複数の車輪の回転位置がそれぞれ検出されるとともに、それら2つ以上ずつの検出値の各々に対応する回転位置と前記対象車輪情報に含まれる前記回転位置情報から取得される前記車輪の回転位置とに基づいて、前記対象車輪情報を送信した車輪である対象車輪に対応する1つの車体側回転センサを特定し、前記対象車輪情報に含まれる前記識別情報と前記対象車輪の位置とを対応付ける車輪位置特定部とを備えた車体側装置と
を含む車輪位置特定装置であって、
前記車両が、前記複数の車輪のうちの少なくとも2輪の間の回転角速度差を制御する回転角速度差制御装置を含み、
前記車体側装置が、前記回転角速度差制御装置によって前記複数の車輪のうちの少なくとも2輪の間の回転角速度差が制御された後に、前記対象車輪に対応する1つの車体側回転センサを特定する制御後車輪位置特定部を含むことを特徴とする車輪位置特定装置。
例えば、送信された対象車輪情報に含まれる回転位置情報から取得される対象車輪の回転位置と前記車体側回転センサの検出値に対応する回転位置との差のばらつきを取得し、ばらつきが小さいもの(差の大小によらず、差が一定であるものも、ばらつきが小さいと考え得る)を対象車輪に対応する車体側回転センサであると特定することができる。
本項に記載の車輪位置特定装置には、(1)項ないし(19)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
(21)車両の複数の車輪の各々に設けられ、(a)その車輪の回転位置に関連する物理量を検出する車輪側回転センサと、(b)前記車輪について定められた識別情報を含む車輪情報を、前記車輪側回転センサの検出値に基づいて決まる前記車輪の回転位置が予め定められた回転位置に達したタイミングで送信する送信機とを備えた車輪側装置と、
前記車両の車体に設けられ、(i)前記複数の車輪側装置の各々から送信された車輪情報を受信する受信機と、(ii)前記複数の車輪の各々に対応して設けられ、その車輪の回転位置に対応する検出値を出力する車体側回転センサと、(iii)前記車輪の回転中に、前記受信機によって、前記複数の車輪側装置のうちの1つである対象車輪側装置から送信された車輪情報である対象車輪情報が受信される毎に、2回以上、前記車体側回転センサの各々によって複数の車輪の回転位置がそれぞれ検出されるとともに、それら2つ以上ずつの検出値からなる検出値群を前記複数の車体側回転センサの各々に対応づけて想定し、それら複数の検出値群の各々について、前記2つ以上の検出値が、それぞれ、前記対象車輪情報が送信された時点の車輪の回転位置で決まる設定範囲内にある個数を取得し、それら個数のうち最多の個数が2番目に多い個数より設定数以上多い場合に、その個数が最多の検出値群の検出値を出力した車体側回転センサに対応する車輪の位置と前記対象車輪情報に含まれる識別情報とを対応付ける車輪位置特定部とを備えた車体側装置と
を含むことを特徴とする車輪位置特定装置。
本項に記載の車輪位置特定装置には、(1)項ないし(20)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
(22)(1)項ないし(21)項のいずれか1つに記載の車輪位置特定装置を含み、
前記車輪側装置が、前記車輪の状態を検出する車輪状態センサを含み、前記送信機が、前記車輪状態センサによって検出された車輪の状態を表す車輪状態情報を含む車輪情報を送信するものであり、
前記車体側装置が、(a)前記車輪情報に含まれる識別情報と前記車輪情報を送信した車輪側装置が設けられた車輪の位置とを対応づける車輪位置特定テーブルを記憶するテーブル記憶部と、(b)前記受信機において受信された車輪情報に含まれる識別情報と前記テーブル記憶部に記憶された前記車輪位置特定テーブルとに基づいて、前記車輪情報が送信された車輪の位置を特定する車輪位置取得部と、(c)その車輪位置取得部によって取得された前記車輪の位置と、前記車輪情報に含まれる前記車輪状態情報が表す車輪状態とを対応付けて表示するディスプレイとを含む車輪状態取得装置。
(23)車両の複数の車輪の各々に設けられ、(a)その車輪の回転位置に関連する物理量を検出する車輪側回転センサと、(b)前記車輪について定められた識別情報を含む車輪情報を、前記車輪側回転センサの検出値に基づいて決まる前記車輪の回転位置が予め定められた回転位置に達したタイミングで送信する送信機とを備えた車輪側装置と、
前記車両の車体に設けられ、(i)前記複数の車輪側装置の各々から送信された車輪情報を受信する受信機と、(ii)前記複数の車輪の各々に対応して設けられ、その車輪の回転位置に対応する検出値を出力する車体側回転センサと、(iii)前記車輪の回転中に、前記受信機によって受信された車輪情報を処理するとともに、前記車体側回転センサによって検出された複数の車輪の各々の回転位置に基づいて前記車輪情報に含まれる識別情報とその車輪情報が送信された車輪の位置とを対応づける車輪位置特定部とを備えた車体側装置と
を含む車輪位置特定装置において実行される車輪位置特定方法であって、
(1)前記受信機において、複数の車輪側装置のうちの1つである対象車輪側装置から送信された車輪情報である対象車輪情報が受信される毎に、2回以上、前記車体側回転センサの各々によって出力された検出値を取得する検出値取得工程と、
(2)前記2つ以上ずつの検出値からなる検出値群を、それぞれ、前記複数の車体側回転センサの各々に対応して想定し、それら複数の検出値群の各々が、それに属する2つ以上の検出値に基づいて、予め定められた特定条件を満たすかどうかを判定し、その特定条件を満たす1つの車体側回転センサを特定するセンサ特定工程と、
(3)前記特定された車体側回転センサに対応する車輪の位置と前記対象車輪情報に含まれる識別情報とを対応づける車輪位置特定工程と、
(4)前記センサ特定工程において、前記特定条件を満たす車体側センサが1つもなかった場合と、前記特定条件を満たす車体側センサが複数あった場合とのいずれか一方の場合に、前記車両に設けられた回転角速度差制御装置に、少なくとも2輪の間の回転角速度差を制御する指令を出力する回転角速度差制御指令出力工程と、
(5)その回転角速度差制御指令出力工程において、前記制御指令が出力された後に、前記対象車輪に対応する1つの車体側回転センサを特定して、車輪位置を特定する車輪位置再特定工程と
を含むことを特徴とする車輪位置特定方法。
本車輪位置特定方法には、(1)項ないし(22)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用することができる。
(24)車両の複数の車輪の各々に設けられ、(a)その車輪の回転位置に関連する物理量を検出する車輪側回転センサと、(b)前記車輪について定められた識別情報を含む車輪情報を、前記車輪側回転センサの検出値に基づいて決まる前記車輪の回転位置が予め定められた回転位置に達したタイミングで送信する送信機とを備えた車輪側装置と、
前記車両の車体に設けられ、(i)前記複数の車輪側装置の各々から送信された車輪情報を受信する受信機と、(ii)前記複数の車輪の各々に対応して設けられ、その車輪の回転位置に対応する検出値を出力する車体側回転センサと、(iii)前記車輪の回転中に、前記受信機によって受信された車輪情報を処理して、前記車体側回転センサの各々によって検出された回転位置に基づいて、前記車輪情報に含まれる識別情報とその車輪情報が送信された車輪の位置とを対応づける車輪位置特定部とを備えた車体側装置と
を含む車輪位置特定装置において実行される車輪位置特定方法であって、
(1)前記複数の車輪側装置のうちの1つである対象車輪側装置から送信された車輪情報である対象車輪情報が受信される毎に、2回以上、前記車体側回転センサの各々によって出力される検出値を取得する検出値取得工程と、
(2)前記複数の車体側回転センサの各々について、2つ以上の検出値に対応する車輪位置が前記対象車輪情報が送信された時点の車輪の回転位置で決まる設定範囲内にあるかどうかを判定して、設定範囲内にある個数を取得する個数取得工程と、
(4)その個数取得工程において取得された前記複数の個数に基づいて前記対象車輪側装置が設けられた車輪である対象車輪に対応する車体側回転センサを1つ特定し、その対象車輪の位置と対象車輪情報に含まれる識別情報とを対応づける車輪位置特定工程と、
(5)その車輪位置特定工程において前記対象車輪に対応する車体側回転センサが特定されず、かつ、特定候補である車体側回転センサが2つ以上あり、非特定候補である車体側回転センサが1つ以上あるとされた場合に、前記特定候補の車体側回転センサについての個数の初期値を前記個数取得工程において取得された個数の値とし、前記非特定候補の車体側回転センサについての個数の初期値を前記個数取得工程において取得された個数より小さい値に設定する初期値設定工程と、
(6)前記車輪位置特定工程において前記対象車輪に対応する車体側回転センサが特定されなかった場合に、再度、前記検出値取得工程を実行し、取得された検出値の各々が前記設定範囲内にある個数を、それぞれ、前記初期値設定工程において設定された初期値からカウントして、前記対象車輪に対応する1つの車体側回転センサを特定する車輪位置再特定工程と、
を含む車輪位置特定方法。
本項に記載の車輪位置特定方法には、(1)項ないし(23)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
本発明の実施例1に係る車輪状態取得装置全体を示す概念図である。本車輪状態取得装置には、本発明の実施例1に係る車輪位置特定装置が含まれる。 上記車輪状態取得装置に含まれる車輪側装置、車体側装置の構造を概念的に示す図である。 上記車輪状態取得装置によって状態が検出される車輪の正面図である。 上記車輪から車輪情報が送信されるタイミングを示す図である。 上記車輪情報を概念的に示す図である。 上記車輪状態取得装置のTPMSECUの記憶部に記憶された車輪位置取得テーブルを表すマップである。 上記TPMSECUの記憶部に記憶された車輪状態取得プログラムを表すフローチャートである。 上記TPMSECUの記憶部に記憶された車輪位置特定プログラムを表すフローチャートである。 上記車輪位置特定プログラムの実行において取得される検出値等を示す図である。 本発明の実施例2に係る車輪状態取得装置全体を示す概念図である。
発明の実施の形態
以下、本発明の一実施形態である車輪状態取得装置を図面に基づいて詳細に説明する。本車輪状態取得装置においては、本発明の一実施形態である車輪位置特定装置が含まれる。また、車輪状態取得装置においては、本発明の一実施形態である車輪位置特定方法が実施される。
図1に示すように、本車両において、前後左右の各輪10FL,FR,RL,RRに、それぞれ、車輪側装置としての車輪側ユニット12FL,FR,RL,RRが設けられ、車体14には車体側装置16が設けられる。
車体側装置16は、図2に示すように、受信機22、ディスプレイ24、前後左右の各輪10FL,FR,RL,RRの各々に対応して設けられた車体側回転センサとしての車輪速度センサ26FL,FR,RL,RR、ブレーキ装置28、コンピュータを主体とするTPMS(Tire Pressure Monitoring System)ECU30、ブレーキECU32、TPMSECU30に接続されたリセットスイッチ34、イグニッションスイッチ36等を含む。本実施例においては、ブレーキECU32,ブレーキ装置28等により回転角速度差制御装置が構成される。
以下、車輪10、車輪側装置12、車輪速度センサ26等を車輪位置FL,FR,RL,RRで区別する必要がある場合に、車輪位置を表す符号を付して記載するが、区別する必要がない場合、総称する場合等には、車輪位置を表す符号を付さないで記載する場合がある。
車輪側ユニット12は、それぞれ、図2に示すように、車輪状態センサとしての空気圧センサ40、車輪側回転センサとしての加速度センサ42、送信機44等を含む。
加速度センサ42は、図3に示すように、自身(センサ)に作用する加速度を検出するものであり、車輪10の回転中心に向かう加速度が+、反対方向(車輪10の遠心方向)の加速度が−となる状態で設けられる。回転中の車輪10には、半径方向に、重力に起因する加速度Gと遠心力Fとが作用するため、加速度センサ42の検出値Yは、路面と平行な線を基準として角度θを決めた場合に、式
Y=−F−Gsinθ
で表される。車輪10が定速で回転している場合には、遠心力Fは一定であるため、検出値Yは、車輪10の回転に伴って図4に示すように変化する。
そして、本実施例において、車輪情報50が、加速度センサ42(車輪側ユニット12)が上死点に達した場合、すなわち、加速度センサ42の検出値が増加傾向から減少傾向に変化した(微分値が正の値から0になった)タイミングで送信される。また、車輪10に制動力や駆動力が加えられても、車輪側ユニット12が上死点に達した場合に、加速度の値が最大になるのであり、いずれの場合であっても、車輪側ユニット12が上死点に達したタイミングで、車輪10が1回転する間に1回、車輪情報50が送信される。
なお、車輪情報50を送信するタイミングはどのように決めてもよく、例えば、下死点、あるいは、上死点から90°回転した位置に達したタイミングで送信されるようにすることもできる。また、車輪10が1回転する間に2回以上送信されるようにすることもできる。さらに、加速度センサ42は、回転方向の加速度を検出するものとすることもできる。
車輪情報50は、スタート情報52、識別情報53、空気圧情報54、エンド情報55等を含む一連の情報である。識別情報53は、車輪側ユニット12FL,FR,RL,RRに個別に定められた値である。
ディスプレイ24は、車輪情報50に含まれる空気圧情報54が表す空気圧値を、車輪位置と対応づけて表示する。空気圧値Pが正常判定しきい値Pthより低い場合には、正常判定しきい値以上の場合とは異なる態様で表示される。
車輪速度センサ(回転角速度センサ)26FL,FR,RL,RRは、車体14の、車輪10FL,FR,RL,RRに対応する位置にそれぞれ固定的に設けられる。車輪速度センサ26FL,FR,RL,RRは、例えば、電磁ピックアップ式のものとすることができ、図3に示すように、車輪10と一体的に回転可能に設けられたロータ56の歯58を検出するものである。本実施例において、ロータ56の外周には48個の歯58が形成されており、ロータ56の基準位置(例えば、基準の歯)から検出された歯58の数に基づいて、その時点の基準位置からの回転角度、すなわち、回転位置が検出される。車輪速度センサ26は、基準位置が固定である絶対角度を検出するものであっても、基準位置が固定されていない相対角度を検出するものであってもよい。絶対角度を検出するものである場合には、基準位置、すなわち、48個の歯58のうちの1つ(0点検出用の特別のもの)が車輪速度センサ26のセンシング部で検出された位置が基準位置とされる。相対角度を検出するものである場合には、例えば、予め定められた時点における検出値に基づいて基準位置が決められる。
車輪速度センサ26はブレーキECU32に接続され、ブレーキECU32において、前後左右の各輪10の回転位置が取得されたり、車両の走行速度が取得されたりする。ブレーキECU32において取得された回転位置を表す情報はTPMSECU30に供給される。
ブレーキ装置28は、前後左右の各車輪10FL,FR,RL,RRにそれぞれ設けられたブレーキ60FL,FR,RL,RRと、それらブレーキ60FL,FR,RL,RRのブレーキ力をそれぞれ個別に制御可能なブレーキ力個別制御部62FL,FR,RL,RRとを含む。ブレーキ力個別制御部62FL,FR,RL,RRがブレーキECU32の指令に基づいて制御されることにより、ブレーキ60FL,FR,RL,RRのブレーキ力がそれぞれ別個に制御され、各輪10FL,FR,RL,RRの回転角速度が別個に制御される。ブレーキ60は液圧ブレーキであっても、電動ブレーキであってもよい。
リセットスイッチ34は、タイヤ交換(タイヤのローティション)が行われた場合にマニュアル操作するように定められたスイッチである。イグニッションスイッチ36は、車両のメインスイッチである。
受信機22は、前後左右の4つの車輪側ユニット12FL,FR,RL,RRに対して共通に1つ設けられ、車輪側ユニット12FL,FR,RL,RRの各々から無線で送信された車輪情報50を受信する。
TPMSECU30は、コンピュータを主体とするものであり、受信機22において受信された車輪情報50を処理して、空気圧値を取得したり、車輪位置の特定を行ったりする。記憶部64には、図6のマップで表される車輪位置取得テーブル、図7のフローチャートで表される車輪状態取得プログラム、図8のフローチャートで表される車輪位置特定プログラム等の複数のプログラム等が記憶される。
以上のように構成された車輪状態取得装置における作動について説明する。
<車輪状態の取得>
図7のフローチャートで表される車輪状態取得プログラムは予め定められた設定時間毎に実行される。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、受信機22において車輪情報50が受信されたか否かが判定される。受信された場合には、S2において、車輪情報50に含まれる識別情報53,空気圧情報54が読み込まれ、S3において、識別情報53と、図6のマップで表される車輪位置取得テーブルとにより、車輪情報50が送信された車輪10の位置が取得される。S4において、空気圧情報54で表される空気圧値Pが正常判定しきい値Pthより低いかどうかが判定される。正常判定しきい値Pth以上である場合には、S5において、空気圧値Pが車輪位置と対応づけてディスプレイ24に表示される。それに対して、空気圧値Pが正常判定しきい値Pthより低い場合には、S6において、車輪位置の特定が行われるのが待たれる。本実施例においては、空気圧値Pが正常判定しきい値Pthより低い場合には車輪位置の特定が行われるようにされている。そのため、車輪位置の特定を待ってから、S7において、車輪位置と対応づけて空気圧値Pおよび空気圧値が異常であることが表示される。
空気圧値Pが低い場合には、その車輪位置を正確に表示することが望ましい。そのため、空気圧値Pが低い場合には、車輪位置特定プログラムが実行され、図6の車輪位置取得テーブルのデータが正しいことが確認されるのである。
なお、空気圧値Pが低い場合に、車輪位置が特定されることは不可欠ではない。
<車輪位置の特定>
例えば、前後左右の4輪10FL,FR,RL,RRのうちの1つである対象車輪が右前輪10FRである場合について説明する。前述のように、右前輪10FRにおいて加速度センサ42FRの検出値が増加傾向から減少傾向に変わったタイミング(微分値が正の値から0になったタイミング)で、すなわち、車輪側ユニット12FRが上死点に達したタイミングで、車輪情報50FRが送信される。
そして、車輪10FRとロータ56FRとは一体的に回転するため、車輪情報50FRが送信された、すなわち、受信機22において車輪情報50FRが受信されたタイミングで検出された車輪速度センサ26FRの回転位置は、常に同じになるはずである。
それに対して、他の車輪10FL,RL,RRの回転角速度と右前輪10FRの回転角速度とは異なるのが普通である。旋回走行時に左右回転速度差が生じたり、制動,駆動時にスリップが生じたりすることに起因して、回転角速度が異なる。また、定速、直進走行中であっても、動荷重半径の相違により回転角速度が異なるからである。
例えば、図9に示すように、1回目(初回)に、識別情報(IDa)53を含む車輪情報50が受信機22において受信されたタイミングで取得された車輪速度センサ26FL,FR,RL,RRの各々の検出値がA1,B1,C1,D1であり、2回目に、IDaを含む車輪情報50aが受信されたタイミングで取得された車輪速度センサ26FL,FR,RL,RRの各々の検出値がA5,B5,C5,D5である場合において、B1とB5とがほぼ同じとなり(B1≒B5)、A1とA5、C1とC5、D1とD5が異なる(A1≠A5、C1≠C5、D1≠D5)場合には、車輪情報50aが、右前輪10FRの車輪側ユニット12FRから送信されたものであると特定することができる。識別情報IDaと右前輪10FR(右前FR)とが対応付けられるのであり、識別情報IDaの車輪位置が特定される。
以上の事情から、同じ識別情報53を含む車輪情報50が送信されたタイミングで、少なくとも2回、車輪速度センサ26FL,FR,RL,RRによって検出された回転位置に基づけば、その識別情報53を含む車輪情報50を送信した車輪側ユニット12が設けられた車輪10の位置を特定することができるのであるが、本実施例においては、設定時間(例えば、数分)の間、車輪速度センサ26FL,FR,RL,RRの各々によって取得された複数個ずつの検出値に基づいて、車輪位置が特定される。
例えば、設定時間(例えば、数分)の間、識別情報IDaを含む車輪情報50が受信機22において受信される毎に、車輪速度センサ26FL,FR,RL,RRの検出値(A1,B1,C1,D1)、(A5,B5,C5,D5)、・・・が取得される。そして、車輪速度センサ26FL,FR,RL,RRによって出力された複数個ずつの検出値から構成される検出値群GFL(検出値A1,A5,A9・・・から構成される),検出値群GFR(検出値B1,B5,B9・・・から構成される),検出値群GRL(検出値C1,C5,C9・・・から構成される),検出値群GRR(検出値D1,D5,D9・・・から構成される)が想定される。
そして、1回目の検出値(A1,B1,C1,D1)に基づいて、車輪速度センサ26FL,FR,RL,RR毎に、それぞれ、設定範囲が定められる(例えば、A1±N0,B1±N0,C1±N0,D1±N0)。
車両の走行状態、路面の状態等に起因して、加速度センサ42の検出値にばらつきが生じるのが普通であり、実際には、車輪ユニット12が車輪10の上死点からずれた位置にある時点で車輪情報50が送信される場合もある。そして、このばらつきの程度は、平坦な路面を定速で直進走行している場合は小さく、悪路を走行している場合、制動、駆動中、旋回中には大きくなる。そのことを考慮して、設定範囲(N0)を決めることが望ましい。
2回目以降の検出値が、それぞれ、設定範囲内にあるか(例えば、A1−N0<A2<A1+N0、B1−N0<B2<B1+N0、・・・)否かが判定され、設定範囲内にある場合には、個数カウンタのカウント値が1増加させられるのであり、検出値群Gの各々に対応して、それぞれ、設定範囲内にある検出値の個数(カウント値)が求められる。
例えば、検出値群GFL,GFR,GRL,GRRの各々において取得されたカウント値(個数)がNFL,NRL,NRL,NRRである場合において、個数NFL,NFR,NRL,NRRのうちの最大値(例えば、NFR)、2番目の値(例えば、NRL)が求められ、最大値と2番目の値との差Δn0が求められる(Δn0=NFR−NRL)。差Δn0が設定値N0´(設定値N0´はN0と同じ大きさであっても異なる大きさであってもよい)以上である場合は、検出値群GFRが特定条件を満たすと判定される。個数が最大値NFRである検出値群GFRの検出値を出力した車輪速度センサ26FRが対象車輪10FRに対応するものであると特定され、対象車輪10FRと識別情報IDaとが対応付けられる。
検出値群GFRに属する検出値A1,A5,A9・・・は、他の検出値群GFL,GRL,GRRの複数ずつの検出値に比較して、突出して、ばらつきが小さい。そのため、対象車輪10FRの回転位置が車輪速度センサ26FRによって検出されたと特定することができるのである。本実施例においては、「個数が最多であって、かつ、その個数が2番目に多い個数より設定数以上であること」が特定条件であるとされる。
なお、個数の最大値が2番目の値より設定値以上大きい場合は、最多の個数が、他のすべての個数より設定数(設定値に対応)以上多い場合であるといえる。
それに対して、差Δn0が設定値N0´より小さい場合には、検出値A1,A5,A9,・・・が、他の検出値群GFL,GRL,GRRの複数の検出値に比較して、突出して、ばらつきが小さいとはいえない。車両の走行状態、荷重の分布状態等により回転角速度がほぼ同じになる車輪が2つ以上存在する場合があるからである。そのため、対象車輪10FRの回転位置が車輪速度センサ26FRによって検出されたと特定するのは妥当とはいえない。この場合には、特定条件を満たす検出値群(車輪速度センサ)が1つも存在しないため、車輪位置の特定は行われない。
なお、車輪位置の特定がされなかった場合(対象車輪に対応する1つの車輪速度センサが特定されなかった場合)には、個数が最多の検出値群GFRの検出値を出力した車輪速度センサ26FRと、最多の個数NFRとの差が設定値N0´より小さい検出値群GRLの検出値を出力した車輪速度センサ26RLとが特定候補であるとされる。特定候補の車輪速度センサ26FR,RLは、対象車輪(右前輪10FR)の回転位置を検出する車輪速度センサ26である可能性があるものである。また、特定候補の車輪速度センサ26FR,RLは2つ以上存在するのが普通である。
一方、最多の個数NFRとの差が設定値N0´以上である検出値群GFL,GRRの検出値を出力した車輪速度センサ26FL,RRは非特定候補である。非特定候補の車輪速度センサFL,RRが対象車輪10FRに対応して設けられたものである可能性は低い。
車輪位置の特定がされなかった場合には、前後左右の各輪10FL,FR,RL,RRのブレーキ力の制御により複数の車輪10FL,FR,RL,RRの間の回転角速度差が制御される。
各車輪10の各々のブレーキ60が非作用状態にある場合には、ブレーキ60が作動させられる。その場合には、車両の走行に与える影響が小さいブレーキ力(回転角速度差を生じるさせるための要求ブレーキ力)が、比率(ブレーキ60FLのブレーキ力,ブレーキ60FRのブレーキ力,ブレーキ60RLのブレーキ力,ブレーキ60RRのブレーキ力)=(1.01γx,γx,γy,1.15γy)で配分されるように、それぞれ、ブレーキ力個別制御部62FL,FR,RL,RRが制御される(γx≠γy)。
それに対して、すでに、各車輪10の各々のブレーキ60が作用状態にある場合には、各輪のブレーキ60のブレーキ力の比率が上述の比率となるように、ブレーキ力個別制御部62FL,FR,RL,RRが制御される。図示しないブレーキ操作部材の操作状態で決まる要求ブレーキ力、車両の走行状態に基づいて決まる要求ブレーキ力を満たし、かつ、上述の比率を満たすように、各輪10のブレーキ60のブレーキ力が個別に制御される。
上記比率に従えば、左前輪10FLのブレーキ力が右前輪10FRのブレーキ力より大きく、右後輪10RRのブレーキ力が左後輪10RLのブレーキ力より大きくされるのであり、前後左右の各輪10のブレーキ60のブレーキ力を互いに異なる大きさとすることができ、これらの間の回転角速度差を大きくすることができる。また、互いに対角位置にある(車輪10FL,RR)、(車輪10FR,RL)の間のブレーキ力の差が小さくされるため、車両の走行安定性の低下が防止される。
このように各輪10のブレーキ60のブレーキ力が制御され、回転角速度差が制御された状態で、再び、設定時間の間、車輪速度センサ26FL,FR,RL,RRの検出値が取得され、設定範囲内にある検出値の個数のカウントが行われるのであるが、特定候補である車輪速度センサ26FR,RLについての個数カウンタのカウント値(NFR,NRL)はそのままとされるが、非特定候補である車輪速度センサFL,RRについての個数カウンタのカウント値(NFL,NRR)は0とされる。
その結果、個数カウンタのカウント値の初期値(ブレーキ力制御後に個数をカウントする場合の初期値である)が、それぞれ、{0(=NFL),NFR,NRL,0(=NRR)}とされるのであり、それぞれの初期値から個数のカウントが行われる。
なお、個数カウンタのカウント値をすべて0として、カウントし直すことも可能であるが、各輪10のブレーキ60のブレーキ力を制御することによって、却って、回転角速度差が小さくなる可能性もある。また、ブレーキ力の制御前の個数の差の優位は残す方が望ましい。以上の事情から、非特定候補である車輪速度センサ26についての個数カウンタのカウント値の初期値のみが0とされるようにした。
図8のフローチャートで表される車輪位置特定プログラムは、開始条件が成立した場合に実行されるのであり、開始条件は、リセットスイッチ34がマニュアル操作された場合、イグニッションスイッチ36がOFFからONに切り換えられた場合、空気圧値Pが正常判定しきい値Pthより低いと判定された場合(S4の判定がYES)のうちの1つが満たされた場合に成立したとされる。
また、車輪位置特定プログラムの実行が車両の停止中に開始されても、車輪位置の特定は、車両の走行中、すなわち、車輪の回転中に行われる。なお、定速直進走行中に実行されることが望ましいが、制動,駆動中、旋回中に実行されても差し支えない。車両の走行状態に関係なく、対象車輪10から車輪情報が送信される毎に、車輪速度センサ26によって検出される対象車輪の回転位置は、理論的に、同じになるはずであるからである。
本実施例においては、識別情報IDaの車輪位置を特定する場合について説明する。他の識別情報の車輪位置を特定する場合も同様である。各車輪10の各々において、車輪10が1回転する間に1回ずつ車輪情報が送信されるため、受信機22において、車輪10が1回転する間にID情報53が互いに異なる4つの車輪情報50が受信されるはずである。そのため、互いに異なる4つの識別情報の車輪位置は、ほぼ同時期に特定されると考えられる。
S11において、識別情報IDaを含む車輪情報50が受信されたか否かが判定される。受信された場合には、S12において、車輪速度センサ26FL,FR,RL,RRの検出値An,Bn,Cn,Dnがそれぞれ取得される。そして、S13において、識別情報IDaを含む車輪情報50が受信されたのが初回(1回目)であるかどうかが判定され、1回目である場合には、S14において、検出値としての初回検出値がそれぞれ記憶される(A1,B1,C1,D1)。
次に、識別情報IDaを含む車輪情報50が受信された場合には、初回ではないため、S13の判定がNOとなり、S15において、設定時間が経過したか否かが判定される。開始条件が成立してからの経過時間(あるいは、最初にS11の判定がYESになってからの経過時間)が設定時間に達する前は、S16において、今回の検出値が、それぞれ、設定範囲内にあるかどうかが判定され、設定範囲内にある場合には、その個数がカウントされる。具体的には、検出値Anが初回検出値A1で決まる設定範囲内(A1±N0)にあるかどうか判定され、設定範囲内にある場合には、個数カウンタ(FLカウンタ)のカウント値CFLが1増加させられる。同様に、今回の検出値Bn、Cn、Dnが、それぞれ、初回検出値B1,C1,D1で決まる設定範囲内(B1±N0、C1±N0、D1±N0)にあるかどうか判定され、設定範囲内にある場合に、それぞれ、カウント値CFR,CRL,CRRが1増加させられる。
設定時間が経過するまでの間、S11〜13,15,16が繰り返し実行され、車輪速度センサ26FL,FR,RL,RRの検出値が初回検出値で決まる設定範囲内にある個数がカウントされる。
設定時間が経過すると、S17において、各輪毎のカウント値(CFL、CFR、CRL、CRR)のうちの最大値Cm、2番目の値C2が取得され、最大値Cmが2番目の値C2より設定値N0´以上大きいかどうか判定される(Cm−C2≧N0´)。設定値N0´以上大きい場合には、S18において、その最大値Cmの検出値を出力した車輪速度センサ26が対応する車輪が識別情報IDaを含む車輪情報50を送信した車輪側ユニット12が設けられた車輪であるとされ、その車輪の車輪位置と識別情報IDaとが対応付けられる。例えば、Cmが車輪速度センサ26FRの検出値から構成される検出値群GFRの個数である場合には、識別情報IDaとFRとが対応付けられる。
記憶部64には、図6に示す車輪位置取得テーブルが記憶されているため、データの更新が行われる。車輪位置取得テーブルに記憶されたデータと同じである場合には変更されることはないが、異なっている場合には変更される。
そして、S19において、ブレーキECU32に、回転角速度差を生じさせるためのブレーキ力制御を解除する指令が出力され、S20において、各パラメータの初期化が行われる。各車輪速度センサ26に対応して設けられたカウンタのカウント値(CFL,CFR,CRL,CRR)が0とされ、時間カウンタのカウント値が0とされる。この場合には、ブレーキ力の制御は行われていないため、ブレーキ力は変化することはない。
それに対して、最大値Cmと2番目の値C2との差が設定値N0´より小さい場合(Cm−C2<N0´)には、S21において、時間カウンタのカウント値がクリアされ、最大値Cmとの差が設定値N0´以上のカウンタ値がクリアされる。例えば、3番目の値C3と最大値Cmとの差が設定値N0´以上である場合には、3番目、4番目のカウント値C3,C4(CFL,CRR)がクリア(0)される。
そして、S22において、ブレーキECU32にブレーキ力制御指令が出力される。
なお、本実施例においては、最大値Cmとの差が設定値N0´以上であるカウント値が0とされたが、0より大きい値としたり、その時点のカウント値から決まった値を引いた値としたりすること等もできる。
そして、S11以降が同様に実行されるが、識別情報IDaを含む車輪情報50の受信は初回ではないため、S13の判定がNOとされ、以下、同様にS11〜13,15、16が繰り返し実行される。車輪速度センサ26FL,FR,RL,RRの検出値が、それぞれ、設定範囲内にあるかどうかが判定され、設定範囲内にある検出値の個数がカウントされる。この場合に、カウント値の初期値が、CFR,CRLについては前回値とされ、CFL,CRRについては0とされる。
なお、ブレーキ力の制御が行われた後には、時間カウンタのカウント値が0とされるため、S13において初回であると判定されるようにすることもできる。例えば、S22の実行により、新たにブレーキ力が加えられる場合には、加速度センサ42の検出値のばらつきが大きくなり、初回検出値が前回とは異なる可能性がある。また、S14が実行されることにより、設定範囲を規定する設定値N0を変更して、設定範囲を広くすることもできる。
そのうちに、設定時間が経過するとS15の判定がYESとなり、S17において、カウント値のうちの最大値Cm、2番目の値C2が取得され、同様に、これらの差が設定値N0´以上であるか否かが判定される。この場合には、カウント値(個数)CFR、CRLのいずれか一方が最大値Cmとなり、他方が2番目の値C2となる可能性が高い。
そして、最大値Cmが2番目に大きい値C2より設定値N0´以上大きい場合には、S18において、車輪位置が特定され、S19において、S22において出力された制御指令を解除する指令が出力され、S20において、パラメータが初期化される。各輪10のブレーキ力は制御前の状態に戻される。
以上のように、本実施例においては、設定時間の間に、車輪位置が特定されない場合には、各車輪10の間に回転角速度差が生じるように、各車輪10の各々のブレーキ力が制御される。その結果、短時間で車輪位置を特定することが可能となる。また、回転角速度差が大きくされるため、車輪位置の特定の信頼性を向上させることができ、より確実に車輪位置を特定することができる。
以上のように、本実施例においては、TPMSECU30の記憶部64がテーブル記憶部に対応し、図7の車両状態取得プログラムのS3を記憶する部分、実行する部分等により車輪位置取得部が構成される。また、TPMSECU30の図8のフローチャートで表される車輪位置特定プログラムのうちS11〜20を記憶する部分、実行する部分等により車輪位置特定部が構成される。車輪位置特定部は、個数依拠特定部、第1車輪位置特定部でもある。そのうちのS18を記憶する部分、実行する部分等により検出値群特定部が構成される。また、図8のフローチャートで表される車輪位置特定プログラムのS11〜13,15〜21を記憶する部分、実行する部分等により、制御後車輪位置特定部が構成される。制御後車輪位置特定部は車輪位置再特定部、ハンディ付き再特定部、第2車輪位置特定部でもある。さらに、S22を記憶する部分、実行する部分等により制御指令出力部が構成される。
なお、車輪位置の特定ができなかった場合において、非特定候補の車輪速度センサ26によって回転位置が検出されないようにすることもできる。特定候補の車輪速度センサ26によって検出された回転位置に基づいて、車輪位置が特定されることになる。
また、S22において、ブレーキ力の制御が4輪のブレーキ60すべてに対して行われたが、特定候補である車輪速度センサ26に対応する車輪10の間で回転角速度差が生じるようにブレーキ力の制御が行われるようにすることもできる。例えば、右前輪10FRと左後輪10RLとの間でブレーキ力が異なる大きさとなるように制御されれば、右前輪10FR,左後輪10RLの2つの車輪の間で回転角速度差が生じ、対象車輪に対応する車輪速度センサを特定できる可能性が高くなる。
さらに、ブレーキ力の制御の前後で設定時間を異ならせることができるのであり、例えば、ブレーキ力の制御後においては、設定時間を短くすることができる。
また、車輪位置の特定方法(特定条件、特定候補、非特定候補の条件)は問わない。
さらに、車輪情報50に加速度を表す情報が含まれるようにすることができる。その場合には、車輪情報50が送信されるタイミングの車輪10の回転位置が車輪情報50に含まれる加速度情報に基づいて取得されるようにすることもできる。
また、実施例1においては、ブレーキ力の制御により、少なくとも2輪の間の回転角速度差が制御されるようにされていたが、それに限らない。例えば、図10に示すように、回転角速度差制御装置100を車高調整システム(車高調整アクチュエータ、車高調整ECU等を含む)とすることができる。車高調整システム100によって、前輪側と後輪側、あるいは、右側輪と左側輪との間に車高差を設けることによって、車体14の姿勢を制御して、車輪10の各々の荷重を制御して、回転角速度差を制御することができる。
なお、回転角速度差制御装置100を駆動伝達システムとすることができる。例えば、差動制限装置の制御により、左右駆動輪に駆動トルク差を生じさせることができる。
また、回転角速度差制御装置100を、荷台移動システムとすることもできる。車体14に荷物を搭載する荷台が移動可能に設けられる場合には、それを移動させることにより、少なくとも1輪の荷重を変更することができ、少なくとも2輪の間の荷重配分を変更することができる。
さらに、回転角速度差制御装置100を電動パワーステアリングシステムとすることができる。電動パワーステアリングシステムによって、操舵アシスト力を制御することにより、旋回時の左右操舵輪10FL,FRの間の回転角速度差を制御したり、直進時の左右操舵輪10FL,FRの間の回転角速度差を制御したりすることができる。例えば、カーブが少ない高速道路等を直進走行している場合に、左右操舵輪10FL,FRにわずかに回転角速度差を生じさせることができるのである。なお、操舵アシスト力の制御は、前後力の制御と合わせて行うこともできる。
その他、本発明は、前記に記載の態様の他、当業者の知識に基づいて種々の制御、改良を施した態様で実施することができる。
10:車輪 12:車輪側ユニット 14:車体 16:車体側装置 22:受信機 24:ディスプレイ 26:車輪速度センサ 28:ブレーキ装置 30:TPMSECU 32:ブレーキECU 40:空気圧センサ 42:加速度センサ 44:送信機 50:車輪情報 53:識別情報 54:空気圧情報 56:ロータ 58:歯 60:ブレーキ 62:ブレーキ制御部 64:記憶部 100:回転角速度差制御装置

Claims (8)

  1. 車両の複数の車輪の各々に設けられ、
    (a)その車輪の回転位置に関連する物理量を検出する車輪側回転センサと、
    (b)少なくとも前記車輪について定められた識別情報を含む車輪情報を、前記車輪側回転センサの検出値に基づいて決まる前記車輪の回転位置が予め定められた回転位置に達したタイミングで送信する送信機とを備えた車輪側装置と、
    前記車両の車体に設けられ、
    (i)前記複数の車輪側装置の各々から送信された車輪情報を受信する受信機と、
    (ii)前記複数の車輪の各々に対応して設けられ、その車輪の回転位置に対応する検出値を出力する車体側回転センサと、
    (iii)前記車輪の回転中に、前記受信機によって、前記複数の車輪側装置のうちの1つである対象車輪側装置から送信された車輪情報である対象車輪情報が受信される毎に、2回以上、前記車体側回転センサの各々によって複数の車輪の回転位置がそれぞれ検出されるとともに、それら2つ以上ずつの検出値に基づいて、前記対象車輪情報を送信した車輪である対象車輪に対応する1つの車体側回転センサを特定し、前記対象車輪情報に含まれる前記識別情報と前記対象車輪の位置とを対応付ける車輪位置特定部とを備えた車体側装置と
    を含む車輪位置特定装置であって、
    前記車両が、前記複数の車輪のうちの少なくとも2輪の間の回転角速度差を制御する回転角速度差制御装置を含み、
    前記車体側装置が、前記回転角速度差制御装置によって前記少なくとも2輪の間の回転角速度差が制御された後に、前記対象車輪に対応する1つの車体側回転センサを特定する制御後車輪位置特定部を含むことを特徴とする車輪位置特定装置。
  2. 前記車輪位置特定部が、前記複数の車体側回転センサの各々について、それぞれ、2つ以上の検出値の各々に対応する回転位置が前記対象車輪情報が送信された時点の前記対象車輪の回転位置で決まる設定範囲内にある個数を取得し、それら個数に基づいて前記対象車輪に対応する1つの車体側回転センサを特定する個数依拠特定部を含む請求項1に記載の車輪位置特定装置。
  3. 前記個数依拠特定部が、前記複数の車体側回転センサの各々について取得された個数のうちの、最多の個数と2番目に多い個数との差が予め定められた設定数以上である場合に、その個数が最多である検出値を出力した車体側回転センサを前記対象車輪に対応する車体側回転センサとして特定し、前記最多の個数と前記2番目に多い個数との差が前記設定数より小さい場合に、前記個数が最多である検出値を出力した車体側回転センサを前記対象車輪に対応する車体側回転センサとして特定しないものである請求項2に記載の車輪位置特定装置。
  4. 前記車輪位置特定部が、前記複数の車体側回転センサの各々について、それぞれ、前記2つ以上の検出値からなる検出値群を想定し、それら複数の検出値群の各々が、それぞれに属する2つ以上の検出値に基づいて特定条件を満たすかどうかを判定し、前記特定条件を満たす1つの検出値群を特定し、前記対象車輪に対応する1つの車体側回転センサを特定する検出値群特定部を含む請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車輪位置特定装置。
  5. 前記制御後車輪位置特定部が、前記車輪位置特定部によって前記車輪位置が特定されず、前記回転角速度差制御装置によって前記少なくとも2輪の間の回転角速度差が制御された後に、前記車輪位置の特定を行う車輪位置再特定部を含む請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車輪位置特定装置。
  6. 前記車輪位置特定部が、前記複数の車体側回転センサの各々について、それぞれ、前記2つ以上の検出値の各々に対応する回転位置が前記対象車輪情報が送信された時点の車輪の回転位置で決まる設定範囲内にある個数を取得し、それら個数に基づいて、前記対象車輪に対応する1つの車体側回転センサを特定する個数依拠特定部を含み、
    前記車輪位置再特定部が、前記車輪位置特定部によって前記車輪位置の特定がされず、かつ、前記複数の車体側回転センサのうち2つ以上が特定候補であり1つ以上が非特定候補であるとされた場合に、前記特定候補である車体側回転センサについての個数カウンタのカウント値の初期値を、前記車輪位置特定部によって取得された個数のカウント値と同じ値とし、前記非特定候補である車体側回転センサについての前記個数カウンタのカウント値の初期値を、前記車輪位置特定部によって取得された個数のカウント値より小さくして、前記複数の車体側回転センサの各々の検出値を取得して、前記車体側回転センサの各々について、それぞれ、前記個数を前記初期値からカウントして、前記車体位置を特定するハンディ付き再特定部を含む請求項5に記載の車輪位置特定装置。
  7. 車両の複数の車輪の各々に設けられ、
    (a)その車輪の回転位置に関連する物理量を検出する車輪側回転センサと、
    (b)前記車輪について定められた識別情報を含む車輪情報を、前記車輪側回転センサの検出値に基づいて決まる前記車輪の回転位置が予め定められた回転位置に達したタイミングで送信する送信機とを備えた車輪側装置と、
    前記車両の車体に設けられ、
    (i)前記複数の車輪側装置の各々から送信された車輪情報を受信する受信機と、
    (ii)前記複数の車輪の各々に対応して設けられ、その車輪の回転位置に対応する検出値を出力する車体側回転センサと、
    (iii)前記車輪の回転中に、前記受信機によって、前記複数の車輪側装置のうちの1つである対象車輪側装置から送信された車輪情報である対象車輪情報が受信される毎に、2回以上、前記車体側回転センサの各々によって複数の車輪の回転位置がそれぞれ検出されるとともに、それら2つ以上の検出値からなる検出値群を前記複数の車体側回転センサの各々に対応して想定し、それら複数の検出値群の各々について、前記2つ以上の検出値が、それぞれ、前記対象車輪情報が送信された時点の車輪の回転位置で決まる設定範囲内にある個数を取得し、それら個数に基づいて前記対象車輪情報が送信された車輪である対象車輪に対応する1つの車体側回転センサを特定して、前記対象車輪情報に含まれる前記識別情報と前記対象車輪の位置とを対応付ける第1車輪位置特定部と、
    (iv)その第1車輪位置特定部によって前記対象車輪に対応する1つの車体側回転センサの特定がされなかった場合に、前記複数の検出値群のうち最多の個数との差が設定数より小さい検出値群の個数の初期値を前記第1車輪位置特定部によって取得された個数と同じ値とし、前記最多の個数との差が前記設定数以上である検出値群の個数の初期値を前記第1車輪位置特定部によって取得された個数より小さい値として、再度、前記複数の車体側回転センサの各々の検出値を取得して、前記個数をそれぞれ前記初期値からカウントして、前記1つの車体側回転センサを特定する第2車輪位置特定部とを備えた車体側装置と
    を含むことを特徴とする車輪位置特定装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車輪位置特定装置を含み、
    前記車輪側装置が、前記車輪の状態を検出する車輪状態センサを含み、前記車輪情報が、前記車輪状態センサによって検出された車輪の状態を表す車輪状態情報を含み、
    前記車体側装置が、(a)前記車輪情報に含まれる識別情報と前記車輪情報を送信した車輪側装置が設けられた車輪の位置とを対応づける車輪位置取得テーブルを記憶するテーブル記憶部と、(b)前記受信機において受信された車輪情報に含まれる識別情報と前記テーブル記憶部に記憶された前記車輪位置取得テーブルとに基づいて、前記車輪情報が送信された車輪の位置を取得する車輪位置取得部と、(c)その車輪位置取得部によって取得された前記車輪の位置と、前記車輪情報に含まれる前記車輪状態情報が表す車輪状態とを対応付けて表示するディスプレイとを含む車輪状態取得装置。
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