JP2014090111A - 導電性ペースト付配線材、及びその製造方法、並びに太陽電池モジュール、及びその製造方法 - Google Patents

導電性ペースト付配線材、及びその製造方法、並びに太陽電池モジュール、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】工程数が少なく簡便に生産でき、かつ反りを低減できる太陽電池モジュールなどの提供。
【解決手段】電極12,13を有する太陽電池セル2X、2Y、2Zと、導電性の基層を有し、貫通していない凹部が少なくとも片面に形成された配線材3と、導電性ペーストの硬化物35とを有し、前記凹部に導電性ペーストの硬化物35が配され、前記凹部に配された導電性ペーストの硬化物35を介して、電極12,13と前記導電性の基層とが接続されている。
【選択図】図12C

Description

本発明は、導電性ペースト付配線材、及びその製造方法、並びに太陽電池モジュール、及びその製造方法に関する。
太陽電池は、クリーンで無尽蔵に供給される太陽光を直接電気に変換するため、新しいエネルギー源として期待されている。
前記太陽電池は、例えば、タブ線(配線材)を介して複数の太陽電池セルを直列に接続したストリングスを単数又は複数配列した太陽電池モジュールとして用いられている。
従来のタブ線は、銅線表面にハンダを塗布したタイプが使用されていた。そして、太陽電池セルの電極とタブ線とは、ハンダを介して接続されていた。しかし、ハンダ接続には高温が必要であることから、受光面のパネル割れや反り、タブ線からはみ出した(漏洩した)ハンダによるショートなどが発生し、不具合の原因となっていた。
そこで、ハンダに代わる接続材料として導電性接着フィルム、絶縁性接着フィルムなどの接着フィルムが使用されてきている。例えば、太陽電池セルの表面電極とタブ線とが導電性接着フィルムを介して接続された太陽電池モジュールが提案されている。
しかし、接着フィルムを用いた場合には、熱的な要因による反りは低減できるものの、接着フィルムを貼り付けた際に残留する応力によって太陽電池の反りが生じることがあるという問題がある。
そこで、太陽電池の反りを抑制するために、配列方向に沿って配列された複数の太陽電池と、前記複数の太陽電池を互いに電気的に接続する配線材とを備え、前記複数の太陽電池のうち少なくとも一の太陽電池が、受光により光生成キャリアを生成する光電変換部と、前記光電変換部上において前記配列方向に沿って形成される接続用電極とを有し、前記配線材が、前記配列方向に沿って前記接続用電極上に配設され、前記配線材が、前記接続用電極と対向する対向面に形成された複数の凹部(貫通孔)を有しており、前記配線材が、前記複数の凹部(貫通孔)それぞれに配設された導電性接着剤を介して前記接続用電極に接続された太陽電池モジュールが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
近年は、再生可能エネルギーへの関心の増大による太陽電池の需要拡大、及びそれに伴う低コスト化の点から、生産効率の向上が望まれている。しかし、この提案の技術では、前記接続用電極上に前記配線材を配設する際、前記配線材に形成された前記複数の貫通孔の位置が、前記接続用電極上に配設された前記導電性接着剤に重なるように、前記配線材を配設しているが(特許文献1の段落〔0044〕、図5(b)参照)、このような配設は、高い位置精度を求められる上に、工程数が多くなるという問題がある。
また、接着フィルムを用いる場合にも、接着フィルムを太陽電池セル表面へ仮貼りする工程及び圧着する工程が必要であることから、生産効率の向上の点では、十分ではないという問題がある。
したがって、工程数が少なく簡便に生産でき、かつ反りを低減できる太陽電池モジュール、及び前記太陽電池モジュールの製造方法、並びに前記太陽電池モジュールに用いる導電性ペースト付配線材、及び前記導電性ペースト付配線材の製造方法の提供が求められているのが現状である。
特開2009−212396号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、工程数が少なく簡便に生産でき、かつ反りを低減できる太陽電池モジュール、及び前記太陽電池モジュールの製造方法、並びに前記太陽電池モジュールに用いる導電性ペースト付配線材、及び前記導電性ペースト付配線材の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 電極を有する太陽電池セルと、
導電性の基層を有し、貫通していない凹部が少なくとも片面に形成された配線材と、
導電性ペーストの硬化物とを有し、
前記凹部に前記導電性ペーストの硬化物が配され、前記凹部に配された前記導電性ペーストの硬化物を介して、前記電極と前記導電性の基層とが接続されていることを特徴とする太陽電池モジュールである。
<2> 配線材が、導電性の基層の少なくとも片面に絶縁層を有する前記<1>に記載の太陽電池モジュールである。
<3> 導電性の基層の材質が、銅である前記<1>から<2>のいずれかに記載の太陽電池モジュールである。
<4> 電極を有する太陽電池セルの前記電極と、導電性の基層を有する配線材における前記導電性の基層とが導電性ペーストの硬化物を介して接続された太陽電池モジュールに用いる導電性ペースト付配線材であって、
前記導電性の基層を有し、貫通していない凹部が少なくとも片面に形成された前記配線材と、
前記凹部に配された前記導電性ペーストとを有することを特徴とする導電性ペースト付配線材である。
<5> 配線材が、導電性の基層の少なくとも片面に絶縁層を有する前記<4>に記載の導電性ペースト付配線材である。
<6> 電極を有する太陽電池セルの前記電極上に、前記<4>から<5>のいずれかに記載の導電性ペースト付配線材を、導電性ペーストが前記電極と接するように配置する配置工程と、
前記太陽電池セルを封止用樹脂により覆い、更に前記封止用樹脂を防湿性バックシート及びガラスプレートのいずれかにより覆う被覆工程と、
前記防湿性バックシート及びガラスプレートのいずれかを押圧する押圧工程と、
前記太陽電池セルが載置された加熱ステージを加熱する加熱工程とを含むことを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法である。
<7> 電極を有する太陽電池セルの前記電極と、導電性の基層を有する配線材における前記導電性の基層とが導電性ペーストの硬化物を介して接続された太陽電池モジュールに用いる導電性ペースト付配線材の製造方法であって、
前記導電性の基層を有する前記配線材の少なくとも片面に、貫通していない凹部を形成する凹部形成工程と、
形成された前記凹部に、導電性ペーストを配する配置工程とを含むことを特徴とする導電性ペースト付配線材の製造方法である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、工程数が少なく簡便に生産でき、かつ反りを低減できる太陽電池モジュール、及び前記太陽電池モジュールの製造方法、並びに前記太陽電池モジュールに用いる導電性ペースト付配線材、及び前記導電性ペースト付配線材の製造方法を提供することができる。
図1は、配線材の一例を示す概略断面図である。 図2は、配線材の他の一例を示す概略断面図である。 図3は、配線材の他の一例を示す概略断面図である。 図4は、配線材の他の一例を示す概略断面図である。 図5は、配線材の他の一例を示す概略断面図である。 図6は、配線材の他の一例を示す概略断面図である。 図7は、配線材の他の一例を示す概略断面図である。 図8は、結晶系太陽電池モジュールの一例を示す分解斜視図である。 図9は、結晶系太陽電池モジュールの一例を示す概略断面図である。 図10は、導電性ペースト付配線材の一例を示す概略断面図である。 図11は、導電性ペースト付配線材の他の一例を示す概略断面図である。 図12Aは、導電性ペースト付配線材の一例を示す概略断面図である。 図12Bは、結晶系太陽電池セルの一例を示す概略断面図である。 図12Cは、導電性ペーストが硬化する前のストリングスの状態を示す一例の概略断面図である。 図13Aは、実施例に用いた結晶系太陽電池セルの概略上面図である。 図13Bは、実施例に用いた結晶系太陽電池セルの概略断面図である。 図14は、第1の導電性ペースト付配線材の概略断面図である。 図15は、第2の導電性ペースト付配線材の概略断面図である。 図16は、ストリングスの概略断面図である。 図17は、マトリクスの概略上面図である。
(太陽電池モジュール)
本発明の太陽電池モジュールは、太陽電池セルと、配線材と、導電性ペーストの硬化物とを少なくとも有し、更に必要に応じて、封止用樹脂、防湿性バックシート、ガラスプレートなどのその他の部材を有する。
<太陽電池セル>
前記太陽電池セルとしては、電極を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、光電変換部としての光電変換素子と、フィンガー電極と、バスバー電極とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する太陽電池セルなどが挙げられる。
前記太陽電池セルとしては、例えば、薄膜系太陽電池セル、結晶系太陽電池セルなどが挙げられる。前記薄膜系太陽電池セルとしては、例えば、非晶質シリコン太陽電池セル、CdS/CdTe太陽電池セル、色素増感太陽電池セル、有機薄膜太陽電池セル、微結晶シリコン太陽電池セル(タンデム型太陽電池セル)などが挙げられる。前記結晶系太陽電池セルとしては、例えば、単結晶シリコン太陽電池セル、多結晶シリコン太陽電池セルなどが挙げられる。
前記太陽電池セルは、バスバー電極を有さないバスバーレス構造であってもよい。
前記太陽電池セルの平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−フィンガー電極−
前記フィンガー電極は、前記光電変換部において生成した電気を収集する電極である。前記フィンガー電極は、前記太陽電池セル上において、前記配線材とほぼ直交する方向に形成されている。
前記フィンガー電極の材質、形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−バスバー電極−
前記バスバー電極は、前記フィンガー電極で収集した電気を更に収集し前記配線材へ伝える電極である。
前記バスバー電極の材質、形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
なお、バスバーレス構造の太陽電池セルでは、前記フィンガー電極から直接前記配線材へ電気が伝えられる。
<配線材>
前記配線材としては、導電性の基層を有し、貫通していない凹部が少なくとも片面に形成された配線材であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記導電性の基層の少なくとも片面に絶縁層を有することが、ショートを防止する点で好ましい。
前記配線材の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25μm〜420μmが好ましい。
前記配線材の平均幅としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0mm〜2.0mmが好ましい。
−導電性の基層−
前記導電性の基層の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銅、アルミニウム、鉄、金、銀、ニッケル、パラジウム、クロム、モリブデン、及びこれらの合金などが挙げられる。これらの中でも、前記導電性の基層の材質は、銅が好ましい。
前記導電性の基層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25μm〜300μmが好ましい。
前記導電性の基層の平均幅としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0mm〜2.0mmが好ましい。
前記導電性の基層の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−絶縁層−
前記絶縁層の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリビニルブチラート(PVB)などが挙げられる。
前記絶縁層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30μm〜60μmが好ましい。
前記絶縁層の平均幅としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0mm〜2.0mmが好ましい。
−凹部−
前記凹部は、前記配線材の少なくとも片面に形成されており、かつ前記配線材を貫通していない。前記凹部は、前記配線材の片面に形成されていてもよいし、両面に形成されていてもよい。
前記凹部の開口部の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円形などが挙げられる。
前記凹部の開口部が円形の場合、その直径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記配線材の平均幅の30%〜50%が好ましい。
前記凹部の深さとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記配線材の平均厚みの30%〜60%が好ましい。
前記配線材における前記凹部の数、及び前記凹部同士の間隔としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記凹部は、前記配線材を貫通していなければ、前記導電性の基層を貫通していなくてもよいし、貫通していてもよい。
前記配線材が、前記導電性の基層及び前記絶縁層を有する場合、前記太陽電池セルの前記電極と、前記導電性の基層とを、前記導電性ペーストの硬化物を介して接続する点から、前記凹部は、前記凹部が形成される前記配線材の面において、前記絶縁層を貫通している必要がある。
前記配線材に前記凹部を形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドリル、レーザー等で形成する方法などが挙げられる。
ここで、前記配線材の一例を図を用いて説明する。
図1は、配線材の一例を示す概略断面図である。図1に示す配線材3は、導電性の基層31のみからなる。配線材3の片面には、配線材3を貫通していない凹部34が形成されている。
図2は、配線材の他の一例を示す概略断面図である。図2に示す配線材3は、導電性の基層31のみからなる。配線材3の両面には、配線材3を貫通していない凹部34が形成されている。
図3は、配線材の他の一例を示す概略断面図である。図3に示す配線材3は、導電性の基層31と、導電性の基層31の両面に形成された絶縁層32、33とを有している。配線材3の片面には、配線材3を貫通していない凹部34が形成されている。
図4は、配線材の他の一例を示す概略断面図である。図4に示す配線材3は、導電性の基層31と、導電性の基層31の両面に形成された絶縁層32、33とを有している。配線材3の両面には、配線材3を貫通していない凹部34が形成されている。
図5は、配線材の他の一例を示す概略断面図である。図5に示す配線材3は、導電性の基層31と、導電性の基層31の片面に形成された絶縁層32とを有している。絶縁層32が形成された配線材3の片面には、配線材3を貫通していない凹部34が形成されている。
図6は、配線材の他の一例を示す概略断面図である。図6に示す配線材3は、導電性の基層31と、導電性の基層31の片面に形成された絶縁層33とを有している。絶縁層33が形成されていない配線材3の片面には、配線材3を貫通していない凹部34が形成されている。
図7は、配線材の他の一例を示す概略断面図である。図7に示す配線材3は、導電性の基層31と、導電性の基層31の両面に形成された絶縁層32、33とを有している。配線材3の片面には、配線材3を貫通していない凹部34が形成されている。凹部34は、導電性の基層31を貫通しているが、配線材3を貫通してはいない。
<導電性ペーストの硬化物>
前記導電性ペーストの硬化物は、導電性ペーストを硬化して得られるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−導電性ペースト−
前記導電性ペーストとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、バインダー樹脂と、硬化剤と、導電性粒子と、溶媒とを含む導電性ペーストなどが挙げられる。
−−バインダー樹脂−−
前記バインダー樹脂としては、前記硬化剤により硬化する樹脂であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。
前記エポキシ樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アクリル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、イソブチルアクリレート、エポキシアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、テトラメチレングリコールテトラアクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシメトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ジシクロペンテニルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ウレタンアクリレートなどが挙げられる。また、前記アクリル樹脂としては、前記アクリレートをメタクリレートにしたものも挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−硬化剤−−
前記硬化剤としては、前記バインダー樹脂を硬化するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱硬化剤(熱によって活性化される硬化剤)、光硬化剤(光によって活性化される硬化剤)などが挙げられる。これらの中でも熱硬化剤が好ましい。
前記バインダー樹脂がエポキシ樹脂である場合には、前記熱硬化剤としては、例えば、酸無水物、アミン系硬化剤、スルホニウム塩などが挙げられる。
前記バインダー樹脂がアクリル樹脂である場合には、前記熱硬化剤としては、例えば、有機過酸化物などが挙げられる。
−−導電性粒子−−
前記導電性粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属粒子、金属(ニッケル、金、パラジウム、銅等)メッキで被覆された樹脂粒子、金属(ニッケル、金、パラジウム、銅等)メッキで被覆されたガラス粒子、金属(ニッケル、金、パラジウム、銅等)メッキで被覆されたセラミック粒子などが挙げられる。前記金属粒子としては、例えば、銀、半田、ニッケルなどが挙げられる。
前記導電性ペーストにおける前記導電性粒子の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−溶剤−−
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチルエチルケトン(MEK)、トルエン、酢酸エチルなどが挙げられる。
前記導電性ペーストにおける前記溶剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記導電性ペーストの粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記導電性ペーストを調製する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記バインダー樹脂、前記硬化剤、前記導電性粒子、及び前記溶剤を混合及び攪拌して調製する方法などが挙げられる。
前記導電性ペーストの硬化物を得る際の硬化温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<封止用樹脂>
前記封止用樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン/酢酸ビニル/トリアリルイソシアヌレート(EVAT)、ポリビニルブチラート(PVB)、ポリイソブチレン(PIB)、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げられる。
<防湿性バックシート>
前記防湿性バックシートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アルミニウム(Al)、PETとAlとポリエチレン(PE)の積層体などが挙げられる。
<ガラスプレート>
前記ガラスプレートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ソーダ石灰フロートガラスプレートなどが挙げられる。
前記太陽電池モジュールは、前記薄膜系太陽電池セルを用いた薄膜系太陽電池モジュールであってもよいし、前記結晶系太陽電池セルを用いた結晶系太陽電池モジュールであってもよい。
前記太陽電池モジュールは、受光面の裏面に電極を配置したバックコンタクト型であってもよい。
本発明の太陽電池モジュールの一例を、図を用いて説明する。
図8は、結晶系太陽電池モジュールの一例を示す分解斜視図である。結晶系太陽電池モジュール1は、複数の結晶系太陽電池セル2がインターコネクタとなる配線材3によって直列に接続されたストリングス4を有し、更にストリングス4を複数配列したマトリクス5を備える。そして、マトリクス5は、封止用樹脂のシート6で挟まれ、受光面側に設けられた表面カバー7及び裏面側に設けられた防湿性のバックシート8とともに一括してラミネートされる。最後に、周囲にアルミニウムなどの金属フレーム9が取り付けられることにより、結晶系太陽電池モジュール1が形成される。
また、図9に示すように、結晶系太陽電池モジュールの各結晶系太陽電池セル2X、2Y、2Zは、シリコン基板からなる結晶系光電変換素子10を有する。結晶系光電変換素子10には、受光面側に表面電極となるバスバー電極11と、バスバー電極11とほぼ直交する方向に形成された集電極であるフィンガー電極12とが設けられている。また、結晶系光電変換素子10には、受光面と反対の裏面側に、アルミニウムからなるAl裏面電極13が設けられている。
そして、配線材3によって、太陽電池セル2の表面のバスバー電極11と、隣接する太陽電池セル2のAl裏面電極13とが電気的に接続され、これにより直列に接続されたストリングス4を構成する。配線材3とバスバー電極11との接続、及び配線材3とAl裏面電極13との接続は、導電性ペーストの硬化物17によって行う。導電性ペーストの硬化物17は、配線材3に形成された貫通していない凹部に配されている。
一方の太陽電池セルの受光面のバスバー電極と、前記一方の太陽電池セルに隣接する他方の太陽電池セルの裏面のAl裏面電極とを電気的に接続するために、配線材3の凹部は、配線材3における、前記一方の太陽電池セルの受光面のバスバー電極に対向する片面と、前記片面と反対側の面であって前記他方の太陽電池セルの裏面のAl裏面電極に対向する面の両方の面に形成されている。
(導電性ペースト付配線材)
本発明の導電性ペースト付配線材は、配線材と、導電性ペーストとを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
前記導電性ペースト付配線材は、電極を有する太陽電池セルの前記電極と、導電性の基層を有する配線材における前記導電性の基層とが導電性ペーストの硬化物を介して接続された太陽電池モジュールに用いる導電性ペースト付配線材である。
<配線材>
前記配線材としては、導電性の基層を有し、貫通していない凹部が少なくとも片面に形成された配線材であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記導電性の基層の少なくとも片面に絶縁層を有することが、ショートを防止する点で好ましい。
前記配線材としては、例えば、本発明の前記太陽電池モジュールの説明で例示した前記配線材が挙げられる。好ましい態様も同様である。
<導電性ペースト>
前記導電性ペーストとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、バインダー樹脂と、硬化剤と、導電性粒子と、溶媒とを含む導電性ペーストなどが挙げられる。
前記導電性ペーストとしては、例えば、本発明の前記太陽電池モジュールの説明で例示した前記導電性ペーストが挙げられる。好ましい態様も同様である。
前記導電性ペーストは、前記凹部に配されている。
前記凹部に配された前記導電性ペーストは、前記凹部に充填されていてもよいし、充填されていなくてもよい。また、前記導電性ペーストは、前記凹部からはみ出して凸部を形成していてもよいし、凸部を形成していなくてもよい。
前記導電性ペースト付配線材の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、後述する本発明の導電性ペースト付配線材の製造方法が好ましい。
ここで、前記導電性ペースト付配線材の一例を図を用いて説明する。
図10は、導電性ペースト付配線材の一例を示す概略断面図である。図10に示す導電性ペースト付配線材103は、配線材3と導電性ペースト35とを有している。配線材3は、図3に示す配線材であって、導電性の基層31と、導電性の基層31の両面に形成された絶縁層32、33とを有している。配線材3の片面には、配線材3を貫通していない凹部が形成されている。導電性ペースト35は、前記凹部に配されている。導電性ペースト35は、前記凹部からはみ出さず、かつ前記凹部に残余の空間を作らず配されている。
図11は、導電性ペースト付配線材の他の一例を示す概略断面図である。図11に示す導電性ペースト付配線材103は、配線材3と導電性ペースト35とを有している。配線材3は、図3に示す配線材であって、導電性の基層31と、導電性の基層31の両面に形成された絶縁層32、33とを有している。配線材3の片面には、配線材3を貫通していない凹部が形成されている。導電性ペースト35は、前記凹部に配されている。導電性ペースト35は、前記凹部からはみ出して配されている。
なお、前記導電性ペースト付配線材における配線材3は、図3のものに限定されず、例えば、図1〜2、4〜7に示す配線材3であってもよい。
前記導電性ペースト付配線材は、前記太陽電池モジュールに好適に用いることができる。
(太陽電池モジュールの製造方法)
本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、配置工程と、被覆工程と、押圧工程と、加熱工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、本発明の前記太陽電池モジュールの製造に好適に用いることができる。
<配置工程>
前記配置工程としては、電極を有する太陽電池セルの前記電極上に、本発明の前記導電性ペースト付配線材を、導電性ペーストが前記電極と接するように配置する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記太陽電池セルとしては、例えば、本発明の前記太陽電池モジュールの説明において例示した前記太陽電池セルなどが挙げられる。
<被覆工程>
前記被覆工程としては、前記太陽電池セルを封止用樹脂により覆い、更に前記封止用樹脂を防湿性バックシート及びガラスプレートのいずれかにより覆う工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
以上のような前記太陽電池モジュールの製造方法は、減圧ラミネーターを用いて行うことが好ましい。前記減圧ラミネーターを用いる方法は、例えば、特開2010−283059号公報に記載の方法を参考にして行うことができる。
前記封止用樹脂、前記防湿性バックシート、及び前記ガラスプレートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明の前記太陽電池モジュールの説明において例示した前記封止用樹脂、前記防湿性バックシート、及び前記ガラスプレートがそれぞれ挙げられる。
<押圧工程及び加熱工程>
前記押圧工程としては、前記防湿性バックシート及びガラスプレートのいずれかを押圧する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。押圧する圧力、及び押圧する時間は、任意である。
前記加熱工程としては、前記太陽電池セルが載置された加熱ステージを加熱する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記加熱ステージを加熱することにより、前記封止用樹脂を加熱することができる。また、前記導電性ペーストを加熱することができる。
前記加熱工程における加熱温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃〜250℃が好ましく、100℃〜200℃がより好ましい。前記加熱温度が、50℃未満であると、封止が不十分となることがあり、250℃を超えると、導電性ペースト、封止用樹脂などに含まれる有機樹脂が熱分解することがある。前記加熱温度が、前記より好ましい範囲内であると、封止の信頼性の点で有利である。
前記加熱工程における加熱時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1秒間〜1時間が好ましく、5秒間〜30分間がより好ましく、10秒間〜20分間が特に好ましい。前記加熱時間が、1秒間未満であると、封止が不十分となることがある。前記加熱時間が、前記特に好ましい範囲内であると、封止の信頼性の点で有利である。
前記押圧工程、及び前記加熱工程を開始する順序としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記加熱工程における加熱の際に前記導電性ペーストは硬化する。
前記押圧工程及び前記加熱工程を行うことにより、前記太陽電池セルを封止するとともに、前記太陽電池セルの電極と前記配線材とを前記導電性ペーストの硬化物を介して接続することができる。
以上のようにすることにより、本発明の太陽電池モジュールが製造される。
また、例えば、太陽電池セルを直列に複数接続したストリングスを更に複数配列したマトリクスを形成し、それを封止することにより、本発明の太陽電池モジュールを作製することもできる。
ここで、前記太陽電池モジュールの製造方法の一例を図を用いて説明する。
まず、図12Aに示すような導電性ペースト付配線材103を準備する。導電性ペースト付配線材103は、配線材3と導電性ペースト35とを有し、配線材3の両面に凹部が形成されており、その凹部に導電性ペースト35が配されている。
また、図12Bに示すような結晶系太陽電池セル2を準備する。結晶系太陽電池セル2は、シリコン基板からなる結晶系光電変換素子10を有する。結晶系光電変換素子10には、受光面側に表面電極となるバスバー電極11と、バスバー電極11とほぼ直交する方向に形成された集電極であるフィンガー電極12とが設けられている。また、結晶系光電変換素子10には、受光面と反対の裏面側に、アルミニウムからなるAl裏面電極13が設けられている。
続いて、図12Bに示す結晶系太陽電池セル2の電極上に、図12Aに示す導電性ペースト付配線材103を、導電性ペースト35が前記電極と接するように配置する(図12C)。そうすることにより、導電性ペーストが硬化する前のストリングスが形成される。図12Cにおいて、導電性ペースト付配線材の配線材3の片面の凹部に配された導電性ペースト35は、一方の結晶系太陽電池セル(例えば、2X)の受光面のバスバー電極11と接触している。また、導電性ペースト付配線材の配線材3の前記片面と反対側の面の凹部に配された導電性ペースト35は、前記一方の結晶系太陽電池セルに隣接する他方の結晶系太陽電池セル(例えば、2Y)の裏面のAl裏面電極13と接している。
続いて、導電性ペーストが硬化する前のストリングスを封止用樹脂により封止し、更に前記封止用樹脂を防湿性バックシートで覆う。
続いて、前記防湿性バックシートを押圧しつつ、前記ストリングスが載置された加熱ステージを加熱することにより、前記封止用樹脂による前記ストリングスの封止と、導電性ペーストの硬化とを一括して行い、太陽電池モジュールが得られる。
(導電性ペースト付配線材の製造方法)
本発明の導電性ペースト付配線材の製造方法は、凹部形成工程と、配置工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記導電性ペースト付配線材の製造方法は、電極を有する太陽電池セルの前記電極と、導電性の基層を有する配線材における前記導電性の基層とが導電性ペーストの硬化物を介して接続された太陽電池モジュールに用いる導電性ペースト付配線材の製造方法である。
前記導電性ペースト付配線材の製造方法は、本発明の導電性ペースト付配線材の製造方法として好適である。
<凹部形成工程>
前記凹部形成工程としては、導電性の基層を有する配線材の少なくとも片面に、貫通していない凹部を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記導電性の基層の材質、形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明の前記太陽電池モジュールの説明において例示した前記導電性の基層の材質、形状、大きさ、構造などが挙げられる。
前記配線材の材質、形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明の前記太陽電池モジュールの説明において例示した前記配線材の基層の材質、形状、大きさ、構造などが挙げられる。
前記配線材の少なくとも片面に、貫通していない凹部を形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドリル加工、レーザー加工などが挙げられる。
<配置工程>
前記配置工程としては、形成された前記凹部に、導電性ペーストを配する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記導電性ペーストを、スクリーン印刷、ディスペンサー等で前記凹部に配する方法などが挙げられる。
前記導電性ペーストとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明の前記太陽電池モジュールの説明において例示した前記導電性ペーストなどが挙げられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<異方性導電ペーストの作製>
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(jER827、三菱化学株式会社製)100質量部、脂環式酸無水物(リカシッドTH、新日本理化株式会社製)100質量部、及びフレーク状銀粉(Ag−XF301、福田金属箔粉工業株式会社製)800質量部を混合し、導電性ペーストを調製した。
<結晶系太陽電池セル>
結晶系太陽電池セルとして、6インチ(156mm)多結晶Siセル〔縦6インチ×横6インチ(1インチは2.54cm)〕を用いた。用いた結晶系太陽電池セルは、図13A及び図13Bに示すような構造をしており、光電変換素子10と、光電変換素子10の受光面に配置されたバスバー電極11及びフィンガー電極12と、光電変換素子10の受光面と反対面である裏面に配置されたAl裏面電極13とを有している。フィンガー電極の平均幅は、100μmであり、バスバー電極の平均幅は、2.0mmである。
<第1の導電性ペースト付配線材>
導電性の基層として、平均厚み150μm、平均幅2.0mmの銅箔を用いた。前記導電性の基層の両面に平均厚み50μmの絶縁層(エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA))を設けた。更に、両面に絶縁層が積層された導電性の基層の両面にレーザー加工により、平均深さ125μmの凹部を設けた。凹部の直径は、1.0mmとした。以上により配線材1を得た。
得られた配線材1の凹部に、スクリーン印刷により上記で作製した導電性ペーストを配し、第1の導電性ペースト付配線材を得た。得られた第1の導電性ペースト付配線材の概略断面図を図14に示す。
なお、凹部の数は、配線材の幅方向において1つであり、配線材の長さ方向における間隔は、10mmとした。
<第2の導電性ペースト付配線材>
導電性の基層として、平均厚み150μm、平均幅2.0mmの銅箔を用いた。前記導電性の基層の両面に平均厚み50μmの絶縁層(エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA))を設けた。更に、両面に絶縁層が積層された導電性の基層の片面にレーザー加工により、平均深さ125μmの凹部を設けた。凹部の直径は、1.0mmとした。以上により配線材2を得た。
得られた配線材2の凹部に、スクリーン印刷により上記で作製した導電性ペーストを配し、第2の導電性ペースト付配線材を得た。得られた第2の導電性ペースト付配線材の概略断面図を図15に示す。
なお、凹部の数は、配線材の幅方向において1つであり、配線材の長さ方向における間隔は、10mmとした。
<結晶系太陽電池モジュールの製造>
4枚の結晶系太陽電池セルを用いた。
−配置工程−
2枚の結晶系太陽電池セル2X、2Yを並べた。一方の結晶系太陽電池セル2Xの受光面に配置されたバスバー電極11に、第1の導電性ペースト付配線材103の一方の面の導電性ペースト35が接し、かつ他方の結晶系太陽電池セル2YのAl裏面電極13に、第1の導電性ペースト付配線材103の他方の面の導電性ペースト35が接するように、第1の導電性ペースト付配線材103を、結晶系太陽電池セル2の電極上に配置した。
また、結晶系太陽電池セル2XのAl裏面電極13に、第2の導電性ペースト付配線材103の導電性ペースト35が接するように、結晶系太陽電池セル2XのAl裏面電極13上に、第2の導電性ペースト付配線材103を配置した。
また、結晶系太陽電池セル2Yの受光面に配置されたバスバー電極11に、第2の導電性ペースト付配線材103の導電性ペースト35が接するように、結晶系太陽電池セル2Yの受光面に配置されたバスバー電極11上に、第2の導電性ペースト付配線材103を配置した。
これらの配置は、導電性ペーストを50℃に加熱して行った。
以上により、2枚の結晶系太陽電池セル2X、2Yが配線材により直列に接続されたストリングスを得た(図16)。
ストリングスを2つ作製し、それらストリングスを並列に接続することで、4枚の結晶系太陽電池セルが接続されたマトリクスを得た(図17)。
なお、この段階において、導電性ペースト35は硬化していない。
マトリクスの作製に際しては、4枚の結晶系太陽電池セルと、4本の第1の導電性ペースト付配線材と、8本の第2の導電性ペースト付配線材とを用いた。
−被覆工程−
得られたマトリクスを封止用樹脂により覆い、更に前記封止用樹脂を、防湿性のバックシート及びガラスで挟んだ。前記封止用樹脂には、厚み460μmのエチレン/酢酸ビニル共重合体(EVASKY、株式会社ブリヂストン製)を用いた。前記バックシートにはTPT〔テドラー(登録商標)/PET(ポリエチレンテレフタレート)/テドラー(登録商標)〕型の積層フィルム(BS−TX、凸版印刷株式会社製)を用いた。前記ガラスには、旭硝子株式会社製のソライトを用いた。
−押圧工程及び加熱工程−
そして、減圧ラミネーターを用いて前記封止用樹脂による封止を行った。具体的には、100℃にて真空引きを5分間行った後、プレス時間5分間、0.1MPaにてラミネートし、その後、オーブンにて160℃、20分間で加熱を行った。この加熱により、前記封止用樹脂による封止と、導電性ペーストの硬化を行った。
以上により、結晶系太陽電池セルを4つ接続した結晶系太陽電池モジュールを得た。
<評価>
−出力の評価−
JIS C8913(結晶系太陽電池セル出力測定方法)に準拠し、ソーラーシュミレーター(日清紡メカトロニクス株式会社製、ソーラーシュミレーターPVS1116i−M)を用いて、測定条件:照度1,000W/m、温度25℃、スペクトルAM1.5Gにより、発電量を測定した。結果を表1に示す。
−反りの評価−
作製した結晶系太陽電池モジュールから、封止用樹脂、バックシート、及びガラスを除いて、マトリクスを取り出した。取り出したマトリクスの結晶系太陽電池セルについて、触針式表面粗度計(株式会社小阪研究所製、SE−3H)の測定プローブを当て、配線材に沿った方向における一方の端から他方の端までの反り量を測定した。2箇所の反り量を測定し、その平均値を求めた。結果を表1に示す。
(比較例1)
<結晶系太陽電池セル>
実施例1で用いた結晶系太陽電池セルを用いた。
<半田付配線材>
導電性の基層として、平均厚み150μm、平均幅2.0mmの銅箔を用いた。前記導電性の基層の両面に半田を塗布し、半田付配線材を得た。
<結晶系太陽電池モジュールの製造>
4枚の結晶系太陽電池セルを用いた。
−配置工程−
2枚の結晶系太陽電池セルを並べ、一方の結晶系太陽電池セルの受光面に配置されたバスバー電極に、半田付配線材の一方の面の半田が接し、かつ他方の結晶系太陽電池セルのAl裏面電極に、前記半田付配線材の他方の面の半田が接するように、前記半田付配線材を、2枚の結晶系太陽電池セルの電極上に配置した。
また、前記一方の結晶系太陽電池セルのAl裏面電極に、他の半田付配線材の半田が接するように、前記一方の結晶系太陽電池セルのAl裏面電極上に、前記他の半田付配線材を配置した。
また、前記他方の結晶系太陽電池セルの受光面に配置されたバスバー電極に、更に他の半田付配線材の半田が接するように、前記他方の結晶系太陽電池セルの受光面に配置されたバスバー電極上に、前記他の半田付配線材を配置した。
なお、半田付配線材を配置する前には、電極への半田の接着を良好にするため、電極をフラックス処理した。また、これらの配置は、半田を250℃に加熱して行った。
以上により、2枚の結晶系太陽電池セルが配線材により直列に接続されたストリングスを得た。
ストリングスを2つ作製し、それらストリングスを並列に接続することで、実施例1のマトリクスと同様の、4枚の結晶系太陽電池セルが接続されたマトリクスを得た。
なお、この段階において、配線材と電極とは半田により接続されている。
マトリクスの作製に際しては、4枚の結晶系太陽電池セルと、12本の半田付配線材を用いた。
実施例1と同様にして、被覆工程、並びに押圧工程及び加熱工程を行い、結晶系太陽電池モジュールを得た。
得られた結晶系太陽電池モジュールについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
<結晶系太陽電池セル>
実施例1で用いた結晶系太陽電池セルを用いた。
<導電性接着フィルム付配線材>
導電性の基層として、平均厚み150μm、平均幅2.0mmの銅箔を用いた。前記導電性の基層の両面に導電性接着フィルム(SP100シリーズ、デクセリアルズ株式会社製、厚み25μm)を貼り付けて、導電性接着フィルム付配線材を得た。
<結晶系太陽電池モジュールの製造>
4枚の結晶系太陽電池セルを用いた。
−配置工程−
2枚の結晶系太陽電池セルを並べ、一方の結晶系太陽電池セルの受光面に配置されたバスバー電極に、導電性接着フィルム付配線材の一方の面の導電性接着フィルムが接し、かつ他方の結晶系太陽電池セルのAl裏面電極に、前記導電性接着フィルム付配線材の他方の面の導電性接着フィルムが接するように、前記導電性接着フィルム付配線材を、2枚の結晶系太陽電池セルの電極上に配置した。
また、前記一方の結晶系太陽電池セルのAl裏面電極に、他の導電性接着フィルム付配線材の導電性接着フィルムが接するように、前記一方の結晶系太陽電池セルのAl裏面電極上に、前記他の導電性接着フィルム付配線材を配置した。
また、前記他方の結晶系太陽電池セルの受光面に配置されたバスバー電極に、更に他の導電性接着フィルム付配線材の導電性接着フィルムが接するように、前記他方の結晶系太陽電池セルの受光面に配置されたバスバー電極上に、前記他の導電性接着フィルム付配線材を配置した。
これらの配置の際には、加熱温度70℃、圧力0.5MPa、1秒間とし、加熱ツールを用いて仮貼りを行った。更に続けて、シリコーンラバー緩衝材(200μm)を介して、加熱ツールを用いて導電性接着フィルム付配線材を、押圧力2MPa、加熱温度180℃、加熱時間15秒間で加熱押圧した。
以上により、2枚の結晶系太陽電池セルが配線材により直列に接続されたストリングスを得た。
ストリングスを2つ作製し、それらストリングスを並列に接続することで、実施例1のマトリクスと同様の、4枚の結晶系太陽電池セルが接続されたマトリクスを得た。
なお、この段階において、配線材と電極とは導電性接着フィルムにより接続されている。
マトリクスの作製に際しては、4枚の結晶系太陽電池セルと、12本の導電性接着フィルム付配線材を用いた。
実施例1と同様にして、被覆工程、並びに押圧工程及び加熱工程を行い、結晶系太陽電池モジュールを得た。
得られた結晶系太陽電池モジュールについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
表1における「Pmax」とは、最大出力を意味する。
比較例1の結晶系太陽電池モジュールは、配線材を電極上に配置する際に高温処理での半田接続を必要とした。
比較例2の結晶系太陽電池モジュールは、配線材を電極上に配置する際に導電性接着フィルムの仮貼り、及び圧着を必要とした。
一方、実施例1の太陽電池モジュールは、配線材を電極上に配置する際には、わずかな加熱(実施例1においては50℃)のみでよく、封止用樹脂の封止時に配線材と電極との接続を一括して行うことができ、太陽電池モジュールの製造工程を短縮することができた。また、電極上に導電性ペーストを配し、その導電性ペーストに対して、貫通孔を有する配線材を位置合せする場合に比べ、実施例1の太陽電池モジュールは、導電性ペースト付配線材を用いることで、高い精度が求められる前記位置合せが不要であり、簡便な方法により製造することができた。
また、光電変換の出力について、実施例1は、比較例1及び比較例2に劣るものではなかった。
更に、実施例1では、接着剤としての役割を果たす導電性ペーストの使用量が少なく配線材と電極との接触面積を低減できることから、反り量が、導電性接着フィルムを用いた比較例2よりも優れていた。また、半田付けのような高温接続も必要ないことから、半田接続を行った比較例1よりも反り量が優れていた。
本発明の太陽電池モジュールは、工程数が少なく簡便に生産でき、かつ反りを低減できることから、各種の太陽電池モジュールに好適に用いることができる。
1 結晶系太陽電池モジュール
2、2X、2Y、2Z 結晶系太陽電池セル
3 配線材
4 ストリングス
5 マトリクス
6 シート
7 表面カバー
8 バックシート
9 金属フレーム
10 結晶系光電変換素子
11 バスバー電極
12 フィンガー電極
13 Al裏面電極
17 導電性ペーストの硬化物
31 導電性の基層
32 絶縁層
33 絶縁層
34 凹部
35 導電性ペースト
103 導電性ペースト付配線材

Claims (7)

  1. 電極を有する太陽電池セルと、
    導電性の基層を有し、貫通していない凹部が少なくとも片面に形成された配線材と、
    導電性ペーストの硬化物とを有し、
    前記凹部に前記導電性ペーストの硬化物が配され、前記凹部に配された前記導電性ペーストの硬化物を介して、前記電極と前記導電性の基層とが接続されていることを特徴とする太陽電池モジュール。
  2. 配線材が、導電性の基層の少なくとも片面に絶縁層を有する請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 導電性の基層の材質が、銅である請求項1から2のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  4. 電極を有する太陽電池セルの前記電極と、導電性の基層を有する配線材における前記導電性の基層とが導電性ペーストの硬化物を介して接続された太陽電池モジュールに用いる導電性ペースト付配線材であって、
    前記導電性の基層を有し、貫通していない凹部が少なくとも片面に形成された前記配線材と、
    前記凹部に配された前記導電性ペーストとを有することを特徴とする導電性ペースト付配線材。
  5. 配線材が、導電性の基層の少なくとも片面に絶縁層を有する請求項4に記載の導電性ペースト付配線材。
  6. 電極を有する太陽電池セルの前記電極上に、請求項4から5のいずれかに記載の導電性ペースト付配線材を、導電性ペーストが前記電極と接するように配置する配置工程と、
    前記太陽電池セルを封止用樹脂により覆い、更に前記封止用樹脂を防湿性バックシート及びガラスプレートのいずれかにより覆う被覆工程と、
    前記防湿性バックシート及びガラスプレートのいずれかを押圧する押圧工程と、
    前記太陽電池セルが載置された加熱ステージを加熱する加熱工程とを含むことを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
  7. 電極を有する太陽電池セルの前記電極と、導電性の基層を有する配線材における前記導電性の基層とが導電性ペーストの硬化物を介して接続された太陽電池モジュールに用いる導電性ペースト付配線材の製造方法であって、
    前記導電性の基層を有する前記配線材の少なくとも片面に、貫通していない凹部を形成する凹部形成工程と、
    形成された前記凹部に、導電性ペーストを配する配置工程とを含むことを特徴とする導電性ペースト付配線材の製造方法。
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