JP2014090014A - 化合物薄膜成膜方法及び化合物薄膜成膜装置 - Google Patents

化合物薄膜成膜方法及び化合物薄膜成膜装置 Download PDF

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Abstract

【課題】インライン式を用いたCIGS膜の成膜時に、CuとIII族比率を安定にして制御することができる化合物薄膜成膜方法及び化合物薄膜成膜装置を提供する。
【解決手段】インライン方式を用い、基板を搬送しながら、基板上にCIS系化合物薄膜を蒸着により成膜する方法である。成膜途中のCIS系化合物薄膜について、少なくとも2箇所の定点で、異なる波長の光を用いて反射率を測定する測定工程と、反射率の各測定値により、成膜途中のCIS系化合物薄膜の組成情報を得て、CIS系化合物薄膜の組成を制御する制御工程とを有する。なお、基板は、金属基板が好ましい。
【選択図】図3

Description

本発明は、化合物薄膜成膜方法及び化合物薄膜成膜装置に関し、特に、インライン式を用いたCIGS膜の成膜時に、CuとIII族比率を安定にして制御することができる化合物薄膜成膜方法及び化合物薄膜成膜装置に関する。
現在、太陽電池の研究が盛んに行われている。太陽電池は、光吸収により電流を発生する半導体の光電変換層(光吸収層)を裏面電極と透明電極とで挟んだ積層構造を有する。
カルコパイライト型のCu(In,Ga)Se(以下、単にCIGSともいう)は、太陽光の吸収に対して最適なバンドギャップと高い光吸収係数を備えるものであるため、高効率薄膜太陽電池の光電変換層(光吸収層)として有望な半導体薄膜材料である。そこで、次世代の太陽電池として、光電変換層にCIGSを用いたものが検討されている。
CIGSを光電変換層に用いた太陽電池(以下、CIGS太陽電池ともいう)は、例えば、絶縁性基板上に、Mo裏面電極が形成され、そのMo裏面電極上に光電変換層(光吸収層)としてp型のCIGS膜が形成されている。CIGS膜上に、バッファ層としてn型のCdS層が形成され、さらにCdS層上に透明電極が形成されている。このような構造の太陽電池に透明電極側から光が照射されると、主としてCIGS膜(光電変換層)で、光エネルギーにより価電子帯から伝導帯への電子の励起が起こり、価電子帯には正孔ができる。その後、生成した電子と正孔が分離して、伝導帯や価電子帯をそれぞれ逆方向に移動し、Mo裏面電極及び透明電極から外に取り出されることにより光起電力が発生する。
CIGS膜の成膜方法としては、高効率を得られる手法として、共蒸着法が注目されている。共蒸着法の代表例としては、3段階法とバイレイヤー法がある。現在、CIGS膜の組成を制御する方法が種々提案されている。
特許文献1には、モリブデン裏面コンタクト層を備えた基材がCIGSプロセスチャンバ内を連続的に移動するCIGS太陽電池製造のインラインシステムにおける、同時蒸着CIGS層の正確な制御のための制御方法が記載されている。
特許文献1では、プロセスチャンバ内での同時蒸発蒸着プロセスによって製造された銅インジウムガリウムセレン化物(CIGS)太陽電池の組成制御の方法であって、蒸着条件は、蒸着されたCu過剰全体組成が、Cu不足全体組成に変換されるようになっている。インライン連続基材フロー製造システムのプロセスチャンバ内で同時蒸発プロセスが実施され、転移に関連する物理パラメータを使用することによって、銅豊富組成から銅不足組成への転移が起こる瞬間であって、基準転移点と呼ばれる瞬間を検知する。そして、物理パラメータを使用して転移点の移動を検知する。その後、転移点を基準転移点に戻すために、蒸発物流量が調整される。
特許文献2、3は、化合物半導体膜の組成を制御する製膜技術に関するものである。
なお、特許文献2、3において、以下に示す第IB族元素(X)はCu、第IIIB族元素(Y)はIn,Ga、第VIB族元素(Z)はSeであり、XYZ化合物はCIGSである。
特許文献2では、基板上に第IIIB族元素(Y)、第VIB族元素(Z)を蒸着する製膜ゾーン11とこのゾーン11で形成された薄膜に第IB族元素(X)、第VIB族元素を蒸着する製膜ゾーン12を経た薄膜に第IIIB族元素、第VIB族元素を蒸着させる製膜ゾーン13を有するインライン方式を用いた製膜装置が開示されている。製膜ゾーン12にて検出したXYZが化学量論的組成比となるゾーン12における基板2の位置に基づきゾーン12の終点における薄膜の第IB族元素と第IIIB族元素の組成比の予測値を算出する。製膜ゾーン12の終点におけるXYZ化合物薄膜の組成比が予め設定されたゾーン12の終点におけるXYZ薄膜の第IB族元素と第IIIB族元素の組成比の目的値となるように予測値に基づきゾーン12における第IB族元素の蒸着量を制御する。
特許文献3では、基板上に第IIIB族元素(Y)、第VIB族元素(Z)を蒸着する製膜ゾーン11とこのゾーン11で形成された薄膜に第IB族元素(X)、第VIB族元素を蒸着する製膜ゾーン12を経た薄膜に第IIIB族元素、第VIB族元素を蒸着させる製膜ゾーン13を有するインライン方式を用いた製膜装置が開示されている。ゾーン12において検出されたXYZが化学量論的組成比となる基板の位置に基づきゾーン12の終点における薄膜の第IB族元素と第IIIB族元素の組成比の予測値を算出し、ゾーン13の終点におけるXYZ化合物薄膜の組成比が予め設定されたゾーン13の終点におけるXYZ薄膜の第IB族元素と第IIIB族元素の組成比の目的値となるように、予測値に基づきゾーン13における第IIIB族元素の蒸着量を制御する。
特許文献4には、組成比の制御が容易な化合物半導体薄膜の製造方法が記載されている。特許文献4においては、I族元素(Cu)とIII族元素(In、Ga)とVI族元素(Se)とを基体上に供給することによって、化合物半導体薄膜、例えば、CIGS膜を基体上に形成する薄膜形成工程の際に、化合物半導体薄膜(CIGS膜)の組成によって化合物半導体薄膜の温度変化速度が異なることを利用して化合物半導体薄膜の組成を制御している。
特許文献4では、ガラス基板上にMo薄膜が形成された基体の温度変化は、Cu(In,Ga)Se薄膜の温度変化速度に依存して変化する。このことを利用して基体の温度変化を測定することによって、Cu(In,Ga)Se薄膜の温度変化速度の変化を判別している。
特表2007−527121号公報 特開2011−77472号公報 特開2011−77473号公報 特開2001−68484号公報
上述の特許文献1〜4のように、従来のCIGS膜の組成の制御方法では、CIGS膜の成膜時に、Cu過剰な膜が形成された際に、表面温度変化又は光学的な変化をモニタリングすることで、Cu(I族元素)とIn、Ga(III族元素)の組成比を予測し、CIGS膜の組成制御を行っている。しかしながら、表面温度変化は基板固定方式では用いることができるものの、工業的なインライン式又はロール・ツー・ロール方式では、定点の温度モニタリングによる組成制御は実施することができない。
また、表面の光学的な変化をモニタリングする方式は、インライン式にも対応可能であるものの、あくまで最終組成比を予測して蒸着源の条件を制御しているに過ぎず、プロセス中のモニタリングとして最終的に安定な組成制御を行う方法としては不十分である。
本発明の目的は、インライン式を用いたCIGS膜の成膜時に、CuとIII族比率を安定にして制御することができる化合物薄膜成膜方法及び化合物薄膜成膜装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、インライン方式を用い、基板を搬送しながら、基板上にCIS系化合物薄膜を蒸着により成膜する方法であって、成膜途中のCIS系化合物薄膜について、少なくとも2箇所の定点で、異なる波長の光を用いて反射率を測定する測定工程と、反射率の各測定値により、成膜途中のCIS系化合物薄膜の組成情報を得て、CIS系化合物薄膜の組成を制御する制御工程とを有することを特徴とする化合物薄膜の成膜方法を提供するものである。
基板は、金属基板であることが好ましい。
CIS系化合物薄膜は、成膜途中でCuとIII族元素の比率が1以上の条件で成膜された後、CuとIII族元素の比率が1未満の条件で成膜されて形成されるものであり、定点は、CuとIII族元素の比率が1以上の条件で成膜された後の第1の点と、CuとIII族元素の比率が1未満の条件で成膜された後の第2の点の少なくとも2箇所であることが好ましい。
反射率の測定に用いられる異なる波長の光には、400nmから530nmまでの第1の波長領域の光と、800nmから900nmまでの第2の波長領域の光とが用いられることが好ましい。
第1の点における第1の波長領域の反射率をBとし、第2の波長領域の反射率をRとするとき、R/Bで規定される第1の比γは2以上10以下であり、第2の点における第1の波長領域の反射率をBとし、第2の波長領域の反射率をRとするとき、R/Bで規定される第2の比γは1以上5以下であることが好ましい。
第2の波長領域の反射率Rと第2の波長領域の反射率Rとの比R/Rで規定される比γは1.5以上5以下であることが好ましい。
制御工程は、反射率の各測定値に基づいて、蒸着条件をCuとIII族元素の比率が所定の値になるように調整することが好ましい。
例えば、基板に導電膜が形成されており、CIS系化合物薄膜は、導電膜上に形成される。
また、本発明は、インライン方式を用い、基板上にCIS系化合物薄膜を成膜する化合物薄膜成膜装置であって、基板を搬送する搬送機構と、搬送機構により搬送された基板上に、蒸着によりCIS系化合物薄膜を形成する成膜部と、成膜途中のCIS系化合物薄膜について、少なくとも2箇所の定点で、異なる波長の光を用いて反射率を測定する測定部と、反射率の各測定値により、成膜途中のCIS系化合物薄膜の組成情報を得て、成膜部によって形成されるCIS系化合物薄膜の組成を制御する制御部を有することを特徴とする化合物薄膜成膜装置を提供するものである。
基板は、金属基板であることが好ましい。
成膜部は、CIS系化合物薄膜は、成膜途中でCuとIII族元素の比率が1以上の条件で成膜した後、CuとIII族元素の比率が1未満の条件で成膜されて形成するものであり、測定部は、CuとIII族元素の比率が1以上の条件で成膜された後の第1の点と、CuとIII族元素の比率が1未満の条件で成膜された後の第2の点の少なくとも2箇所で反射率を測定することが好ましい。
反射率の測定に用いられる異なる波長の光には、400nmから530nmまでの第1の波長領域の光と、800nmから900nmまでの第2の波長領域の光とが用いられ、測定部は、第1の波長領域の反射率及び第2の波長領域の反射率を測定することが好ましい。
測定部は、第1の点における第1の波長領域の反射率をBとし、第2の波長領域の反射率をRとするとき、R/Bで規定される第1の比γを算出するとともに、第2の点における第1の波長領域の反射率をBとし、第2の波長領域の反射率をRとするとき、R/Bで規定される第2の比γを算出することが好ましい。
測定部は、第2の波長領域の反射率Rと第2の波長領域の反射率Rとの比R/Rで規定される比γを算出することが好ましい。
制御部は、反射率の各測定値に基づいて、成膜部の蒸着条件をCuとIII族元素の比率が所定の値になるように調整することが好ましい。
本発明によれば、少なくとも2点以上の定点モニタを行うことにより、定点観測が困難なインライン方式においても、Cu過剰な膜質の制御と、最終的なIII族過剰な膜質、すなわち、Cu不足の膜質の制御を行うことができる。
また、少なくとも2点以上の定点モニタを行うことで、基板の表面粗さの違い又はモニタ位置の違いにより、反射率の絶対値での評価が困難な場合においても、最終的なIII族過剰なCIGS膜の組成制御の確率が向上し、最終的に得られる光電変換素子において、例えば、平均変換効率を2%以上向上させることができる。
更には、1点目のモニタリングにより、Cu過剰割合を制御することができ、CIGSの粒径増大に寄与することができる。また、2点目のモニタリングにより、III族過剰割合を制御することができ、シャントパスの少ない光電変換素子を安定的に得ることができる。これにより、平均変換効率を向上させることに寄与することができる。
本発明の実施形態の化合物薄膜成膜方法を用いて形成された光電変換層を有する光電変換素子を示す模式的断面図である。 本発明の実施形態の化合物薄膜成膜装置を示す模式図である。 (a)〜(c)は、本発明の実施形態の化合物薄膜成膜方法を工程順に示す模式的断面図である。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の化合物薄膜成膜方法及び化合物薄膜成膜装置を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態の化合物薄膜成膜方法を用いて形成された光電変換層を有する光電変換素子を示す模式的断面図である。
図1に示す光電変換素子10は、絶縁性基板12(以下、単に基板12という)と、この基板12上に形成された裏面電極14と、この裏面電極14上に形成された光電変換層16と、この光電変換層16上に形成されたバッファ層18と、このバッファ層18上に形成された透明電極20と、この透明電極20の表面20aの一部の領域に形成された上部電極端子(集電電極)22とを有する。光電変換素子10は、透明電極20の表面20a側から光Lが入射される。なお、基板12に裏面電極14が形成されたものを基体Zともいう。
光電変換素子10の基板12は、光電変換素子又は太陽電池の基板として通常用いられる基板であれば、特に限定されるものではない。基板12としては、例えば、ソーダライムガラス基板、セラミックス基板、樹脂基板等を用いることができる。また、基板12としては、Al基板又はSUS基板等の金属基板、又はAlと、例えば、SUS等の他の金属との複合材料からなる複合Al基板等の複合金属基板を用いることもできる。更には、基板12としては、表面を陽極酸化して形成した陽極酸化膜を絶縁層としてAl基板等の表面に有する絶縁膜付金属基板を用いることもできる。
基板12の厚さは、特に限定されるものではない。光電変換素子10の大きさ、基板12の形成材料、基板12のフレキシブル性の有無等に応じて、十分な強度を確保できれば、基板12の厚さは、いかなる厚さでも構わない。しかしながら、基板12の厚さは、例えば、0.02〜10mmであることが好ましい。
なお、基板12は、例えば、平板状であり、その形状及び大きさ等は適用される光電変換素子10の大きさ等に応じて適宜決定されるものである。
裏面電極14は、例えば、Mo、Cr、又はW、及びこれらを組合わせたものにより構成される。上記元素の中でもMoは柱状構造を有するため、基板12からの元素拡散を促す点で好ましい。また、裏面電極14は、単層構造でもよいし、2層構造等の積層構造でもよい。
裏面電極14の厚さは、厚すぎると高コストとなり生産適性も低下する。一方、裏面電極14の厚さが薄すぎると電極としての性能、特に低抵抗を得ることが難しくなる。このため、裏面電極14は、厚さが100nm〜1000nm(1μm)であることが好ましい。
裏面電極14の形成方法は、特に限定されるものではなく、例えば、蒸着法、スパッタ法等の気相成膜法により形成することができる。裏面電極14をMoで構成する場合、高融点のためスパッタ法を用いることが好ましい。
光電変換層16は、光電変換機能を有するものであり、透明電極20及びバッファ層18を通過して到達した光Lを吸収することにより電流が発生する層である。
光電変換層16は、CIS系化合物薄膜からなり、例えば、CIGS膜で構成される。このCIGS膜は、例えば、カルコパイライト型結晶構造を有するCu(In,Ga)Seにより構成される。このため、光電変換層16は、光吸収率が高いことを加え、光照射等による効率の劣化が少なく、耐久性に優れている。
光電変換層16においては、光電変換層16の厚さ方向にGa量の分布を持たせることにより、バンドギャップの幅又はキャリアの移動度等を制御でき、これにより、光電変換効率を高く設計することができる。
光電変換層16は、膜厚については特に限定されるものではない。しかし、光電変換層16の膜厚が薄すぎると光吸収効率が低いという問題があり、逆に厚すぎると生産適性が低いという問題がある。これらを両立させる点から、光電変換層16の膜厚は、1μm〜3μmが好ましい。
次に、バッファ層18について説明する。
バッファ層18は、透明電極20形成時に光電変換層16を保護すること、透明電極20に入射した光Lを光電変換層16まで透過させること、及びII族元素又はIII族元素を光電変換層16(CIGS膜)中に拡散させることで光電変換層16中にホモ型pn接合を形成させる目的のために、光電変換層16上に形成されたものである。
バッファ層18は、例えば、CdS、ZnS、InS、ZnO、ZnMgO、又はZnS(O,OH)及びこれらを組み合わせたもの等により構成される。バッファ層18は、光電変換層16とともにpn接合層を構成する。
バッファ層18は、その厚さは特に限定されるものではない。しかしながら、バッファ層18は、薄すぎるとバッファ層の効果が少ない。一方、バッファ層18は厚すぎるとキャリア輸送に対する抵抗成分となること、及び生産適性の面から好ましくない。このため、バッファ層18の厚さは、30〜100nmであることが好ましい。
また、バッファ層18の成膜方法は、特に限定されるものではない。バッファ層18の成膜には、例えば、気相成膜法、溶液成長法、化学浴析出(CBD:Chemical Bath Deposition)法等の公知の成膜方法を用いることができる。
ここで、バッファ層18の成膜方法として、一般的に用いられているのは被覆性に優れ、光電変換層16へのダメージが少ないCBD法である。一例として硫化カドミウム(CdS)系化合物からなるバッファ層18を成膜する場合には、カドミウム源として硫化カドミウム(CdSO)、硫黄源としてチオ尿素(NHCSNH)、それにアンモニア水(NHOH)を加えた混合水溶液を用いる。この水溶液中に光電変換層16を成膜した基板12を浸し、所定の温度まで加熱させて、所定の時間保つことによりCdS系化合物からなるバッファ層18を光電変換層16上に成膜することができる。
バッファ層18のうち、II族又はIII族元素がCIGS膜(光電変換層16)中に拡散して、Cu空孔の位置に置換することにより、最表面にn型化したCIGS膜が形成され、CIGS膜中にホモ型pn接合が形成されると言われている。なお、CIGS膜最表面のOVC層では、II族元素が拡散しやすいと言われており、ホモ型pn接合形成を促進していると考えられている。
透明電極20は、バッファ層18上に形成された透明導電膜からなるものである。透明導電膜の形成材料は、特に限定されるものではなく、透明で導電性を有する材料が各種使用可能である。具体的には、ドーパントとしてアルミニウム、ガリウム、ボロンを添加させたものが用いられる。また、透明電極20は、例えば、ZnO、ITO(インジウム錫酸化物)又はSnO及びこれらを組み合わせたものにより構成される。この透明電極20は、単層構造でもよいし、2層構造等の積層構造でもよい。例えば、透明電極20として、ZnO/ITOといった積層構造のものも利用可能である。
透明電極20の厚さは、特に限定されるものではなく、0.3〜1.5μmであることが好ましい。
また、透明電極20の形成方法は、特に限定されるものではなく、公知の透明導電膜の成膜方法であれば良く、例えば、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法等の気相成膜法、又はCVD法等の化学気相成長法等により形成することができる。
なお、透明電極20の表面20aに、MgF等からなる反射防止膜が形成されていてもよい。
上部電極端子22は、光電変換素子10がセルの場合に、光電変換層16で発生した電流を透明電極20から取り出すための電極である。このため、上部電極端子22は、設けられていなくてもよい。
上部電極端子22は、例えば、矩形状であり、透明電極20の表面20aの端部に、図1中右側端部の表面に形成される。
なお、上部電極端子22は、例えば、アルミニウムより構成されるものである。この上部電極端子22は、例えば、スパッタ法、蒸着法、CVD法等によって形成される。
本実施形態の光電変換素子10においては、バッファ層18と透明電極20との間に窓層を形成された構成でもよい。窓層は、pn接合部に生じる並列抵抗成分を抑制するために、バッファ層18上に形成されるものであり、i−ZnO等からなる高抵抗の絶縁膜により構成される。この窓層は、例えば、スパッタリング法等により形成される。特に、CBD−CdS等のバッファ層18とZnO:Al等の透明電極20との間には、ZnO等の高抵抗膜からなる窓層を形成しておくことが好ましい。
次に、本実施形態の光電変換素子10の製造方法について説明する。
光電変換素子10は、例えば、インライン方式を用いて製造される。搬送形態は、枚葉式であってもロール・ツー・ロール方式であってもよい。本実施形態の光電変換素子10は、ロール・ツー・ロール方式で製造される。なお、以下の光電変換素子10の製造方法において、特に説明しなくともロール・ツー・ロール方式で製造されるものとする。
まず、基板12として、例えば、SUS基板とAl基板とが積層された複合金属基板を用意する。複合金属基板は、Al基板を陽極酸化処理することにより、絶縁層として陽極酸化膜が形成されている。
次に、基板12の表面、この場合、陽極酸化膜の表面にMo膜が、例えば、800nmの厚さに形成されており、このMo膜が裏面電極14となる。なお、例えば、スパッタ装置を用いてDCスパッタ法により、裏面電極14としてMo膜を基板12の表面に形成してもよい。
次に、裏面電極14の表面14aに光電変換層16として、例えば、膜厚2.5μmのCIGS膜を形成する。光電変換層16の形成方法については、後に詳細に説明する。
次に、光電変換層16上に、例えば、バッファ層18となる厚さ50nmのCdS層(n型半導体層)を、CBD法により形成する。これにより、光電変換層16とバッファ層18とでpn接合層が構成される。
なお、バッファ層18としては、CdS層に限定されるものではなく、In(S,OH)、又はZn(O,OH,S)等の少なくともIIB族元素及びVIB族元素を含む化合物層を、例えば、CBD法により形成してもよい。
バッファ層18形成後、バッファ層18上に、窓層として、例えば、厚さ10nmのZnO層を形成する。
次に、透明電極20となる、例えば、AlがドープされたZnO層を、成膜装置を用いて、DCスパッタ法により、例えば、厚さ300nm形成する。これにより、透明電極20が形成される。
次に、透明電極20の表面20aに、例えば、スパッタ法、蒸着法、CVD法により、アルミニウムからなる上部電極端子22を形成する。これにより、図1に示す光電変換素子10を形成することができる。
次に、光電変換層16の形成方法について説明する。光電変換層16は、インライン方式を用いて、裏面電極14の表面14aに形成される。なお、搬送形態は、上述のように枚葉式であっても、ロール・ツー・ロール方式であってもよい。
本実施形態では、光電変換層16は、例えば、図2に示すロール・ツー・ロール方式の化合物薄膜成膜装置30(以下、成膜装置30という)を用いて形成される。
成膜装置30は、回転軸38にロール状に巻回してなる長尺な基体Zを送り出し、ガイドローラ39aを経て、基体Zを、その長手方向(搬送方向D)に搬送しつつ、CIGS膜を形成し、成膜済みの基体Zを、ガイドローラ39bを経て巻取り軸38bに巻き取ってロール状にする成膜装置である。
回転軸38、ガイドローラ39a、39b及び巻取り軸38bにより搬送機構が構成される。なお、搬送機構としては、上述の構成以外にガイドローラ等を有していてもよいことはもちろんである。
回転軸38aは基体Zを巻き出し、基体Zを連続的に送り出すものである。回転軸38aは、例えば、駆動源としてモータ(図示せず)が接続されている。このモータによって回転軸38aが基体Zを巻き戻す方向UW、本実施形態では、反時計回りに回転されて基体Zが連続的に送り出される。
巻取り軸38bは、例えば、駆動源としてモータ(図示せず)が接続されている。このモータによって巻取り軸38bが基体Zを巻き取る方向WD、本実施形態では、反時計回りに回転されて成膜済みの基体Zが連続的に巻き取られる。
成膜装置30は、内部32aが所定の真空度に保たれるチャンバ32に配管35を介して真空排気部34が接続されている。このチャンバ32には、図示しないが、圧力計等、一般的なCIGS膜の成膜装置が具備するものが設けられている。制御部36により、成膜装置30の各構成が制御される。
成膜装置30には、成膜部40が設けられている。この成膜部40は、例えば、3段階でCIGS膜(光電変換層16)を形成するものである。
CIGS膜(光電変換層16)は、成膜途中でCuとIII族元素の比率を変えて基体Zに形成される。成膜部40では、2段階目が、CIGS膜においてCuとIII族元素の比率が1以上の条件で成膜するものであり、3段階目が、CIGS膜においてCuとIII族元素の比率が1未満の条件で成膜するものである。
最上流側の1段階目では、インジウム(In)の蒸着用るつぼ42a、ガリウム(Ga)の蒸着用るつぼ42b及びセレン(Se)の蒸着用るつぼ42cがチャンバ32の内部32aに配置されている。各蒸着用るつぼ42a〜42cは、それぞれ開口部を有し、各開口部からIn、Ga、Seの蒸気が放出される。1段階目では、後述するように(In,Ga)Se膜24(図3(a)参照)を形成する。
各蒸着用るつぼ42a〜42cには、それぞれ開口部に対して、例えば、移動機構(図示せず)により開閉自在なシャッタが設けられている。各シャッタにより、各蒸着用るつぼ42a〜42cの開口部が開放又は閉塞される。
各蒸着用るつぼ42a〜42cと基体Zを挟んで対向する位置に、加熱部49aが設けられている。加熱部49aは、基体Zを所定の温度に加熱するものであり、図示はしないが制御部36に接続されている。制御部36により、加熱部49aは所定の温度に調整されて、基体Zを所定の温度にする。
また、各蒸着用るつぼ42a〜42cは、チャンバ32外に設けられた第1の電源部48aに接続されている。第1の電源部48aにより、各蒸着用るつぼ42a〜42cが、それぞれ所定の温度に加熱保持されて、各蒸着用るつぼ42a〜42cからインジウム(In)、ガリウム(Ga)及びセレン(Se)の各蒸気が基体Zに放出される。
また、第1の電源部48aは、各蒸着用るつぼ42a〜42cの温度を、上昇又は下降させる機能を有する。第1の電源部48aは、制御部36に接続されており、温度上昇又は温度下降は、制御部36による設定されるとともに制御される。
1段階目の下流に位置する2段階目では、少なくとも銅(Cu)の蒸着用るつぼ44a、及びセレン(Se)の蒸着用るつぼ44bがチャンバ32の内部32aに配置されている。各蒸着用るつぼ44a、44bの構成は上述の蒸着用るつぼ42a〜44cと同様の構成であるため、その詳細な説明は省略する。2段階目では、後述するようにCuとIn及びGa(III族元素)との比率が1以上のCIGS膜26(図3(b)参照)を形成する。
各蒸着用るつぼ44a、44bは、第2の電源部48bに接続されている。この第2の電源部48bは、第1の電源部48aと同様の構成であるため、その詳細な説明は省略する。
また、各蒸着用るつぼ44a、44bと基体Zを挟んで対向する位置に、加熱部49bが設けられている。この加熱部49bは、加熱部49aと同様の構成であるため、その詳細な説明は省略する。
2段階目の下流に位置する3段階目では、インジウム(In)の蒸着用るつぼ46a、ガリウム(Ga)の蒸着用るつぼ46b及びセレン(Se)の蒸着用るつぼ46cがチャンバ32の内部32aに配置されている。各蒸着用るつぼ46a〜46cの構成は上述の蒸着用るつぼ42a〜44cと同様の構成であるため、その詳細な説明は省略する。3段階目では、後述するようにCuとIn及びGaとの比が1未満のCIGS膜28(図3(c)参照)を形成する。
各蒸着用るつぼ46a〜46cは、第3の電源部48cに接続されている。この第3の電源部48cは、第1の電源部48aと同様の構成であるため、その詳細な説明は省略する。
また、各蒸着用るつぼ46a〜46cと基体Zを挟んで対向する位置に、加熱部49cが設けられている。この加熱部49cは、加熱部49aと同様の構成であるため、その詳細な説明は省略する。
成膜装置30では、CIGS膜のCuとIII族元素の比率を2箇所の定点でモニタリングしている。成膜装置30には、2段階目と3段階目との間の第1の点Pに第1のモニタリング部50が設けられており、3段階目の搬送方向Dの下流側の第2の点Pに第2のモニタリング部52が設けられている。第1の点Pで、後述するInGaSe膜から銅豊富(Cu−rich)なCIGS膜への変化点が測定される。第2の点Pで、後述するCIGS膜における銅豊富組成から銅不足(Cu不足)組成への変化点が測定される。なお、モニタリングの箇所は2箇所に限定されるものではなく、2箇所以上であってもよい。
ここで、本発明者は、CIGS膜においてCuとIII族元素の比率について鋭意実験研究した結果、CIGS膜においては、成膜中の表面粗さと組成とが関連しており、膜の粗さが変わると、組成が変わることを見出した。具体的には、CIGS膜の反射率とCuとIII族元素の比率とに相関関係があることを見出している。そして、1つの波長ではなく、異なる波長の光、例えば、2つの波長の光を用いてCIGS膜の反射率を測定することにより、CuとIII族元素の比率を、高い精度で測定でき、CIGS膜の組成情報が得られることを見出した。本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。異なる波長の光としては、金属基板では、例えば、400nmから530nmまでの第1の波長領域の光と、800nmから900nmまでの第2の波長領域の光とを用いることが有効である。
本発明において第1の波長領域の光として用いる400nmから530nmまでの光(短波長領域の光)は、散乱光および表面粗さの影響を受け易いため波長に依存した光干渉による振幅が小さく、安定した反射光強度評価が得やすい利点がある。このため、InGaSe膜から銅豊富(Cu−rich)なCIGS膜への変化点(以下、M1定点という)では、上記短波長領域の光で測定することが有効である。
なお、波長が530nmを超える光では、光干渉の影響を受けて安定な反射光強度評価ができない。波長が400nm未満の光では、測定は可能であるものの、測定系、例えば、ガラスなどの吸収波長領域と重なってくるため、工業的な適用が困難となる。
一方、銅豊富(Cu豊富)組成となると結晶粒径が増大するが、この結晶粒径が増大した膜では、散乱光強度が過剰に大きくなるため、散乱光の影響を受け易い上記短波長領域の光では、反射光強度自体が非常に低くなってしまう。このことから、上記短波長領域の光だけでは、CIGS膜における銅豊富(Cu豊富)組成から銅不足(Cu不足)組成への変化点(以下、M2定点という)が分らなくなるため、本発明においては、第2の波長領域の光として800nmから900nmまでの光(長波長領域の光)を用いる。
なお、波長が900nmを超える光では、光干渉の影響を受けて安定な反射光強度評価ができない。また、波長が800nm未満の光では、銅豊富組成における反射光強度が低くM2定点の検出が困難である。
以上のことから、第1のモニタリング部50及び第2のモニタリング部52は、いずれも異なる波長の光を用いて反射率を測定するものとしている。
異なる波長の光としては、例えば、400nmから530nmまでの第1の波長領域の光と、例えば、800nmから900nmまでの第2の波長領域の光とが用いられる。
第1のモニタリング部50では、第1の波長領域の光及び第2の波長領域の光を測定光Lとして、CIGS膜26の表面26a(図3(b)参照)に照射し、測定光Lの各反射光を検知し、第1の波長領域の光及び第2の波長領域の光の反射率を測定する。
第2のモニタリング部52では、第1の波長領域の光及び第2の波長領域の光を測定光Lとして、CIGS膜28の表面28a(図3(c)参照)に照射し、CIGS膜に照射し、測定光Lの各反射光を検知し、第1の波長領域の光及び第2の波長領域の光の反射率を測定する。
本発明では、第1の波長領域の光の反射率とは、400nmから530nmまでの第1の波長領域の光の反射率の平均値である。第2の波長領域の光の反射率とは、800nmから900nmまでの第2の波長領域の光の反射率の平均値である。
なお、第1のモニタリング部50及び第2のモニタリング部52は、第1の波長領域の反射率と第2の波長領域の反射率を算出することができれば、第1の波長領域の光及び第2の波長領域の光を照射する光源、及び第1の波長領域の光及び第2の波長領域の光の検知する検知部等は反射率の測定に利用される公知のものが用いられる。
また、第1のモニタリング部50及び第2のモニタリング部52による測定箇所、すなわち、測定光L、Lを照射する位置は、少なくとも1箇所あればよい。
第1のモニタリング部50及び第2のモニタリング部52で測定された第1の波長領域の光の反射率及び第2の波長領域の光の反射率は、制御部36に出力される。制御部36では、第1の点Pにおける第1の波長領域の反射率をBとし、第2の波長領域の反射率をRとするとき、R/Bで規定される第1の比γを算出する。
また、第2の点Pにおける第1の波長領域の反射率をBとし、第2の波長領域の反射率をRとするとき、R/Bで規定される第2の比γを算出する。
更には、第1の点Pにおける第2の波長領域の反射率Rと第2の点Pにおける第2の波長領域の反射率Rとの比R/Rで規定される比γを算出する。
本実施形態においては、第1のモニタリング部50、第2のモニタリング部52及び制御部36で、本発明の測定部が構成される。
更には、本発明者は、上述の第1の点Pにおける第1の比γが2以上10以下の範囲にあると、CIGS膜においてCuとIII族元素の比率が1以上であることを見出している。上述のように、銅豊富組成では、結晶粒径が増大し散乱光が大きくなることで短波長領域での反射光強度が極端に小さくなることから、M1定点(InGaSe膜から銅豊富なCIGS膜への変化点)を見つけることができる。
なお、第1の比γが2未満では結晶粒径が十分大きくなっておらず、銅豊富組成が得られていない。一方、第1の比γが10よりも大きい場合には、極端に銅豊富組成となってしまっており、次段の3段階目で、銅不足組成に制御することが困難となる。
以上のことから、第1の比γが2以上10以下の範囲に入るように、例えば、制御部36では、第1のモニタリング部50で得られた反射率に基づいて、第2の電源部48bを制御し、2段階目の銅(Cu)の蒸着用るつぼ44a及びセレン(Se)の蒸着用るつぼ44bのうち、少なくとも1つの温度を変えて蒸着量を調整するフィードバック制御を行う。
更にまた、本発明者は、上述の第2の点Pにおける第2の比γが1以上5以下の範囲にあると、CIGS膜においてCuとIII族元素の比率が1未満であることを見出している。上述のように、M2定点において銅豊富組成から銅不足組成に変化する際、最表面にInGaSeの小さな結晶粒が堆積し、反射防止効果が付与される。このため、長波長領域の光の反射光強度が減少し、M2定点での第1の波長領域の反射率Bと、第2の波長領域の反射率Rとの差が減少することになる。
なお、第2の比γが5を超えると、銅豊富組成のままであり、第2の比γが1未満であると、結晶粒径が増大していない。
以上のことから、第2の比γが1以上5以下の範囲に入るように、例えば、制御部36では、第2のモニタリング部52で得られた反射率に基づいて、第3の電源部48cを制御し、3段階目のインジウム(In)の蒸着用るつぼ46a、ガリウム(Ga)の蒸着用るつぼ46b及びセレン(Se)の蒸着用るつぼ46cのうち、少なくとも1つの温度を変えて蒸着量を調整するフィードバック制御を行う。
本発明者は、上述の比R/Rで規定される比γに関しても、1.5以上5以下であることが好ましいことを見出した。
長波長領域の光を用いると、銅豊富組成で高い反射光強度を得ることができる。また、M2定点において銅豊富組成から銅不足組成に変化する際、長波長領域の光の反射光強度が減少する。このため、長波長領域の光での反射率を用いることにより、CIGS膜においてCuとIII族元素の比率が1以上になった後に、1未満になっているかを特定できる。
なお、比γが1.5未満では、銅豊富組成のままであり、比γが5を超えると、銅豊富組成のままであるか、又は結晶粒径が増大していない。
以上のことから、比γが1.5以上5以下の範囲に入るように、例えば、制御部36では、第1のモニタリング部50で得られた反射率、第2のモニタリング部52で得られた反射率に基づいて、第2の電源部48bを制御し、2段階目の銅(Cu)の蒸着用るつぼ44a及びセレン(Se)の蒸着用るつぼ44bのうち、少なくとも1つの温度を変えて蒸着量を調整するフィードバック制御を行うか、又は第3の電源部48cを制御し、3段階目のインジウム(In)の蒸着用るつぼ46a、ガリウム(Ga)の蒸着用るつぼ46b及びセレン(Se)の蒸着用るつぼ46cのうち、少なくとも1つの温度を変えて蒸着量を調整するフィードバック制御を行う。
以下、成膜装置30を用いた光電変換層16の形成方法について説明する。
成膜装置30においては、基体Zが回転軸38aにロール状に巻き回されている。ガイドローラ39a、39bを経て巻取り軸38bに取り付けられている。巻取り軸38bで巻き取られることにより、基体Zは搬送方向Dに搬送される。
この状態で、加熱部49aにより基体Zを、例えば、350℃に加熱する。そして、第1段階目で、基体Zの裏面電極14の表面14aにIn、Ga及びSeを蒸着する。これにより、図3(a)に示すように、(In,Ga)Se膜24が形成される。
次に、加熱部49bにより基体Zを、例えば、550℃に加熱する。2段階目において、Cu及びSeを、(In,Ga)Se膜24の表面24aに蒸着する。
ここで、Cu:(In+Ga):Se=1:1:2に達した時点で、カルコパイライト構造のCu(In,Ga)Se結晶が形成される。さらにCu,Seの蒸着を続けることで、最表面にCuxSe層が生成され、Cu過剰組成となる。このようなことから、図3(b)に示すように、CuとIn及びGa(III族元素)との比率が1以上のCIGS膜26となる。
2段階目では、CuとIn及びGa(III族元素)との比率が1以上の条件で成膜している。組成比率の情報を得るため、第1の点PをCIGS膜26が通過するとき、CIGS膜26の表面26aに、第1のモニタリング部50から測定光Lを照射し、反射率を測定し、第1の比γを求める。このとき、第1の比γが2以上10以下の範囲であれば、CuとIII族元素の比率は1以上であり、所定の組成を有するCIGS膜26が形成されている。このようにして、Cu過剰組成をモニタしている。
一方、第1の比γが上記範囲から外れる場合には、制御部36により、第1のモニタリング部50で得られた反射率に基づいて、第2の電源部48bが制御されて、るつぼの温度が調整され、2段階目のCuの蒸着量及びSeの蒸着量のうち、少なくとも1つの蒸着量が調整される。
次に、3段階目においては、加熱部49cにより基体Zを、例えば、550℃に加熱した状態で、CIGS膜26にIn、Ga及びSeを蒸着する。このとき、3段階目のIn、Ga及びSeの蒸着量は、第1の比γの値に応じて調整される。これにより、Cu過剰組成から僅かにCu不足組成になる。すなわち、図3(c)に示すように、CuとIn及びGaとの比が1未満のCIGS膜28が得られる。このCIGS膜28が光電変換層16になる。
3段階目では、CuとIn及びGa(III族元素)との比率が1未満の条件で成膜している。組成比率の情報を得るため、第2の点PをCIGS膜28が通過するとき、CIGS膜28の表面28aに、第2のモニタリング部52から測定光Lを照射し、反射率を測定する。このとき、第2の比γが1以上5以下の範囲であれば、CuとIII族元素の比率は1未満であり、所定の組成を有するCIGS膜28が形成されている。このようにして、Cu不足組成をモニタしている。
一方、第2の比γが上記範囲から外れる場合には、制御部36により、第2のモニタリング部55で得られた反射率に基づいて、第3の電源部48cが制御されて、るつぼの温度が調整され、3段階目のInの蒸着量、Gaの蒸着量及びSeの蒸着量のうち、少なくとも1つの蒸着量が調整される。
CuとIII族元素の比率において、Cu過剰組成と、Cu不足組成とを評価しつつ成膜することにより、光電変換層16が所定の組成となるように形成することができる。
本実施形態においては、更に、比γが1.5以上5以下の範囲に入るように制御してもよい。この場合においても、CuとIII族元素の比率において、Cu過剰組成と、Cu不足組成とを評価しつつ成膜することにより、光電変換層16が所定の組成となるように形成することができる。
以上ようにして、光電変換層16が形成される。
本実施形態においては、少なくとも2点以上の定点モニタを行うことにより、定点観測が困難なインライン方式においても、CIGS膜において、Cu過剰な膜質の制御と、最終的なIII族過剰な膜質の制御を実現できる。このように、少なくとも2点以上の定点モニタを行うことで、基板の表面粗さの違い又はモニタの位置の違いにより、反射率の絶対値での評価が困難な場合においても、最終的なIII族過剰なCIGS膜の組成制御の確率が向上し、平均変換効率を、例えば、2%以上向上させることができる。
また、第1の点Pでのモニタリングにより、CIGS膜のCu過剰割合を制御することができ、CIGS膜の粒径を増大させることができる。第2の点Pでのモニタリングにより、CIGS膜のIII族過剰割合を制御することができ、シャントパスの少ない光電変換素子を安定的に得ることができる。この点からも、平均変換効率を向上させることができる。
本発明は、基本的に以上のように構成されるものである。以上、本発明の化合物薄膜成膜方法及び化合物薄膜成膜装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良又は変更をしてもよいのはもちろんである。
以下、本発明の化合物薄膜成膜方法及び化合物薄膜成膜装置の効果について、より具体的に説明する。なお、以下に示す例に、本発明は限定されるものではない。
本実施例において、後に詳細に示す基板1又は基板2を用いて、実施例1〜5ならびに比較例1及び比較例2の光電変換素子を以下に詳細に説明するようにして作製した。各光電変換素子について、AM(Air mass)1.5、100mW/cmの疑似太陽を用いて、変換効率を測定した。その結果を下記表1に示す。
基板1は、裏面電極として、Moを800nm成膜した陽極酸化ポーラスアルミナ基板である。陽極酸化ポーラスアルミナ基板とは、アルミニウム基板の片側表面を陽極酸化処理して多孔質のアルミナ層が絶縁層として形成されたものである。陽極酸化ポーラスアルミナ基板の厚さは0.08mmである。
基板2は、裏面電極として、Moを800nm成膜した陽極酸化ポーラスアルミナ基板と、この陽極酸化ポーラスアルミナ基板のアルミナ層が形成されていない面に設けられたSUS基板との積層基板である。なお、陽極酸化ポーラスアルミナ基板の厚さは0.08mmであり、SUS基板の厚さは0.05mmである。
(実施例1〜5)
実施例1では、基板として、上記基板1を用いた。
図2に示す成膜装置30を用いたロール・ツー・ロール方式で、光電変換層として、厚さが2μmのCIGS膜を形成した。なお、1段階目の基板温度を350℃、2段階目の基板温度を550℃、3段階目の温度を550℃とした。
CIGS膜形成時には、上述のように第1の比γが2以上10以下の範囲、第2の比γが1以上5以下の範囲となるように制御した。
次に、光電変換層上に、バッファ層として、化学析出法により、厚さが50nmのCdS層を形成した。
次に、バッファ層上に、スパッタ法により、厚さが300nmのAl添加ZnO膜(AZO膜)を形成し、透明電極とした。なお、AZO膜の抵抗率は、5.0×10−4Ω・cmであった。
次に、透明電極の表面の一部に、上部電極端子として、蒸着法により、厚さが1μmのアルミニウム膜を形成し、セル化して実施例1の光電変換素子を作製した。
このようにして作製した実施例1の光電変換素子は、図1に示す光電変換素子10と同様の構成である。
実施例2は、基板2を用いた以外は、実施例1と全く同様にして作製したものである。このため、実施例2の構成及び作製方法に関する詳細な説明は省略する。
実施例3〜5は、実施例1と同じく、CIGS膜形成時に上述のように第1の比γが2以上10以下の範囲、第2の比γが1以上5以下の範囲となるように制御して作製したものである。その他も、実施例1と全く同様にして作製されたものである。このため、実施例3〜5の構成及び作製方法に関する詳細な説明は省略する。
なお、実施例1〜5においては、CIGS膜形成時、第1の比γ、第2の比γ及び比γを算出している。
(比較例1、2)
比較例1は、基板1を用い、CIGS膜形成時に上述のように第1の比γが2以上10以下の範囲、第2の比γが1以上5以下の範囲となるように制御をしなかった点を除いて、実施例1と全く同様にして作製したものである。このため、比較例1の構成及び作製方法に関する詳細な説明は省略する。
比較例2は、基板1を用い、CIGS膜形成時に上述のように第1の比γが2以上10以下の範囲となるように制御し、第2の比γについては制御をしなかった点を除いて、実施例1と全く同様にして作製したものである。このため、比較例2の構成及び作製方法に関する詳細な説明は省略する。
比較例1は、2段階目においてCu過剰な組成にならなかった。比較例2は、最終的な組成がCu過剰であり、Cu不足組成に制御できなかった。
なお、比較例1においては、上述のようにCIGS膜形成時に制御していないが、第1の比γ、第2の比γ及び比γは算出している。第1の比γを制御した比較例2についても、第1の比γ、第2の比γ及び比γは算出している。
下記表1に、実施例1〜5及び比較例1、2の第1の比γ、第2の比γ及び比γのモニタリング結果を示す。
上記表1に示すように、実施例1〜実施例5は、第1の比γ、第2の比γ及び比γが好ましい範囲にあるため、平均変換効率を約16%とすることができた。
一方、CIGS膜形成時に制御していない比較例1においては、2段階目においてCu過剰な組成にならなかったため、第1の比γの値が小さく、変換効率が低い。また、第1の比γを制御した比較例2では、Cu過剰が得られたが、最終的な組成をCu不足組成に制御できなかったため、第2の比γの値が大きく、変換効率が低い。
このように、本発明の化合物薄膜成膜方法により、変換効率を高くすることができ、比較例1、2に示すような変換効率が低いものの割合を減らすことができる。
10 光電変換素子
12 絶縁性基板(基板)
14 裏面電極
16 光電変換層
18 バッファ層
20 透明電極
22 上部電極端子
30 化合物薄膜成膜装置(成膜装置)
50 第1のモニタリング部
52 第2のモニタリング部

Claims (15)

  1. インライン方式を用い、基板を搬送しながら、前記基板上にCIS系化合物薄膜を蒸着により成膜する方法であって、
    成膜途中のCIS系化合物薄膜について、少なくとも2箇所の定点で、異なる波長の光を用いて反射率を測定する測定工程と、
    前記反射率の各測定値により、前記成膜途中のCIS系化合物薄膜の組成情報を得て、前記CIS系化合物薄膜の組成を制御する制御工程とを有することを特徴とする化合物薄膜の成膜方法。
  2. 前記基板は、金属基板である請求項1に記載の化合物薄膜の成膜方法。
  3. 前記CIS系化合物薄膜は、成膜途中でCuとIII族元素の比率が1以上の条件で成膜された後、前記CuとIII族元素の比率が1未満の条件で成膜されて形成されるものであり、
    前記定点は、前記CuとIII族元素の比率が1以上の条件で成膜された後の第1の点と、前記CuとIII族元素の比率が1未満の条件で成膜された後の第2の点の少なくとも2箇所である請求項1又は2に記載の化合物薄膜の成膜方法。
  4. 前記反射率の測定に用いられる前記異なる波長の光には、400nmから530nmまでの第1の波長領域の光と、800nmから900nmまでの第2の波長領域の光とが用いられる請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物薄膜の成膜方法。
  5. 前記第1の点における前記第1の波長領域の反射率をBとし、前記第2の波長領域の反射率をRとするとき、R/Bで規定される第1の比γは2以上10以下であり、
    前記第2の点における前記第1の波長領域の反射率をBとし、前記第2の波長領域の反射率をRとするとき、R/Bで規定される第2の比γは1以上5以下である請求項4に記載の化合物薄膜の成膜方法。
  6. 前記第2の波長領域の反射率Rと前記第2の波長領域の反射率Rとの比R/Rで規定される比γは1.5以上5以下である請求項4に記載の化合物薄膜の成膜方法。
  7. 前記制御工程は、前記反射率の各測定値に基づいて、蒸着条件をCuとIII族元素の比率が所定の値になるように調整する請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物薄膜の成膜方法。
  8. 前記基板に導電膜が形成されており、前記CIS系化合物薄膜は、前記導電膜上に形成される請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物薄膜の成膜方法。
  9. インライン方式を用い、基板上にCIS系化合物薄膜を成膜する化合物薄膜成膜装置であって、
    前記基板を搬送する搬送機構と、
    前記搬送機構により搬送された前記基板上に、蒸着により前記CIS系化合物薄膜を形成する成膜部と、
    成膜途中のCIS系化合物薄膜について、少なくとも2箇所の定点で、異なる波長の光を用いて反射率を測定する測定部と、
    前記反射率の各測定値により、前記成膜途中のCIS系化合物薄膜の組成情報を得て、前記成膜部によって形成される前記CIS系化合物薄膜の組成を制御する制御部を有することを特徴とする化合物薄膜成膜装置。
  10. 前記基板は、金属基板である請求項9に記載の化合物薄膜成膜装置。
  11. 前記成膜部は、前記CIS系化合物薄膜は、成膜途中でCuとIII族元素の比率が1以上の条件で成膜した後、前記CuとIII族元素の比率が1未満の条件で成膜されて形成するものであり、
    前記測定部は、前記CuとIII族元素の比率が1以上の条件で成膜された後の第1の点と、前記CuとIII族元素の比率が1未満の条件で成膜された後の第2の点の少なくとも2箇所で前記反射率を測定する請求項9又は10に記載の化合物薄膜成膜装置。
  12. 前記反射率の測定に用いられる前記異なる波長の光には、400nmから530nmまでの第1の波長領域の光と、800nmから900nmまでの第2の波長領域の光とが用いられ、前記測定部は、前記第1の波長領域の反射率及び前記第2の波長領域の反射率を測定する請求項9〜11のいずれか1項に記載の化合物薄膜成膜装置。
  13. 前記測定部は、前記第1の点における前記第1の波長領域の反射率をBとし、前記第2の波長領域の反射率をRとするとき、R/Bで規定される第1の比γを算出するとともに、
    前記第2の点における前記第1の波長領域の反射率をBとし、前記第2の波長領域の反射率をRとするとき、R/Bで規定される第2の比γを算出する請求項12に記載の化合物薄膜成膜装置。
  14. 前記測定部は、前記第2の波長領域の反射率Rと前記第2の波長領域の反射率Rとの比R/Rで規定される比γを算出する請求項12に記載の化合物薄膜成膜装置。
  15. 前記制御部は、前記反射率の各測定値に基づいて、前記成膜部の蒸着条件をCuとIII族元素の比率が所定の値になるように調整する請求項9〜14のいずれか1項に記載の化合物薄膜成膜装置。
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