JP2014085808A - 乗員情報送受信装置、乗員情報送受信システム及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】乗員の安否に関する情報を関係者が確認することができるようになる乗員情報送受信装置、乗員情報送受信システム、及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】安否情報ECU1は、災害発生を検知した場合、ナビECU2の操作部を利用して乗員が行なう行動情報を取得し、車両の位置情報を含む車両情報と、車両のID情報と共に安否確認サーバ4へ送信する。これにより、安否確認サーバ4にて、車両の乗員の行動情報の記録が可能となり、災害発生時の乗員の安否確認の手がかりとなる。
【選択図】図1
【解決手段】安否情報ECU1は、災害発生を検知した場合、ナビECU2の操作部を利用して乗員が行なう行動情報を取得し、車両の位置情報を含む車両情報と、車両のID情報と共に安否確認サーバ4へ送信する。これにより、安否確認サーバ4にて、車両の乗員の行動情報の記録が可能となり、災害発生時の乗員の安否確認の手がかりとなる。
【選択図】図1
Description
本発明は、災害発生時における車両の乗員の安全確保に関する技術に関し、特に、乗員の安否に関する情報を関係者が確認することができるようになる乗員情報送受信装置、乗員情報送受信システム、及びコンピュータプログラムに関する。
車両にて移動中の乗員が地震等の自然災害、又は交通事故等の災害に遭遇した場合、乗員が所持する携帯電話機等の車外との通信手段の機能が絶たれたり、怪我によって行動を起こせなくなったりしたとき、乗員は孤立無援となる。また、乗員は、外部との通信手段を失った場合、現状の把握が困難となり、危険回避のためにどのような行動をすべきか判断することが難しくなる。
災害時における車両側からの安全支援対策として、緊急地震速報を受信する機能を有して地震発生の告知を行なったり、緊急地震速報を受信した場合に、車内の表示装置に車両後方を撮影した映像を表示したりする技術が提案されている(例えば、特許文献1)。提案されている技術によれば、地震等が起こった場合に後方を確認させ、まず、車両を安全に停車させることが可能となる。
提案されている技術によれば、地震が発生し、運転継続には危険な大きな揺れが到来することが乗員に告知され、安全を確保する行動のための時間的余裕をある程度与えることは可能である。更に後方の映像を表示するなどすることで、車両側から安全を確保する行動を支援することが可能となる。
自然災害又は事故が発生した場合に、車両で移動していた人物自身が携帯電話機を操作することによって外部に連絡していない限り、当該人物の安否が不明になり、孤立無援になる可能性がある。大災害が発生した場合、乗員から連絡ができない事態が発生することもあり、車両の情報を残すことで、安否確認の手がかりになることが期待される。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、車両の乗員の安否確認の手がかりとなる情報を車内外に残すことが可能な乗員情報受信装置、乗員情報送受信システム、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る乗員情報送受信装置は、車両に搭載され、該車両の外部との通信手段を用いて、災害発生に遭遇した前記車両の乗員の情報を送受信させる乗員情報送受信装置であって、災害の発生に際して乗員が行なう行動の内容、又は前記災害に対する乗員の行動の有無を示す行動情報を取得する行動情報取得手段と、前記車両の位置情報を含む車両情報を取得する車両情報取得手段と、前記行動情報及び車両情報を前記通信手段により外部へ送信させる手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係る乗員情報送受信装置は、前記行動情報及び車両情報を記録する記録手段を更に備えることを特徴とする。
本発明に係る乗員情報送受信装置は、前記行動情報には、前記乗員の行先を示す情報が含まれることを特徴とする。
本発明に係る乗員情報送受信装置は、前記記録手段に記録された前記行動情報及び車両情報を出力する手段を更に備えることを特徴とする。
本発明に係る乗員情報送受信装置は、乗員の安否情報を受け付ける手段と、受け付けた安否情報を前記通信手段により外部へ送信する手段とを更に備えることを特徴とする。
本発明に係る乗員情報送受信装置は、前記乗員の安否情報には、乗員の人数が含まれることを特徴とする。
本発明に係る乗員情報送受信装置は、災害の発生を検知する検知手段と、該検知手段が検知した場合、前記車両の位置に基づき、前記車両の周辺の地理情報を取得する手段と、
前記地理情報を通知する手段とを更に備えることを特徴とする。
前記地理情報を通知する手段とを更に備えることを特徴とする。
本発明に係る乗員情報送受信装置は、前記車両情報取得手段は、浸水の有無を検知する検知手段からの情報、前記車両の運転操作の異常の有無を示す情報、又は車両の安全装置の作動の有無を示す情報を取得する手段を有することを特徴とする。
本発明に係る乗員情報送受信装置は、災害発生に際して乗員が行なう行動内容の候補となる複数の行動選択肢を出力する出力手段と、該行動選択肢の内のいずれかの選択を受け付ける受付手段とを更に備え、前記行動情報取得手段は、前記受付手段が受け付けた選択肢の行動内容を取得するようにしてあることを特徴とする。
本発明に係る乗員情報送受信装置は、前記行動選択肢には、安全確認の上での運転続行、及び、避難場所への走行、避難場所への徒歩での移動、現在地での待機、自宅への帰還、又は、他の行先への走行が含まれることを特徴とする。
本発明に係る乗員情報送受信システムは、車両に搭載され、該車両の外部との通信手段を用いて、災害発生に遭遇した前記車両の乗員の情報を送受信させる乗員情報送受信装置と、該乗員情報送受信装置からの情報を受信する情報受信装置とを含む乗員情報送受信システムであって、前記乗員情報送受信装置は、災害の発生に際して乗員が行なう行動の内容、又は前記災害に対する乗員の行動の有無を示す行動情報を取得する行動情報取得手段と、前記車両の位置情報を含む車両情報を取得する車両情報取得手段と、前記行動情報及び車両情報を、前記車両の識別情報と共に前記通信手段により前記情報受信装置へ送信させる手段とを備え、前記情報受信装置は、受信した前記行動情報及び車両情報を、共に受信した車両の識別情報に対応付けて記録する手段を備えることを特徴とする。
本発明に係る乗員情報送受信システムは、前記情報受信装置は、車両の識別情報を含む問い合わせを受け付ける手段と、前記問い合わせに対し、前記車両の識別情報に対応付けられて記録された前記行動情報及び車両情報を応答する手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係るコンピュータプログラムは、車両に搭載され、前記車両外との通信手段と接続されるコンピュータに、災害発生に際した乗員の情報を送受信させるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータに、災害の発生に際して乗員が行なう行動の内容、又は前記災害に対する乗員の行動の有無を示す行動情報を取得するステップ、前記車両の位置情報を含む車両情報を取得するステップ、及び、前記行動情報及び車両情報を前記通信手段により外部へ送信するステップを実行させることを特徴とする。
本発明では、車両にて移動中の乗員が災害に遭遇した場合に行なう行動の内容、又は行動ができなかったか否かを示す行動の有無を示す行動情報が車両に搭載される乗員情報送受信装置により取得される。更に、車両の位置情報を含む車両の状況を示す車両情報が乗員情報送受信装置により取得される。乗員情報送受信装置により取得された乗員の行動情報及び車両情報は、車両に搭載される通信手段を介して外部(車外に設置された情報受信装置)へ送信される。
なお災害とは、暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火等の異常な自然現象、及び該自然現象に伴なって発生する火災、爆発、水害、土砂災害、建築物倒壊等の自然災害、並びに、人為的に発生した火災、爆発又は交通事故等の災害を含む。
なお災害とは、暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火等の異常な自然現象、及び該自然現象に伴なって発生する火災、爆発、水害、土砂災害、建築物倒壊等の自然災害、並びに、人為的に発生した火災、爆発又は交通事故等の災害を含む。
本発明では、乗員情報送受信装置により取得された乗員の行動情報及び車両情報は、装置が備える記録手段に記録される。車内に記録が残ることによって、事後的に当該情報を手がかりに乗員の安否の確認がとれる可能性が高まる。
本発明では、乗員情報送受信装置にて取得される行動情報としては例えば、災害に遭遇した乗員の行き先を示す情報が含まれる。行き先は、自宅、避難所、又はその他の目的地であり、行き先という乗員の意思を手がかりに、乗員の安否の確認が可能となる。
本発明では、乗員情報送受信装置の記録手段に記録された乗員の行動情報及び車両情報は、データとして外部へ、表示手段によって、又は音声出力手段によって外部へ出力することが可能である。事後的に車内の乗員情報送受信装置から、行動情報及び車両情報を取得することが容易となる。
本発明では、乗員の怪我の有無等を含む安否情報が受け付けられ、安否情報が外部(車外に設置された情報受信装置)へ送信される。安否情報には、乗員の人数、乗員を特定する名前などの情報が含まれてもよい。安否情報が車両を介して残されることにより、乗員の安否確認の手がかりとなる。
本発明では、災害発生を示す災害情報の受信が検知された場合、車両の位置に基づき、車両の周辺の地理情報が取得され、取得された地理情報が通知される。通知の方法は、車両に搭載されている表示手段による表示、又は音声出力手段による音声出力などがある。このとき、地理情報と共に、受信された災害情報の内容自体が出力されてもよい。地理情報は例えば、海、河川の有無、海からの距離、標高、河川からの高さ等を含む。また災害情報として、降雨量の分布、火災の発生地点、土砂災害の発生地点、危険物質の散乱等の有無を地理情報と合わせて出力するようにしてもよい。乗員情報送受信装置では、乗員情報を車内外で記録に残すのみならず、災害が発生した場合に乗員の危険回避を支援することが可能となる。
本発明では、車両の状況を示す車両情報として、浸水の有無を検知する検知手段からの情報、車両の操作に係る異常の有無を示す情報、又は車両の安全装置の作動の有無を示す情報が取得される。乗員の行動が無かった場合であっても、車両の位置及び車両の状況を示す車両情報が車外又は車内に記録されることにより、乗員の安否確認の手がかりとなる。
本発明では、災害発生時に想定される乗員の行動内容が選択肢として出力され、選択肢の内のいずれかの選択の受け付けにより、乗員が行なう行動の内容を示す行動情報が取得される。なお、行動選択肢からの選択を促す通知を乗員へ行なうようにしてもよい。行動選択肢としては例えば、安全確認の上での運転続行、及び、避難場所への走行、避難場所への徒歩での移動、自宅への帰還、又は、他の行き先への走行が含まれる。
本発明による場合、車両にて移動中の乗員が災害に遭遇した場合に行なう行動の内容の情報と、車両の位置情報とが外部へ送信されるか、又は車内に記録されて残るので、乗員の安否確認の手がかりとすることができる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
(実施の形態1)
実施の形態1における乗員情報送受信システムは、車両に搭載される安否情報ECU(Electronic Control Unit )により、車両の周辺に災害が発生した場合に、当該車両の乗員に関する情報を内外に記録し、乗員の関係者による安否確認、又は捜索の手がかりとなる情報をより多く残すことを実現するものである。
実施の形態1における乗員情報送受信システムは、車両に搭載される安否情報ECU(Electronic Control Unit )により、車両の周辺に災害が発生した場合に、当該車両の乗員に関する情報を内外に記録し、乗員の関係者による安否確認、又は捜索の手がかりとなる情報をより多く残すことを実現するものである。
図1は、実施の形態1における乗員情報送受信システムの構成を模式的に示す模式図である。乗員情報送受信システムは、車両に搭載される安否情報ECU1、及びナビゲーションシステムECU2(以下、ナビECUという)、並びに、車外の管理センターに設置されている安否確認サーバ4を含む。
安否情報ECU1及びナビECU2は、車内通信線3を介して接続され、情報の送受信が可能である。実施の形態1における安否確認サーバ4は、インターネット等のネットワークNに接続されている。安否情報ECU1は、車内に持ち込まれる携帯電話機5のデザリング機能によりアクセスポイントAPと接続し、ネットワークNを介して安否確認サーバ4と通信することが可能である。
図2は、乗員情報送受信システムを構成する安否情報ECU1及びナビECU2の内部構成を示すブロック図である。
安否情報ECU1は、車両に搭載されるECUの1つである。安否情報ECU1は、制御部10、記録部11、災害発生検知部12、車外通信部13、車内通信部14、及び位置情報取得部15を備える。
制御部10は、CPU(Central Processing Unit )100、ROM(Read Only Memory)101及びRAM(Random Access Memory)102を含むマイクロコンピュータにより構成される。制御部10では、ROM101に記録されている制御プログラム1PをCPU100が実行することにより、以下に示す乗員情報送受信処理を実行する。
記録部11は、フラッシュメモリ等の不揮発性記録媒体を用いる。制御部10は、記録部11への情報の読み書きを行なう。記録部11には車両の出荷時などに予め、車両を特定するID情報が記録されている。また記録部11には予め、災害に際して乗員が行なう行動として想定される行動情報が、複数の選択肢として記録されてある。選択肢は例えば、以下のような内容である。
1:海岸からの距離が近いため、高台へ避難(車両にて移動)
2:海岸からの距離が近いため、高台へ避難(徒歩にて移動)
3:海岸からの距離が遠く、津波の心配がないため、避難所へ避難(車両にて移動)
4:海岸からの距離が遠く、津波の心配がないため、避難所へ避難(徒歩にて移動)
5:現在地での待機
6:自宅へ帰還(走行)
7:その他の行き先(予め登録)へ車両にて移動
8:安全が確認できたため、通常運転へ戻る
1:海岸からの距離が近いため、高台へ避難(車両にて移動)
2:海岸からの距離が近いため、高台へ避難(徒歩にて移動)
3:海岸からの距離が遠く、津波の心配がないため、避難所へ避難(車両にて移動)
4:海岸からの距離が遠く、津波の心配がないため、避難所へ避難(徒歩にて移動)
5:現在地での待機
6:自宅へ帰還(走行)
7:その他の行き先(予め登録)へ車両にて移動
8:安全が確認できたため、通常運転へ戻る
災害発生検知部12は、災害発生を検知する機能を有する。災害発生検知部12は例えばFMアンテナを有し、FM電波によって発信される緊急地震速報を受信することによって災害発生を検知する。災害発生検知部12は、災害発生を検知した場合、制御部10へ通知する。
車外通信部13は、車外の通信装置との無線による情報の送受信を実現する。具体的には、例えば車外通信部13は、車内に持ち込まれた携帯電話機5を介したテザリングの機能により、安否確認サーバ4への情報の送信を実現する。また、車外通信部13は、上述したような車内に持ち込まれた携帯電話機5によるテザリングの機能による通信ではなく、携帯電話機ユニットを専用的に用いるものであってもよい。車外通信部13に携帯電話機ユニットを用いる場合、上述の災害発生検知部12における緊急地震速報の受信を、通信事業者のサービスによって一斉配信されるメッセージの受信に代替することも可能である。また車外通信部13は、道路周辺に設置されたビーコン又は路側機との通信を実現する通信ユニットを用い、ビーコン又は路側機及びVICS(Vehicle Information and Communication System)(登録商標)通信網を介して安否確認サーバ4への情報の送信を実現する専用の通信装置であってもよい。なおこのとき、通信ユニットは、車両に既設されているものを兼用的に利用する構成としてもよい。
車内通信部14は、車内通信線3に接続し、制御部10のネットワークコントローラ機能に基づく指示に従って他のECUとの間で情報を送受信する。例えば車内通信部14は、CAN(Controller Area Network )のプロトコルによる通信を実現する。安否情報ECU1は、車内通信部14によりナビECU2と通信することが可能である。また制御部10は、車内通信部14により、車速の情報を取得することが可能である。更に制御部10は、車内通信部14により、走行制御系のECUからの情報を受信し、異常な運転操作(急ハンドル、急な減速)を検知するか、又は、ABS(Anti-lock Brake System)作動の有無の情報を受信することによって危険回避制御が行なわれたことを検知することが可能である。
位置情報取得部15は、車両の現在の位置情報を取得する機能を有する。具体的には、位置情報取得部15は、GPS(Global Positioning System )受信機を有し、車両が位置する緯度及び経度の情報を取得する。制御部10は、位置情報取得部15によって車両の位置情報を取得することが可能である。なお、位置情報取得部15は、以下に示すナビECU2の機能により得られる位置情報を、車内通信部14を介して取得する構成としてもよい。
ナビECU2は、車両に搭載されるECUの1つであって、公知のナビゲーションシステムを実現する。ナビECU2は、制御部20、表示部21、音声出力部22、操作部23、及び車内通信部24を備える。
制御部20は、CPU200、ROM201及びRAM202により構成される。制御部20は、表示部21、音声出力部22及び操作部23、並びに図示しないGPS受信機等の構成部を制御する。
表示部21は、液晶パネルを用い、タッチパネルを内蔵する。表示部21は、制御部20から与えられた情報に基づき画像又は文字を表示する。
音声出力部22は、スピーカを用いる。制御部20から与えられた音声信号に基づき、音声を出力する。
操作部23は、表示部21に内蔵されたタッチパネル、表示部21周辺に配されるボタン及びダイヤルを用いる。操作部23は、タッチパネル、ボタン及びダイヤルの操作に応じた信号を検知し、制御部20へ通知する。
車内通信部24は、車内通信線3に接続し、制御部20のネットワークコントローラの機能に基づく指示に従って他のECUとの間で情報を送受信する。車内通信部24は、安否情報ECU1の車内通信部14と同様の通信プロトコルに基づき通信を実現する。
なお、ナビECU2は、安否情報ECU1の記録部11に記録してある行動情報の選択肢の内容を夫々文字情報として記録しておき、安否情報ECU1との間で、選択肢の情報を番号等の情報でやりとりするようにしてもよい。
図3は、乗員情報送受信システムを構成する安否確認サーバ4の内部構成を示すブロック図である。
安否確認サーバ4は、サーバコンピュータを用い、制御部40、記録部41、通信部42を備える。
制御部40は、CPUを用いる。制御部40は、記録部41に記録してあるコンピュータプログラムを実行することにより、後述する乗員に関する情報の記録、及び、携帯電話機などの通信端末装置からの問い合わせへの応答を実現する。
記録部41は、ハードディスク又はSSD(Solid State Drive )を用いる。制御部40は、記録部41への情報の読み書きが可能である。記録部41には、車両のID情報が予め記録されている。車両のID情報には、車両の所有者(ユーザ)を識別する情報が関連付けて登録されてある。また記録部41には、後述する処理により、安否情報ECU1から送信される車両の乗員の安否情報が記録される。
通信部42は、ネットワークNを介した通信を実現する。具体的には通信部42は、安否確認サーバ4と、安否情報ECU1、携帯電話機5又は他の携帯電話機等の通信端末装置との情報の送受信を実現する。
上述のように構成される乗員情報送受信システムにて実行される処理について、フローチャートを参照して説明する。まず、車両に搭載される安否情報ECU1及びナビECU2によって、車両の乗員の安否情報が記録されるまでの処理について説明する。
図4及び図5は、実施の形態1における安否情報ECU1及びナビECU2によって実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。
安否情報ECU1の制御部10は、災害発生検知部12により災害発生を検知したか否かを判断する(ステップS101)。災害発生検知部12は、上述したように、緊急地震速報を受信した場合に制御部10へ通知するので、制御部10は通知を受けることによって災害発生を検知する。制御部10は、災害発生を検知していないと判断した場合(S101:NO)、処理をステップS101へ戻し、災害発生を検知したと判断するまで待機する。
制御部10は、災害発生を検知したと判断した場合(S101:YES)、位置情報取得部15により、車両の現在の位置情報を取得する(ステップS102)。制御部10は、取得した位置情報を記録部11に記録する(ステップS103)。制御部10は、記録部11から車両のID情報を取得する(ステップS104)。制御部10は、取得した位置情報及び車両のID情報を車外通信部13により安否確認サーバ4へ送信する(ステップS105)。
制御部10は、車内通信部14を介してナビECU2へ災害情報、並びに情報の表示、及び音声出力の指示を送信する(ステップS106)。制御部10はこのタイミングで、車内通信部14により、ボディ系のECUへ、ハザードランプの点灯を指示する情報を送信して点灯させるようにしてもよい。このとき制御部10は、車内通信線3を介さずにハザードランプを直接的に点灯させるようにしてもよい。
ナビECU2では、制御部20が車内通信部24によって安否情報ECU1から災害情報、並びに情報の表示及び音声出力の指示を受信したか否かを判断する(ステップS107)。制御部20は、災害情報を受信していないと判断した場合(S107:NO)、処理をステップS107へ戻し、安否情報ECU1から災害情報を受信したと判断するまで通常のナビ機能の処理を実行する。
制御部20は、安否情報ECU1から災害情報を受信したと判断した場合(ステップS107:YES)、受信した災害情報を表示部21へ表示し(ステップS108)、災害の発生を知らせる音声を音声出力部22から出力させる(ステップS109)。このとき制御部20は、表示部21及び音声出力部22により、運転者へ車両を停車させる指示を通知するようにすることが好ましい。例えば制御部20は、音声出力部22により「ハザードをたき、ゆっくりと減速して道路の脇など安全な場所に停車してください。」などと通知する。制御部20は、発生した災害の内容を知らせる情報(例えば、「地震発生」、震度、震源地、津波の有無等)を表示部21に表示させる。
安否情報ECU1の制御部10は、車内通信部14を介して車速の情報を取得し、車両が停車したか否かを判断する(ステップS110)。制御部10は、車両が停車していないと判断した場合(S110:NO)、異常な運転操作、又は危険回避制御を検知したか否かを判断する(ステップS111)。
制御部10は、ステップS111にて異常な運転操作、又は危険回避制御を検知していないと判断した場合(S111:NO)、処理をステップS110へ戻し、車両が停車したと判断するまでステップS110及びS111の処理を繰り返す。
制御部10は、ステップS111にて異常な運転操作、又は危険回避制御を検知したと判断した場合(S111:YES)、現在の位置情報を取得し(ステップS112)、異常な運転操作、又は危険回避制御の内容を示す情報、及び位置情報を記録部11に記録する(ステップS113)。制御部10は、記録した情報及び車両のID情報を車外通信部13により安否確認サーバ4へ送信し(ステップS114)、処理をステップS110へ戻す。
制御部10は、ステップS110にて車両が停車したと判断した場合(S110:YES)、車内通信部14を介してナビECU2へ、車両の現在位置に関する地理情報の表示の指示を送信する(ステップS115)。
ナビECU2では、制御部20が、地理情報の表示の指示を受信し(ステップS116)、現在位置に基づき地理情報を取得し(ステップS117)、取得した地理情報を表示部21に表示させる(ステップS118)。地理情報は例えば、海岸からの距離、現在位置の海抜(標高)、避難指定場所等である。このとき制御部20は、避難指定場所への避難ルートをナビゲーションするべく表示するようにしてもよい。
次に安否情報ECU1の制御部10は、予め記録部11に記録されてある乗員が行なう行動情報の選択肢の情報を読み出し(ステップS119)、車内通信部14を介してナビECU2へ、当該選択肢の情報、及び表示の指示を送信する(ステップS120)。
ナビECU2では、制御部20が、行動情報の選択肢の情報、及び表示の指示を受信し(ステップS121)、表示部21へ表示させる(ステップS122)。制御部20は、操作部23により、選択肢の選択を受け付け(ステップS123)、選択された選択肢を特定する情報(選択肢の番号等)を、車内通信部24により安否情報ECU1へ返信する(ステップS124)。なお、制御部20は、選択肢の表示の際に、選択を促す音声出力をするようにしてもよい。乗員は災害対応に追われ、行動情報の入力を行なわない可能性がある。制御部20が選択を促し、行動情報が記録される可能性を高めることにより、後に関係者が情報を入手できる可能性が高まる。
制御部10は、選択された選択肢がいずれであるかを示す情報がナビECU2から返信されたか否かを判断する(ステップS125)。制御部10は、返信されていないと判断した場合(S125:NO)、処理をステップS125へ戻し、返信されたと判断するまで待機する。
制御部10は、返信されたと判断した場合(S125:YES)、選択された選択肢の情報を含む行動情報と、最新に取得した位置情報とを記録部11に記録する(ステップS126)。制御部10は、選択した選択肢の情報を含む行動情報、及び最新の位置情報を、車両のID情報と共に車外通信部13により安否確認サーバ4へ送信する(ステップS127)。
次に制御部10は、選択された選択肢が、「通常運転へ戻る」であるか否かを判断する(ステップS128)。制御部10は、「通常運転へ戻る」であると判断した場合(S128:YES)、処理をステップS101へ戻す。通常運転へ戻ると乗員が判断した後でも、何らかの障害が発生した場合には情報が記録される。制御部10は、ステップS128にて「通常運転へ戻る」以外であると判断した場合(S128:NO)、処理を終了する。
安否情報ECU1によって上述のような処理が行なわれることにより、車両にて移動中の乗員が災害に遭遇した場合に、災害に対して行なう行動の内容(行動情報)が車内外に記録される。乗員がどこへ行ったか否か(どこへ向かおうとしたか)等の行動情報が、安否情報ECU1の記録部11及び安否確認サーバ4に残されることになる。これにより、関係者が、乗員と直接的に連絡が取れない状態となった場合に、手がかりが増え、安否確認がとれる可能性が高まる。また、捜索隊が出動するような状態となった場合に、捜索隊が乗員のいない車両を発見したとき、捜索隊は車両の安否情報ECU1の記録部11を回収することで、記録部11に記録されている行動情報を手がかりにすることが可能である。このとき、車両が停車し、イグニッションスイッチがオフの状態であっても、安否情報ECU1及びナビECU2がバッテリ又は電池によって単独で起動することが可能な構成とすれば、記録部11に記録されている行動情報を表示部21に表示させるなど出力することが可能となる。
次に、安否確認サーバ4における安否情報の記録処理について説明する。図6は、実施の形態1における安否確認サーバ4にて実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。安否確認サーバ4の制御部40は、以下に示す処理手順を繰り返し実行する。
安否確認サーバ4の制御部40は、通信部42により、安否情報ECU1から、位置情報及び車両のID情報を受信したか否かを判断する(ステップS201)。制御部40は、位置情報及び車両のID情報を受信していないと判断した場合(S201:NO)、処理をステップS201へ戻し、位置情報及び車両のID情報を受信したと判断するまで待機する。
制御部40は、位置情報及び車両のID情報を受信したと判断した場合(S201:YES)、受信した車両のID情報に関連付けて位置情報を安否情報として記録部41に記録する(ステップS202)。
その後制御部40は、記録部41に安否情報として記録した車両のID情報と同一の車両のID情報と共に、運転操作、危険回避制御の情報及び位置情報を受信したか否かを判断する(ステップS203)。制御部40は、運転操作、危険回避制御の情報及び位置情報を受信したと判断した場合(S203:YES)、受信した情報を、車両のID情報に関連付けて安否情報に追加して記録する(ステップS204)。
制御部40は、ステップS203にて、運転操作、危険回避制御の情報及び位置情報を受信していないと判断した場合(S203:NO)、処理を次のステップS205へ進める。
制御部40は、記録部41に安否情報として記録した車両のID情報と同一の車両のID情報と共に、行動情報として行動の選択肢の情報及び最新の位置情報を受信したか否かを判断する(ステップS205)。制御部40は、行動情報及び位置情報を受信したと判断した場合(S205:YES)、受信した行動情報及び位置情報を、車両のID情報に関連付けて安否情報に追加して記録し(ステップS206)、処理を終了する。
このように、車両にて移動中の乗員が災害に遭遇した場合に、乗員が災害に対して行なう行動の内容が車両とは異なる場所に設置されている安否確認サーバ4内に記録される。つまり、乗員が携帯する携帯電話機等が、その後使用不可能となったとしても、乗員の関係者又は捜索者がアクセス可能な安否確認サーバ4内に情報が残されるので、安否確認がとれる可能性が高まる。
次に、安否確認サーバ4への安否情報の問い合わせ受け付け処理について説明する。図7は、実施の形態1における安否確認サーバ4にて実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。安否確認サーバ4の制御部40は、以下に示す処理手順を繰り返し実行する。
制御部40は、ユーザを識別する情報を含む安否情報照会を通信部42により受信したか否かを判断する(ステップS301)。制御部40は、安否情報照会を受信していないと判断した場合(S301:NO)、処理をステップS301へ戻し、安否情報照会を受信したと判断するまで待機する。
制御部40は、ステップS301にて安否情報照会を受信したと判断した場合(S301:YES)、受信した安否情報照会に含まれるユーザ識別情報に関連付けられる車両のID情報を特定する(ステップS302)。制御部40は、特定した車両のID情報を含む安否情報が記録部41に記録されているか否かを判断する(ステップS303)。
制御部40は、安否情報が記録部41に記録されていると判断した場合(S303:YES)、当該車両のID情報、最新の位置情報、乗員の行動情報、及び異常な運転操作の有無、危険回避制御の有無等を含む安否情報を読み出す(ステップS304)。制御部40は、読み出した安否情報を照会元へ返信し(ステップS305)、処理を終了する。
制御部40は、ステップS303にて安否情報が記録部41に記録されていないと判断した場合(S303:NO)、当該ユーザに関する安否情報は記録されていない旨の情報を照会元へ返信し(ステップS306)、処理を終了する。
このような処理の結果、災害が発生した場合に、乗員と直接的に電話連絡等ができなかった家族などが、乗員の最近の居場所(行き先)の手がかりを得ることができる。また、車両の位置情報が安否情報として記録されていたとしても乗員の行動情報が記録されなかった場合は、乗員が行動しなかった(行動できなかった)という事実が手がかりになる。
実施の形態1では、災害発生検知部12は、緊急地震速報の受信により災害発生を検知する構成とした。災害発生検知部12は、携帯電話事業者によって同報配信された災害発生の通知を、車外通信部13を介して乗員が所持する携帯電話機5から取得し、これによって災害発生を検知するようにしてもよい。また、災害発生検知部12は、車内通信線3を介して走行制御系のECUから危険回避制御が行なわれたことを示す情報を受信した場合に、災害発生を検知するようにしてもよい。危険回避が行なわれたことを示す情報として例えば、ABS又はエアバッグの作動を示す信号などが考えられる。更には、災害発生検知部12は、事故の当事者となったか、携帯電話機5に同報配信された通知を受けたか等によって災害発生を認知した乗員が、ナビECU2の操作部23を操作し、ナビECU2から災害発生の通知を受けるようにしてもよい。
また、実施の形態1では、安否情報ECU1からの指示により、ナビECU2の表示部21に乗員がとるべき行動の選択肢が表示され、乗員が選択肢からいずれかを選択する操作を行なうことによって、安否情報ECU1は乗員の行動情報を取得する構成とした。選択肢の表示によって、乗員が取るべき行動の内容を示すことができ、更に、行動情報の入力操作を簡易化することができる。しかしながら、乗員の行動情報の取得方法は、選択肢から選択させる構成に限らない。災害の発生に際して、乗員がナビECU2の操作部23によって任意に、行き先を入力するようにしてもよい。
実施の形態1では、安否確認サーバ4は、安否情報照会に対する応答として、記録されていた安否情報を送信する構成とした。しかしながら安否確認サーバ4の制御部40は、安否情報照会を受信しなくとも、所定のタイミング(例えば、災害発生後12時間、24時間後等)に、家族など関係者へ安否情報を送信する構成としてもよい。この場合、記録部41の車両IDに、関係者の連絡先を予め登録しておき、当該連絡先へメール又はメッセージを自動的に配信する。
更に、実施の形態1にて説明した安否情報ECU1及びナビECU2は、一体に構成される形態としてもよい。
(実施の形態2)
実施の形態2では、車両のイグニッションスイッチがオフの状態であっても、安否情報ECUが情報を出力することが可能な構成とする。また、実施の形態2における安否情報ECUは、安否情報として乗員人数、怪我の有無等の情報の入力を受け付ける構成とする。また、実施の形態2では、車両の状況を示す車両情報として車両の車室内への浸水の有無の情報を記録する。
実施の形態2では、車両のイグニッションスイッチがオフの状態であっても、安否情報ECUが情報を出力することが可能な構成とする。また、実施の形態2における安否情報ECUは、安否情報として乗員人数、怪我の有無等の情報の入力を受け付ける構成とする。また、実施の形態2では、車両の状況を示す車両情報として車両の車室内への浸水の有無の情報を記録する。
実施の形態2における乗員情報送受信システムは、安否情報ECUの構成及び処理の詳細以外は、実施の形態1における構成と同様である。したがって、共通する構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図8は、実施の形態2における乗員情報送受信システムを構成する安否情報ECU6の内部構成を示すブロック図である。
安否情報ECU6は、車両に搭載されるECUの1つである。安否情報ECU6は、制御部60、記録部61、災害発生検知部62、車外通信部63、車内通信部64、位置情報取得部65、表示部66、及び入力部67を備える。
制御部60、記録部61、災害発生検知部62、車外通信部63、車内通信部64、及び位置情報取得部65の構成は、実施の形態1における安否情報ECU1の制御部10、記録部11、災害発生検知部12、車外通信部13、車内通信部14、及び位置情報取得部15と夫々同様であるので、詳細な説明を省略する。
表示部66は、液晶パネルを用いる。なお表示部66は、車室内から確認できなくてもよい。表示部66は、制御部60から与えられた情報に基づき文字又は画像を表示する。なお、表示部66は電池式など、単独で起動可能な構成とする。そして表示部66は、制御部60から情報表示の指示を与えられた後は、安否情報ECU6に電力が供給されていなくとも、情報を表示し続けることが可能である。
入力部67は、浸水センサ7からの信号を入力し、入力信号から信号値を読み取って制御部60へ通知する。
浸水センサ7は、水検知センサを用い、車両の車室内が浸水しているか否かを検出する。浸水センサ7は例えば、車室内の運転席の足元に露出された2つの端子を有し、端子間の短絡によって水を検知する。浸水センサ7は、水圧センサを用いるようにしてもよい。
上述のように構成される実施の形態2における乗員情報送受信システムにて実行される処理について、フローチャートを参照して説明する。まず、車両に搭載される安否情報ECU6及びナビECU2によって、車両の乗員の安否情報が記録されるまでの処理について説明する。
図9乃至図11は、実施の形態2における安否情報ECU6及びナビECU2によって実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、以下に示す処理手順の内、実施の形態1における図4及び図5に示した処理手順と共通する手順については、同一のステップ番号を付し、詳細な説明を省略する。
ステップS101から、ステップS119までの処理手順は、図4及び図5に示した処理手順と同様の手順で行なう。これにより、災害発生が検知された場合、車両の位置情報が安否確認サーバ4へ送信され、異常な運転操作、又は危険回避制御が行なわれた場合は当該情報が、安否確認サーバ4へ送信される。そして、ナビECU2の表示部21には、災害情報と、現在位置周辺の地理情報が表示されている。
安否情報ECU6の制御部60は、予め記録部に記録されてある乗員が行なう行動情報の選択肢の情報を読み出し(S119)、車内通信部64を介してナビECU2へ、当該選択肢の情報、並びに、選択肢の表示、乗員人数の入力を促す表示、及び怪我の有無の入力を促す表示の指示を送信する(ステップS131)。
ナビECU2では、制御部20が、行動情報の選択肢の情報、及び各項目の表示の指示を受信し(ステップS132)、当該指示に基づき、表示部21へ表示させる(ステップS133)。制御部20は、操作部23により、選択肢の選択を受け付け(ステップS134)、入力された乗員人数を受け付け(ステップS135)、入力された怪我の有無の情報を受け付ける(ステップS136)。制御部20は、選択された選択肢を特定する情報、受け付けた乗員人数、及び受け付けた怪我の有無の情報を含む乗員情報を、車内通信部24により安否情報ECU6へ返信する(ステップS137)。
安否情報ECU6の制御部60は、ナビECU2から、乗員情報の返信がされたか否かを判断する(ステップS138)。制御部60は、返信されていないと判断した場合(S138:NO)、処理をステップS138へ戻し、返信されたと判断するまで待機する。
制御部60は、返信されたと判断した場合(S138:YES)、入力部67により浸水センサ7からの信号値を取得する(ステップS139)。選択された選択肢の情報を含む行動情報と、乗員人数及び怪我の有無の情報を含む安否情報と、最新に取得した位置情報及びステップS140で取得した信号値に基づき得られる浸水の有無の情報を含む車両情報とを記録部61に記録する(ステップS140)。制御部60は、記録した行動情報、安否情報、及び車両情報の内容を表示部66に表示させる(ステップS141)。このときの表示内容は、行動情報、安否情報及び車両情報を夫々、符号化した数字列(災害時コード)などによって表現されてもよい。制御部60は、記録した行動情報、安否情報、及び車両情報を、車両のID情報と共に車外通信部63により安否確認サーバ4へ送信する(ステップS142)。
次に制御部10は、ステップS138で返信された乗員情報が含む選択肢の情報に基づき、選択された選択肢が「通常運転へ戻る」であるか否かを判断する(ステップS143)。制御部10は、「通常運転へ戻る」であると判断した場合(S143:YES)、処理をステップS101へ戻す。通常運転へ戻ると乗員が判断した後でも、何らかの障害が発生した場合には情報が記録される。制御部10は、「通常運転へ戻る」以外であると判断した場合(S143:NO)、処理を終了する。
安否情報ECU6によって上述のような処理が行なわれることにより、車両にて異常中の乗員が災害に遭遇した場合に、災害に対して行なう行動の内容(行動情報)のみならず、車両の乗員の人数、及び怪我の有無等の情報が安否情報として車内外に記録される。また、安否情報ECU6が独自に備える表示部66に、記録部61に記録された情報が表示されるので、捜索隊が出動するような状態となった場合に、捜索隊が乗員のいない車両を発見したとき、捜索隊は車両の安否情報ECU6の表示部66を確認することで、乗員の捜索の手がかりとすることができる。
実施の形態2における安否確認サーバ4での安否情報の記録処理について説明する。図12は、実施の形態2における安否確認サーバ4にて実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。安否確認サーバ4の制御部40は、以下に示す処理手順を繰り返し実行する。なお、以下に示す処理手順の内、実施の形態1における図6に示した処理手順と共通する手順については、同一のステップ番号を付し、詳細な説明を省略する。
制御部40は、通信部42により、位置情報及び車両のID情報を受信したか否かを判断する(S201)。制御部40は、位置情報及び車両のID情報を受信したと判断した場合(S201:YES)、受信した車両のID情報に関連付けて位置情報を安否情報として記録部41に記録する(S202)。
制御部40は、記録部41に記録した車両のID情報と同一の車両のID情報と共に、運転操作、危険回避制御の情報及び位置情報を受信したか否かを判断する(S203)。制御部40は、運転操作、危険回避制御の情報及び位置情報を受信したと判断した場合(S203:YES)、受信した情報を、車両のID情報に関連付けて安否情報に追加して記録する(S204)。
制御部40は、ステップS203にて、運転操作、危険回避制御の情報及び位置情報を受信していないと判断した場合(S203:NO)、処理を次のステップS211へ進める。
制御部40は、記録部41に安否情報として記録した車両のID情報と同一の車両のID情報と共に、行動情報、安否情報、及び車両情報を受信したか否かを判断する(ステップS211)。制御部40は、行動情報、安否情報、及び車両情報を受信したと判断した場合(S211:YES)、受信した行動情報、安否情報及び車両情報を、車両のID情報に関連付けて安否情報に追加して記録し(ステップS212)、処理を終了する。
なお安否確認サーバ4への安否情報の問い合わせ受付処理については、実施の形態1における処理手順と同様である。したがって、詳細な説明を省略する。
このように、車両にて移動中の乗員が災害に遭遇した場合に、乗員が災害に対して行なう行動の内容、乗員人数、怪我の有無を含む安否情報が車両とは異なる場所に設置されている安否確認サーバ4内に記録される。乗員が携帯する携帯電話機等が、その後使用不可能となったとしても、乗員の関係者又は捜索者がアクセス可能な安否確認サーバ4内に情報が残され、人数、怪我の有無等を把握できる。
実施の形態1及び2では、安否情報ECU1(又は6)によって災害発生が検知されてから、車両の位置情報、乗員の行動情報が記録、送信される構成とした。しかしながら、災害発生と同時的に、車両の故障等より記録及び送信ができない場合、車両の情報も記録されない。そこで、安否情報ECU1の制御部10は、災害発生が検知されるまで、所定のタイミング(10分毎等)に位置情報を含む車両情報を取得し、安否確認サーバ4へ車両のID情報と共に送信するようにしてもよい。浸水センサ7が設置されている場合は、車両情報に浸水センサ7から得られる情報を含めるようにしてもよい。この場合、安否確認サーバ4は、安否情報ECU1から受信した位置情報を車両のID情報に関連付けて記録する。安否確認サーバ4は、受信した位置情報を、履歴として時系列に複数記録してもよいし、最新の位置情報のみ記録してもよい。なお、安否情報ECU1からの位置情報及び車両情報の送信は、車両が停車しているか、走行しているかによらず実行されることが好ましい。これにより、定期的に送信されるはずの情報が途絶えることにより、災害の発生に遭遇した可能性を、関係者が認識することができる。また、最新の位置情報に基づき、災害発生(事故現場)の特定が容易となる。
なお、上述のように開示された本実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,6 安否情報ECU(乗員情報送受信装置)
10,60 制御部
11,61 記録部
12,62 災害発生検知部
13,63 車外通信部
15,65 位置情報取得部
66 表示部
2 ナビECU
20 制御部
21 表示部
22 音声出力部
4 安否確認サーバ
40 制御部
41 記録部
7 浸水センサ
10,60 制御部
11,61 記録部
12,62 災害発生検知部
13,63 車外通信部
15,65 位置情報取得部
66 表示部
2 ナビECU
20 制御部
21 表示部
22 音声出力部
4 安否確認サーバ
40 制御部
41 記録部
7 浸水センサ
Claims (13)
- 車両に搭載され、該車両の外部との通信手段を用いて、災害発生に遭遇した前記車両の乗員の情報を送受信させる乗員情報送受信装置であって、
災害の発生に際して乗員が行なう行動の内容、又は前記災害に対する乗員の行動の有無を示す行動情報を取得する行動情報取得手段と、
前記車両の位置情報を含む車両情報を取得する車両情報取得手段と、
前記行動情報及び車両情報を前記通信手段により外部へ送信させる手段と
を備えることを特徴とする乗員情報送受信装置。 - 前記行動情報及び車両情報を記録する記録手段を更に備えること
を特徴とする請求項1に記載の乗員情報送受信装置。 - 前記行動情報には、前記乗員の行先を示す情報が含まれること
を特徴とする請求項1又は2に記載の乗員情報送受信装置。 - 前記記録手段に記録された前記行動情報及び車両情報を出力する手段
を更に備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の乗員情報送受信装置。 - 乗員の安否情報を受け付ける手段と、
受け付けた安否情報を前記通信手段により外部へ送信する手段と
を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の乗員情報送受信装置。 - 前記乗員の安否情報には、乗員の人数が含まれること
を特徴とする請求項5に記載の乗員情報送受信装置。 - 災害の発生を検知する検知手段と、
該検知手段が検知した場合、前記車両の位置に基づき、前記車両の周辺の地理情報を取得する手段と、
前記地理情報を通知する手段と
を更に備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の乗員情報送受信装置。 - 前記車両情報取得手段は、浸水の有無を検知する検知手段からの情報、前記車両の運転操作の異常の有無を示す情報、又は車両の安全装置の作動の有無を示す情報を取得する手段を有すること
を特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の乗員情報送受信装置。 - 災害発生に際して乗員が行なう行動内容の候補となる複数の行動選択肢を出力する出力手段と、
該行動選択肢の内のいずれかの選択を受け付ける受付手段と
を更に備え、
前記行動情報取得手段は、前記受付手段が受け付けた選択肢の行動内容を取得するようにしてあること
を特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の乗員情報送受信装置。 - 前記行動選択肢には、
安全確認の上での運転続行、及び、避難場所への走行、避難場所への徒歩での移動、現在地での待機、自宅への帰還、又は、他の行先への走行が含まれること
を特徴とする請求項9に記載の乗員情報送受信装置。 - 車両に搭載され、該車両の外部との通信手段を用いて、災害発生に遭遇した前記車両の乗員の情報を送受信させる乗員情報送受信装置と、該乗員情報送受信装置からの情報を受信する情報受信装置とを含む乗員情報送受信システムであって、
前記乗員情報送受信装置は、
災害の発生に際して乗員が行なう行動の内容、又は前記災害に対する乗員の行動の有無を示す行動情報を取得する行動情報取得手段と、
前記車両の位置情報を含む車両情報を取得する車両情報取得手段と、
前記行動情報及び車両情報を、前記車両の識別情報と共に前記通信手段により前記情報受信装置へ送信させる手段と
を備え、
前記情報受信装置は、
受信した前記行動情報及び車両情報を、共に受信した車両の識別情報に対応付けて記録する手段を備えること
を特徴とする乗員情報送受信システム。 - 前記情報受信装置は、
車両の識別情報を含む問い合わせを受け付ける手段と、
前記問い合わせに対し、前記車両の識別情報に対応付けられて記録された前記行動情報及び車両情報を応答する手段と
を備えることを特徴とする請求項11に記載の乗員情報送受信システム。 - 車両に搭載され、前記車両外との通信手段と接続されるコンピュータに、災害発生に際した乗員の情報を送受信させるコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータに、
災害の発生に際して乗員が行なう行動の内容、又は前記災害に対する乗員の行動の有無を示す行動情報を取得するステップ、
前記車両の位置情報を含む車両情報を取得するステップ、及び、
前記行動情報及び車両情報を前記通信手段により外部へ送信するステップ
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012233944A JP2014085808A (ja) | 2012-10-23 | 2012-10-23 | 乗員情報送受信装置、乗員情報送受信システム及びコンピュータプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012233944A JP2014085808A (ja) | 2012-10-23 | 2012-10-23 | 乗員情報送受信装置、乗員情報送受信システム及びコンピュータプログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014085808A true JP2014085808A (ja) | 2014-05-12 |
Family
ID=50788821
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012233944A Pending JP2014085808A (ja) | 2012-10-23 | 2012-10-23 | 乗員情報送受信装置、乗員情報送受信システム及びコンピュータプログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2014085808A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114401282A (zh) * | 2020-10-08 | 2022-04-26 | 丰田自动车株式会社 | 控制装置、计算机可读存储介质和控制方法 |
-
2012
- 2012-10-23 JP JP2012233944A patent/JP2014085808A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114401282A (zh) * | 2020-10-08 | 2022-04-26 | 丰田自动车株式会社 | 控制装置、计算机可读存储介质和控制方法 |
CN114401282B (zh) * | 2020-10-08 | 2024-02-27 | 丰田自动车株式会社 | 控制装置、计算机可读存储介质和控制方法 |
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