JP2014085306A - 柔軟接触型4軸荷重測定システム - Google Patents

柔軟接触型4軸荷重測定システム Download PDF

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Abstract

【課題】薄小化、軽量化が容易な簡潔構造で設計の自由度、経済性、高荷重分解能、全環境下の安定性を有し、接触荷重の大きさ及び方向を迅速に検出できる柔軟接触型4軸荷重センサを有する柔軟接触型4軸荷重測定システムを提供する。
【解決手段】本発明の柔軟接触型4軸荷重測定システム1は、荷重を受ける弾性立体接触部2及び柔軟弾性接触部が直接接して荷重を検出する荷重検出層3を備える柔軟接触型4軸荷重センサ1を有し、荷重検出層は、電極が形成された一対の基板31、32及びその電極間に挟持され、電圧印加下で荷重を負荷することで電気抵抗値が変化する特性を備えたカーボン系や金属系を含む導電性複合材料の導電性部材33を有し、一方又は双方の基板は導電性部材33により電極を兼ねて一体的に形成された構成に置換えできる。
【選択図】図1

Description

本発明は、柔軟な対象物に作用する三軸方向の荷重及びモーメントを検出するための柔軟接触型4軸荷重測定システムに関し、特に、荷重分解能が良く、設計の自由度を有する簡潔構造で薄小化が図れ、接触荷重である4軸荷重の大きさ及び方向を迅速に検出することが可能な柔軟接触型4軸荷重センサを有する柔軟接触型4軸荷重測定システムに関する。
生産現場では作業効率、安全性向上あるいは人件費削減等のために、ロボットハンドによる複雑作業の自動化が期待され、急速に産業用ロボットの実用化が進行しつつある。
このようなロボットハンドの二指で物体を把持する際に、指先には対象物を押さえる力、対象物がずれ落ちる力、対象物の重心の偏りによって生じるモーメントが作用する。そこで、ロボットハンドが安定して物体を把持し、水平を保ったまま移動するためには、三軸方向の荷重及びモーメントの測定が可能なセンサを指先に取り付ける必要がある。
そして、ロボットハンドの指先に取り付けられるセンサは、対象物に損傷を与えないように柔軟な接触部を有することが求められる。このような柔軟接触型多軸荷重センサの実現により、ロボットハンドによる物体把持能力の向上が図られる。
現在開発あるいは提案されている柔軟なセンサとして、次のような代表例が挙げられる。
第1例は、画像処理を用いて接触状態を測定するセンサである。(例えば、非特許文献1参照)
第2例は、四角錘台形のシリコーンゴムの側面に,ポリイミドフィルム上に作製した酸化クロム薄膜ひずみゲージを貼り付けた柔軟な四軸触覚センサである。(非特許文献2参照)
第3例は、本発明者らが提案しているもので、ロボットのアーム、ボディー、手先部等の作用力を検出する力覚センサであり、特にロボット、医療用ベッドなどの物体表面に固着させることによって、人体などの柔軟な接触体との接触時に柔軟変形すると同時に、接触体から物体表面に作用する接触荷重(3軸方向の力)の大きさ及びその荷重方向を検出可能な柔軟接触型荷重測定センサである。(特許文献1参照)
第4例は、食品用ロボット、医療用ロボット、産業用ロボット、機械装置用の感圧センサ、コンピュータの入力装置等の利用に供し得る、感圧素子を用いた触覚センサである。(特許文献2参照)
第5例として、対象物に加えられた荷重分布を測定するための荷重センサとしてこれまでに感圧導電性インク、感圧導電性ゴムなどの感圧抵抗体を用いたセンサシートなど幾つか提案されている。(例えば、特許文献3参照)
第6例は、永久磁石と軟磁性体が吸引する力を用いて自立的に中心保持を行い、同時にすべりによる磁場変化を元にすべり量を検出する触覚センサである。(特許文献4参照)
第7例は、磁石を内包した柔軟層と、磁気抵抗素子とインダクタを配置した基板層とを積層した構造有する触覚センサである。(特許文献5参照)
第8例は、第1の本体部及び第2の本体部と中間体との間に弾性連結部を設け、中間体を介して本体部を相対移動可能に連結し、第2の本体部に作用する外力の6方向の成分を、センサ基板に搭載された検出電極によって検出する力覚センサである。(特許文献6参照)
特開2007−187502号公報 特開2008−164557号公報 特開2008−209384号公報 特開2010−107428号公報 特開2011−153826号公報 特開2012−93291号公報
Saga.S、Kajimoto.H、and Tachi.S、"High‐resolution tactile sensor using the deformation of a refletion image"、Sensors Review、Vol27、No1、pp.35−42、2007 松永 崇、小栗 泰造、日下 忠興、他、「ひずみゲージを用いた柔軟な四軸触覚センサの開発−酸化クロム薄膜ひずみゲージの作製−」、大阪府立産業技術総合研究所報告 No.24、2010
しかし、上記非特許文献1に記載の柔軟センサは、情報量が多く、小型化が難しいという問題がある。
非特許文献2に記載の柔軟センサは、ポリイミドフィルム上に形成された酸化クロム薄膜ひずみゲージを、高さ5 mm、底面の1辺が10mm、底面と側面が成す角度(テーパー角)が75°のシリコーンゴム製の四角錘台の4側面にそれぞれ1枚貼り付けた構造で、特にシリコーンゴム製の四角錘台を薄くでき難く、多数のひずみゲージの配線が複雑となり低コストで製造することが困難であるとともに、特に微小な外力を検出する場合には、弾性連結された複数の変形部をまたぐ配線の弾性が検出値に影響を与え、これが誤差の原因となるという問題がある。
また、特許文献1に記載の柔軟接触型荷重測定センサは、接触体側に配置される弾性体及びスキン層からなる層と、物体側に配置される荷重測定層とを具備し、荷重測定層は、可撓性を有する弾性体側の基板と、それから間隔を隔てて対向配置した物体側の基板と、基板の下面に形成されマイクロスイッチをオン状態とする電極と、電極と対向する基板の上面に形成されたマイクロスイッチの端子と、からなり、接触体から物体に作用する接触荷重に応じてオン状態となるマイクロスイッチの位置に基づいて、前記接触荷重の大きさ及びその荷重方向を検出するユニットとなるセンサセルが、複数連接された、部品点数が多く煩雑な構成となっている。
このように、部品点数が多く積層された煩雑な構成の柔軟接触型荷重測定センサは、小型・軽量化が難しいとともに製作コストも高くなるという問題点がある。さらに、柔軟接触型荷重測定センサは、荷重に応じてマイクロスイッチがON−OFF反応することを利用して荷重を検出するように構成しているため、荷重分解能があまりよくはなく荷重測定値が階段状になるとともに、マイクロスイッチ用の配線が煩雑になる等の問題点がある。
特許文献2に記載の触覚センサは、硬質材料で形成され、変位可能な接触子と、この接触子を表面に設け、接触子の変位を検出ポイントで検出して出力する感圧素子とを備え、感圧素子は、シート状に形成した感圧導電シートと、この感圧導電シートの表面に設けた複数の第一電極と、第一電極と感圧導電シートを介して交差するように感圧導電シートの裏面に設けた複数の第二電極とを有するユニットであるセンサセルが複数連接された、特に交叉する複数の第一電極及び第二電極の部品点数が多く煩雑な構成となっている。
このような構成の触覚センサは、各センサセルが互いに異なる複数の方向に対応した多数の櫛型又は平行電極(複数の交叉する第1電極及び第2電極)を有しているので、小型化が難しいとともに、特に多数のセンサセルが近接するように配置した場合には、多数の第1電極及び第2電極の全てからリード線を引き出すことは非常に困難である。また、各センサセルの構成が煩雑であり、センサセルの密度を高める場合の効率が非常に悪い。さらに、各センサセルで検出した荷重をその大きさに比例した電圧に変換する場合に、全ての接触抵抗に対して1:1の比率で抵抗を電圧に変換するR/V変換回路が必要となり、変換回路が大がかりなものとなり、小型・軽量化が難しいとともに製作コストも高くなる等々の問題点がある。
特許文献3に記載のセンサシートは、帯状であり且つ互いに離隔するように配置された複数の第1電極が配置された基板と、基板の上方に配置された支持部材と、支持部材及びカバー層よりも硬い材質からなる複数の円柱形状のコア部材と、外部から加えられる力を受ける平坦な(凹凸のない)カバー層と、基板の上面に形成された帯状であり且つ互いに離隔すると共に平面視において複数の第1電極と交差するように配置されており、外部から加えられる力に伴って第1電極に近接する方向に変位可能である複数の第2電極と、複数の第1電極と複数の第2電極とをそれぞれ覆うように配置された複数の感圧抵抗体と、を備えており、部品点数が多く煩雑な構成となっており、小型・軽量化が難しいとともに製作コストも高くなる等の問題点がある。
また、特許文献2に記載の触覚センサ及び特許文献3に記載のセンサシートは、いずれも外部からの荷重の互いに異なる複数方向に対応した成分を正確に検出可能なように、それぞれコア部材、接触子を硬質材料で形成する必要があり、それぞれ感圧抵抗体を有する荷重検出層、感圧素子に簡易化し直接柔軟性物質を接触させて荷重を検出することができない。また、感圧導電性ゴムを用いたセンサでは垂直荷重のみ測定可能であり、せん断荷重やモーメントを測定することができない等の基本的な問題点がある。
特許文献4に記載の触覚センサは、磁性体の板と、軸が磁性体であって該軸に直交する鍔を持つ球体がガイドローラで支持され自由に回転できる状態で近接配置され、一方の磁性体が永久磁石であって他方が軟磁性体で構成され、板部には前記球体の軸に対して対称に磁場センサが配置される。また、球体と底板、ガイドローラ等はそれらを内包するカバーでおおわれ、該カバーには球体を介して板と反対側には球体の一部が露出する穴が設けられ、穴から露出した球体に板に平行な力(すべり力)が加えられると球体が回転するという、複数の磁場センサ用配線を含む部品点数が多く煩雑な構成となっており、薄小化及び軽量化が難しいとともに製作コストも高くなる等の問題点がある。
特許文献5に記載の触覚センサは、磁石を内包した柔軟層と、磁気抵抗素子とインダクタを配置した基板層とを積層し、柔軟層の変位に伴い変位する磁石の磁束密度に関し、静的磁束密度情報を磁気抵抗素子にて感知し、動的磁束密度の変化をインダクタにて感知する触覚センサであって、磁気抵抗素子は、3個以上が配置されており、インダクタは、1個以上配置されているという、複数の磁気抵抗素子及びインダクタ用配線を含む部品点数が多く煩雑な構成となっており、薄小化及び軽量化が難しいとともに製作コストも高くなる等の問題点がある。
特許文献6に記載の力覚センサは、下蓋、本体下部からなる下側の第1の本体部と、本体上部、上蓋からなる第2の本体部とを備え、本体下部は中間体下部、周囲の円筒下部及びそれらを相対変位自在に連結する3箇所の第1の弾性連結部からすべて一体的に構成されている。第1の弾性連結部の両側にはそれぞれ貫通する矩形の孔が形成され、第1の弾性連結部は主軸のZ方向から見るとH型で四端を固定した梁から成っている。各梁のZ軸に直交するX方向及びY方向の寸法(厚さ)はZ方向の寸法(高さ)よりも十分に小さく、X方向及びY方向にのみいずれかの梁が撓んで変形し易い構造となっている。本体上部は中間体上部、周囲の円筒上部及びそれらを相対変位自在に連結する3箇所の第2の弾性連結部からすべて一体的に構成されている。第2の弾性連結部は、Z方向の寸法(厚さ)がX方向及びY方向の寸法(幅)よりも十分に小さい上下一対の梁から構成され、Z方向にのみ梁が撓んで変形が容易な構造となっている。中間体との間に弾性連結部を設け、中間体を介して本体部を相対移動可能に連結し、第2の本体部に作用する外力の6方向の成分を、センサ基板に搭載された検出電極によって検出するという部品点数が多く煩雑な構成となっており、薄小化及び軽量化が難しいとともに製作コストも高くなる等の問題点がある。
さらに、上記非特許文献及び特許文献に記載等の従来の荷重センサは、いずれも耐熱性が一つの弱点となっている。例えば、一般的な歪ゲージを用いたロードセルなどのセンサは使用温度範囲の上限値が40℃から60℃程度であり、それよりも高い温度条件下での荷重測定が必要なケースが増えつつある。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、簡潔な小形・軽量構造で設計の自由があって経済性に優れ、柔軟な接触部を有し、荷重分解能が良く、高温環境を含む様々な環境下でも安定して三軸方向の荷重及びモーメントを測定できる柔軟接触型4軸荷重センサを有する柔軟接触型4軸荷重測定システムを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の柔軟接触型4軸荷重測定システムは、電気絶縁材料からなるスキン層を介して測定対象物と接触し荷重を受けるように配置され、柔軟で復元性がある弾性部材から平坦又は任意の曲面形状の底面を有する任意の主軸対称立体形状に形成された弾性立体接触部と、前記弾性立体接触部の底面が直接接触するように配置されて前記荷重を検出する荷重検出層とを備える柔軟接触型4軸荷重センサを有する柔軟接触型4軸荷重測定システムであって、前記荷重検出層は、電極が形成された一対の基板と、前記一対の基板の電極間に挟持され、電圧を印加した状態で荷重を負荷することにより電気抵抗値が変化する特性を備えた、カーボン系あるいは金属系を含む導電性複合材料からなる導電性部材と、を有し、前記弾性立体接触部の底面形状に合せた平面又は曲面形状に形成され、前記一対の基板のうち、一方又は双方の基板は、前記導電性部材により電極を兼ねて一体的に形成された構成に置き換えが可能であることを特徴とする。
また、前記荷重検出層は、曲面形状を有する対象物に前記柔軟接触型4軸荷重センサを前記曲面形状に沿って設置可能なように、前記上部電極及び下部電極を含む一対の基板及び導電性部材がいずれも柔軟性を備えた材料から選択的に構成されることを特徴とする。
また、前記弾性立体接触部は、主軸に沿って任意断面形状の貫通孔又は底面に任意断面形状の凹穴が形成されることを特徴とする。
また、前記弾性立体接触部の弾性率、アスペクト比あるいはサイズを変更することにより最大測定可能モーメント(トルク)Mzを大きくすることが可能であることを特徴とする。
また、前記導電性部材は、グラッシーカーボン(以下、GCという)を含む導電性複合材料からなることを特徴とする。
また、前記一対の基板は、一方又は双方の基板上に形成された電極が、前記弾性立体接触部の底面形状に相似形の面内に主軸に対して複数の対称形状又は非対称形状に分割され配置されることを特徴とする。
また、前記一対の基板のうち、一方又は双方の基板が、前記電極と一体的に構成されることを特徴とする。
さらに、前記柔軟接触型4軸荷重センサに任意荷重Pが負荷されるときに、前記複数に分割された各電極ゾーンの電圧変化の検出値から前記任意荷重Pの水平成分であるせん断荷重Pt、垂直成分(主軸(z軸)方向)である垂直荷重Pn及びモーメントMzに分離して演算処理を行う演算処理システムの一部又は全体が、前記柔軟接触型荷重センサの構成の一部として柔軟接触型4軸荷重センサの内部又は/及び外部に設けられることを特徴とする。
本発明に係る柔軟接触型4軸荷重センサは、例えばグラッシーカーボン(GC:Glass Like Carbon)又はグラッシーカーボン(GC)を含む例えば気相成長炭素繊維(VGCF:Vapor Grown Carbon Fiber)を添加したGC/VGCFなどの導電性複合材料からなる導電性部材が有する性質のうち、60℃さらには1000℃を超える環境下でも安定しているという耐熱性、及び電圧を印加しながら荷重を負荷すると電気抵抗値が変化するという性質を利用したものである。したがって、このような性質を有する物質であれば、必要に応じて耐熱性があればさらに望ましいが、どの物質であっても任意の導電性部材も本発明の柔軟接触型4軸荷重センサの導電性部材として使用することが可能である。
また、本発明に係る柔軟接触型4軸荷重センサに用いられる電極は、必要に応じて耐熱性があれば望ましいが、十分な導電性を有している限り、材料に特に限定されない。
本発明に係る柔軟接触型4軸荷重センサに用いられる電極が形成された基板は、電極の固定が可能なものであれば、必要に応じて耐熱性があればさらに望ましいが、材料に特に限定されない。さらに、基板自体を金属、GCを含む導電性複合材料あるいはその他任意の導電性部材で作製し、前記電極と一体化させ電極を兼ねた導電性部材の構成に置き換える形態とすることもできる。
本発明に係る柔軟接触型4軸荷重センサにおいては、電極が形成された一対の基板のうちの一方又は双方の電極を例えば4等分などの複数に分割して、前記分割された電極をそれぞれゾーンα、β、γ、δ・・・などと定義して区別する。柔軟接触型4軸荷重センサに任意荷重Pが負荷されたときには、前記各ゾーンに荷重が分離されることで各ゾーンの電圧が変化する。これを利用して、各ゾーンの電圧変化の関係から前記柔軟接触型4軸荷重センサに負荷される任意荷重Pを水平成分であるせん断荷重Ptと、垂直成分である垂直荷重Pnと、モーメントMzに分離して測定することが可能になる。また、前記電極の分割数を増やすことにより、各ゾーンの電圧変化の分解能を向上させ、これにより、詳細な荷重分布を正確に測定することが可能になる。
さらに、せん断荷重Ptと、垂直荷重Pn及びモーメントMzの測定には、各ゾーンの電圧変化の検出値を用いての演算処理が必要となるため、この演算処理を行うための、演算処理手段乃至制御手段を有する演算処理システムの一部又は全体を前記柔軟接触型4軸荷重センサの構成の一部として柔軟接触型4軸荷重センサの内部又は/及び外部に設けても良い。
本発明によれば、測定対象物と接触し荷重を受けるように配置され、柔軟な弾性部材から平坦又は任意の曲面形状の底面を有する任意の主軸対称立体形状に形成された弾性立体接触部と、弾性立体接触部の底面が直接接触するように配置されて前記荷重を検出する荷重検出層を構成する電極が形成された一対の基板と、一対の基板の電極間に挟持されたグラッシーカーボンを含む導電性複合材料などの耐熱性及び電圧を印加しながら荷重を負荷すると電気抵抗値が変化するという特性を兼ね備えた導電性部材と、を有する簡潔な構成の柔軟接触型4軸荷重センサにより、ロボットハンドの指先に取り付け可能なように薄小化・軽量化が容易で設計の自由度を有し、高温環境を含む様々な環境下で安定して対象物に加わる荷重Pのうち、水平荷重Pt、垂直荷重Pn及びモーメントMzをそれぞれに分離して荷重分解能が良く、接触荷重の大きさ及び方向を迅速に検出することが可能な柔軟接触型4軸荷重測定システムを提供できる効果がある。
また、弾性立体接触部は、ソリッド、主軸に沿って任意断面形状の貫通孔又は底面に任意断面形状の凹穴などが形成される任意の主軸対称立体形状に形成でき、このような弾性立体接触部の任意の底面形状に対応する相似形状の一対の基板上に形成される電極が、主軸に対して複数の対称形状又は任意の非対称形状に分割され配置されることにより、電極配線数を適宜増減できるなど設計の自由度を一層アップする効果がある。
また、弾性立体接触部の弾性係数やアスペクト比などの形状寸法を変化させることで、最大測定可能モーメント(トルク)Mzを大きくすることができる効果もある。
さらに、本発明の構成によると、外部から加えられた荷重の互いに異なる複数方向に対応した成分が、弾性立体接触部と荷重検出層とからなるセンサユニットの複数のゾーンに対応した抵抗値の変化に基づいて検出されるので、各成分を検出するための演算システムが簡略化される効果もある。
(a)は本発明に係る一実施形態(実施例1)の柔軟接触型4軸荷重測定システムの概念を示す模式図、(b)は(a)の柔軟接触型4軸荷重センサのA−A線矢視鳥瞰図である。 図1の柔軟接触型4軸荷重測定システムの模式的な電気回路図である。 図1(a)の柔軟接触型4軸荷重センサの荷重測定試験装置の概念図(模式図)である。 図3の荷重測定試験における柔軟接触型4軸荷重センサの荷重負荷状態を概念的に示す模式図であり、(a)は柔軟接触型4軸荷重センサに主軸(z軸)方向に垂直荷重Pnが加えられて弾性立体接触部が圧縮変形した圧縮変形状態、(b)は(a)の状態からせん断荷重Ptが加えられて弾性立体接触部が圧縮及びせん断変形したせん断変形状態、(c)は(b)の平面図、(d)は(a)の状態から主軸回りのねじりモーメントMzが加えられて弾性立体接触部が圧縮及びねじり変形したねじり変形状態、(e)は(d)の平面図をそれぞれ示す模式図である。 図4(a)の圧縮変形状態におけるそれぞれ、(a)はスキン層を省いた柔軟接触型4軸荷重センサの模式図、(b)は荷重検出層の上部基板/電極の模式図である。 図5の柔軟接触型4軸荷重センサの圧縮変形量の測定結果で、(a)は各ソーンの電圧変化Vmと圧縮変形量Δhの関係、(b)は各ソーンの電圧変化量dVmと圧縮変形量Δhの関係を示すグラフである。 図5の柔軟接触型4軸荷重センサの圧縮変形量の測定結果で、各ソーンの電圧変化量dVmの総和Vと圧縮変形量Δhの関係を示すグラフである。 図4(b)のせん断変形状態におけるそれぞれ、(a)はスキン層を省いた柔軟接触型4軸荷重センサの模式図、(b)は荷重検出層の上部基板/電極の模式図ある。 図8の柔軟接触型4軸荷重センサのせん断変形量の測定結果で、(a)はせん断変形量Δrと各ソーンの電圧変化量dVmの関係、(b)はせん断変形量Δrと電圧変化ΔVとの関係を示すグラフである。 図8の柔軟接触型4軸荷重センサのせん断変形量の測定結果で、(a)は電圧変化ΔVとせん断変形量Δrの関係、(b)は傾き係数Kと圧縮変形量Δhの関係を示すグラフである。 図4(d)のねじり変形状態におけるそれぞれ、(a)はスキン層を省いた柔軟接触型4軸荷重センサの模式図、(b)は荷重検出層の上部基板/電極の模式図ある。 図11の柔軟接触型4軸荷重センサのせん断変形量(ねじれ角Ψ=0で圧縮変形量Δh=0.5mmのとき)の測定結果で、(a)はねじれ角Ψと各ゾーンの電圧変化量dVの関係、(b)はねじれ角Ψと電圧変化ΓVの関係を示すグラフである。 図11の柔軟接触型4軸荷重センサのせん断変形量(ねじれ角Ψ=0で圧縮変形量Δh=0.25〜2.5mmのとき)の測定結果で、(a)はねじれ角Ψと電圧変化ΓVの関係、(b)は圧縮変形量Δhと電圧変化ΓVの係数Cの関係を示すグラフである。 電極用配線を削減するため、上部基板/電極の平面形状を変えた場合の別の実施例として、(a)の図1の主軸に対して8個の対称形状のゾーンに分割された電極を(b)の主軸に対して2個の非対称形状を有する5個のゾーンに分割された電極に変更した別の実施例の平面図である。 図1の弾性立体接触部の弾性率、アスペクト比あるいはサイズを変更することで最大測定可能モーメント(トルク)Mを大きくすることができることを示すための説明図である。 図1の弾性立体接触部のアスペクト比を変更することで電極の分割ゾーンの数を削減し省配線化が可能であることを説明するためのまた別の実施例の模式図で、(a)の8個の対称形状のゾーンに分割された電極を有する正四角柱体形状の弾性立体接触部のアスペクト比を変えて(b)の4個の対称形状のゾーンに分割された電極を有する長方体形状に変更したまた別の実施例の模式図である。 図16(b)の長方体形状の弾性立体接触部を有する柔軟接触型4軸荷重センサのねじれ角Ψと各ゾーンに負荷される垂直加重の測定結果で、(a)はねじれ角Ψと各ゾーンに負荷される垂直加重Pの関係、(b)はねじれ角Ψと関係式から得た荷重出力PPn、PMz、PPtの関係を示すグラフである。 (a)は図16(b)の長方体形状の弾性立体接触部の模式図で、(b)〜(e)は(a)の弾性立体接触部のアスペクト比をそれぞれ変更した変形実施例の弾性立体接触部を示す模式図である。 (a)〜(c)はまた別の実施例の三角柱形状の柔軟接触型4軸荷重センサの主要部であって、(a)は弾性立体接触部の模式図、(b)は弾性立体接触部の垂直応力のコンター図、(c)は荷重検出層の上部基板/電極の模式平面図である。(d)〜(f)はまた別の実施例の五角柱形状の柔軟接触型4軸荷重センサの主要部であって、(d)は弾性立体接触部の模式図、(e)は弾性立体接触部の垂直応力のコンター図、(c)は荷重検出層の上部基板/電極の模式平面図である。 また別の実施例の四角柱形状の柔軟接触型4軸荷重センサの主要部であって、(a)は主軸に沿って四角断面貫通孔を有する弾性立体接触部、(b)は主軸に沿って円断面貫通孔を有する弾性立体接触部、(c)は(a)の弾性立体接触部を有し垂直荷重及びねじりモーメントが負荷された状態の柔軟接触型4軸荷重センサの主要部、(d)は(c)の荷重検出層の上部基板/電極の模式図である。 また別の実施例の円柱形状の柔軟接触型4軸荷重センサの主要部であって、(a)は主軸に沿って四角断面貫通孔を有する円柱形状の弾性立体接触部の鳥瞰図、(b)は(a)の弾性立体接触部に垂直荷重及びねじりモーメントが負荷された状態の垂直応力のコンター図である。 また別の実施例の円柱形状の弾性立体接触部の模式図であって、(a)は鳥瞰図、(b)は(a)の弾性立体接触部の底面の平面図である。 (a)はまた別の実施例の四角形底面を有する弾性立体接触部、(b)はさらに別の実施例の四角柱形状の底部上にカット球体形状が接合された弾性立体接触部の模式図である。 さらに別の実施例の弾性立体接触部の模式図であって、(a)は四角台形形状の弾性立体接触部の鳥瞰図、(b)は三角錐体形状の弾性立体接触部の鳥瞰図、(c)は底面に四角断面形状の凹穴が切込まれた半球体形状の弾性立体接触部の鳥瞰図、(d)は(c)の弾性立体接触部の底面の平面図である。
以下、本発明の柔軟接触型4軸荷重測定システムを実施するための形態の具体例を、添付図面を参照しながら説明する。
本発明に係る一実施形態による実施例1の柔軟接触型4軸荷重測定システム10は、図1に概念的に示すように、電気絶縁材料のスキン層4を介して測定対象物例えば人体などと接触する柔軟で復元性がある平坦又は任意の曲面形状(図示しない)の底面を有する任意の主軸対称立体形状に形成された弾性立体接触部2を備え、この弾性立体接触部2に作用する荷重Pを測定する柔軟接触型4軸荷重センサ1を有する。以下、柔軟接触型4軸荷重センサ1の垂直方向にその中心軸である主軸をZ軸とし、相互に直交するX、Y、Zの3軸を定義する。
実施例1の柔軟接触型4軸荷重センサ1は、弾性立体接触部2と、荷重検出層3と、スキン層4とからなる。なお、以下においては、柔軟接触型4軸荷重センサ1を例えば図示しないロボットハンドの指先に取付けた場合をー例として説明する。
荷重検出層3はロボットハンドの指先側、スキン層4は人体などの接触する測定対象物側にそれぞれ配置され、弾性立体接触部2は荷重検出層3とスキン層4との間に直接接触するように配置し挾持される構造になっている。したがって、荷重検出層3は、弾性立体接触部2の底面形状に合せた平面又は図示しない曲面形状に形成される。
弾性立体接触部2は、液体シリコンと硬化剤を9:1の質量比でシンナーも混合し、柔軟性があり弾性復帰力(復元性)を有している。シンナーを添加することで、弾性立体接触部2のヤング率を変えることができる。この実施例の弾性立体接触部2は、シンナーを質量比で40%添加しており、ヤング率は0.404MPa、 ポアソン比は0.492で、10×10×5mmの正四角柱体形状である。なお、弾性立体接触部2の材質は上記した材質に限定されるものではなく、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリアセタール(POM)等の高分子材料が適用可能である。
荷重検出層3は、上部基板31と、下部基板32と、導電性部材33と、固定用フィルム34とからなり、上部基板31と下部基板32とにそれぞれ形成された電極の間に導電性部材33が挟持され、固定用フィルム34で固定し構成される。
上部基板31には、ポリイミド製のフレキシブル基板を使用し、エッチング処理することにより、図1(b)に示すようなZ軸回りに45度毎に分割配置された8つの上部電極31α、31β、31γ、31δ、31ε、31ζ、31η、31θ(以上まとめて第1の電極部)が上部基板31下面上に設けられ、上部電極31δ〜31θと下部電極32Aとの各間を順次ゾーン(zone)1、ゾーン2、ゾーン3、ゾーン4、ゾーン5、ゾーン6、ゾーン7、ゾーン8と定義する。他方、下部基板32にはガラスエポキシ製のポジ感光基板を使用し、エッチング処理をすることにより下部基板32上面上には下部電極32A(第2の電極部)が設けられている。なお、上部基板31と下部基板32とを天地逆転させた変形形態、すなわち、図中上側に一面電極を有する下部基板32、下側には8つに分割された電極31α〜31θが配置された上部基板31としてもよい。いわゆる、荷重検出層3は、この実施例では上部電極31δ〜31θを分割し、下部電極32Aをグランドとしているが、反対に下部電極32Aを分割して、上部電極をグランドとしても同様に柔軟接触型4軸荷重センサの作製が可能である。
導電性部材33には、PC(ポリカーボネート)に気相成長炭素繊維(昭和電工製の「VGCF」(登録商標))を例えば20wt%添加させた複合材料PC/20wt%VGCFを使用している。PC粉末と気相成長炭素繊維をペレット状にし、圧延することで気相成長炭素繊維が配向する。VGCFなどのフィラー材の添加率を変化させることで柔軟接触型4軸荷重センサの感度も変化させることができ、添加率を上げることで柔軟接触型4軸荷重センサの出力感度も大きくなる。
この実施例の柔軟接触型4軸荷重センサ1においては、図示しないが、気相成長炭素繊維の量を一致させるために気相成長炭素繊維の配向方向を45°としている。なお、気相成長炭素繊維の配向方向を45°以外の全ての配向方向、ランダムな配向方向としても柔軟接触型4軸荷重センサの作製は可能である.
また、この実施例においては、導電性部材33の四角形サイズは、12mmx12mmとしている。なお、弾性立体接触部2は何ら荷重が加わっていない状態においては、基準位置、すなわち8つの上部電極31α〜31θの延長線が交差する部分の上方すなわち荷重検出層3のZ軸上に中心軸を一致させ配置されている。
また、荷重検出層3の導電性部材33を含む感圧導電性シートを作製する際のフィラー材としては下記表1に示すものも適用可能である。
Figure 2014085306
なお、複合材料中に添加される形状としては、フレーク状、粉末状、繊維状などが適用可能である。また、複合材料のマトリクス材(母材)に用いる樹脂には、熱硬化性樹脂、熱硬化塑性樹脂、エンジニアリング・プラスチック、他、などの任意の樹脂を選択することが可能である。
さらに、導電性部材33として、グラッシーカーボン(以下、GCという)及びGCに気相成長炭素繊維を添加した複合材料GC/VGCF、例えば、GCに、VGCFを質量比で12wt%添加したGC/12wt%VGCFなどを用いることもできる。GC/VGCFは、グラッシーカーボンと同様、高温で使用可能な導電性部材として有効である。
なお、この実施例の柔軟接触型4軸荷重センサ1は、図1(b)に示すように一方又は双方の電極32A、31α、31β、31γ、31δ、31ε、31ζ、31η、31θと導電性部材33とを一体として構成された場合であっても、柔軟接触型荷重センサ1として適用が可能である。
こように、導電性部材33が電極の機能も兼ね備える構成により、構造が一層簡潔化され薄小化及び軽量化された柔軟接触型4軸荷重センサ1を提供することが可能となる。
また、荷重検出層3は、上部電極及び下部電極を含む一対の基板31、32及び導電性部材33を前記適宜な材料を選択的に用いることにより、柔軟性を備えた構成とすることも容易に可能である。これにより、曲面形状を有する対象物に柔軟接触型4軸荷重センサを前記曲面形状に沿って設置することが可能であり、一層適用範囲を拡げ設計の自由度を向上させることができる。
弾性立体接触部2とスキン層4及び荷重検出層3とは接着剤で接続されており、例えば、エポキシ系、シアノアクリレート系の接着剤等が適用可能である。
柔軟接触型4軸荷重センサ1に設置された弾性立体接触部2に任意荷重Pが負荷されたとき、各ゾーンに荷重が分離されることで各ゾーンの電圧V(m=1、2、3、4、5、6、7、8)が変化する。これにより、各ゾーンの電圧変化の関係から弾性立体接触部2に負荷される任意荷重Pを水平成分であるせん断荷重P、垂直成分である垂直荷重P及びz軸回りのねじりモーメント(トルク)Mに分離して測定することができる。
せん断荷重P、垂直荷重P及びモーメントMの測定には、各ゾーンの電圧検出値を用いての演算処理が必要となるため、この実施例の柔軟接触型4軸荷重測定システム10は、各ゾーンの電圧V(m=1、2、3、4、5、6、7、8)を検出する電圧検出手段120と、この電圧検出手段120からの電圧検出値を取込んで演算処理を行うための演算処理手段(又は制御手段)110と、上部電極31α〜31θと下部基板32に形成された下部電極32Aへの電圧を供給する安定化電源130とを有する演算処理システム100を備えている。演算処理システム100のこれら一部の手段又は全体は、柔軟接触型4軸荷重センサ1の構成の一部として、柔軟接触型4軸荷重センサ1の内部又は及び外部に設けてもよい。
以上、柔軟接触型4軸荷重センサ1の弾性立体接触部2及び荷重検出層3がそれぞれ1つからなるセンサユニットについて説明したが、このセンサユニットを複数配置し連設してシート状に形成する(図示しない)ことにより、大面積の荷重を測定することも可能となる。
(変位測定の原理)
次に、上記のような構造の本発明に係る柔軟接触型4軸荷重センサ1の圧縮変形量Δh測定の原理について説明する。なお、以下において荷重P及びPに下付き又は添え文宇が付加されたものは、ベクトル表記である。
本発明者らは、弾性立体接触部2に圧縮及びせん断方向の変位、ねじりを加えた際に弾性立体接触部2の下面に生じる荷重分布の関係に着目した。弾性立体接触部2の下面に感圧導電性材料である荷重検出層3を配置することで、荷重と抵抗値変化の関係から逆算的に弾性立体接触部2に生じる変形量を求め、変形抵抗と負荷される荷重の関係から4軸方向の荷重を測定できることを発見した。
柔軟接触型4軸荷重センサ1は、荷重Pを負荷することにより導電性部材33の抵抗値が変化することを利用し、その結果、上部電極31α〜31θと下部電極32Aとの間に電圧変化が生じ、この電圧変化を検出することにより接触荷重Pの大きさ及び方向を測定するものである。
柔軟接触型4軸荷重センサ1センサに負荷される垂直荷重、せん断荷重、z軸回りのモーメント、圧縮変形量、せん断変形量、ねじれ角をそれぞれP、P、M、Δh、Δr、Ψと定義する。
また、ゾーンmに生じる電圧変化量をdV(m=1、2、3、4、5、6、7、8)と定義する。
柔軟接触型4軸荷重センサ1は、抵抗値R=100Ωの固定抵抗を荷重検出層3の下部基板32の各ゾーンにそれぞれ接続し、図2に模式的に示すように、並列に構成した電気回路で表すことができる。また、導電性部材33は、いずれも荷重Pが負荷されると電気抵抗値が変化するため、可変抵抗R、R、・・・、Rと考えることができ、図2の電気回路図のように表すことができる。各ゾーンの電圧をV、V、・・・、Vとした柔軟接触型4軸荷重センサ1は安定化電源を用いて回路に初期電圧を流しているため、初期電圧をVとし、各ソーンの電圧変化量dV(m=1、2、3、4、5、6、7、8)を式(1)のように表わす。また、各ソーンの電圧変化量dVの総和Vを式(2)のように表し、せん断荷重Pを負荷したときの電圧変化△Vの関係を式(3)のように表わす。なお、固定抵抗の抵抗値Rは任意の値を選択することが可能である。また、各ゾーンに対してブリッジ回路を作製して電圧を測定しセンサとして用いることも可能である。
Figure 2014085306
Figure 2014085306
Figure 2014085306
X、Y、Z軸方向の各成分の荷重をP、P、P、各成分の変位量をΔx、Δy、Δzとすれば、圧縮変形量Δhと各ゾーンに生じる電圧変化量dVの関係は式(4)のように電圧変化量の総和Vで表すことができる。
Figure 2014085306
ここで、P、P、P、P、P、P、P、Pはそれぞれゾーン1、ゾーン2、ゾーン3、ゾーン4、ゾーン5、ゾーン6、ゾーン7、ゾーン8に負荷される垂直荷重成分で、その総和であるPPnはPに等しい。
X軸方向に弾性立体接触部2を変位させた場合、X軸の正方向に対応するゾーンには弾性体に圧縮荷重が作用するため電圧変化量が増加し、反対側に対応するゾーンには引張荷重が作用し、電圧変化量が減少すると考えられる。
よって、式(5)に示すように各ゾーンの差を計算することでX軸方向の変位量ΔxをVxとして表すことができる。
Figure 2014085306
Y軸方向の変位量Δyに対しても同様に考えられるため式(6)のようにVyとして表すことができる。
Figure 2014085306
また、Δx、Δyはせん断変形量ΔrのX、Y成分であるため式(7)のように電圧変化ΔVとして表わすことができる。
Figure 2014085306
弾性立体接触部2にねじりモーメントMzを負荷した場合、隣接したゾーンに圧縮荷重と引張荷重が作用するため、ねじれ角Ψは式(8)に示す関係式から電圧変化ΓVによって表わすことができる。
Figure 2014085306
(変位測定例)
柔軟接触型4軸荷重センサ1の変位測定試験は、図3の荷重測定試験装置の概念図(模式図)に示すように、柔軟接触型4軸荷重センサ1の中心(z軸方向)に垂直荷重P(圧縮変形量Δh)を負荷するzテーブル(table)、X又はY軸方向にせん断荷重P(せん断変形量Δr)を負荷するx、yテーブル(table)、z軸回りのモーメントM(ねじれ角Ψ)を負荷するロータリテーブル(Rotary table)を備える卓上万能試験機を用いて行った。
(圧縮変形量の測定例)
先ず、図4(a)及び図5(a)、(b)の模式図に示すように、柔軟接触型4軸荷重センサ1の中心(z軸方向)に垂直荷重(Normal Load)Pを負荷し、圧縮変形量Δhと各ゾーンの電圧変化の関係を求めた。
卓上万能試験機を用いて荷重負荷速度は0.5mm/min−定とした。電圧の供給には安定化電源を用いV=9(V)一定に制御した。弾性立体接触部2がもとの高さから50%の高さ、すなわち最大圧縮変形量Δh=2.5mmになるまで柔軟接触型4軸荷重センサ1に垂直荷重Pnを負荷した。
このときの各ゾーンの電圧変化V(m=1、2、3、4、5、6、7、8)と圧縮変形量Δhの関係を図6(a)のグラフに、各ゾーンの電圧変化量dV(m=1、2、3、4、5、6、7、8)と圧縮変形量Δhとの関係を図6(b)のグラフに示す。
柔軟接触型4軸荷重センサ1の中心(Z軸方向)に垂直荷重Pを負荷しているため、各ゾーンで電圧変化V及び電圧変化量dVがそれぞれ一致していることがわかる。
また、各ゾーンの電圧変化量dVの総和Vと圧縮変形量Δhの関係を図7に示す。この関係を最小二乗法で近似した関係式を式(9)に示す。
Figure 2014085306
特許文献2の柔軟接触型荷重ゼンサは、複数のマイクロスイッチをON−OFFすることで荷重を検出するため階段状のグラフになり、荷重分解能が劣っていることが明白である。
本発明の柔軟接触型荷重ゼンサ1は、特許文献2の柔軟接触型荷重センサのようなスイッチをON−OFFすることで荷重を測定する構成ではなく、導電性部材33を使用し荷重Pを加えた際の連続的な抵抗変化を検出することにより荷重測定を行なうことから、階段状にはならず滑らかに変化しているグラフとなっている。この結果から、本発明の柔軟接触型荷重ゼンサ1は、特許文献2の柔軟接触型荷重ゼンサに比して荷重分解能が良く、しかも、荷重分解能は市販のロードセルと略同じ0.05Nである。また、アンプ(増幅器)を使用していないのでノイズも生じない。
(せん断変形量の測定例)
次いで、図4(b)、(c)及び図8(a)、(b)の模式図に示すように、柔軟接触型4軸荷重センサ1の中心(z軸方向)に垂直荷重Pを負荷し弾性立体接触部2の圧縮変形量Δh=0.25、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5mmと変位せた状態で、せん断変形量Δr=2.0mmとなるまでせん断荷重(Shearing load)Pを負荷し、せん断変形量Δrと各ゾーンの電圧変化の関係を調べた。せん断荷重PはX軸方向に負荷し、せん断荷重負荷速度は30mm/minとした。
圧縮変形量Δh=0.5mmと変位せた状態で、せん断荷重Pを負荷したときの結果を図9(a)、(b)に示し、同図(a)はせん断変形量Δrと各ゾーンの電圧変化量dV(m=1、2、3、4、5、6、7、8)の関係を示すグラフであり、(b)はせん断変形量Δrと電圧変化ΔVの開係を示すグラフである。このグラフから、せん断荷重Ptにより、各ソーンで電圧が変化していることが分かる。
弾性立体接触部2の圧縮変形量Δh=0.25、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5mmと変位せた状態で、せん断荷重Ptを負荷させたときのせん断変形量Δrと電圧変化ΔVの開係を図10(a)のグラフに示す。この図からせん断変形量Δrの増加にともない電圧変化ΔVが線形に増加していることがわかる。
電圧変化ΔVとせん断変形量Δrの関係における傾き(係数)をKとすると、せん断変形量Δrは傾きKを用いて式(10)のように表すことができる。
Figure 2014085306
図10(a)によれば、垂直荷重Pnの増加、すなわち圧縮変形量Δhの増加に従い、せん断変形量Δrと電圧変化△Vの傾きKは緩やかになる傾向を示している。電圧変化△Vの傾き係数Kと圧縮変形量Δhの関係を図10(b)のグラフに示す。
図10(b)における電圧変化△Vの傾きKは、式(11)の関係がある。
Figure 2014085306
式(10)及び(11)から求めた電圧変化ΔVとせん断変形量Δrの関係式を式(12)に示す。電圧変化ΔVを式(12)に代入することでせん断変形量Δrを測定できる。
Figure 2014085306
(ねじれ角の測定例)
図4(d)、(e)及び図11(a)、(b)の模式図に示すように、弾性立体接触部2の圧縮変形量Δh=0.25、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5mmと変位せた状態で、柔軟接触型4軸荷重センサ1のz軸回りにねじりモーメントMを負荷し、ねじれ角Ψが−20度(deg)から20度(deg)となるまで弾性立体接触部2を変形させ、ねじれ角Ψと電圧変化ΓVの関係を求めた。
弾性立体接触部2の圧縮変形量Δh=0.5mmのときのねじれ角Ψと各ゾーンの電圧変化量dV(m=1、2、3、4、5、6、7、8)の関係を図12(a)のグラフに、ねじれ角Ψと電圧変化ΓVの関係を図12(b)のグラフに示す。
また、弾性立体接触部2の圧縮変形量Δh=0.25、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5mmと変位せたときのねじれ角Ψと電圧変化ΓVの関係を図13(a)のグラフに示す。
図13(a)から圧縮変形量Δhと電圧変化ΓVの関係は、Sin関数で近似できることがわかる。従って、ねじれ角Ψは係数Cを用いて式(13)のように表すことができる。
Figure 2014085306
電圧変化ΓVの係数Cは圧縮変形量Δhによって決まる定数であり、圧縮変形量Δhと係数Cの関係を図13(b)のグラフに示す。図13(b)のグラフから係数Cと圧縮変形量Δhの関係式は式(14)のように表される。
Figure 2014085306
式(13)と式(14)から、ねじれ角Ψと電圧変化ΓVの関係は式(15)のように表される。電圧変化ΓVを式(15)に代入することでねじれ角Ψを測定することができる。
Figure 2014085306
以上をまとめると、本発明に係る一実施形態による実施例1の柔軟接触型4軸荷重センサ1に圧縮、せん断方向及びねじりの変形量Δh、Δr、Ψを加えた際に生じる電圧変化の関係を調べた結果、以下のことが判明した。
(1)柔軟接触型4軸荷重センサ1の弾性立体接触部2に垂直荷重P、せん断荷重Pを加えた結果、各ゾーンの電圧変化ΓVを測定することで圧縮変形量Δh、せん断変形量Δrを測定できる。
(2)柔軟接触型4軸荷重センサ1の弾性立体接触部2にねじりモーメントMを加えた結果、各ゾーンの電圧変化を測定することでねじれ角Ψを測定できる。
(3)荷重検出層3に例えばPC(ポリカーボネート)に気相成長炭素繊維(VGCF)を添加させた複合材料を使用し、ヤング率0.404MPa、直径10mmの弾性立体接触部2を用いることで、ロボットハンドの指先に取り付け可能なように薄小型で柔軟な柔軟接触型4軸荷重センサ1が実現でき、荷重分解能は市販されているロードセルと同じであった。なお、柔軟接触型4軸荷重センサ1の弾性立体接触部2及び荷重検出層3がそれぞれ1つからなるセンサユニットを多数配置することにより、例えば、ロボットアーム、医療用ベッドなど大面積の荷重測定にも使用できる。
以下に、種々別の実施形態又は変形実施形態による別の実施例について説明する。
(電極形状の変更例)
実施例1の主軸に対して8個の対称形状のゾーンに分割された上部電極31(図14(a))を例えば主軸に対して2個の非対称形状のゾーン2、ゾーン3を有する5個のゾーンに分割された上部電極31X(図14(b))に変更することにより、電極用配線数を削減することができる。
(弾性立体接触部の弾性率、アスペクト比の変更例)
図15の実施例1の弾性立体接触部2の説明図において、aは一辺の長さ、Eは縦弾性係数、Gは横(せん断)弾性係数、hは高さであって、Z軸回りのねじりモーメントMzは、式(16)のように表される。
Figure 2014085306
式(16)から、実施例1の弾性立体接触部2の弾性率、アスペクト比あるいはサイズを変更することで最大測定可能モーメント(トルク)Mzを大きくすることができる。
(弾性立体接触部のアスペクト比を変更による省配線化例)
正立方体のアスペクト比を変化させるとねじりによって弾性体下面に生じる 垂直応力の分布が変化する。 この現象を用いてセンサの配線数を減少させることが可能である。図16(a)の実施例1の8個の中心軸対称形状のゾーンに分割された上部電極31を有する正四角柱体形状の弾性立体接触部2のアスペクト比を変えて、図16(b)に示すように、4個の中心軸対称形状のゾーンに分割された上部電極31Aを有する長方体形状の弾性立体接触部2Aに変更した。
この4個のゾーンに分割された上部電極31Aを有する変形実施例の柔軟接触型4軸荷重センサの荷重(これによる変形量)測定原理は、実施例1と同様であり、例えば、ねじれ角Ψと各ゾーンに負荷される垂直荷重P (m=1、2、3、4)の関係を図17(a)のグラフに、ねじれ角Ψと関係式(下記の式(17)、(18)、(19))から得た荷重出力PPn、PPt、PMzを図17(b)のグラフに示す。
Figure 2014085306
Figure 2014085306
Figure 2014085306
(弾性立体接触部の弾性率、アスペクト比の種々変更例)
図16(b)と同じ図18(a)の弾性立体接触部2AのX、Y、Z軸方向のサイズすなわちアスペクト比を種々任意に変えて、例えば、図18(b)、(c)、(d)、(e)の弾性立体接触部2B、2C、2D、2Eのように任意に変更しても柔軟接触型4軸荷重センサとして作製することができる。
(弾性立体接触部の形状の変更例)
例えば、図19(a)の三角柱体形状の弾性立体接触部2F、図19(d)の五角柱体形状の弾性立体接触部2Gなど任意形状の角柱体形状の弾性立体接触部を有する柔軟接触型4軸荷重センサとしても作製することができる。
図19(b)、(e)はそれぞれ図19(a)、(d)の弾性立体接触部2F、2Gにねじりモーメントを負荷した際に生じる垂直応力の分布図(コンター図)、図19(b)、(e)はそれぞれ図19(a)、(d)の弾性立体接触部2F、2Gに対応する上部電極31F、31Gの模式平面図である。
また、例えば、図20(a)、(b)の四角柱体形状の弾性立体接触部2H、2Iにそれぞれ中心軸に沿って四角断面孔2Ha、円断面孔2Iaなど、任意の角柱体形状の弾性立体接触部に任意断面形状の孔を設けても構成係数を変更させることにより柔軟接触型4軸荷重センサとして作製することができる。
図20(c)は図20(a)の弾性立体接触部2Hを有し、垂直荷重P及びねじりモーメントMが負荷された状態の柔軟接触型4軸荷重センサ1Hの主要部、図20(d)は図20(c)の荷重検出層3Hの上部基板/電極31Hの模式図である。
また、例えば、図21(a)の円柱体形状の弾性立体接触部2Jにそれぞれ中心軸に沿って四角断面孔2Jaなど、任意の立体形状の弾性立体接触部に任意の多角断面孔を設けると、例えば弾性立体接触部2Jにねじりモーメントを加えた際に、図21(b)のコンター図に示すように、垂直応力2Jbのばらつきが生じる。 この垂直応力2Jaの関係を用いて図示しない荷重検出層を配置し、同様に柔軟接触型4軸荷重センサを作製することが可能である。
そして、任意の多角断面孔を設けた際も前記実施例と同様に垂直荷重、せん断荷重及びモーメントの測定が可能である。
また、例えば、図22(a)の円柱体形状の弾性立体接触部2Kの底面2Kaに中心軸に沿って四角断面凹穴(切込み穴)2Kbなど、任意の立体形状の弾性立体接触部の底面に任意の多角断面凹穴を設けても、柔軟接触型4軸荷重センサを作製することが可能である。
また、例えば図23(a)に示すように、弾性立体接触部2Lの底面2Laが多角形であれば 任意立体形状の弾性立体接触部により柔軟接触型4軸荷重センサの作製が可能である。
さらに、例えば図23(b)に示すように、任意立体形状の弾性立体接触部2Mbであっても、多角柱形状の弾性立体接触部2Maの上に接合した弾性立体接触部2Mとすることにより柔軟接触型4軸荷重センサの作製が可能である。
さらにまた別の実施例として、図24(a)、(b)、(c)にそれぞれ四角台形形状、三角錐体形状、半球体形状の弾性立体接触部の模式鳥瞰図を示す。図24(d)には、図24(c)の弾性立体接触部の底面に四角断面形状の凹穴が切込まれた状態の平面図が示されている。
このように、本発明の柔軟接触型4軸荷重センサにおける荷重測定原理は、上記した通り、弾性立体接触部の底面を多角形状にすることによって生じる応力分布の関係を利用するため、弾性立体接触部は、多角錐、多角台形など多角底面形状を有した全ての任意形状、さらには円柱に限定されず、半球,半楕円球など任意形状の形態とすることができる。 また、これらの弾性立体接触部に多角形状の貫通孔あるいは底面に凹穴を設けることによって、前記円柱形状弾性立体接触部(図21(a)、(b))などの実施例と同様に垂直応力のばらつきが生じるため、この垂直応力の関係を用いて図示しない荷重検出層を配置し、同様に柔軟接触型4軸荷重センサを作製することが可能である。 さらにまた、前記多角形断面孔のアスペクト比を変化させることで図16(a)、(b)及び段落〔0103〕、〔0104〕に記載された実施例の原理を用いてセンサの配線数を減らすことも可能である。
以上のように、本発明の柔軟接触型4軸荷重センサは、必要に応じて種々の実施形態とすることが容易に可能であり、設計の自由度が非常に高い。
本発明に係る柔軟接触型4軸荷重測定システムは、高い耐熱性を有していながら、高温環境を含む様々な環境下で安定して荷重分解能が良く、接触荷重の大きさ及び方向を迅速に検出することが可能な柔軟接触型4軸荷重センサを有するため、あらゆる分野のロボット関係、機械装置用の感圧センサ、コンピュータの入力装置等を含む広範な産学会分野に利用することが可能である。また、本発明に係る柔軟接触型4軸荷重センサは簡潔な構造で薄小化及び軽量化が容易なため設計の自由度を有し、例えば生体を扱う場合のような、繊細な作業が必要な様々な医療分野等にも、機器の精度を落とすことなく、好適に利用が可能である。
1:柔軟接触型4軸荷重センサ
2、2A、2B、2C、2D、2E、2F、2G、2H、2I、2J、2K、2L、2M、2N、2P、2Q:弾性立体接触部
2Ha、2Ia、2Ja:貫通孔
2Kb、2Qb:凹穴(切込み穴)
3:荷重検出層
4:スキン層
10:柔軟接触型4軸荷重測定システム
31、31X:上部基板/電極
31α、31β、31γ、31δ、31ε、31ζ、31η、31θ:上部電極(纏めて、第1の電極部)
32:下部基板
32A:下部電極
33:導電性部材
34:固定用フィルム
100:演算処理システム
110:演算処理(又は制御)手段
120:電圧検出手段
130:安定化電源
dV(m=1、2、3、4、5、6、7、8):(各ゾーンの)電圧変化量
GC:グラッシーカーボン
P:任意荷重
(m=1、2、3、4、5、6、7、8):各ゾーンに負荷される荷重
:垂直荷重
:せん断荷重(水平荷重)
R:(電気)抵抗(抵抗値)
、R、R、R、R、R、R、R:(各ゾーンの抵抗)可変抵抗
V:電圧変化量の総和
:初期電圧(電源電圧)
VGCF:気相成長炭素繊維
(m=1、2、3、4、5、6、7、8):各ゾーンの(上部及び下部電極間の)電圧
m0(m=1、2、3、4、5、6、7、8):各ゾーンの初期電圧
ΔV、ΓV:電圧変化

Claims (8)

  1. 電気絶縁材料からなるスキン層を介して測定対象物と接触し荷重を受けるように配置され、柔軟で復元性がある弾性部材から平坦又は任意の曲面形状の底面を有する任意の主軸対称立体形状に形成された弾性立体接触部と、前記弾性立体接触部の平坦底面が直接接触するように配置されて前記荷重を検出する荷重検出層とを備える4軸荷重測定用柔軟接触センサを有する柔軟接触型4軸荷重測定システムであって、
    前記荷重検出層は、
    電極が形成された一対の基板と、
    前記一対の基板の電極間に挟持され、電圧を印加した状態で荷重を負荷することにより電気抵抗値が変化する特性を備えた、カーボン系あるいは金属系を含む導電性複合材料からなる導電性部材と、を有し、前記弾性立体接触部の底面形状に合せた平面又は曲面形状に形成され、
    前記一対の基板のうち、一方又は双方の基板は、前記導電性部材により電極を兼ねて一体的に形成された構成に置き換えが可能であることを特徴とする柔軟接触型4軸荷重測定システム。
  2. 前記荷重検出層は、曲面形状を有する対象物に前記柔軟接触型4軸荷重センサを前記曲面形状に沿って設置可能なように、前記上部電極及び下部電極を含む一対の基板及び導電性部材がいずれも柔軟性を備えた材料から選択的に構成されることを特徴とする請求項1記載の柔軟接触型4軸荷重測定システム。
  3. 前記弾性立体接触部は、中心軸(主軸)に沿って任意断面形状の貫通孔又は底面に任意断面形状の凹穴が形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の柔軟接触型4軸荷重測定システム。
  4. 前記弾性立体接触部の弾性率、アスペクト比あるいはサイズを変更することにより最大測定可能モーメント(トルク)Mzを大きくすることが可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の柔軟接触型4軸荷重測定システム。
  5. 前記導電性部材は、グラッシーカーボン(以下、GCという)を含む導電性複合材料からなることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の柔軟接触型4軸荷重測定システム。
  6. 前記一対の基板は、一方又は双方の基板上に形成された電極が、前記弾性立体接触部の任意の底面形状に相似形の面内に主軸に対して複数の対称形状又は非対称形状に分割され配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の柔軟接触型4軸荷重測定システム。
  7. 前記一対の基板のうち、一方又は双方の基板が、前記電極と一体的に構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の柔軟接触型4軸荷重測定システム。
  8. 前記柔軟接触型4軸荷重センサに任意荷重Pが負荷されるときに、前記複数に分割された各電極ゾーンの電圧変化の検出値から前記任意荷重Pの水平成分であるせん断荷重P、垂直成分である垂直荷重P及びモーメントMに分離して演算処理を行う演算処理システムの一部又は全体が、前記柔軟接触型荷重センサの構成の一部として柔軟接触型4軸荷重センサの内部又は/及び外部に設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の柔軟接触型4軸荷重測定システム。
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