JP2014085163A - 排水中の放射性セシウムの濃度を実質上連続的に測定する方法および装置 - Google Patents

排水中の放射性セシウムの濃度を実質上連続的に測定する方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 放射性セシウムを含有する排水の放射能濃度を実質上連続的に測定する装置であって、ポータブルな装置を用いて、排水発生の現場において、短時間で放射能濃度の測定が可能である測定装置を提供する。
【解決手段】 下記の構成部分:測定対象である排水を受ける受入タンク(1)、測定される排水が通過する、本体(2A)および蓋体(2B)からなる通過容器(2)、および測定された排水を一時貯える貯留タンク(3)、排水導入のためのチューブ(4)、排水を運ぶポンプ手段(5)、放射性セシウムを吸着する吸着剤(6)、ならびに、NaIシンチレータ検出部(7A)および検出結果を計測して表示する手段(7B)からなる測定装置。通過容器は、底部近くに被測定水を導入する開口(22)を備えるとともに上部にオーバーフローのための開口(23)を備え、さらに、底面に検出部を収容する凹み(21)を有する「マリネリ容器」であり、通過容器を放射線遮蔽容器(8A,8B)で包んで使用する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、各種の排水中に存在する放射性セシウムの濃度を、簡易な設備を用いて実質上連続的に測定する方法に関する。ここで、「簡易な設備を用いて」とは、定量限界値があまり低くない測定器を使用しても、ということを意味し、「実質上連続的に測定」とは、断続的ではあるが、短い時間間隔をもって測定値が得られることを意味する。本発明によれば、排水中に比較的低濃度で存在する放射性セシウムの量を、排水が発生した現場で直ちに知ることができるので、モニタリングや除染作業を進めることが容易になる。
放射性セシウムを含む可能性がある排水は、放射性物質を含む焼却灰の埋立て処分場からでる排水や、除染現場で発生した排水など、さまざまなものがあり、かつそれらが含有する放射性セシウムの量も、高濃度から低濃度まで、広い範囲に及ぶ。排水を放流するためには規制値をクリヤしなければならないことはもちろんであるから、定期的に採水して、その中の放射性セシウムの濃度を測定している。この測定には、現在のところ主として、ゲルマニウム半導体検出器によるガンマ線スペクトロメトリーが使用されている。この技術によるときは、検出下限が1Bq/kgまで測定できる。より精密に定量する場合は、測定時間を長くしたり、あるいはリンモリブデン酸アンモニウムを含浸させた吸着濾紙などでセシウムを濃縮・捕集し、測定容器に詰めて測定したりする方法が選ばれる。
放射性セシウムを含む排水も、原子力発電所の排水のように発生箇所が特定していれば、測定設備をその場に設置することができるが、発生箇所がさまざまに変化する一般の排水は、測定設備のあるところまで採取したサンプルを運ばねばならず、かつ、測定には少なくとも1日を要しているのが現状である。このような、排水の放射性セシウム含有量の測定に時間がかかるということは、測定値を知って排水の処理を機動的に行なおうとする場合に、まことに不都合である。排水の放射性セシウム含有量が規制値を超える場合は、放流を停止して対応策を講じなければならないが、測定値を得るまでに時間がかかるのであれば、その間に蓄積される排水を貯留するための大容量の排水タンクを建設しなければならない。しかしこれは、しばしば実現困難なことである。
排水の発生する箇所において、排水から放射性セシウムを除去する設備を設けた場合も、その効果を確認するため、処理水の放射性セシウム含有量を連続的にモニタリングする必要がある。そのような目的で使用されるモニタリング技術には、つぎの2種がある(非特許文献1)。
A)採水方式
測定対象の水の一部または全部をサンプリング用容器に導き、容器内に設置した検出器によって、導いた水中のガンマ線放出核種の放射能濃度を測定する方式
B)浸漬方式
排水槽、排水溝などの水中に配置した検出器によって、周囲の水中のガンマ線放出核種の放射能濃度を測定する方式
現在実用化されているモニタリング装置の能力では、数十Bq/L程度の濃度の放射性セシウムでなければ検出できない。ところが、たとえば埋立て処分場の浸出水処理施設からの排水に対する上乗せ規制値は20Bq/L以下とされることが多いので、実際には、上記の技術で排水をモニタリングして放流することができない。この問題を解決する手段として近年開発された技術に、固相ディスクによる放射性セシウムの回収を行なう定量法がある。この方法は、固相抽出ディスクとよばれるディスクを用いて、放射性セシウムを含有する水や海水を濾過するもので、水や海水に含まれる放射性セシウムが効率よく回収・濃縮されるので、ディスクを乾燥させて、やはりゲルマニウム半導体検出器によるガンマ線スペクトロメトリーを行なう。しかし、この固相ディスクによる放射性セシウムの定量も、測定対象となる排水などの発生場所と、測定を行なう設備の設置場所とが異なることと、測定そのものに時間がかかることから、連続的な測定を実現したいという希望に添う対策とはなり得ていない。
JIS Z4330
最近、検出濃度はあまり低くまでは使えない(検出限界が、最も低い場合でも10Bq/kg、排水を対象とする場合でいえば10Bq/L)が、設備が簡易であってポータブルなガンマ線測定装置が、市販されるに至った。この測定装置は、NaIシンチレータ検出を測定原理とする。発明者らは、この測定装置の利用を、吸着剤による放射性セシウムの濃縮と組み合わせることにより、排水の発生現場においてその放射能濃度を実質上連続的にモニタリングする方法を着想し、実験の結果、ゲルマニウム半導体検出器によるガンマ線スペクトロメトリーにより測定したとき(この測定法は、平成23年環境省告示第114号により公定の方法とされた)の値とよく一致するデータが得られ、十分実用に耐えることを確認した。
本発明の目的は、上記した発明者らの得た知見を実用化し、放射性セシウムを含有する排水であってその放射能濃度が放流の規制値のレベルと同程度であり、ポータブルな放射能濃度測定装置では測定できないものを対象にしても、排水の発生現場において短時間でその測定が可能であり、したがって実質上連続的といえる測定が行えるような測定方法を提供することにある。上記のような放射性セシウムを含有する排水の発生現場に運んで、そこで排水の放射能濃度を実質上連続的に測定することができる簡易な装置を提供することもまた、本発明の目的に包含される。
上記の目的を達成する本発明の方法は、排水に含まれる放射性セシウムの放射能濃度を実質上連続的に測定する方法であって、下記の工程からなる。
(A)容器に充填した一定量の吸着剤の層に、測定対象とする排水を、一定の時間にわたり、一定の流速で継続的に通過させて、排水中に含まれる放射性セシウムを吸着させること、および
(B)測定対象とする排水の通過を停止し、吸着剤に吸着された放射性セシウムのもつ放射能濃度を測定対象とする排水の放射能濃度に関し、定量限界値が低くとも10Bq/Lである測定装置を用いて測定し、その測定値を、あらかじめ求めておいた、ゲルマニウム半導体検出器によるガンマ線スペクトロメトリーによる放射能濃度測定の結果と照合することにより、通過した排水中に含まれていた放射性セシウムの全体の量を算出し、上記の一定の時間内における放射能濃度の平均の値を見出すこと。
上記の目的を達成する本発明の装置は、排水に含まれる放射性セシウムの放射能濃度を実質上連続的に測定する装置であって、図1に示すように、測定対象である排水を受ける受入タンク(1)、測定される排水が通過する、本体(2A)および蓋体(2B)からなる通過容器(2)、および測定された排水を一時貯える貯留タンク(3)、排水導入のためのチューブ(4)、排水を運ぶポンプ手段(5)、放射性セシウムを吸着する吸着剤(6)、ならびに、NaIシンチレータ検出部(7A)および検出結果を計測して表示する手段(7B)から構成され、通過容器(2)は、底部近くに被測定水を導入する開口(22)を備えるとともに上部にオーバーフローのための開口(23)を備え、さらに、底面に検出部を収容する凹み(21)を有する容器であり、通過容器(2)を放射線遮蔽容器(8A,8B)で包んでなる測定装置である。
本発明の測定方法によるときは、簡易な設備、すなわち定量限界値が低くとも10Bq/Lという、あまり高精度とはいえないが、安価で入手が容易な測定装置を用い、実質上連続的といえるほどの短い時間間隔をもって、たとえば1時間程度で、排水に含まれる放射性セシウムの放射能濃度を測定することが可能になる。したがって、測定装置のあるところへサンプルを運ぶ時間と、測定をするために要していた時間とが節約できるという、画期的な利益がある。また、規制値を超える場合に備えて大容量のタンクを用意する必要がない。
本発明の測定装置は、構成部分が簡単である上に、容積が嵩張らず軽量であるから、ポータブルに構成することができ、必要な場所に運んでその場で、排水中の放射性セシウムの放射能濃度を実質上連続的に測定することが容易である。この測定装置を、排水から放射性セシウムを除去する装置に組み合わせて使用する場合、除去装置の入口(原水)と出口(処理水)における濃度を測定することにより、常に除去効果を監視することができる。処理効果が低下し、処理水の放射性セシウムの濃度が基準値を超える場合は、警報を発して装置を停止し、機能を復帰させるといったことが可能になる。
通過容器(2)としては、円筒形であって底面に検出部を収容する凹み(21)を有する形状の本体(2A)に蓋体(2B)を組み合せてなる「マリネリ(Marinelli)容器」と呼ばれるものが、好適に使用できる。マリネリ容器は、プラスチック製であって、蓋体(2B)には、底部近くに被測定水を導入する開口を与えるチューブ(4)を挿入する孔(22)を有するとともに、本体(2A)の側壁にオーバーフローのための開口(23)を備えている。常用のマリネリ容器は、本来の使用法が、毎回1Lの水を入れ(オーバーフロー位置まで)、バッチで放射能濃度を測定するものであるが、本発明においては通過容器として排水を流通させて使用する。測定対象の排水は、マリネリ容器の底部に導入し、充填したゼオライトの層を均等に上向流で通過させる使用法を採用する。それにより、放射性セシウムの吸着剤への均等な吸着が可能になる。
放射線遮蔽手段としては、図2に示すような形状の、下部(8A)と上部(8B)とに分割可能な放射線遮蔽容器を、鉛その他の放射線を遮蔽する能力が高い材料で製造して用いる。図2において、遮蔽容器の上部(8B)の上部に設けた開口(82)は、図1に示した、被測定水を導入する開口をもったチューブ(4)を挿入するための孔であり、側部に設けた開口(83)は、被測定水のオーバーフローのためのチューブを通すための孔である。下部(8A)の大きな開口(81)は、図1の検出部(7A)が下方から入るためのものである。
吸着剤としては、安価でかなり大きな吸着容量をもつ、ゼオライトとくにモルデナイト型ゼオライトが好適であるが、それに限定されるものではない。セシウムイオンを吸着する能力があればよいから、たとえばフェロシアン化化合物などが使用できる。吸着剤の形状は、粒状、棒状、繊維状、シート状など、前記のマリネリ容器を代表とする通過容器に充填して使用できる形状であれば、制限はない。マリネリ容器を使用する場合は、後記する実施例に示したよう、径2〜4mmの粒状のものが使いやすい。吸着が飽和に達すると、吸着剤を交換しなければならないが、それまでの間は連続して使用可能であって、1回の吸着剤の充填で、複数回の測定ができる。すなわち、放射性セシウムの吸着増加分を算出することにより、第2回以降の測定ができる。吸着剤を交換しなければならなくなるまでに使用できる時間は、排水中の放射性セシウムの濃度によって左右されることはもちろんである。交換は、通過容器の本体に一定量の吸着剤を充填したものをあらかじめ用意しておき、容器ごと交換するようにすると好都合である。
吸着剤による放射性セシウムの吸着・濃縮を継続すべき時間は、これまた排水中の放射性セシウムの濃度によって異なる。標準のマリネリ容器を使用した場合、通水の間に容器内に滞在してゼオライトと接触する測定対象の水量は常に1Lであるから、20Bq/Lの放射能濃度を有する水を通過速度5L/hrで通過させたとき、1時間で、5L×20Bq/L=100Bqの放射性セシウムが吸着剤に吸着される。検出限界が10Bq/Lの検出器にとって、検出限界の10倍の測定値は、十分に精度のよい測定を可能にする。放射能濃度がもっと低い測定対象、たとえば10Bq/Lの水の場合、これと同じ放射能濃度に達するには、倍の2時間の通水が必要であり、放射能濃度がきわめて低い、たとえば1Bq/Lの水であれば、100Lを通過させるために20時間を要する。
一方、測定に費やす時間は、長くするほど測定精度が高まって好ましいが、その効果には限界があって、多くの場合、適切な測定時間である10分間程度を超える長い時間をかける意義は乏しい。測定に長時間を費やすことは、短時間に結果を出すという要請には反することになるから、バランスを考えなければならない。通常、測定は1日1回必要であろうから、通水−停止−測定のサイクルにおける通水時間は、5分間〜24時間の範囲内で選択することになり、多くの場合、30分間〜10時間の範囲となる。いうまでもなく、この時間が短いほど、測定は、断続的な測定から連続的な測定に近づく。ただし、サイクル数を増加させれば、それに応じて吸着剤を交換する頻度が増え、測定作業全体としてはより多くの労力と資材とを必要とするから、実用的でなくなることがある。測定頻度に対する要求に応じて、上記のサイクルを決定すべきである。
本発明の測定方法において、前記の工程(A)すなわち放射性セシウムの吸着・濃縮に要する時間にくらべ、工程(B)すなわち濃度の測定に要する時間の方が一般に短いということは、工程(A)を連続的に行ないながら工程(B)を断続的に行なうことを可能にする。つまり、工程(A)および(B)を平行して実施することにより、放流する排水に含まれる放射性セシウムの放射能濃度について、断続的というよりは実質上連続的なモニタリングを行なうことが可能である。このような、実質上連続的なモニタリングを行なうためには、本発明の測定装置において、通過容器(2)を2個有し、かつ、受入タンク(1)と通過容器(2)の間、および通過容器(2)と貯留タンク(3)との間は、バルブ手段によって排水が通過する通過容器(2)が切り替えられる構造にしたものが有用である。
参考例
放射能濃度の測定を、吸着剤を使用しないでどの程度可能であるかを知るため、図1および図2に示した構造の測定装置であって、ゼオライトを充填してないものを組み立てた。放射能濃度の測定器として、ポニー工業(株)製のNaIシンチレーション検出器を備える「SX−SPA」を使用した。この装置の検出下限は、約10Bq/Lである。まず、放射性セシウムを10,20,40または80Bq/Lの4種類含有する模擬排水を各1L、マリネリ容器に注水して、放射能濃度を4回ずつ測定した。つぎに、放射性セシウムの含有量が10Bq/Lの水を通水することを2回行ない、放射能濃度を各回3回ずつ測定した。それぞれの得られた値を、ゲルマニウム半導体検出器による測定値(それが真の値であると仮定する)と比較した。使用したゲルマニウム半導体検出器は、Camberra MODEL GC2520であって、その検出限界は1Bq/kgである。両者のデータの相関関係を、表1および図3のグラフに示す。
表1(Ge欄はゲルマニウム検出器の測定値)にみるとおり、この測定装置に用いた検出器の検出限界である10Bq/Lにおいては、測定値の最大値と最小値の間に6〜8Bq/Lの変動範囲が生じてしまい、精度のよい測定は困難であるという結論に達した。一方、図3にみるように、本発明のSX−SPAを用いた測定装置とゲルマニウム半導体検出器との測定値との間には、相関値R=0.9983という高い相関が得られた。ただし、放射能濃度が低い領域(10Bq/kg)では、SX−SPAによる測定値が、最大と最小で2〜6と幅があり、誤差が大きくなった。このように、10Bq/Lないし20Bq/Lの範囲の放射能濃度では、SX−SPAで直接測定することは困難であることが確認され、他方で、40Bq/Lないし80Bq/Lの範囲の放射能濃度であれば、バラツキの少ない測定ができることがわかった。これらの結果から、低い放射能濃度の領域では、吸着による濃縮を経て測定をすべきことの必要が確認された。
表1 本発明の測定装置(SX−SPA)とゲルマニウム検出器との測定値の関係
Figure 2014085163
図1および図2に示す構造の装置において、プラスチック製のマリネリ容器の本体(2A)に、粒度が2〜4mmのゼオライトの粒子を充填し、蓋体(2B)を載せた。装置の性能を確認するため、この通過容器に、放射性セシウムの濃度が22Bq/Lである排水を5L/hrの流速で通過させることを1時間継続し、続く10分間に放射能濃度を測定し、測定が終われば再び通水を行なうという操作を繰り返した。合計で10時間、50Lの通水を行ない、通過容器(2)つまり放射性セシウムを吸着したゼオライト吸着体、受入タンク(1)および貯留タンク(3)における排水について、SX−SPAおよびゲルマニウム半導体検出器により、放射能濃度を測定した。なお、周辺の線量は0.04〜0.05μSv/hrであった。結果を、表2および図4のグラフに示す。
図4にみるように、SX−SPAによる測定値とゲルマニウム半導体検出器による測定値との間に、比例関係が確認された。相関係数はR=0.9997という高い値である。累積通水量30Lまで、通過容器出口において放射能が検出されず、ゼオライトによる放射性セシウムの吸着が継続していたことがわかった。このときまでのゼオライトの累積吸着量は、1000Bq/kgである。
図4のグラフを利用して、排水の放射性セシウム含有量を算出することができる。SX−SPAによる測定値の増加の度合から、ゲルマニウム半導体検出器による測定値に換算するという手法である。たとえば、通水量20L〜25Lの領域で、1LあたりのSX−SPAの増加値は145/5=29Bq/kgとなり、これをゲルマニウム半導体検出器における濃度に換算すると、グラフの勾配1.3を用いて、29/1.3=22Bq/kgとなる。
表2 ゼオライト吸着体の放射能濃度とゲルマニウム検出器との測定値の関係
Figure 2014085163
本発明の測定装置の代表的な態様について、その主要部を示す縦断面図。 本発明の測定装置の放射線遮蔽手段を示す図であって、図1の装置を収容する分割可能な外容器の縦断面図と、底容器の底面図。 本発明の参考例のデータであって、さまざまな放射能濃度の排水をSX−SPAで測定した値とゲルマニウム半導体検出器で測定した値との相関を示すグラフ。 本発明の実施例のデータであって、一定の放射能濃度の排水をゼオライト吸着剤の層を通過させて放射性セシウムを吸着させたものについて、SX−SPAで測定した値とゲルマニウム半導体検出器で測定した値との相関を示すグラフ。
1 受入タンク
2 通過容器
2A 通過容器本体(マリネリ容器)
2B 通過容器蓋体
21 検出部を収容する凹み
22 排水導入のための開口
23 排水オーバーフローのための開口
3 貯留タンク
4 排水導入のためのチューブ
5 ポンプ手段
6 吸着剤
7A NaIシンチレータ検出部
7B 検出結果を計測して表示する手段
8A 遮蔽容器下部
8B 遮蔽容器上部
81 検出部用の開口
82 排水導入のための開口
83 排水オーバーフローのための開口

Claims (6)

  1. 排水に含まれる放射性セシウムの放射能濃度を実質上連続的に測定する方法であって、下記の工程からなる測定方法:
    (A)容器に充填した一定量の吸着剤の層に、測定対象とする排水を、一定の時間にわたり、一定の流速で継続的に通過させて、排水中に含まれる放射性セシウムを吸着させること、および
    (B)測定対象とする排水の通過を停止し、吸着剤に吸着された放射性セシウムのもつ放射能濃度を、測定対象とする排水の放射能濃度に関し定量限界値が低くとも10Bq/Lである測定装置を用いて測定し、その測定値を、あらかじめ求めておいた、ゲルマニウム半導体検出器によるガンマ線スペクトロメトリーによる放射能濃度測定の結果と照合することにより、通過した排水中に含まれていた放射性セシウムの全体の量を算出し、上記の一定の時間内における放射能濃度の平均の値を見出すこと。
  2. 測定対象とする排水の放射能濃度に関し定量限界値が低くとも10Bq/Lである測定装置として、NaIシンチレータ検出部と、その検出結果を計測して表示する手段とからなるものを使用して実施する請求項1の測定方法。
  3. 請求項1の測定方法において、工程(A)および(B)を繰り返し実施することにより、1回充填した吸着剤を用いて数回の測定を行なう測定方法。
  4. 請求項1の測定方法において、工程(A)および(B)を平行して実施することにより、放流する排水に含まれる放射性セシウムの放射能濃度の実質上連続的な測定を行なう測定方法。
  5. 排水に含まれる放射性セシウムの放射能濃度を実質上連続的に測定する装置であって、
    測定対象である排水を受ける受入タンク(1)、測定される排水が通過する、本体(2A)および蓋体(2B)からなる通過容器(2)、および測定された排水を一時貯える貯留タンク(3)、排水導入のためのチューブ(4)、排水を運ぶポンプ手段(5)、放射性セシウムを吸着する吸着剤(6)、ならびに、NaIシンチレータ検出部(7A)および検出結果を計測して表示する手段(7B)から構成され、
    通過容器(2)は、底部近くに被測定水を導入する開口(21)を備えるとともに上部にオーバーフローのための開口(22)を備え、さらに、底面に検出部を収容する凹み(23)を有する容器であり、通過容器(2)を放射線遮蔽容器(8A,8B)で包んでなる測定装置。
  6. 請求項5の測定装置において、通過容器(2)を2個有し、かつ、受入タンク(1)と通過容器(2)の間、および通過容器(2)と貯留タンク(3)との間は、バルブ手段により排水が通過する通過容器(2)が切り替えられる構造を有する、請求項4に記載した測定方法の実施に使用する測定装置。
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