JP2014084733A - 軸流水車発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ランナに流入する流水の速度を増大させると共に自己起動性を向上させることができる軸流水車発電装置を提供する。
【解決手段】実施の形態による軸流水車発電装置10は、流水に浸漬されて流水により発電を行う。この軸流水車発電装置10は、流水の主流方向Pに延びる外側筒状体11と、少なくとも一部が外側筒状体11の内側に設けられた内側筒状体13と、外側筒状体11の内側に配置され、内側筒状体13に回転自在に設けられたランナ14と、を備えている。このうちランナ14は、主流方向Pに延びる回転軸線Xを中心にして流水により回転する。内側筒状体13に、ランナ14の回転により発電を行う発電機15が内蔵されている。外側筒状体11は、主流方向Pに徐々に拡大している。
【選択図】図1

Description

本発明の実施の形態は、軸流水車発電装置に関する。
地球温暖化防止の観点から、再生可能エネルギの積極的利用が叫ばれて久しい。数ある再生可能エネルギの中でも水力は古くから積極的に開発、利用が進んでいる。しかし、その主流はダムを利用した大規模集中型発電であるため、新規開発に適した建設地は少なく、環境負荷への懸念から新規建造は困難な状況である。このような事情から、これまでの大規模集中型発電から、未開発の地点が豊富な中小規模分散型発電への転換が望まれている。中小規模分散型発電の一つとして、ダムのような大規模な施設を利用しない、超低落差水力を利用した発電方式が挙げられる。
超低落差水力の利用に適した水車として、水平軸揚力型ランナを有する軸流水車が挙げられる。この軸流水車は、ダリウス水車やサボニウス水車等の垂直軸の水車と比較して格段に高効率である。また、軸流水車は、近年の生産技術の進歩や新素材の開発等の技術革新により、製造コストも比較的安価なものとなっている。
このような水平軸揚力型ランナを有する軸流水車の場合、その出力は、流入する流速の3乗に比例する。このため、軸流水車の出力を増大させるためには、流速の速い地点への設置が望ましい。しかし、そのような地点は限られており、設置可能箇所の枯渇は時間の問題である。加えて、超低落差水力の規模の観点から、発電容量が10kW以下のナノ/ピコ水車の適用が多くなることが予測される。このようなナノ/ピコ水車の場合、発電量に対して相対的に設備コストが大きくなってしまう。ナノ/ピコ水車への適用も念頭に入れると、超低落差大流量の地点へ設置する水車は、水力効率の改善はもちろん、製造、設置、維持コストを低く抑える必要がある。
このような出力向上を目的とした軸流水車が、特許文献1および2において提案されている。
特許第4001485号公報 特開2005−240786号公報
しかしながら、特許文献1においては、ランナの先端部に発電機の回転子が設置されている。このことにより、必然的にランナの慣性モーメントが大きくなる。また、永久磁石式発電機を利用する場合、発電機のコギングトルクの影響を大きく受けてしまう。このため、性能上、自己起動性に問題を有している。
特許文献2の発電装置は、潮汐発電を適用対象としている。しかしながら、当該発電装置においては、ランナは、ディフューザ管の下流側に設けられた直管部内に配置されている。このため、ディフューザ管の増速効果を十分に得られないという問題がある。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、ランナに流入する流水の速度を増大させると共に自己起動性を向上させることができる軸流水車発電装置を提供することを目的とする。
実施の形態による軸流水車発電装置は、流水に浸漬されて流水により発電を行う。この軸流水車発電装置は、流水の主流方向に延びる外側筒状体と、少なくとも一部が外側筒状体の内側に設けられた内側筒状体と、外側筒状体の内側に配置され、内側筒状体に回転自在に設けられたランナと、を備えている。このうちランナは、主流方向に延びる回転軸線を中心にして流水により回転する。内側筒状体に、ランナの回転により発電を行う発電機が内蔵されている。外側筒状体は、主流方向に徐々に拡大している。
図1は、水路に設置された、第1の実施の形態における軸流水車発電装置を示す断面図である。 図2は、図1の軸流水車発電装置を主流方向上流側から見た前面図である。 図3は、第2の実施の形態における軸流水車発電装置を示す図である。 図4は、図3の軸流水車発電装置の部分断面図である。 図5は、第2の実施の形態における軸流水車発電装置の変形例を示す図である。 図6は、第3の実施の形態における軸流水車発電装置を示す図である。 図7は、第4の実施の形態における軸流水車発電装置の部分断面図である。
(第1の実施の形態)
図1および図2を用いて、本発明の第1の実施の形態における軸流水車発電装置について説明する。軸流水車発電装置は、水路や河川に設置され得るものであり、流水に浸漬されて流水により発電を行うための装置である。
図1および図2に示すように、軸流水車発電装置10は、流水の主流方向(後述する水路1における水の流れの方向)Pに延びるディフューザ管(外側筒状体)11と、少なくとも一部がディフューザ管11の内側に設けられた内筒(内側筒状体)13と、を備えている。このうち、ディフューザ管11は、主流方向Pに徐々に拡大している。
すなわち、ディフューザ管11は、主流方向Pの上流側から下流側に向かって、外径が徐々に大きくなっている。また、ディフューザ管11の内径は、同様に、上流側から下流側に向かって、徐々に大きくなっている。すなわち、ディフューザ管11の内側には、管内流路12が形成されており、管内流路12の流路面積は、上流側から下流側に向かって徐々に増大している。なお、ディフューザ管11の主流方向Pに沿った断面は、図1に示すように、全体的に、流線型形状を有していることが好ましい。このことにより、ディフューザ管11の内面11aおよび外面11bを沿う流れが剥離することを抑制することができる。
また、図1においては、内筒13の全体が、ディフューザ管11の内側に配置されている例を示している。しかしながら、このことに限られることはなく、内筒13が、ディフューザ管11の内側からディフューザ管11の下流側に延出するようにしてもよい。なお、内筒13は、管内流路12を流れる流水が乱れることを抑制するために、全体的に流線型形状を有していることが好適である。
ここで、図1および図2においては、一例として、軸流水車発電装置10が水路1に設置されている例を示している。この場合、水路1の両脇の地面2に設置台5が設置され、この設置台5に、固定部材6を介して内筒13が固定されている。ディフューザ管11は、例えばスポーク状の部材(図示せず)を介して内筒13に固定されている。このようにして、軸流水車発電装置10が、水路1の流水に浸漬されるようになっている。なお、固定部材5およびスポーク状の部材は、管内流路12の流れが乱れることを防止するために、内筒13の下流側に設けられていることが好適である。
内筒13にランナ(水平軸揚力型ランナ)14が回転自在に設けられている。ランナ14は、全体的にディフューザ管11の内側(すなわち、管内流路12)に配置され、主流方向Pに延びる回転軸線Xを中心にして、管内流路12を流れる流水により回転するようになっている。このようにして、ランナ14は、流水が持つ運動エネルギを回転エネルギに変換する。なお、ランナ14は、複数(ここでは2つ)のランナ羽根14aを有していることが好適である。
内筒13には、発電機15が内蔵されている。この発電機15は、同様に内筒13に内蔵された連結軸16を介して、ランナ14に連結されている。このようにして、ランナ14の回転が連結軸16を介して発電機15に伝達され、発電機15は、ランナ14の回転により発電を行うように構成されている。
このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
水路1を内の流水に軸流水車発電装置10が浸漬されると、流水の一部は、管内流路12を流れる。この管内流路12を流れる流水により、ランナ14が回転する。
残りの流水は、ディフューザ管11の外側において、主流方向Pに徐々に拡大するディフューザ管11の外面11bに沿って流れる。このことにより、ディフューザ管11の外側の流水は、ランナ14の回転軸線Xから遠ざかる方向に流れる。このため、ディフューザ管11の外側の流水によって、ディフューザ管11の出口側領域における管内流路12の流水がディフューザ管11の外側に引き寄せられて、管内流路12の圧力が低下し、管内流路12の入口側領域と出口側領域との間で、圧力差が増大する。この結果、管内流路12を流れる流水の速度が増大し、ランナ14の回転速度が上昇する。
ランナ14が回転すると、内筒13に内蔵された連結軸16を介してランナ14の回転が発電機15に伝達される。このようにして、発電機15により発電が行われる。
このように本実施の形態によれば、流水内に浸漬され、主流方向Pに徐々に拡大するディフューザ管11の内側に形成された管内流路12に、ランナ14が配置されている。このことにより、上述したように、ディフューザ管11の管内流路12を流れる流水の速度を増大させることができる。すなわち、ランナ14に流入する流水の速度が増大し、ランナ14の回転速度を上昇させて、発電機15により発電される電力量を増やすことができる。
また、本実施の形態によれば、ランナ14は、内筒13に回転自在に設けられ、当該内筒13に発電機15が内蔵されている。このことにより、ランナ14の慣性モーメントが大きくなることを抑制でき、自己起動性を向上させることができる。
(第2の実施の形態)
次に、図3および図4を用いて、本発明の第2の実施の形態における軸流水車発電装置について説明する。
図3および図4に示す第2の実施の形態においては、水を噴出する噴出機構が設けられている点が主に異なり、他の構成は、図1および図2に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図3および図4において、図1および図2に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図3および図4に示すように、軸流水車発電装置10は、ディフューザ管11の内面11aに設けられ、ディフューザ管11の内側に向かって滑らかに膨出する膨出部21と、水を噴出する噴出機構22と、を更に備えている。このうち膨出部21は、ランナ14より上流側に配置されている。また、膨出部21は、ディフューザ管11の全周にわたって、すなわち環状に形成されていると共に、ディフューザ管11と一体に形成されている。
噴出機構22は、後述する噴出口25に水を供給する取水管23と、ディフューザ管11の内部に設けられ、取水管23に連通した空洞部24と、ディフューザ管11に設けられ、空洞部24に連通した噴出口25と、を有している。このうち、取水管23は、ディフューザ管11の内側(管内流路12)を流れる流水よりも大きい位置エネルギを有する水を取り込み、取り込んだ水を、空洞部24を介して噴出口25に供給するようになっている。取水管23は、ディフューザ管11の上流側に延びて、軸流水車発電装置10の上流側の流水を取り込むようにすることが好適である。例えば、図3に示すように、軸流水車発電装置10の上流側に堰3が設けられている場合、取水管23は、当該堰3を越えて流れる流水を取り込むように構成することができる。このことにより、取水管23は、比較的大きな位置エネルギを有する水を取り込み、取り込んだ水を噴出口25に供給することができる。
図4に示すように、噴出機構22の空洞部24は、ディフューザ管11の上流部分において、比較的大きな容量を有するように形成されている。一方、噴出口25は、流路面積が小さくなるように形成されている。このことにより、噴出口25を通る水の流れが絞られる。また、空洞部24内の水は、取水管23から供給される水によって加圧される。すなわち、取水管23は、上述したようにして位置エネルギが大きい水を取り込んで空洞部24に供給するため、空洞部24内の水は加圧される。このことにより、空洞部24内で加圧された水は、噴出口25を通って、膨出部21の表面21a(ディフューザ管11の内側の面)に噴出されるようになっている。このような空洞部24および噴出口25は、ディフューザ管11の全周にわたって、すなわち環状に形成されていると共に、ディフューザ管11と一体に形成されている。
噴出機構22の噴出口25は、膨出部21の上流側に配置されている。また、膨出部21と噴出口25とは、互いに近接している。そして、噴出口25は、膨出部21の表面21aに沿って主流方向Pに水を噴出するようになっている。
本実施の形態における軸流水車発電装置10において、軸流水車発電装置10の上流側に設けられた堰3から取水管23に水が取り込まれると、取り込まれた水は空洞部24に供給される。空洞部24内の水は、加圧されて、噴出口25から膨出部21の表面21aに沿って主流方向Pに噴出される。
この場合、噴出口25から噴出された水によって高速の噴流Qが形成される。この高速の噴流Qは、コアンダ効果によって、膨出部21の表面21aに沿う流れとなる。膨出部21の表面21aを流れた高速の噴流Qは、その後、ディフューザ管11の内面11aに沿って流れる。このことにより、噴流Qが形成されている噴流領域において圧力が低下し、当該噴流領域と、当該噴流領域の周囲の周囲領域との間で圧力差が生じる。このため、この圧力差と、水の粘性とによって、周囲領域の流水が噴流領域に引き込まれ、管内流路12を流れる流水の速度をより一層増大させることができる。
このように本実施の形態によれば、噴出機構22は、ディフューザ管11の内面11aに設けられた膨出部21に沿って主流方向Pに水を噴出する噴出口25を有している。このことにより、上述したように、管内流路12を流れる流水の速度をより一層増大させ、ランナ14に流入する流水の速度をより一層増大させることができる。このため、ランナ14の回転速度をより一層上昇させて、発電機15により発電される電力量をより一層増やすことができる。
また、本実施の形態のように、膨出部21がランナ14より上流側に配置されている。このことにより、ランナ14に流入する流水の速度をより一層増大させることができる。
また、本実施の形態のように、膨出部21および噴出口25がディフューザ管11の全周にわたって形成されている。このことにより、ディフューザ管11の全周にわたって膨出部21の表面21aに沿う噴流Qを形成することができ、管内流路12を流れる流水の流速を全体的に増大させることができる。このため、ランナ14に流入する流水の速度をより一層増大させることができる。
さらに、本実施の形態のように、軸流水車発電装置10が設置されている水路1の流水を用いて、膨出部21の表面21aに沿う噴流Qを形成することができる。このことにより、水路1を流れる流水の持つ運動エネルギを有効利用することができる。
なお、上述した本実施の形態においては、軸流水車発電装置10の上流側に堰3が設けられ、取水管23が、当該堰3を越えて流れる流水を取り込むように構成されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、取水管23は、軸流水車発電装置10が設置されている水路1よりも標高が高い位置にある他の水路やため池(いずれも図示せず)などの水を取り込むようにしても良い。この場合においても、空洞部24内の水を加圧することができ、噴出口25から水を噴出させることができる。
また、上述した本実施の形態においては、膨出部21がランナ14より上流側に配置されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、膨出部21は、ランナ14より上流側に配置されていなくても良い。この場合においても、膨出部21の表面21aに沿って形成される噴流Qによって、管内流路12を流れる流水の速度を増大させることができる。
また、上述した本実施の形態においては、膨出部21、空洞部24および噴出口25がディフューザ管11の全周にわたって環状に形成されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、膨出部21、空洞部24および噴出口25は、ディフューザ管11の周方向の一部に形成されていても良い。この場合、膨出部21と噴出口25は、主流方向Pに沿って互いに近接して設けることが好ましく、このことにより、膨出部21の表面21aに沿う噴流Qを形成することができ、管内流路12を流れる流水の速度を増大させることができる。
さらに、上述した本実施の形態においては、膨出部21、噴出機構22の空洞部24および噴出口25が、ディフューザ管11に一体に形成されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、膨出部21、空洞部24および噴出口25が、ディフューザ管11に対して取り外し可能になっていても良い。例えば、図5に示す形態においては、ディフューザ管11は、ディフューザ管本体31と、ディフューザ管本体31の上流側に設けられ、ディフューザ管本体31に対して取り外し可能な上流端部32と、を有している。ディフューザ管本体31と、上流端部32とは、連結部材33と図示しないボルト等を用いて互いに固定されている。なお、連結部材33は、噴流Qを乱さないために、ディフューザ管11の周方向の一部に設けることが好ましい。
図5に示す形態においては、上流端部32に、上述した膨出部21、空洞部24および噴出口25が、一体に形成されている。この場合、上流端部32をディフューザ管本体31から取り外すことにより、ディフューザ管本体31から、膨出部21、空洞部24および噴出口25を取り外すことができる。このことにより、軸流水車発電装置10による発電を継続しながら、噴出機構22のメンテナンスを行うことができる。
(第3の実施の形態)
次に、図6を用いて、本発明の第3の実施の形態における軸流水車発電装置について説明する。
図6に示す第3の実施の形態においては、水を噴出する噴出機構の取水管にポンプが設けられている点が主に異なり、他の構成は、図3および図4に示す第2の実施の形態と略同一である。なお、図6において、図3および図4に示す第2の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
噴出機構22は、取水管23に設けられたポンプ(加圧駆動部)41を更に有している。このポンプ41により、取水管23内の水が、加圧されて空洞部24に供給されるようになっている。
なお、本実施の形態においては、取水管23は、任意の位置の水を取り込むように構成されていればよい。すなわち、取水管23は、ディフューザ管11の内側(管内流路12)を流れる流水よりも大きい位置エネルギを有する水を取り込む場合に限られることはなく、軸流水車発電装置10の近傍領域(上流側、下流側に限られない近傍領域)の流水を取り込むようにすることができる。この場合であっても、取水管23に設けられたポンプ41により、取り込まれた水を加圧して空洞部24に供給することができる。図6では、一例として、ディフューザ管11の下流側から流水を取り込む例を示している。
このように本実施の形態によれば、噴出機構22の取水管23にポンプ41が設けられている。このことにより、膨出部21の表面21aに沿う噴流Qを形成するための水を、所望の位置エネルギを有する水に限られることはなく、任意の位置における水を使用することができる。このため、比較的大きい位置エネルギを有する水を確保することが困難な都市部の河川にも本実施の形態による軸流水車発電装置10を適用することが可能となり、汎用性を向上させることができる。
(第4の実施の形態)
次に、図7を用いて、本発明の第4の実施の形態における軸流水車発電装置について説明する。
図7に示す第4の実施の形態においては、ディフューザ管の主流方向に沿った断面が、翼型形状を有している点が主に異なり、他の構成は、図3および図4に示す第2の実施の形態と略同一である。なお、図6において、図3および図4に示す第2の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図7に示すように、ディフューザ管11の主流方向Pに沿った断面が、翼型形状を有している。より具体的には、ディフューザ管11の内面11aが翼の負圧面(背側面)となり、ディフューザ管11の外面11bが、翼の圧力面となるように、ディフューザ管11が形成されている。翼の負圧面において膨らんだ部分が、上述した膨出部21となっている。この膨出部21に、翼型形状の最大厚み部が存在している。
また、図7に示すように、本実施の形態による噴出機構22の空洞部24は、ディフューザ管11の内部に上流側から下流側にわたって形成されている。この場合、ディフューザ管11の質量を低減することができ、このことは、例えば、軸流水車発電装置10の輸送時や設置時に好都合である。また、空洞部24の容積を増大させることができ、空洞部24内の水の量を多くすることができる。
このように本実施の形態によれば、ディフューザ管11の主流方向Pに沿った断面が、翼型形状を有している。このことにより、膨出部21の表面21aに沿って形成される噴流Qが剥離されることを抑制でき、噴流Qが形成されている噴流領域における圧力を、より一層効果的に低下させることができる。このため、管内流路12を流れる流水の速度を増大させることができ、ランナ14に流入する流水の速度をより一層増大させることができる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明してきたが、本発明による軸流水車発電装置は、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
10 軸流水車発電装置
11 ディフューザ管
11a 内面
13 内筒
14 ランナ
15 発電機
21 膨出部
21a 表面
22 噴出機構
23 取水管
25 噴出口
41 ポンプ

Claims (8)

  1. 流水に浸漬されて流水により発電を行う軸流水車発電装置において、
    流水の主流方向に延びる外側筒状体と、
    少なくとも一部が前記外側筒状体の内側に設けられた内側筒状体と、
    前記外側筒状体の内側に配置され、前記内側筒状体に回転自在に設けられたランナであって、主流方向に延びる回転軸線を中心にして流水により回転するランナと、
    前記内側筒状体に内蔵され、前記ランナの回転により発電を行う発電機と、を備え、
    前記外側筒状体は、主流方向に徐々に拡大していることを特徴とする軸流水車発電装置。
  2. 前記外側筒状体の内面に設けられ、当該外側筒状体の内側に向かって膨出する膨出部と、
    前記外側筒状体に設けられた噴出口を有し、水を噴出する噴出機構を更に備え、
    前記噴出機構の前記噴出口は、前記膨出部より上流側に配置され、前記膨出部の表面に沿って主流方向に水を噴出することを特徴とする請求項1に記載の軸流水車発電装置。
  3. 前記膨出部は、前記ランナより上流側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の軸流水車発電装置。
  4. 前記膨出部および前記噴出機構の前記噴出口は、前記外側筒状体の全周にわたって形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の軸流水車発電装置。
  5. 前記膨出部および前記噴出機構の前記噴出口は、前記外側筒状体に対して取り外し可能になっていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の軸流水車発電装置。
  6. 前記噴出機構は、前記外側筒状体の内側を流れる流水よりも大きい位置エネルギを有する水を取り込み、取り込んだ水を前記噴出口に供給する取水管を更に有していることを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の軸流水車発電装置。
  7. 前記噴出機構は、水を前記噴出口に供給する取水管と、前記取水管に設けられ、前記取水管内の水を加圧する加圧駆動部と、を更に有していることを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の軸流水車発電装置。
  8. 前記外側筒状体の主流方向に沿った断面は、翼型形状を有していることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の軸流水車発電装置。
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