JP2014083521A - アルデヒド含有排水の処理方法およびアルデヒド含有排水の処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】アルデヒド含有排水を効率よく処理することが可能なアルデヒド含有排水の処理方法を提供する。
【解決手段】アルデヒド含有排水の処理方法であって、原水であるアルデヒド含有排水に亜硫酸塩、亜硫酸水素塩およびチオ硫酸塩から選択される少なくとも1つの塩を添加する塩添加工程と、前記塩を添加した塩添加水をナノろ過膜または逆浸透膜を有する膜処理装置12に通水する膜処理工程と、を含むアルデヒド含有排水の処理方法である。
【選択図】図1
【解決手段】アルデヒド含有排水の処理方法であって、原水であるアルデヒド含有排水に亜硫酸塩、亜硫酸水素塩およびチオ硫酸塩から選択される少なくとも1つの塩を添加する塩添加工程と、前記塩を添加した塩添加水をナノろ過膜または逆浸透膜を有する膜処理装置12に通水する膜処理工程と、を含むアルデヒド含有排水の処理方法である。
【選択図】図1
Description
本発明は、飲料製造工場、食品製造工場等から排出されるアルデヒド化合物を含有するアルデヒド含有排水の処理方法およびアルデヒド含有排水の処理装置に関する。
飲料製造工場等では、缶コーヒー等の缶製品を製造する際に蒸気等による殺菌を行っている。殺菌後の製品は高温になるため、水道水や井戸水等のリンサー水による冷却および洗浄を行っているが、この際に生じる排水(以下、リンサー排水)中には、印字塗料等に由来するホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等のアルデヒド化合物が含まれることがある。
従来のアルデヒド化合物の処理方法としては、特許文献1に代表される生物を用いた処理方法と、特許文献2に代表されるヒドロキシラジカル等による有機物酸化を利用した処理方法とが挙げられる。
特許文献1のように生物を用いてアルデヒド化合物を処理しようとする場合、生物の分解速度が遅く、生物処理槽の滞留時間を長くとる必要があるため、広い設置面積が必要となることが問題であった。また、生物処理した処理水を飲料用水等に用いようとする場合、塩素や紫外線等を用いた殺菌設備を設置する必要がある。
オゾンや紫外線等を用いたヒドロキシラジカルによる酸化処理を行おうとする場合、生物処理に比べて処理速度は速いが、ラジカルスカベンジャ等の影響により処理効率が低下してしまう等の問題点があった。また、オゾン処理を行う場合、排水中に共存する物質の種類によっては、トリハロメタン等の副生成物を生じる場合がある。
本発明の目的は、アルデヒド含有排水を効率よく処理することが可能なアルデヒド含有排水の処理方法およびアルデヒド含有排水の処理装置を提供することにある。
本発明は、アルデヒド含有排水の処理方法であって、アルデヒド含有排水に亜硫酸塩、亜硫酸水素塩およびチオ硫酸塩から選択される少なくとも1つの塩を添加する塩添加工程と、前記塩を添加した塩添加水をナノろ過膜または逆浸透膜に通水する膜処理工程と、を含むアルデヒド含有排水の処理方法である。
前記アルデヒド含有排水の処理方法において、前記塩添加工程において、アルデヒド含有排水中に含まれるアルデヒド化合物の濃度と前記塩の添加量とのモル比が、1:1〜1:10の範囲であることが好ましい。
前記アルデヒド含有排水の処理方法において、前記アルデヒド含有排水を活性炭処理した後に、前記塩添加工程を設けることが好ましい。
前記アルデヒド含有排水の処理方法において、前記アルデヒド含有排水が、飲料工場から排出されるリンサー排水であることが好ましい。
前記アルデヒド含有排水の処理方法において、前記膜処理工程で処理した処理水のTOCを測定するTOC測定工程を含むことが好ましい。
また、本発明は、アルデヒド含有排水の処理装置であって、アルデヒド含有排水に亜硫酸塩、亜硫酸水素塩およびチオ硫酸塩から選択される少なくとも1つの塩を添加する塩添加手段と、前記塩が添加された塩添加水をナノろ過膜または逆浸透膜に通水する膜処理手段と、を備えるアルデヒド含有排水の処理装置である。
前記アルデヒド含有排水の処理装置において、アルデヒド含有排水中に含まれるアルデヒド化合物の濃度と前記塩添加手段により添加される塩の添加量とのモル比が、1:1〜1:10の範囲であることが好ましい。
前記アルデヒド含有排水の処理装置において、前記アルデヒド含有排水が活性炭処理された後に、前記塩添加手段により前記少なくとも1つの塩が添加されることが好ましい。
前記アルデヒド含有排水の処理装置において、前記アルデヒド含有排水が、飲料工場から排出されるリンサー排水であることが好ましい。
前記アルデヒド含有排水の処理装置において、前記膜処理手段で処理された処理水のTOCを測定するTOC測定手段を有することが好ましい。
本発明では、アルデヒド含有排水に亜硫酸塩、亜硫酸水素塩およびチオ硫酸塩から選択される少なくとも1つの塩を添加し、その塩添加水をナノろ過膜または逆浸透膜に通水することにより、アルデヒド含有排水を効率よく処理することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本発明者らは、アルデヒド含有排水中に含まれるアルデヒド化合物と亜硫酸塩、亜硫酸水素塩およびチオ硫酸塩から選択される少なくとも1つの塩とを反応させてヒドロキシスルホン酸塩とし、それをナノろ過膜(NF膜)または逆浸透膜(RO膜)(以下、代表して「RO膜等」と称する場合がある)で膜処理し、分離、除去することにより、アルデヒド含有排水を効率よく処理することが可能となることを見出した。アルデヒド化合物は無荷電であるので、通常はRO膜等を透過しやすいが、ヒドロキシスルホン酸塩とすることにより、RO膜等で分離、除去することが可能となる。特に、アルデヒド化合物の中でもホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、グルタルアルデヒド等の分子量が300程度以下の脂肪族アルデヒド化合物、芳香族アルデヒド化合物等は、無荷電であることに加えて、分子量が小さいため、RO膜等を非常に透過しやすいが、本実施形態に係るアルデヒド含有排水の処理方法で効率よく分離、除去することが可能となる。
本発明の実施形態に係るアルデヒド含有排水の処理装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。アルデヒド含有排水処理装置1は、原水槽10と、膜処理手段としてのナノろ過膜または逆浸透膜を有する膜処理装置12と、塩添加手段としての塩貯槽14とを備える。
図1のアルデヒド含有排水処理装置1において、原水槽10の出口と膜処理装置12の入口とがポンプ16を介して原水配管20により接続され、膜処理装置12の出口に処理水配管22が接続されている。原水配管20の途中には、塩添加手段としての塩貯槽14がポンプ18を介して塩添加配管24により接続されている。処理水配管22には、TOC測定手段としてのTOC測定計26が設置されている。
本実施形態に係るアルデヒド含有排水の処理方法およびアルデヒド含有排水処理装置1の動作について説明する。
原水槽10に貯留されたアルデヒド含有排水は、ポンプ16により原水配管20を通して膜処理装置12に向かって送液される。原水配管20の途中では、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩およびチオ硫酸塩から選択される少なくとも1つの塩が塩貯槽14からポンプ18により塩添加配管24を通して、原水に添加され(塩添加工程)、アルデヒド化合物と亜硫酸塩等とが反応してヒドロキシスルホン酸塩が生成される。亜硫酸塩等が添加された塩添加水は膜処理装置12に送液され、膜処理装置12においてナノろ過膜または逆浸透膜に通水され、膜処理が行われる(膜処理工程)。膜処理装置12において膜処理された処理水は、処理水配管22を通して排出される。
処理水配管22に設置したTOC測定計26により、処理水のTOCが測定される(TOC測定工程)ことが好ましい。図示しない制御装置により、TOC測定計26により測定された処理水のTOCに基づいて、亜硫酸塩等の添加量を制御してもよい。
図1の例では、亜硫酸塩等が塩貯槽14から塩添加配管24を通して原水配管20において原水にライン添加されているが、原水槽10と膜処理装置12との間のポンプ16の後段側に混合槽を設け、混合槽において原水に亜硫酸塩等を添加して、撹拌装置等により混合してから、塩添加水を膜処理装置12に送液してもよい。
生物処理で問題となっていた設置面積に関しては、本実施形態に係るアルデヒド含有排水処理装置1で最低限必要なのは膜処理装置、付随するポンプ、塩貯槽となるため、生物処理に比べて設置面積を低減することができる。また、ナノろ過膜または逆浸透膜を用いることにより、菌の阻止を膜処理と共に行うことができるため、膜処理装置12の後段に塩素や紫外線等を用いる殺菌装置を設けなくてもよい。
酸化処理で問題となっていた処理効率に関しては、亜硫酸塩等は比較的選択性よくアルデヒド化合物と反応するため、アルデヒド含有排水を効率よく処理することが可能となる。また、オゾン処理で可能性のある副生成物の発生もほとんどない。
本実施形態において処理対象となるアルデヒド含有排水としては、アルデヒド化合物を含む排水であればよく、特に制限はないが、例えば、飲料製造工場、食品製造工場等から排出されるアルデヒド含有排水が挙げられる。特に、飲料製造工場等から排出されるアルデヒド含有排水を処理しようとする場合、RO膜等において除菌が行えるため、好適に適用することができる。
飲料工場等では、製品を洗浄(リンス)、冷却した際に印字塗料等由来のホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等のアルデヒド化合物を0.08〜10mg/L程度含んだリンサー排水が発生する。リンサー水の水質は、水道水質基準を満たすことが望ましく、リンサー排水を回収、再利用するには、処理水中のホルムアルデヒドを水道水質基準値(2012年時点)の0.08mg/L以下に低減することが望ましい。本実施形態に係るアルデヒド含有排水の処理方法によれば、ホルムアルデヒドを0.08mg/L以下に低減することができるだけではなく、RO膜等を用いるため、飲料分野等で懸念される菌の除去も行うことができるため、膜処理装置12の後段に殺菌装置を設置しなくてもよく、コストを低減することができ、アルデヒド含有排水を効率よく処理することができる。
アルデヒド含有排水のアルデヒド濃度は、例えば、0.08〜10mg/Lの範囲である。
処理対象となるアルデヒド含有排水のアルデヒド化合物としては、特に制限はないが、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、グルタルアルデヒド等の分子量が300程度以下の脂肪族アルデヒド化合物、芳香族アルデヒド化合物等が挙げられる。
亜硫酸塩としては、亜硫酸の無機塩であればよく、特に制限はないが、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等のアルカリ金属の亜硫酸塩、亜硫酸アンモニウム等が挙げられる。亜硫酸水素塩としては、亜硫酸水素ナトリウム(重亜硫酸ナトリウム)等のアルカリ金属の亜硫酸水素塩等が挙げられる。チオ硫酸塩としては、チオ硫酸ナトリウム等のアルカリ金属のチオ硫酸塩等が挙げられる。これらのうち、アルデヒド化合物との反応性、食品添加物である等の観点から、亜硫酸水素ナトリウムが好ましい。
塩添加工程における亜硫酸塩等の添加量としては、アルデヒド含有排水のアルデヒド化合物と亜硫酸塩等が十分に反応する量であればよく、アルデヒド含有排水中のアルデヒド化合物の濃度に応じて適宜決めればよい。亜硫酸塩等の添加量としては、アルデヒド含有排水中に含まれるアルデヒド化合物の濃度と亜硫酸塩等の添加量とのモル比が、1:1〜1:10の範囲となるようにすることが好ましく、1:1〜1:5の範囲となるようにすることがより好ましい。アルデヒド含有排水中に含まれるアルデヒド化合物の濃度と亜硫酸塩等の添加量とのモル比が1:1〜1:10の範囲となるように亜硫酸塩等を添加すれば、薬品使用コストとアルデヒド化合物除去の費用対効果が最も高くなる。1:10よりも過剰に亜硫酸塩等を添加すると、過剰の亜硫酸塩等が後段のRO膜等の負荷となる場合がある。一方、1:1よりも亜硫酸塩等の添加量が少ないと、未反応のアルデヒド化合物が処理水に流出してしまう場合がある。
膜処理装置12としては、ナノろ過膜または逆浸透膜であればよく、特に制限はない。ナノろ過膜および逆浸透膜には、カチオン荷電を有するカチオン荷電膜、アニオン荷電を有するアニオン荷電膜があるが、ヒドロキシスルホン酸はアニオン荷電を有するため、処理効率等の観点からアニオン荷電を有するアニオン荷電膜を用いることが好ましい。
カチオン荷電膜としては、例えば、ES−20C(日東電工社製)等の市販品を用いることができる。アニオン荷電膜としては、例えば、OFR−620(オルガノ社製)、ES−20(日東電工社製)等の市販品を用いることができる。
膜処理装置12において処理対象となる塩添加水のpHとしては、特に制限はないが、7以下が好ましい。pHが7を超えると、亜硫酸塩等の添加により生成したヒドロキシスルホン酸塩が解離しやすくなり、膜処理装置12におけるRO膜等による阻止率が低下する場合がある。
膜処理装置12において処理対象となる塩添加水の温度としては、特に制限はないが、40℃未満が好ましい。塩添加水の温度が40℃以上であると、RO膜等が破損する場合があるので、このような場合は耐熱性のRO膜等を用いることが好ましい。また、定期的にRO膜等を熱水により殺菌する場合も、耐熱性のRO膜等を用いることが好ましい。
図2に本実施形態に係るアルデヒド含有排水処理装置の他の例の概略構成を示す。図2のアルデヒド含有排水処理装置3は、原水槽10と膜処理装置12との間のポンプ16の後段側に活性炭処理装置28を備える。図2のアルデヒド含有排水処理装置3において、原水槽10の出口と活性炭処理装置28の入口とがポンプ16を介して原水配管20により接続され、活性炭処理装置28の出口と膜処理装置12の入口とが活性炭処理水配管30により接続されている。活性炭処理水配管30の途中には、塩添加手段としての塩貯槽14がポンプ18を介して塩添加配管24により接続されている。
アルデヒド含有排水処理装置3において、原水槽10に貯留されたアルデヒド含有排水は、ポンプ16により原水配管20を通して活性炭処理装置28に送液される。活性炭処理装置28において活性炭により活性炭処理が行われる(活性炭処理工程)。活性炭処理が行われた活性炭処理水は、活性炭処理水配管30を通して膜処理装置12に向かって送液される。活性炭処理水配管30の途中では、亜硫酸塩等が塩貯槽14からポンプ18により塩添加配管24を通して、活性炭処理水に添加され(塩添加工程)、アルデヒド化合物と亜硫酸塩等とが反応してヒドロキシスルホン酸塩が生成される。亜硫酸塩等が添加された塩添加水は膜処理装置12に送液され、膜処理装置12においてナノろ過膜または逆浸透膜に通水され、膜処理が行われる(膜処理工程)。膜処理装置12において膜処理された処理水は、処理水配管22を通して排出される。なお、亜硫酸塩等の添加は、活性炭処理装置28の前段側でもよいが、アルデヒド含有排水に次亜塩素酸等の塩素系酸化剤が含まれている場合、亜硫酸塩等が次亜塩素酸等の還元処理で消費されてしまい、アルデヒド化合物に対する添加比が一定に保てない場合がある。よって、亜硫酸塩等の添加は、活性炭処理装置28の後段側の方が好ましい。
アルデヒド含有排水を活性炭により処理することにより、アルデヒド含有排水に次亜塩素酸等の殺菌剤が含まれる場合でも、次亜塩素酸等の殺菌剤が活性炭により除去され、後段のRO膜等への負荷を低減することができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1および比較例1>
図1に示す実験装置を用い、アルデヒド含有排水の処理を行った。アルデヒド化合物の代表物質としてホルムアルデヒドを用い、亜硫酸塩として亜硫酸水素ナトリウムを用いた。実験条件を表1に示す。膜処理装置には逆浸透膜を用いた。ホルムアルデヒドに対する亜硫酸水素ナトリウムの添加モル比を、1:0.0(比較例1)、1:0.5、1:1.0、1:2.0、1:3.0、1:5.0、1:10.0、1:15.0、1:20.0(以上、実施例1)と変えて、処理を行った。実験結果を図4に示す。
図1に示す実験装置を用い、アルデヒド含有排水の処理を行った。アルデヒド化合物の代表物質としてホルムアルデヒドを用い、亜硫酸塩として亜硫酸水素ナトリウムを用いた。実験条件を表1に示す。膜処理装置には逆浸透膜を用いた。ホルムアルデヒドに対する亜硫酸水素ナトリウムの添加モル比を、1:0.0(比較例1)、1:0.5、1:1.0、1:2.0、1:3.0、1:5.0、1:10.0、1:15.0、1:20.0(以上、実施例1)と変えて、処理を行った。実験結果を図4に示す。
この結果より、ホルムアルデヒド含有排水に亜硫酸塩である亜硫酸水素ナトリウムを添加し、その塩添加水を逆浸透膜に通水することにより、ホルムアルデヒド含有排水を効率よく処理することができることがわかった。特に、アルデヒド含有排水中に含まれるアルデヒド化合物の濃度と亜硫酸塩の添加量とのモル比を、1:1.0以上とすることにより、処理水中のアルデヒド化合物を0.08mg/L以下まで低減することができることを確認した。また、アルデヒド含有排水中に含まれるアルデヒド化合物の濃度と亜硫酸塩の添加量とのモル比が1:5.0以上であれば、アルデヒド化合物を除去するための亜硫酸塩の添加量としては十分であることを確認した。
<実施例2>
リンサー排水を回収、再利用する場合を想定し、図3に示す実験装置を用い、アルデヒド含有排水の処理を行った。実験条件を表2に示す。
リンサー排水を回収、再利用する場合を想定し、図3に示す実験装置を用い、アルデヒド含有排水の処理を行った。実験条件を表2に示す。
約7日間にわたる通水実験の結果、逆浸透膜による処理水のホルムアルデヒド濃度は、いずれも水道水質基準の0.08mg/L以下であった。また、通水開始から168時間後の処理水を採水し、水道水質基準に定められている一般細菌試験を行ったところ、一般細菌は100N/mL以下であり、逆浸透膜により除菌がされていることを確認した。
以上の結果より、アルデヒド含有排水に亜硫酸塩、亜硫酸水素塩およびチオ硫酸塩から選択される少なくとも1つの塩を添加し、その塩添加水を逆浸透膜に通水することにより、アルデヒド含有排水を効率よく処理することができることがわかった。
1,3 アルデヒド含有排水処理装置、10 原水槽、12 膜処理装置、14 塩貯槽、16,18 ポンプ、20 原水配管、22 処理水配管、24 塩添加配管、26 TOC測定計、28 活性炭処理装置、30 活性炭処理水配管。
Claims (10)
- アルデヒド含有排水の処理方法であって、
アルデヒド含有排水に亜硫酸塩、亜硫酸水素塩およびチオ硫酸塩から選択される少なくとも1つの塩を添加する塩添加工程と、
前記塩を添加した塩添加水をナノろ過膜または逆浸透膜に通水する膜処理工程と、
を含むことを特徴とするアルデヒド含有排水の処理方法。 - 請求項1に記載のアルデヒド含有排水の処理方法であって、
前記塩添加工程において、アルデヒド含有排水中に含まれるアルデヒド化合物の濃度と前記塩の添加量とのモル比が、1:1〜1:10の範囲であることを特徴とするアルデヒド含有排水の処理方法。 - 請求項1または2に記載のアルデヒド含有排水の処理方法であって、
前記アルデヒド含有排水を活性炭処理した後に、前記塩添加工程を設けることを特徴とするアルデヒド含有排水の処理方法。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルデヒド含有排水の処理方法であって、
前記アルデヒド含有排水が、飲料工場から排出されるリンサー排水であることを特徴とするアルデヒド含有排水の処理方法。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルデヒド含有排水の処理方法であって、
前記膜処理工程で処理した処理水のTOCを測定するTOC測定工程を含むことを特徴とするアルデヒド含有排水の処理方法。 - アルデヒド含有排水の処理装置であって、
アルデヒド含有排水に亜硫酸塩、亜硫酸水素塩およびチオ硫酸塩から選択される少なくとも1つの塩を添加する塩添加手段と、
前記亜硫酸塩が添加された塩添加水をナノろ過膜または逆浸透膜に通水する膜処理手段と、
を備えることを特徴とするアルデヒド含有排水の処理装置。 - 請求項6に記載のアルデヒド含有排水の処理装置であって、
アルデヒド含有排水中に含まれるアルデヒド化合物の濃度と前記塩添加手段により添加される塩の添加量とのモル比が、1:1〜1:10の範囲であることを特徴とするアルデヒド含有排水の処理装置。 - 請求項6または7に記載のアルデヒド含有排水の処理装置であって、
前記アルデヒド含有排水が活性炭処理された後に、前記塩添加手段により前記少なくとも1つの塩が添加されることを特徴とするアルデヒド含有排水の処理装置。 - 請求項6〜8のいずれか1項に記載のアルデヒド含有排水の処理装置であって、
前記アルデヒド含有排水が、飲料工場から排出されるリンサー排水であることを特徴とするアルデヒド含有排水の処理装置。 - 請求項6〜9のいずれか1項に記載のアルデヒド含有排水の処理装置であって、
前記膜処理手段で処理された処理水のTOCを測定するTOC測定手段を有することを特徴とするアルデヒド含有排水の処理装置。
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