JP2014082171A - 照射系、描画装置および物品の製造方法 - Google Patents

照射系、描画装置および物品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】照射系において、複数の荷電粒子線における強度差を低減させる上で有利な効果を提供する。
【解決手段】
複数の荷電粒子線で対象を照射するための照射系であって、第1軸を中心軸として放射状に荷電粒子線を射出する射出部と、複数のレンズを含み、前記射出部によって射出された荷電粒子線を該複数のレンズにそれぞれ対応する複数の荷電粒子線に分割するレンズアレイと、を含み、前記複数のレンズは、各レンズを通過する荷電粒子線の主軸上における前記射出部のクロスオーバーと、該クロスオーバーに対応するレンズとの距離が該複数のレンズにわたって一定となるように配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、照射系、それを用いた描画装置および物品の製造方法に関する。
半導体集積回路における回路パターンの微細化および高集積化に伴い、荷電粒子線(電子線)を用いて基板にパターンを描画する描画装置が注目されている。描画装置は、電子銃とレンズアレイとを有する照射系を含む。電子銃は、第1クロスオーバーを形成するとともに、その第1クロスオーバーから中心軸を中心として放射状に荷電粒子線を射出する。レンズアレイは、複数のレンズを含み、それらによって第1クロスオーバーから射出された荷電粒子線を複数に分割するとともに、分割された複数の荷電粒子線を集束させて複数の第2クロスオーバーを形成する。
このような照射系を含む描画装置では、分割された複数の荷電粒子線は、それらの主軸と中心軸との間の角度(開き角)が大きいほど、球面収差をはじめとする各種収差量が大きくなることが知られている。そこで、特許文献1では、第1クロスオーバーからの距離がそれぞれ等しくなるように複数のレンズを配置することによって収差を低減する照射系が提案されている。非特許文献1では、加速レンズをレンズアレイの後段に配置し、その加速レンズによって複数の第2クロスオーバーを、中心軸と直交する同一平面上に配置する照射系が提案されている。
特許第4484868号公報
Yanxia Zhang,P.Kruit,"High brightness 100−electron−beam source for high−resolution applications",J.Vac.Sci.Technol.B,USA,American Vacuum Society,2007年,Vol.25,No.6
近年、描画装置では、並行して描画する領域を拡大するため、荷電粒子線量が飛躍的に増加している。このような描画装置における照射系では、第1クロスオーバーから射出される荷電粒子線の開き角を大きくする必要があり、それに伴って収差量が大きくなってしまう。その結果、各レンズから見た荷電粒子線の第1クロスオーバーの位置は、開き角が大きくなるにつれて当該レンズから遠ざかるように形成されてしまう。即ち、第1クロスオーバーが1つの点に形成されず、広がりをもった領域に形成される。
特許文献1および非特許文献1では、第1クロスオーバーが1点に形成されることを前提にして収差が低減されている。そのため、上述したように第1クロスオーバーが1点に形成されない場合では、複数のレンズを通過後にそれぞれ形成される複数の第2クロスオーバーの径が、開き角が大きくなるにつれて小さくなってしまう。その結果、レンズアレイによって分割された複数の荷電粒子線の間に強度差が生じてしまいうる。
そこで、本発明は、複数の荷電粒子線の強度の均一性の点で有利な照射系を提供することを例示的目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての照射系は、複数の荷電粒子線で対象を照射するための照射系であって、第1軸を中心軸として放射状に荷電粒子線を射出する射出部と、複数のレンズを含み、前記射出部によって射出された荷電粒子線を該複数のレンズにそれぞれ対応する複数の荷電粒子線に分割するレンズアレイと、を含み、前記複数のレンズは、各レンズを通過する荷電粒子線の主軸上における前記射出部のクロスオーバーと、該クロスオーバーに対応するレンズとの距離が該複数のレンズにわたって一定となるように配置されている、ことを特徴とする。
本発明によれば、例えば、複数の荷電粒子線の強度の均一性の点で有利な照射系を提供することができる。
第1実施形態の描画装置を示す概略図である。 照射系を説明するための概略図である。 第1実施形態における照射系の一例を示す概略図である。 第1実施形態のレンズアレイを設計する方法を説明するための図である。 第1実施形態のレンズアレイおよび従来のレンズアレイにおける形状の差異を説明するための図である。 第1実施形態における照射系の一例を示す図である。 ユニット化された照射系を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、各図において、同一の部材ないし要素については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。また、各図において、基板面上で互いに直交する方向をそれぞれX方向およびY方向とし、基板面に垂直な方向をZ方向とする。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態における描画装置100について、図1を参照して説明する。第1実施形態の描画装置100は、荷電粒子線を基板に照射してパターンを描画する描画部10と、描画部10の各部を制御する制御部20とで構成される。描画部10は、例えば、照射系11、コリメータレンズ109、アパーチャアレイ110、集束レンズアレイ111、投影アパーチャアレイ112、ブランカアレイ113、偏向器115、ストッパ117および対物レンズアレイ118を含む。また、描画部10は、基板120を保持して移動可能な基板ステージ121を含む。
照射系11は、荷電粒子源101と制御電極128とアノード電極129とを有し、第1クロスオーバー102を形成する形成部12(射出部または荷電粒子銃(電子銃)ともいう)と、複数のレンズを有するレンズアレイ103とを含む。荷電粒子源101としては、例えば、LaBやBaO/Wなどの電子放出材を含む熱電子放出型の電子源が用いられる。荷電粒子源101からアノード電極129によって引き出された荷電粒子線は、第1クロスオーバー102を形成し、制御電極128により放出軌跡を整えられた後、レンズアレイ103に入射する。レンズアレイ103は、第1クロスオーバー102から射出された荷電粒子線を複数に分割するとともに、レンズアレイ103が有する複数のレンズによって、レンズアレイ103の後段に複数の第2クロスオーバー108を形成する。第1実施形態のレンズアレイ103は、アインツェル型の静電レンズアレイであり、第1クロスオーバーから射出された荷電粒子線の進行方向に沿って離隔して配置された3枚の電極によって構成されている。レンズアレイ103を構成する3枚の電極のうち中間の電極106には負の電圧が印加され、形成部12側の電極105と基板側の電極107は接地される。
レンズアレイ103によって分割された複数の荷電粒子線104はそれぞれ、第2クロスオーバー108を形成した後、コリメータレンズ109によって第2クロスオーバー108から基板の方向に向かって射出される。そして、第2クロスオーバー108から射出した荷電粒子線は、アパーチャアレイ110に入射する。アパーチャアレイ110は、マトリクス状に配列した複数の開口を有し、NA(開口数)を規定する役割をもつ。アパーチャアレイ110を通過した各荷電粒子線は、集束レンズアレイ111によって集束される。集束レンズアレイ111は、照射系11のレンズアレイ103と同様に、Z方向に沿って配置された3枚の電極によって構成されたアインツェル型の静電レンズアレイである。集束レンズアレイ111を通過した各荷電粒子線は、投影アパーチャアレイ112によって更に多数の荷電粒子線に分割された後、各荷電粒子線を個別に偏向するためのブランカを複数含むブランカアレイ113に入射する。ブランカアレイ113の各ブランカは、対向する2枚の電極によって構成され、2枚の電極の間に電圧を印加することにより電界が発生し、荷電粒子線114を偏向することができる。2枚の電極の間に電圧を印加した場合、荷電粒子線114は、偏向されてストッパ117により遮断されて基板120上には到達しない。一方で、2枚の電極の間に電圧を印加しない場合、荷電粒子線114は、偏向されずにストッパ117に形成された開口を通過し、基板120上に到達する。即ち、ブランカアレイ113は、基板120への荷電粒子線の照射と非照射とを切り換えている。ストッパ117を通過した荷電粒子線は、複数の対物レンズによって構成された対物レンズアレイ118に入射する。各対物レンズは、例えば、ブランカアレイ113の各ブランカ上に中間結像された荷電粒子線のビームスポット径(FWHMで2μm)を、100分の1に縮小する。これにより、基板上で結像される各荷電粒子線119のビームスポット径を20nm程度にすることができる。偏向器115は、ストッパ117の上段に備えられており、対物レンズアレイ118を通過する複数の荷電粒子線を偏向し、基板上において走査することができる。基板ステージ121は、例えば静電チャックなどによって基板120を保持し、XY方向に移動可能に構成される。ここで、偏向器115は、基板ステージ121の走査方向と直交する方向に荷電粒子線を偏向させるとよいが、荷電粒子線の偏向方向は、基板ステージ121の走査方向と直交する方向に限定するものではなく、他の方向に偏向してもよい。
制御部20は、例えば、レンズ制御回路124と、描画パターン発生回路123と、ビットマップ変換回路125と、ブランキング制御回路126と、偏向制御回路127と、コントローラ122とを含む。レンズ制御回路124は、照射系11のレンズアレイ103、コリメータレンズ109、集束レンズアレイ111および対物レンズアレイ118を制御する。描画パターン発生回路123は、コントローラ122から供給される設計データに基づいて、基板120への描画を制御するための描画データを発生させる。ビットマップ変換回路125は、描画パターン発生回路123において発生された描画データをラスター形式のデータに変換する。ブランキング制御回路126および偏向制御回路127は、ビットマップ変換回路125において変換されたデータに基づいて、ブランカアレイ113および偏向器115をそれぞれ制御する。また、コントローラ122は、描画パターン発生回路123に設計データを供給すると共に、全ての描画動作を統括する。
ここで、第1実施形態の照射系11について、図2を参照して説明する。図2(a)は、第1クロスオーバー102が1つの点で形成されていると仮定した場合における照射系11を示す図である。照射系11は、上述したように、荷電粒子源101と制御電極128とアノード電極129とを有し、第1クロスオーバー102を形成する形成部12(射出部)と、複数のレンズ109を有するレンズアレイ103とを含む。形成部12は、第1クロスオーバー102から第1軸131を中心軸として放射状に荷電粒子線を射出する。そのため、レンズアレイ103は、第1軸131を中心軸とした回転対称の形状をしている。また、荷電粒子源101、制御電極128およびアノード電極129の電位分布によって形成される電界も、第1軸131を中心軸とした回転対称の分布となる。
荷電粒子源101からアノード電極129によって引き出された荷電粒子線は、制御電極128によって放出軌道を整えられた後、レンズアレイ103に入射する。レンズアレイ103は、上述したように、第1クロスオーバー102から射出される荷電粒子線の進行方向に沿って離隔して配置された、3枚の電極105〜107によって構成されている。そして、レンズアレイ103は、それを構成する3枚の電極105〜107を貫通するように形成された開口部110を複数含む。レンズアレイ103を構成する3枚の電極のうち中間の電極106には負の電位が印加されており、形成部12側の電極105と基板120側の電極107はそれぞれ接地されている。そのため、この複数の開口部110のそれぞれが、開口部110に生じる電界によってレンズアレイ103の各レンズ109として機能する。即ち、3枚の電極105〜107に形成された複数の開口部110が、レンズアレイ103における複数のレンズ109となる。レンズアレイ103における3枚の電極のうち形成部12側の電極105は、それに形成された開口部110のみに荷電粒子線を通過させることによって、第1クロスオーバー102から射出された荷電粒子線を分割することができる。即ち、第1クロスオーバー102から射出された荷電粒子線を、複数のレンズのそれぞれに対応する複数の荷電粒子線に分割することができる。ここで、複数の開口が形成されたプレートをレンズアレイ103の前段に備え、そのプレートによって第1クロスオーバー102から射出された荷電粒子線を分割してもよい。このように、プレートをレンズアレイ103の前段に備えると、荷電粒子線の照射による電極105の温度上昇を抑制することができる。
形成部12側の電極105によって分割された各荷電粒子線は、レンズアレイ103に形成された各開口部110におけるレンズ機能によって収束し、レンズアレイ103の後段に第2クロスオーバー108を形成する。図2(a)では、第1クロスオーバー102は第1軸131上の1点に形成されると仮定しており、レンズアレイ103は、その第1クロスオーバー102からの距離がそれぞれ同じになるように複数のレンズ109(複数の開口部110)が配置されている。また、各レンズ109(各開口部110)は、荷電粒子線が各レンズに垂直に入射するように、即ち、各レンズ109を通過する荷電粒子線の主軸130がそのレンズ109の中心を通過するように配置されている。例えば、レンズ109bを通過する荷電粒子線の主軸130bは、レンズ109bの中心を通過するように配置されている。これにより、複数のレンズ109によって形成された複数の第2クロスオーバー108の大きさを一定にすることができる。ここで、複数の第2クロスオーバー108は、第1軸131と平行する方向(Z方向)において同じ位置にはなっていない。この場合、レンズアレイ103の後段に配置されたコリメータレンズ109の作用によって、複数の第2クロスオーバー108を、第1軸131と平行する方向においてほぼ同じ位置にすることができる。
近年、描画装置では、並行して描画できる領域の拡大が要求されており、その要求にこたえるべく荷電粒子線量が飛躍的に増加している。このような描画装置における照射系11では、荷電粒子源から放射される荷電粒子線の開き角(第1軸131からの角度)を大きくする必要があり、それに伴って球面収差などによる収差量が大きくなってしまう。その結果、各レンズ109から見た荷電粒子線の第1クロスオーバーの位置は、開き角が大きくなるにつれて当該レンズ109から遠ざかるように配置されてしまう。即ち、第1クロスオーバー102が1つの点(理想的な第1クロスオーバー102)に形成されると仮定できず、図2(b)に示すように、広がりをもった領域に形成される。図2(b)は、第1クロスオーバー102が収差の影響により1つの点に形成されると仮定できない場合における照射系11を示す図である。ここで、図2(a)に示すように理想的な第1クロスオーバー102に対して、ずれた位置に形成される第1クロスオーバーを、以下では、実質クロスオーバー102’(形成部(射出部)のクロスオーバー)と呼ぶ。即ち、実質クロスオーバー102’は、図2(b)において各レンズ109から見た荷電粒子線の第1クロスオーバーを表す。そして、各レンズの実質クロスオーバー102’は、各レンズ109を通過する荷電粒子線の主軸上にそれぞれ形成される。このように実質クロスオーバー102’が1点で形成されないと、各レンズ109(開口部110)とそれを通過する荷電粒子線の実質クロスオーバー102’との距離は、開き角が大きくなるにつれて長くなってしまう。例えば、図2(b)において、第1軸131が中心を通るレンズ109aと、その隣に形成されたレンズ109bとを比較する。レンズ109bとそれを通過する荷電粒子線の実質クロスオーバー102b’との距離は、レンズ109aとそれを通過する荷電粒子線の実質クロスオーバー102a’との距離より長くなる。この場合、レンズ109bによって形成された第2クロスオーバー108bは、レンズ109aによって形成された第2クロスオーバー108aより小さくなってしまう。即ち、複数のレンズ109によって形成された複数の第2クロスオーバー108は、大きさが一定ではなくなり、開き角が大きくなるにつれて小さくなってしまう。その結果、レンズアレイ103を通過して分割された複数の荷電粒子線は、電流密度に差異(強度差)が生じてしまい、基板120に荷電粒子線を均一な電流密度で照射することができなくなってしまう。そこで、第1実施形態のレンズアレイ103では、開き角が大きくなるにつれて、レンズ109と理想的な第1クロスオーバー102との距離が短くなるように複数のレンズ109が配置されている。即ち、理想的な第1クロスオーバー102より実質クロスオーバー102’が遠ざかった分だけ、レンズ109と第1クロスオーバー102との距離が短くなるように複数のレンズ109が配置されている。
第1実施形態の照射系11について、図3を参照して説明する。図3は、第1実施形態の照射系11を示す概略図である。第1実施形態のレンズアレイ103は、開き角が大きくなるにつれて、1点に形成される理想的な第1クロスオーバー102との距離が短くなるように複数のレンズ109が配置されている。即ち、理想的な第1クロスオーバー102より実質クロスオーバー102’が遠ざかった分だけ、レンズ109と第1クロスオーバー102との距離が短くなるように複数のレンズ109が配置されている。そして、各レンズ109は、荷電粒子線が各レンズに対して垂直に入射するように配置されている。レンズアレイ103を構成する3枚の電極105〜107はそれぞれ、基板方向に凸となるような多面体形状(複数の平板を連ねた多面体の形状)をなしており、1つの面(平板)に対して1つの開口部110(開口)が形成されている。また、レンズアレイ103の各レンズ109(各開口部110)は、各レンズ109を通過する荷電粒子線の主軸130を中心とした円形状に形成されている。これにより、複数のレンズ109は、それらにより形成される複数の第2クロスオーバー108の大きさを一定にすることができる。また、複数のレンズ109は、第1軸131に平行な方向においてほぼ同じ位置に、並びに第1軸131と垂直な方向(XおよびY方向)において均等な間隔dで複数の第2クロスオーバー108を形成することもできる。ここで、第1実施形態の照射系11は、図7の破線部136に示すように、形成部12およびレンズアレイ103を1つの支持部材にそれぞれ支持することによってユニット化することもできる。この場合、形成部12およびレンズアレイ103は、予め位置調整した状態でユニット化されている。これは、形成部12とレンズアレイ103との位置関係には緻密な位置制御が要求されているからである。これにより、形成部12およびレンズアレイ103との位置調整にかかる負荷、または位置調整機構を構成する負荷を低減することができる。
次に、第1実施形態のレンズアレイ103を設計する方法について、図4を参照して説明する。図4(a)は、図3におけるレンズアレイ103において、レンズ109aを通過する荷電粒子線104aの主軸130a(第1軸131)、およびレンズ109bを通過する荷電粒子線104bの主軸130bを示す図である。図4(a)では、レンズアレイ103として、それを構成する3枚の電極のうち中間の電極106が示されている。照射系11の球面収差による第1軸131方向の収差量ΔZ、および第1軸131と垂直な方向の収差量ΔXは、照射系11の球面収差係数をCs、および開き角をαとしたとき、式(1)および式(2)によってそれぞれ表すことができる。
ΔZ=−Cs×α ・・・(1)
ΔX=−Cs×α ・・・(2)
レンズアレイ103の各レンズ109におけるレンズパワーを1/f、荷電粒子線104aが通過するレンズ109aの物点とレンズ109aの中心(電極106)との距離をa、およびレンズ109aの像点とレンズ109aの中心との距離をbとする。また、第1軸131と開き角αをなす荷電粒子線104bが通過するレンズ109bにおける物点とレンズ109bの中心(電極106)との距離をa’(α)、およびレンズ109bの像点とレンズ109bの中心との距離をb’(α)とする。ここで、レンズ109aおよび109bの物点は実質クロスオーバー102a’および102b’と、レンズ109aおよび109bの像点は第2クロスオーバー108aおよび108bとそれぞれ一致する。このとき、レンズパワー1/fと距離a、b、a’(α)およびb’(α)との関係は、式(3)および式(4)によって表される。
1/f=1/a+1/b ・・・(3)
1/f=1/a’(α)+1/b’(α) ・・・(4)
レンズ109aにおける物点と像点との距離をL、およびレンズ109bにおける物点と像点との距離をL’とすると、距離Lおよび距離L’は式(5)および式(6)によってそれぞれ表される。
L=a+b ・・・(5)
L’=a’(α)+b’(α) ・・・(6)
各レンズ109によって形成される第2クロスオーバー108の径は、レンズ109aでは実質クロスオーバー102a’の径のb/a倍、およびレンズ109bでは実質クロスオーバー102b’の径のb’(α)/a’(α)倍になる。そのため、実質クロスオーバー102a’の径と、実質クロスオーバー102b’の径とが同じ大きさであると仮定すると、複数の第2クロスオーバー108の径をほぼ同じ大きさにするためには、式(7)の関係を満たす必要がある。そして、このとき、L’は式(8)によって算出される。
b/a≒b’(α)/a’(α) ・・・(7)
L’=[(L+ΔZ)+{(L+ΔZ)×α−ΔX}0.5
=[(L+Cs×α+{(L+Cs×α)×α―Cs×α0.5
・・・(8)
ここで、距離Lおよび開き角αは既知の値、Csは照射系11の構成により定まる係数である。そのため、式(4)および式(8)に基づいて、式(9)が得られる。そして、レンズパワー1/fおよびL’は既知の値であるため、式(9)に基づき、開き角αに対するa’(α)が算出される。
1/f=1/a’(α)+1/{L’−a’(α)} ・・・(9)
図4(b)は、図4(a)におけるレンズアレイにおいて、上述した計算式に基づき、レンズ109aを通過する荷電粒子線104a、およびレンズ109bを通過する荷電粒子線104bの具体的な数値を計算した結果を示す図である。ここで、図4(b)における荷電粒子線104bは、第1軸131からの開き角αが最大となるときの荷電粒子線であるものとする。図4(b)において、球面収差係数Csを25mm、第1軸131からの開き角αが最大となる開き角αmaxを120mrad、距離aを18.18mm、および距離bを181.8mmとする。このとき、式(5)より、距離Lは約200mmとなる。ここで、照射系11の球面収差による第1軸131方向の収差量ΔZ、および第1軸131と垂直な方向の収差量ΔXは、式(1)および式(2)より、ΔZ=−Cs×αmax =0.36mm、およびΔX=−Cs×αmax =0.043mmとなる。そして、距離L’は、式(8)より、
L’=[(L+ΔZ)+{(L+ΔZ)×α―ΔX}0.5
=201.78mm
と算出される。また、各レンズ109のレンズパワー1/fは、式(3)より、1/f=0.0605mmと算出される。この算出されたレンズパワー1/fの値と距離L’の値とを式(9)に代入することにより、距離a’(αmax)が18.16mmと算出され、式(6)により距離b’(αmax)が183.6mmと算出される。このとき、b/a=10.00、およびb’(αmax)/a’(αmax)=10.11となるため、複数の第2クロスオーバー108の径の差異は約1.1%となる。ここで、第2クロスオーバー108の径の差異は、開き角αが大きくなるにつれて大きくなる。そのため、第1軸131からの開き角αが最大となる開き角αmaxにおいて、第2クロスオーバーの径の差異が最大値となり、その最大値は約1.1%である。これは、基板120に荷電粒子線をほぼ均一な電流密度で(約1.1%の強度差)照射できることを意味している。
このように設計された第1実施形態のレンズアレイ103における電極106と、従来のレンズアレイにおける電極106(図2(b)を参照)との差異について、図5を参照して説明する。ここで、従来のレンズアレイとは、図2(b)に示すように、第1軸131上の1点からの距離がそれぞれ同じになるように複数のレンズ109が配置されているレンズアレイ103のことである。図5は、1点に形成されるべき第1クロスオーバー102の位置を原点とし、縦軸を第1軸131と平行な方向における原点からの距離、および横軸を第1軸131と垂直な方向における原点からの距離としている。また、図5では、従来のレンズアレイにおける球面収差係数Cs、最大の開き角αmax、距離aおよび距離bは、第1実施形態のレンズアレイ103の設計において使用した値と同じ値にしている。第1実施形態のレンズアレイ103は、従来のレンズアレイと比較して、第1軸131から離れるにつれて、1点に形成されるべき第1クロスオーバー102(原点)に近づいている。即ち、図3において、1点に形成される理想的な第1クロスオーバー102より実質クロスオーバー102’が遠ざかった分だけ、レンズ109と第1クロスオーバー102との距離が短くなるように複数のレンズ109が配置されている。したがって、複数のレンズは、各レンズにより形成される実質クロスオーバー102’と、それに対応するレンズとの距離が、複数のレンズにわたって一定となるように配置されている。但し、複数のレンズにわたって厳密に一定となるようにしなくてもよく、必要な精度に応じた許容条件を満たす限り、複数のレンズにわたって距離に差があってもよい。これにより、各レンズ109における実質クロスオーバー102’が1点に形成されない場合であっても、複数のレンズ109によって形成される複数の第2クロスオーバー108を、ほぼ一定の大きさにすることができる。また、複数の第2クロスオーバー108を、第1軸131と平行な方向においてほぼ同じ位置に配置すること、および第1軸131と垂直な方向に均等な間隔dで配置することもできる。
ここで、第1実施形態のレンズアレイ103では、レンズアレイ103を構成する各電極105〜017はそれぞれ多面体形状をしている。そして、多面体形状である各電極105〜107は、図3に示すように、1つの面に対して1つの開口部110が形成されている。しかし、レンズアレイ103の形状は、多面体形状に限定されるものではない。例えば、図6(a)に示すように、レンズアレイ103を構成する各電極105〜107を曲面形状(湾曲した形状)とする。そして、曲面形状である各電極105〜107において、荷電粒子線を通過させるべき部分、即ち、レンズ109として使用すべき部分に開口部110を形成してもよい。この場合、レンズアレイ103の作製が、各電極105〜107を多面体形状とするより容易となる。また、図6(b)に示すように、レンズアレイ103を構成する各電極105〜107は多面体形状ではあるが、開口部110を多面体形状の頂点に位置するように形成してもよい。
上述したように、第1実施形態の照射系11において、レンズアレイ103は、開き角が大きくなるにつれて、レンズ109と1点に形成されるべき第1クロスオーバー102との距離が短くなるように複数のレンズ109が配置されている。これにより、複数のレンズ109は、それらにより形成された複数の第2クロスオーバー108をほぼ一定の大きさにすることができる。また、複数のレンズ109は、第1軸131に平行な方向においてほぼ同じ位置に、および第1軸131と垂直な方向に均等な間隔dで複数の第2クロスオーバー108を形成することもできる。ここで、第2クロスオーバーの位置および径を求めるための仮想上のクロスオーバーを上記の実質的な第1クロスオーバー(実質クロスオーバー)とみなすこともできる。これにより、実質的に第1クロスオーバーを形成しない光学系に対しても、本発明の手法を用いて、レンズアレイ形状を求めることができる。なお、第1実施形態の照射系11は、走査型の荷電粒子顕微鏡(電子顕微鏡等)に適用することもできる。このように第1実施形態の照射系11を適用した荷電粒子顕微鏡によれば、従来の照射系を適用した荷電粒子顕微鏡と比較して、高解像度で対象物を観察することができる。
<物品の製造方法の実施形態>
本発明の実施形態における物品の製造方法は、例えば、半導体デバイス等のマイクロデバイスや微細構造を有する素子等の物品を製造するのに好適である。本実施形態の物品の製造方法は、基板に塗布された感光剤に上記の描画装置を用いて潜像パターンを形成する工程(基板に描画を行う工程)と、かかる工程で潜像パターンが形成された基板を現像する工程とを含む。更に、かかる製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含む。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。

Claims (10)

  1. 複数の荷電粒子線で対象を照射するための照射系であって、
    第1軸を中心軸として放射状に荷電粒子線を射出する射出部と、
    複数のレンズを含み、前記射出部によって射出された荷電粒子線を該複数のレンズにそれぞれ対応する複数の荷電粒子線に分割するレンズアレイと、
    を含み、
    前記複数のレンズは、各レンズを通過する荷電粒子線の主軸上における前記射出部のクロスオーバーと、該クロスオーバーに対応するレンズとの距離が該複数のレンズにわたって一定となるように配置されている、ことを特徴とする照射系。
  2. 前記各レンズは、第2クロスオーバーを形成する、ことを特徴とする請求項1に記載の照射系。
  3. 前記複数のレンズは、複数の前記第2クロスオーバーが前記第1軸に平行な方向において互いに同じ位置に形成されるように配置されている、ことを特徴とする請求項2に記載の照射系。
  4. 前記射出部および前記レンズアレイは、1つの支持部材にそれぞれ支持されることによってユニット化されている、ことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の照射系。
  5. 前記レンズアレイは、少なくとも3枚の電極によって構成されている、ことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の照射系。
  6. 前記レンズアレイを構成する各電極は、複数の平板を連ねた多面体の形状をなしている、ことを特徴とする請求項5に記載の照射系。
  7. 前記各電極は、前記複数の平板のうちの1つの平板に対して1つの開口部が形成されている、ことを特徴とする請求項6に記載の照射系。
  8. 前記レンズアレイを構成する各電極は、湾曲した形状をなしている、ことを特徴とする請求項5に記載の照射系。
  9. 複数の荷電粒子線で基板に描画を行う描画装置であって、
    請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載の照射系を含む、ことを特徴とする描画装置。
  10. 請求項9に記載の描画装置を用いて基板に描画を行う工程と、
    前記工程で描画を行われた前記基板を現像する工程と、
    を含むことを特徴とする物品の製造方法。
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