JP2014081009A - 流路切替部材、および装置 - Google Patents

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孝博 仲橋
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Abstract

【課題】粒子を含有する液体の吐出を、高精度で安定的に行うことのできる吐出装置に適用可能な流路切替部材を提供する。
【解決手段】外表面に、軸方向に連続して延伸する山部(12)を少なくとも2つ有する切替えバルブ(1)は、固体粒子を含有する流体を供給する液体供給部(20)およびバルブ部(10)が連通する吸引状態と、バルブ部(10)および排出部(50)が連通する排出状態とを切替える。
【選択図】図6

Description

本発明は、繰り返し一定量の流体を吐出する流体吐出装置に関し、特に、当該装置が有する、流体の経路を切り替える流路切替部材に関するものである。
消費電力が少なく長寿命という長所を備えるLED(発光ダイオード)が、照明装置の光源として広く利用されている。しかし現在のところ、LED素子が発する基本光は、赤色、緑色、および青色の3色に限られている。
そのため、白色光を実現するためには、(1)赤色、緑色、および青色の上記3つのLED素子の組み合わせ、(2)青色LED素子と、青色と補色関係にある黄色の蛍光を発する蛍光体との組み合わせ(疑似白色)、(3)青色LED素子と、赤色蛍光体および緑色蛍光体との組み合わせ、などの方式が考えられている。
具体的には、蛍光体粒子(YAG系、TAG系、サイアロン系など)を略均一に分散させて含有するシリコン樹脂、あるいはエポキシ樹脂でLED素子を包むことで(覆って)、所望の発光特性を実現している。このように、LED素子を樹脂で封入してさまざまな用途にLED素子を使用できるようにしたものをLEDパッケージ呼ばれている。
LEDパッケージの発光特性は、LED素子を包む樹脂に含まれている蛍光体粒子の量に依存するため、LED素子を覆う樹脂の量のばらつきはLEDパッケージの発光特性のばらつきの原因となる。樹脂が含有する蛍光体粒子が略均一に樹脂内に分散している場合、LED素子を包む樹脂の量がLEDパッケージごとに変動すると、一定の発光特性を有する製品を作ることができない。
そして、LEDパッケージの発光特性のばらつきが発生することにより、LEDパッケージの製造において不良品発生頻度が上昇し、生産歩留まりの低下を誘引する。このため、LEDパッケージの製造過程において、一定量の樹脂を高精度で吐出することが求められている。
液体の高精度な定量吐出方法について、特許文献1では、プランジャロッドの後退動作により貯留容器から1回に吐出する量だけ定量してシリンダ内に液体を吸引し、切替弁(弁体)が回転して流路を切替え、それに続く該プランジャロッドの進出動作により該液体をシリンダからノズルに排出する液体の定量吐出方法、およびその装置が記載されている。
一方、液体を定量吐出する場合において、液体の漏洩が生じると、吐出する液体の量が変化して、正確な量の液体を吐出することができなくなる。特に、切替弁における液体の漏洩が問題となる。
そこで、切替弁における液体の漏洩を防止するために、特許文献2および特許文献3では、貯留容器から吸引した液体をノズルから排出するときに加圧された液体を、押さえブロック、バルブブロック、およびこれら両方のブロックの平面に密着するOリングで囲繞された空隙にも導く。これにより、該液体に加えられた圧力をバルブブロックの背面に働かせて、該圧力に応じたシール力として用い、シリンダと貯留容器またはノズルとを連通する切替弁の液密性を向上させて、漏洩を防止する方法およびその装置が記載されている。
特開2006−189055号公報(2006年7月20日公開) 特開2006−144791号公報(2006年6月8日公開) 特開2001−287798号公報(2001年10月16日公開)
しかしながら、上述のような従来技術は、粒子を含有する液体を吐出する場合においては、切替弁(切替えバルブ)の切替え動作の反復によって生じる切替えバルブの摩耗が原因となって発生する液体の漏洩を抑制することができないという問題がある。
切替えバルブは流路の切替えのたびに動作する軸部材と、該軸部材を保持する外郭部(ハウジング)とからなる部材であるが、粒子を含有する液体を吐出する場合は、切替えバルブの切替え動作のときに、切替えバルブの軸部材の外接面と該軸部材を保持する外郭部(ハウジング)の内接面との間隙に、液体に含まれている粒子が侵入することが避けられない。
その結果、該侵入した粒子が、切替えバルブの軸部材の外接面と該軸部材を保持するハウジングの内接面とのクリアランスに留まり、切替えバルブの切替え動作のたびに、軸部材、およびハウジングと擦れ合う。これに起因して、切替えバルブの軸部材、およびハウジングの摩耗を生じ、広がった軸部材とハウジングとの間隙から液体が漏洩し、高精度で一定量の吐出を実現することが困難となる。さらに、摩耗したバルブは定期的に交換する必要があるため、製造コストの上昇につながってしまう。
そこで本発明は、粒子を含有する流体を高精度かつ安定的に吐出する流路切替部材および装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る流路切替部材は、固体粒子を含有する流体を供給する流体供給部および流体計量部が連通する吸引状態と、上記流体計量部および流体排出部が連通する排出状態とを切替える流路切替部材であって、外表面に形成された凹部であって、上記流体供給部および上記流体計量部を連通させ、上記流体を貯留する凹部と、上記流体計量部および上記流体排出部を連通させる、放射方向に貫通する貫通孔と、を備える円柱形状の軸部材であって、管状の軸部材保持部に挿入された軸部材を備え、上記軸部材は、外表面に、軸方向に連続して延伸する山部を少なくとも2つ有することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、上記軸部材の外表面に設けられた少なくとも2つの山部は、軸部材保持部の内表面と近接するが、山部以外の部分(以下谷部と称する)は軸部材保持部の内表面と近接していない。このため、円柱形状の軸部材の外表面と、管状の軸部材保持部の内表面との間隙に固体粒子が侵入した場合であっても、固体粒子が山部と軸部材保持部の内表面との間隙に留まることはなく、その多くが谷部に溜まる。それゆえ、固体粒子が漏洩したとしても、軸部材の山部および谷部、並びに、軸部材保持部の磨耗を抑制することができる。さらに、軸部材保持部と近接する山部があるため、固体粒子が漏洩することを抑制することもできる。よって、流路切替部材における流体の漏洩を抑制して、所定量の液体を高精度で安定的に吐出することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る切替えバルブの概略構造を示す斜視図である。 図1の切替えバルブの断面図である。 本発明の別の実施形態に係る切替えバルブの断面図である。 本発明の一態様に係る切替えバルブを備える吐出装置の概略構成を示す平面図である。 図4の吐出装置が樹脂を吐出する動作の流れを示すフローチャートである。 図4の吐出装置のバルブ部において(a)樹脂を定量吸引するとき、および(b)樹脂を排出するとき、の切替えバルブの動作を説明する概略断面図である。 図5の吐出装置に適用可能な、また別の実施形態に係る切替えバルブの動作と構造を説明する概略断面図である。 本発明の一態様に係る切替えバルブ部の材料として好適なセラミックス材料の主要物性を示す。 LEDパッケージの製造において、樹脂に混合される蛍光体粒子の粒径分布の一例を示す片対数グラフである。 緑色蛍光体粒子と赤色蛍光体粒子との配分比率、および樹脂に混合する蛍光体粒子の量が、LEDパッケージが発する光の色度に与える影響を説明するCIE色度図である。 液体吐出方式の種類と特性を示す図である。
ここでは、本発明の流路切替部材を、LEDパッケージの製造に利用する樹脂(流体)を吐出する吐出装置(装置)100の切替えバルブ(流路切替部材、軸部材)1に適用した場合を例に挙げて説明する。
(蛍光体粒子のサイズ分布)
まず、LEDパッケージの製造において、樹脂に混合される一般的な蛍光体粒子(固体粒子)の粒径について、図9を用いて説明する。
図9は、LEDパッケージの製造において、樹脂に混合される蛍光体粒子の粒径分布の一例を示す片対数グラフである。
横軸は粒子径(μm)を対数目盛で示しており、縦軸は、左右いずれも相対粒子量(全粒子に対して占める割合)を%表示した値を示している。図9の、粒子径の各区間に区分されるサイズの粒子の頻度(%)を示すヒストグラムの縦軸の値は、右側の縦軸の目盛を参照する。一方、各サイズの粒子の積算量を示す折れ線グラフの縦軸の読みは左側の目盛を参照する。
図9のヒストグラムを見ると、蛍光体粒子の粒径(直径)の樹脂には、およそ3μmから200μmの蛍光体粒子が含まれており、粒径の最頻値は20μm付近にある。さらに、粒径20μm以下の粒子の相対粒子量は、折れ線グラフの読みからおよそ50%であり、従って20μmが粒径の中央値でもあることがわかる。
そして、蛍光体粒子の粒子径が10μm以下の粒子は全体のおよそ15%程度であり、85%以上の粒子は10μmよりも大きいことがわかる。
〔吐出装置の概略構造〕
最初に、吐出装置100の概略構成を、図4を用いて、適宜、図5も参照しながら、説明する。
図4は、本発明の一態様に係る切替えバルブ1を備える吐出装置100の概略構成を示す平面図である。
吐出装置100は、粒子を含有する樹脂などの流体を一定量吸引し、定量して、吐出する装置である。
吐出装置100は、少なくともバルブ部10、液体供給部(流体供給部)20、ポンプ部30、バルブ駆動部40、および排出部(ノズル)50を備える。
液体供給部20は、液体供給口21に連結した液体タンク(図示せず)内の樹脂をバルブ部10に供給する(図5のステップ2、以後、単にS2のように略して表記する)。
ポンプ部30は、プランジャポンプとしての機能を有する。具体的には、(1)プランジャ部10Pのプランジャロッドの後退動作(図4においてz軸の正の方向)とその動作量により所定量の樹脂を吸引・定量し(図5のS3)、(2)プランジャロッドの進行動作(図4においてz軸の負の方向)により定量した樹脂を押し出し、所定量の樹脂を排出部50から吐出する(図5のS6)。
バルブ駆動部40は、切替えバルブを制御して、樹脂の吸引・排出に対応する流路の切替え動作(回転、スライドなど)を制御する。なお、この制御は電気的信号を利用したものであってもよいし、あるいは機械的な駆動手段(チェーン駆動やベルト駆動など)を利用してもよい。
排出部50は、吐出装置100内部から外に樹脂が排出される部材であり、バルブ部10と流体連通しており、樹脂を外に排出する(図5のS6)。
バルブ部10は、上記ポンプ部30と連接して配されており、プランジャ部(液体計量部)10P、および切替えバルブ部10Vを備えている。プランジャ部10Pは、液体供給部20から供給された樹脂を吸引して定量する液体計量流路を備える(後述)。
切替えバルブ部10Vは、樹脂の流路を切替える円柱形状の切替えバルブ(軸部材)と、該切替えバルブが挿入されて保持される管状の切替えバルブ保持部(軸部材保持部)とを備える。そして、切替えバルブが切替えバルブ保持部の中で回転(または、スライド)することにより、樹脂が通る流路を、(1)所定量の樹脂の吸引・定量のとき、と(2)樹脂の吐出のとき、との間で切替える。
切替えバルブの動作と流路の切替えとの関係については、後に詳述する。
〔実施形態〕
ここでは、本発明の一実施形態に係る吐出装置100が備える切替えバルブ1の形状について、図1〜図3を用いて説明する。
(切替えバルブの形状例1)
図1は、本発明の一実施形態に係る切替えバルブ(流路切替部材、軸部材)1の概略構造を示す斜視図である。
切替えバルブ1は、切替えバルブ保持部に保持された状態で回転中心11aの周りに回転することで、(1)所定量の樹脂の吸引・定量のとき、と(2)樹脂の吐出のとき、との間で樹脂の流路を切替える部材である。
切替えバルブ1は略円筒形をしており、少なくとも一方の端部に円柱状の回転軸11を備え、回転軸11の円断面の中心である回転中心11a(図1においてx軸に平行)の周りに回転することができる。
切替えバルブ1の外表面には、図1に示すように軸方向(上記軸部材の長手方向)に連続して延伸する山部12aと、谷部13aとが設けられている。ここで、山部12aとは、切替えバルブ1の外表面に設けられた、x軸に概ね平行する稜部、あるいは突条である。一方、谷部13aとは、山部12aに属さない切替えバルブ1の外表面である。つまり、切替えバルブ1の外側表面と、切替えバルブ保持部17の外表面との間隔(クリアランス)は不均一に形成されている。
切替えバルブ1の外表面には、さらに、凹部14、および貫通孔15が設けられている。凹部14の軸方向に平行な2辺が、それぞれ山部12aに隣接している。従って、凹部14は、2つの山部12aに挟まれるように設けられている(図2の(a)参照)。この凹部14は、吐出装置100が所定量の樹脂を吸引・定量するときの貯留部として機能する。貫通孔15は、例えば、図1に示すように、切替えバルブ1をy軸に略平行に貫通するように設けられていて、定量された樹脂を排出(吐出)するときの樹脂の流路として機能する。
なお、切替えバルブ保持部17の内表面と近接する、凹部14の開口部を囲む部分(図1においてx軸に平行な2辺、およびy軸に平行な2辺)と、切替えバルブ保持部17の内表面とは密接する(0(ゼロ)クリアランス)ことが望ましい。これにより、凹部14に貯留された樹脂が、切替えバルブ1と切替えバルブ保持部17とのクリアランスに漏洩することを避けることができる。
図2(a)、(b)はそれぞれ、図1に示す(a)PQ軸、(b)RS軸、に平行な面で切断した断面を矢印方向に見たときの、切替えバルブ1の断面図である。また、図2では説明を補助する目的で、切替えバルブ保持部の内表面も示している。
なお、ここでは山部12aの数が10の場合を例として挙げて図示したが、本発明の一態様に係る切替えバルブ1の構造はこれに限定されることはない。
まず、切替えバルブ1の外表面の山部12aが切替えバルブ保持部17の内表面に接近して、谷部13aと切替えバルブ保持部17の内表面との間に間隔16が形成される。
図2に示すように、山部12aの頂端と切替えバルブ保持部17の内表面とは接近しており(クリアランスが小さい)、谷部13aは切替えバルブ保持部17の内表面と近接していない。このため、円柱形状の切替えバルブ1の外表面と、管状の切替えバルブ保持部17の内表面とのクリアランスに蛍光体粒子が侵入した場合であっても、蛍光体粒子が山部12aと切替えバルブ保持部17の内表面とのクリアランスに留まることはなく、その多くが間隔16に溜まる。また、谷部13aに残留する蛍光体粒子は、山部12aと切替えバルブ保持部17の内表面とのクリアランスより小さい。それゆえ、蛍光体粒子が漏洩したとしても、切替えバルブ1の山部12aおよび谷部13a、並びに、切替えバルブ保持部17の磨耗を抑制することができる。さらに、切替えバルブ保持部17と近接する山部12aがあるため、蛍光体粒子が漏洩することを抑制することもできる。よって、切替えバルブ部10における流体の漏洩を抑制して、所定量の樹脂を高精度で安定的に吐出することができる。
さらに、山部12aの頂端と切替えバルブ保持部17の内表面とのクリアランスは10μm以下であるように形成されていることが、より望ましい。
図9に示したように、実際の蛍光体粒子の粒子径にはばらつきがあり、10μm以下の粒子は全体のおよそ15%程度である。
従って、例えば、山部12aの頂端と切替えバルブ保持部17の内表面とのクリアランスを10μm以下に形成することで、切替えバルブ1の山部12aの外表面と切替えバルブ保持部17の内表面とのクリアランスに侵入する蛍光体粒子の量を低く制限することができる。これにより、切替えバルブ1の山部12aの外表面と切替えバルブ保持部17の内表面とが蛍光体粒子と擦れ合うことによる摩耗を抑制することができる。よって、バルブ部10から樹脂が漏洩することを抑制することができる。
上述のように、山部12aの頂端と切替えバルブ保持部17の内表面とのクリアランスは、蛍光体粒子の粒径などに合わせて、出来るだけ蛍光体粒子の侵入を防ぐことが重要である。
山部12aの頂端と切替えバルブ保持部17の内表面とのクリアランスが蛍光体粒子の粒子径よりも大きいと、蛍光体粒子が該クリアランスに侵入する。そして、該クリアランスに侵入した蛍光体粒子は、切替えバルブ1が切替えバルブ保持部17における動作(摺動)によって摩耗する原因となる。
逆に、山部12aの頂端と切替えバルブ保持部17の内表面とのクリアランスが蛍光体粒子の粒径に比べて十分小さいと、該クリアランスに侵入できる蛍光体粒子の数は減少する。例えば、図9に示す粒子径のばらつきを有する蛍光体粒子の場合、該クリアランスを5μm以下とすれば、該クリアランスに侵入できる蛍光体粒子の数は全粒子の1%程度に抑えることが可能である。
しかしながら、該クリアランスに侵入する蛍光体粒子の粒子径を小さくすることで、蛍光体の微粒子が山部12aの頂端と切替えバルブ保持部17の内表面とのクリアランスに高密度に侵入する。高密度に侵入した微粒子は、切替えバルブ1が切替えバルブ保持部17の内表面と擦れ合う動作(摺動)のときに、山部12aと切替えバルブ保持部17の内表面とに接触して、大きな抵抗(摺動抵抗)が生じ得る、という問題がある。この摺動抵抗の増大によって、切替えバルブ1が動作し難くなる。さらに、切替えバルブ1に対して強い力を加えると、結果として、切替えバルブ1と切替えバルブ保持部17とを摩耗をさせてしまう。このように、該クリアランスをより狭くする構成が、より好ましいとは限らない。
従って、切替えバルブ1の山部12aの頂端と切替えバルブ保持部17の内表面とのクリアランスの大きさは、蛍光体の粒子の侵入量を出来るだけ少なく抑えながら、かつ上述の摺動抵抗も低くする構成が望ましい。
さらに、谷部13aと切替えバルブ保持部17の内表面との間隔16は、蛍光体粒子の粒径に比べて大きいことが好ましい。この構成によれば、切替えバルブ1が樹脂の流路を切替える動作のときに、谷部13と切替えバルブ保持部17の内表面との間隔に侵入した蛍光体粒子は間隔16に溜り、切替えバルブ1の外表面および切替えバルブ保持部17の内表面に摩耗を生じない。これにより、切替えバルブから樹脂が漏洩することを抑制することができる。
すなわち、本発明の一実施形態に係る吐出装置100は、切替えバルブ1と切替えバルブ保持部17とのクリアランスにおいて、蛍光体粒子の侵入し易さに差を設けている。つまり、切替えバルブ1の外側表面と、切替えバルブ保持部17の外表面とのクリアランスは不均一に形成されている。これにより、切替えバルブ1、および切替えバルブ保持部17の摩耗を抑制すると共に、切替えバルブ1の動作に伴う摺動抵抗を低減することができる。よって、切替えバルブ1の摩耗の進行が抑制されて、切替えバルブ1の長寿命化が実現される。
切替えバルブ1と切替えバルブ保持部17の間のクリアランスが大きい切替えバルブ1を吐出装置100に適用すると、バルブ部10において樹脂の漏洩が生じ、吐出装置100が高精度に一定量を吐出することができなくなる。切替えバルブ1の外表面には、切替えバルブ保持部17の内表面とのクリアランスが小さくなるように山部12aを設け、高精度に樹脂を計量し、吐出することを可能にしている。
(切替えバルブの形状例2)
図3には、本発明の別の実施形態に係る切替えバルブの断面図である。図3に示す切替えバルブ1の断面の中心にも、図2に示した例と同様に、回転中心11bがある。切替えバルブ1の外表面には、図2で示した山部12aよりも、切替えバルブ保持部17の内表面に接近した面が広い山部12bと、谷部13bが形成されている。
この構成により、山部12bは図1および図2に示した切替えバルブ1の山部12aに比べて幅が広く形成されている。これにより、蛍光体粒子との擦れ合いによる摩耗が進行したとしても、山部12bと切替えバルブ保持部17の内表面とのクリアランスが大きくなり、樹脂の漏洩の発生を遅延させることができる。よって、切替えバルブ1の寿命が長くなり、LEDパッケージの製造コストを抑える効果がある。
図1〜図3に示された切替えバルブ1の回転軸に垂直な面で切断したときの断面には、少なくとも2つ以上の山部12a・12b(と谷部13a・13b)が設けられている。
図1に示すように、切替えバルブ1には凹部14が設けられ、前述のように、吐出装置100が所定量の樹脂を吸引・定量するときの貯留部として機能する。このため、図2の(a)に示すように、凹部14を挟むように山部12a・12bが配されており、凹部14に貯留された樹脂が切替えバルブ1と切替えバルブ保持部17とのクリアランスに侵入することを抑制する。また、切替えバルブ1が切替えバルブ保持部17内において安定して回転するためにも、山部12a・12bは少なくとも2つ以上であることが好ましい。
そして、山部12a・12bの頂端と切替えバルブ保持部17の内表面とのクリアランスを蛍光体粒子の粒子径以下になるように狭く形成することで、切替えバルブ1の山部12a・12bの外表面と切替えバルブ保持部17の内表面とのクリアランスに侵入する蛍光体粒子の量を制限する。
図1〜図3を用いて、切替えバルブ1の好ましい形状の例について詳述したが、一方、切替えバルブ1の表面のコーティングに着目すれば、切替えバルブ1の山部12a・12bの外表面には撥水性コーティングを設けることが望ましい。これにより、撥水部分の高い表面張力により液体の侵入を抑制し、該撥水部分は、切替えバルブ1の山部12a・12bの外表面と切替えバルブ保持部17の内表面とが蛍光体粒子と擦れ合うことによる摺動抵抗を下げることができる。
切替えバルブ保持部17に保持される切替えバルブ1が、蛍光体粒子を含有する樹脂の流路を切替える動作(図6参照)を行う時、樹脂の流路の切替え動作については、以下に詳述する。
(吐出装置の動作)
ここでは、吐出装置100が樹脂を吐出する動作の概略を、図5に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、切替えバルブ1(軸部材)が切替えバルブ保持部17に保持された状態で回転し、液体供給流路Aと液体計量流路Bとが連結するように流路を切替える(S1)。
次に、樹脂を液体供給部20からバルブ部10へ供給する(S2)。
次に、所定量の樹脂を液体供給流路Aから液体計量流路Bに吸引し定量する(S3)。
ここで、切替えバルブの軸部材が回転し、液体計量流路Bと液体排出流路Cとが連結するように流路を切替える(S4)。
そして、定量した樹脂を液体計量流路Bから液体排出流路Cの方へ押し出され、所定量の樹脂が、排出部50から吐出する(S5)。
樹脂の吐出を継続する場合(S6でNO)、前出のS1に戻る。
これにより、所定量の樹脂を、繰り返し高精度に吐出することができる。
(切替えバルブ1による流路の切替え動作)
図6は、図4の吐出装置のバルブ部10に含まれる切替えバルブ1の動作を示す概略断面図であり、(a)は樹脂を定量・吸引する場合を示し、(b)は樹脂を排出する場合を示している。
図6の(a)、(b)では、吐出装置100の切替えバルブ部10Vに図1に示すような切替えバルブ1が組み込まれている構成を例示している。なお、図6において、切替えバルブ1の動作を説明するために、切替えバルブ1のみは断面図ではなく平面図として表現している。
まず、図6(a)を用いて、樹脂を計量しながら吸引するまでの動作について、適宜、図5を参照しながら説明する。
液体供給口21に液体タンク(図示せず)を取り付けて、排出すべき樹脂を液体供給流路Aに満たす(図5のS2)。
このとき、切替えバルブ保持部17の中に保持されている切替えバルブ1は、図6(a)に示すように、凹部14をz軸の正方向に向けた姿勢で保持されている。また、このとき、貫通孔15はy軸に平行な方向になり、液体供給流路A、液体計量流路Bおよび液体排出流路Cとの連結は遮断されている(図5のS1)。
一方、切替えバルブ1の凹部14を介して、液体供給流路Aと、プランジャ部10Pの液体計量流路Bとが、連結していて、凹部14は樹脂の貯留部として機能する。
プランジャロッド18の後退動作(図6においてz軸の正方向への動作)によって、所定量の樹脂が、液体計量流路Bに吸引される(図5のS3)。所定量の樹脂を吸引し計量したところで、プランジャロッドの後退動作は停止する。
次に図6(b)を用いて、計量された樹脂を排出部50に向けて押し出すまでの動作について、適宜、図5を参照しながら説明する。
切替えバルブ1が、切替えバルブ保持部17の中において、回転軸11の周りに回転して、流路を切替える(図5のS4)。なお、ここでは略90°回転して流路を切替える場合について説明するが、この回転角度には限定されず、流路を切替えることが可能な、如何なる回転角度であってもよい。
図6に示すように、切替えバルブ1が回転し、切替えバルブ1の凹部14を介した、液体供給流路Aとプランジャ部10Pの液体計量流路Bとの連結が遮断される。一方、液体計量流路Bと液体排出流路Cとが、貫通孔15を介して連結する(図5のS4)。
プランジャロッドの進行動作(図6においてz軸の負方向への動作)によって、所定量の樹脂が、液体計量流路Bから貫通孔15に向かって押し出される。貫通孔15と液体排出流路Cとは樹脂が満たされた状態で連結(連通)しているため、液体計量流路Bから貫通孔15に押し出される所定量の樹脂によって、液体排出流路Cに存在する樹脂が押され、結果、排出部50から所定量の樹脂が排出される(図5のS5)。
その後に、継続して樹脂の吐出を行う場合には(図5のS6においてNO)、切替えバルブ1が図6(a)に示す状態に戻り(図5のS1)、次の吐出サイクル(樹脂の計量と排出)が開始可能となる。
このように、固体粒子を含有する液体の流路を切替える切替えバルブ1の外表面には、少なくとも2つの山部12を設けている。これにより、円柱形状の切替えバルブ1の外表面と、管状の切替えバルブ保持部17の内表面とのクリアランスに蛍光体粒子が侵入した場合であっても、蛍光体粒子が山部12と切替えバルブ保持部17の内表面とのクリアランスに留まることはなく、その多くが間隔16(谷部13、山部12および切替えバルブ保持部17によって囲まれた空間)に溜まる。また、谷部13に残留する蛍光体粒子は、山部12と切替えバルブ保持部17の内表面とのクリアランスより小さい。それゆえ、蛍光体粒子が漏洩したとしても、切替えバルブ1の山部12および谷部13、並びに、切替えバルブ保持部17の磨耗を抑制することができる。さらに、切替えバルブ保持部17と近接する山部12があるため、蛍光体粒子が漏洩することを抑制することもできる。よって、バルブ部10における流体の漏洩を抑制して、所定量の液体を高精度で安定的に吐出することができる。
〔変形例〕
上述の実施形態では、切替えバルブ1が円柱形をしており、樹脂の流路を切替えるために回転する例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、図7に示すように、凹部14と貫通孔15の開口部とを同じ谷部13に設けられた切替えバルブ1が、切替えバルブ保持部17内で回転するのではなく、スライドすることで両流路を切替えるような構成を備える切替えバルブ1であってもよい。
切替えバルブ1は柱形状(円柱形状、四角柱状など)をしており、少なくとも一方の端部に柱形状のスライド軸11cを備え、スライド軸11cを介して切替えバルブ1は長手方向(x軸方向)のスライドするように制御される。
切替えバルブ1の外表面には、図1に示すように軸方向(長手方向)の周囲に山部12と、谷部13とが設けられている。ここで、山部12とは、切替えバルブ1の外表面に設けられた、長手方向(x軸に概ね平行な方向)の周囲に設けられた稜部である。一方、谷部13とは、山部12に属さない切替えバルブ1の外表面である。つまり、切替えバルブ1の外側表面と、切替えバルブ保持部17の外表面とのクリアランスは不均一に形成されている。
切替えバルブ1の外表面には、さらに、凹部14、および貫通孔15が設けられている。凹部14の長手方向(x軸方向)に垂直な2辺が、それぞれ山部12に隣接している。従って、凹部14は、2つの山部12に挟まれるように設けられている。この凹部14は、吐出装置100が所定量の樹脂を吸引・定量するときの貯留部として機能する。貫通孔15は、例えば、図7に示すように、凹部14の切替えバルブ1を長手方向に略直交(z軸方向)して貫通するように設けられていて、定量された樹脂を排出(吐出)するときの樹脂の流路として機能する。
図7は、図5の吐出装置100に適用可能な、また別の実施形態に係る切替えバルブの動作と構造を説明する概略断面図である。なお、図7は、樹脂を排出し終えたとき、すなわち図6の(b)の状態に相当する状態を例として図示している。なお、図6と同様に、液体供給口21に連結した液体タンクは図示していない。
次に、この吐出装置100が、樹脂を計量しながら吸引するまでの動作を行うときには、図7に示す切替えバルブ1をx軸の負の方向にスライド移動(スライド)して、凹部14を介して液体供給流路A、および液体計量流路Bと連結させる。
このとき、z軸に平行な貫通孔15は、液体供給流路A、液体計量流路B、および液体排出流路Cとの連結は遮断されている。
一方、切替えバルブ1の凹部14を介して、液体供給流路Aと、プランジャ部10Pの液体計量流路Bとが連結していて、凹部14は樹脂の貯留部として機能する。
プランジャロッド18の後退動作(図7においてz軸の正方向への動作)によって、所定量の樹脂が、液体計量流路Bに吸引される(図5のS3)。所定量の樹脂を吸引し計量したところで、プランジャロッドの後退動作は停止する。
次に図7を用いて、計量された樹脂を排出部50に向けて押し出すまでの動作について、適宜、図5を参照しながら説明する。
切替えバルブ1が、切替えバルブ保持部17の中において、x軸の正の方向(図7において右方向)へスライドして、流路を切替える(図5のS4における回転が、スライド動作に置き換わったステップ)。
図7に示すように、切替えバルブ1がスライドし、切替えバルブ1の凹部14を介した、液体供給流路Aとプランジャ部10Pの液体計量流路Bとの連結が遮断される。一方、液体計量流路Bと液体排出流路Cとが、貫通孔15を介して連結する(図5のS4)。
プランジャロッドの進行動作(図7においてz軸の負方向への動作)によって、所定量の樹脂が、液体計量流路Bから貫通孔15に向かって押し出される。貫通孔15と液体排出流路Cとは樹脂が満たされた状態で連結(連通)しているため、液体計量流路Bから貫通孔15に押し出される所定量の樹脂によって、液体排出流路Cに存在する樹脂が押され、結果、排出部50から所定量の樹脂が排出される(図5のS5)。
その後に、継続して樹脂の吐出を行う場合には(図5のS6においてNO)、切替えバルブ1がスライドして、凹部14を介して液体供給流路A、および液体計量流路Bが連結した状態に戻り(図5のS1における回転が、スライド動作に置き換わったステップ)、次の吐出サイクル(樹脂の計量と排出)が開始可能となる。
このように、固体粒子を含有する液体の流路を切替える切替えバルブ1の外表面には、長手方向(x軸方向)の周囲に、少なくとも2つの山部12を設けている。これにより、柱形状の切替えバルブ1の外表面と、切替えバルブ保持部17の内表面との間隔に蛍光体粒子が侵入した場合であっても、蛍光体粒子が山部12と切替えバルブ保持部17の内表面とのクリアランスに留まることはなく、その多くが間隔16(谷部13、山部12および切替えバルブ保持部17によって囲まれた空間)に溜まる。また、谷部13に残留する蛍光体粒子は、山部12と切替えバルブ保持部17の内表面とのクリアランスより小さい。それゆえ、蛍光体粒子が漏洩したとしても、切替えバルブ1の山部12および谷部13、並びに、切替えバルブ保持部17の磨耗を抑制することができる。さらに、切替えバルブ保持部17と近接する山部12があるため、蛍光体粒子が漏洩することを抑制することもできる。よって、バルブ部10における流体の漏洩を抑制して、所定量の液体を高精度で安定的に吐出することができる。
なお、山部12(および谷部13)は、切替えバルブ1の切替え動作の方向と略直交する方向に延伸するように(例えば、図7ではスライド方向と直交する円周方向に山部12を設けた場合の例を図示している)設けられることが好ましい。
〔流路切替部材の材料例〕
図8には、本発明の一態様に係るバルブ部10の材料として好適なセラミックス材料の一種である、二酸化ジルコニウム(ジルコニア)(ZrO)、および窒化ケイ素(Si)の主要物性を示す。
ジルコニア、および窒化ケイ素は、高靱性、高強度、耐摩耗性を有し、機械的強度も高い。そのため、両者とも機械部品などに利用されている。
ビッカース硬度(Vickers hardness)とは、試験片(ジルコニア、および窒化ケイ素)にダイヤモンド製の圧子を押込んだときの加重と、その時にできる試験片上の窪みの表面積の比率から定義される硬さのことである。ジルコニアは13(GPa)、一方、窒化ケイ素は16(GPa)であり、窒化ケイ素の方がジルコニアよりも押込み硬さが高いことを示している。
ブラスト摩耗量とは、図8に示した条件、すなわち、試験片に対して金属粒を、30℃で、5.5kg/cmの圧力を加えながら、2分間噴射することにより、強制的に試験片を摩耗させたときに、生じる摩耗量である。ジルコニアは0.5(μm)、一方、窒化ケイ素は0.6(μm)であり、わずかにジルコニアの方が窒化ケイ素よりも耐摩耗性が高いことを示している。
弾性率(ヤング率とも呼ばれる)とは、一般に、たわみやすさの評価および剛性の比較に用いられる、単位ひずみ当たりの応力を決める定数である。ジルコニアは200(GPa)、一方、窒化ケイ素は300(GPa)であり、窒化ケイ素の方がジルコニアよりも剛性が高いことを示している。
曲げ強度とは、両端が支えられている状態の試験片の中央部に荷重を加えていったときに、試験片が破断する最大応力である。20℃で試験したとき、ジルコニアは1000(MPa)、一方、窒化ケイ素は750(MPa)であり、ジルコニアの方が窒化ケイ素よりも曲げ強度が高いことを示している。
ポアソン比とは、試験片の両端に力を加えた(引き延ばした、あるいは、押し縮めた)ときに、力に垂直な方向のひずみ(横ひずみ)の大きさを、力の方向のひずみ(縦ひずみ)の大きさで除した値であり、0〜0.5の間の値となる。力を加える前後で、試験片の体積が変化しない場合には、ポアソン比は0.5となる。ジルコニアは0.32、一方、窒化ケイ素は0.28であり、ジルコニアの方が窒化ケイ素よりも体積変化が少ないことを示している。
ここで、本発明の一態様に係る流路切替部材によりその流路が切り替わる樹脂が含有する蛍光体粒子の多くは、ジルコニア、および窒化ケイ素と略同等、あるいはわずかに高い硬度と耐摩耗性を有している(図示せず)。
従って、ジルコニア、および窒化ケイ素を用いて形成された流路切替部材であっても、軸部材の外周面と管状部の内周面とのクリアランスに蛍光体粒子が侵入して擦れ合いが生じたときには、軸部材の外周面あるいは環状部の内周面の摩耗を避けることはできない。この流路切替部材の摩耗は、望ましくない樹脂の漏洩の原因となる。
そのため、前記の実施例に記載のように、まず軸部材の外周面と管状部の内周面とのクリアランスに蛍光体粒子が侵入することを抑制することが重要である。
しかし、すべての蛍光体粒子の侵入を阻止することはできず、その結果、流路切替部材を使用している間に、徐々に摩耗が進行してしまう。
そこで、本発明では、軸部材、または環状部のいずれか一方をジルコニアで形成し、他方は窒化ケイ素で形成することが望ましい。この構成によれば、軸部材の外周面と管状部の内周面とのクリアランスに蛍光体粒子が侵入して擦れ合いが生じたときに、硬度・耐摩耗性の低い軸部材の外周面あるいは環状部の内周面のいずれか一方の摩耗が進行する。これにより、定期的に硬度・耐摩耗性の低い方の部材のみを交換することによって、流路切替部材からの望ましくない樹脂の漏洩を抑制することができる。よって、定期的に流路切替部材全体ではなく、あえて摩耗しやすい材質で形成された部材のみを交換すればよくなり、流路切替部材の交換に要するコストの上昇を抑えることができる。
(蛍光体粒子)
LEDパッケージの発光特性(発する光の色度)を調節するために、蛍光体粒子(固体粒子)が樹脂に分散されている。
図10は、緑色蛍光体粒子と赤色蛍光体粒子との配分比率、および樹脂に混合する蛍光体粒子の量が、LEDパッケージが発する光の色度に与える影響を例示して説明するCIE色度図である。
図10に示すように、LEDパッケージの製造において、樹脂に拡散させる蛍光体粒子の量、および混合比によって、LEDパッケージの発する光の色度を調節することができる。
そのため、さまざまな量の蛍光体粒子を分散させた樹脂が利用されている。
なお、本発明はこの例に限定されることはなく、任意の固体粒子を含む任意の流体の流路を切替える機能を備える装置に好適に適用することができる。
(吐出方式)
なお、吐出装置100がピストンポンプ(プランジャ)方式のポンプである場合を例に挙げて説明したが、このことに限定されない。
図11に示すように、各用途に応じて(1)インクジェット方式、(2)エアパルス方式、(3)ピストンポンプ方式、(4)オーガポンプ方式、および(5)ジェット方式、などのさまざまな液体吐出方式がある。これらは、図9に示すように、吐出される液体の粘性、および液体が塗布される領域(加工対象)のサイズなどに応じて使い分けられている。
そして本発明の流路切替部材は、上記の如何なる方式の吐出装置においても好適に適用可能である。
〔まとめ〕
本発明の一態様に係る流路切替部材(切替えバルブ1、切替えバルブ部10V)は、固体粒子(蛍光体粒子)を含有する流体(樹脂)を供給する流体供給部(液体供給部20、液体供給流路A)および流体計量部(プランジャ部10P、液体計量流路B)が連通する吸引状態と、上記流体計量部および流体排出部(排出部50、液体排出流路C)が連通する排出状態とを切替える流路切替部材であって、外表面に形成された凹部(凹部14)であって、上記流体供給部および上記流体計量部を連通させ、上記流体を貯留する凹部(凹部14)と、上記流体計量部および上記流体排出部を連通させる、放射方向に貫通する貫通孔(貫通孔15)と、を備える円柱形状の軸部材(切替えバルブ1)であって、管状の軸部材保持部(切替えバルブ保持部17)に挿入された軸部材を備え、上記軸部材は、外表面に、軸方向に連続して延伸する山部(山部12・12a・12b)を少なくとも2つ有することを特徴とする。
上記の構成によれば、上記軸部材の外表面に設けられた少なくとも2つの山部は、軸部材保持部の内表面と近接するが、山部以外の部分(以下谷部と称する)は軸部材保持部の内表面と近接していない。このため、円柱形状の軸部材の外表面と、管状の軸部材保持部の内表面との間隔に固体粒子が侵入した場合であっても、固体粒子が山部と軸部材保持部の内表面との間隔に留まることはなく、その多くが谷部に溜まる。それゆえ、固体粒子が漏洩したとしても、軸部材の山部および谷部、並びに、軸部材保持部の磨耗を抑制することができる。さらに、軸部材保持部と近接する山部があるため、固体粒子が漏洩することを抑制することもできる。よって、流路切替部材における流体の漏洩を抑制して、所定量の液体を高精度で安定的に吐出することができるという効果を奏する。
さらに、本発明の一態様に係る流路切替部材は、上記山部と上記軸部材保持部の内表面との間隔の最小値が、上記固体粒子の粒径より小さいことが好ましく、特に、上記間隔の最小値が、10μm以下であることがより好ましい。
上記の構成によれば、本発明の流路切替部材は、10μmより大きい粒子が、軸部材の外表面と、軸部材保持部の内表面との間隔に侵入することを抑制することができる。これにより、多くの電子材料に用いられている蛍光体粒子を含有する液体の場合、およそ85%の蛍光体粒子の侵入が制限される。その結果、軸部材、Fおよび軸部材挿入部の摩耗と、この摩耗による樹脂の漏洩とを抑制できるため、吐出装置に好適に適用することができる。
さらに、本発明の一態様に係る流路切替部材は、上記軸部材、または上記軸部材挿入部のいずれか一方は、上記固体粒子によって磨耗する材質で形成されており、他方は、上記固体粒子によって磨耗しにくい材質で形成されていることが好ましい。
上記の構成によれば、流路切替部材が流体に含まれている固体粒子との擦れ合いによって摩耗する場合に、上記軸部材、または上記軸部材挿入部のいずれか一方が、より多く摩耗する。これにより、定期的に部材の交換を行うときに、摩耗の進行度合いが高い上記軸部材、または上記軸部材挿入部のいずれか一方のみを交換すればよい。よって、製造コストの増大を抑制することができる。
さらに、本発明の一態様に係る流路切替部材は、上記軸部材、および上記軸部材挿入部は、上記固体粒子によって磨耗しにくい材質で形成されていることが好ましい。
上記の構成によれば、硬度、耐摩耗性に優れたセラミックなどを主成分とすることにより、流体に含まれている固体粒子との擦れ合いによる摩耗に起因する流体の漏洩を抑制することができる。
さらに、上記軸部材、または上記軸部材挿入部の少なくともいずれか一方は、ジルコニアを主成分とすることが好ましい。さらにまた、上記軸部材、または上記軸部材挿入部の少なくともいずれか一方は、窒化ケイ素を主成分とすることが好ましい。
上記の構成によれば、硬度、耐摩耗性が異なるセラミックなどを主成分とすることにより、流体に含まれている固体粒子との擦れ合いによる摩耗が、上記軸部材、または上記軸部材挿入部の少なくともいずれか一方において発生する。これにより、流体の漏洩が発生したときに交換するべき部材をして、製造コストの増大を防ぐことができる。
本発明の一態様に係る流路切替部材は、固体粒子を含有する流体を供給する流体供給部および流体計量部が連通する吸引状態と、上記流体計量部および流体排出部が連通する排出状態とを切替える流路切替部材であって、外表面に形成された凹部であって、上記流体供給部および上記流体計量部を連通させ、上記流体を貯留する凹部と、上記流体計量部および上記流体排出部を連通させる、長手方向に略直交して貫通する貫通孔と、を備える柱形状の軸部材であって、管状の軸部材保持部に挿入された軸部材を備え、上記軸部材は、外表面に、長手方向の周囲に山部を少なくとも2つ有することを特徴とする。
上記の構成によれば、上記軸部材の外表面に設けられた少なくとも2つの山部は、軸部材保持部の内表面と近接するが、谷部は軸部材保持部の内表面と近接していない。このため、柱形状の軸部材の外表面と、管状の軸部材保持部の内表面との間隔に固体粒子が侵入した場合であっても、固体粒子が山部と軸部材保持部の内表面との間隔に留まることはなく、その多くが谷部に溜まる。それゆえ、固体粒子が漏洩したとしても、軸部材の山部および谷部、並びに、軸部材保持部の磨耗を抑制することができる。さらに、軸部材保持部と近接する山部があるため、固体粒子が漏洩することを抑制することもできる。よって、流路切替部材における流体の漏洩を抑制して、所定量の液体を高精度で安定的に吐出することができるという効果を奏する。
本発明は、また、流路切替部材と、上記流体を供給する流体供給部と、上記流路切替部材が吸引状態であるときに、上記流体供給部から上記流体を吸引して上記流体を所定量計量する流体計量部と、上記流路切替部材が排出状態であるときに、上記流体計量部が計量した流体を排出する流体排出部と、を備えたことを特徴とする吐出装置を、併せて提供する。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
本発明は、電子材料に用いられる粒子を含有した液体を高精度に吐出する方法および装置に利用することができる。
1 切替えバルブ(流路切替部材、軸部材)
A 液体供給流路(流体供給部)
B 液体計量流路(流体計量部)
C 液体排出流路(流体排出部)
10 バルブ部(流路切替部材、流体計量部)
11 回転軸
11a 回転中心
11b 回転中心
11c スライド軸
12 山部
13 谷部
14 凹部(貯留部)
15 貫通孔
16 間隔(クリアランス)
17 切替えバルブ保持部(軸部材保持部)
18 プランジャロッド
20 液体供給部(流体供給部)
21 液体供給口
30 ポンプ部
40 バルブ駆動部
50 排出部(流体排出部)
10P プランジャ部(流体計量部)
10V 切替えバルブ部(流路切替部材)
100 吐出装置(装置)

Claims (9)

  1. 固体粒子を含有する流体を供給する流体供給部および流体計量部が連通する吸引状態と、上記流体計量部および流体排出部が連通する排出状態とを切替える流路切替部材であって、
    外表面に形成された凹部であって、上記流体供給部および上記流体計量部を連通させ、上記流体を貯留する凹部と、上記流体計量部および上記流体排出部を連通させる、放射方向に貫通する貫通孔と、を備える円柱形状の軸部材であって、管状の軸部材保持部に挿入された軸部材を備え、
    上記軸部材は、外表面に、軸方向に連続して延伸する山部を少なくとも2つ有することを特徴とする流路切替部材。
  2. 上記山部と上記軸部材保持部の内表面との間隔の最小値が、上記固体粒子の粒径より小さいことを特徴とする、請求項1に記載の流路切替部材。
  3. 上記間隔の最小値が、10μm以下であることを特徴とする、請求項2に記載の流路切替部材。
  4. 上記軸部材、または上記軸部材保持部のいずれか一方は、上記固体粒子によって磨耗する材質で形成されており、他方は、上記固体粒子によって磨耗しにくい材質で形成されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の流路切替部材。
  5. 上記軸部材、および上記軸部材保持部は、上記固体粒子によって磨耗しにくい材質で形成されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の流路切替部材。
  6. 上記軸部材、または上記軸部材保持部の少なくともいずれか一方は、ジルコニアを主成分とすることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の流路切替部材。
  7. 上記軸部材、または上記軸部材保持部の少なくともいずれか一方は、窒化ケイ素を主成分とすることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の流路切替部材。
  8. 固体粒子を含有する流体を供給する流体供給部および流体計量部が連通する吸引状態と、上記流体計量部および流体排出部が連通する排出状態とを切替える流路切替部材であって、
    外表面に形成された凹部であって、上記流体供給部および上記流体計量部を連通させ、上記流体を貯留する凹部と、上記流体計量部および上記流体排出部を連通させる、長手方向に略直交して貫通する貫通孔と、を備える柱形状の軸部材であって、管状の軸部材保持部に挿入された軸部材を備え、
    上記軸部材は、外表面に、長手方向の周囲に山部を少なくとも2つ有することを特徴とする流路切替部材。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の流路切替部材と、
    上記流体を供給する流体供給部と、
    上記流路切替部材が吸引状態であるときに、上記流体供給部から上記流体を吸引して上記流体を所定量計量する流体計量部と、
    上記流路切替部材が排出状態であるときに、上記流体計量部が計量した流体を排出する流体排出部と、を備えたことを特徴とする装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018051436A (ja) * 2016-09-26 2018-04-05 セイコーエプソン株式会社 流動性材料吐出装置

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