JP2014074444A - 緩衝装置 - Google Patents

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隆文 大竹
Takashi Teraoka
崇志 寺岡
Kazutaka Inemitsu
和隆 稲満
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Abstract

【課題】高周波振動が継続的に入力されても減衰力低減効果を失うことがない緩衝装置を提供することである。
【解決手段】本発明における課題解決手段は、シリンダ1と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されシリンダ1内を伸側室R1と圧側室R2に区画するピストン2と、伸側室R1と圧側室R2とを連通する減衰通路3a,3bと、圧力室R3と、
圧力室R3内に移動自在に挿入されて圧力室R3内を伸側圧力室7と圧側圧力室8とに区画するフリーピストン9と、フリーピストン9の圧力室R3に対する変位を抑制する附勢力を発生するばね要素10と、伸側室R1と伸側圧力室7とを連通する伸側流路5と、圧側室R2と圧側圧力室8とを連通する圧側流路6とを備えた緩衝装置Dにおいて、伸側圧力室7と圧側圧力室8とを連通するとともに通過する流れに抵抗を与えるバイパス流路11を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、緩衝装置の改良に関する。
従来、この種の緩衝装置にあっては、車両の車体と車軸との間に介装されて車体振動を抑制する目的で使用され、たとえば、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されシリンダ内をピストンロッド側の伸側室とピストン側の圧側室に区画するピストンと、ピストンに設けられた伸側室と圧側室を連通する第一流路と、ピストンロッドの先端から側部に開通して伸側室と圧側室を連通する第二流路と、第二流路の途中に接続される圧力室を備えてピストンロッドの先端に取付けられたハウジングと、圧力室内に摺動自在に挿入され圧力室を伸側圧力室と圧側圧力室とに区画するフリーピストンと、フリーピストンを附勢するコイルばねとを備えて構成されている。すなわち、伸側圧力室は同じく第二流路を介して伸側室に連通されるとともに、圧側圧力室は第二流路を介して圧側室に連通されるようになっている。
このように構成された緩衝装置は、圧力室がフリーピストンによって伸側圧力室と圧側圧力室とに区画されており、第二流路を介しては伸側室と圧側室とが直接的に連通されてはいないが、フリーピストンが移動すると伸側圧力室と圧側圧力室の容積比が変化し、フリーピストンの移動量に応じて圧力室内の液体が伸側室と圧側室へ出入りするため、見掛け上、伸側室と圧側室とが第二流路を介して連通されているが如くに振舞う。
そのため、この緩衝装置では、低周波数の振動の入力に対しては高い減衰力を発生し、他方、高周波数の振動の入力に対しては低い減衰力を発生することができ、車両が旋回中等の入力振動周波数が低い場面においては高い減衰力を発生可能であるとともに、車両が路面の凹凸を通過するような入力振動周波数が高い場面においては低い減衰力を確実に発生させて、車両における乗り心地を向上させることができる(たとえば、特許文献1参照)。
特開2008−215459号公報
ところで、車両の車体と車軸との間に介装される緩衝装置では、車両における乗り心地を向上させる都合上、収縮作動時に発生する減衰力よりも伸長作動時に発生する減衰力を高くしている。
したがって、このような緩衝装置にあっては、伸長作動時に圧縮される伸側室の圧力は、収縮作動時に圧縮される圧側室の圧力よりも高くなる傾向にある。そして、伸側圧力室には伸側室の圧力が伝搬し、圧側圧力室には圧側室の圧力が伝搬するようになっていることから、高周波で伸縮を繰り返すと、伸側圧力室の圧力の方が圧側圧力室の圧力よりも高くなって、フリーピストンが圧側圧力室側へ偏って変位した状態となる。
このようにフリーピストンの変位に偏りが生じると、フリーピストンの圧側圧力室側へのストローク余裕が小さくなり、フリーピストンがハウジングに当接して圧側圧力室への変位ができなくなる場合がある。また、特に、特開2008−215459号公報に開示された緩衝装置では、フリーピストンがストロークエンドまで達した際に急に変位が妨げられると減衰特性が急変するので、これを回避するために、フリーピストンの中立位置からのストローク量が大きくなると徐々に圧側室と圧側圧力室とを連通している流路の面積を減少させるようにして、フリーピストンを変位させづらくさせる配慮をしている。そのため、この緩衝装置において、フリーピストンの変位に偏りが生じると、常に上記流路の面積が減少した状態に置かれるので、フリーピストンは、動きづらい状況下で変位をしなくてはならない。
すなわち、従来の緩衝装置では、高周波振動が継続して入力される状況下では、フリーピストンの変位に偏りが生じて、フリーピストンが変位しづらくなるかストロークエンドにまで達してしまう場合があり、減衰力低減効果を充分に発揮することができなくなる可能性がある。
そこで、本発明は上記した不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、高周波振動が継続的に入力されても減衰力低減効果を失うことがない緩衝装置を提供することである。
上記した目的を解決するために、本発明における課題解決手段は、シリンダと、当該シリンダ内に摺動自在に挿入され当該シリンダ内を伸側室と圧側室に区画するピストンと、上記伸側室と圧側室とを連通する減衰通路と、圧力室と、当該圧力室内に移動自在に挿入されて当該圧力室内を伸側圧力室と圧側圧力室とに区画するフリーピストンと、当該フリーピストンの上記圧力室に対する変位を抑制する附勢力を発生するばね要素と、上記伸側室と上記伸側圧力室とを連通する伸側流路と、上記圧側室と上記圧側圧力室とを連通する圧側流路とを備えた緩衝装置において、上記伸側圧力室と上記圧側圧力室とを連通するとともに通過する流れに抵抗を与えるバイパス流路を設けたことを特徴とする。
本発明の緩衝装置によれば、バイパス流路を設けたので伸側圧力室の圧力と圧側圧力室の圧力の差が大きくなることを抑制することができ、フリーピストンの変位に偏りを抑制することができる。
この結果、本発明の緩衝装置によれば、高周波振動が継続的に入力されても、フリーピストンのストローク余裕が確保されるので、減衰力低減効果を失うことがない。
本発明の緩衝装置の一例を概念的に示した縦断面図である。 流量に対する圧力の周波数伝達関数のゲイン特性を示したボード線図である。 緩衝装置の振動周波数に対する減衰特性を示した図である。 本発明の緩衝装置の具体例の縦断面図である。 本発明の緩衝装置の他の具体例の縦断面図である。
以下、図に基づいて本発明を説明する。本発明の緩衝装置Dは、図1に示すように、シリンダ1と、当該シリンダ1内に摺動自在に挿入されシリンダ1内を伸側室R1と圧側室R2に区画するピストン2と、伸側室R1と圧側室R2とを連通する減衰通路としての伸側減衰通路3aおよび圧側減衰通路3bと、圧力室R3と、圧力室R3内に移動自在に挿入されて圧力室R3を伸側圧力室7と圧側圧力室8とに区画するフリーピストン9と、当該フリーピストン9の圧力室R3に対する変位を抑制する附勢力を発生するばね要素10と、伸側室R1と伸側圧力室7とを連通する伸側流路5と、圧側室R2と圧側圧力室8とを連通する圧側流路6と、伸側圧力室7と圧側圧力室8とを連通するとともに通過する液体の流れに抵抗を与えるバイパス流路11とを備えて構成され、車両における車体と車軸との間に介装されて減衰力を発生し車体の振動を抑制するものである。なお、伸側室R1とは、車体と車軸が離間して緩衝装置Dが伸長作動する際に圧縮される室のことであり、圧側室R2とは、車体と車軸が接近して緩衝装置Dが収縮作動する際に圧縮される室のことである。
そして、伸側室R1および圧側室R2さらには圧力室R3内には作動油等の液体が充満され、また、シリンダ1内の図中下方には、シリンダ1の内周に摺接して圧側室R2と気体室Gとを区画する摺動隔壁12が設けられている。
なお、上記した伸側室R1、圧側室R2および圧力室R3内に充填される液体は、作動油以外にも、たとえば、水、水溶液といった液体を使用することもできる。
また、ピストン2は、シリンダ1内に移動自在に挿通されたピストンロッド4の一端に連結され、ピストンロッド4は、シリンダ1の図中上端部から外方へ突出されている。ピストンロッド4とシリンダ1との間は図示しないシールでシールされ、シリンダ1内が液密状態とされている。図示したところでは、緩衝装置Dがいわゆる片ロッド型に設定されているため、緩衝装置Dの伸縮に伴ってシリンダ1内に出入りするピストンロッド4の体積は、気体室G内の気体の体積が膨張あるいは収縮し摺動隔壁12が図1中上下方向に移動することによって補償されるようになっている。
なお、ピストンロッド4がシリンダ1に進退する体積の補償については、シリンダ1内に気体室Gを設けるほか、シリンダ1内或いはシリンダ1外にリザーバを設けるようにしてもよく、リザーバをシリンダ1外に設ける場合、シリンダ1の外周を覆う外筒を設けてシリンダ1と外筒との間にリザーバを形成する複筒型緩衝器とするほか、シリンダ1とは別個にタンクを設けて当該タンクでリザーバを形成するようにしてもよい。なお、緩衝装置Dの収縮作動時に圧側室R2の圧力を高めるために圧側室R2とリザーバとの間を仕切る仕切部材と、仕切部材に設けられて圧側室R2からリザーバへ向かう液体の流れに抵抗を与えるベースバルブとを設けるようにしてもよい。また、緩衝装置Dが片ロッド型ではなく、両ロッド型に設定されてもよい。
さらに、伸側減衰通路3aおよび圧側減衰通路3bの途中には、オリフィスやリーフバルブ等の減衰力発生要素13a,13bが設けられており、伸側減衰通路3aおよび圧側減衰通路3bを通過する液体の流れに減衰力発生要素13a,13bによって抵抗を与えることができるようになっている。この減衰力発生要素13aは、詳しくは、図示はしないが、伸側減衰通路3aを伸側室R1から圧側室R2へ向かう液体の流れのみを許容する一方通行の通路に設定し、減衰力発生要素13bも、また、圧側減衰通路3bを圧側室R2から伸側室R1へ向かう液体の流れのみを許容する一方通行の通路に設定しており、減衰力発生要素13aが伸側減衰通路3aを通過する液体の流れに与える抵抗を減衰力発生要素13bが圧側減衰通路3bを通過する液体の流れに与える抵抗よりも大きくしている。つまり、緩衝装置Dが伸縮する際に、伸側減衰通路3aおよび圧側減衰通路3bのみを介して減衰力を発生する場合を考えると、伸長作動時には伸側減衰通路3aのみを液体が通過し、収縮作動時には圧側減衰通路3bのみを液体が通過するようになっており、ピストン速度が同じである場合、伸長作動時の減衰力の方が収縮作動時の減衰力よりも高い。なお、減衰力発生要素13a,13bは、たとえば、周知のオリフィスとリーフバルブとを並列した構成とすればよく、この構成以外にも、たとえば、チョークとリーフバルブを並列させる構成やその他の構成を採用することもできるのは当然である。また、減衰通路は、伸側室R1と圧側室R2とを連通していればよいので、伸側減衰通路3aおよび圧側減衰通路3bをピストン2以外に設けることも可能であり、たとえば、ピストンロッド4に設けたり、シリンダ1外に設けたりすることもできる。
そして、圧力室R3は、この実施の形態の場合、ピストン2の下方に連結されて圧側室R2へ臨むハウジング14内に設けた中空部14aによって形成されており、当該中空部14aの側壁に摺接して中空部14a内を図1中上下方向に移動可能とされるフリーピストン9で中空部14aを図1中上方の伸側圧力室7と図1中下方の圧側圧力室8とに仕切っている。すなわち、フリーピストン9は、ハウジング14内に摺動自在に挿入されており、ハウジング14に対して図1中では上下方向に変位することができるようになっている。
また、フリーピストン9は、圧力室R3を形成する中空部14aの下端部に一端が連結されて圧側圧力室8内に収容されるばね要素10における他端に連結され、このばね要素10によってフリーピストン9はハウジング14内の所定の中立位置に位置決めされている。そして、フリーピストン9がこの中立位置から変位すると、ばね要素10は、その変位量に応じてフリーピストン9を中立位置へ戻す方向の附勢力を発生する。上記した中立位置は、フリーピストン9が圧力室R3に対してばね要素10によって位置決められる位置であって、必ずしも中空部14aの上下方向における中間点に設定されなくともよい。ばね要素10は、伸側圧力室7に収容されてもよく、ばね要素10を伸側圧力室7と圧側圧力室8のそれぞれに収容される二つのばねで構成して、これらばねでフリーピストン9を挟持して中立位置へ位置決めしてもよい。
なお、ハウジング14内は、図示したところでは、フリーピストン9によって上下に伸側圧力室7と圧側圧力室8に区画され、緩衝装置Dが伸縮する振動方向とフリーピストン9の移動方向が一致しており、緩衝装置D全体が図1中上下方向に振動することによって、フリーピストン9のハウジング14に対する上下方向の振動が励起されることを避けたい場合には、フリーピストン9の移動方向を緩衝装置Dの伸縮方向と直交する方向、すなわち、図1中左右方向に設定し、伸側圧力室7と圧側圧力室8を図1中横方向に配置するようにすることもできる。
また、当該ハウジング14には、圧側室R2と圧側圧力室8とを連通する圧側流路6が設けられており、当該圧側流路6には絞り6aが設けられ、これを通過する液体の流れに抵抗を与えることができるようになっている。当該絞り6aは、フリーピストン9が中立位置から変位すればするほど開口面積を小さくする可変絞りとされており、フリーピストン9がハウジング14の上端に当接するか、ばね要素10が最圧縮状態となるストロークエンドへ近づくにつれてフリーピストン9の変位速度を減ずることができるようになっている。なお、絞り6aは、可変絞り以外にも、固定オリフィスやチョーク等といった絞りとされてもよい。
さらに、伸側室R1と伸側圧力室7は、ピストンロッド4の伸側室R1に臨む側部から開口してピストン2およびハウジング14を通じる伸側流路5を介して連通されている。このように、伸側室R1と伸側圧力室7とが伸側流路5によって連通され、圧側室R2と圧側圧力室8と圧側流路6によって連通され、伸側圧力室7と圧側圧力室8の容積はフリーピストン9がハウジング14内で変位することによって変化するので、この緩衝装置Dにあっては、上記した伸側流路5、伸側圧力室7、圧側圧力室8および圧側流路6からなる流路が、見掛け上、伸側室R1と圧側室R2を連通しており、伸側室R1と圧側室R2は、伸側減衰通路3aおよび圧側減衰通路3bの他にも上記した見掛け上の流路によっても連通されることになる。
また、ハウジング14には、伸側圧力室7と圧側圧力室8とを連通するバイパス流路11が設けられている。このバイパス流路11は、途中に、可変絞り11aを備えていて、バイパス流路11を流れる液体の流れに抵抗を与えるようになっている。この可変絞り11aは、フリーピストン9が中立位置から変位すればするほど流路面積を小さくするようになっており、フリーピストン9がハウジング14内で移動限界であるストロークエンドに達した状態では、遮断状態となるようになっている。このバイパス流路11は、伸側圧力室7と圧側圧力室8とを連通していてフリーピストン9に並列されるため、バイパス流路11が開放された状態では、上記した見掛け上の流路を流れる流量の全てがフリーピストン9の変位に寄与せず、従来の緩衝装置に比較して、フリーピストン9の変位量が抑制される。なお、この実施の形態の場合、可変絞り11aを用いて液体の流れに抵抗を与えるようになっているが、流路面積が一定であるオリフィスやチョーク等といった絞りを用いることも可能である。また、バイパス流路11は、この場合、ハウジング14に設けられているが、フリーピストン9に設けることも可能である。
つづいて、緩衝装置Dの基本的な作動について説明する。緩衝装置Dがシリンダ1に対してピストン2が図1中上下動する伸縮作動を呈すると、ピストン2によって伸側室R1と圧側室R2の一方が圧縮され、伸側室R1と圧側室R2の他方が膨張されるので、伸側室R1と圧側室R2のうち圧縮される方の圧力が高まると同時に、伸側室R1と圧側室R2のうち容積拡大される方の圧力が低下して両者に差圧が生じる。すると、伸側室R1と圧側室R2のうち圧縮側の液体は、伸側減衰通路3aと圧側減衰通路3bのうち一方と、これに加えて伸側流路5、伸側圧力室7、圧側圧力室8および圧側流路6からなる見掛け上の流路を介して伸側室R1と圧側室R2のうち拡大側に移動する。
ここで、緩衝装置Dに入力される振動の周波数、すなわち、緩衝装置Dの伸縮方向の振動の周波数が低周波であっても高周波であっても、緩衝装置Dの伸長行程におけるピストン速度が同じである場合、低周波振動入力時の緩衝装置Dの振幅は、高周波振動入力時の緩衝装置Dの振幅よりも大きくなる。このように緩衝装置Dに入力される振動の周波数が低い場合、振幅が大きいため、伸縮1周期で伸側室R1と圧側室R2を行き交う液体の流量は大きくなる。この流量に略比例して、フリーピストン9が動く変位も大きくなるが、フリーピストン9はばね要素10で附勢されているため、フリーピストン9の変位が大きくなると、フリーピストン9が受けるばね要素10からの附勢力も大きくなり、その分、伸側圧力室7の圧力と圧側圧力室8の圧力に差圧が生じて、伸側室R1と伸側圧力室7の差圧および圧側室R2と圧側圧力室8の差圧が小さくなり、上記の見掛け上の流路を通過する流量は小さくなる。この見掛け上の流路を通過する流量が小さい分、通路3aの流量は大きくなるので、緩衝装置Dが発生する減衰力が高いまま維持される。
逆に、緩衝装置Dに高周波振動が入力される場合、振幅が低周波振動入力時よりも小さいため、伸縮1周期で伸側室R1と圧側室R2を行き交う液体の流量は小さく、フリーピストン9の動く変位も小さくなる。すると、フリーピストン9が受けるばね要素10から附勢力も小さくなる。その分、伸側圧力室7の圧力と圧側圧力室8の圧力がほぼ同等圧となり、伸側室R1と伸側圧力室7の差圧および圧側室R2と圧側圧力室8の差圧は低周波振動入力時よりも大きくなって、上記の見掛け上の流路を通過する流量が低周波振動入力時よりも増大する。この見掛け上の流路を通過する流量が増大した分は、伸側減衰通路3aの流量が減少することになるので、緩衝装置Dが発生する減衰力は低周波振動入力時の減衰力よりも低くなる。
このように、ピストン速度が低い場合には、流量に対する差圧の周波数伝達関数の周波数に対するゲイン特性は、特開2008−215459号公報に開示された緩衝装置と同様に、図2に示すが如くの特性となる。また、振動周波数の入力に対する減衰力のゲインを示す緩衝装置Dにおける減衰力の特性は、図3に示すように、低周波数域の振動に対しては高い減衰力を発生し、高周波数域の振動に対しては減衰力を低くすることができ、緩衝装置Dの減衰力の変化を入力振動周波数に依存させることができる。なお、緩衝装置Dの収縮行程にあっても、上述の伸長行程と同様に、低周波数域の振動に対しては高い減衰力を発生し、高周波数域の振動に対しては減衰力を低くすることができ、緩衝装置Dの減衰力の変化を入力振動周波数に依存させることができる。そして、図3の減衰特性において折れ点周波数を調整することで、緩衝装置Dは、ばね上共振周波数の振動の入力に対しては高い減衰力を発生することができ、車両の姿勢を安定させて、車両旋回時に、搭乗者に不安を感じさせることを防止できるとともに、ばね下共振周波数の振動が入力されると低い減衰力となり、車軸側の振動の車体側への伝達を絶縁して、車両における乗り心地を良好なものとすることができる。なお、緩衝装置Dの減衰特性の設定は、特開2008−215459号公報に開示されているように、各部の設定で任意に設定することができる。
以上のように、緩衝装置Dは、基本的には、従来の緩衝装置と同様に、低周波数域の振動に対しては高い減衰力を発生し、高周波数域の振動に対しては減衰力を低くすることができ、緩衝装置Dの減衰力の変化を入力振動周波数に依存させることができるが、この緩衝装置Dでは、バイパス流路11を備えているので、上記見掛け上の流路を流れる液体の流量のうち、バイパス流路11を流れる液体の流量分がフリーピストン9の変位に寄与せず、伸側圧力室7と圧側圧力室8の圧力差の増大を抑制することから、従来の緩衝装置に比較して、フリーピストン9の変位量を抑制することができる。
このように、本発明の緩衝装置Dでは、フリーピストン9の中立位置からの変位を抑制することができるので、高周波振動が継続して入力されても、フリーピストン9が中立位置から圧側圧力室8側へ偏って変位しにくくなり、緩衝装置Dの基本作動である高周波振動時に減衰力を低減する作動を損なうことがない。
また、本発明の緩衝装置Dでは、高周波振動が継続して入力されてもフリーピストン9の変位に偏りが生じないため、フリーピストン9の圧側圧力室8側へのストローク余裕を確保することができ、フリーピストン9がハウジング14に当接して圧側圧力室8への変位ができなくなることを防止することができる。
この結果、本発明の緩衝装置Dによれば、高周波振動が継続的に入力されても、フリーピストン9のストローク余裕が確保されるので、減衰力低減効果を失うことがない。
また、この緩衝装置Dにあっては、高周波振動が継続的に入力されても、減衰力低減効果を発揮することができるので、悪路やでこぼこ道を車両が走行する場合にあっても、良好な乗心地を実現できる。
また、この実施の形態の場合、フリーピストン9が中立位置より所定量変位すると、バイパス流路11の流路面積が減少するようになっている。このようにすることで、フリーピストン9が中立位置近傍に位置する際には、フリーピストン9を動きづらくし、フリーピストン9が中立位置から所定量以上変位すると、バイパス流路11の流路面積が減少して、伸側圧力室7と圧側圧力室8の圧力に差が生じやすくなり、フリーピストン9の変位が促される。すると、大振幅入力時には、従来の緩衝装置と比較しても遜色のない減衰力低減効果を得ることができる。なお、バイパス流路11は、中立位置からの変位が所定量以上であってストロークエンドにまで到達する前に完全に遮断されるように設定されてもよく、上記変位が所定量以上となると徐々にバイパス流路11の流路面積が減少するように設定されれば、フリーピストン9の変位速度が急激に変化することがなく、減衰力の急変によって車体に振動を与えて異音が発生してしまうこともない。なお、バイパス流路11が流路面積を減少させるフリーピストン9の中立位置からの変位量である所定量は、任意に設定することができる。また、バイパス流路11の流路面積が減少するフリーピストン9の中立位置からの変位量は、フリーピストン9が中立位置から伸側圧力室7を圧縮する方向へ変位する場合と、フリーピストン9が中立位置から圧側圧力室8を圧縮する方向へ変位する場合とで異なっていてもよい、つまり、上記所定量は、フリーピストン9の変位方向によって異なっていてもよい。また、この実施の形態では、フリーピストン9が中立位置から所定量以上変位すると、バイパス流路11の流路面積が減少するようになっているが、バイパス流路11は通過する液体の流れに抵抗を与えて伸側圧力室7と圧側圧力室8に差が生じるようになっているので、バイパス流路11の流路面積をフリーピストン9の変位量によらずに一定とすることも可能である。
以上では、緩衝装置Dの構造を概念的に説明したが、以下、より構造を具体化した緩衝装置D1の一例について説明する。
具体的な緩衝装置D1は、基本的には、図4に示すように、シリンダ21と、シリンダ21内に摺動自在に挿入されシリンダ21内を2つの作動室である伸側室R4および圧側室R5に区画するピストン22と、一端がピストン22に連結されるピストンロッド23と、伸側室R4および圧側室R5を連通する減衰通路31と、ピストンロッド23の先端に固定されて内部に圧力室R6を形成するハウジング24と、ハウジング24内に移動自在に挿入されて圧力室R6を伸側圧力室27と圧側圧力室28とに区画するフリーピストン29と、フリーピストン29のハウジング24に対する変位を抑制する附勢力を発生するばね要素としてのコイルばね42,43と、伸側室R4と伸側圧力室27とを連通する伸側流路25と、圧側室R5と圧側圧力室28とを連通する圧側流路26と、伸側圧力室27と圧側圧力室28とを連通するバイパス流路30とを備えて構成されている。なお、図示はしないが、図1に示した緩衝装置Dと同様に、シリンダ21の下方には、摺動隔壁が設けられており気体室が設けられている。
以下、各部について詳細に説明する。まず、ピストンロッド23は、その図4中下端側に小径部23aが形成され、小径部23aの先端側には螺子部23bが形成されている。また、上記のようにピストンロッド23の下端を小径にしたことによって段部23cが設けられている。そして、ピストンロッド23には、小径部23aの先端から開口し当該小径部23aより上方側の側部に抜ける伸側流路25が形成されている。
ピストン22は、環状に形成されるとともに、その内周側にピストンロッド23の小径部23aが挿入されている。また、このピストン22には、伸側室R4と圧側室R5とを連通する伸側ポート31aと圧側ポート31cが設けられ、伸側ポート31aの図4中下端はピストン22の図4中下方に積層されるリーフバルブでなる伸側バルブ31bにて開閉され、他方の圧側ポート31cの図4中上端もピストン22の図4中上方に積層されるリーフバルブでなる圧側バルブ31dによって開閉される。
この伸側バルブ31bおよび圧側バルブ31dは、共に環状に形成され、内周側にはピストンロッド23の小径部23aが挿入され、内周側がピストンロッド23に固定されて外周側の撓みが許容されてピストン22に積層されている。なお、伸側バルブ31bおよび圧側バルブ31dを構成するリーフバルブの積層枚数や厚みは、望む減衰特性に応じて任意に変更することができる。また、伸側バルブ31bおよび圧側バルブ31dは、リーフバルブ以外のバルブとされてもよい。なお、リーフバルブは、薄い環状板でありピストンロッド23に組付けた際に軸方向の長さが短くて済むので、伸側バルブ31bおよび圧側バルブ31dをリーフバルブとすることで、緩衝装置D1のストローク長を確保しやすくなる。
そして、伸側バルブ31bは、緩衝装置D1の伸長作動時に伸側室R4と圧側室R5の差圧によって撓んで開弁し伸側ポート31aを開放して伸側室R4から圧側室R5へ移動する流体の流れに抵抗を与えるとともに、緩衝装置D1の収縮作動時には伸側ポート31aを閉塞するようになっていて伸側ポート31aを一方通行に設定している。他方の圧側バルブ31dは、伸側バルブ31bとは反対に緩衝装置D1の収縮作動時に圧側ポート31cを開放し、伸長作動時には圧側ポート31cを閉塞するようになっていて圧側ポート31cを一方通行に設定している。すなわち、伸側バルブ31bは、緩衝装置D1の伸長作動時における伸側減衰力を発生する減衰力発生要素であり、他方の圧側バルブ31dは、緩衝装置D1の収縮作動時における圧側減衰力を発生する減衰力発生要素である。よって、この実施の形態にあっては、減衰通路31は、伸側ポート31a、伸側バルブ31b、圧側ポート31cおよび圧側バルブ31dとで構成されている。また、伸側バルブ31bは、伸側ポート31aを閉じた状態にあっても、図示はしない周知のオリフィスによって伸側室R4と圧側室R5とが連通されるようになっており、オリフィスは、たとえば、伸側バルブ31bの外周に切欠を設けたり、ピストン22に設けられて伸側バルブ31bが着座する符示しない弁座に凹部を設けたりするなどして形成される。圧側バルブ31dも同様に切欠等によってオリフィスが形成される。なお、緩衝装置D1のピストン速度が同じ場合、圧側バルブ31dよりも伸側バルブ31bの方が液体の流れに与える抵抗を大きくしてある。減衰通路31は、伸側室R4と圧側室R5とを連通していればよいので、ピストン22以外に設けることも可能であり、たとえば、ピストンロッド23に設けたり、シリンダ21外に設けたりすることもできる。
つづいて、ピストン22の図4中上方であって、圧側バルブ31dの図4中上方となる伸側室側には、環状のバルブストッパ44が積層されて、ピストンロッド23の小径部23aの外周に装着されている。また、ピストン22の図4中下方には、伸側バルブ31bが積層され、伸側バルブ31bは、ピストン22とともにピストンロッド23の小径部23aの外周に装着される。そして、伸側バルブ31bの図4中下方から圧力室R6を形成するハウジング24がピストンロッド23の螺子部23bに螺着される。このハウジング24によって、図4中上から順にピストンロッド23の外周に装着されるバルブストッパ44、圧側バルブ31d、ピストン22および伸側バルブ31bは、ピストンロッド23の段部23cとハウジング24によって挟持されてピストンロッド23に固定される。このように、ハウジング24は、内部に圧力室R6を形成するだけでなく、ピストン22や上記したバルブ類をピストンロッド23に固定するピストンナットとしての役割を果たしている。
ハウジング24は、ピストンロッド23の螺子部23bに螺合される筒状の螺子筒36と、螺子筒36の外周に設けた鍔37とを備えたナット部35と、ナット部35における鍔37の外周に開口部が加締められて一体化される有底筒状の外筒38とを備えて構成されている。そして、ナット部35および外筒38で圧側室R5内に圧力室R6を画成している。なお、ナット部35と外筒38との一体化に際し、上記加締め加工以外にも溶接等の他の方法を採用することも可能であり、ナット部35と外筒38とを一部品で構成されてもよい。
そして、上記のように形成される圧力室R6内には、フリーピストン29が摺動自在に挿入されて、圧力室R6は、図4中上方側の伸側圧力室27と下方側の圧側圧力室28に区画されている。
ナット部35は、螺子筒36をピストンロッド23の螺子部23bに螺着することによって、ハウジング24をピストンロッド23の小径部23aに固定することが可能なようになっている。ゆえに、外筒38の少なくとも一部の外周の断面形状を真円以外の形状、たとえば、一部を切欠いた形状や、六角形等の形状としておくことで、この外周に係合する工具を用いてハウジング24をピストンロッド23に螺着する作業を容易とすることができる。
外筒38は、底部38aと、筒部38bとを備えて有底筒状とされている。筒部38bは、底部側に小内径を持つ小径部38cと、反底部側に大内径を持つ大径部38dと、底部38aを貫いて圧側室R5をハウジング24内へ連通する固定オリフィス38eと、大径部38dを貫いて圧側室R5をハウジング24内へ連通する可変オリフィス38fと、小径部38cと大径部38dとの境に形成される段部38gと、大径部38dの内周に周方向に沿って設けた環状溝38hとを備えている。
他方、フリーピストン29は、有底筒状とされており、フリーピストン底部29aを図4中下方へ向けてフリーピストン筒部29bの外周を外筒38の筒部38bにおける大径部38dの内周に摺接させてハウジング24内に挿入されている。フリーピストン29は、上記のようにハウジング24内に摺動自在に挿入されると圧力室R6内を伸側圧力室27と圧側圧力室28とに区画する。
なお、フリーピストン29のフリーピストン底部29aを図4中下方へ向けてハウジング24内に収容することで、フリーピストン29のナット部35における螺子筒36への干渉を避けることができる。さらに、フリーピストン29は、この実施の形態の場合、フリーピストン筒部29bの外周に設けた環状凹部29cと、フリーピストン底部29aから環状凹部29cへ通じる孔29dを備えている。また、フリーピストン29は、径方向に沿って設けられてフリーピストン29内から外周に通じるオリフィス通路29eと、フリーピストン筒部29bの下端外周に設けた切欠溝29fとを備えている。切欠溝29fは、図4に示すように、上方へ向かうほど先細る形状とされていて、図示するところでは、図4中上端となる反底部側端が円形状とされている。なお、切欠溝29fの形状は、これに限られるものではなく、楔形等とされてもよいし、反底部側端へ向かうほど溝深さが浅くなるように設定されてもよい。つまり、切欠溝29fの反底部側端の幅と深さの長さの一方または両方が短くなっていればよい。
また、このフリーピストン29に、フリーピストン29の圧力室R6に対する変位量に応じてその変位を抑制する附勢力を作用させるばね要素が設けられており、このばね要素は、フリーピストン底部29aとナット部35の鍔37との間に介装されるコイルばね42と、圧側圧力室28内であって外筒38における外筒底部38aとフリーピストン底部29aとの間に介装されるコイルばね43とで構成されている。よって、フリーピストン29は、コイルばね42,43に挟持されて圧力室R6内で中立位置に位置決められた上で弾性支持されている。
なお、ばね要素としては、フリーピストン29を弾性支持できればよいので、コイルばね42,43以外のものを採用してもよく、たとえば、皿ばね等の弾性体を用いてフリーピストン29を弾性支持するようにしてもよい。また、一端がフリーピストン29に連結される単一のばね要素を用いる場合には、ナット部35或いは外筒38に他端を固定するようにしてもよい。
そして、上記環状凹部29cは、フリーピストン29がばね要素としてのコイルばね42,43によって弾性支持されて中立位置にあるときには必ず上記可変オリフィス38fに対向して圧側圧力室28と圧側室R5を連通するとともに、フリーピストン29がストロークエンドまで変位する、すなわち、ナット部35の鍔37或いは外筒38の内周に設けた段部38gに当接するまで変位するとフリーピストン29の外周で完全にラップされて閉塞されるようになっている。
なお、固定オリフィス38eは、フリーピストン29によって区画された圧側圧力室28と圧側室R5とに開口しており、これらを連通している。また、可変オリフィス38fの一端は圧側室R5に臨んでおり、その他端は、フリーピストン29に設けた環状凹部29cおよび孔29dによって圧側圧力室28に連通される。すなわち、圧側流路26は、環状溝29c、孔29d、可変オリフィス38fおよび固定オリフィス38eで構成されている。なお、可変オリフィス38fの設置数は任意である。
つまり、この具体的な緩衝装置D1の場合、フリーピストン29の中立位置からの変位量が増加していくと、可変オリフィス38fの開口全てが環状凹部29cに対向する状況からフリーピストン29の外周に対向し始める状況に移行して徐々に可変オリフィス38fの流路面積が減少し始め、圧側流路26における流路抵抗が徐々に増加する。そして、この実施の形態では、フリーピストン29の変位量の増加に伴って徐々に可変オリフィス38fの流路面積が減少し、フリーピストン29がストロークエンドに達すると、可変オリフィス38fが完全にフリーピストン29の外周で閉塞されて、圧側流路26における流路抵抗が最大となるようになっている。
また、ハウジング24を構成する外筒38の内周に設けた環状溝38hは、フリーピストン29がばね要素としてのコイルばね42,43によって弾性支持されて中立位置にあるときには必ず上記オリフィス孔29eの開口端に対向するとともに、フリーピストン29の下端外周に形成の切欠溝29fに対向していて、オリフィス孔29eおよび環状溝38hを介して伸側圧力室27と圧側圧力室28とが連通状態におかれる。すなわち、この具体的な緩衝装置D1の場合、バイパス流路30は、オリフィス孔29e、環状溝38hによって形成されている。
そして、フリーピストン29が中立位置から伸側圧力室27を圧縮する方向である図4中上方へ変位して、オリフィス孔29eが環状溝38hの上端を超えて外筒38の大径部38dの内周で閉塞されると、バイパス流路30が遮断される。ここで、オリフィス孔29eが大径部38dの内周で閉塞され始めるところまでフリーピストン29が中立位置から上方に変位した後、さらに、フリーピストン29が図4中上方へ変位すると、徐々にオリフィス孔29eが遮断されてバイパス流路30の流路面積が徐々に減少するようになる。つまり、フリーピストン29が伸側圧力室27を圧縮する方向へ変位する場合に、バイパス流路30の流路面積が減少し始めるフリーピストン29の中立位置からの変位量である所定量は、オリフィス孔29eの開口位置と環状溝38hの上端位置で決定され、フリーピストン29の変位に対するバイパス流路30の流路面積の減少度合いは、オリフィス孔29eの開口形状によって設定することができる。
反対に、フリーピストン29が中立位置から圧側圧力室28を圧縮する方向である図4中下方へ変位して、フリーピストン29の下端外周の肩部29gが環状溝38hの下端を超えて、さらに、切欠溝29fの図4中上端が環状溝38hの下端よりも下方に超えると、オリフィス孔29eと切欠溝29fとの連通が外筒38によって断たれ、バイパス流路30が遮断される。ここで、肩部29gが環状溝38hの下端に対向するまでフリーピストン29が中立位置から下方に変位した後、さらに、フリーピストン29が図4中下方へ変位すると、切欠溝29fが先細りに設定されているため、切欠溝29fにおける流路面積が減少し、バイパス流路30の流路面積が徐々に減少するようになる。つまり、フリーピストン29が圧側圧力室28を圧縮する方向へ変位する場合に、バイパス流路30の流路面積が減少し始めるフリーピストン29の中立位置からの変位量である所定量は、フリーピストン29の肩部29gの位置と環状溝38hの下端位置で決定され、フリーピストン29の変位に対するバイパス流路30の流路面積の減少度合いは、切欠溝29fの形状によって設定することができる。
なお、フリーピストン29を天地逆向きにしてハウジング24内に収容することもでき、その場合、圧側圧力室28に連通されるオリフィス孔29eを環状溝38hで伸側圧力室27に連通するような構造を採用することも可能である。
さて、緩衝装置D1は、以上のように構成されるが、続いて緩衝装置D1の基本作動について説明する。まず、フリーピストン29における中立位置からの変位量が可変オリフィス38fを閉塞し始めない範囲内にある場合の緩衝装置D1における動作について説明する。
この場合、フリーピストン29は、圧側流路26の抵抗を変化させることなく変位することが可能である。そして、緩衝装置D1へ入力される振動周波数が低い場合と高い場合で、ピストン速度が同じであるという条件下で考えると、まず、入力周波数が低い場合、入力される振動の振幅が大きくなり、フリーピストン29の振幅も、可変オリフィス38fを閉塞し始めない範囲内で大きくなる。
フリーピストン29の振幅が上記の範囲で大きくなると、フリーピストン29がコイルばね42,43から受ける附勢力が大きくなり、緩衝装置D1が伸長する場合、圧側圧力室28内の圧力は、伸側圧力室27内の圧力よりも上記コイルばね42,43の附勢力分だけ小さくなり、逆に、緩衝装置D1が収縮する場合には、伸側圧力室28内の圧力は、圧側圧力室27内の圧力よりも上記コイルばね42,43の附勢力分だけ小さくなる。
このように、緩衝装置D1が低周波振動を呈すると伸側圧力室27と圧側圧力室28にコイルばね42,43の附勢力に見合った差圧が生じているので、伸側室R4と伸側圧力室27の差圧および圧側室R5と圧側圧力室28の差圧が小さくなり、伸側流路25、圧側流路26、伸側圧力室27および圧側圧力室28でなる見掛け上の流路を通過する流量は小さい。この見掛け上の流路を通過する流量が小さい分、伸側ポート31a或いは圧側ポート31cの流量は大きくなるので、緩衝装置D1が発生する減衰力が高いまま維持される。
逆に、緩衝装置D1への入力周波数が高い場合、入力される振動の振幅が小さくなり、フリーピストン29の振幅はより小さくなる。フリーピストン29の振幅が小さくなると、フリーピストン29がコイルばね42,43から受ける附勢力が小さくなり、緩衝装置D1が伸長行程にあっても収縮行程にあっても、伸側圧力室27内の圧力と圧側圧力室28内の圧力とが略等しくなる。すると、伸側室R4と伸側圧力室27の差圧および圧側室R5と圧側圧力室28の差圧は大きくなるので、伸側流路25および圧側流路26を通過する流量も多くなる。
緩衝装置D1へ入力される振動の周波数が低い場合には、見掛け上の流路を通過する流量は小さく、入力周波数が高い場合には、見掛け上の流路を通過する流量は大きくなり、入力速度が同じであれば、伸側室R4から圧側室R5或いは圧側室R5から伸側室R4へ流れる流量は、入力周波数によらず等しくならなければならないため、伸側ポート31a或いは圧側ポート31cを通過する流量は、入力周波数が低い場合には多くなって減衰力が高く、反対に、入力周波数が高い場合には少なくなって減衰力は低くなる。したがって、緩衝装置D1の減衰特性は、上記した緩衝装置Dと同様に図3に示すように、推移することになる。
この緩衝装置D1にあっても、緩衝装置Dと同様に、減衰力の変化を入力振動周波数に依存させることができ、ばね上共振周波数の振動の入力に対しては高い減衰力を発生することで車両の姿勢を安定させて、車両旋回時に搭乗者に不安を感じさせることを防止できるとともに、ばね下共振周波数の振動が入力されると必ず低い減衰力を発生させて車軸側の振動の車体側への伝達を絶縁して、車両における乗り心地を良好なものとすることができる。
次に、フリーピストン29の中立位置からの変位量が圧側流路26の流路抵抗を増加させる範囲内となる場合の緩衝装置D1における動作について説明する。
可変オリフィス38fは、緩衝装置D1が伸長しても収縮しても、フリーピストン29が中立位置から変位して、その変位量に応じて、徐々に流路面積を小さくし、フリーピストン29が上下のいずれかストロークエンドに到達すると完全に閉塞されて流路面積を固定オリフィス38eの流路面積と同じくして最小とする状況となる。
つまり、フリーピストン29が可変オリフィス38fを閉塞し始めた後は変位量に応じて圧側流路26の流路抵抗を徐々に大きくし、フリーピストン29がストロークエンドに到達すると流路抵抗が最大となる。
ここで、フリーピストン29がストロークエンドまで変位するのは、伸側圧力室27もしくは圧側圧力室28への液体の流出入量が多い場合であり、具体的には、緩衝装置D1の伸縮の振幅が大きい場合である。
緩衝装置D1に入力される振動周波数が比較的高い場合、緩衝装置D1は、フリーピストン29が可変オリフィス38fを閉塞し始める位置へ変位するまでは、比較的低い減衰力を発生しているが、フリーピストン29が可変オリフィス38fを閉塞し始める位置を越えて変位するようになると、徐々に圧側流路26の流路抵抗が徐々に大きくなっていくので、フリーピストン29のそれ以上のストロークエンド側への移動速度が減少されて、見掛け上の流路を介しての液体の移動量も減少し、その分、伸側ポート31a或いは圧側ポート31cを通過する液体量が増加することになり、緩衝装置D1の発生減衰力は徐々に高くなっていく。
そして、フリーピストン29がストロークエンドに達すると、それ以上、見掛け上の流路を介しての液体の移動はなくなり、緩衝装置D1の伸縮方向を転ずるまでは液体は伸側ポート31a或いは圧側ポート31cのみを通過することになり、緩衝装置D1は、最大の減衰係数で減衰力を発生することになる。
すなわち、フリーピストン29がストロークエンドまで変位してしまうような高周波数で大振幅の振動が緩衝装置D1に対し入力されても、フリーピストン29の中立位置からの変位量が任意の変位量を超えるとフリーピストン29がストロークエンドに達するまでに緩衝装置D1は徐々に発生減衰力を高くするので、低い減衰力から急激に高い減衰力に変化することが無くなる。つまり、フリーピストン29がストロークエンドに達して圧力室R6を介して伸側室R4と圧側室R5の液体の交流ができなくなるときに急激に減衰力が変化してしまうことがなくなり、低減衰力から高減衰力への減衰力変化がなだらかとなる。さらに、フリーピストン29が圧力室R6における両端側のストロークエンドまで到る際に、徐々に発生減衰力を高くするので、減衰力の急激な変化を抑制する機能は、緩衝装置D1の伸圧の両行程で発揮される。
したがって、この緩衝装置D1にあっては、高周波数で振幅が大きい振動が入力されても、発生減衰力がなだらかに変化することになって、搭乗者に減衰力の変化によるショックを知覚させずにすみ、車両における乗り心地を向上することができ、特に、急激な減衰力変化によって車体が振動しボンネットが共振して異音が発生してしまう事態も防止でき、この点でも車両における乗り心地を向上することができる。
さて、緩衝装置D1は、振動周波数に感応して減衰力を変化させる、つまり、入力振動周波数が高くなると減衰力を低減させる機能を上記の如く発揮するが、緩衝装置D1にあっても上述の緩衝装置Dと同様にバイパス路30が設けられている。よって、緩衝装置D1は、フリーピストン29が中立位置からの変位量が所定量未満である場合、このバイパス流路30の流路面積は変化しないため、伸側圧力室27の圧力と圧側圧力室28の圧力に差が生じにくく、上記の減衰力低減機能を発揮しつつもフリーピストン29の中立位置からの変位を抑制することができる。したがって、緩衝装置D1は、高周波振動が継続して入力されても、フリーピストン29が中立位置から偏って変位しにくくなり、緩衝装置D1の基本作動である高周波振動時に減衰力を低減する作動を損なうことがない。
また、本発明の緩衝装置D1では、高周波振動が継続して入力されてもフリーピストン29の変位に偏りが生じないため、フリーピストン29の圧側圧力室28側へのストローク余裕を確保することができ、フリーピストン29がハウジング24に当接して圧側圧力室28への変位ができなくなることを防止することができる。
この結果、本発明の緩衝装置D1によれば、高周波振動が継続的に入力されても、フリーピストン29のストローク余裕が確保されるので、減衰力低減効果を失うことがない。
また、この緩衝装置D1にあっては、高周波振動が継続的に入力されても、減衰力低減効果を発揮することができるので、悪路やでこぼこ道を車両が走行する場合にあっても、良好な乗心地を実現できる。
なお、フリーピストン29の中立位置からの変位量が圧側流路26の流路抵抗を増加させ始める変位量は、バイパス流路30の流路面積を減少させ始めるフリーピストン29の中立位置からの変位量である所定量とは、別個独立に設定することができる。
上記したところから、緩衝装置D1にあっても、緩衝装置Dと同様に、入力される振動の振幅が小さいときには、フリーピストン29の中立位置からの変位量も少なく、大振幅入力時には、高周波振動に対して従来の緩衝装置と比較しても遜色のない減衰力低減効果を得ることができる。
なお、バイパス流路30は、この場合、フリーピストン29の中立位置からの変位が所定量以上であってストロークエンドにまで到達する前に完全に遮断されるように設定されており、上記変位が所定量以上となると徐々にバイパス流路30の流路面積が減少するようになっているため、フリーピストン29の変位速度が急激に変化することがなく、減衰力の急変によって車体に振動を与えて異音が発生してしまうこともない。
さらに、この緩衝装置D1にあっても、バイパス流路30がハウジング24の内周に設けた環状溝38hと、フリーピストン29内から外周へ通じるオリフィス孔29eとで形成したので、環状溝38hの位置とオリフィス孔29eの開口位置、さらには、フリーピストン29の肩部29gの位置でバイパス流路30の流路面積が減少する所定量を設定することができ、また、オリフィス孔29eをハウジング24の内周で徐々に遮断し、切欠溝29fとオリフィス孔29eの連通をハウジング24の内周で徐々に遮断するようにしているので、バイパス流路30の流路面積を徐々に減少させる構造を具体的且つ容易に実現することができ、加工コストの増大を最小限にとどめることができる。
つづいて、図5に示した他の具体的な構造における緩衝装置D2について説明する。この緩衝装置D2は、バイパス流路50の形成に当たり、ハウジング51およびフリーピストン54の構造が上記した緩衝装置D1と異なっている。その他の構成については、緩衝装置D1と同様であるので、以下、この緩衝装置D2が緩衝装置D1と異なる部材について詳細に説明し、同じ部材については説明が重複するので同じ符号を付するのみとして詳しい説明を省略することとする。
緩衝装置D2におけるハウジング51は、ピストンロッド23の螺子部23bに螺合される筒状の螺子筒52aと、螺子筒52aの外周に設けた鍔52bとを備えたナット部52と、ナット部52における鍔52bの外周に開口部が加締められて一体化される有底筒状の外筒53とを備えて構成されている。そして、このハウジング51における外筒53は、緩衝装置D1のハウジング24の外筒38で備えていたバイパス流路30を形成するための環状溝38hを備えていない点のみが外筒38と異なっている。
具体的には、外筒53は、底部53aと、筒部53bとを備えて有底筒状とされている。筒部53bは、底部側に小内径を持つ小径部53cと、反底部側に大内径を持つ大径部53dと、底部53aを貫いて圧側室R5をハウジング51内へ連通する固定オリフィス53eと、大径部53dを貫いて圧側室R5をハウジング51内へ連通する二つの可変オリフィス53fと、小径部53cと大径部53dとの境に形成される段部53gとを備えている。
他方、フリーピストン54は、有底筒状とされており、フリーピストン底部54aを図5中下方へ向けてフリーピストン筒部54bの外周を外筒53の筒部53bにおける大径部53dの内周に摺接させてハウジング51内に挿入されている。フリーピストン54は、上記のようにハウジング54内に摺動自在に挿入されると圧力室R6内を伸側圧力室27と圧側圧力室28とに区画する。
なお、フリーピストン54のフリーピストン底部54aを図5中下方へ向けてハウジング51内に収容することで、フリーピストン54のナット部52における螺子筒52aへの干渉を避けることができる。さらに、フリーピストン54は、この実施の形態の場合、フリーピストン筒部54bの外周に設けた環状凹部54cと、フリーピストン底部54aから環状凹部54cへ通じる孔54dを備えている。また、フリーピストン54は、フリーピストン底部54aの下端からフリーピストン筒部54bの上端に通じるバイパス流路50とを備えている。バイパス流路50は、途中にオリフィスを備えるか、全体がチョークとして機能する等して、通過する液体の流れに抵抗を与えるようになっている。
なお、この緩衝装置D2にあっても、フリーピストン54はコイルばね42とコイルばね43とで構成されるばね要素によって附勢されていて、中立位置に位置決めされている。ばね要素としては、フリーピストン54を弾性支持できればよいので、コイルばね42,43以外のものを採用してもよいことは緩衝装置D1と同様である。
また、この緩衝装置D2にあっても、圧側流路26は、環状溝54c、孔54d、可変オリフィス53fおよび固定オリフィス53eで構成されている。そして、緩衝装置D1と同様に緩衝装置D2にあっても、フリーピストン54の中立位置からの変位量が増加していくと、可変オリフィス53fの開口全てが環状凹部54cに対向する状況からフリーピストン54の外周に対向し始める状況に移行して徐々に可変オリフィス53fの流路面積が減少し始め、圧側流路26における流路抵抗が徐々に増加し、最終的には、可変オリフィス53fが完全にフリーピストン54の外周で閉塞されて、圧側流路26における流路抵抗が最大となるようになっている。
そして、この緩衝装置D2では、フリーピストン54が中立位置から伸側圧力室27を圧縮する方向である図5中上方へ変位して、フリーピストン筒部54bの上端がナット部52の鍔52bに当接してフリーピストン54の上方への変位が制限される、つまり、伸側のストロークエンドまで達すると、バイパス流路50の上端開口部が閉塞されてバイパス流路50が遮断され、反対に、フリーピストン54が中立位置から圧側圧力室28を圧縮する方向である図5中下方へ変位して、フリーピストン底部54aの下端外周が外筒53の段部53gに当接してフリーピストン54の下方への変位が制限される、つまり、圧側のストロークエンドまで達すると、バイパス流路50の下端開口部が閉塞されてバイパス流路50が遮断されるようになっている。
また、バイパス流路50が遮断される手前、つまり、フリーピストン54がストロークエンド近傍にある場合、伸側ではフリーピストン筒部54bと鍔52bの間の隙間が非常に狭くなり、圧側ではフリーピストン底部54aと段部53gの間の隙間が非常に狭くなるため、フリーピストン54がストロークエンドまで変位する間にバイパス流路50の流路面積は徐々に減少して遮断されることになる。なお、バイパス流路の遮断を要しない場合には、たとえば、フリーピストン底部54aを貫いて伸側圧力室27と圧側圧力室28とを連通するバイパス流路を形成してもよい。
このように構成された緩衝装置D2は、緩衝装置D1と同様に振動周波数に感応して減衰力を変化させる、つまり、入力振動周波数が高くなると減衰力を低減させる機能を上記の如く発揮するとともに、バイパス路50が設けられているので、伸側圧力室27の圧力と圧側圧力室28の圧力に差が生じにくく、減衰力低減機能を発揮しつつもフリーピストン54の中立位置からの変位を抑制することができる。したがって、緩衝装置D2にあっても、高周波振動が継続して入力されても、フリーピストン54が中立位置から偏って変位しにくくなり、緩衝装置D2の基本作動である高周波振動時に減衰力を低減する作動を損なうことがない。
また、本発明の緩衝装置D2では、高周波振動が継続して入力されてもフリーピストン54の変位に偏りが生じないため、フリーピストン54の圧側圧力室28側へのストローク余裕を確保することができ、フリーピストン54がハウジング51に当接して圧側圧力室28への変位ができなくなることを防止することができる。
この結果、本発明の緩衝装置D2によれば、高周波振動が継続的に入力されても、フリーピストン54のストローク余裕が確保されるので、減衰力低減効果を失うことがない。
また、この緩衝装置D2でも、高周波振動が継続的に入力されても、減衰力低減効果を発揮することができるので、悪路やでこぼこ道を車両が走行する場合にあっても、良好な乗心地を実現できる。
緩衝装置D2では、この場合、フリーピストン54の中立位置からの変位によって、徐々にバイパス流路50の流路面積を減少するようになっているため、フリーピストン54の変位速度が急激に変化することがなく、減衰力の急変によって車体に振動を与えて異音が発生してしまうこともない。さらに、バイパス流路50は、フリーピストン54のフリーピストン底部54aの下端からフリーピストン筒部54bの上端に開口するように設けられているので、形成が容易で加工コストも低減される。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
本発明の緩衝装置は、車両の制振用途に利用することができる。
1,21 シリンダ
2,22 ピストン
3a 減衰通路としての伸側減衰通路
3b 減衰通路としての圧側減衰通路
4,23 ピストンロッド
5,25 伸側流路
6,26 圧側流路
7,27 伸側圧力室
8,28 圧側圧力室
9,29,54 フリーピストン
10 ばね要素
11,30,50 バイパス流路
14,24,51 ハウジング
29a,54a フリーピストン底部
29b,54b フリーピストン筒部
29f,54f オリフィス通路
29f 切欠溝
31 減衰通路
38h 環状溝
D,D1,D2 緩衝装置
R1、R4 伸側室
R2,R5 圧側室
R3,R6 圧力室

Claims (7)

  1. シリンダと、当該シリンダ内に摺動自在に挿入され当該シリンダ内を伸側室と圧側室に区画するピストンと、上記伸側室と圧側室とを連通する減衰通路と、圧力室と、当該圧力室内に移動自在に挿入されて当該圧力室内を伸側圧力室と圧側圧力室とに区画するフリーピストンと、当該フリーピストンの上記圧力室に対する変位を抑制する附勢力を発生するばね要素と、上記伸側室と上記伸側圧力室とを連通する伸側流路と、上記圧側室と上記圧側圧力室とを連通する圧側流路とを備えた緩衝装置において、上記伸側圧力室と上記圧側圧力室とを連通するとともに通過する流れに抵抗を与えるバイパス流路を設けたことを特徴とする緩衝装置。
  2. 上記フリーピストンが上記ばね要素によって位置決められる中立位置から所定量変位すると、上記バイパス流路の流路面積を減じることを特徴とする請求項1に記載の緩衝装置。
  3. 上記バイパス流路は、上記フリーピストンの変位が進むと遮断状態となることを特徴とする請求項1または2に記載の緩衝装置。
  4. 上記フリーピストンに上記バイパス流路を設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の緩衝装置。
  5. 上記圧力室を形成する中空なハウジングを備え、上記ハウジング内に上記フリーピストンを摺動自在に挿入して当該ハウジング内が上記伸側圧力室と上記圧側圧力室とに区画され、上記フリーピストンは有底筒状であって、上記バイパス流路は上記フリーピストンの内から外周へ通じるオリフィス通路と、上記ハウジングの内周に設けられて上記フリーピストンが上記中立位置から所定量変位するまで上記オリフィス通路に対向して上記オリフィス通路を圧側圧力室或いは伸側圧力室に連通する環状溝とで形成されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の緩衝装置。
  6. 上記フリーピストンの底部側端外周に上記環状溝に対向可能であって当該フリーピストンの反底部側の端部における幅或いは深さの長さの一方または両方が反底部側に向かうほど短くなる切欠溝を設けたことを特徴とする請求項5に記載の緩衝装置。
  7. 上記圧力室を形成する中空なハウジングを備え、上記ハウジング内に上記フリーピストンを摺動自在に挿入して当該ハウジング内が上記伸側圧力室と上記圧側圧力室とに区画され、上記フリーピストンは有底筒状であって、上記バイパス流路は上記フリーピストンの底部から筒部を貫いて上記伸側圧力室と上記圧側圧力室とを連通し、当該バイパス流路は、上記フリーピストンがストロークエンドに到達すると上記ハウジングによって閉塞されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の緩衝装置。
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