JP2014074394A - 導風構造およびそれを用いた風力発電装置 - Google Patents

導風構造およびそれを用いた風力発電装置 Download PDF

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憲一 金子
Nobuyasu Ikoma
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Abstract

【課題】台風や突風等の状況下においても、過回転防止の制御のための外部電力を要せず、かつ、発電の継続を可能とする全天候対応型の垂直軸型風車の導風構造を提供する。
【解決手段】風力発電装置1の垂直軸型風車4は導風構造6に内在している。導風構造6は、垂直軸型風車4を囲う枠体8と、垂直軸型風車4へ風を導く複数の可撓性と復元性を有するフレキシブルガイドベーン10とから構成されている。枠体8は、円環状の上枠8a及び下枠8bが垂直枠8cにより連結されて一体となっている。8枚のフレキシブルガイドベーン10は、垂直枠8cに一辺側が固定され、それぞれ垂直軸型風車4の回転軸を中心とした拡径側へ延びている。
【選択図】図1

Description

風力発電のうち、垂直軸型風車については、発電効率の向上に直結することから集風効果を向上させるための研究が行われ、外周に集風効果を向上させるための翼(以下、「ガイドベーン」という。)を備えた風車が開発された。この垂直軸型風車の稼働率向上を図るためにガイドベーンを備えた導風構造およびそれを用いた垂直軸型風車に関する。
地球温暖化を抑止するために化石燃料による火力発電の使用の抑制と東日本大震災での原子力発電の事故の発生を受けて、ますます再生可能エネルギーを利用した発電が重要視されるようになってきた。太陽光はメガソーラー発電構想が計画から実施に移され、安定したエネルギー源として欠かせない存在となった。一方、風力も太陽光に次いで有望な再生可能エネルギーとしての評価が定着し、各地に発電容量がメガワットクラスのウインドーファームが建設されている。
この風力発電のうち、垂直軸型風車については、発電効率の向上に直結することから集風効果を向上させるための研究が行われ、外周に集風効果を向上させるためのガイドベーンを備えた風車が開発された。このガイドベーンは平面型や湾曲型等があり、設置方法も風車の中心軸に対して平行に配置するタイプや傾斜させるタイプが存在し、風車性能を30%程度向上させる効果を得ることができる。
図11は、従来の垂直軸型風車101を利用した風力発電装置100を示している。この風力発電装置100はサボニウス型風車を備え、この垂直軸型風車101を囲うように固定枠102が設けられている。固定枠102には、拡径側において回転方向と逆側に傾斜するように8枚のガイドベーン103が配置されている。
このようなガイドベーン103を設けることにより、受風面積を増大させ、垂直軸型風車101の発電効率を上げることに成功している。図11のような風力発電装置100は特許文献1に開示されている。
特開平11−62813号公報
このようにして注目されている風力発電においては、台風や突風時の強風対策が大きな課題となる。
風力発電は風を受けて回転する軸の方向によって水平軸型と垂直軸型とに分類される。いずれの場合も風の力で風車を回転させ、回転運動を発電機に伝達して発電させる機構である。風速が3m/s〜12m/s程度の風速では、風が強ければエネルギーが大きくなり、発電量も増える特徴があるが、風速20m/sを超えると、事故の確率が上昇する。
台風や突風などで風速が20m/sを超す場合は、風車が過回転状態となり、駆動部分が摩擦熱等で破壊され、発電不能状態となることが報告されている。特に、水平軸型ではプロペラが巨大であることから、風圧によりプロペラが破損したり、本体が吹き飛ばされるという事故が発生している。
図11のような構成の風力発電装置100には、固定型のガイドベーン103が用いられているので、微風時には、垂直軸型風車101の外側の風を導入できる。しかし、微風であっても強風状態であっても導風作用に変化はないため、垂直軸型風車101が受ける風力エネルギーは風速の3乗に比例することになる。
このため、垂直軸型風車101が過回転状態になりやすく、突風によってガイドベーン103が破損したり、固定枠102ごと吹き飛ばされる恐れがある。
実際に、平成15年9月6日に発生した台風14号が、10〜11日にかけて沖縄・宮古島に到達・停滞し、同島に設置されていた風力発電装置6基のうち3基が倒壊、2基が風車の破損、1基が発電機の破損となり、全基が被災して発電不能となった。
これに対して、従来から垂直軸型では、過回転の防止対策として、風車への風の供給を停止させるために本体の受風口を閉塞させる方式や、風車の回転軸を停止させる方式が存在している。
しかしながら、前者のように風車への風の供給を停止させる方式の場合には、風車の過回転を防止できるが、閉塞部分に対する受風面積が増大するので、風圧力が巨大化し、本体が吹き飛ばされる危険性が生ずる。また、後者の、回転軸を停止させる方式の場合には、回転を制御するために外部から電力を供給する外部電源設備が必要となる。そして、いずれの方式を採用するにしても、風は吹いているにも関わらず風車を回転させることができないので、発電は停止し、風のエネルギーを全く利用できない状態となる。
一方、水平軸型の風車については、巨大なプロペラの回転を停止させるには巨大なトルクを要するため、この巨大なトルクを得る手段として風力発電装置と同等の設備が必要となる。このように、回転を制動することにより発電を停止させて発電機等への被害の拡大を抑えているのが現状である。
そこで、本発明では、台風や突風等の状況下においても、過回転防止の制御のための外部電力を要せず、かつ、発電の継続を可能とする全天候対応型の導風構造およびそれを用いた風力発電装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためには、風速が大きくなっても、風車に作用する風力エネルギーの増加をゼロとするか、または抑制することが必要となる。これについて、風車を回転させる風力エネルギー(P)と、受風面積(A)及び風速(V)との関係を示す次の(1)式において、風速Vが大きくなる時、受風面積Aが小さくなれば、過回転防止を実現できることに着目する。すなわち、ガイドベーンに可撓性を持たせると、風速が大きくなるほど大きな撓り作用を生じさせて受風の一部を受け流し、集風量を低減させることができるという、集風効果の自動調節作用を利用する。
・・・(1)
A:受風面積、ρ:空気密度、V:風速
具体的には、本発明の導風構造は、垂直軸型風車を内在させて形成された枠体と、可撓性と復元性を有する板状部材であって、前記垂直軸型風車の回転軸の周方向に配置され、且つそれぞれが拡径側へ延びるように、前記枠体上に複数配置されたフレキシブルガイドベーンを備えたことを特徴とする。
また、上記構成に加えて、本発明の導風構造は、フレキシブルガイドベーンに超弾性合金の芯材を有することを特徴とする。
また、本発明の導風構造は、前記フレキシブルガイドベーンは、カットアウト風速以降から前記フレキシブルガイドベーンが風圧変化にともない撓りを起こし、いずれの風向に対しても対応できる風車翼の受風面積を縮小する方向に働くことを特徴とする。
また、本発明は、これらの導風構造を用いた風力発電装置を含む。
以上のように、垂直軸型風車の可撓性のフレキシブルガイドベーンにより、風車に作用する風力エネルギーを自動的に制御することが可能となり、台風や突風時等の強風に対する安全対策が可能となる。
すなわち、カットアウト風速以上の外風の一部を受け流すので、本体に加わる力を軽減でき、倒壊・破損等を防止できる。また、外風の一部を受け流しつつ、垂直軸型風車への流れは遮断しないので、強風時においても運転を維持できる。これにより、強風状況下においても、風車は過回転状態に陥ることなく正常な回転を維持し、発電不能状態を回避することが可能となる。
本発明に係る風力発電装置を示す概略斜視図である。 図1の風力発電装置のFGVの断面構造であって、(a)は特定の厚さ位置において切断した一部破断図であり、(b)は(a)のX−X線で切断した断面図である。 超弾性合金材、通常の金属、通常のゴム・プラスチック材の応力歪曲線を示す図である。 FGVが受ける風圧の定義と変位の関係を示した概念図である。 FGVにプラスチック材料を用い風洞実験により得られた風圧と変位量を示した実験結果の一例である。 FGVの枠体への取り付け構造を示した立体分解図である。 図1の垂直軸型風車及び導風部を回転軸方向から見た模式図である。 図1のFGVの微風通風状況を示した図である。 図1のFGVの強風通風状況を示した図である。 周速比に対するパワー係数の特性であって、従来の風車の実測値と本発明の風車の理論値とを比較した図である。 従来の風力発電装置を示した図である。
本発明に係る導風構造について、図を用いて説明する。なお、本明細書において、ガイドベーンを「GV」と書き、フレキシブルガイドベーンを「FGV」と記す場合がある。
図1は、本発明に係る風力発電装置1を示した斜視図である。
風力発電装置1は、回転軸(図示せず)を内部に有する支柱3に支えられた垂直軸型風車4及び、この垂直軸型風車4に風を導く導風部6と、回転軸から伝達された回転力を電力に変換する発電機2とから構成されている。
導風部6はリング状の上枠8a及び下枠8bとが8本の垂直枠8cを介して一体に形成された枠体8と、垂直枠8cのそれぞれに取り付けられた板状部材の8枚のFGV10とから構成されている。本発明では、枠体8の内側に配置された垂直軸型風車4の例としてサボニウス型の抗力型風車を用いているが、クロスフロー型やバッハ型等の垂直軸型風車であっても同様であり、また、揚力型であるジャイロミル型、ダリウス型であっても構わない。
FGV10は、面を鉛直方向に延ばすとともに、回転軸を中心とした半径方向(拡径方向)に向かって延びている。このようにFGV10が設けられていることにより、全方向から吹く外風を効果的に内部の垂直軸型風車4へ導くことが可能である。
図2は、図1のFGV10の断面構造を示している。図2(a)は特定の厚さ位置において面の広がり方向に沿って切断した一部破断図であり、図2(b)は図2(a)の切断前状態をX−X線で切断した断面図である。
図2から分かるように、FGV10には、厚さ方向の略中央位置に風の受圧域を構成するための可撓性の受圧材14が設けられている。そして、格子状に組まれた芯材12により、受圧材14を厚さ方向に挟むように構成されている。この芯材12には、横材として復元性を有する応力材12aが用いられ、縦材として形状を安定させ自立性を確保するための形状保持材12bが用いられている。これら受圧材14と芯材12とは、被覆材16により覆われている。
なお、横材とは、FGV10が枠体8へ取り付けられる辺に直角な方向に配された部材であり、縦材とは、FGV10が枠体8に取り付けられる辺と平行に配された部材である。ここで可撓性と復元性を有するFGV10にとって望まれる変形形態を定義すると、FGV10に風力エネルギーが作用した場合はそのエネルギーに対応して撓み変形が発生し、作用するエネルギー量が減じた場合は、速やかにその量の分だけ変形が戻ることである。つまり、作用する風力エネルギーに対して追随性が良く、風の息のように突然、風力エネルギーが停止した場合は原形に復元する機能を持つことである。
本発明では、芯材12の応力材12aとして復元性を有する超弾性合金材が用いられている。また、形状保持材12bにはピアノ線材が用いられ、被覆材16には可撓性を有するゴムやプラスチック等の薄いシート材が用いられている。ゴムやプラスチック等と超弾性合金材やピアノ線材とを複合化する場合、芯材12の格子形状を安定させるために、先ず、超弾性合金材やピアノ線材を繊維材、紙等に串刺しし、形状が安定した状態で繊維材、紙等と被覆材とを接着させて複合一体化される。
ここで、繊維材、紙等はこれらの線材を串刺しして仮位置を決めるために用いられるものであり、織物構造には拘らない。受圧材14には、被覆材16に使用されるゴム、プラスチックのシートとの接着性を重視して、空隙のある繊維の織構造や、繊維の材質を選択すれば良い。また、線材を串刺しした時の自立性を確保するためには繊維、紙等に前処理として樹脂やゴムを溶剤に溶解した溶液を塗布することも有効である。尚、ピアノ線材や超弾性合金材の表面をペーパー等で研磨及び荒らし等の前処理やプライマー等の接着前処理を行う場合はこの限りではない。
図3に、応力材12aとして用いられている超弾性合金材の応力歪曲線を示す。図3には、超弾性合金材の特性Seと合わせて、通常の金属材料の特性Mと、通常のゴム・プラスチック材の特性Rが示されている。
特性Mから分かるように、通常の金属材料の場合、弾性領域の限界点である降伏点Yを超えて大きく変形されると、除荷された後に永久変形t1が残る。また、特性Rから分かるように、通常のゴム・プラスチック材の場合、大きく変位することができ、弾性変形の領域は広い。しかし原形に復元する機能に課題が残る。
一方、超弾性合金材では、特性Seに表れているように、永久変形は残らない。すなわち、通常の金属材料と同様に弾性領域を超える変形に対して降伏するが、そのときの荷重が除荷されると、元の弾性域の特性曲線に重なる。
ここで、各種材料の弾性係数を表1に示す。Ni−Ti系合金による超弾性合金材は8%程度の歪変形を与えても歪が残留することなく戻ることが知られている。このNi−Ti系合金による超弾性合金材の弾性係数は、表1に示されているように、60〜80GPaであり、アルミニウムと同等の弾性係数を示すことが分かる。つまり、超弾性合金材は、アルミニウム並みの弾性係数を有し、降伏点を越えて変形した後、除荷されると、再び形状が元に戻る。
以上のことから、超弾性合金材を図2の応力材12aに用いれば、所定の風速(カットアウト風速)までは形状を維持し、所定の風速以上の風を受けると、形状を変更できる可撓性を有するフレキシブルガイドベーン(FGV)10を作製することができる。
図4に片持ちされたFGV10が風速Vの風Winを受けた際の変形の様子を表す概念図を示す。FGV10が風を受けると実線から破線のように変形し変位を生じる。ここで(2)式のように風速Vの2乗に比例する受風面に働く力を風圧Pwと定義し、そのときの変位δの関係を示す。
・・・(2)
図5は受風面積の同じ金属とプラスチックを図4と同じ片持ちにして風を当てる実験をした際の結果である。金属は従来のGV、プラスチックは本発明に係るFGVとしている。横軸は撓み量であり縦軸は風圧である。また、実験に用いたFGVとGVの諸言を表2に示す。図5を参照すると、プラスチックを用いたFGVと金属を用いたGVでは、風圧と撓み量の傾きが大きくことなり、プラスチック材料の方が概念図どおりFGVとしての有効性を示した。
図6は、FGV10の枠体8への取り付け構造を示した立体分解図である。FGV10は、垂直枠8cと略同じ長さの副え板18が宛がわれ、垂直枠8cに対してボルト20及びナット22により狭持固定される。
このように、FGV10は、風車の定期点検や部分破損、寿命を考慮して、取り換え可能な構成が望ましい。
また、FGV10が風を受けて撓む場合、ボルト20及びナット22に緩みが生じて固定箇所に厚みや幅方向へズレ等の変化が発生しないように、垂直枠8cの剛性を高めたり、厚みを大きく設定することが有効である。
ここまで風力発電装置1の構成について説明してきたが、次に、可撓性を有するFGV10からなる導風部6の作用について図7〜9を用いて説明する。
図7は、本発明に係る垂直軸型風車4及び導風部6を回転軸方向から見た模式図であり、風速に対する受風面積及び開口面積の関係を示している。
この図7には、風上側(紙面下面)の隣接するFGV10の間に風30が吹き込んでいる様子が示されている。これら風上側のFGV10の間に開口した面積は、開口面積S1〜S4で示されている。ここでは、説明の便宜のため、これら開口面積S1〜S4を合わせて開口面積Sと呼ぶことにする。
図7を参照して、導風部6の受風面積A(図示せず)は、垂直軸型風車4の直径Dを基準にして、受風幅2Dに置き換えて示されている。本発明では、FGV10の拡径方向の長さはD/2で設計されている。
風車から得られるパワーはトルクTと風車回転角速度ωとの積で求められる。これは風車が受ける風からのエネルギーで与えられる。つまり、風車の回転速度は、風車が受ける風のエネルギーに比例する。
ところで、垂直軸型風車4が風から受ける全エネルギーは受風面積Aと風速Vの3乗の積に比例する。このうち、風車が利用できるのは、開口面積Sを通過した風のエネルギーである。つまり、風車が風から得られるエネルギーは、開口面積Sと受風面積Aと風速Vの3乗に比例する。
風速Vは自然現象として与えられる変数であるから、調節することはできない。このため、風車の回転力を減少させるためには、受風面積A(受風幅2D)を小さくするか、あるいは開口面積Sを小さくする必要がある。一方、微風の場合に回転力を得るためには、受風面積A(受風幅2D)、開口面積Sともに大きく設定することが必要である。
従来の固定式ガイドベーン(GV)は、微風時の集風効率を向上させることができる。しかし、集風効率が高いがゆえに、強風時においては垂直軸型風車が過回転状態になってしまう。
しかし、本発明における導風部6は、可撓性を有するFGV10が用いられているので、撓りの少ない微風時には集風効率を向上させることができる。つまり、微風を受けても、受風面積Aと開口面積Sは変化しない。
一方、強風時には、風圧を受けて大きく撓り、風の一部を受け流すことができる。つまり、受風面積Aを小さくできる。さらに撓ったFGV10が開口の一部を塞ぎ、開口面積Sを小さくすることができる。すなわち、撓ることにより集風に寄与する受風面積Aを減ずることができるとともに、撓りにより塞がれる側の開口部に対しては開口面積Sを減ずることができる。
このように、受風面積及び開口面積の低減が相乗的に作用することにより、風速の早い強風時では、垂直軸型風車4への導風を大きく減ずることが可能となる。
次に、風速に応じて変化する導風部6の状態について図8及び図9を用いて説明する。
図8は、図1のFGV10の微風通風状況を示した図である。この図8に示されているように、微風時において、FGV10は風圧を受けて撓るものの、その撓りの程度は小さい。これにより、風上側に傾斜したFGV10bは、略無風時の姿勢を保持することができ、垂直軸型風車4へ効率良く風30を導くことができる。
また、風30に対して略直交する方向に延びた左右のFGV10cの先端は、風圧が作用し易い角度に配置されており、撓りにより一部の風が垂直軸型風車4へ導かれずに風下側へ流れているが、ごく僅かである。このように、微風時の受風幅41は図7に示した最大の受風幅2Dに近い値となる。すなわち、微風時の受風面積Aは無風時の受風面積Aとほぼ同じである。
図9は、図1のFGV10の強風通風状況を示した図である。この図9に示されるように、強風時において、風30の流れに平行なFGV10aを除き、風上側のFGV10b、10cは風圧を受けて大きく撓っている。特に、無風時は風上側へ傾斜していたFGV10bは、風30により風下側へ傾斜方向が変化している。このため、図8の微風時には垂直軸型風車4へ導かれていた風30の大半が垂直軸型風車4の外側へ流れている。つまり、受風面積Aが小さくなる。
加えて、風下側に配置されたFGV10cも風下側へ傾斜しているので、垂直軸型風車4へ導かれる風30は、2枚のFGV10bの各々の取り付け位置の間の受風幅42の範囲内に限られる。つまり開口面積Sも小さくなる。本発明に係る導風部6は、8枚のFGV10で構成されているので、この2枚のFGV10bが根元から完全に風下側へ傾斜した場合、受風幅41(図8)は図7に示した最大の受風幅2Dから大きく絞られて0.7D程度の値となる。
上記のことは、次のように言い変えることができる。図10には周速比とパワー係数(Cp)の関係の概念図を示す。横軸は周速比であり、縦軸はパワー係数である。パワー係数(Cp)は、風車が風から取り出せるエネルギーの効率である。ガイドベーンが変化しない通常の風車は、ある周速比でパワー係数のピークが存在する(符号31のライン)。
一方、本発明に係る可撓性を有するFGV10を有する風車の場合は、風速が遅い時に効率的にエネルギーを取り出せるようにし、なおかつ風速が速くなっても、効果的にエネルギーを取り出せる(符号32)。風速が上がっても風車自体の回転数を抑制することができ、周速比が下がってもパワー係数が下がらないからである。
つまり、幅広い風速において、効率のよいエネルギーの取出しが可能である。すなわち、本発明に係る風車は、広い範囲の周速比に渡って、効率の高い運転ができる風車であるといえる。
このように、本発明に係る導風部6を用いれば、風況の変化しやすい地域においても電力の安定供給が可能となる。また、必要以上の強風に対してはFGV10が風下側へ撓ることにより受風の一部を受け流すことができるので、枠体8に加わる力が低減され、耐久性の向上をも可能とする。
続いて、風速の変化に対する応答性について説明する。
本発明は、強風時の安全対策と微風時の集風対策とを両立させる画期的なFGV10を提供するものであり、強風時には受風面積Aと開口面積Sとを減じ、微風時には受風面積Aと開口面積Sとを増大させる(大きく保持する)ことができる。そのためには、FGV10は風力エネルギーを受けて撓むことと、除荷により直ちに復元される即応性が要求される。
これについては、上述したように、超弾性合金は弾性域において、アルミニウムと同じ弾性係数を示すことから、非常に反応性に優れていることが分かる。また、超弾性合金である応力材12aは、降伏点を過ぎた状態となった場合でも除荷後は、一定の時間が経過すると、自動的に形状が復元される。
すなわち、強風時に受風面積を減ずる操作、強風状態から通常状態又は微風状態に戻ったときに、強風対策の形態を解除する操作などを行うことなく自動で切り替えられるので、高い即応性を有していることが分かる。
さらに、降伏点近傍の歪変形に対して、超弾性合金は通常の金属材料よりも高い耐久性を示すことが知られており、導風部6の耐久性の向上を図ることが可能である。
以上説明してきたように、本発明に係る導風部6のFGV10は、縦材としてピアノ線等の形状保持材12bを用い、横材として可撓性を有する超弾性合金による応力材12aを組み合わせた芯材12を採用した構成を例として示した。これにより、微風時に導風し、強風時に一部の外風を受け流すという本発明の効果を得ることができる方向以外の変形を防止し、形状を安定させることができる。
なお、本発明に係る風車は、上記の構成に限らず、芯材として超弾性合金材をどの部位に採用しても構わない。つまり、少なくとも、カットアウト風速よりも小さい風速に対しては、できるだけ変形を抑えて導風効果を高い状態に維持し、カットアウト風速を超える風速に対しては、大きく撓らせて導風の割合を低減することができる構成であればよい。
例えば、カットアウト風速で風上側に配置されたFGV10の少なくとも1枚が降伏点を超えて変形するように、内蔵された超弾性合金の降伏点が設定されていれば良い。
また、FGV10は、均等に撓る必要はなく、被覆材の表面又は内部に切り欠き溝や弱化部を形成することにより特定の屈曲位置で変形可能となるように形成しても良い。この場合、特定の屈曲位置にのみ超弾性合金を採用する構成も可能である。
なお、本発明に係る風力発電装置1は、発電機2が垂直軸型風車4よりも下方に設置された構成を例として示したが、これに限らず、発電機2が垂直軸型風車4側に組み込まれた構成であっても構わない。
また、本発明に係る風力発電装置1の導風部6は、支柱3により支持されている構成を例として示したが、これに限らず、枠体8を直接設置場所に固定する構成であっても構わない。
また、枠体8は、上枠8a及び下枠8bが円環状に形成された構成を例として示したが、FGV10を拡径方向に延びるように、略鉛直に固定できる構成であれば、円形若しくは、環状に限定されるものではない。
また、FGV10は、垂直枠8cに対してボルト20及びナット22を用いて副え板18で狭持された構成を例として示したが、ボルト20及びナット22により貫通固定される構成に限定されるものではない。
また、FGV10の芯材12は垂直及び水平方向に延びる芯材12が格子状に組み合わされた構成を例として示したが、この構成に限定されるものではない。また、密度もFGV10の全域において一定でなくてもよい。したがって、一定の風速下において各部の曲率を調節することができるので、本発明に係る風力発電装置を設置する地域ごとの風況、垂直軸型風車の特性等に合わせることが可能である。
本発明の導風構造は、外部電力設備を用いることなく、垂直軸型風車へ導く風の量を自動調節し、カットアウト風速を超える風速域においても安定して風力発電を行うことができる。
1 風力発電装置
2 発電機
3 支柱
4 垂直軸型風車
6 導風部(導風構造)
8 枠体
8a 上枠
8b 下枠
8c 垂直枠
10 フレキシブルガイドベーン(FGV)
12 芯材
12a 応力材
12b 形状保持材
14 受圧材
16 被覆材
18 副え板
20 ボルト
22 ナット
30 風

Claims (4)

  1. 垂直軸型風車を内在させて形成された枠体と、可撓性と復元性を有する板状部材であって、前記垂直軸型風車の回転軸の周方向に配置され、且つそれぞれが拡径側へ延びるように、前記枠体上に複数配置されたフレキシブルガイドベーンを備えたことを特徴とする導風構造。
  2. 前記フレキシブルガイドベーンに超弾性合金の芯材を有することを特徴とする請求項1に記載の導風構造。
  3. 前記フレキシブルガイドベーンは、カットアウト風速以降から前記フレキシブルガイドベーンが風圧変化にともない撓りを起こし、いずれの風向に対しても対応できる風車翼の受風面積を縮小する方向に働くことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載された導風構造。
  4. 請求項1から3のいずれかの請求項に記載された導風構造を用いた風力発電装置。
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