JP2014068455A - 携帯型電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】携帯型電源装置の薄型化させつつも、強度を向上させる。
【解決手段】携帯型電源装置は、一方を開口した薄型の金属製の外装ケース10と、外装ケース10の開口部分から挿入される、樹脂製の枠体と、枠体で周囲を覆われる、薄型の二次電池40とを備え、枠体を、平面視コ字状に形成する。また外装ケース10の開口部分を閉塞する樹脂製の端面板21と、端面板21に設けられた、外部の電子機器と接続して電力を供給するための給電端子32とを備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、携帯型電源装置に関し、例えば電子機器に電力を供給する電源コネクタを備える緊急充電器等の携帯式電源装置に関する。
携帯電話やスマートフォン、携帯音楽プレーヤ等の携帯型電子機器の普及に伴い、外出先で電池が切れた場合に充電する必要が生じており、近くに商用電源が無くともこれらの携帯機器を充電可能な、いわゆる緊急用、非常用の充電器(「緊急充電器」あるいは「非常用充電器」、「緊急給電器」、「ブースタ」等とも呼ばれる。)が開発されている。このような緊急充電器は、二次電池を内蔵しており、二次電池を放電させることによって電力を供給する。また放電後は、二次電池を充電させることで繰り返し使用できる。例えば特許文献1には、図18の斜視図に示すように、棒状のケース1810に、円筒形二次電池を内蔵したスティック型ブースタ1800が開示される。
特開2011−096588号
近年、このような携帯型電子機器の高性能化や、より長時間での駆動を可能にする要求等から、携帯型電源装置の容量も大容量化するよう求められている。このため、携帯型電源装置に収納する二次電池の容量を大きくする必要がある。電池容量を大きくするには、使用する二次電池の数を増やしたり、大型の二次電池を使用することが考えられるが、いずれも携帯型電源装置の外形を大きくすることに繋がる。
一方でこのような携帯型の電源装置は、携帯し易いように、小型軽量化が常に求められている。このような相反する要求に応えるため、厚さを薄くした薄型の携帯型電源装置とすることが考えられる。
しかしながら、外形を薄型にすると、構造的にケースの強度が弱くなるという問題があった。例えば図18に示すように外形が棒状であれば、構造上強度が強くなり、つぶれや捻りに対しても強い剛性を発揮できる。これに対して薄型の板状では、捻れの応力を受け易い形状となる。特に携帯型の電源装置は屋外に持ち出して使用されるため、落下や衝突等、外部からの応力を受け易い環境に置かれることから、十分な強度を発揮することが、長期に渡って安定して使用できる信頼性に繋がる。
本発明は、従来のこのような問題点を解決するためになされたものである。本発明の主な目的は、薄型化を図りつつも、機械的強度も高めた携帯型電源装置を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記の目的を達成するために、本発明の一の側面に係る携帯型電源装置によれば、一方を開口した薄型の金属製の外装ケースと、前記外装ケースの開口部分から挿入される、樹脂製の枠体と、前記枠体で周囲を覆われる、薄型の二次電池とを備える携帯型電源装置であって、前記枠体を、平面視コ字状に形成することができる。上記構成により、捻れ、潰しに強い剛性を増した携帯型電源装置を得ることができる。また金属製の外装ケースを利用することで、薄型でも十分な強度を持たせつつ、さらに放熱性も向上できる。
また他の側面に係る携帯型電源装置によれば、さらに前記外装ケースの開口部分を閉塞する樹脂製の端面板と、前記端面板に設けられた、外部の電子機器と接続して電力を供給するための給電端子とを備えることができる。
さらに他の側面に係る携帯型電源装置によれば、さらに前記二次電池及び給電端子と接続された回路基板を備えており、前記外装ケースの内部において、該外装ケースの長手方向に、前記二次電池と回路基板とを並べて配置することができる。上記構成により、外装ケース内の限られた空間内で、二次電池と回路基板との近接を極力避けて配置しつつ、金属製の外装ケースの表面から放熱させ易くして、互いの発熱による影響を受け難くできる。
さらにまた他の側面に係る携帯型電源装置によれば、前記二次電池を複数備えると共に、各二次電池は、前記外装ケース内で、該外装ケースの長手方向に同じ姿勢で並べて配置することができる。上記構成により、外装ケースの長手方向において外装ケースを折り曲げようとしても、その応力が二次電池同士の間で吸収されて、二次電池に直接応力が印加される事態を緩和でき、もって二次電池を保護できる。
さらにまた他の側面に係る携帯型電源装置によれば、前記外装ケースの開口部分を閉塞する樹脂製端面板に、端子開口を設けており、さらに前記端面板は、前記端子開口から内面側に、前記外装ケースの長手方向に延長された開口リブを形成することができる。上記構成により、外形の薄型化を図りつつも、端子開口の部分で端面板の強度が低下することを、奥行き方向に延長したことで補強して、剛性を高めることができる。
さらにまた他の側面に係る携帯型電源装置によれば、前記外装ケースをアルミニウムの絞り出し加工で形成することができる。
さらにまた他の側面に係る携帯型電源装置によれば、前記給電端子を、規格化された電源コネクタとすることができる。上記構成により、USB端子や携帯電話の充電端子のような、規格化あるいは標準化された端子に接続可能な端子を備えた、普及型の電池内蔵機器に対して給電できる。
さらにまた他の側面に係る携帯型電源装置によれば、前記給電端子をUSB端子とできる。上記構成により、広く普及しているUSB端子で給電可能な電子機器に対して適用できる。
本発明の一実施の形態に係る携帯型電源装置を示す斜視図である。 図1の携帯型電源装置を背面から見た斜視図である。 図1の携帯型電源装置で電池内蔵機器に給電する状態を示す斜視図である。 図1の外装ケースから内ケースを外した状態を示す分解斜視図である。 図4の内ケースをさらに分解した状態を示す分解斜視図である。 図1のVI−VI線における垂直縦断面図である。 図5の給電端子を下ケースに装着する状態を示す斜視図である。 図7の状態から給電端子を開口リブに装着した状態を示す斜視図である。 図8を開口面側から見た斜視図である。 実施例2に係る携帯型電源装置の内部を示す分解斜視図である。 従来の携帯型電源装置の開口面を示す分解斜視図である。 図11の開口面を裏面側から見た斜視図である。 図12の開口面に給電端子を固定した状態を示す斜視図である。 実施例3に係る携帯型電源装置の内ケースを示す分解斜視図である。 実施例1に係る携帯型電源装置を示す模式断面図である。 実施例4に係る携帯型電源装置を示す模式断面図である。 図16の携帯型電源装置を複数重ねた状態を示す模式図である。 従来の緊急充電器を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための携帯型電源装置を例示するものであって、本発明は携帯型電源装置を以下のものに特定しない。なお、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部材の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。
(実施例1)
図1〜図6に、実施例1に係る携帯型電源装置100を示す。これらの図に示す携帯型電源装置100は、その外形を箱形としつつ、幅よりも厚さを薄くした薄型形状としている。また、端面同士を接続する側面の隅部を面取りして、各端面がトラック形状となるようにしている。この携帯型電源装置100は、図4に示すように外装ケース10に内ケース20を挿入している。外装ケース10は金属製として、その一方の端面には開口12を形成している。また他方の端面は、図2の斜視図に示すように外装ケース10で一体的に閉塞されている。このような外装ケース10は、例えばアルミニウム製とし、絞り出し加工や押出加工等により形成される。さらに端面の一方は、図1、図4に示すように端面板21で閉塞されており、ここに給電端子32と受電端子34とスイッチ35が設けられる。ここでは、内ケース20の一部である端面板21を外装ケース10の開口端から露出させている。
(内ケース20)
内ケース20は、図5の分解斜視図に示すように、上ケース23と下ケース22に二分割されており、内部に二次電池40と回路基板30を収納している。二次電池40と上ケース23との間には、可撓性を有するスペーサ42が介在される。また上述の通り、一方の端面を構成する端面板21(図5において右側)には、給電端子32と受電端子34とスイッチ35が設けられている。このため端面板21には、給電端子32を配置するための端子開口24が形成されている。この端面板21は、下ケース22に固定されている。これら上ケース23と下ケース22は、絶縁性に優れた樹脂製とする。
この内ケース20は、二次電池40の底面及び側面を含めた周囲を覆う枠体、ここでは平面視コ字状の枠体として機能する。このように内ケース20に二次電池40を収納することで、二次電池40の外装缶を外装ケース10と絶縁すると共に、外装ケース10内に二次電池40を位置決めして保持する。さらに二次電池40の厚さ方向の側面を、内ケース20で両側から覆うことで、外装ケース10の内部で支持棒のように支持して剛性を高め、捻れや潰れに対して二次電池40を保護できる。さらに金属製の外装ケース10を利用したことで、強度を持たせつつ、放熱性も向上できる。
(給電端子32)
給電端子32は、所定の電力を外部に出力するための端子である。図3に示すように、給電端子32に、ケーブルCBを介して、あるいは直接電池内蔵機器BDを接続することで、携帯型電源装置100から所定の電力が電池内蔵機器BDに供給され、この電池内蔵機器BDに内蔵された被駆動二次電池BTを充電したり、あるいは電池内蔵機器BDを直接駆動する。例えば携帯電話等の電池内蔵機器BDをケーブルCBを介して接続すると、二次電池40の出力が、回路基板30に実装された放電回路によって所定の電流値又は電圧値に調整されて、自動的に供給される。また、携帯型電源装置100の端面に設けられたスイッチ35を操作することで、給電が開始されるように構成してもよい。このような電池内蔵機器BDには、携帯電話の他、スマートフォンやパソコン、あるいはこれらの電池パック等が挙げられる。
(受電端子34)
さらに受電端子34には、外部電源(例えば商用電源やACアダプタAC)を接続して、携帯型電源装置100に内蔵された二次電池40を充電する。このため回路基板30には、級電子で受けた電力を二次電池40の充電に適した電流値、又は電圧値に変換する充電回路も実装している。
これらの給電端子32や受電端子34の何れか又は両方は、規格化された端子とすることで利便性を向上できる。例えばUSB(商品名)規格に従ったB端子やミニUSB(商品名)端子を利用すれば、広く普及している充電ケーブルや、USBでの充電に対応した電池内蔵機器を接続でき、使い勝手が良くなる。
さらにまた、端面に設けたスイッチ35で二次電池40を強制放電させたり、あるいは放電状態や充電状態を示すための表示部36(例えばLEDランプ)を端面に設けることもできる。回路基板30には、上述した放電回路や充電回路に加えて、スイッチ35の操作や表示部36の点灯を制御する回路も実装される。また、二次電池40の温度や電流、電圧等を監視して、異常時に充電や放電を停止する保護回路を実装することもできる。
(二次電池40)
二次電池40は、充電可能な電池セルであって、外形を角形として内ケース20に収納しやすくしている。このような二次電池40にはリチウムイオン二次電池が好適に利用できる。ただ、ポリマー電池やニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池等も二次電池として利用できる。ここでは、二次電池の外装缶を金属製としている。
この例では、図6の垂直縦断面図に示すように、内ケース20の長手方向に二次電池40と回路基板30とを並べている。この構成であれば二次電池40を回路基板30と水平方向に離間できるので、互いの発熱による影響を受け難くできる。また内ケース20の周囲を、熱伝導性に優れた金属製の外装ケース10で覆うことにより、内ケース20の表面から外部への放熱性が高められる結果、相対的に横方向への熱伝導を抑えて、例えば二次電池40の放熱が回路基板30に伝搬されて電子回路に悪影響を与える事態を抑制できる。さらに図5に示すように、回路基板30の内、二次電池40と対向する端部に、この二次電池40との接続部を設ける一方、これと反対側の端部に、給電端子32や受電端子34等の端子類を配置することにより、端子類を二次電池40から可能な限り離間できる。この結果、これらの端子類にコネクタ等を挿抜する際に印加される応力が、二次電池40やこれと回路基板30との接続部に直接及ぶ事態を避け、これらの接触不良等を生じ難くして信頼性を高める効果も得られる。
(実施例2)
以上の例では、一の電池セルを配置しているが、二以上の電池セルを収納することもできる。このような例を実施例2として、図10に示す。この図に示す携帯型電源装置200では、角形の電池セル41を、外装ケース10の長手方向に2個並べて配置している。各電池セル41は、電極端子をリード板で直列又は並列に接続して、回路基板30に出力を入力している。電池セル41同士の間は離間されて絶縁される。また必要に応じて仕切り板を設けることもでき、これにより絶縁性を高める効果が得られる。さらに、このように外装ケース10の長手方向に二次電池40を複数配置することで、外装ケース10を長手方向で折り曲げようとする応力が印加されても、その応力が電池セル41同士の間の仕切り部分で折曲されることによって応力や歪みを吸収されて、電池セル41に直接応力が印加される事態を緩和でき、もって電池セル41を保護できる。
(開口リブ26)
上述の通り、端面板21には、給電端子32を設けるため、端子開口24が形成される。このような給電端子32は、特にUSB等の規格化された端子を使用する場合は、大きさの制約を受ける。すなわち、給電端子を小型化できず、規定の給電端子の厚さを確保する必要がある。一方で、携帯型電源装置の携行性を損なわないよう、極力外形を薄型化することが求められている。このため、端面において給電端子の高さに近い厚さまで端面板を低くすることとなり、結果として図11、図13の斜視図に示すように、給電端子32を配置する端子開口24を形成した部分では、その上下の桟27、28で端面板21が極めて薄くなって、強度が弱くなってしまう。特に給電端子32は、外部の電池内蔵機器に給電するため、コネクタ等を頻繁に挿抜する必要が生じる。このため、ある程度の機械的な強度が要求される。
図11の例では、端面板21の内、端子開口24の部分における上側桟27の厚さd1、下側桟28の厚さをd2とする。この内、下側桟28については、上述の通り端面板21を、図12の斜視図に示すように下ケース22側に設ける構成であれば、下ケース22の底板と一体に形成されるため、十分な補強が図られる。しかしながら上側桟27については、図11〜図13に示すように薄く細い状態であるため、このままでは強度面での信頼性が低下するという問題があった。なお、端面板を下ケース側でなく上ケース側に固定する場合は、逆に上側桟の強度は十分得られるものの、下側桟の強度が弱くなるという同様の問題が生じる。
そこで本実施例においては、図9に示すように、端面板21の背面側すなわち内ケース20内面側において、端子開口24から延長された開口リブ26を形成している。開口リブ26は、図7及び図8に示すように、端面板21の裏面側で外装ケース10の長手方向に延長され、端子開口24の端縁を囲むコ字状の枠状に形成されている。このような構成によって、端面板21が端子開口24の上側桟27で厚さd1の方向には薄くなるものの、奥行き側に長くしたことで厚さ方向の薄さを補い、機械的強度の向上が図られる。このように、厚さ方向でなく長さ方向に延長したことで、携帯型電源装置の厚さを増すことなく、端子開口24の上側桟27を補強して強度を増すことが可能となり、信頼性を高めることができる。なお、この例では端面板を下ケース側に固定しているが、端面板を上ケース側に固定する構成とすることも可能である。この場合は、下側桟の背面に、開口リブを延長させることで、同様の効果が得られる。
(実施例3)
以上の例では、内ケース20は、二次電池40の周囲を完全に覆う枠体としている。例えばリチウムイオン二次電池40では、外装缶をアルミニウム等の金属製としている。このように、二次電池40が金属製の外装缶を用いている場合は、金属製の外装ケース10との間で絶縁を図るために、二次電池40の主面を含めた全面を内ケース20で囲み、外装ケース10と絶縁している。ただ、二次電池の外装缶を絶縁する必要がない場合は、内ケースで二次電池を完全に被覆する必要もなく、二次電池の一部のみを把持するような形態としてもよい。
このような例を実施例3として図14に示す。この図に示す携帯型電源装置300では、二次電池としてポリマー電池340を利用している。ポリマー電池340は表面を絶縁性を有する樹脂製としているため、外装ケース310の内面との間で絶縁を図る必要はない。ただ、樹脂製のポリマー電池340を外装缶に挿入しやすくするため、内ケース320を、ポリマー電池340の周囲の三方を覆う枠体状としている。枠体状の内ケース320は、平面視コ字状として、開放部分からポリマー電池340の枠体内に収め、かつ回路基板30を配置してこれらを固定した状態で、外装ケース310に挿入される。この構成により、枠体状の内ケース320を、二次電池を外装ケース310に挿入する際のガイドのように利用させて、挿入作業をスムーズに行える利点が得られる。特に二次電池の表面が可撓性を有する場合には、このようなガイドで二次電池を両側から挟み込むことで、形状を規定して挿入しやすくできる。さらに挿入後は、ガイド部分が外装缶内部で支持棒のように機能し、二次電池の潰れを阻止できる。
また二次電池の外装缶を金属ケースとする場合であっても、例えば表面をPET樹脂等の絶縁シートで被覆したり、あるいは絶縁性の塗料等でコーティングする等して、絶縁性を持たせた場合においても、同様に内ケースを簡素化できる。
(実施例4)
さらに以上の例では、図15の模式断面図に示すように、端面板21が外装ケース10の開口の内部に入り込むようにした構成を採用した。ただ、本発明はこの構成に限られず、端面板が外装ケースの表面よりも突出するように構成することもできる。このような例を、実施例4として図16の模式断面図に示す。この図に示す携帯型電源装置400では、断面視において端面板421の表面が外装ケース410の主面よりも高くなるように突出させている。この結果、図17に示すように複数枚の携帯型電源装置400を重ねた場合でも、端面板421の突出部分によって外装ケース410同士の間に隙間gが形成される。この結果、外装ケース410同士が直接触れないため、外装ケース410の表面に傷が付く事態を回避できるという利点が得られる。
以上のように本発明によれば、薄型化を図りつつも、機械的強度を高めた携帯型電源装置が実現できる。特に、近年の電池内蔵機器の高性能化、消費電力の増大に伴い、これらを駆動する電池パックやその充電器等も大容量化することが求められている。その一方で、携帯に便利なように小型化も求められている。このような相反する要求に応えるため、薄型の携帯型電源装置とすることが考えられる。しかしながら、携帯型電源装置を薄型としても、既存の充電器等を利用することを考慮すれば、給電端子の大きさは変更できないため、特に端面に給電端子を設けるための端子開口を形成することが困難となる。すなわち、端子開口を開口する部分は、端面板が薄くならざるを得ず、これでは機械的な強度が弱くなり、給電端子の繰り返しの挿抜よる応力や疲労破損が懸念される。
そこで、上述の通り端面板を厚さ方向でなく、奥行き方向に長くしたことで、厚さが薄いことによる強度面の不安を、奥行き方向で補強することが可能となり、給電端子へのコネクタ等の繰り返しの挿抜にも耐え得る信頼性を発揮できる。
また、携帯型電源装置を薄型化することで、相対的に強度が低下する問題も、外装ケースを金属製とし、かつ内部に枠体を配置したことでこれを内面から支持して強度を高めることによって解消している。例えば、図18に示したような棒状の緊急充電器は、外形が棒状のため、捻れが問題とならず、しかも円筒形は、形状的に安定で高強度である。これに対して、板状の形状は捻れの応力を受け易い形状となる。強度を向上させるには、外装ケースを厚くすればよいが、この構成では携帯型電源装置が厚型化して嵩張る上、重量も重くなり、携行に不利となる。外装ケースを樹脂製でなく金属製とすると、強度は向上できるものの、内部に収納する二次電池の外装缶の絶縁性が問題となる。加えて、高出力化の要求に伴い、内部の二次電池の電池容量を増大させることで放熱量も大きくなることから、相応の放熱性の向上も必要となる。
そこで、上述の通り金属製の外装ケースと、樹脂製の枠体との二重構造とすることで、薄型でも十分な強度を発揮させつつ、絶縁性も樹脂製の枠体によって維持できる。また、金属製外装ケースで二次電池を覆うことにより、放熱性も向上されるので、この点においても長期に渡って安定的に携帯型電源装置を利用でき、信頼を高められる利点が得られる。
本発明に係る携帯型電源装置は、携帯電話やスマートフォン、携帯音楽プレーヤやこれらの電池パックといった電池内蔵機器を充電するための緊急充電器として、あるいは緊急充電器を充電するための充電器として、好適に利用できる。
100、200、300、400…携帯型電源装置
10…外装ケース
12…開口
20…内ケース
21…端面板
22…下ケース
23…上ケース
24…端子開口
26…開口リブ
27…上側桟
28…下側桟
30…回路基板
32…給電端子
34…受電端子
35…スイッチ
36…表示部
40…二次電池
41…電池セル
42…スペーサ
310…外装ケース
320…内ケース
340…ポリマー電池
410…外装ケース
421…端面板
1800…スティック型ブースタ
1810…棒状ケース
BD…電池内蔵機器
BT…被駆動二次電池
CB…ケーブル
AC…ACアダプタ
1…上側桟の厚さ
2…下側桟の厚さ
g…隙間

Claims (8)

  1. 一方を開口した薄型の金属製の外装ケースと、
    前記外装ケースの開口部分から挿入される、樹脂製の枠体と、
    前記枠体で周囲を覆われる、薄型の二次電池と
    を備える携帯型電源装置であって、
    前記枠体が、平面視コ字状に形成されてなることを特徴とする携帯型電源装置。
  2. 請求項1に記載の携帯型電源装置であって、さらに
    前記外装ケースの開口部分を閉塞する樹脂製の端面板と、
    前記端面板に設けられた、外部の電子機器と接続して電力を供給するための給電端子と
    を備えることを特徴とする携帯型電源装置。
  3. 請求項2に記載の携帯型電源装置であって、さらに
    前記二次電池及び給電端子と接続された回路基板を備えており、
    前記外装ケースの内部において、該外装ケースの長手方向に、前記二次電池と回路基板とが並べて配置されてなることを特徴とする携帯式電源装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一に記載の携帯型電源装置であって、
    前記二次電池を複数備えると共に、各二次電池は、前記外装ケース内で、該外装ケースの長手方向に同じ姿勢で並べて配置されてなることを特徴とする携帯型電源装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一に記載の携帯型電源装置であって、
    前記外装ケースの開口部分を閉塞する樹脂製端面板に、端子開口を設けており、
    さらに前記端面板は、前記端子開口から内面側に、前記外装ケースの長手方向に延長された開口リブを形成してなることを特徴とする携帯型電源装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一に記載の携帯型電源装置であって、
    前記外装ケースがアルミニウムの絞り出し加工で形成されてなることを特徴とする携帯型電源装置。
  7. 請求項1から6のいずれか一に記載の携帯型電源装置であって、
    前記給電端子(50)が、規格化された電源コネクタであることを特徴とする携帯型電源装置。
  8. 請求項7に記載の携帯型電源装置であって、
    前記給電端子(50)が、USB端子であることを特徴とする携帯型電源装置。
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