JP2014066808A - フィードバック装置および楽器 - Google Patents

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Abstract

【課題】楽器の音響振動をフィードバックする技術を提供する。
【解決手段】楽器GTの音響振動をフィードバックするフィードバック装置20であって、楽器の音響振動に基づく電気信号を、フィードバック信号として入力する入力部C5と、入力されたフィードバック信号によって振動し、該振動を直接的に前記楽器の筐体12に付与する磁歪素子28とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、楽器の音響振動をフィードバックする技術に関する。
従来、楽器から出力される音(音響振動)に所定の効果を付与する技術が知られている(例えば、特許文献1)。下記特許文献1には、楽器から出力される音響振動に対応する電気信号の波形を人工的に加工する技術が記載されている。
特表2005−503694号公報
しかし、上記特許文献1のように、音響振動に対応する波形を人工的に加工し出力した音響振動は、楽器本来の自然な音(以下、自然音とも呼ぶ)から乖離した音となっている場合が多く、人間には不自然な音として認識されてしまうといった問題が指摘されていた。また、楽器から出力される音を人工的に加工して音質の改善をする場合においても、極力自然音に近い範囲で改善したいという要望があった。
その他、例えば、エレキギター(電気ギター)や、エレキベースなど、音響振動を増幅器(アンプ)を介して出力することを通常の使用方法としている楽器の場合、楽器とは別に、増幅器とスピーカーとを備える所謂アンプスピーカーを用意する必要があり、楽器を演奏するに当たり、準備の手間、高コスト化、大型化と言った問題が指摘されていた。
さらに、楽器の構造上の何らかの要因により、音響振動を発生させた時に、ユーザーが、音の立ち上がりが悪いと感じたり、音が貧弱であると感じると言った問題が指摘されていた。またエレキギターにおいては、ピックアップを装着してアンプスピーカーを用いて音響振動を出力しても、あるいは、マイクで集音してプリアンプを介して音響振動を出力させても、音の立ち上がりの問題や、音の貧弱さの問題は改善できない場合があった。
エレキギターによって行うフィードバック奏法は、通常は、空気伝搬振動で筐体を震わせて行う奏法であるが、アンプスピーカーを用いた比較的大きな音量によって行う必要があり、周囲への影響を考慮した場合、フィードバック奏法を行える環境に制限があった。
上記問題はギターに限らず、金管楽器、木管楽器、打楽器、鍵盤楽器など、楽器全般に共通する問題であった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、楽器の音響振動をフィードバックするフィードバック装置が提供される。このフィードバック装置は、前記楽器の音響振動に基づく電気信号を、フィードバック信号として入力する入力部と;前記入力されたフィードバック信号によって振動し、該振動を直接的に前記楽器の筐体に付与する磁歪素子と;を備える。このフィードバック装置によれば、フィードバック信号を、磁歪素子による振動として直接的に楽器の筐体に付与することによって、楽器筐体による音響振動を目的周波数まで加速補助し共鳴度を高めることができる。
(2)上記形態のフィードバック装置において、さらに、前記フィードバック信号とは異なる電気信号であるエフェクト信号を、前記フィードバック信号と共に前記磁歪素子に入力するエフェクト信号入力部を備えるとしてもよい。このフィードバック装置によれば、フィードバック信号と共にエフェクト信号を、磁歪素子による振動として直接的に楽器の筐体に付与し、楽器の筐体からの音響振動として空間に出力することができる。
(3)上記形態のフィードバック装置において、前記エフェクト信号は、10khz以上の一定の周波数の電気信号であるとしてもよい。このフィードバック装置によれば、10khz以上の一定の周波数で楽器の筐体を予備振動させることになる。従って、楽器の音響振動に対して、楽器筐体を共鳴させるための初振動をさせやすくし、音の立ち上がりや倍音を増強することができる。
(4)上記形態のフィードバック装置において、さらに、前記入力部が入力したフィードバック信号を加工して、前記磁歪素子に入力する信号加工部を備えるとしてもよい。このフィードバック装置によれば、加工したフィードバック信号を、磁歪素子による振動として直接的に楽器の筐体に付与し、楽器の筐体の振動として空間に出力することができる。フィードバック信号の加工としては、例えば、トーンの調整やオーバードライブを目的とした加工を行うことができる。
(5)上記形態のフィードバック装置において、前記磁歪素子に換えて電歪素子を備えるとしてもよい。このフィードバック装置によると、磁歪素子に換えて電歪素子を備えるので、低コスト化、小型化、軽量化することができる。また、外部からの磁場による素子の動作への影響を回避することができる。
(6)上記形態のフィードバック装置において、前記楽器はギターであるとしてもよい。このフィードバック装置によると、ギターの弦の音響振動に基づくフィードバック信号を、振動として直接的にギターの筐体に付与し、筐体からの音響振動として空間に出力することができる。
(7)上記形態のフィードバック装置において、さらに、前記磁歪素子または前記電歪素子を前記楽器の筐体に押圧した状態で固定する固定部を備えるとしてもよい。このフィードバック装置によると、フィードバック装置を使用する際に、簡易に前記磁歪素子または前記電歪素子を楽器に固定して使用することができる。
(8)また、本発明の他の形態によれば、楽器が提供される。この楽器は、当該楽器の音響振動に基づく電気信号を、フィードバック信号として入力する入力部と;前記入力されたフィードバック信号によって振動し、該振動を直接的に当該楽器の筐体に付与する磁歪素子と;を備える。この楽器によれば、フィードバック信号を、磁歪素子による振動として直接的に楽器の筐体に付与し、楽器の共鳴能力を高め、倍音を強化し、音の立ち上がりや、明瞭度を高めることができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、フィードバック方法、音響振動出力装置、音響振動出力方法などの形態で実現することができる。
フィードバックシステム10を説明する説明図である。 フィードバック装置20を説明する説明図である。 フィードバックシステム10の原理を説明するブロック図である。 フィードバック装置20の効果について説明する説明図である。 フィードバックシステム60について説明する説明図である。 サックスSXに対するフィードバック装置20の効果を説明する説明図である。 ソリッドギターSLGTに対するフィードバック装置20の効果を説明する説明図である。 変形例3を説明する説明図である。
A.第1実施形態:
(A1)システム構成:
図1は、本発明における第1実施形態としてのフィードバック装置を用いたフィードバックシステム10を説明する説明図である。フィードバックシステム10は、楽器としてのギターGTと、ギターGTの筐体12に取り付けられたフィードバック装置20とを備える。
ギターGTは、筐体12が共鳴箱として構成されており、ギター弦STの振動を筐体12で共鳴させて音響振動を出力する。さらに、ギターGTは、電気ギターとしても機能する。具体的には、ピックアップPICでギター弦STの振動を検知し、電気信号に変換する。そして、変換した電気信号を、ギターGTとは別に用意した所謂アンプスピーカーに出力して増幅する。このようにして、ギター弦STの振動を、アンプスピーカーから音響振動として出力する。アンプスピーカーから音響振動を出力する場合には、出力部13とアンプスピーカーとを所定のケーブルで接続する。そして、ピックアップPICで検知して変換された電気信号は、出力部13から出力され、アンプスピーカーに入力される。なお、本実施形態においては、アンプスピーカーは用いない。出力部13とフィードバック装置20とがケーブルCBによって接続されており、ギター弦STの振動に基づく電気信号は、ケーブルCBを介してフィードバック装置20に入力される。
フィードバック装置20は、ギターGTが出力した音響振動を再びギターGTにフィードバックする装置である。フィードバック装置20は筐体12に着脱可能であり、ギターGTを使用する際に、筐体12の周縁の任意の位置に取り付けて用いる。以下、フィードバック装置20の構造について説明する。
(A2)フィードバック装置の構造:
図2は、フィードバック装置20の構造を説明する説明図である。図2(A)は、筐体12の表面12aと裏面12bとを挟持して固定された状態のフィードバック装置20を示している。表面12aとは、筐体12においてギター弦STやピックアップPICを有する面である。裏面12bは、表面12aと反対側の面である。図2(B)は、図2(A)におけるX方向からのフィードバック装置20を示すX方向矢視図である。図2(C)は、Y方向からのフィードバック装置20を示すY方向矢視図である。
フィードバック装置20は、入力された電気信号によって振動する磁歪素子28と、磁歪素子28が固定されるL字部材30と、磁歪素子28とL字部材30とを固定する固定ネジ31と、L字部材30と接着によって一体化している筐体32と、筐体32に対してスライド可能なスライドアーム34と、スライドアーム34を筐体32に固定する固定ネジ35と、スライドアーム34における筐体12との当接面側に設けられたクッションゴム36とを備える。筐体32は、フィードバック装置20の動作をユーザーが制御するための総合ボリュームダイヤルS1と、トーンダイヤルS2と、オーバードライブスイッチS3と、エフェクト信号ボリュームダイヤルS4と、電源スイッチS5とを備える。また、筐体32は、外部エフェクター装置信号入力部C1と、外部エフェクター装置信号出力部C2と、マイク入力部C3と、外部アンプ出力部C4と、ギター信号入力部C5とを備える。
磁歪素子28は、入力された電気信号によって歪む磁歪振動子22と、磁歪振動子22に磁場を付与するコイルケース24と、コイルケース24をL字部材30に固定するための支持部材26とを備える。磁歪素子28は、入力される電気信号に応じて磁歪振動子22を振動させる。磁歪素子28の原理および構造については周知の技術であるので説明は省略する。磁歪振動子22は、スライドアーム34およびクッションゴム36によって、筐体12に押圧した状態で固定されている。ケーブルCBからの電気信号が磁歪素子28に入力されると、磁歪振動子22が振動し、その振動は筐体12に伝達し、筐体12が振動する。ギターGTおよびフィードバック装置20における電気信号の流れについては後で詳しく説明する。
図2(C)に示すように、筐体32には、固定ネジ35が螺合し、スライドアーム34を固定している。筐体12にフィードバック装置20を取り付ける際には、固定ネジ35を緩め、筐体12の肉厚方向の長さに応じてスライドアーム34の長さを調整し、スライドアーム34と磁歪振動子22とで筐体12を挟持し、磁歪振動子22が筐体12に押圧された状態で固定ネジ35を締め付ける。なお、支持部材26とL字部材30との間にバネワッシャーや弾性ゴム部材を設置し、筐体12への磁歪振動子22の押圧力を高めるとしてもよい。以上、フィードバック装置20の構造について説明した。
(A3)音響振動のフィードバックの原理:
次に、フィードバックシステム10において、ギターGTの音響振動がフィードバックする原理について説明する。図3は、ギターGTおよびフィードバック装置20の構成を示すブロック図である。ギターGTは、ギター弦STの振動を電気信号に変換するピックアップPICと、電気信号を外部を出力するための出力部13とを備える。ギターGTには、ボリュームやトーンを操作するための操作部が別途設けられており(図示省略)、ユーザーによる操作に応じてピックアップPICからの電気信号の増幅や波形の加工を行い、出力部13に出力する。出力部13から出力された電気信号は、ケーブルCBを介してフィードバック装置20に入力される。
フィードバック装置20は、ケーブルCBからの電気信号を入力するギター信号入力部C5と、入力された電気信号の増幅を行うバッファーアンプ41と、一定周波数(本実施例では20kHz)のサイン波の電気信号(以下、エフェクト信号とも呼ぶ)を出力する発振回路42と、バッファーアンプ41と発振回路42からの電気信号を受け、合成した電気信号(以下、合成電気信号とも呼ぶ)を磁歪素子28に出力する磁歪素子作動用アンプ43(出力1W程度)とを備える。磁歪素子28は、磁歪素子作動用アンプ43から入力された電気信号に応じで振動し、その振動をギターGTの筐体12に直接的に付与する。磁歪素子28から振動が付与された筐体12は、音響空間に音響振動を発する。以下、説明の便宜上、ギター弦STの振動によって共鳴箱としての筐体12が直接に音響空間に発する音響振動をリアル音響振動RLVと呼び、フィードバック装置20から付与された振動によって筐体12が発する音響振動をフィードバック音響振動FBVと呼び、区別する。
筐体12は、ギター弦STの振動に基づいて、共鳴箱の機能としてリアル音響振動RLVを音響空間に発するとともに、フィードバック装置20から付与された振動によるフィードバック音響振動FBVを音響空間に発する。すなわち、フィードバック装置20を取り付けない場合と比較して、フィードバック音響振動FBVの分だけ多く筐体12は音響振動を出力するので、人間の聴覚が認識する音としても、音量が増加して認識される。フィードバック装置20によって筐体12に付与されたフィードバック音響振動FBVは、さらにピックアップPICによって検出され、再びフィードバック装置20に入力される。このように、ギター弦STからの音響振動は、正帰還でフィードバックする。
フィードバック装置20は、ギターGTから入力された電気信号(フィードバック信号)を、バッファーアンプ41で増幅して外部のアンプスピーカーに出力するための外部アンプ出力部C4を備える。また、フィードバック装置20は、外部のマイクによる音声信号をバッファーアンプ41に入力するためのマイク入力部C3を備える。例えば、クラッシックギターやサックスなど、楽器の音響振動を電気信号に変換する変換部を備えない楽器には、マイクを介して楽器の音響振動を集音し、フィードバック信号としてマイク入力部C3から入力する。この場合は、ギター信号入力部C5にはケーブルCBは接続されない。
またフィードバック装置20には、バッファーアンプ41が出力した電気信号を、外部のエフェクター装置(図示省略)を介して磁歪素子作動用アンプ43に入力するためのエフェクター装置用ループ回路LPCを備える。エフェクター装置用ループ回路LPCには、バッファーアンプ41から外部エフェクター装置に電気信号を出力する外部エフェクター装置信号出力部C2と、外部エフェクター装置からの電気信号を磁歪素子作動用アンプ43に入力するための外部エフェクター装置信号入力部C1とを備える。
外部エフェクター装置信号入力部C1および外部エフェクター装置信号出力部C2には、例えば、イコライザー、ディストーション、コーラスなどの外部エフェクター装置が接続され、バッファーアンプ41から出力された電気信号の波形を加工し、磁歪素子作動用アンプ43に入力する。
また、上述したように、フィードバック装置20は総合ボリュームダイヤルS1と、トーンダイヤルS2と、オーバードライブスイッチS3と、エフェクト信号ボリュームダイヤルS4と、電源スイッチS5とを備える。
磁歪素子作動用アンプ43は、ユーザーによる総合ボリュームダイヤルS1の操作に応じて、バッファーアンプ41からのフィードバック信号と発振回路42からのエフェクト信号とを合成電気信号を増幅し、磁歪素子28に出力する。また、磁歪素子作動用アンプ43は、音調を調整するトーン機能とオーバードライブ機能とを有する。磁歪素子作動用アンプ43は、ユーザーによるトーンダイヤルS2の操作に応じてフィードバック信号の波形を加工し、フィードバック音響振動FBVの音調を調整する。磁歪素子作動用アンプ43は、ユーザーによるオーバードライブスイッチS3の操作に応じてフィードバック音響振動FBVの歪ませる度合いを決定し、バッファーアンプ41から入力された電気信号の波形を歪ませる。これらトーン機能およびオーバードライブ機能は、磁歪素子作動用アンプ43が備える波形加工用の電子回路によって実現される。
また、発振回路42は、ユーザーによるエフェクト信号ボリュームダイヤルS4の操作に応じてエフェクト信号の大きさを調整し磁歪素子作動用アンプ43に入力する。また、フィードバック装置20は、図示しない電源(1W程度)を備え、ユーザーが電源スイッチS5をONにすることで、フィードバック装置20が備える電子回路に電源から電力が供給される。電源としては、例えば乾電池を採用することができる。
(A4)フィードバック装置20の効果:
図4は、フィードバック装置20の効果について説明する説明図である。図4(A)は、ギターGTにフィードバック装置20を取り付け(以下、単に「フィードバック有り」とも呼ぶ)、かつ、発振回路42(図3参照)からエフェクト信号を磁歪素子作動用アンプ43に入力し、ギター弦STの第1弦(5フレット)を弾奏したときの音を、計測用マイクで集音しスペクトル解析した結果を示している。本実施形態においては、発振回路42から、エフェクト信号として、20kHzのサイン波の電気信号を磁歪素子作動用アンプ43に入力する。
図4(B)は、ギターGTにフィードバック装置20を取り付けて、ギター弦STの第1弦(5フレット)を弾奏したときの音をマイクで集音しスペクトル解析した結果を示している。エフェクト信号は入力していない。
図4(C)は、比較例として、フィードバック装置20を取り付けずに(以下、単に「フィードバック無し」とも呼ぶ)、ギター弦STの第1弦(5フレット)を弾奏したときの音を計測用マイクで集音しスペクトル解析した結果を示している。フィードバック装置20は取り付けていない。
各解析結果は、1回のギター弦STの弾奏における音響振動の、各周波数成分の実効値を示している。具体的には、1回のギター弦STの弾奏における音響振動の、所定の一定時間における各周波数成分の平均値を示している。各図の横軸は周波数(単位:Hz)を示し、縦軸は各周波数成分のエネルギー値(単位:dB)を示す。また、図には、図4(A),(B),(C)の比較を行いやすくするため、垂直補助線VL1〜VL3、および、水平補助線HL1〜HL6を付している。なお、水平補助線HL1,HL3,HL5は、それぞれ同じエネルギー値を示し、水平補助線HL2,HL4,HL6は、それぞれ同じエネルギー値を示す。
図4(A),(B),(C)における垂直補助線VL1に見られるピークは、第1弦(5フレット)の基音の周波数成分に対応する。図4(A),(B),(C)における垂直補助線VL2、VL3に見られる各ピークは、それぞれ、基音の2倍音、3倍音の周波数成分に対応する。同様に、図中の垂直補助線VL3よりも高周波側に見られる各ピークは、4倍音、5倍音・・・といったように、倍音の周波数成分に対応する。
(A4−1)フィードバックの効果:
フィードバック装置20によるフィードバック効果について説明する。図4(B)と図4(C)との比較から分かるように、フィードバック有りの音響振動は、フィードバック無しの音響振動と比較して、基音および倍音の周波数成分のエネルギー値が大きくなっている。特に、基音(垂直補助線VL1)および2倍音(垂直補助線VL2)については、フィードバック有りとフィードバック無しとの間で、エネルギー値の違いが顕著に見られる。また、フィードバック有りの音響振動は、フィードバック無しの音響振動と比較して、基音および各倍音のピーク間の周波数成分(以下、非倍音周波数成分とも呼ぶ)のエネルギー値が小さくなっている。フィードバック音響振動FBVによって、非倍音周波数成分が相殺されたものと考えられる。人間の聴覚への影響としては、フィードバック有りの音が、フィードバック無しの音と比較して、濁りの少ない粒だった明瞭な音(クリアな音)として認識されることが確認された。
さらに、フィードバック有りの1回の弾奏と、フィードバック無しの1回の弾奏における、音響振動の減衰についても、フィードバック有りにおける音響振動は、フィードバック装置20によるフィードバック効果によって、フィードバック無しの音響振動と比較して、所定の音量に減衰するまでの時間が長いことが測定された。すなわち、フィードバック有りの音響振動は減衰しにくく、人間の聴覚には、余韻のある音として認識されることが確認された。
(A4−2)エフェクト信号の効果:
次に、発振回路42(図3参照)から磁歪素子作動用アンプ43にエフェクト信号(20kHzサイン波)を入力した場合の効果について説明する。図4(A)と図4(B)との比較から分かるように、エフェクト信号を入力した場合の音響振動の方が、エフェクト信号を入力しない場合と比較して、3倍音より高周波の倍音のエネルギー値が高いことが分かる。これは、筐体12にエフェクト信号に基づく高周波の付与により、筐体12が高周波で振動し、敏感に共鳴しやすい状態になっていることに起因していると考えられる。予めエフェクト信号により、高周波の振動をしている筐体12は、ギター弦STによる音響振動に対して初動振動をし易い状態になっており、ギター弦STを弾奏すると、その目的周波数に素早く到達し、音の立ち上がりを加速すると考えられる。人間の聴覚には、広がりのある音として認識されることが確認された。
以上説明したように、フィードバック装置20はギターの基音および倍音のエネルギー値を増加させることができる。また、非倍音周波数成分のエネルギー値を相対的に低減することができる。従って、音響空間に発せられる音は、楽器個体の源音に忠実であり、人工音的にはならず、極めて自然音に近い状態を保って基音および倍音を明瞭にした音とすることができる。
また、フィードバックシステム10は、フィードバック効果によって、ギターGT→フィードバック装置20→ギターGTといったように音響振動を空気を介さずに直接的にフィードバックさせるので、ギターGTから発音させた音響振動の減衰を抑制し、残響効果を奏することができる。さらに、フィードバック装置20は、総合ボリュームダイヤルS1によって、合成電気信号の増幅率を制御可能であり、フィードバック効果の度合いを制御することができる。
また、フィードバック装置20は、磁歪素子作動用アンプ43のトーン機能やオーバードライブ機能によって、フィードバック信号の波形を制御可能である。具体的には、音響振動の歪ませたり、高音または低音を抑制するといった音調を調整するなど、筐体12自体から発せられるフィードバック音響振動FBVの波形を制御することができる。従って、ユーザーの所望のフィードバック音響振動FBVを生成させることができる。
さらに、フィードバック装置20は、フィードバック信号に加えて、発振回路42によって、エフェクト信号を振動として筐体12に付与することができる。また、ユーザーはエフェクト信号ボリュームダイヤルS4を操作することによって、ギターGTの筐体12の共鳴の度合いを制御することができる。具体的には、本実施形態においては、エフェクト信号として20kHzの高周波を入力することによって、筐体12を共鳴しやすい状態にすることができ、倍音の高周波成分のエネルギー値を増加させることができる。また、エフェクト信号ボリュームダイヤルS4によって、倍音の増加の割合を制御することができる。このように、エフェクト信号によって筐体12を振動させることにより、ギターGTからの音響振動を人間が聴覚をもって認識した際には、自然音に近い状態を保ちつつ、広がりをもった音として認識することができる。
また、フィードバック装置20は、エフェクター装置用ループ回路LPCを備えるので、ユーザーの所望の外部エフェクター装置によってフィードバック信号を加工することができる。またこの場合、エフェクター装置用ループ回路LPCに接続する外部エフェクター装置は1つに限らず、通常の外部エフェクター装置の使用方法と同様に、複数個を接続するとしてもよい。
また、フィードバック装置20によって、筐体12から出力される音の音量が、フィードバック装置20を取り付けない場合と比較して増加する。すなわち、フィードバック装置20は、所謂アンプスピーカーとしての機能を有する。また、総合ボリュームダイヤルS1を操作することによって、その音量の調整が可能である。結果として、電気ギターで行われるフィードバック奏法を、フィードバック装置20による音響振動のフィードバック効果によって行うことが可能である。よって、アンプスピーカーの有無に関わらず、フィードバック奏法を行うことができる。結果として、フィードバック奏法を行う環境制限を取り除くことができる。よって、アンプスピーカーを用いる場合と比較して、用意する手間が省け、小型、軽量、低コストで、ギターGTから出力される音の増幅を行うことができる。
B.第2実施形態:
本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態においては、フィードバック装置20をサックスに取り付けた。図5は、第2実施形態におけるフィードバックシステム60について説明する説明図である。図示するように、フィードバックシステム60は、サックスSXと、サックスSXの筐体62におけるネック部NCに取り付けられたフィードバック装置20と、筐体62におけるベル部BLに取り付けられたマイクMCとを備える。フィードバック装置20とマイクMCとはケーブルCBで接続されている。また、ケーブルCBは、フィードバック装置20のマイク入力部C3に接続される。
ユーザーがサックスSXを吹くことによって、ベル部BLから音響振動(リアル音響振動RLV)が発生する。マイクMCは、ベル部BLから発生したリアル音響振動RLVを取得して電気信号に変換し、ケーブルCBを介してフィードバック装置20に入力する。フィードバック装置20は、マイクMCからの電気信号を増幅して、磁歪素子28に入力する(図3参照)。磁歪素子28は、入力された電気信号を振動として筐体62に付与する。筐体62は、フィードバック装置20から付与された振動を音響振動(フィードバック音響振動FBV)として音響空間に発する。また、本実施形態においては、フィードバック装置20はネック部NCに取り付けられており、ユーザーがサックスSXのマウスピースを介して発生させた空気振動にさらに振動を加える。よって、ベル部BLから発生する音響振動にも、フィードバック音響振動FBVが加えられることになる。
次に、サックスSXに対するフィードバック装置20の効果について説明する。図6は、サックスSXに対するフィードバック装置20の効果を説明する説明図である。図6(A)は、サックスSXにフィードバック装置20を取り付け、ユーザーがサックスSXを吹いて発生させた所定の音を、計測用マイク(マイクMCとは別のマイク)で集音し、スペクトル解析した結果を示している。図6(B)は、フィードバック装置20を取り付けずに、ユーザーがサックスSXを吹いて発生させた所定の音を、計測用マイクで集音し、スペクトル解析した結果を示している。また、図6には、図6(A),(B)の比較を行いやすくするため、垂直補助線VL4〜VL7、および、水平補助線HL7〜HL10を付している。なお、水平補助線HL7,HL9は、それぞれ同じエネルギー値を示し、水平補助線HL8,HL10は、それぞれ同じエネルギー値を示す。
図6(A)と図6(B)との比較から分かるように、フィードバック有りの音響振動は、フィードバック無しの音響振動と比較して、垂直補助線VL6から垂直補助線VL7の範囲の周波数成分のエネルギー値が高くなっていることが分かる。人間の聴覚への影響としては、フィードバック有りの音が、フィードバック無しの音と比較して、まろやかにして明瞭感があり、広がりをもった音として認識されることが確認された。
C.第3実施形態:
本発明における第3実施形態について説明する。第3実施形態は、共鳴箱を備えないギター(以下、ソリッドギターSLGTとも呼ぶ)にフィードバック装置20を取り付ける。図1で説明した第1実施形態との違いは、共鳴箱の有無のみであるので、システム構成や、原理についての説明は省略する。説明において用いる符号も第1実施形態と同じ符号を用いる。また、本実施形態においては、ソリッドギターSLGTによって発生させた音響振動は、アンプスピーカーでの増幅は行わない。すなわち、ソリッドギターSLGTのギター弦STの振動は、ピックアップPICによって電気信号に変換され、出力部13を介してフィードバック装置20に入力される(図3参照)。フィードバック装置20にフィードバック信号として入力された電気信号は、バッファーアンプ41および磁歪素子作動用アンプ43を介して磁歪素子28に入力され、振動として筐体12に付与される。
図7は、ソリッドギターSLGTに対するフィードバック装置20の効果を説明する説明図である。図7(A)は、ソリッドギターSLGTにフィードバック装置20を取り付け、ギター弦STの第1弦(5フレット)を弾奏したときの音を計測用マイクで集音しスペクトル解析した結果を示している。図7(B)は、比較例として、フィードバック装置20を取り付けずに、ソリッドギターSLGTのギター弦STの第1弦(5フレット)を弾奏したときの音をマイクで集音しスペクトル解析した結果を示している。
また、図には、図7(A),(B)の比較を行いやすくするため、垂直補助線VL8〜VL10、および、水平補助線HL11〜HL14を付している。なお、水平補助線HL11,HL13は、それぞれ同じエネルギー値を示し、水平補助線HL12,HL14は、それぞれ同じエネルギー値を示す。図7(A),(B)における垂直補助線VL8に見られるピークは、第1弦(5フレット)の基音の周波数成分に対応する。図7(A),(B)における垂直補助線VL9、VL10に見られる各ピークは、基音の2倍音、3倍音の周波数成分に対応する。
図7(A)と図7(B)との比較から分かるように、フィードバック有りの音響振動は、フィードバック無しの音響振動と比較して、基音および倍音の周波数成分のエネルギー値が高い。特に、基音(VL8)、2倍音(VL9)、および3倍音(VL10)においては、その効果が顕著に表れている。また、3倍音より高周波側の倍音の周波数成分においても、フィードバック有りの音響振動は、フィードバック無しの音響振動と比較して、倍音の周波数成分のエネルギー値が高い。すなわち、フィードバック装置20は、音の立ち上がりを加速させ、かつ、音のボリュームを増大させることができる。
また、磁歪素子作動用アンプ43によって、筐体12から出力する音響振動の大きさや、音質の変更を行うことも可能である。さらに、オーバードライブスイッチS3をONにすることによって、フィードバック奏法を行うことも可能である。従って、ソリッドギターSLGT(エレキギター)の音の出力に通常用いるアンプスピーカーと同様の効果を、フィードバック装置20と筐体12によって実現することができる。つまり、フィードバック装置20は、通常のアンプスピーカーと同様の機能の実現を、より小型、軽量、低コストで実現することを可能とする。さらに、フィードバック装置20はエフェクター装置用ループ回路LPCを備えるので、フィードバック信号を、外部エフェクター装置で加工することも可能である。
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施形態や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(D1)変形例1:
上記実施形態においては、磁歪素子28が楽器に付与する振動には、少なくともフィードバック信号に対応する振動を含んでいたが、それに限らず、磁歪素子28が楽器に付与する振動に、エフェクト信号に対応する振動は含まれるが、フィードバック信号に対応する振動は含まれない構成としてもよい。すなわち、磁歪素子28には、発振回路42からエフェクト信号を入力し、バッファーアンプ41からはフィードバック信号は入力しない。このような構成を採用して、上記第1実施形態で説明したエフェクト信号による効果のみを得るとしてもよい。
このような態様は、例えば、以下の構成として実現することができる。すなわち、楽器の筐体の共振を増強させる共振増強装置であって、10khz以上の周波数の電気信号を生成する電気信号生成部と、前記電気信号を入力して振動し、該振動を直接的に前記楽器の筐体に付与する磁歪素子とを備える共振増強装置として実現することができる。
具体的な共振増強装置の構成としては、図3において説明すると、発振回路42と、磁歪素子作動用アンプ43と、磁歪素子28と筐体32と電源とを備えることによって実現することができる。したがって、例えば、バッファーアンプ41や、外部エフェクター装置信号入力部C1や、外部エフェクター装置信号出力部C2や、マイク入力部C3や、外部アンプ出力部C4や、ギター信号入力部C5は、それぞれ、必要に応じて備えるものとしてもよいし、備えないものとしてもよい。また、発振回路42を備えずに外部からエフェクト信号を入力するとしてもよい。さらに、エフェクト信号は、10kHz以上の周波数であれば、上記実施形態で示した20kHzや、ピンクノイズ特性を有するものなど、任意の信号を採用することができる。また、共振増強装置単体として実現するとしてもよいし、当初から共振増強装置に相当する構成を備えた楽器として実現するとしてもよい。
このようにすることで、エフェクト信号による効果を得ることができる。つまり、共振増強装置を楽器の筐体に取り付けることによって、楽器筐体を高周波で振動させ、楽器の音響振動に対して初動振動をし易い状態にすることができる。例えば共振増強装置をギターに取り付けた場合、ギター弦STを弾奏すると、楽器筐体の振動が、音響振動に対する目的周波数に素早く到達し、楽器の音の立ち上がりを加速することができる。特に、エフェクト信号として20kHz以上の周波数の信号を採用した場合には、人間の聴覚では認識できない程度の周波数であるので、聴覚へ影響を与えずに筐体の共振を増加させることができる。また、実験においても、特に20kHzの一定周波数のエフェクト信号は、倍音を増強し、かつ、明瞭感のある音として人間の聴覚で認識されることが確認された。
(D2)変形例2:
上記実施形態においては、楽器として、ギターGT、サックスSX、ソリッドギターSLGTを採用したが、それに限ることなく、種々の楽器を採用することができる。例えば、トロンボーン、トランペット、チューバ、ホルンなどの金管楽器や、クラリネット、オーボエ、フルートなどの木管楽器や、バイオリン、チェロ、コントラバス、バンジョー、ベースギターなどの弦楽器や、スネアドラム、バスドラム、ティンパニー、マリンバなどの打楽器、ピアノやチェンバロなどの鍵盤楽器を採用するとしてもよい。また、ハーモニカにも適用可能である。このようにしても、フィードバック装置20によるフィードバック効果、および、音響振動の増幅、音の立ち上がりの明瞭化などの効果を得ることができる。
(D3)変形例3:
楽器におけるフィードバック装置20を取り付ける位置は、上記実施形態で説明した位置に限らず種々の位置に取り付けることができる。図8は、ギターGT(図8(A))およびサックスSX(図8(B))におけるフィードバック装置20を取り付けることができる位置の具体例を示している。図の破線の円形で示す位置にフィードバック装置20を取り付けることが可能である。特に、ギターであれば筐体の縁に近い位置、サックスなどの管楽器であればマウスピースに近い位置は、筐体の音響振動幅の小さな部分であり、磁歪素子28の振動特性(振動幅)と適合する位置である。このような位置に取り付けることによって、フィードバック装置20は楽器筐体の音響振動を阻害せず、最適なフィードバック効果を発揮することができる。もとより、楽器の他の位置にフィードバック装置20を取り付けても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
(D4)変形例4:
上記実施形態においては、エフェクト信号として、20kHzの高周波の電気信号を採用したが、それに限らず、種々のエフェクト信号を採用するとしてもよい。ギターGTに対してフィードバック装置20を取り付け、10kHzの一定周波数のエフェクト信号を入力して、条規実施形態と同様にギター弦STの音響振動のスペクトル解析を行ったところ、上記実施形態と同様に、倍音の周波数成分のエネルギー値の増大が見られた。エフェクト信号として、少なくとも10kHz以上の一定周波数の電気信号を採用した場合には、音の周波数成分のエネルギー値が増大が見られる。また、エフェクト信号としてピンクノイズ特性を有する電気信号を採用するとしてもよい。
(D5)変形例5:
上記実施形態において用いた磁歪素子に換えて、電歪素子(ピエゾ素子)を採用するとしてもよい。磁歪素子と比較して低コスト化、小型化、軽量化を実現することができる。また、外部からの磁場による素子の動作への影響を回避することができる。
(D6)変形例6:
上記実施形態においては、楽器から発せられるリアル音響振動RLVを取得して電気信号に変換する方法として、ピックアップPICやマイクMCを用いたが、それに限ることなく他の方法によってリアル音響振動RLVを取得し、電気信号に変換するとしてもよい。例えば、振動を電気信号に変換する電歪素子を用いるとしてもよい。具体的には、楽器の筐体にリアル音響振動RLV取得用の電歪素子を取り付け、リアル音響振動RLVによる楽器の筐体の振動を電歪素子によって電気信号に変換するとしてもよい。このようにすることで、空気を介さずに楽器から直接的にリアル音響振動RLVを取得し、電気信号に変換することができる。
(D7)変形例7:
上記実施形態においては、フィードバック装置は、楽器の筐体に取り付ける態様としたが、これに限ることなく、フィードバック装置が楽器筐体内に備える態様としてもよい。例えば、ソリッドギターであれば、筐体の裏面(弦を有しない面)に、フィードバック装置を埋め込むための凹部を設け、凹部にフィードバック装置の構成を埋め込むとしてもよい。フィードバック装置を埋め込んだ後の凹部は裏蓋を取り付けて、ユーザーが楽器使用時に接触しないようにする。このようにすることで、フィードバック機能を有する楽器として構成することができる。この場合、ユーザーまたは聴講者は、フィードバック装置の存在を視覚で認識することなく、フィードバック装置による効果を実感することができる。
(D8)変形例8:
上記実施形態においては、マイクMC(又は、出力部13)とフィードバック装置20とは有線(ケーブルCB)で接続したが、無線によって接続するとしてもよい。例えば、無線として、赤外線通信やブルートゥースやWi−Fiを採用することができる。具体的には、マイクMC(又は、出力部13)に、無線発振機を接続し、フィードバック装置20に無線受信機を接続する。そして、マイクMC(又は、出力部13)から出力される電気信号に対応する無線電波を、無線発振機から無線受信機に送信する。そして、無線受信機が受信した電波を電気信号に変換し、フィードバック装置20に入力する。このようにすることで、ケーブルCBを不要とし、ユーザーが楽器を使用する際にケーブルCBによって行動を制限されることを抑制することができる。大型の楽器にフィードバック装置20を取り付けた際など、マイクMC(又は、出力部13)とフィードバック装置20との距離が長い場合にでも、その距離に制限されることなくフィードバック装置20を使用することができる。
(D9)変形例9:
上記実施形態においては、マイク入力部C3またはギター信号入力部C5のいずれか一方から電気信号を入力するとしたが、それに限らず、同時に、2つの入力部から電気信号を入力するとしてもよい。例えば、ギター信号入力部C5には、フィードバック装置20を取り付けているギターからフィードバック信号を入力し、マイク入力部C3には、当該ギターと同時に演奏している周囲の楽器の音(例えば、ベース音やピアノ音)に対応する電気信号を入力するとしてもよい。または、ベースの演奏音やピアノの演奏音に相当するオーディオの音声信号をマイク入力部C3に入力するとしてもよい。マイク入力部C3に入力された信号によって、エフェクト信号による効果と同様の効果を得ることができる。
(D10)変形例10;
上記実施形態においては、フィードバック装置20は、エフェクター装置用ループ回路LPCを備えるとしたが、それに限ることなく、フィードバック装置20はエフェクター装置用ループ回路LPCを備えないものとしてもよい。
10…フィードバックシステム
12…筐体
12a…筐体表面
12b…筐体裏面
13…出力部
20…フィードバック装置
22…磁歪振動子
24…コイルケース
26…支持部材
28…磁歪素子
30…L字部材
31…固定ネジ
32…筐体
34…スライドアーム
35…固定ネジ
36…クッションゴム
41…バッファーアンプ
42…発振回路
43…磁歪素子作動用アンプ
60…フィードバックシステム
62…筐体
SLGT…ソリッドギター
CB…ケーブル
NC…ネック部
MC…マイク
BL…ベル部
GT…ギター
ST…ギター弦
SX…サックス
PIC…ピックアップ
LPC…エフェクター装置用ループ回路
FBV…フィードバック音響振動
RLV…リアル音響振動
C1…外部エフェクター装置信号入力部
C2…外部エフェクター装置信号出力部
C3…マイク入力部
C4…外部アンプ出力部
C5…ギター信号入力部
S1…総合ボリュームダイヤル
S2…トーンダイヤル
S3…オーバードライブスイッチ
S4…エフェクト信号ボリュームダイヤル
S5…電源スイッチ
VL1〜VL10…垂直補助線
HL1〜HL14…水平補助線

Claims (8)

  1. 楽器の音響振動をフィードバックするフィードバック装置であって、
    前記楽器の音響振動に基づく電気信号を、フィードバック信号として入力する入力部と、
    前記入力されたフィードバック信号によって振動し、該振動を直接的に前記楽器の筐体に付与する磁歪素子と
    を備えるフィードバック装置。
  2. 請求項1記載のフィードバック装置であって、さらに、
    前記フィードバック信号とは異なる電気信号であるエフェクト信号を、前記フィードバック信号と共に前記磁歪素子に入力するエフェクト信号入力部を備える
    フィードバック装置。
  3. 請求項2記載のフィードバック装置であって、
    前記エフェクト信号は、10khz以上の一定の周波数の電気信号である
    フィードバック装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一つに記載のフィードバック装置であって、さらに、
    前記入力部が入力したフィードバック信号を加工して、前記磁歪素子に入力する信号加工部を備える
    フィードバック装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一つに記載のフィードバック装置であって、
    前記磁歪素子に換えて電歪素子を備える
    フィードバック装置。
  6. 前記楽器はギターである請求項1から請求項5のいずれか一つに記載のフィードバック装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一つに記載のフィードバック装置であって、さらに、
    前記磁歪素子または前記電歪素子を前記楽器の筐体に押圧した状態で固定する固定部を備える
    フィードバック装置。
  8. 楽器であって、
    当該楽器の音響振動に基づく電気信号を、フィードバック信号として入力する入力部と、
    前記入力されたフィードバック信号によって振動し、該振動を直接的に当該楽器の筐体に付与する磁歪素子と
    を備える楽器。
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