JP2014066145A - タービン用部品、タービン、およびタービン用部品の製造方法 - Google Patents

タービン用部品、タービン、およびタービン用部品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】表面劣化の発生が抑制されたタービン用部品を提供する。
【解決手段】実施形態のタービン用部品は、タービンの構成部品である。実施形態のタービン用部品は、部品本体と、この部品本体の表面に設けられた酸化保護皮膜とを有する。部品本体は、Ni基超合金、Co基超合金、またはFe基超合金からなる。酸化保護皮膜は、部品本体の外面および内面から選ばれる少なくとも一方の表面に設けられている。また、酸化保護皮膜は、部品本体の表面の酸化により形成されたものである。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、タービン用部品、タービン、およびタービン用部品の製造方法に関する。
従来、発電用ガスタービンのような高温機器において、燃焼器、動翼、静翼等のタービン高温部品の外面には、例えばセラミックからなる遮熱コーティングを施すことで遮熱性または耐酸化性を確保している。一方、内面、例えば動翼や静翼の内部に設けられる冷却孔の内面には、物理的にセラミックからなる遮熱コーティングを施すことが容易でない。このため、遮熱コーティングを施さないで使用するか、アルミコーティング等の耐酸化コーティングを施して耐酸化性の向上を図っている。
高温・高圧タービンに代表されるCOタービンは、蒸気タービンまたはガスタービンと比較してエネルギ密度が高く、熱効率およびプラント効率が高い。COタービンの高温部品は、ガスタービンの高温部品と同様に過酷な温度にさらされることから、Ni基超合金、Co基超合金等から構成されている。温度的に最も過酷となる第1段の動翼および静翼では、外面側に1000℃程度の高温のCOが流れ、内面側、すなわち冷却孔側でも400℃程度のCOが流れる。
COタービンはエネルギ密度が高いことから、部品の大きさが極めて小さくなっている。これに伴って、部品の内部に設けられる冷却孔の大きさも小さくなっており、例えば冷却孔の孔径は一般に1〜3mmとなっており、アルミコーティング等の耐酸化コーティングを施すことが困難となっている。ガスタービンの場合、一般に冷却孔の孔径は小さくても2〜3mm程度である。アルミコーティング等の耐酸化コーティングを施さずに運転を行った場合、部品の表面に、酸化、浸炭、または窒化現象等による表面劣化が生じるおそれがある。
特開2003−120206号公報 特開平10−72658号公報
本発明の実施形態は、上記課題を解決するためになされたものであって、表面劣化の発生が抑制されたタービン用部品の提供を目的とする。また、本発明の実施形態は、このようなタービン用部品を有するタービンの提供を目的とする。さらに、本発明の実施形態は、このようなタービン用部品を製造するための製造方法の提供を目的とする。
実施形態のタービン用部品は、タービンの構成部品に関する。実施形態のタービン用部品は、部品本体と、この部品本体の表面に設けられた酸化保護皮膜とを有する。部品本体は、Ni基超合金、Co基超合金、またはFe基超合金からなる。酸化保護皮膜は、部品本体の外面および内面から選ばれる少なくとも一方の表面に設けられている。また、酸化保護皮膜は、部品本体の表面の酸化により形成されたものである。
COタービンの一実施形態を示す一部断面図。 COタービン用部品の一実施形態を示す一部断面図。 酸化保護皮膜を形成するための熱処理方法を説明する図。 COタービン用部品としての動翼の一実施形態を示す縦断面図。 図4に示す動翼のAA線矢視断面図。 COタービン用部品としてのタービンロータの一実施形態を示す外観図。 発電システムの一実施形態を示す構成図。 実施例における酸化試験の試験時間と試験片の重量との関係を示す図。
以下、実施形態について図面を参照して説明する。
なお、以下では、タービン用部品、タービン、およびタービン用部品の製造方法について、COタービン用部品、COタービン、COタービン用部品の製造方法を例に挙げて説明する。
図1は、COタービンの一実施形態を示す一部子午断面図である。
COタービン10は、例えば、ケーシング11内に、複数のロータディスク12を軸方向に有し、各ロータディスク12の周囲に動翼13が複数枚植設されたタービンロータ14が貫設されている。また、動翼13の前方には静翼15が配置されて、静翼15と動翼13とにより1つのタービン段落を構成している。また、静翼15は、シュラウドセグメント16、リテイニングリング17、サポートリング18を介してケーシング11に支持されている。このタービン段落は、燃焼ガスの流れ方向(図1の矢印方向)の上流側から下流側へ向かって、第1段落、第2段落、第3段落と称される。
COタービン10においては、図示しない燃焼器で、天然ガス等の燃料、酸素、およびCOを混合した状態で燃焼させて作動流体である燃焼ガスを発生させる。燃焼ガスは、図示しないトランジションピースを介して、静翼15および動翼13からなる複数のタービン段落を備えるタービン部に導入される。タービン部に導入された燃焼ガスは、タービン部で膨張し、動翼13が植設されたタービンロータ14を回転させる。このタービンロータ14の回転を利用して、図示しない発電機を回転駆動して発電が行われる。
COタービン用部品は、上記したようなCOを作動流体として用いるCOタービンの構成部品であれば特に限定されるものではないが、作動流体および冷却流体から選ばれる少なくとも一方の流体と接触する構成部品であることが好ましい。
具体的には、ケーシング11、ロータディスク12、動翼13、タービンロータ14、静翼15、シュラウドセグメント16、リテイニングリング17、サポートリング18等が挙げられるが、特に、ケーシング11、動翼13、タービンロータ14、静翼15等が好ましく、内部に冷却流体を循環させるための冷却孔を有するものがより好ましい。
COタービン用部品の中でも冷却孔を有するものは、冷却孔の孔径が小さいために、その内面にアルミコーティング等の耐酸化コーティングを施すことが容易でない。実施形態のタービン用部品によれば、従来のアルミコーティング等の耐酸化コーティングに代えて酸化保護皮膜を設けることで、冷却孔の孔径が小さい場合であってもその内面に酸化保護皮膜を確実に設けることができ、酸化、浸炭、または窒化現象等による表面劣化の発生を有効に抑制できる。
図2は、COタービン用部品の一実施形態を示す一部断面図である。
COタービン用部品20は、部品本体21と、この部品本体21の表面に設けられた酸化保護皮膜22とを有する。
部品本体21は、Ni基超合金、Co基超合金、またはFe基超合金からなるものである。Ni基超合金、Co基超合金、Fe基超合金としては、熱処理により表面に酸化保護皮膜を形成できるものであれば特に制限されるものではなく、蒸気タービン、ガスタービンに用いられている公知の合金を採用できる。これらの中でもNi基超合金が好ましく、特に以下に示す組成を有するものが好ましい。
Ni基超合金としては、例えば、質量%表示で、C:0.13〜0.17%、Co:9.0〜11.0%、Cr:8.0〜8.8%、Al:5.3〜5.7%、Ti:0.9〜1.2%、Mo:0.5〜0.8%、Ta:2.8〜3.3%、Hf:1.2〜1.6%、W:9.5〜10.5%を含有し、残部Niおよび不可避的不純物からなるものが挙げられる(以下、合金組成1と記す)。
また、Ni基超合金としては、例えば、質量%表示で、C:0.01〜0.15%、Co:10.0〜15.0%、Cr:14.0〜26.0%、Al:0.8〜3.0%、Ti:0.8〜3.0%、Mo:5.0〜12.0%、Ta:0.05〜0.7%、Nb:0.1〜0.7%、B:0.001〜0.006%を含有し、残部Niおよび不可避的不純物からなるものが挙げられる(以下、合金組成2と記す)。
さらに、Ni基超合金としては、例えば、質量%表示で、C:0.0〜0.1%、Co:0.0〜1.0%、Cr:22.0〜23.0%、Al:0.0〜0.4%、Ti:0.0〜0.4%、Mo:8.0〜10.0%、Nb+Ta:3.15〜4.15%を含有し、残部Niおよび不可避的不純物からなるものが挙げられる(以下、合金組成3と記す)。
酸化保護皮膜22は、COタービン10の使用時に、酸化、浸炭、または窒化現象等による部品本体21の表面劣化を抑制するために設けられる。なお、従来のCOタービンにおいても、使用時に部品本体の表面の一部に酸化保護皮膜が形成されることがある。しかし、一般に、COタービン内における作動流体および冷却流体の温度や速度は一定でなく、酸化保護皮膜が形成されるとしてもその厚さや形成範囲は必ずしも一定でない。このような場合、部品本体21の表面劣化を有効に抑制できないおそれがある。予め部品本体21の表面に酸化保護皮膜22を形成しておくことで、酸化保護皮膜22の厚さを均一にできるとともに、所定の部位に確実に形成することができ、部品本体21の表面劣化を有効に抑制できる。
酸化保護皮膜22は、部品本体21の外面および内面から選ばれる少なくとも一方の表面に設けられていればよい。ここで、酸化保護皮膜22は、部品本体21の外面および内面から選ばれる少なくとも一方の表面に設けられていればよいが、作動流体および冷却流体から選ばれる少なくとも一方の流体と接触する表面に設けられていることが好ましい。このような表面に設けることで、部品本体21の表面劣化を効果的に抑制できる。特に、このような表面の全体に設けることで、部品本体21の表面劣化をより効果的に抑制できるために好ましい。
酸化保護皮膜22は、部品本体21の熱処理により表面に形成できるものであって、部品本体21の表面劣化を有効に抑制できるものであれば特に制限されるものではないが、Alを主成分とするものが好ましい。Alを主成分とする酸化保護皮膜22は、緻密であることから、部品本体21の表面劣化を有効に抑制できる。
酸化保護皮膜22の厚さは、部品本体21の表面劣化を有効に抑制できるものであれば特に制限されるものではないが、5μm以上が好ましい。酸化保護皮膜22の厚さを5μm以上とすることで、部品本体21の表面劣化を効果的に抑制できる。酸化保護皮膜22の厚さは、10μm以上がより好ましく、20μm以上がさらに好ましい。部品本体21の表面劣化を抑制する観点からは酸化保護皮膜22は厚いほど好ましいが、酸化保護皮膜22が厚くなるとその形成のための熱処理に要する時間が長くなる。従って、酸化保護皮膜22の厚さは、通常は15μm以下が好ましい。
次に、COタービン用部品20の製造方法について説明する。
COタービン用部品20は、Ni基超合金、Co基超合金、またはFe基超合金からなる部品本体21を大気雰囲気中で熱処理して、部品本体21の外面および内面から選ばれる少なくとも一方の表面を酸化させて酸化保護皮膜22を形成することにより製造できる。
酸化保護皮膜22を形成するための熱処理は、例えば、図3に示すように大気炉30内に部品本体21を挿入して行うことができる。このように大気炉30内に部品本体21を挿入して熱処理を行うことで、部品本体21の外面は勿論のこと、内部に冷却孔を有するものの場合にはこの冷却孔の内面にも酸化保護皮膜22を形成することができる。また、冷却孔に孔径が1mm以下の部分があっても、このような孔径が1mm以下の部分を含めた冷却孔の全体に酸化保護皮膜22を形成することができる。
熱処理温度は600℃以上が好ましい。熱処理温度を600℃以上とすることで、部品本体21の表面に酸化保護皮膜22を効果的に形成できる。熱処理温度は、部品本体21の表面に酸化保護皮膜22を形成する観点からは900℃もあれば十分であり、またこれ以下とすることで生産性が良好となり、部品本体21の損傷も抑制できる。
熱処理時間は、部品本体21の表面に酸化保護皮膜22を形成できれば特に制限されないが、例えば600℃以上となる時間で1時間以上が好ましい。熱処理時間を1時間以上とすることで、部品本体21の表面に酸化保護皮膜22を効果的に形成できる。熱処理時間は、部品本体21の表面に酸化保護皮膜22を形成する観点からは8時間もあれば十分であり、またこれ以下とすることで生産性が良好となり、部品本体21の損傷も抑制できる。
以下、COタービン用部品20の具体的な実施形態について説明する。
図4、5は、COタービン用部品20の一実施形態としての動翼13の断面図である。
ここで、図4は動翼13の縦断面図、図5は図4におけるAA線矢視断面図である。
動翼13は、例えば、翼形部131と、ロータディスク12に固定するためのダブテール部132とを有する。翼形部131は、翼形部前縁133と、翼形部後縁134と、これらを繋ぐ一対の壁部とを有する。一対の壁部は、一方の壁部が負圧側面を構成するような凸状を有し、他方の壁部が正圧側面を構成するような凹状を有する。
また、動翼13は、該動翼13を主として構成する動翼本体135を有し、この動翼本体135は内部に冷却孔136を有する。冷却孔136は、動翼13の内部に冷却流体を循環させるために、例えば動翼13の下端(ダブテール部132の下端)から動翼13の上端(翼形部131の上端)にかけて蛇行するように設けられている。なお、冷却孔136は、例えば、動翼13の下端から冷却流体が導入され、動翼13の上端から冷却流体が排出される。
冷却孔136は、具体的には、ダブテール部用冷却孔136a、翼形部前縁冷却孔136b、翼形部中間冷却孔136c、および翼形部後縁冷却孔136dから主として構成されている。
ダブテール部用冷却孔136aは、動翼13の下端から中央部付近(翼形部131とダブテール部132との中間付近)に向かって延びるように複数が設けられている。翼形部前縁冷却孔136bは、翼形部前縁133付近において、動翼13の中央部付近から先端部に向かって延びるように複数が設けられている。翼形部中間冷却孔136cは、翼形部前縁133と翼形部後縁134との中間付近において、動翼13の先端部から中央部付近に向かって延びるように複数が設けられている。翼形部後縁冷却孔136dは、翼形部後縁134付近において、動翼13の中央部付近から先端部に向かって延びるように複数が設けられている。
ダブテール部用冷却孔136aの両端部のうち動翼13の中央部側は、翼形部前縁133付近で一つにまとめられた後、再び分岐されて翼形部前縁冷却孔136bに接続されている。また、翼形部前縁冷却孔136bと翼形部中間冷却孔136cとは動翼13の先端部付近で接続され、翼形部中間冷却孔136cと翼形部後縁冷却孔136dとは動翼13の中央部付近で接続されている。このような冷却孔136では、動翼13の下端から冷却流体が導入され、ダブテール部用冷却孔136a、翼形部前縁冷却孔136b、翼形部中間冷却孔136c、および翼形部後縁冷却孔136dの順に通過して、動翼13の上端から排出される。
この動翼13では、動翼本体135の内面、すなわち冷却孔136の内面に酸化保護皮膜137が設けられている。酸化保護皮膜137は、動翼本体135の内面を酸化させることにより形成されたものである。なお、図示しないが、動翼本体135の外面には、セラミック等からなる公知の遮熱コーティングを設けることができる。また、動翼本体135の外面には、冷却孔136の内面に設けられる酸化保護皮膜137と同様の酸化保護皮膜を設けることもできる。
冷却孔136の内面に酸化保護皮膜137を設けることで、冷却孔136の内面の表面劣化を有効に抑制できる。また、酸化保護皮膜137は、動翼本体135の熱処理によって形成できることから、冷却孔136の内面にも容易に形成できる。特に、COタービン10では、部品の小型化の観点から冷却孔136には孔径が1〜3mmとなる部分が存在することがあり、このような孔径でも酸化保護皮膜137が容易に形成できる。
このような酸化保護皮膜137は、冷却孔136の内面の一部に設けられていてもよいが、冷却孔136の内面を効果的に保護する観点から、冷却孔136の内面の全体に設けられていることが好ましい。
以上、動翼本体135の内面、具体的には冷却孔136の内面に酸化保護皮膜137を設ける場合について説明したが、酸化保護皮膜137は必ずしも動翼本体135の内面に限られず、適用可能な範囲において、動翼本体135の内面と外面との双方に設けてもよいし、動翼本体135の外面のみに設けてもよい。また、このような効果は、必ずしも動翼13に限られず、静翼15の場合にも同様の効果を得ることができる。
図6は、COタービン用部品20の他の実施形態としてのタービンロータ14の外観図である。タービンロータ14は、例えば、外周部分に動翼13が複数枚植設されるロータディスク12を有するとともに、内部に軸方向に延びる冷却孔141を有する。このようなタービンロータ14の場合、図示しないが、例えば、ロータディスク12の表面を含めた外面に酸化保護皮膜が設けられるとともに、冷却孔141の内面に酸化保護皮膜が設けられる。
一般に、動翼および静翼とは異なり、タービンロータの外面および内面には、遮熱コーティング、耐酸化コーティング等は施されていない。運転時のタービンロータの温度は動翼および静翼の温度よりも低いが、長時間の使用においては、酸化、浸炭、または窒化現象等による表面劣化を抑制する必要がある。タービンロータ14の外面および内面から選ばれる少なくとも一方の表面に酸化保護皮膜を設けることで、長時間の使用においても、酸化、浸炭、または窒化現象等による表面劣化を抑制できる。
次に、実施形態のCOタービン10が適用された発電システムについて説明する。
図7は、発電システムの一実施形態を示す構成図である。
この発電システム40は、天然ガス等の燃料、酸素、およびCOを燃焼させて発生した高温の燃焼ガスでCOタービン10を回転させて発電を行うものである。発電システム40は、主として発電を行うCOタービン発電機41を有する。このCOタービン発電機41に実施形態のCOタービン10が適用される。COタービン発電機41には、高温ガスを発生させる燃焼器42が接続されている。燃焼器42には、空気から酸素を製造して供給する酸素製造装置43が接続されている。また、燃焼器42には、天然ガス等の燃料を供給する図示しない燃料供給装置が接続されている。さらに、燃焼器42には、COを再生して供給する再生熱交換器44が接続されている。
燃焼器42では、燃料供給装置から供給された燃料、酸素製造装置43から供給された酸素、および再生熱交換器44から供給されたCOを混合して燃焼させて、高温の燃焼ガスを発生させる。この燃焼ガスによりCOタービン発電機41を回転させて発電が行われる。COタービン発電機41から排出されたCOと蒸気とを含む燃焼ガスは、再生熱交換器44を経て冷却器45で冷却された後、湿分分離器46によって水分が分離される。その後、水分が分離された燃焼ガスは、高圧ポンプであるCOポンプ47によって圧縮される。大部分のCOは再生熱交換器44を介して燃焼器42に循環されるが、一部のCOはそのまま回収される。
発電システム40は、超臨界圧のCOを用いた酸素燃焼の循環システムで構成されており、COを有効活用でき、かつNOxの排出を抑制できる。すなわち、得られた高圧のCOは、貯留することもできるし、石油採掘現場で用いられているEOR(Enhanced oil Recovery)に適用することもできる。EORとは、老朽化した油田の採掘現場において高圧のCOを注入して、石油の採掘量を増大させる手法である。従って、発電システム40は、地球環境保護の観点からも有用である。
なお、上記説明では、実施形態のタービン用部品として、COタービン用部品を例に挙げて説明したが、実施形態のタービン用部品は、必ずしもこのようなものに限定されない。実施形態のタービン用部品としては、ガスタービン用部品であってもよい。ガスタービン用部品としては、COタービンの構成部品と同様の構成部品が挙げられる。実施形態のタービン用部品は、ガスタービン用部品に適用した場合であっても、COタービン用部品に適用した場合と同様の効果を得ることができる。
以上、発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、本発明の実施形態について、実施例を参照して具体的に説明する。
(実施例1)
合金組成1のNi基超合金(MarM247材)からなる厚さ5mmの平板状の試験片を用いて、表面に酸化保護皮膜を形成させた。まず、試験片の表面を鏡面に仕上げた。その後、表面に酸化保護皮膜を形成させるために、大気中で酸化処理を施した。酸化処理は、図3に示すように大気炉30内にCOタービン用部品20の部品本体21としての試験片を挿入して熱処理を行った。なお、熱処理温度は700〜800℃、熱処理時間は8時間とした。酸化処理後、試験片を切断して断面を観察した。その結果、試験片の表面全体に緻密なAlの酸化保護皮膜が形成されていることが確認された。
次に、同様にして酸化処理を施して酸化保護皮膜を形成した平板状の試験片と、酸化保護皮膜を形成していない平板状の試験片(酸化処理を施していない平板)とについて、高温酸化試験を行った。図8に試験結果を示す。ここで、図8は、横軸に酸化試験の時間、縦軸に試験片の重量をとって、整理したものである。酸化保護皮膜を有する平板の重量は酸化保護皮膜を有しない試験片より小さく、酸化保護皮膜の効果が確認された。
(実施例2)
COタービン用部品として、図4、5に示すような冷却孔を有する動翼を製造した。なお、本実施例では、外面に遮熱コーティングを有するものを製造した。まず、動翼本体は、精密鋳造後、機械加工により所定の形状に成形して製造した。動翼本体は、内部に冷却孔を有するものであり、冷却孔の最小部分の孔径は約1mmである。また、動翼本体の材質は、合金組成1のNi基超合金(MarM247材)とした。
動翼本体の外面には、MCrAlYからなるボンドコーティングを施した後、このボンドコーティング上に遮熱コーティングとしてセラミックコーティングを施した。その後、動翼本体を大気炉内に挿入して熱処理を行って、内面の全体に酸化保護皮膜を形成して動翼を製造した。このときの熱処理温度は700〜800℃、熱処理時間は8時間とした。その後、この動翼を切断して、冷却孔の断面を観察した。その結果、冷却孔の内面には、孔径が最小となる部分を含めて、全体に緻密なAlの酸化保護皮膜が形成されていることが確認された。
(実施例3)
COタービン用部品として、図4、5に示すような冷却孔を有する動翼を製造した。なお、本実施例についても、外面に遮熱コーティングを有するものを製造した。まず、動翼本体は、実施例2と同様にして、精密鋳造後、機械加工により所定の形状に成形して製造した。その後、外面にボンドコーティングおよびセラミックコーティングを施さずに、動翼本体を大気炉内に挿入して熱処理を行って、外面および内面の全体に酸化保護皮膜を形成した。このときの熱処理温度は700〜800℃、熱処理時間は8時間とした。
外面に形成された酸化保護皮膜はコーティングに有害であることから、ブラスト法により除去した。その後、外面にMCrAlYからなるボンドコーティングを施した後、このボンドコーティング上に遮熱コーティングとしてのセラミックコーティングを施して動翼を製造した。その後、この動翼を切断して、冷却孔の断面を観察した。その結果、冷却孔の内面には、孔径が最小となる部分を含めて、全体に緻密なAlの酸化保護皮膜が形成されていることが確認された。
(実施例4)
COタービン用部品として、図6に示すようなロータディスクを有するとともに内部に冷却孔を有するタービンロータを製造した。まず、タービンロータ本体は、鍛造後、機械加工により所定の形状に成形して製造した。タービンロータ本体の材質は、合金組成2のNi基超合金(TOS1X−2材)とした。その後、タービンロータ本体を大気炉内に挿入して熱処理を行って、外面および内面の全体に酸化保護皮膜を形成してタービンロータを製造した。このときの熱処理温度は600〜700℃、熱処理時間は8時間とした。その後、このタービンロータの余分に長く製造された部分を切断して、その断面を観察した。その結果、外面および内面(冷却孔の内面)には、全体に緻密なAlの酸化保護皮膜が形成されていることが確認された。
(実施例5)
COタービン用部品として、ケーシングを製造した。まず、ケーシング本体は、大気中で鋳造後、機械加工により所定の形状に成形して製造した。ケーシング本体の材質は、合金組成3のNi基超合金(IN625材)とした。その後、このケーシング本体を大気炉内に挿入して熱処理を行って、外面および内面の全体に酸化保護皮膜を形成してケーシングを製造した。このときの熱処理温度は600〜700℃、熱処理時間は8時間とした。その後、このケーシングの余分に長く製造された部分を切断して、その断面を観察した。その結果、外面および内面には、全体に緻密なAlの酸化保護皮膜が形成されていることが確認された。
10…COタービン、11…ケーシング、12…ロータディスク、13…動翼、14…タービンロータ、15…静翼、16…シュラウドセグメント、17…リテイニングリング、18…サポートリング、20…COタービン用部品、21…部品本体、22…酸化保護皮膜、30…大気炉、40…発電システム、41…COタービン発電機、42…燃焼器、43…酸素製造装置、44…再生熱交換器、45…冷却器、46…湿分分離器、47…COポンプ、131…翼形部、132…ダブテール部、133…翼形部前縁、134…翼形部後縁、135…動翼本体、136…冷却孔、136a…ダブテール部用冷却孔、136b…翼形部前縁冷却孔、136c…翼形部中間冷却孔、136d…翼形部後縁冷却孔、137…酸化保護皮膜

Claims (13)

  1. タービンの構成部品であって、
    Ni基超合金、Co基超合金、またはFe基超合金からなる部品本体と、
    前記部品本体の外面および内面から選ばれる少なくとも一方の表面に設けられ、かつ前記部品本体の表面の酸化により形成された酸化保護皮膜と
    を有することを特徴とするタービン用部品。
  2. 前記酸化保護皮膜は、Alを主成分とすることを特徴とする請求項1記載のタービン用部品。
  3. 前記酸化保護皮膜は、前記部品本体の表面のうち作動流体および冷却流体から選ばれる少なくとも一方の流体と接触する表面に設けられていることを特徴とする請求項1または2記載のタービン用部品。
  4. 前記タービン用部品は動翼であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のタービン用部品。
  5. 前記動翼は内部に冷却孔を有し、前記冷却孔の内面に前記酸化保護皮膜を有することを特徴とする請求項4記載のタービン用部品。
  6. 前記タービン用部品は静翼であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のタービン用部品。
  7. 前記静翼は内部に冷却孔を有し、前記冷却孔の内面に前記酸化保護皮膜を有することを特徴とする請求項6記載のタービン用部品。
  8. 前記タービン用部品はタービンロータであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のタービン用部品。
  9. 前記タービン用部品はケーシングであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のタービン用部品。
  10. 前記タービン用部品は、COを作動流体として用いるCOタービンの構成部品であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項記載のタービン用部品。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項記載のタービン用部品を有することを特徴とするタービン。
  12. タービンの構成部品の製造方法であって、
    Ni基超合金、Co基超合金、またはFe基超合金からなる部品本体を大気雰囲気中で熱処理して、前記部品本体の外面および内面から選ばれる少なくとも一方の表面を酸化させて酸化保護皮膜を形成することを特徴とするタービン用部品の製造方法。
  13. 前記熱処理は、熱処理温度を600℃以上、かつ熱処理時間を1時間以上として行うことを特徴とする請求項12記載のタービン用部品の製造方法。
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