JP2014060478A - 音響発生器、音響発生装置および電子機器 - Google Patents
音響発生器、音響発生装置および電子機器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014060478A JP2014060478A JP2012202819A JP2012202819A JP2014060478A JP 2014060478 A JP2014060478 A JP 2014060478A JP 2012202819 A JP2012202819 A JP 2012202819A JP 2012202819 A JP2012202819 A JP 2012202819A JP 2014060478 A JP2014060478 A JP 2014060478A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- piezoelectric element
- exciter
- sound
- thickness
- electrode layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】良好な音圧の周波数特性を得ること。
【解決手段】実施形態に係る音響発生器は、励振器と、扁平な振動体とを備える。上記励振器は、電気信号が入力されて振動する。上記振動体は、上記励振器が取り付けられており、かかる励振器の振動によってこの励振器とともに振動する。また、上記励振器は、厚みが不均一となるように形成されている。
【選択図】図3B
【解決手段】実施形態に係る音響発生器は、励振器と、扁平な振動体とを備える。上記励振器は、電気信号が入力されて振動する。上記振動体は、上記励振器が取り付けられており、かかる励振器の振動によってこの励振器とともに振動する。また、上記励振器は、厚みが不均一となるように形成されている。
【選択図】図3B
Description
開示の実施形態は、音響発生器、音響発生装置および電子機器に関する。
従来、圧電素子を用いた音響発生器が知られている(たとえば、特許文献1参照)。かかる音響発生器は、振動板に取り付けた圧電素子に電圧を印加して振動させることによって振動板を振動させ、かかる振動の共振を積極的に利用することで音響を出力するものである。
また、かかる音響発生器は、振動板に樹脂フィルムなどの薄膜を用いることができるため、一般的な電磁式スピーカなどに比べて薄型かつ軽量に構成することが可能である。
なお、振動板に薄膜を用いる場合、薄膜は、優れた音響変換効率を得られるように、たとえば一対の枠部材によって厚み方向から挟持されることによって均一に張力をかけられた状態で支持されることが求められる。また、圧電素子は、その厚みが均一となるように形成される。
しかしながら、上記した従来の音響発生器は、均一に張力がかけられた振動板を厚みが均一の圧電素子によって共振させるが故に、音圧の周波数特性においてピーク(周囲よりも音圧が高い部分)およびディップ(周囲よりも音圧が低い部分)が生じやすく、良質な音質を得にくいという問題があった。
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、良好な音圧の周波数特性を得ることができる音響発生器、音響発生装置および電子機器を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係る音響発生器は、励振器と、扁平な振動体とを備える。前記励振器は、電気信号が入力されて振動する。前記振動体は、前記励振器が取り付けられており、該励振器の振動によって該励振器とともに振動する。また、前記励振器は、厚みが不均一となるように形成されている。
実施形態の一態様によれば、良好な音圧の周波数特性を得ることができる。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する音響発生器、音響発生装置および電子機器の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
まず、実施形態に係る音響発生器1の説明に先立って、基本的な音響発生器1’の概略構成について、図1Aおよび図1Bを用いて説明する。図1Aは、音響発生器1’の概略構成を示す模式的な平面図であり、図1Bは、図1AのA−A’線断面図である。
なお、説明を分かりやすくするために、図1Aおよび図1Bには、鉛直上向きを正方向とし、鉛直下向きを負方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を図示している。かかる直交座標系は、後述の説明に用いる他の図面でも示す場合がある。また、本実施形態では、かかる直交座標系におけるX軸の正方向を正面方向と規定する。
また、以下では、複数個で構成される構成要素については、複数個のうちの1部にのみ符号を付し、その他については符号の付与を省略する場合がある。かかる場合、符号を付した1部とその他とは同様の構成であるものとする。
また、図1Aにおいては、樹脂層7(後述)の図示を省略している。また、説明を分かりやすくするために、図1Bは、音響発生器1’を厚み方向(Z軸方向)に大きく誇張して示している。
図1Aに示すように、音響発生器1’は、枠体2と、振動板3と、圧電素子5とを備える。なお、図1Aに示すように、以下の説明では、圧電素子5が1個である場合を例示するが、圧電素子5の個数を限定するものではない。
枠体2は、矩形の枠状で同一形状を有する2枚の枠部材によって構成されており、振動板3の周縁部を挟み込んで振動板3を支持する支持体として機能する。振動板3は、板状やフィルム状の形状を有しており、その周縁部が枠体2に挟み込まれて固定され、枠体2の枠内において均一に張力をかけられた状態で略扁平に支持される。
なお、振動板3のうち枠体2の内周よりも内側の部分、すなわち、振動板3のうち枠体2に挟み込まれておらず自由に振動することができる部分を振動体3aとする。すなわち、振動体3aは、枠体2の枠内において略矩形状をなす部分である。
また、振動板3は、樹脂や金属等の種々の材料を用いて形成することができる。たとえば、厚さ10〜200μm程度のポリエチレン、ポリイミド等の樹脂フィルムで振動板3を構成することができる。
また、枠体2の厚みや材質などについても、特に限定されるものではなく、金属や樹脂など種々の材料を用いて形成することができる。たとえば、機械的強度および耐食性に優れるという理由から、厚さ100〜1000μm程度のステンレス製のものなどを枠体2として好適に用いることができる。
なお、図1Aには、その内側の領域の形状が略矩形状である枠体2を示しているが、平行四辺形、台形および正n角形といった多角形であってもよい。本実施形態では、図1Aに示すように、略矩形状であるものとする。
また、上述の説明では、枠体2を2枚の枠部材によって構成し、かかる2枚の枠部材で振動板3の周縁部を挟み込んで支持する場合を例に挙げたが、これに限られるものではない。たとえば、枠体2を1枚の枠部材で構成し、かかる枠体2へ振動板3の周縁部を接着固定して支持することとしてもよい。
圧電素子5は、振動体3aの表面に貼り付けられるなどして設けられ、電圧の印加を受けて振動することによって振動体3aを励振する励振器である。
かかる圧電素子5は、図1Bに示すように、たとえば、4層のセラミックスからなる圧電体層5a、5b、5c、5dと、3層の内部電極層5eが交互に積層された積層体と、かかる積層体の上面および下面に形成された表面電極層5f、5gと、内部電極層5eが露出した側面に形成された外部電極5h、5jとを備える。また、外部電極5h、5jには、リード端子6a、6bが接続される。
なお、圧電素子5は板状であり、上面側および下面側の主面が長方形状または正方形状といった多角形をなしている。また、圧電素子5は、その厚みが均一となるように形成される場合が多い。
また、圧電体層5a、5b、5c、5dは、図1Bに矢印で示すように分極されている。すなわち、ある瞬間に加えられる電界の向きに対する分極の向きが厚み方向(図のZ軸方向)における一方側と他方側とで逆転するように分極されている。
そして、リード端子6a、6bを介して圧電素子5に電圧が印加されると、たとえば、ある瞬間において、振動体3aに接着された側の圧電体層5c、5dは縮み、圧電素子5の上面側の圧電体層5a、5bは延びるように変形する。よって、圧電素子5に交流信号を与えることにより、圧電素子5が屈曲振動し、振動体3aに屈曲振動を与えることができる。
また、圧電素子5は、その主面が、振動体3aの主面と、エポキシ系樹脂等の接着剤により接合されている。
なお、圧電体層5a、5b、5cおよび5dを構成する材料には、PZT(lead zirconate titanate)、Bi層状化合物、タングステンブロンズ構造化合物等の非鉛系圧電体材料等、従来から用いられている圧電セラミックスを用いることができる。
また、内部電極層5eの材料としては、種々の金属材料を用いることができる。たとえば、銀とパラジウムとからなる金属成分と、圧電体層5a、5b、5c、5dを構成するセラミック成分とを含有した場合、圧電体層5a、5b、5c、5dと内部電極層5eとの熱膨張差による応力を低減することができるので、積層不良のない圧電素子5を得ることができる。
また、リード端子6a、6bは、種々の金属材料を用いて形成することができる。たとえば、銅またはアルミニウムなどの金属箔を樹脂フィルムで挟んだフレキシブル配線を用いてリード端子6a、6bを構成すると、圧電素子5の低背化を図ることができる。
また、図1Bに示すように、音響発生器1’は、枠体2の枠内において圧電素子5および振動体3aの表面に被せるように配置されて、振動体3aおよび圧電素子5と一体化された樹脂層7をさらに備える。
樹脂層7は、たとえば、アクリル系樹脂を用いてヤング率が1MPa〜1GPaの範囲程度となるように形成されることが好ましい。なお、かかる樹脂層7に圧電素子5を埋設することで適度なダンピング効果を誘発させることができるので、共振現象を抑制して、音圧の周波数特性におけるピークやディップを小さく抑えることができる。
また、図1Bには、樹脂層7が、枠体2と同じ高さとなるように形成された状態を示しているが、圧電素子5が埋設されていればよく、たとえば、樹脂層7が枠体2の高さよりも高くなるように形成されてもよい。
また、図1Bでは、圧電素子5として、バイモルフ型の積層型圧電素子を例に挙げたが、これに限られるものではなく、たとえば、伸縮する圧電素子5を振動体3aに貼り付けたユニモルフ型であっても構わない。
ところで、図1Aおよび図1Bに示したように、振動体3aは、枠体2の枠内において均一に張力をかけられた状態で扁平に支持され、厚みが均一な圧電素子5の振動を受けてかかる圧電素子5とともに振動することとなる。このような場合、圧電素子5の振動に誘導された共振に起因するピークディップや歪みが生じるために、特定の周波数において音圧が急激に変化し、音圧の周波数特性が平坦化しづらい。
かかる点を、図2に図示する。図2は、音圧の周波数特性の一例を示す図である。図1Aの説明で既に述べたように、振動体3aは、枠体2の枠内において均一に張力をかけられた状態で扁平に支持されている。したがって、振動体3aは、全体として均一なヤング率を有しているといえる。
しかしながら、このような場合、振動体3aの共振によって特定の周波数にピークが集中して縮退するため、図2に示すように、周波数領域全体にわたって急峻なピークやディップが散在して生じやすい。
一例として、図2において破線の閉曲線PDで囲んで示した部分に着目する。このようなピークが生じる場合、周波数によって音圧にばらつきが生じることとなるため、良好な音質を得にくくなる。
こうした場合、図2に示すように、ピークPの高さを下げ(図中の矢印201参照)、かつ、ピーク幅を広げ(図中の矢印202参照)、ピークPやディップ(図示略)を小さくするような方策をとることが有効である。
そこで、本実施形態では、圧電素子5を、その厚みがあえて不均一となるように形成することによって、ピークPの高さを下げることとした。すなわち、圧電素子5の厚みごとの共振点をずらすことによって、振動体3aに伝播する共振周波数が揃わなくなるようにした。そして、これにより、共振モードの縮退を解いて分散させ、ピークPの高さを下げるとともに、ピーク幅を広げることとした。
以下、実施形態に係る音響発生器1について、具体的に図3A〜図5Cを用いて順次説明する。まず、図3Aは、実施形態に係る音響発生器1の構成を示す模式的な平面図であり、図3Bは、図3AのB−B’線断面図であり、図3Cは、図3AのC−C’線断面図である。なお、図3Aにおいては、樹脂層7の図示を省略している。
図3A〜図3Cに示すように、音響発生器1は、あえてその厚みが不均一となるように形成された圧電素子5を備える。具体的に、圧電素子5の「厚みが不均一」である点について説明する。
図3Bおよび図3Cに示すように、たとえば、圧電素子5は、その中央部の厚みhが他の部分の厚みよりも大きくなるように形成される。
ここで、共振周波数は、圧電素子5の中央部の厚みhによって規定されるが、このように、他の部分の厚みを中央部の厚みhよりも小さくすることによって、ピークPを圧電素子5の中央部から離れるほどなだらかにすることができる。
すなわち、圧電素子5、振動体3aおよび樹脂層7を含めた複合振動体全体で共振点の音圧のピークPをばらつかせ、音圧の周波数特性を平坦化させることができる。したがって、良好な音圧の周波数特性を得ることができる。
なお、図3Bおよび図3Cには、略直方体の各辺をそれぞれ面取りしたような形状の圧電素子5を示しているが、あくまで一例であり、かかる形状に限られるものではない。
また、圧電素子5の厚みを不均一とするその形成手法も限定されるものではない。たとえば、圧電素子5が焼成工程において収縮することを見越したうえで、最終的に略直方体へ形を整えることを略すこととしてもよいし、圧電素子5の焼成後に面取り加工や研磨加工等を行うこととしてもよい。
ここで、圧電素子5の中央部を厚く形成する点についてさらに詳しく説明する。図4Aおよび図4Bは、圧電素子5の中央部を厚く形成する場合の模式的な説明図である。なお、比較することで説明を分かりやすくするため、図4Aには、図1Bに示した厚みが均一な圧電素子5を図示し、図4Bには、図3Bに示した中央部の厚い圧電素子5を図示している。
図1Bを用いて既に述べたが、図4Aに示すように、圧電素子5は、圧電体層5a、5b、5c、5dと、内部電極層5eが交互に積層された積層体となっている。そして、図4Aに示すように、すべての内部電極層5eが重なる部分が、圧電素子5に電圧が印加された際に伸縮する活性領域である。また、その他の部分が不活性領域である。
すなわち、活性領域にあたる部分は、すべての内部電極層5eが重なっているため、不活性領域に比べて積層密度が大きい。したがって、たとえば、圧電素子5を焼成した際にあえて収縮変形させることとすれば、図4Bに示すように自明的に、活性領域にあたる部分の厚みを不活性領域にあたる部分の厚みよりも厚く残すことができる。
また、圧電素子5の焼成後に面取り加工や研磨加工等を行う場合には、図4Bに示すように、圧電素子5の不活性領域にあたる部分を目安として加工すればよい。
このように、すべての内部電極層5eが重なっている活性領域の厚みを大きくすることで、共振点での不活性領域との位相ずれを大きくすることができるので、共振点の音圧のピークPをばらつかせ、音圧の周波数特性を平坦化させることができる。したがって、良好な音圧の周波数特性を得ることができる。
ところで、これまでは一例として、圧電素子5における活性領域にあたる部分の厚みを大きくする場合について説明したが、表面電極層5f(図1B参照)が形成される部分で厚みを大きくするようにしてもよい。次に、かかる場合について図5A〜図5Cを用いて説明する。
図5A〜図5Cは、表面電極層5fにあたる部分を厚く形成する場合の説明図である。なお、図5Bは、図5Aに示すD−D’線断面をさらに拡大した図となっている。また、図5A〜図5Cでは、説明に必要となる構成要素以外の構成要素(たとえば、外部電極5h、5j等)の図示を省略している。また、ここでは、主に表面電極層5fを例に挙げて説明を行うが、図1Bに示した表面電極層5gについても同様とみなしてよい。
図5Aに示すように、圧電素子5は、その表面に表面電極層5fを複数個分散させて形成することによって、厚みが不均一となるように形成されてもよい。たとえば、図5Aには、2個の表面電極層5fおよび1個の表面電極層5f’が、3列並列に形成された例を示している。
かかる場合、図5Bに示すように、少なくとも表面電極層5fについては厚みα分が、表面電極層5f’については厚みα’分が加味されることとなるので、圧電素子5全体としての厚みを不均一とすることができる。
なお、表面電極層5fおよび表面電極層5f’相互の厚みを異ならせるにあたっては、たとえば、表面電極層5f’についてはペーストを多層刷りするなど行えばよい。また、表面電極層5fおよび表面電極層5f’は、すべて電気的に導通させる必要はない。すなわち、ダミーとなる表面電極層5fあるいは表面電極層5f’を含んでよい。
このように、ヤング率の異なる表面電極層5fあるいは表面電極層5f’が形成された部分が厚くなることで、共振周波数にずれを生じさせることができる。すなわち、共振点の音圧のピークPをばらつかせ、音圧の周波数特性を平坦化させることができる。したがって、良好な音圧の周波数特性を得ることができる。
また、圧電素子5が表面電極層5fあるいは表面電極層5f’とともに同時焼成された場合、圧電体層5aの表面電極層5fあるいは表面電極層5f’に接する部分は、図5Bに示すように、その圧電体粒子の粒径が、表面電極層5fあるいは表面電極層5f’に接していない部分のものより大きくなる。これは、焼成中に表面電極に覆われた部分は、他の部分に比べて周囲の大気に接触することが出来なくなって酸素欠乏状態での焼結となるからである。酸素欠乏状態では、圧電原料の結晶粒子内に焼結を促進させる酸素欠陥が他の部分よりも過剰に発生して、圧電体粒子の成長が促進されるからである。
この圧電体粒子の大きさの差異は圧電体そのものの圧電特性を異ならせることから、圧電素子5の内部に共振周波数の異なる領域を複数個存在させることができる。すなわち、共振点の音圧のピークPをばらつかせ、音圧の周波数特性を平坦化させることができるので、良好な音圧の周波数特性を得ることができる。
なお、図5Aおよび図5Bには、表面電極層5fおよび表面電極層5f’が3列並列に形成されている例を挙げたが、かかる例の場合、圧電素子5全体は少なくとも対称性を有した形状をしている。
そこで、図5Cに示すように、表面電極層5fを圧電素子5の表面にアイランド状に散在させ、圧電素子5全体の対称性を低下させることとしてもよい。このようにした場合、圧電素子5全体の対称性が低下することによって圧電素子5そのものの共振周波数がばらつくこととなるので、共振点の音圧のピークPをばらつかせ、音圧の周波数特性を平坦化させることができる。したがって、良好な音圧の周波数特性を得ることができる。
次に、これまで説明してきた実施形態に係る音響発生器1を搭載した音響発生装置および電子機器について、図6Aおよび図6Bを用いて説明する。図6Aは、実施形態に係る音響発生装置20の構成を示す図であり、図6Bは、実施形態に係る電子機器50の構成を示す図である。なお、両図には、説明に必要となる構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
音響発生装置20は、いわゆるスピーカのような発音装置であり、図6Aに示すように、たとえば、音響発生器1と、音響発生器1を収容する筐体30を備える。筐体30は、音響発生器1の発する音響を内部で共鳴させるとともに、筐体30に形成された図示せぬ開口から音響を外部へ放射する。このような筐体30を有することにより、たとえば低周波数帯域における音圧を高めることができる。
また、音響発生器1は、種々の電子機器50に搭載することができる。たとえば、次に示す図6Bでは、電子機器50が、携帯電話やタブレット端末のような携帯端末装置であるものとする。
図6Bに示すように、電子機器50は、電子回路60を備える。電子回路60は、たとえば、コントローラ50aと、送受信部50bと、キー入力部50cと、マイク入力部50dとから構成される。電子回路60は、音響発生器1に接続されており、音響発生器1へ音声信号を出力する機能を有している。音響発生器1は電子回路60から入力された音声信号に基づいて音響を発生させる。
また、電子機器50は、表示部50eと、アンテナ50fと、音響発生器1とを備える。また、電子機器50は、これら各デバイスを収容する筐体40を備える。
なお、図6Bでは、1つの筐体40にコントローラ50aをはじめとする各デバイスがすべて収容されている状態をあらわしているが、各デバイスの収容形態を限定するものではない。本実施形態では、少なくとも電子回路60と音響発生器1とが、1つの筐体40に収容されていればよい。
コントローラ50aは、電子機器50の制御部である。送受信部50bは、コントローラ50aの制御に基づき、アンテナ50fを介してデータの送受信などを行う。
キー入力部50cは、電子機器50の入力デバイスであり、操作者によるキー入力操作を受け付ける。マイク入力部50dは、同じく電子機器50の入力デバイスであり、操作者による音声入力操作などを受け付ける。
表示部50eは、電子機器50の表示出力デバイスであり、コントローラ50aの制御に基づき、表示情報の出力を行う。
そして、音響発生器1は、電子機器50における音響出力デバイスとして動作する。なお、音響発生器1は、電子回路60のコントローラ50aに接続されており、コントローラ50aによって制御された電圧の印加を受けて音響を発することとなる。
ところで、図6Bでは、電子機器50が携帯用端末装置であるものとして説明を行ったが、電子機器50の種別を問うものではなく、音響を発する機能を有する様々な民生機器に適用されてよい。たとえば、薄型テレビやカーオーディオ機器は無論のこと、「話す」といった音響を発する機能を有する製品、例を挙げれば、掃除機や洗濯機、冷蔵庫、電子レンジなどといった種々の製品に用いられてよい。
上述してきたように、実施形態に係る音響発生器は、励振器(圧電素子)と、扁平な振動体とを備える。上記励振器は、電気信号が入力されて振動する。上記振動体は、上記励振器が取り付けられており、かかる励振器の振動によってこの励振器とともに振動する。また、上記励振器は、厚みが不均一となるように形成されている。
したがって、実施形態に係る音響発生器によれば、良好な音圧の周波数特性を得ることができる。
なお、上述した実施形態では、振動体の一方の主面に圧電素子を設けた場合を主に例示して説明を行ったが、これに限られるものではなく、振動体の両面に圧電素子が設けられてもよい。
また、上述した実施形態では、枠体の内側の領域の形状が略矩形状である場合を例に挙げ、多角形であればよいこととしたが、これに限られるものではなく、円形や楕円形であってもよい。
また、上述した実施形態では、枠体の枠内において圧電素子および振動体を覆ってしまうように樹脂層を形成する場合を例に挙げたが、かかる樹脂層を必ずしも形成しなくともよい。
また、上述した実施形態では、樹脂フィルムなどの薄膜で振動板を構成する場合を例に挙げたが、これに限られるものではなく、たとえば、板状の部材で構成することとしてもよい。
また、上述した実施形態では、振動体を支持する支持体が枠体であり、振動体の周縁を支持する場合を例に挙げたが、これに限られるものではない。たとえば、振動体の長手方向あるいは短手方向の両端のみを支持することとしてもよい。
また、上述した実施形態では、励振器が圧電素子である場合を例に挙げて説明したが、励振器としては、圧電素子に限定されるものではなく、電気信号が入力されて振動する機能を有しているものであればよい。
たとえば、スピーカを振動させる励振器としてよく知られた、動電型の励振器や、静電型の励振器や、電磁型の励振器であっても構わない。
なお、動電型の励振器は、永久磁石の磁極の間に配置されたコイルに電流を流してコイルを振動させるようなものであり、静電型の励振器は、向き合わせた2つの金属板にバイアスと電気信号とを流して金属板を振動させるようなものであり、電磁型の励振器は、電気信号をコイルに流して薄い鉄板を振動させるようなものである。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1、1’ 音響発生器
2 枠体
3 振動板
3a 振動体
5 圧電素子
5a、5b、5c、5d 圧電体層
5e 内部電極層
5f、5g 表面電極層
5h、5j 外部電極
6a、6b リード端子
7 樹脂層
20 音響発生装置
30、40 筐体
50 電子機器
50a コントローラ
50b 送受信部
50c キー入力部
50d マイク入力部
50e 表示部
50f アンテナ
60 電子回路
P ピーク
2 枠体
3 振動板
3a 振動体
5 圧電素子
5a、5b、5c、5d 圧電体層
5e 内部電極層
5f、5g 表面電極層
5h、5j 外部電極
6a、6b リード端子
7 樹脂層
20 音響発生装置
30、40 筐体
50 電子機器
50a コントローラ
50b 送受信部
50c キー入力部
50d マイク入力部
50e 表示部
50f アンテナ
60 電子回路
P ピーク
Claims (11)
- 電気信号が入力されて振動する励振器と、
前記励振器が取り付けられており、該励振器の振動によって該励振器とともに振動する扁平な振動体と
を備え、
前記励振器は、厚みが不均一となるように形成されていること
を特徴とする音響発生器。 - 前記励振器は、
複数の圧電体層および複数の内部電極層が交互に積層された積層型の圧電素子であること
を特徴とする請求項1に記載の音響発生器。 - 前記圧電素子は、
該圧電素子の中央部の厚みが、その他の部分の厚みよりも大きくなるように形成されていること
を特徴とする請求項2に記載の音響発生器。 - 前記圧電素子は、
すべての前記内部電極層が重なる部分の厚みが、その他の部分の厚みよりも大きくなるように形成されていること
を特徴とする請求項2または3に記載の音響発生器。 - 前記圧電素子の表面には、表面電極層が形成されており、
前記圧電素子は、
前記表面電極層が存在する部分の厚みが、その他の部分の厚みよりも大きくなるように形成されていること
を特徴とする請求項2、3または4に記載の音響発生器。 - 前記表面電極層は、
前記圧電素子の表面に分散させて複数個形成されること
を特徴とする請求項5に記載の音響発生器。 - 前記圧電素子は、
前記表面電極層に接する部分の圧電体粒子の粒径が、その他の部分の粒径よりも大きいこと
を特徴とする請求項5または6に記載の音響発生器。 - 前記振動体は、樹脂フィルムからなること
を特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の音響発生器。 - 前記圧電素子は、バイモルフ型であること
を特徴とする請求項2〜8のいずれか一つに記載の音響発生器。 - 請求項1〜9のいずれか一つに記載の音響発生器と、
該音響発生器を収容する筐体と
を備えることを特徴とする音響発生装置。 - 請求項1〜9のいずれか一つに記載の音響発生器と、
該音響発生器に接続された電子回路と、
該電子回路および前記音響発生器を収容する筐体と
を備え、
前記音響発生器から音響を発生させる機能を有すること
を特徴とする電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012202819A JP2014060478A (ja) | 2012-09-14 | 2012-09-14 | 音響発生器、音響発生装置および電子機器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012202819A JP2014060478A (ja) | 2012-09-14 | 2012-09-14 | 音響発生器、音響発生装置および電子機器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014060478A true JP2014060478A (ja) | 2014-04-03 |
Family
ID=50616603
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012202819A Pending JP2014060478A (ja) | 2012-09-14 | 2012-09-14 | 音響発生器、音響発生装置および電子機器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014060478A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016139971A (ja) * | 2015-01-28 | 2016-08-04 | 京セラ株式会社 | 積層型圧電素子、音響発生器、音響発生装置及び電子機器 |
WO2016129202A1 (ja) * | 2015-02-10 | 2016-08-18 | Necトーキン株式会社 | 圧電スピーカ |
JP2016149737A (ja) * | 2015-02-10 | 2016-08-18 | Necトーキン株式会社 | 圧電スピーカ |
-
2012
- 2012-09-14 JP JP2012202819A patent/JP2014060478A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016139971A (ja) * | 2015-01-28 | 2016-08-04 | 京セラ株式会社 | 積層型圧電素子、音響発生器、音響発生装置及び電子機器 |
WO2016129202A1 (ja) * | 2015-02-10 | 2016-08-18 | Necトーキン株式会社 | 圧電スピーカ |
JP2016149737A (ja) * | 2015-02-10 | 2016-08-18 | Necトーキン株式会社 | 圧電スピーカ |
KR20170107495A (ko) * | 2015-02-10 | 2017-09-25 | 가부시키가이샤 토킨 | 압전 스피커 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6053794B2 (ja) | 音響発生器、音響発生装置および電子機器 | |
JP5677639B2 (ja) | 音響発生器、音響発生装置および電子機器 | |
JPWO2014024736A1 (ja) | 音響発生器、音響発生装置および電子機器 | |
TWI545967B (zh) | Sound generator, sound generating device and electronic machine | |
JP5675004B2 (ja) | 音響発生器、音響発生装置および電子機器 | |
JP5960828B2 (ja) | 音響発生器、音響発生装置および電子機器 | |
JP5627824B1 (ja) | 音響発生器、音響発生装置および電子機器 | |
JP2014127767A (ja) | 音響発生器、音響発生装置および電子機器 | |
JP5602978B2 (ja) | 音響発生器、音響発生装置および電子機器 | |
JP2014060478A (ja) | 音響発生器、音響発生装置および電子機器 | |
JP5909169B2 (ja) | 音響発生器、音響発生装置および電子機器 | |
JP6166038B2 (ja) | 音響発生器、音響発生装置および電子機器 | |
JP2014123812A (ja) | 音響発生器、音響発生装置および電子機器 | |
JP6034182B2 (ja) | 音響発生器、音響発生装置および電子機器 | |
JP5934386B2 (ja) | 音響発生器、音響発生装置および電子機器 | |
JP6017950B2 (ja) | 音響発生器、音響発生装置および電子機器 | |
JP6027827B2 (ja) | 音響発生器、音響発生装置および電子機器 | |
JP5952426B2 (ja) | 音響発生器、音響発生装置および電子機器 | |
JP5871751B2 (ja) | 音響発生器、音響発生装置および電子機器 | |
WO2014103427A1 (ja) | 音響発生器、音響発生装置および電子機器 | |
WO2014091813A1 (ja) | 音響発生器、音響発生装置および電子機器 | |
JP2014131119A (ja) | 音響発生器、音響発生装置および電子機器 | |
WO2014104018A1 (ja) | 音響発生器、音響発生装置および電子機器 |