JP2014058090A - 強化繊維プリフォームおよび強化繊維複合材 - Google Patents

強化繊維プリフォームおよび強化繊維複合材 Download PDF

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藤夫 堀
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    • B29BPREPARATION OR PRETREATMENT OF THE MATERIAL TO BE SHAPED; MAKING GRANULES OR PREFORMS; RECOVERY OF PLASTICS OR OTHER CONSTITUENTS OF WASTE MATERIAL CONTAINING PLASTICS
    • B29B11/00Making preforms
    • B29B11/14Making preforms characterised by structure or composition
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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
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Abstract

【課題】賦形性に優れるとともに、特定の部位では他の部位と比べて高い強度および剛性を発現することが可能な強化繊維プリフォームおよび強化繊維複合材の提供にある。
【解決手段】複数の織物基材を積層した積層体18を賦形することにより形成され、積層体18の折り曲げにより形成される折り曲げ部14を有する強化繊維プリフォーム10において、織物基材は、折り曲げ部14を含む部分を織り目のある製織部Mとし、他の部分を織り目のない未製織部Nとし、積層体18の積層方向に複数の未製織部Nが一致するとともに、積層方向に複数の製織部Mが一致するように、複数の織物基材を積層した。
【選択図】 図4

Description

この発明は、強化繊維プリフォームおよび強化繊維複合材に関する。
炭素繊維やガラス繊維等の高強度の強化繊維を材料とする繊維強化プラスチック(以下、FRPと称する)は機械的特性に優れることから、航空機の構造材料として用いられている。
FRPの製造方法としては、レジントランスファー成形法(RTM法)が知られている。
レジントランスファー成形法では、成形型のキャビティに強化繊維基材の積層体(プリフォーム)を充填し、樹脂を注入することによりFRPを得ることができる。
ところで、航空機の構造材料として用いるFRPは折り曲げ部を有する場合があり、例えば、箱型状のFRPは複数の折り曲げ部を有する。
箱型状のFRPを得るためには、賦形型を用いて織布である強化繊維基材を積層し、賦形された強化繊維プリフォームを得るようにする。
製織された織布である強化繊維基材は折り曲げ部の賦形性に有利である。
しかしながら、賦形された強化繊維プリフォームにおいて、例えば、折り曲げ部を除く特定の箇所(面)に対して高い強度や剛性が要求される場合、強化繊維複合材が製織された織布では強度や剛性を高めることに限界がある。
強化繊維プリフォームの従来技術としては、例えば、特許文献1に記載された箱形織物およびその製造方法を挙げることができる。
特許文献1には、樹脂部材を補強する繊維補強部材としての箱形織物が記載されている。
特許文献1の従来技術に開示された箱形織物では、箱形状の展開図形態の織物を複数枚織成する。
そして、複数枚の織物を積層し、各織物の周壁部を上方へ折曲し、周壁部の側縁同士をステッチングするとともに、各織物の底部を適宜ステッチングして所定枚数積層された所定厚の箱形織物を形成している。
なお、特許文献1には、ステッチングされていても周壁部の側縁同士が分断されており、分断部の強度が不十分となるから、よこ糸群およびたて糸群の糸間に周方向糸を挿通し、周壁部の側縁同士の分断部をなくした箱形織物が開示されている。
特開平6−264325号公報
しかしながら、特許文献1に開示された箱形織物は、織布である織物を積層しているため、折り曲げ部を除く特定の箇所に対して高い強度が要求されても、特定の箇所の強度を高めることが困難であるという問題がある。
さらに言うと、特許文献1に開示されたよこ糸群およびたて糸群の糸間に周方向糸を挿通し、周壁部の側縁同士の分断部をなくした箱形織物は、周方向糸を必要とするほか、周方向糸を挿通するための複雑で大掛かりな装置を必要とする。
また、特許文献1の従来技術に開示された箱形織物では、ステッチングされていても周壁部の側縁同士が分断されており、分断部の強度が不十分となる。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、賦形性に優れるとともに、特定の部位では他の部位と比べて高い強度および剛性を発現することが可能な強化繊維プリフォームおよび強化繊維複合材の提供にある。
上記の課題を解決するために、本発明は、複数の織物基材を積層した積層体を賦形することにより形成され、前記積層体の折り曲げにより形成される折り曲げ部を有する強化繊維プリフォームにおいて、前記織物基材は、少なくとも前記折り曲げ部を含む部分を織り目のある製織部とし、他の部分を織り目のない未製織部とし、前記積層体の積層方向に複数の前記未製織部が一致するとともに、前記積層方向に複数の前記製織部が一致するように、前記複数の織物基材を積層したことを特徴とする。
本発明によれば、積層体の賦形の際、製織部は折り曲げ部において優れた賦形性を発現する。
また、織り目のない未製織部は、未製織部における経糸および緯糸の直進性を保つことができるから、未製織部が積層された部位では高い強度および剛性を発現することができる。
なお、未製織部とは、経糸および緯糸により織り目が形成されず、経糸と緯糸がクリンプしないで互いに層を成す部位を指す。
また、上記の強化繊維プリフォームにおいて、積層された複数の前記未製織部は、ステッチ糸の縫い込みにより一体化されている構成としてもよい。
この場合、積層されている複数の未製織部がステッチ糸の縫い込みにより一体化されていることから、複数の未製織部がステッチ糸に互いにより強固に固定される。
その結果、未製織部に対応する部位における耐衝撃性が向上し、未製織部に対応する部位における層間剥離を防止することができる。
また、上記の強化繊維プリフォームにおいて、前記積層体は底部および複数の周壁部を有する箱型に賦形され、前記底部は前記未製織部により形成され、前記周壁部は前記製織部により形成されている構成としてもよい。
この場合、積層体を箱型状に賦形する場合であっても、周壁部や折り曲げ部において優れた賦形性を発現するとともに、底部における高い強度および剛性を発現することを可能とする。
また、上記の強化繊維プリフォームの成形により得られる強化繊維複合材としてもよい。
この場合、賦形性に優れた強化繊維プリフォームの成形により、特定の箇所では十分な強度および剛性を発現することができる強化繊維複合材を得ることができる。
本発明によれば、賦形性に優れるとともに、特定の部位では他の部位と比べて高い強度および剛性を発現することが可能な強化繊維プリフォームおよび強化繊維複合材を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係るプリフォームを示す斜視図である。 (a)は積層体を構成する複数の織物基材を示す斜視図であり、(b)は積層体を示す斜視図である。 (a)は±45°方向基材としての織物基材における製織部および未製織部を示す平面図であり、(b)は0−90°方向基材としての織物基材における製織部および未製織部を示す平面図である。 積層体の賦形によりプリフォームを得る工程を説明する斜視図である。 積層体における未製織部の一部断面を含む拡大斜視図である。 第2の実施形態に係る強化繊維複合材を示す斜視図である。 第2の実施形態に係るプリフォームを得る工程を説明する斜視図である。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係る強化繊維プリフォームおよび強化繊維複合材について図面を参照して説明する。
本実施形態の強化繊維複合材は、レジントランスファー法(RTM法)により成形される。
本実施形態の強化繊維複合材は、例えば、航空機の主翼に設けられるフラップやスポイラーを構成する部材であるが、説明の便宜上、形状をより簡略化した箱型にして図面に示す。
強化繊維プリフォームは、複数の織物基材を積層した積層体が賦形された状態であって、RTM法により成形される前の状態の要素である。
図1に示す強化繊維プリフォーム(以下、単に「プリフォーム」と表記する。)10は箱型に賦形されている。
図1において、プリフォーム10は、長方形の底部11と、底部11の周縁から立ち上がって一体形成された複数の周壁部12、13を有する。
周壁部12は、底部11の両側の長辺にそれぞれ対応して形成されており、周壁部13は底部11の両側の短辺にそれぞれ対応して形成されている。
底部11と周壁部12との間には折り曲げ部14が形成されており、折り曲げ部14は底部11と周壁部12との境界となる。
そして、底部11と周壁部13との間にも同様に折り曲げ部15が形成されている。
さらに、互いに隣り合う周壁部12、13の間にも折り曲げ部16が形成され、互いに隣り合う周壁部12、13の間は切れ目がなく連続している。
本実施形態のプリフォーム10は、図2(a)、図2(b)に示す複数の織物基材17を積層した積層体18の賦形により形成される。
本実施形態では、プリフォーム10の底部11は周壁部12、13と比較して特に高い強度および剛性が要求される箇所である。
賦形前の積層体18を形成する織物基材17について説明する。
図2(a)に示す5枚の織物基材17(17A〜17E)は、後述する製織部Mがそれぞれ経糸Tと緯糸Yとの平織りによる織布から形成されている。
経糸Tと緯糸Yは炭素繊維又はガラス繊維による繊維糸を用いている。
図2(a)において一番上となる織物基材17Aは、織物基材17Aの長手方向と経糸Tの方向が45°の角度を形成し、織物基材17Aの長手方向と緯糸の方向が−45°を形成する±45°方向基材である。
織物基材17Bは、織物基材17Aの下に位置し、織物基材17Bの長手方向と経糸Tの方向が一致する0°−90°方向基材である。
織物基材17Cは、織物基材17Cの長手方向と経糸Tの方向が−45°の角度を形成し、織物基材17Aの長手方向と緯糸の方向が45°を形成する±45°方向基材であり、織物基材17Bの下に位置する。
織物基材17Dは織物基材17Cの下に位置し、織物基材17Bの長手方向と経糸Tの方向が一致する0°−90°方向基材である。
また、図2(a)において一番下となる織物基材17Eは、織物基材17Eの長手方向と経糸Tの方向が45°の角度を形成し、織物基材17Eの長手方向と緯糸の方向が−45°を形成する±45°方向基材である。
図3(a)に示すように、±45°方向基材の織物基材17A、17C、17Eは、材料となるクロス材19から二点鎖線により区画された領域L1を切り出すことにより得られる。
図3(b)に示すように、0°−90°方向基材の織物基材17B、17Dは、材料となるクロス材19から二点鎖線により区画された領域L2を切り出すことにより得られる。
織物基材17には、経糸Tと緯糸Yとの平織りによる織り目を有する製織部Mと、経糸Tと緯糸Yとの織り目のない未製織部Nが形成されている。
織物基材17の製織部Mでは、経糸Tと緯糸Yが交互に織り込まれて平織りによる織り目が形成されている。
未製織部Nでは織り目がなく、経糸Tの層と緯糸Yの層が並列に配置されるように形成されている。
つまり、未製織部Nとは、経糸Tおよび緯糸Yにより織り目が形成されず、経糸Tと緯糸Yがクリンプしないで互いに層を成す部位を指す。
未製織部Nはプリフォーム10における底部11に位置する部位である。
本実施形態では、未製織部Nは底部11の形状に対応する長方形の領域であり、製織部Mは未製織部Nを囲繞する領域となっている。
なお、織物基材17となる材料となるクロス材19を織機により製織する際に、予め未製織部Nとなる織り目のない部位がクロス材19において形成される。
また、クロス材19に対してカレンダー加工を施してクロス材19の厚さを加工前よりも薄くするようにしてもよい。
図2(b)および図4に示すように、織物基材17A〜17Eが順に積層されたシート状の積層体18が形成される。
積層体18における各織物基材17間は、積層時の加熱により、バインダー樹脂(熱硬化樹脂あるいは熱可塑性樹脂)で互いに接着されてもよい。ただし、箱型への賦形を考慮すると、織物基材17の未製織部Nのみがバインダー樹脂により互いに接着されていればよい(製織部Mの各層は接着しない)。また、未製織部Nをステッチする場合は、製織部Mのみバインダー樹脂を塗布し、製織部Mの各層間は接着しない。
積層体18において、各織物基材17の未製織部Nは積層方向において一致しており、互いに未製織部Nが積層されている。
また、各織物基材17の製織部Mも積層方向において一致しており、互いに製織部Mが積層されている。
ところで、本実施形態では、積層された未製織部Nにはステッチ糸20が縫い込まれており、積層された未製織部Nはステッチ糸20の縫い込みにより一体化されている。
積層体18を賦形する前にステッチ糸20の縫い込みが行われる。
図5に示すように、積層体18の未製織部Nにおけるステッチ糸20は、積層体18の未製織部Nを積層方向に貫通する貫通糸20Aを備え、未製織部Nにおいて貫通糸20Aを貫通した側において、貫通糸20Aを係止する係止糸20Bを備える。
貫通糸20Aは、未製織部Nの領域の長辺に沿う方向に縫い込まれ、未製織部Nの短辺にむけて多数の貫通糸20Aが配列される。
係止糸20Bは未製織部Nの短辺方向に沿って通されて、貫通糸20Aを係止して貫通した側から貫通糸20Aが元へ抜けて戻らないようにしている。
次に、図4に示すように、賦形型21を用いて積層体18を賦形する。
賦形型21は、プリフォーム10の底部11に対応する面22を備えている。
底部11の周囲に形成される周壁部12、13に対応する面は、面22の長辺に対応する面23と、底部11の短辺に対応する面24である。
また、賦形型21は、図示されないが、プリフォーム10の底部11に対応する面22と反対側の面を備えている。
プリフォーム10の底部11に対応する面22を上面として賦形型21を設置し、プリフォーム10の底部11に対応する面22に積層体18を載置して、賦形型21に倣うように積層体18を賦形する。
賦形された積層体18であるプリフォーム10には、複数の折り曲げ部14〜16が形成される。
プリフォーム10の底部11と周壁部12との間に折り曲げ部14が形成されるほか、底部11と周壁部13との間に折り曲げ部15が形成される。
さらに、周壁部12と周壁部13との間に折り曲げ部16が形成される。
本実施形態では、プリフォーム10の折り曲げ部14を含む部分としての周壁部12を織り目のある製織部Mとするように賦形されている。
同様に、折り曲げ部15を含む部分としての周壁部13を織り目のある製織部Mとするように賦形されている。
また、折り曲げ部14、15を含まない部分としての底部11を織り目のない未製織部Nとするように賦形されている。
なお、折り曲げ部16においては織り目のある製織部Mが位置する。
プリフォーム10の周壁部12、13および折り曲げ部14〜16では、賦形性に優れた製織部Mが位置するため安定した賦形を行うことができる。
例えば、折り曲げ部14では、織り目のある製織部Mにより賦形性が保たれており、賦形時に経糸T同士又は緯糸Y同士の間隔が大きく広がってしまうことがない。
周壁部12と周壁部13との間の折り曲げ部16でも同様に織り目のある製織部Mが位置することにより賦形性が保たれている。
また、プリフォーム10では、周壁部12と周壁部13との間は、賦形により連続してつながっている。
一方、賦形されたプリフォーム10の底部11は、未製織部Nが位置することから、経糸Tおよび緯糸Yがクリンプしないで直進性が保たれている。
図5に示すように、未製織部Nでは、経糸Tの層および緯糸Yの層が形成されており、経糸Tおよび緯糸Yは長手方向に直線的に延びることが可能である。
このようにして賦形されたプリフォーム10を、RTM法により成形して強化繊維複合材25を得る。
具体的には、成形型のキャビティにプリフォーム10を収容した状態で成形型を閉じてキャビティ内を減圧する。
次に、キャビティ内を真空に近い状態にした後に未硬化の熱硬化樹脂をキャビティ内に注入し、樹脂の注入後に加熱することにより強化繊維複合材を得る。
熱硬化樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
図4に示すように、得られた強化繊維複合材25における底部26は、経糸Tおよび緯糸Yの直進性が保たれた未製織部Nの層により形成されており、底部26では周壁部27、28よりも高い強度および剛性が発現されている。
さらに、底部26は、ステッチ糸20の縫い込みにより一体化された未製織部Nにより形成されているため、周壁部27、28よりも高い耐衝撃性を有する。
従って、衝突等により底部26が衝撃を受けても、底部26において経糸Tの層と緯糸Yの層が剥離する層間剥離は発生しない。
また、周壁部27、28および折り曲げ部29〜31では、製織部Mの層により形成されているため、所望通りの賦形が発現されている。
本実施形態のプリフォーム10および強化繊維複合材25は以下の効果を奏する。
(1)積層体18の賦形の際、製織部Mは折り曲げ部14〜16において優れた賦形性を発現する。また、プリフォーム10における織り目のない未製織部Nは、未製織部Nにおける経糸Tおよび緯糸Yの直進性を保つことができるから、強化繊維複合材25における未製織部Nが形成する底部26では高い強度および剛性を発現することができる。
(2)積層されている複数の未製織部Nがステッチ糸20の縫い込みにより一体化されていることから、プリフォーム10における複数の未製織部Nは互いにより強固に固定される。その結果、強化繊維複合材25の底部26における耐衝撃性が向上し、底部26における層間剥離を防止することができる。
(3)積層体18を箱型状に賦形する場合であっても、プリフォーム10の折り曲げ部14〜16において優れた賦形性を発現するとともに、強化繊維複合材25の底部26おける高い強度および剛性を発現することを可能とする。
(4)賦形性に優れた強化繊維プリフォーム10の成形により、底部26では十分な強度を発現することができる強化繊維複合材25を得ることができる。
(5)周壁部27、28間が製織部Mにより切れ目なく連続しているため、周壁部27、28間に切れ目を入れた場合と比較して、周壁部27、28間の強度を高めることができ、切れ目による周壁部間の強度低下を解消することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係るプリフォームおよび強化繊維複合材について説明する。
本実施形態では、プリフォームおよび強化繊維複合材の形状が第1の実施形態と異なる例である。
本実施形態の強化繊維複合材は、第1の実施形態と同様に、航空機の主翼に使用される部材であり、特に主翼部構造を構成する部材である。
説明の便宜上、図面ではプリフォームおよび強化繊維複合材の形状をより簡略化して図示する。
図6は、第2の実施形態に係る強化繊維複合材を示す斜視図である。
図6に示す強化繊維複合材40は、断面コ字状であって長手方向において湾曲した形状を有している。
強化繊維複合材40は、中心部において長手方向に延在するウエブ部41と、ウエブ部41の両側端から一方への折り曲げにより形成される一対のフランジ部42を有する。
従って、ウエブ部41とフランジ部42の間には、長手方向に延びる折り曲げ部43が形成されている。
つまり、折り曲げ部43を含む部分をフランジ部42とし、他の部分をウエブ部41としている。
本実施形態では、フランジ部42の面はウエブ部41の面に対して直角であり、一対のフランジ部42の面は互いに平行である。
強化繊維複合材40では、ウエブ部41の面は長手方向において湾曲する曲面となっている。
ウエブ部41はフランジ部42よりも高い強度および剛性を有する部位であり、フランジ部42は賦形時において折り曲げ部43やフランジ部42の曲がり部分での賦形性が要求される部位である。
図7に示すように、強化繊維複合材40のプリフォーム45は、第1の実施形態と同様に複数の織物基材を積層化した積層体46を賦形することにより得られる。
織物基材は図示しないが、第1の実施形態と同様に、±45°方向基材としての織物基材と、0−90°方向基材として織物基材を複数に用い、両者を交互に積層することにより積層体46を得る。
積層体46において、フランジ部42に対応する部分では各織物基材の未製織部Nが積層方向において一致しており、互いに未製織部Nが積層されている。
また、ウエブ部41に対応する部分では各織物基材の製織部Mが積層方向において一致しており、互いに製織部Mが積層されている。
積層された未製織部Nにはステッチ糸48が縫い込まれており、積層された未製織部Nはステッチ糸48の縫い込みにより一体化されている。
積層体46を賦形型へ載置して賦形することでプリフォーム45が形成され、プリフォーム45をRTM法により成形することによって、強化繊維複合材40を得ることができる。
本実施形態によれば、強化繊維複合材40が箱型状以外で形状であっても、積層体46の賦形の際、製織部Mはフランジ部42において優れた賦形性を発現する。また、未製織部Nが形成するウエブ部41では高い強度および剛性を発現することができる。
また、各織物基材の未製織部Nがステッチ糸48の縫い込みにより一体化されていることから、複数の未製織部Nは互いにより強固に固定されている。
従って、強化繊維複合材40のウエブ部41における耐衝撃性が向上し、ウエブ部41における層間剥離を防止することができる。
さらに、賦形性に優れたプリフォーム45の成形により、ウエブ部41では高い強度および剛性を発現することができる強化繊維複合材40を得ることができる。
なお、上記の実施形態は、本発明の一実施形態を示すものであり、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、下記のように発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能である。
○ 上記の実施形態では、織物基材は平織りによるクロス材からの切り抜きにより形成するとしたが、クロス材は平織りに限定されない。例えば、綾織や朱子織等により製織されたクロス材としてもよく、この場合もクロス材において製織部に対応する部位と織り目のない未製織部に対応する部位を形成する。
○ 上記の実施形態では、未製織部が長方形となるように形成されたが、未製織部の形状は特に限定されず自由である。
○ 上記の実施形態では、3枚の±45°方向基材としての織物基材と2枚の0−90°方向基材としての織物基材を交互に積層した積層体を形成し、積層体を賦形してプリフォームを得たが、織物基材の枚数は5枚に限定されない。織物基材の積層数は複数であって、少なくとも、±45°方向基材としての織物基材と、0−90°方向基材がそれぞれ2枚以上であればよい。
○ 上記の実施形態では、複数の折り曲げ部が形成されるプリフォームおよび強化繊維複合材としたが、プリフォームおよび強化繊維複合材は折り曲げ部を少なくとも一つ以上有する形状であればよい。この場合、折り曲げ部を含む部分を織り目のある製織部とし、他の部分を織り目のない未製織部とすればよい。
○ 上記の実施形態では、未製織部における高い耐衝撃性を図るために、ステッチ糸の縫い込みを施したが、未製織部に対して高い耐衝撃性が要求されない場合、ステッチ糸の縫い込みを施さなくてもよい。この場合でも、未製織部には製織部と比較して高い強度、剛性が発現される。また、ステッチ糸の縫い込みは、賦形前の積層体の状態に限らず、賦形後のプリフォームの状態であってもよい。
10、45 強化繊維プリフォーム
11 底部
12、13 周壁部
14、15、16 折り曲げ部
17 織物基材
18、46 積層体
20、48 ステッチ糸
21、47 賦形型
25、40 強化繊維複合材
26 底部
27、28 周壁部
29、30、31 折り曲げ部
41 ウエブ部
42 フランジ部
43 折り曲げ部
T 経糸
Y 緯糸
L1 領域
L2 領域
M 製織部
N 未製織部

Claims (4)

  1. 複数の織物基材を積層した積層体を賦形することにより形成され、前記積層体の折り曲げにより形成される折り曲げ部を有する強化繊維プリフォームにおいて、
    前記織物基材は、少なくとも前記折り曲げ部を含む部分を織り目のある製織部とし、他方を織り目のない未製織部とし、
    前記積層体の積層方向に複数の前記未製織部が一致するとともに、前記積層方向に複数の前記製織部が一致するように、前記複数の織物基材を積層したことを特徴とする強化繊維プリフォーム。
  2. 積層された複数の前記未製織部は、ステッチ糸の縫い込みにより一体化されていることを特徴とする請求項1記載の強化繊維プリフォーム。
  3. 前記積層体は底部および複数の周壁部を有する箱型に賦形され、
    前記底部は前記未製織部により形成され、
    前記周壁部は前記製織部により形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の強化繊維プリフォーム。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項記載の強化繊維プリフォームの成形により得られることを特徴とする強化繊維複合材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018165045A (ja) * 2017-03-29 2018-10-25 東レ株式会社 強化繊維積層シートおよび樹脂成形品の生産方法

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