JP2014057973A - 厚鋼板のガス切断方法及び装置 - Google Patents

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明 中小路
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Abstract

【課題】リング状の被切断材の外周面をガス切断して開先を形成する際に、セッティングを効率良く、しかも精度良く、作業姿勢に負担をかけずに行うのと共に、切断ノロの除去も短時間で行えるようにする。
【解決手段】回転テーブル11及びこの回転テーブル11の回転駆動装置12と、回転テーブル11の表面側に回転テーブル11と同軸に搭載されたチャック13と、このチャック13によって回転テーブル11より浮かせた状態で内周側から保持した被切断材5の外周面に向けて予熱炎と切断用酸素を噴射すべく配置されたトーチ14aを備えたガス切断機14とを具備した本発明装置を使用し、回転テーブル11より浮かせた状態で保持した被切断材5をリング状の中心を支点軸として回転させつつ、予熱炎と切断用酸素を噴射してガス切断する。
【選択図】図1

Description

本発明は、厚鋼板をガス切断する方法、及びこのガス切断方法を実施する装置に関するもので、特にリング状の厚鋼板の外周面をガス切断するのに適したものである。
建築構造物の梁のウエブ部には配管や配線を通すための貫通孔が設けられている。しかしながら、貫通孔を設けたままでは梁の強度が弱くなるので、貫通孔に補強用の金具を取り付けることが行われている。
この補強用金具として、例えば厚鋼板から切り出したリング状補強部材の外周面に、前記貫通孔を設けたウエブ部への溶接用の開先を形成したものがある(特許文献1)。
このような補強用金具(以下、被切断材という。)において、外周面に開先を形成する場合、例えば特許文献2に開示されたものや図6に示すような、トーチを円形に移動させて切断するガス切断機が使用される。
図6に示したガス切断機は、駆動装置1によって旋回される縦旋回軸2に、縦旋回軸2と直交する方向に伸長する腕部材3を設置し、この腕部材3の先端にトーチ4を取り付けたもので、縦旋回軸2の旋回中心cを中心としてトーチ4を円形に移動させるものである。
このようなガス切断機を使用して被切断材5の外周面に開先を形成する場合、横断面矩形状の板材を並列に多数並べた切断定盤6の上に被切断材5を載置した後、ガス切断機のトーチ4を、被切断材5の中心を支点として円形に移動させることで行っていた。なお、図6中の7は切断定盤6に固定されたブロックである。
しかしながら、前記ガス切断機を使用した開先の形成では、以下に列挙するような問題があった。
1) 被切断材の外周と切断機のトーチの移動軌跡が合致する中心点を見つけ出す作業は、切断機を少しずつ移動させながら行うので、手間と時間がかかる。その上、このセッティング作業は被切断材を開先切断するごとに発生するので、作業者の負担が大きい。また、開先切断を繰り返すたびにトーチから噴出する火炎によって切断定盤が損傷するので、被切断材と切断機の水平が出し難くなって、前記セッティングに要する時間が徐々に長くなる。
2) 開先切断に際しては、作業員が切断状況を確認しながらトーチの位置調整をする必要があるが、開先切断はトーチを円形に移動させて行うので、作業員が最適な作業姿勢を保つのが難しい。
3) 開先切断はトーチを円形に移動させて行うことから、切断により発生するノロが被切断材の外周全域に落下し、その除去作業に時間を要する。
特開2011−174311号公報 特開平8−192266号公報
本発明が解決しようとする問題点は、リング状の被切断材の外周面をガス切断して形成する開先を、トーチを円形に移動させて行う場合、ガス切断機のセッティングに手間を要するという点である。また、開先切断に際し、作業員が最適な作業姿勢を保つのが難しいという点である。さらに、開先切断時に発生する切断ノロは被切断材の外周全域に落下するので、その除去作業に時間を要するという点である。
本発明は、リング状の被切断材の外周面をガス切断して開先を形成する際に、セッティングを効率良く、しかも精度良く、作業姿勢に負担をかけずに行うのと共に、切断ノロの除去も短時間で行えるようにするため、以下のような構成を採用している。
すなわち、本発明は、
リング状の被切断材の外周面に開先を形成すべくガス切断する方法であって、
回転テーブルに搭載したチャックにより、前記回転テーブルより浮かせた状態で前記被切断材を内周側から保持した後、前記回転テーブルの回転によって前記被切断材をリング状の中心を支点軸として回転させ、
この回転中の前記被切断材の外周に向けて予熱炎と切断用酸素を噴射してガス切断することを最も主要な特徴としている。
上記本発明方法は、
回転テーブル及びこの回転テーブルの回転駆動装置と、
前記回転テーブルの表面側に、回転テーブルと同軸に搭載されたチャックと、
このチャックによって前記回転テーブルより浮かせた状態で内周側から保持した被切断材の外周面に向けて予熱炎と切断用酸素を噴射すべく配置されたトーチを備えたガス切断機と、
を具備した本発明の厚鋼板のガス切断装置を用いて実施することができる。
本発明は、リング状の被切断材の外周面に開先を形成する際のガス切断に際して、チャックを用いて被切断材のセッティングを行うので、手間がかからず短時間でしかも高精度にセッティングを行うことができる。
また、ガス切断は、被切断材を回転させ、トーチの位置は同じ位置で行うので、作業員による切断状況の確認を作業姿勢に負担をかけずに容易に行えるのと共に、切断時に発生するノロも一箇所に落下してその除去作業が短時間で行えるようになる。
さらに、ガス切断は、被切断材を回転テーブルから浮かせた状態で保持して行うので、トーチから噴出する火炎によって回転テーブルが損傷することもない。
本発明のガス切断装置の概略構成を示す正面図である。 図1の右側面図である。 図1の平面図である。 図1の矢視A−A図である。 図1のB部詳細図である。 被切断材の外周面をガス切断する従来装置の一例を示した図で、(a)は正面図、(b)は(a)図の矢視C−C図である。
本発明は、リング状の被切断材の外周面をガス切断して開先を形成する際に、セッティングを効率良く、しかも精度良く、作業姿勢に負担をかけずに行うのと共に、切断ノロの除去も短時間で行えるようにすることを目的とするものである。
そして、前記目的を、チャックにより回転テーブルより浮かせた状態で被切断材を内周側から保持して回転させつつガス切断することで実現した。
以下、本発明の実施例を、図1〜図5を用いて説明する。
図1〜図5は本発明のガス切断装置の概略構成を示す図である。
11は回転駆動装置12によってその軸中心を回転中心として回転する円盤状の回転テーブルであり、表面側にはチャック13が回転テーブル11と同軸に搭載されている。
このチャック13は、例えば図4に示すように、同一円周上の等角度位置に設けた3個の爪13aによって、図1に示すように、被切断材5を回転テーブル11より浮かせた状態で内周側から保持するものである。
14はガス切断機であり、図1に示すように、回転テーブル11より浮かせた状態で保持した被切断材5の外周面に向けて予熱炎と切断用酸素を噴射するトーチ14aと、このトーチ14aに予熱ガスと酸素ガスを供給する供給部(図示省略)を備えている。
このガス切断機14は、被切断材5の搬入、取り出しを容易に行えるようにするため、図1〜3に示すように、例えば回転テーブル11に対して接離移動と所定位置での固定が可能な架台15に搭載している。そして、この架台15上を移動台車14bによって前記接離移動方向と直交する方向(図3の紙面上下方向)に移動可能なようにしている。
添付図面の例では、前記接離移動は、回転テーブル11を挟むように敷設されたレール16上を移動することにより行い、所定位置での固定は、架台固定装置17の押し付け板17aをリンク機構17bによってレール16の踏面に押付けることに行うものを示している。
上記構成の本発明ガス切断装置により、回転テーブル11より浮かせた状態で内周側から被切断材5を保持してリング状の中心を支点軸として回転させつつ、この回転中の被切断材5の外周に向けてから予熱炎と切断用酸素を噴射してガス切断する。
このような本発明方法によれば、チャック13を用いて被切断材5のセッティングを行うので、手間がかからず短時間で、しかも高精度にセッティングを行うことができる。
その際、チャック13として、例えば前記3個の爪13aが半径方向に同時に同じ距離だけ移動するように構成されたスクロールチャックを使用した場合、被切断材5のセッティングがより効率良く、しかも高精度に行うことができる。
また、ガス切断は、被切断材5を回転させ、トーチ14aの位置は同じ位置で行うので、作業員による切断状況の確認を作業姿勢に負担をかけずに容易に行える。しかも、切断時に発生するノロも、図1に示すように落下個所(一箇所)に回収箱18を設置しておけば、その除去作業が短時間で行えるようになる。
その上、本発明では、被切断材5を回転テーブル11から浮かせた状態で保持してガス切断を行うので、トーチ14aから噴出する火炎によって回転テーブル11が損傷することもない。
ちなみに、外径が450mmの被切断材の外周面の開先を、図6に示した従来装置を使用したガス切断と、図1〜5に示した本発明装置を使用した本発明ガス切断によって形成した場合の、各工程の処理時間を比較した場合の結果を下記表1に示す。
Figure 2014057973
上記表1より明らかなように本発明によれば、特にセッティングに要する時間が、大幅に短縮され、単位時間当たりの処理枚数も大幅に向上することが分かる。
本発明は上記した例に限らないことは勿論であり、請求項に記載の技術的思想の範疇であれば、適宜実施の形態を変更しても良いことは言うまでもない。
例えば上記例では、ガス切断機14は、回転テーブル11に対して接離移動可能に構成しているが、必ずしも、接離移動可能でなくても良い。
また、本発明は梁のウエブ部に設けた貫通孔の補強用金具の開先を形成するためのガス切断に限らず、外周面をガス切断するものでればどのようなものでも適用可能である。
5 被切断材
11 回転テーブル
12 回転駆動装置
13 チャック
14 ガス切断機
14a トーチ

Claims (3)

  1. リング状の被切断材の外周面に開先を形成すべくガス切断する方法であって、
    回転テーブルに搭載したチャックにより、前記回転テーブルより浮かせた状態で前記被切断材を内周側から保持した後、前記回転テーブルの回転によって前記被切断材をリング状の中心を支点軸として回転させ、
    この回転中の前記被切断材の外周に向けて予熱炎と切断用酸素を噴射してガス切断することを特徴とする厚鋼板のガス切断方法。
  2. リング状の被切断材の外周面に開先を形成すべくガス切断する装置であって、
    回転テーブル及びこの回転テーブルの回転駆動装置と、
    前記回転テーブルの表面側に、回転テーブルと同軸に搭載されたチャックと、
    このチャックによって前記回転テーブルより浮かせた状態で内周側から保持した前記被切断材の外周面に向けて予熱炎と切断用酸素を噴射すべく配置されたトーチを備えたガス切断機と、
    を具備したことを特徴とする厚鋼板のガス切断装置。
  3. 前記ガス切断機は、前記回転テーブルに対して接離移動可能に構成されていることを特徴とする請求項2に記載の厚鋼板のガス切断装置。
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