JP2014055948A - 沸騰水型原子炉用のサプレッションプールを外部から代替的に冷却するための方法及びシステム - Google Patents

沸騰水型原子炉用のサプレッションプールを外部から代替的に冷却するための方法及びシステム Download PDF

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Abstract

【課題】MarkIの1次格納施設を損なわせることがない、沸騰水型原子炉(BWR)のためのサプレッションプールを外部から代替的に冷却するための方法及びシステムを提供する。
【解決手段】外部冷却システム30は、サプレッションプール2を囲む冷却コイル26に流体的に結合されるヒートシンク20を有することができる。冷却水が、通常のプラント電力を必要とすることなく冷却コイル26を通して圧送され得、これはプラントの救急事態中では理想的である。この冷却システム30はまた、プラント作業員の安全性を保護するために遠隔位置から動作及び制御され得る。
【選択図】図2

Description

例示的な実施形態は、概略的には、原子炉に関し、より具体的には、沸騰水型原子炉(BWR)用のサプレッションプールの外部の代替的な冷却システムに関する。冷却システムは、1次格納施設バウンダリを一切破断する(breach)ことなくサプレッションプールを緊急冷却するのを可能にすることができる。
図1は、従来の沸騰水型原子炉(BWR)原子炉建屋5の断面図である。サプレッションプール2は、原子炉建屋1次格納施設の一部分である円環状のプールである。具体的には、サプレッションプール2は、原子炉建屋5のシェル4内に配置される鋼製1次格納容器3の延長部分である。サプレッションプール2は、原子炉1及び使用済燃料プール10よりも下に配置され、一定の事故の間、格納施設圧力の増加を制限するために使用される。サプレッションプール2は、具体的には、プラント事故の間に放出される蒸気を冷却し、凝縮させるために使用される。例えば、多くのプラント安全/調整バルブは、蒸気を凝縮させ、望ましくない圧力増加を軽減するために、蒸気をサプレッションプール2内に放出するように設計される。通常、BWRサプレッションプール2は、全体直径(すなわち配置図直径)が約140フィート(42.67m)であり、30フィート(9.144m)の直径の円環状シェルを有する。通常運転の間、サプレッションプール2は、通常、プール内の約15フィート(4.572m)の深さにサプレッションプール水を有する(通常運転の間、サプレッションプール2内に約1,000,000ガロン(3.785x106リットル)のサプレッションプール水を有する)。
プール2は、通常、BWRプラントの残留熱除去(RHR)システムにより浄化及び冷却される。通常(非事故)プラント状態の間、RHRシステムは、水中に含まれる可能性がある不純物及びいくつかの放射性同位体を除去するために、(従来のRHRポンプを使用して)サプレッションプール2から水を除去し、純水装置(図示せず)を通して水を送ることができる。プラント事故の間、RHRシステムは、冷却するために、サプレッションプール2からサプレッションプール水を多少除去し、この水を熱交換器(RHRシステム内)に送るようにさらに設計される。
重大なプラント事故の間、通常のプラント電力が中断する可能性がある。具体的には、プラントは、従来のRHRシステム及びポンプを運転する通常の電力がない場合がある。電力が長期にわたって中断すれば、サプレッションプール内の水は、最後には沸騰し、また、プラント蒸気を凝縮させ、格納施設圧力を低減するサプレッションプールの能力を阻害する可能性がある。
プラントの緊急事態では、RHRシステムの使用により、高放射性の水(許容設計限度を超える)が、サプレッションプールとRHRシステム(1次格納施設の外側に配置される)との間を輸送される可能性がある。サプレッションプールとRHRシステムとの間の高放射性の水の輸送により、それ自体、サプレッションプールから流出する可能性がある有害な放射性同位体の漏れが増大する可能性がある。それに加えて、RHRシステムの領域の線量率は、事故の間は極めて高く、プラント作業員がシステムに接近し、それを制御するのを難しくする可能性がある。
"Low Pressure Emergency Core Cooling Systems," Nuclear Power Plants, Nuclear Power Plant Information, http://nuclearstreet.com/nuclear-power-plants/w/nuclear#power#plants/low-pressure-emergency-core-cooling-systems.aspx
例示的な実施形態は、沸騰水型原子炉(BWR)のためのサプレッションプールを外部から冷却するためのシステムを提供する。このシステムは、1次格納施設を損なわせることなくさらには通常のプラント電力を必要とすることなく、サプレッションプールを外部冷却するのを可能にすることができる。この冷却システムは、プラントの緊急事態中にプラント作業員の安全性を保護するために遠隔位置から動作及び制御され得る。例示的な実施形態はまた、このシステムを作る方法を含む。
例示的な実施形態の上述及び他の特徴及び利点は、添付の図面を参照して例示的な実施形態を詳細に説明することにより、より明らかになるであろう。添付の図面は、例示的な実施形態を表すものとし、特許請求の範囲の目的範囲を制限するものと解釈すべきでない。添付の図面は、はっきりと断らない限り、原寸に比例して描かれたものとみなすべきでない。
従来の沸騰水型原子炉(BWR)型原子炉建屋の断面図である。 例示的な実施形態による外部冷却システムを示す俯瞰図である。 例示的な実施形態による外部冷却システムを作る方法を示すフローチャートである。
詳細な例示的実施形態を本明細書に開示する。しかし、本明細書に開示する特定の構造的及び機能的な詳細は、例示的な実施形態を説明するために表されているにすぎない。しかし、例示的な実施形態は、多くの代替形式において実施することができ、本明細書に説明する実施形態のみに限定されるものと解釈すべきでない。
したがって、例示的な実施形態には様々な変更及び代替形式があるが、その実施形態を図面に例として示し、それを本明細書に詳細に説明する。しかし、例示的な実施形態を開示する特定の形式に限定する意図はなく、それとは反対に、例示的な実施形態は、例示的な実施形態の範囲内に入る、全ての変更形態、均等物、及び変形形態を保護するものとすることを理解されたい。図の説明を通して、同様の番号は、同様の要素を指す。
用語第1、第2などは、様々な要素を説明するために本明細書に使用する可能性があるが、これらの要素を、これらの用語により限定すべきでないことが理解されよう。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するために使用するにすぎない。例えば、例示的な実施形態の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と呼ぶことができ、同様に、第2の要素を第1の要素と呼ぶことができる。本明細書に使用するように、用語「及び/又は」は、1つ又は複数の関連する記載項目の任意の組合せ及び全ての組合せを含む。
ある要素を他の要素に「接続」又は「結合」するというとき、ある要素を他の要素に直接、接続又は結合するか、又は、介在する要素が存在する可能性があることが理解されよう。それとは対照的に、ある要素を他の要素に「直接接続」又は「直接結合」するというとき、介在する要素は存在しない。要素間の関係を説明するのに使用する他の語を、同様に(例えば、「間に」に対する「間に直接」、「隣接して」に対する「直接隣接して」など)、解釈すべきである。
本明細書に使用する専門用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、例示的な実施形態を限定するものではない。本明細書に使用するように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈が別途はっきりと示さなければ、複数形も含むものとする。用語「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(includes)」、及び/又は「含む(including)」は、本明細書に使用する際、特定の特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は部品の存在を明確化するが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、部品、及び/又はそれらの群の存在又は追加を除外しないことがさらに理解されよう。
いくつかの代替的な実施形態では、示した機能/動作は、図に示した順序通りに起こらない可能性があることにも留意されたい。例えば、連続的に示す2つの図は、実際は、ほぼ同時に実施される場合があり、又は、時として、含まれる機能/動作に応じて逆の順序で実施される場合がある。
図2は、例示的な実施形態による外部冷却システム30の俯瞰図である。外部冷却システム30は、サプレッションプール2の周りに巻かれ、かつ、サプレッションプール2を外部冷却するのを可能にするヒートシンク20に流体的に結合される、冷却コイル26を有することができる。冷却コイル26は、可撓性コイル、分岐管材料、ブランケット、又は、サプレッションプール2の外側シェルとコイル26との間の表面積(最大熱伝達のための)を増大させる任意の別の装置であってよい。冷却コイル26は、コイル26とサプレッションプール2の外側表面との間での直接的な露出を最大にすることを目的としてコイル26をサプレッションプール2の形状の周りで形成するのを可能にするために、可撓性であってよい。
ヒートシンク20は、大型の、人工物又は自然の水域であってよい。ヒートシンク20内の液体は水であってよく、又は、サプレッションプール2との熱交換を最適化することができる高い熱容量を有する任意の別の液体流体であってもよい。ヒートシンク20内の液体がより低温であれば、サプレッションプール2を冷却する際の外部冷却システム30の効率が上がる。ヒートシンク20が管又は管材料24/28を介して冷却コイル26に流体的に結合され得る。具体的には、ポンプ22(ヒートシンク20に接続される)は、ヒートシンク20から、冷却水入口管24を通して、サプレッションプール2の周りに巻かれる冷却コイル26内へと、冷却水を放出することができる。温水出口管28が、冷却コイル26からヒートシンク20へ戻すために温水を放出することができる(また、水は別法として、ヒートシンク20以外の別の場所に放出されてもよい)。
外部冷却システム30のオペレーション及び制御装置は、プラントの事故の間にプラント作業員が1次格納施設に露出されるのを保護するために、遠隔位置31(サプレッションプール2に対して)に配置されてよい。具体的には、ポンプ22(及び/又は、ポンプ22を動作させるのに使用されるコントローラ34)が遠隔位置に配置され得る。同様に、冷却コイル25を通る水の流量を制御するための(及び、入口管24を開閉するための)制御バルブ32(及び/又は、制御バルブ32を動作させるのに使用されるコントローラ34)も遠隔位置31内に配置され得る。
ポンプ22はディーゼル発電機によって動作され得るか又は機械エンジンによって直接に動作され得、したがって、ポンプを動作させるのに、通常のプラント電力に依存する必要がない(これは、プラントの緊急事態中では理想的である)。ポンプ22の代わりに、ヒートシンク20はサプレッションプール2の上方の高さのところに配置されてよく、それにより、電力を一切必要とすることなくヒートシンク20からの冷却水を冷却コイル26を通るように重力排水することが可能となる(しかし、この構成では、出口管28からの温水をヒートシンク20内に戻すように排水することができないという欠点を有する)。
システム30は、サプレッションプール2及び/又は任意の1次格納施設構造の完全性を損なわせる(すなわち、貫通する)必要がなくサプレッションプールを冷却するように動作することができる。システム30はまた、サプレッションプール2からの水を置き換えることなく、又は、別の形で格納施設からの潜在的な格納水を除去することなく、動作する。
図3は、例示的な実施形態による、外部冷却システム30を作る方法のフローチャートである。具体的には、ステップS40が、サプレッションプール2(図2を参照)の外側表面の周りに冷却コイル(複数可)26を巻くことを含むことができる。ステップS42が、冷却コイル26をヒートシンク20に流体的に結合することを含むことができる。これは、入口管24及び出口管28をサプレッションプール2の周りの冷却コイル26に接続することによって達成され得る。ステップS44が、ポンプ22を使用することにより(又は別法として、重力排水により)、ヒートシンクからの冷却水を冷却コイル26を通るように圧送することを含むことができる。
上述のように、例示的な実施形態を説明してきたが、同じものを様々に変形できることは明らかである。そうした変形形態は、意図する技術的思想、及び例示的な実施形態の範囲から逸脱するものとみなすべきでなく、当業者には明らかな全ての変更は、以下の特許請求の範囲の範囲内に含まれるものとする。
1 原子炉
2 サプレッションプール
3 1次格納容器
4 シェル
5 原子炉建屋
10 使用済燃料プール
20 ヒートシンク
22 ポンプ
24 冷却水入口管
26 冷却コイル
28 温水出口管
30 外部冷却システム
31 遠隔位置
32 制御バルブ
34 コントローラ
S40 サプレッションプールの周りに冷却コイルを巻くステップ
S42 冷却コイルをヒートシンクに流体的に結合するステップ
S44 ヒートシンクから冷却コイルを通るように冷却水を圧送するステップ

Claims (19)

  1. サプレッションプールと、
    前記サプレッションプールの外側表面に接触する冷却コイルと、
    前記冷却コイルを通る冷却流体の流れを提供するために前記冷却コイルに流体的に結合されるヒートシンクと
    を備える、外部冷却システム。
  2. 前記冷却コイルが前記サプレッションプールの周りに巻かれる、請求項1記載の外部冷却システム。
  3. 前記ヒートシンクに流体的に結合されるポンプと、
    前記冷却コイルを通る冷却流体の前記流れを提供するために前記ポンプを前記冷却コイルに接続する入口管と
    をさらに備える、請求項1記載の外部冷却システム。
  4. 前記冷却コイルから前記ヒートシンクへ戻すことを目的として温水を放出するために前記冷却コイルに接続される出口管
    をさらに備える、請求項3記載の外部冷却システム。
  5. 前記ポンプがディーゼル発電機によって駆動される、請求項3記載の外部冷却システム。
  6. 前記入口管内にある制御バルブ
    をさらに備える、請求項3記載の外部冷却システム。
  7. 前記ポンプ及び前記制御バルブのうちの少なくとも1つを制御するためのコントローラであって、前記コントローラが前記サプレッションプールに対して遠隔位置に配置される、コントローラ
    をさらに備える、請求項6記載の外部冷却システム。
  8. 前記システムが、前記サプレッションプール又は任意の別の1次格納施設構造を損なわせることがない、請求項1記載の外部冷却システム。
  9. 前記ヒートシンクが人工物又は自然の水域のうちの1つである、請求項1記載の外部冷却システム。
  10. サプレッションプールの外側表面を冷却コイルに接触させるステップと、
    ヒートシンクを前記冷却コイルに流体的に結合させるステップと
    を含む、外部冷却システムを作る方法。
  11. 前記ヒートシンクから前記冷却コイルを通るように冷却流体を流すステップ
    をさらに含む、請求項10記載の方法。
  12. 前記サプレッションプールの外側表面を冷却コイルに接触させるステップが、前記冷却コイルを前記サプレッションプールの周りに巻くステップを含む、請求項10記載の方法。
  13. 入口管を前記ヒートシンク及び前記冷却コイルに接続するステップと、
    ポンプを前記入口管内に挿入するステップと
    をさらに含み、
    前記ヒートシンクから前記冷却コイルを通るように前記冷却流体を流すステップが、前記ポンプを使用して前記入口管を通して前記冷却コイルまで前記冷却流体を圧送するステップを含む、
    請求項11記載の方法。
  14. 出口管を前記冷却コイル及び前記ヒートシンクに接続するステップと、
    前記出口管を使用して前記冷却コイルから前記ヒートシンクまで前記冷却流体を排水するステップと
    をさらに含む、請求項10記載の方法。
  15. 前記ポンプが、ディーゼル発電機及び機械エンジンのうちの1つによって駆動される、請求項13記載の方法。
  16. 前記入口管内に制御バルブを挿入するステップと、
    前記制御バルブを使用して前記冷却流体の流量を制御するステップと
    をさらに含む、請求項13記載の方法。
  17. 前記ポンプ及び前記制御バルブのうちの少なくとも1つにコントローラを接続するステップであって、前記コントローラが前記サプレッションプールに対して遠隔位置に配置される、ステップ
    をさらに含む、請求項16記載の方法。
  18. 前記システムが、前記サプレッションプール又は任意の別の1次格納施設構造を損なわせることがない、請求項10記載の方法。
  19. 前記ヒートシンクが人工物又は自然の水域のうちの1つである、請求項10記載の方法。
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