JP2014054499A - 筒型撮像素子を用いた全視野小型撮像装置 - Google Patents

Abstract

【課題】複雑に彎曲した管内、特に生体の消化器官内において、鮮明な映像を３６０°全視野映像取込んで記録でき、且つ、画像処理に必要な位置参照情報も提供できる小型カメラの構造である。
【解決手段】 本発明は、薄く切削されたイメージ・センサーを被験管の内径より細い円筒形に丸めて実装することにより、被験管の内管壁の円周走査撮像を可能にし、更に前視野の広角レンズから画像情報とあわせて、正確な展開図の合成に必要な位置の参照情報も提供可能である。
【選択図】図１

Description

発明の詳細な説明

本発明は、複雑に彎曲する細管内壁、特に生体の消化器官内の観察に、鮮明な管壁の走査映像を撮像可能な小型撮影装置の構造を提供するものである。

２０００年５月、米国サンディエゴで開催された消化器関連の医学学会において、Ｇｉｖｅｎ Ｉｍａｇｉｎｇ社が、嚥下可能なカプセル型内視鏡カメラを世界で初めて一般公開してから１０年余り、各メーカはしのぎを削って改良を施し、独自な製品を世に送り出している。

しかし、どの既製品でも、肝心な映像情報を収集するカメラユニットは相変わらず、進行方向の前方に広視野角レンズ（円周魚眼レンズ）の形式しかなく、医療現場では、嚥下可能なカプセル型内視鏡カメラに対しては、一層の画質改善の要求が続いている。
それに対する改善案も多数あるが、代表的なものは下記の例である。

特許文献１に示される先行案１は、カメラユニットが進行方向と直交する側面へ向けて設置され、管内をモータで回転しながら進行するとともに管内壁を螺旋状に平面走査して、比較的簡単な画像処理により、連続的な映像を１枚の展開した画像に合成するものである。実用的であるが、可動部を有するため、構造が複雑な上、又、反動トルクによる画像のブレを抑制するための撮影サイクル制御（回転＝進行→停止→撮影→回転＝進行）もかなり煩雑と思われる。
特開２００７−１５９６４２

医療現場において、比較的長い時間（８時間以上）をかけて患者（被験者）から映像情報を収集し、概ね十数分（標準診察時間）に診断を行うのがカプセル型内視鏡カメラの利用形態である。検査時に患者の負荷（苦痛）が比較的少なく膨大な生体内の情報を得られる反面、数万枚の周辺がボケた画像から標準診察時間内で異常を見つけ出すことは困難な作業で、病変部を見逃す危険性も高いのが現状である。。

医療現場の負担を軽減するため、より鮮明な画像を得ることを目的に、複数の画像を連結させ、１枚の展開画像に合成することが当面の開発動向である。前述の先行案１は鮮明な映像を得られ、更に画像合成の両方面に効果が期待できるが、複雑な構造と撮影制御を要することが課題である。
従って、鮮明な合成展開画像を容易に得られる、小型且つ構造単純なカメラシステムが必要とされている。

本発明は、薄く切削されたイメージ・センサーを被験管の内径より細い円筒形に丸めて実装することにより、被験管の内管壁の走査撮像を可能にした。

更に、円筒形イメージ・センサーの中心軸に、通常と同様前視野レンズと前視野レンズからの入射光を射影するイメージ・センサーがあって、且つ２つのイメージ・センサーが同時に撮像する特殊な光学撮像装置を以って、問題解決を図るものである。

前視野からの入射光は、今までの先行案と同様に先頭の中心にある広視野角レンズを経て、当該レンズ後方に配置された撮像用イメージ・センサーに射影される。
前視野レンズの光軸と直交する円周側面から入射光は直接に円筒形イメージ・センサーへ射影される。
同時撮像より、前視野及び円周面の走査の画像情報がほぼ同時に記録される。

画像処理において、位置の参照情報を得るため、前視野の撮像と円周面の走査撮像に必ず、重複部分が有るように円筒形イメージ・センサーの外部に環状シリンダーレンズを同軸設置してある
画像処理において容易に連続性を保つため、被写体の像面が隣接の画像には必ず互いに重複部分が存在するように撮像するのが望ましい。

円筒状イメージ・センサーの撮像を展開すれば、理論上は管壁の平面走査図である。その複数の重複部分を持つ大量の画像の積み重ねで連結すれば、容易に管壁の全体展開図が得られる。
本発明は、光学レンズに関する具体的な計算、イメージ・センサーの画像記録等の情報処理方法は、公知のものを利用できる汎用性の高いものである。

本発明によれば、鮮明な円周面の走査図に、前視野レンズ組の位置補助情報を加えることで、比較的容易に連結等画像処理が可能となり、人の目に頼る動画映像判別だけでなく、人手に頼らず、自動判別による画像の連結合成にも可能となる。

本発明の基本原理（円周走査）説明図。 本発明が撮像した画像情報の位置関係のイメージ図。 画像処理後のパノラマ画像情報イメージ図。 本発明の一般的な構成の概要図

本発明の実施形態は、撮像した画像外部の記録装置に送信して蓄積する前提で、画像情報処理を経て、合成動画或は合成展開図２つの利用する形態が想定される。
図１は、本発明の基本原理説明図である。
前視野の被写体情報が最大視野角１８０°の魚眼式前視野レンズ１を通じて、等角状に中央円形撮像エリア８へ射影される。
前視野レンズ１の光軸にと直交する円周側面から入射光はそのまま円筒形の撮像エリア９に射影される。
図２は、図１に示された被写体３０ａ、３０ｂ、３０ｃを撮像した画像情報の位置関係のイメージ図。

中心円形エリアの画像は前視野レンズから得られた等角撮像で、その中心は進行方向寄りで、外周は進行方向の反対側寄りである。円筒形エリアにおいては、図１の論述通り、殆ど１対１の平面展開図である。

合成動画の利用においては、先ず、図２に示された撮像された画像から、中心円形エリアの画像情報と円筒形エリアの画像情報を円周のパターン認識により境界部の重複分を除去した後、円筒形エリアの画像情報を透視法の座標変換計算しながら、中心円形エリア画像情報の外縁側に補足充填する。更なる不足分は隣接撮像画像から補えば、図３のように臨場感の溢れるトンネルのパノラマ合成画像が得られる。

上記処理した合成画像を連続して表示すれば、恰も、トンネルを潜るジェットコースタに先頭にいる３６０°動画映像が得られる。既存のシステムより遥かに、リアルな視覚情報を得られる。

合成展開図の利用では、最も単純の方法は円筒形エリアの画像情報を、隣接撮像の画像情報と境界部のパターン認識を経て、重複部分を互いに重なって、連結すれば、連続した合成展開図が得られる。

図４は、本発明の一般的な構成の立体概要図で、前部半球状に封じた透明な円管保護ケース２０の内部に、前視野レンズ組１、レンズ固定筒６、円筒形イメージ・センサー２及び環状シリンダーレンズ３が同軸に設置されている。

円筒形イメージ・センサー２の内円側、強度を補強するフィリクシブ基板１３があり、外接端子は、経由して、制御基板１１のソケット１２と接続してある。

尚、環状シリンダーレンズ３による屈折は円周に沿った一軸性であり、円筒形エリアと中心円形エリアの画像情報を重複部分にだけ影響する。画像合成には影響ない。

撮像に必要な照明は、半球状の前視野像面及び円周像面を覆う必要なので、ＥＬのような面発光体が望ましいが、複数のＬＥＤ等点発光体で構成しても支障なし。原則的に公知の構造を採用する。

上記の詳細な説明は、本発明の特定な実施形態を説明するものであって、本発明を限定する意図はない。本発明の範囲内での数多くの変更形態及び変形形態が可能である。
本発明は、以下の請求項に示されている。

１・・・・ 前視野レンズ組
２・・・・ 円筒状イメージ・センサー
３・・・・ 垂直環状シリンダーレンズ
６・・・・ 前視野レンズ固定筒
７・・・・ 前視野用イメージ・センサー
８・・・・ 中央円形撮像エリア
９・・・・ 円筒状撮像エリア
１０・・・ 制御基板
１１・・・ 制御基板
１２・・・ 接続ソケット
１３・・・ フィリクシブ基板
１８・・・ 平面照明発光体（前視野用）
１９・・・ 環状ＬＥＤワイヤ照明体（側面用）
２０・・・ 透明保護ケース
３０・・・ 被写体（３０ａ、３０ｂ、３０ｃ）
３１・・・ 入射光（３１ａ、３１ｂ）
３２・・・ 射影（３２ａ、３２ｂ、３２ｃ）
３３・・・ 撮像情報の重複部分（３３ａ、３３ｂ、３３ｃ）
３４・・・ 先行隣接撮像情報の射影

Claims (6)

1. 円筒状の外面に撮像面を有することを特徴とした撮像装置。
2. 前記請求項１の撮像装置において、前記円筒状撮像面は全周面に連続的画素を有する撮像装置。
3. 前記請求項２の撮像装置において、前記円筒状撮像面の外接端子は円筒の端部に配置されていることを特徴とする撮像装置。
4. 前記請求項１、２及び３の撮像装置において、前記円筒状撮像面の同軸に配置された環状シリンダーレンズを有する撮像装置。
5. 前記請求項１、２、３及び４の撮像装置において、前記円筒状撮像面の同軸に配置された広角の前視野レンズと
   該前視野レンズを通した入射光が結像する平面撮像面を有し、前記円筒状撮像面と該平面撮像面の同時撮像を特徴とする撮像装置。
6. 前記請求項５の撮像装置において、
   前記前視野レンズの平面撮像面の画像情報と前記円筒状撮像面の画像情報が互いに重複する部分を有する撮像装置。

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