JP2014053340A - 欠陥自動補修巻線装置、および欠陥自動補修巻線方法 - Google Patents

欠陥自動補修巻線装置、および欠陥自動補修巻線方法 Download PDF

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Abstract

【課題】人による点検工程や別個の検査装置を要せず、供給部から供給された線材を巻回部に巻回する工程内において、耐圧欠陥(傷やピンホール等)に対して必要最低限の補修を実施可能な欠陥自動補修巻線装置、および欠陥自動補修巻線方法を提供すること。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る欠陥自動補修巻線装置は、絶縁性の皮膜を有する線材を供給する線材供給部から供給された該線材を巻回部において巻回する欠陥自動補修巻線装置であって、上記線材の、上記巻回部に巻回された時に露出する側の領域における耐圧欠陥が存在する部位を少なくとも検出する検出手段と、該検出手段により検出された耐圧欠陥に対して絶縁物を塗布する塗布手段とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、欠陥自動補修巻線装置、および欠陥自動補修巻線方法に関し、より詳細には、線材の供給部から該線材が巻回される巻回部に供給される線材の耐圧欠陥(傷やピンホール等)を補修する欠陥自動補修巻線装置、および欠陥自動補修巻線方法に関するものである。
従来、特許文献1で提案されているエナメル線表面の検査装置は、エナメル線を製造・コイル巻取りする装置において、エナメル線の皮膜の突起の不良、および該皮膜の絶縁欠陥の検出・不良数の計数を行い、製品1つ当たりに存在した不良箇所の数とその位置を記録する。これにより、オペレータの個別点検する際の点検効率を向上させている。また、不良数が多い場合は警報を発して、上記不良の大量発生の未然防止を行っている。
また、特許文献2では、絶縁皮膜を有するコイル線材の一端から巻装部材に至る経路の途中に電極部を配置し、この電極部とコイル線材との間に電圧を印加している。コイル線材の絶縁皮膜に傷やピンホール等の欠陥がある場合は、上記電圧印加時に、電極部近傍を通過するコイル線材の絶縁被膜の欠陥に起因して電極部とコイル線材との間に放電電流が発生するので、該放電電流を検出することで上記欠陥を検出している。
さらに、特許文献3では、コイルへのワニス塗布において、シャフトを軸として自転する回転コイルの整流子側巻線部に絶縁ワニスを滴下して含浸させた後、この回転子をそのまま自転させながらシャフトの下の位置まで絶縁ワニス中に浸漬し、巻線部全体に絶縁ワニスを含浸させることにより、不要部へのワニスの付着を防止し、かつコイル全体にワニスを含浸するワニス含浸方法が提案されている。
特開2003−272457号公報 特開2008−42147号公報 特許第2575726号公報
従来、コイルなどの巻線製品は、JISなどで許容されている素材であるエナメル線に存在するピンホールといった耐圧欠陥の修復などを目的として、コイル製品となった状態で製品全体のコイル部分のみにワニス含浸処理を行っている。このとき、特許文献3にあるように、不必要な部分(特許文献3で言えば、例えばシャフトなど)へのワニス付着を防止するための方策が必要となる。
上記不要な部分へのワニス付与を回避する方法として、特許文献1,2に示すような、コイル線材のピンホールの巻き方向の位置を特定する方法を用い、該特定されたピンホールの位置に対してワニス塗布を行うことが考えられる。しかしながら、特許文献1、2では、コイル線材のピンホールの巻き方向の位置、すなわち、コイル線材の延在方向に沿った一次元座標軸における位置を特定するのみであるので、該ピンホールの位置を特定する位置情報のみでは、コイル線材がボビン等の被巻装部品に巻回された後に特定されたピンホールが表面に露出しているか否かについては分からない。
従って、ピンホールの補修においては、被巻装部品へのコイル線材の巻回が終了した後に、巻回済みの被巻装部品を巻線装置から取り外し、巻回されたコイル線材の表面に存在するピンホールの位置の検出を人が行うか、あるいは別個の検査装置にて上記表面に存在するピンホールの検出を行い、上記人の点検工程または特別な検査装置により検出されたピンホールにワニスを塗布することになる。このように、特許文献1、2に開示された技術を用いる場合、ピンホールの修復を巻き取った後に実施するか、あるいはピンホールが所定数よりも多いことをユーザに通知する警報を発するだけである。
あるいは、特許文献1、2に開示された技術を用いてピンホールの補修を行う場合の他の形態として上記人の点検工程または特別な検査装置を用いない場合は、上記位置情報によりピンホールが存在すると特定された箇所には必ずワニスを塗布する必要がある。何故ならば、上述のように、上記位置情報では、ピンホールの発生箇所としてコイル線材の延在方向(長手方向)における一次元の位置しか特定できないので、被巻装部品の巻回された後の状態において、ピンホールが表面に露出した位置にあるのか、あるいは表面から隠れた位置にあるのかが分からない。よって、ピンホールの補修の漏れを防ぐためには、ピンホールが露出しているか否かに関わらず位置情報にて特定された箇所の全てに対してワニスを塗布する必要がある。よって、被巻装部品に巻き取られた後において、表面から隠れた箇所にピンホールがある場合は、ワニスが付与されたとしてもピンホールが存在していない領域に塗布されることになり、不要なワニス付与に繋がってしまう。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、人による点検工程や別個の検査装置を要せず、供給部から供給された線材を巻回部に巻回する工程内において、耐圧欠陥(傷やピンホール等)に対して必要最低限の補修を実施可能な欠陥自動補修巻線装置、および欠陥自動補修巻線方法を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明の第1の態様は、絶縁性の皮膜を有する線材を供給する線材供給部から供給された該線材を巻回部において巻回する欠陥自動補修巻線装置であって、前記線材の、前記巻回部に巻回された時に露出する側の領域における耐圧欠陥が存在する部位を少なくとも検出する検出手段と、前記検出手段により検出された耐圧欠陥に対して絶縁物を塗布する塗布手段とを備えることを特徴とする。
本発明の第2の態様は、絶縁性の皮膜を有する線材を供給する線材供給部から供給された該線材を巻回部において巻回する欠陥自動補修巻線方法であって、前記巻回部に巻回される前に、前記線材の、前記巻回部に巻回された時に露出する側の領域における耐圧欠陥が存在する部位を少なくとも検出する工程と、前記検出工程により検出によりされた耐圧欠陥に対して絶縁物を塗布する塗布工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、人による点検工程や別個の検査装置を要せず、供給部から供給された線材を巻回部に巻回する工程内において、耐圧欠陥に対して必要最低限の補修を実施可能である。
本発明の一実施形態に係る欠陥自動補修巻線装置の概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る欠陥自動補修巻線装置の一部を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る欠陥検出センサを説明するための図である。 (a)〜(d)は、本発明の一実施形態に係る欠陥検出センサを説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る塗布ノズルの制御を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る制御系の概略構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る耐圧欠陥の検出・自動補修の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る塗布制御部が実行する処理手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る欠陥自動補修巻線装置の一部を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る欠陥検出センサを説明するための図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明するが、本発明は本実施形態に限定されるものではない。なお、以下で説明する図面で、同機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略することもある。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る欠陥自動補修巻線装置の概略構成図である。
図1において、欠陥自動補修巻線装置100は、供給側巻線ユニット101と、張力制御装置102と、エナメル線105に存在する耐圧欠陥(傷やピンホール等)を検出する欠陥特定部103と、巻き取り側巻線ユニット104とを備えている。この欠陥自動補修巻線装置100は、供給側巻線ユニット101が有するサプライリール106に巻回された、線材としてのエナメル線105を、供給側巻線ユニット101と巻き取り側巻線ユニット104との間に設けられた張力制御装置102にて所定の張力を付与しながら、巻き取り側巻線ユニット104が有する被巻装部品としてのボビン111に巻装させる。
なお、本明細書において、「線材」は、その表面に絶縁性の皮膜を有するものであり、導線といった線部と、該線部を被覆する絶縁性の皮膜とを有している。本実施形態では、線材はエナメル線である。
供給側巻線ユニット101は、供給すべきエナメル線が巻回されたサプライリール106を有しており、該サプライリール106に巻回されたエナメル線105を、エナメル線105の流れの後流側(単に、「後流側」と呼ぶこともある)に設けられた巻き取り側巻線ユニット104へと供給する。供給側巻線ユニット101は、サプライリール106が着脱される領域を有しており、巻回動作時には、該領域に供給すべきエナメル線を有するサプライリール106が配置される。
供給側巻線ユニット201の後流側には、張力制御装置102が設けられている。該張力制御装置102は、入力されたコマンドに従って、エナメル線105に所定の張力を付与するように構成されている。なお、張力制御装置102は、入力されるコマンドに応じて付与される張力を調節できるものであればいずれの構成を用いても良いことは言うまでも無い。
張力制御装置102の後流側には、欠陥特定部103が設けられている。該欠陥特定部103は、エナメル線105の耐圧欠陥を検出する第1の欠陥検出センサ107と、4つのセンサ部を有し、エナメル線105の周方向のある部位に存在する耐圧欠陥を検出する第2の欠陥検出センサ108と、エナメル線105の送り速度(巻き取り速度)を検出する速度センサ109と、入力された情報に基づいてエナメル線105の延在方向および周方向における耐圧欠陥の位置を特定する欠陥部位演算部110と、第1の欠陥検出センサ107の検出結果により耐圧欠陥の有無を検出し、耐圧欠陥の延在方向の位置に関する第1の位置情報を出力する第1の欠陥検出部111と、第2の欠陥検出センサ108の検出結果により耐圧欠陥のエナメル線105の周方向の位置を特定するための情報(時刻情報)を出力する第2の欠陥検出部112とを有している。欠陥特定部103は、第1の欠陥検出センサ107により耐圧欠陥の有無およびエナメル線105の進行方向(延在方向)の欠陥位置を検知し、第2の欠陥検出センサ108のどのセンサ部で検出したかにより、エナメル線105の周方向のどの部位に欠陥が存在するかを検知する。
欠陥特定部103の後流側には、巻き取り側巻線ユニット104が設けられている。該巻き取り側巻線ユニット104は、エナメル線を巻回させる被巻装部品といった巻回部としてのボビン113と、ボビン113に巻回されるエナメル線105の所定箇所にワニスを塗布する塗布ノズル114と、該塗布ノズル114の動作を制御する塗布制御部115とを有する。
なお、本実施形態では、補修に用いる材料としてワニスを用いているが、これに限らず、例えば、絶縁シール材、絶縁テープなど、補修材として機能する絶縁物であればいずれを用いても良い。
図2は、本実施形態に係る欠陥自動補修巻線装置100の主要部を示す斜視図である。
図2において、第1の欠陥検出センサ107は、エナメル線105の周方向全体を測定できるよう該エナメル線105の周全体を覆うように電極を配置した構成であり、耐圧試験電圧(例えば、2kV)を印加することにより、エナメル線105上に存在する耐圧欠陥を検出することができる。本実施形態では、上述のように第1の欠陥検出センサ107にて印加される耐圧試験電圧を例えば2kVとすることにより、エナメル線上に存在する耐圧欠陥のうち線部(芯線)が露出していないものについては絶縁破壊によりピンホールのように線部が露出するようになる。よって、後述する第2の欠陥検出センサ108にて印加する試験電圧を、ピンホールを検出できる程度の電圧(例えば、0.5kV)まで小さくすることができる。すなわち、第1の欠陥検出センサ107にて印加される電圧を、線部が露出するまでには至っていない耐圧欠陥が絶縁破壊する程度の電圧とすることにより、上記線部が露出するまでには至っていない耐圧欠陥をピンホールにすることができ、第2の欠陥検出センサ108における試験電圧を小さくすることができる。なお、上述のように第1の欠陥検出センサ107により新たにピンホールが生成されても、該新たに生成されたピンホールの元の状態は耐圧欠陥であることには変わりは無く、本実施形態の後工程においてワニスが塗布されて補修されるので問題は無い。
図3は、第1の欠陥検出センサ107を説明するための図である。第1の欠陥検出センサ107は、8つの電極ブラシ107aを有している。該8つの電極ブラシ107aは、エナメル線105の外周の全てを網羅するように設けられている。このような構成において、第1の欠陥検出センサ107は、8つの電極ブラシ107aにて耐圧欠陥に起因する放電電流を検出し、該検出信号を第1の欠陥検出部111に送信する。
なお、第1の欠陥検出センサ107は、例えばリング状の電極など、エナメル線105の周方向の全ての領域において耐圧欠陥(放電電流)を検出できる構成、すなわち、耐圧欠陥が周方向のいずれの部位にあっても、その存在を検知できる構成であればいずれの構成であっても良い。
第1の欠陥検出部111は、第1の欠陥検出センサ107から検出信号を受信すると、エナメル線105に耐圧欠陥があると判断し、所定時(例えば、巻線動作開始時)からの経過時間を計時するタイマシステム201を参照して、第1の欠陥検出センサ107にて耐圧欠陥を検知した時刻T1を取得し、第1の位置情報としての、時刻T1を示す第1の時刻情報を欠陥部位演算部110に送る。
本実施形態では、タイマシステム201は、巻線動作開始時(エナメル線105の供給(送り)開始時)に計時を開始する。よって、タイマシステム201により得られる時刻は、巻線動作開始時からの経過時間となる。エナメル線105の送り速度が一定であれば、巻線動作開始時の、第1の欠陥検出センサ107の計測点における、エナメル線105の部位(計測開始時部位)が時刻T1までに進んだ距離は、定数となる送り速度と経過時間である時刻T1との積である。すなわち、本実施形態においては、時刻T1は、エナメル線105の供給経路に沿った計測開始時部位の移動した距離と比例する。よって、時刻T1は、時刻T1におけるエナメル線105の上記計測点に対応する部位が計測開始時部位からエナメル線105に沿ってどれだけの距離に位置するのかを示すことになり、耐圧欠陥のエナメル線105の延在方向の位置に関する第1の位置情報と言えるのである。
第2の欠陥検出センサ108は、4つの電極ブラシ108a〜108dを有しており、該電極ブラシ108a〜108dはそれぞれ、ピンホールといった耐圧欠陥を検出できる試験電圧(例えば、0.5kV)を印加することにより、耐圧欠陥の検出を行うことができる。図4(a)〜4(d)は、第2の欠陥検出センサ108を説明するための図である。電極ブラシ108a〜108dはそれぞれ、エナメル線105の周方向の一部の範囲のみを検出するように構成されている。図4(a)〜(d)に示されるように、電極ブラシ108a〜108dは、エナメル線105の送り方向(エナメル線105の延在方向)に沿って互いに離間し、互いの欠陥検出範囲が重ならないように設けられている。すなわち、電極ブラシ108aは、図4(a)に示されるように、エナメル線105の周方向の第1の1/4の領域(図4におけるエナメル線105の周方向の左下側の領域)に存在する耐圧欠陥を検出し、電極ブラシ108bは、図4(b)に示されるように、エナメル線105の周方向の第2の1/4の領域(図4におけるエナメル線105の周方向の左上側の領域)に存在する耐圧欠陥を検出する。また、電極ブラシ108cは、図4(c)に示されるように、エナメル線105の周方向の第3の1/4の領域(図4におけるエナメル線105の周方向の右上側の領域)に存在する耐圧欠陥を検出し、電極ブラシ108dは、図4(d)に示されるように、エナメル線105の周方向の第4の1/4の領域(図4におけるエナメル線105の周方向の右下側の領域)に存在する耐圧欠陥を検出する。このような構成において、第2の欠陥検出センサ108は、電極ブラシ108a〜108dにて耐圧欠陥に起因する放電電流を検出し、該検出信号を第2の欠陥検出部112に送信する。
本実施形態では、電極ブラシ108b、108cは、エナメル線105がボビン113に巻き取られた場合に露出する側の耐圧欠陥を検出するものであり、電極ブラシ108a、108dは、エナメル線105がボビン113に巻き取られた場合に隠れる側の耐圧欠陥を検出するものである。
なお、本実施形態では、センサ部としての電極ブラシを4つ配置しているが、この数には限定されず、4つ以上であっても良いし、2つまたは3つであっても良い。すなわち、複数のセンサ部を設ければ良いのである。ただし、欠陥検出範囲が互いに重ならず、かつ複数のセンサ部の全てによって周方向の全ての領域を検出対象とするように複数のセンサ部を設けることが好ましい。
第2の欠陥検出部112は、第2の欠陥検出センサ108から検出信号を受信すると、周方向に配置された4つのセンサ部としての電極ブラシ108a〜108dのいずれか1つで耐圧欠陥を検出したと判断し、所定時(例えば、巻線動作開始時)からの経過時間を計時するタイマシステム201を参照して、第2の欠陥検出センサ108にて耐圧欠陥を検知した時刻T2を取得し、第2の位置情報としての、時刻T2を示す第2の時刻情報を欠陥部位演算部110に送る。
本実施形態では、第2の欠陥検出部112が第2の欠陥検出センサ108から検出信号を受信した段階では、第2の欠陥検出部112は、電極ブラシ108a〜108dのいずれで耐圧欠陥が検出されたのかは分からない。しかしながら、電極ブラシ108a〜108dはそれぞれ、エナメル線105の送り方向に沿って互いに離間して設けられているので、電極ブラシ108a〜108dにて耐圧欠陥を検出する時刻T2は互いに異なる値となる。すなわち、時刻T2は、検出した電極ブラシの位置に応じて変わる変数である。このように、時刻T2の値は、耐圧欠陥を検出した電極ブラシに対応しているので、後述の欠陥部位演算部110にて上記時刻T2を用いた演算により得られた結果により、耐圧欠陥を検出した電極ブラシを特定することができる。
速度センサ109は、供給側巻線ユニット101側から巻き取り側巻線ユニット104側へと供給されているエナメル線105の供給速度(送り速度)Vを検出し、該供給速度Vに関する速度情報Vを欠陥部位演算部110に送る。速度センサ109としては、上述のように供給速度を測定できるものであればいずれの構成を用いても良い。例えば、エナメル線105を送るための駆動部に設けられたロータリエンコーダを速度センサ109としても良い。
欠陥部位演算部110は、第1の欠陥検出部111から送られた第1の時刻情報と、第2の欠陥検出部112から送られた第2の時刻情報と、速度センサ109から送られた速度情報とに基づいて、エナメル線105の周方向のどこの部位に耐圧欠陥が存在するのかを特定する。すなわち、欠陥部位演算部110は、第1の欠陥検出センサ107と第2の欠陥検出センサ108とにおける欠陥検出時刻の差(T1−T2)を計算し、該欠陥検出時刻の差(T1−T2)と供給速度Vとの積を計算することにより、第1の欠陥検出センサ107から第2の欠陥検出センサ108における実際に耐圧欠陥を検出した電極ブラシまでの距離Lを算出する。第1の欠陥検出センサ107および電極ブラシ108a〜108dはそれぞれ固定されているので、第1の欠陥検出センサ107と電極ブラシ108aとの間の距離La、第1の欠陥検出センサ107と電極ブラシ108bとの間の距離Lb、第1の欠陥検出センサ107と電極ブラシ108cとの間の距離Lc、および第1の欠陥検出センサ107と電極ブラシ108dとの間の距離Ldはそれぞれ一定である。よって、後述する制御装置200のメモリ部に電極ブラシ108a〜108dとそれらに対応する距離La〜Ldとを関連付けてテーブル化して保持しておく。欠陥部位演算部110は、予め保持された距離La〜Ldと、上記算出した距離Lとを比較し、上記テーブルを参照して、算出した距離Lと一致する距離を有する電極ブラシを抽出する。このようにして、欠陥部位演算部110は、耐圧欠陥を検出した電極ブラシを特定すること、すなわち、エナメル線105の周方向の耐圧欠陥が存在する部位を特定することができる。
欠陥部位検出部110は、上記特定された電極ブラシを示す情報を、耐圧欠陥のエナメル線105の周方向の位置に関する第2の位置情報として取得する。本実施形態では、上述のように、周方向に沿って配置された電極ブラシ108a〜108dのいずれか1つが耐圧欠陥を検出するので、耐圧欠陥を検出した電極ブラシの欠陥検出範囲内に耐圧欠陥が存在することになる。よって、第2の欠陥検出センサ108において耐圧欠陥を検出した電極ブラシ(センサ部)を特定することは、周方向における耐圧欠陥の位置を特定したことと等価であり、上記特定された電極ブラシを示す情報は第2の位置情報と言えるのである。欠陥部位検出部110は、第1の時刻情報である第1の位置情報、および上記特定された電極ブラシを示す情報である第2の位置情報を塗布制御部115に送る。
塗布制御部115は、欠陥部位検出部110から送られた第1の位置情報および第2の位置情報に基づいて、ワニスを塗布する位置を演算し、該演算により得られたワニス塗布位置にてワニスが塗布されるように塗布ノズル114を動作させる。該塗布ノズル114は、塗布制御部115からの制御信号に従って、図2中のX−Y平面内で移動可能に構成されている。すなわち、塗布ノズル114は、塗布制御部115から出力された制御信号にて特定される位置に塗布ノズル114を移動させるように駆動する駆動部(不図示)を有している。
本実施形態では、塗布制御部115は、エナメル線105がボビン113に巻かれた後に耐圧欠陥が隠れる位置にある場合(耐圧欠陥がボビン113側に存在する場合)は、エナメル線105の耐圧欠陥が存在する領域が巻かれる一周前の、該耐圧欠陥が来る位置にワニスを塗布するように塗布ノズル114を制御する。このように制御することにより、耐圧欠陥が存在する領域が巻かれた際に、隠れた側に存在する耐圧欠陥には一周前にすでに塗布されたワニスが付与されることになる。一方、塗布制御部115は、エナメル線105がボビン113に巻かれた後に耐圧欠陥が見える位置にある場合(耐圧欠陥がボビン113とは反対側、すなわち、露出する側に存在する場合)は、エナメル線105をボビン113に巻いた直後に耐圧欠陥が存在する場所にワニスを塗布するように塗布ノズル114を制御する。
具体的には、塗布制御部115は、欠陥部位演算部110から送られた第2の位置情報に基づいて、対象となる耐圧欠陥が露出側に存在するのか、隠れる側に存在するのかを判定する。上述のように、電極ブラシ108b、108cが露出する側の耐圧欠陥を検出するものであり、電極ブラシ108a、108dが隠れる側の耐圧欠陥を検出するものであるので、塗布制御部115は、第2の位置情報が示す欠陥部位検出部110にて特定された電極ブラシが電極ブラシ108b、108cである場合は、対象となる耐圧欠陥は露出する側にあると判断し、第2の位置情報が示す欠陥部位検出部110にて特定された電極ブラシが電極ブラシ108a、108dである場合は、対象となる耐圧欠陥は隠れる側にあると判断する。
一方、上述のように、第1の時刻情報である第1の位置情報によって、エナメル線105における耐圧欠陥の位置を特定することができるので、塗布制御部115は、第1の位置情報により対象となる耐圧欠陥がボビン113に到着する前に、ワニスを塗布すべき位置に塗布ノズル114を移動させておき、耐圧欠陥が塗布ノズル114と対向する位置に到着するとワニスが塗布されるように塗布ノズル114を制御する。第1の欠陥検出センサ107とボビン113との間の距離は不変である。ここで、供給速度Vも一定であれば、第1の欠陥検出センサ107を通過した耐圧欠陥がボビン113に到着するまでの到着時間を算出することができる。すなわち、塗布制御部115は、速度センサ109より取得された供給速度Vと、予め入力された第1の欠陥検出センサ107とボビン113との間の距離とにより、上記到着時間を算出し、タイマシステム201を参照して、第1の欠陥検出センサ107にて耐圧欠陥検出された時刻T1から上記到着時間が経過する前に、塗布ノズル114を適切な位置に移動させるのである。
例えば、図5に示すボビン113において、エナメル線が巻装される巻装部501に該エナメル線が20巻きされる場合、巻装部501においてエナメル線105が通過する領域は20箇所存在することになる。図5において、符号502aは、1巻き目の通過領域であり、符号502bは、2巻き目の通過領域であり、符号502cは、20巻き目の通過領域である。これら各通過領域には、2つずつワニスの塗布ポイントが対応している。本実施形態では、図2、5から分かるように、エナメル線105を上から見た場合、例えば右側(一方側)を電極ブラシ108a、108bにて検知し、左側(他方側)を電極ブラシ108c、108dにて検知する。よって、1巻き目のエナメル線が通過する通過領域502aにおいては、電極ブラシ108c、108dにて耐圧欠陥が検出された場合は塗布ポイント503aからワニスを塗布し、電極ブラシ108a、108bにて耐圧欠陥が検出された場合は塗布ポイント503bからワニスを塗布する。また、2巻き目のエナメル線が通過する領域502bにおいては、電極ブラシ108c、108dにて耐圧欠陥が検出された場合は塗布ポイント503cからワニスを塗布し、電極ブラシ108a、108bにて耐圧欠陥が検出された場合は塗布ポイント503dからワニスを塗布する。さらに、20巻き目のエナメル線が通過する通過領域502cにおいては、電極ブラシ108c、108dにて耐圧欠陥が検出された場合は塗布ポイント503eからワニスを塗布し、電極ブラシ108a、108bにて耐圧欠陥が検出された場合は塗布ポイント503fからワニスを塗布する。
なお、本実施形態では、巻装部501にエナメル線が20巻きされる場合、エナメル線が20巻きされた時をエナメル線が一周巻かれたと称することにする。よって、ボビンの巻装部にエナメル線といった線材がN巻きされる場合は、エナメル線が一周巻かれた状態とは、巻装部に線材がN回巻かれた状態であり、エナメル線が二周巻かれた状態とは、すでにエナメル線が一周巻かれた状態からさらにエナメル線が一周巻かれた状態を指す。
本実施形態では、第1の時刻情報である第1の位置情報と、タイマシステム201の計時情報に基づいて、対象となる耐圧欠陥に応じて塗布ノズル114からワニスが塗布される位置を1巻き目〜20巻き目の塗布ポイント503a〜503fのいずれかに設定する。本実施形態では、エナメル線の送り速度は一定であるので、ボビン113が1周する際にかかる時間T3(1巻きにかかる時間)は一定である。よって、巻線動作開始時から最初の時間T3間はエナメル線105は通過領域502aを通過することになり、次の時間T3間(時刻1×T3〜時刻2×T3間)は通過領域502bを通過することになり、20番目の時間T3間(時刻19×T3〜時刻20×T3)はエナメル線105は通過領域502cを通過することになる。塗布制御部115は、第1の時刻情報が示す時刻T1がどの塗布ポイントに対応する時間帯に属するかを判定し、対応する通過領域を特定する。次いで、塗布制御部115は、第2の位置情報から検出が行われた電極ブラシを特定し、各通過領域に対応する2つの塗布ポイントのうち、特定された電極ブラシに対応する方の塗布ポイントにワニスが塗布されるように塗布ノズル114を移動させる。
例えば、対象となる耐圧欠陥が露出する側であって、上記第2の1/4領域に存在し、時刻T1が、巻線動作開始時から時間T3経過する前の時刻であれば、塗布制御部115は、ワニスとを塗布すべき通過領域として通過領域502aを抽出する。次いで、塗布制御部115は、第2の位置情報に基づいて検出された電極ブラシは電極ブラシ108bであることを特定し、塗布ポイント503bにワニスが塗布されるように塗布ノズル114を移動させ、タイマシステム201を参照して時刻T1から到着時間だけ経過したらワニスを塗布するように塗布ノズル114を制御する。
また、第2の位置情報により、対象となる耐圧欠陥が隠れる側に存在すると判断される場合、塗布制御部115は、第1の位置情報に基づいて、対象となる耐圧欠陥のエナメル線105の延在方向の位置を認識し、該対象となる耐圧欠陥が存在するエナメル線105の領域がボビン113に巻かれるちょうど一周前の領域にワニスが塗布されるように塗布ノズル114が位置するように塗布ノズル114の移動を制御する。例えば、エナメル線の巻装が一周目の場合は、一周前の状態は巻装部501にはエナメル線が巻かれていないので、巻装部501の表面にワニスを塗布しておく。よって、例えば、耐圧欠陥が上記第4の1/4領域に存在し、時刻T1が、時刻19×T3〜時刻20×T3の間の時刻であれば、エナメル線105が通過領域502cに到達する前に該塗布ポイント503eにワニスが塗布されるように塗布ノズル114を移動させ、巻装部501の表面における、対象となる耐圧欠陥が位置すると予想される箇所にワニスを塗布しておく。また、例えば、耐圧欠陥が第1の1/4領域に存在し、時刻T1が、時刻3×(1×T3)〜時刻3×(2×T3)の間の時刻であれば(エナメル線の巻装が三周目の2巻き目の場合)、巻装三周目のエナメル線105が通過領域502bに到達する前に該塗布ポイント503dにワニスが塗布されるように塗布ノズル114を移動させ、すでに二周目の巻装が完了しているエナメル線における、対象となる耐圧欠陥が位置すると予想される箇所にワニスを塗布しておく。
このように、本実施形態では、第1の位置情報および第2の位置情報に基づいて、塗布制御部115は塗布ノズル114を制御して、第1の欠陥検出センサ107および第2の欠陥検出センサ108にて検出された耐圧欠陥にピンポイントでワニスを塗布する。
図6は、本実施形態の欠陥自動補修巻線装置100における制御系の概略構成を示すブロック図である。
制御装置200は、欠陥自動補修巻線装置100全体を制御する制御手段としての制御部である。この制御装置200は、種々の演算、制御、判別などの処理動作を実行するCPU601、およびこのCPU601によって実行される様々な制御プログラム(例えば、図7、8に示すプログラム)などを格納するROM602を有する。また、制御装置200は、CPU601の処理動作中のデータや入力データなどを一時的に格納するRAM603、フラッシュメモリやSRAM等の不揮発性メモリ604、およびタイマシステム201などを有する。制御装置200には、入力操作部607および表示部608が接続されている。入力操作部607は、所定の指令あるいはデータなどを入力するキーボードあるいは各種スイッチなどを含む。表示部608は、欠陥自動補修巻線装置100の入力・設定状態などをはじめとする種々の表示を行う。さらに、制御装置700には、第1の欠陥検出センサ107、第2の欠陥検出センサ108、塗布ノズル114を駆動させるための塗布ノズル駆動部609、および巻装が実行されるようにボビン113を回転させるための巻装駆動部610が電気的に接続されている。
図7は、本実施形態に係る欠陥自動補修巻線装置100による耐圧欠陥の検出・自動補修の処理手順を示すフローチャートである。
供給側巻線ユニット101にサプライリール106が配置され、巻き取り側巻線ユニット104にボビン113が配置されると、巻線動作の開始準備が整う。この状態で、例えば入力操作部607を介してユーザから巻線開始指示が入力されると、本実施形態に係る巻線動作が開始される。ステップS701では、第1の欠陥検出部111は、第1の欠陥検出センサ107にて耐圧欠陥が検出されたか否かを判定する。第1の欠陥検出センサ107から耐圧欠陥に起因する放電電流を検出したことを示す検出信号を受信した場合は、第1の欠陥検出部111は、第1の欠陥検出センサ107にて耐圧欠陥が検出されたと判断し、ステップS702に進む。ステップS702では、第1の欠陥検出部111は、第1の欠陥検出センサ107にて耐圧欠陥を検知した時刻T1を取得し、該時刻T1を示す第1の位置情報を取得する。
ステップS703では、第2の欠陥検出部112は、第2の欠陥検出センサ108にて耐圧欠陥が検出されたか否かを判定する。第2の欠陥検出センサ108から耐圧欠陥に起因する放電電流を検出したことを示す検出信号を受信した場合は、第2の欠陥検出部112は、第2の欠陥検出センサ108にて耐圧欠陥が検出されたと判断し、ステップS704に進む。ステップS704では、第2の欠陥検出部112は、第2の欠陥検出センサ108にて耐圧欠陥を検知した時刻T2を取得し、該時刻T2を示す第2の時刻情報を取得する。
ステップS705では、欠陥部位演算部110は、ステップS702およびステップS704にて取得された第1の位置情報および第2の時刻情報に基づいて、第1の欠陥検出センサ107と第2の欠陥検出センサ108とにおける欠陥検出時刻の差(T1−T2)を演算し、該演算結果により第2の位置情報を取得する。ステップS706では、欠陥部位演算部110は、ステップS705にて取得された第2の位置情報を塗布制御部115に送る。ステップS707では、制御装置200は、現在の巻線動作を終了させるか否かを判断し、巻線動作が終了ではないと判断する場合は、ステップS701に戻り、巻線動作が終了であると判断する場合は、巻線動作を終了する。例えば、巻線動作の終了の判断は、入力操作部607を介してユーザが終了指示を入力したか否かによって行えば良い。
図8は、本実施形態に係る塗布制御部115が実行する処理手順を示すフローチャートである。
ステップS706により最初の耐圧欠陥に関する第1、第2の位置情報を出力されると、塗布制御部115は、図8に示す処理を開始する。ステップS801では、塗布制御部115は、第1、第2の位置情報を取得し、該取得された第1、第2の位置情報をRAM603に格納する。ステップS802では、塗布制御部115は、ステップS801にて取得された第1、第2の位置情報に基づいて、対象となる耐圧欠陥に対してワニスを塗布するための塗布ノズル114の位置を演算して該塗布ノズルを位置させるべき位置情報を取得し、該演算位置情報を第1の位置情報に含まれる時刻T1と関連付けてRAM603に格納する。ステップS803では、塗布演算部115は、RAM603に格納されている位置情報において、時刻T1が最も小さい(最も早く測定された)位置情報を対象となる耐圧欠陥に関する位置情報として抽出し、時刻T1と上記算出された到着時間とに基づいて、対象となる耐圧欠陥を塗布すべきタイミングを算出し、タイマシステム201を参照して現在の時刻が塗布タイミングよりも所定時間だけ前か否かを判定する。該塗布タイミングが所定時間よりも後である場合は、ワニス塗布動作準備に取り掛かるべく、ステップS804に進む。
一方、塗布タイミングが所定時間よりも前である場合は、対象となる耐圧欠陥に対するワニス塗布準備がまだ必要無いと判断し、次の耐圧欠陥に関する第1、第2の位置情報を取得すべく、ステップS801に進む。次いで、ステップS801、802にて次の耐圧欠陥に対する第1、第2の位置情報を取得し、該取得された情報に基づいて、次の耐圧欠陥に対する塗布ノズル114の位置を演算するが、塗布演算部115は、次の耐圧欠陥に対する塗布ノズル114の位置と該次の耐圧欠陥に対する時刻T1とを関連付けてRAM603に保存しているので、RAM603には、耐圧欠陥のそれぞれに対する塗布ノズル114を位置させるべき位置情報と時刻情報とが関連付けて保持されることになる。よって、ある耐圧欠陥に対してワニス塗布が行われていない場合において、それ以降の耐圧欠陥に対する、塗布ノズルを位置させるべき位置情報を取得しても、塗布制御部115は、どの時刻にどの位置に塗布ノズル114を位置させるのかを認識することができる。すなわち、塗布制御部115は、ステップS801〜ステップS803のYESをループさせることにより、ある耐圧欠陥(これからワニスを塗布すべき耐圧欠陥)について、現在の時刻が塗布タイミングよりも所定時間だけ前である場合は、所定時間以内となるまで、該ある耐圧欠陥以降の耐圧欠陥に対する塗布ノズル114を位置させるべき位置情報を取得するのである。
ステップS804では、塗布制御部115は、RAM603から対象となる耐圧欠陥に対する塗布ノズル114を位置させるべき位置情報を読み出し、塗布ノズル駆動部609を駆動して塗布ノズル114を適切な位置に移動させる。次いで、塗布制御部115は、RAM603から今回読み出した位置情報を削除する。
なお、RAM603に複数の耐圧欠陥に対する各位置情報が格納されている場合は、塗布制御部115は、時刻T1の値が最も小さい(最も早い時刻)位置情報を、対象となる耐圧欠陥に関する位置情報として読み出す。
ステップS805では、塗布制御部115は、タイマシステム201を参照し、対象となる耐圧欠陥に関する時刻T1および塗布ノズル114を位置させるべき位置情報に基づいてワニスを塗布するように塗布ノズル114を制御する。これにより、対象となる耐圧欠陥に直接、または間接的にワニスが塗布される。
ステップS806では、塗布制御部115は、RAM603に次に処理すべき耐圧欠陥に関する位置情報が格納されているか判断し、格納されている場合は、ステップS803に進み、該次に処理すべき耐圧欠陥について現在の時刻が塗布タイミングから所定時間内か否かを判定する。格納されていない場合は、塗布制御部115は、ステップS807に進む。ステップS807では、塗布制御部115は、現在の巻線動作を終了させるか否かを判断し、巻線動作が終了ではないと判断する場合は、ステップS801に戻り、巻線動作が終了であると判断する場合は、巻線動作を終了する。例えば、巻線動作の終了の判断は、入力操作部607を介してユーザが終了指示を入力したか否かによって行えば良い。
本実施形態では、エナメル線105の周方向に欠陥検出範囲が互いに重ならないように複数のセンサ部(電極ブラシ)を設けているので、センサ部の数だけ周方向における耐圧欠陥の検知領域を分割することができる。従って、従来では、エナメル線105の周方向においては、大体どの辺に耐圧欠陥が存在する、という欠陥場所の大まかな位置を特定することすらできなかったが、本実施形態では、エナメル線105の周方向における耐圧欠陥が存在する部位を特定することができる。そして、上記検知領域の分割数に比例して(第2の欠陥検出センサ108のセンサ部の数に比例して)周方向における耐圧欠陥の位置の特定の精度を上げることができる。
このように、エナメル線105の周方向における耐圧欠陥が存在する部位を特定することができるので、人による点検工程や別個の検査装置を用いなくても、サプライリール106から供給されたエナメル線をボビン113に巻回する巻線工程内において、検出された耐圧欠陥に対してピンポイントでワニスを自動で塗布することができる。また、同一巻線工程内にて、耐圧欠陥に対してピンポイントでワニスを塗布することができるので、耐圧欠陥が存在していない箇所へのワニスの塗布を低減することができ、必要最小限のワニス塗布による耐圧欠陥補修を実施することができる。
また、ある巻線工程内で耐圧欠陥を検出し、該耐圧欠陥に対してワニスを塗布することによって補修することにより、耐圧欠陥に対する品質を同一巻線工程内で補償できるため、上述のように別工程での人による点検工程や特別な検査装置を設ける必要が無く、人件費、設備費、設備設置場所等を抑えることができる。また、耐圧欠陥部位を補修して、直接ボビン113に巻線していくため、同一巻線工程内での材料ロスを低減でき、歩留まり率向上につながる。また、同一巻線工程中で耐圧欠陥を修正することによって、耐圧欠陥に対してのリスクを低減することができるため、より安価な線材を用いることができ、製品価格の原価低減にもつながる。さらに、耐圧欠陥の周方向の場所が特定できるので、ワニス(絶縁物)を塗布する装置も簡素化・安価にできる。
(第2の実施形態)
本実施形態では、被巻装部品に巻かれた時に露出する側に存在する耐圧欠陥にのみ補修材として機能する絶縁物(例えば、ワニス)を塗布する。
図9は、本実施形態に係る第2の欠陥検出センサ108を説明するための図であえる。
図9に示されるように、本実施形態では、第1の実施形態の第2の欠陥検出センサ108の4つの電極ブラシ108a〜108dのうち、電極ブラシ108bおよび電極ブラシ108cを用いている。すなわち、エナメル線105がボビン113に巻き取られた場合に露出する側の耐圧欠陥を検出するセンサ部である電極ブラシ108b、108cを用いる。
このような構成において、第1の欠陥検出センサ107および電極ブラシ108b、108cはそれぞれ固定されているので、それらの間の相対距離は一定である。すなわち、第1の欠陥検出センサ107と電極ブラシ108bとの間の距離D1、および第1の欠陥検出センサ107と電極ブラシ108cとの間の距離D2はそれぞれ一定である。よって送り速度Vが一定であれば、第1の欠陥検出センサ107を通過したエナメル線105の部位が電極ブラシ108bに到達するまでの時間Ta(=D1/V)は一定であり、第1の欠陥検出センサ107を通過したエナメル線105の部位が電極ブラシ108cに到達するまでの時間Tb(=D2/V)も一定である。よって、第1の欠陥検出部111から欠陥部位演算部110が第1の位置情報を受信した時刻と、第2の欠陥検出部112から欠陥部位演算部110が第2の位置情報を受信した時刻との差が、時間Taと一致しているのであれば電極ブラシ108bで検知されたと言え、時間Tbと一致しているのであれば電極ブラシ108cで検知されたと言える。
よって、本実施形態では、第2の欠陥検出部112は、第2の欠陥検出センサ108から検出信号を受信すると、ボビン113に巻回された時に露出する側に設けられた2つのセンサ部としての電極ブラシ108b、108cのいずれか1つで耐圧欠陥を検出したと判断し、所定時(例えば、巻線動作開始時)からの経過時間を計時するタイマシステム201を参照して、第2の欠陥検出センサ108にて耐圧欠陥を検知した時刻T2を取得し、第2の位置情報としての、時刻T2を示す第2の時刻情報を欠陥部位演算部110に送る。欠陥部位演算部110は、第2の欠陥検出部112から入力された第2の時刻情報と第1の欠陥検出部111から入力された第1の位置情報(第1の時刻情報)とに基づいて、(時刻T2−時刻T1)を計算し、該差が予め保持された時間Ta、Tbのいずれか一方と一致するか否かを判定する。一致しない場合は、第1の欠陥検出センサ107にて検出された耐圧欠陥は、エナメル線105がボビン113に巻かれた際には隠れる側に存在する耐圧欠陥であると判定し、該耐圧欠陥に対してワニス塗布を行わない。一方、一致する場合は、第1の欠陥検出センサ107にて検出された耐圧欠陥は、エナメル線105がボビン113に巻かれた際には露出する側に存在する耐圧欠陥であると判定し、上記差が時間Taと一致する場合は電極ブラシ108bにて耐圧欠陥が検出され、上記差が時間Tbと一致する場合は電極ブラシ108cにて耐圧欠陥が検出されたと判定し、特定された電極ブラシを示す情報を第2の位置情報として出力する。
このように、本実施形態によれば、ボビン113に巻き取られた際に露出する側にのみワニスを塗布するようにするので、補修に用いるワニスの量をさらに低減することができる。
第1、第2の実施形態に示すように、本発明では、線材の、巻回部に巻回された時に露出する領域における耐圧欠陥が存在する部位を少なくとも検出し、該検出された、該露出する領域における耐圧欠陥に対してワニスといった絶縁物を塗布すれば、耐圧欠陥に対する必要最低限の補修を行うことができる。
(第3の実施形態)
第1、第2の実施形態では、第1の欠陥検出センサ107および第2の欠陥検出センサ108により、耐圧欠陥の延在方向の位置に関する第1の位置情報、および耐圧欠陥のエナメル線105の周方向の位置に関する第2の位置情報を取得しているが、該第1および第2の位置情報を取得できれば、他の構成を用いても良い。
例えば図2に示す構成において、第1の欠陥検出センサ107および第2の欠陥検出センサ108に代えて、図10に示す欠陥検出センサ1001を用いても良い。図10において、欠陥検出センサ1001は、互いに欠陥検出範囲が重ならないようにエナメル線105の周方向において互いに離間して配置された4つの電極ブラシ1001a〜1001dを有している。ただし、本実施形態では、制御装置200のインタフェース部において、電極ブラシ1001a〜1001dの各々の信号を別個に入力するように4つの入力ポートが設けられている。
上記4つの入力ポートを介して入力された4つの検出信号は、それぞれ4つの欠陥検出部に入力される。すなわち、電極ブラシ1001aから出力された検出信号は第3の欠陥検出部に入力され、電極ブラシ1001bから出力された検出信号は第4の欠陥検出部に入力され、電極ブラシ1001cから出力された検出信号は第5の欠陥検出部に入力され、電極ブラシ1001dから出力された検出信号は第6の欠陥検出部に入力される。第3〜第6の欠陥検出部はそれぞれ、所定時(例えば、巻線動作開始時)からの経過時間を計時するタイマシステム201を参照して、対応する電極ブラシにて耐圧欠陥を検知した時刻(時刻T1に相当)を取得し、該時刻情報を示す第1の位置情報、および自身を識別させるための識別情報を欠陥部位演算部110に送る。例えば、電極ブラシ1001aにて耐圧欠陥が検出された場合は、第3の欠陥検出部が該耐圧欠陥を検出した時刻を示す第1の位置情報、および該第1の位置情報を送る欠陥検出部は第3の欠陥検出部であることを示す識別情報を欠陥部位演算部110に送る。
欠陥部位演算部110は、第3〜第6の欠陥検出部から送られた識別情報に基づいて、電極ブラシ100a〜1001dのいずれで耐圧欠陥が検出されたかを特定し、特定された電極ブラシを示す情報を第2の位置情報として取得する。すなわち、本実施形態では、識別情報が第3の欠陥検出部を示すものである場合は耐圧欠陥を検出したセンサ部は電極ブラシ1001aであり、識別情報が第4の欠陥検出部を示すものである場合は耐圧欠陥を検出したセンサ部は電極ブラシ1001bであり、識別情報が第5の欠陥検出部を示すものである場合は耐圧欠陥を検出したセンサ部は電極ブラシ1001cであり、識別情報が第6の欠陥検出部を示すものである場合は耐圧欠陥を検出したセンサ部は電極ブラシ1001dであると認識するように欠陥部位演算部110を構成すれば良い。
このように構成することで、図10に示すような構成においても、第1、第2の実施形態と同様に、第1の位置情報、および第2の位置情報を取得し、同一巻線工程内において、耐圧欠陥の検出から補修まで自動で行うことができる。
101 供給側巻線ユニット
103 欠陥特定部
104 巻き取り側巻線ユニット
107 第1の欠陥検出センサ
108 第2の欠陥検出センサ
110 欠陥部位演算部
111 第1の欠陥検出部
112 第2の欠陥検出部
114 塗布ノズル
115 塗布制御部

Claims (6)

  1. 絶縁性の皮膜を有する線材を供給する線材供給部から供給された該線材を巻回部において巻回する欠陥自動補修巻線装置であって、
    前記線材の、前記巻回部に巻回された時に露出する側の領域における耐圧欠陥が存在する部位を少なくとも検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された耐圧欠陥に対して絶縁物を塗布する塗布手段と
    を備えることを特徴とする欠陥自動補修巻線装置。
  2. 前記検出手段は、前記線材の周方向における耐圧欠陥が存在する部位の位置を特定することを特徴とする請求項1に記載の欠陥自動補修巻線装置。
  3. 前記検出手段は、
    前記耐圧欠陥の前記線材の延在方向における位置に関する第1の位置情報を取得する第1の検出手段と、
    前記第1の検出手段により検出された耐圧欠陥の、前記線材の周方向の位置に関する第2の位置情報を取得する第2の検出手段とを有し、
    前記塗布手段は、前記第1および第2の位置情報に基づいて、前記線材が前記巻回部に巻回された時に露出する耐圧欠陥には少なくとも前記絶縁物を塗布することを特徴とする請求項1または2に記載の欠陥自動補修巻線装置。
  4. 絶縁性の皮膜を有する線材を供給する線材供給部から供給された該線材を巻回部において巻回する欠陥自動補修巻線方法であって、
    前記巻回部に巻回される前に、前記線材の、前記巻回部に巻回された時に露出する側の領域における耐圧欠陥が存在する部位を少なくとも検出する工程と、
    前記検出工程により検出によりされた耐圧欠陥に対して絶縁物を塗布する塗布工程と
    を有することを特徴とする欠陥自動補修巻線方法。
  5. 前記検出工程は、前記線材の周方向における耐圧欠陥が存在する部位の位置を特定することを特徴とする請求項4に記載の欠陥自動補修巻線方法。
  6. 前記検出工程は、
    前記耐圧欠陥の前記線材の延在方向における位置に関する第1の位置情報を取得する第1の検出工程と、
    前記第1の検出工程により検出された耐圧欠陥の、前記線材の周方向の位置に関する第2の位置情報を取得する第2の検出工程とを有し、
    前記塗布工程は、前記第1および第2の位置情報に基づいて、前記線材が前記巻回部に巻回された時に露出する耐圧欠陥には少なくとも前記絶縁物を塗布することを特徴とする請求項4または5に記載の欠陥自動補修巻線方法。
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