JP2014051450A - エストロゲン受容体β活性化剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】エストロゲン受容体βを選択的に活性化する、エストロゲン受容体β活性化剤の提供。
【解決手段】カラスキバサンキライ(Heterosmilax erythrantha Bail)、ソリザヤノキ(Oroxylum indicum (L) Vent)、及びカカツガユ(Maclura cochinchinensis (Lour.) Corner)から選ばれる植物、並びにそれらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分とするエストロゲン受容体β活性化剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、エストロゲン受容体βに対して選択性の高い、エストロゲンβ受容体活性化剤に関する。
女性は閉経を迎えると血液中のエストロゲン濃度が著しく減少し、皮膚全体の機能に変化が生じることが知られている。特に、真皮においてはコラーゲン線維が著しく減少し、その結果しわやたるみといった皮膚老化現象が目立つようになる(非特許文献1、2)。
閉経後の女性に対して女性ホルモン補充療法(HRT)を行うとしわ、血行が改善すること、エストロゲンを塗布するとしわ、弾力性、水分量が改善することが報告されている(非特許文献3、4)。また、エストロゲンを塗布すると皮脂腺からの皮脂の分泌が抑制されることが報告されている(非特許文献5)。
ここでエストロゲンは2種類のエストロゲン受容体(ERα、ERβ)に結合し、これらが協調して働くことでその作用を発揮することが知られている。エストロゲンは初めに、ERα、ERβのligand binding domain(LBD)に結合して立体構造を変化させ、それに続いて二量体(ERα/α、ERβ/β、ERα/βの三種類の組み合わせ)を形成する(非特許文献6、7)。二量体を形成したERは核内へ移行し、ゲノム上に存在するエストロゲン応答配列に結合し、そこで様々な共役因子をリクルートした後に、標的遺伝子の転写活性を制御する(非特許文献8、9)。
ERαとERβの標的遺伝子は、大部分が同一であることが報告されている(非特許文献10)。ところが最近になって、いくつかの相違する標的遺伝子の組み合わせに起因して、ERαとERβがそれぞれ異なる生理機能を有していることが示唆されている(非特許文献11)。例えば、ERαは、乳癌細胞の増殖を活性化する一方で、ERβは、その増殖を抑制するといった正反対の役割を果たしていることが報告されている(非特許文献12)。また、ERβは、皮膚の光老化を防御する機能を有することが報告されている(非特許文献13)。
このようなことから、ERβは安全にエストロゲンの作用を発揮できる理想的な分子であり、ERβを選択的に活性化できれば、エストロゲン減少に起因する皮膚老化症状の予防・改善等に有用であると考えられる。
一方、カラスキバサンキライ(Heterosmilax erythrantha Bail)はユリ科の植物で、根茎は、リウマチ、瘰癧、せつ腫症、膿痂疹、梅毒症の治療の他にも、腱や骨の痛みの緩和、浮腫を鎮めるために有用なことが知られている。ソリザヤノキ(Oroxylum indicum (L) Vent)はノウゼンカズラ科の植物で、種子は、鎮咳、去痰、鎮痛薬として咽喉炎、乾性気管支炎、失音、声がれ、腹痛などに有用で、樹皮のエキスは抗炎症および強壮、収斂作用があり、伝染性の肝炎、膀胱炎、のどの腫れと痛み湿疹などのほか下痢止めに有用なことが知られている。カカツガユ(Maclura cochinchinensis (Lour.) Corner)はクワ科の植物で、葉は、傷、火傷、腫瘍性の子宮頸炎、せつ腫症の治療に有用で、根は血行の改善や、切り傷の治療に有用なことが知られている。
しかしながら、これらの植物とエストロゲン受容体活性化との関係については知られていない。
Nicholas et al(2003)Am J Clin Dermatol 4:371−378 Hall et al(2005)J Am Acad Dermatol 53:555−68 Sator et al(2001)Maturitas 39:43−55 PiCrard−Franchimon et al(1995) Maturitas 22:151−154 Peter et al(1974)J Invest Dermatol 62:191−201 Mukherjee et al(2010)Pharm Res 27:1439−1468 Powell et al(2008)Proc Natl Acad Sci U S A 105:19012−19017 Kulakosky et al(2002)J Mol Endocrinol 29:137−152 Michael et al(2006) Genes Dev 2006 20 : 1405−1428 Liu et al(2008) Proc Natl Acad Sci USA 105:2604−2609 Liu et al(2008)Proc Natl Acad Sci U S A 105:2604−2609 Helguero et al(2005)Oncogene 24 : 6605−6616 Chang et al(2010)Mol Pharmacol 77:744−750
本発明は、エストロゲン受容体βに対して選択性の高い、エストロゲン受容体β活性化剤を提供することに関する。
本発明者は、ERβの分子構造内にあるligand binding domain(LBD)を利用した評価系及びDNA上に存在するエストロゲン応答配列を利用した転写活性化能評価系を構築し、エストロゲン受容体のうちERβの活性を選択的に高める物質について鋭意研究したところ、カラスキバサンキライ、ソリザヤノキ、カカツガユに優れたエストロゲン受容体β活性化作用があることを見出した。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(4)に係るものである。
(1)カラスキバサンキライ(Heterosmilax erythrantha Bail)、ソリザヤノキ(Oroxylum indicum (L) Vent)、及びカカツガユ(Maclura cochinchinensis (Lour.) Corner)から選ばれる植物、並びにそれらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分とするエストロゲン受容体β活性化剤。
(2)カラスキバサンキライ(Heterosmilax erythrantha Bail)、及びカカツガユ(Maclura cochinchinensis (Lour.) Corner)から選ばれる植物、並びにそれらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種を含有する皮膚外用剤。
(3)カラスキバサンキライ(Heterosmilax erythrantha Bail)、ソリザヤノキ(Oroxylum indicum (L) Vent)、及びカカツガユ(Maclura cochinchinensis (Lour.) Corner)から選ばれる植物、並びにそれらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分とする皮膚老化予防又は改善剤。
(4)カラスキバサンキライ(Heterosmilax erythrantha Bail)、ソリザヤノキ(Oroxylum indicum (L) Vent)、及びカカツガユ(Maclura cochinchinensis (Lour.) Corner)から選ばれる植物、並びにそれらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分とする皮脂分泌抑制剤。
本発明のエストロゲン受容体β活性化剤等は、エストロゲン受容体βを選択的に活性化し、また、乳癌発症・悪化の危険性がなく安全であることから、皮膚の老化症状の予防又は改善や皮脂腺からの皮脂分泌抑制効果等を発揮し得る医薬品、医薬部外品、化粧料として、或いはこれらへ配合するための素材又は製剤として有用である。
ハムスター耳介部組織のオイルレッド染色を示す図である。 エストラジオール、PPT又はDPN塗布による皮脂腺サイズの変化を示す図である。
本明細書において、「非治療的」とは、医療行為、すなわち治療による人体への処理行為を含まない概念である。
本明細書において、「改善」とは、疾患、症状又は状態の好転、疾患、症状又は状態の悪化の防止又は遅延、あるいは疾患又は症状の進行の逆転、防止又は遅延をいう。
本明細書において、「予防」とは、個体における疾患若しくは症状の発症の防止又は遅延、あるいは個体の疾患若しくは症状の発症の危険性を低下させることをいう。
本明細書において、カラスキバサンキライとは、ユリ科カラスキバサンキライ属のHeterosmilax erythrantha Bailを指し、ソリザヤノキとは、ノウゼンカズラ科ソリザヤノキ属のOroxylum indicum (L) Ventを指し、カカツガユとは、クワ科ハリグワ属のMaclura cochinchinensis (Lour.) Cornerを指す。
斯かる植物は、いずれの任意の部位、例えば全草、葉、茎、芽、花、蕾、木質部、樹皮、地衣体、根、根茎、仮球茎、球茎、塊茎、種子、果実、菌核若しくは樹脂等、又はそれらの組み合わせを使用することができるが、カラスキバサンキライは根茎、ソリザヤノキは樹皮または種子、カカツガユは根または葉を、それぞれ用いるのが好ましい。
斯かる植物は、そのまま又は乾燥・粉砕等して用いることができる。また、上記部位は、そのまま抽出工程に付されてもよく、又は粉砕、切断若しくは乾燥された後に抽出工程に付されてもよい。該抽出物は天然成分由来であり安全性も高い。
抽出物を得る抽出手段は、具体的には、固液抽出、液液抽出、浸漬、煎出、浸出、還流抽出、超音波抽出、マイクロ波抽出、攪拌等の手段を用いることができる。抽出時間を短縮する場合には、攪拌を伴う固液抽出が望ましい。この固液抽出の好適な条件の一例としては、100〜400rpm/minで1〜30分間の攪拌が挙げられる。
抽出物の酸化を防止するため、煮沸脱気や窒素ガス等の不活性ガスを通気して溶存酸素を除去しつつ、いわゆる非酸化的雰囲気下で抽出する手段を併用してもよい。
抽出のための溶剤には、極性溶剤、非極性溶剤のいずれをも使用することができる。溶剤の具体例としては、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等の鎖状及び環状エーテル類;ポリエチレングリコール等のポリエーテル類;スクワラン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素類;トルエン等の芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;及び超臨界二酸化炭素;ピリジン類;油脂、ワックス等その他オイル類等の有機溶剤;ならびにこれらの混合物が挙げられる。好適には、水、アルコール類、アルコール−水混合液、炭化水素類が挙げられ、アルコール−水混合液、炭化水素類がより好ましい。アルコール類としては炭素数1〜5のアルコール類が好ましく、エタノールがより好ましい。炭化水素類としてはヘキサンが好ましい。
抽出のための溶剤としてアルコール−水混合液を使用する場合には、アルコール類と水との配合割合(容量比)としては、0.001〜100:99.999〜0が好ましく、5〜95:95〜5がより好ましく、20〜80:80〜20がさらに好ましく、30〜70:70〜30がさらにより好ましく、40〜60:60〜40がなお好ましい。エタノール水溶液の場合、エタノール濃度が、好ましくは40容量%以上、より好ましくは45容量%以上である。そして、好ましくは60容量%以下、より好ましくは55容量%である。また好ましくは40〜60容量%、より好ましくは45〜55容量%である。
溶剤の使用量としては、それぞれの植物(乾燥質量換算)1gに対して好ましくは1mL以上、より好ましくは8mL以上である。そして好ましくは100mL以下、より好ましくは50mL以下である。また、好ましくは1〜100mL、より好ましくは8〜50mLである。抽出時間としては、好ましくは1分間以上、より好ましくは10分間以上である。そして好ましくは100日間以下、より好ましくは10日間以下である。また好ましくは1分間〜100日間、より好ましくは10分間〜10日間である。このときの抽出温度は、好ましくは0℃以上、より好ましくは10℃以上、さらに好ましくは20℃以上である。そして好ましくは溶媒沸点以下、より好ましくは100℃以下、さらに好ましくは90℃以下である。また、好ましくは0℃〜溶媒沸点、より好ましくは10〜100℃、さらに好ましくは20〜90℃である。
斯くして得られる植物抽出物は、抽出液や画分をそのまま用いてもよく、適宜な溶媒で希釈した希釈液として用いてもよく、或いは濃縮エキスや乾燥粉末としたり、ペースト状に調製したものでもよい。また、凍結乾燥し、用時に、通常抽出に用いられる溶剤、例えば水、エタノール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、水・エタノール混液、水・プロピレングリコール混液、水・ブチレングリコール混液等の溶剤で希釈して用いることもできる。また、リポソーム等のベシクルやマイクロカプセル等に内包させて用いることもできる。
また、植物の抽出物は市販品を使用することもできる。
上記植物の抽出物は、食品上・医薬品上許容し得る規格に適合し本発明の効果を発揮するものであれば粗精製物であってもよく、さらに得られた粗精製物を公知の分離精製方法を適宜組み合わせてこれらの純度を高めてもよい。精製手段としては、有機溶剤沈殿、遠心分離、限界濾過膜、高速液体クロマトグラフやカラムクロマトグラフ等が挙げられる。
後記実施例で示すとおり、上記植物又はそれらの抽出物は、ERβの分子構造内にあるligand binding domain(LBD)を利用したin vitro評価系において優れたエストロゲン受容体β活性化作用を示した。
当該評価系は、ERαとERβのligand binding domain(LBD)の配列の違い(J Endocrinol 163:379-383(1999))を利用した系であって、リガンドのLBDへの結合、ERの活性化を判別することによりERβの選択的な活性化評価を可能にしたものである。
具体的にはERαとERβに対する結合比であるERβ/ERαが、好ましくは20以上、より好ましくは30以上である。そして好ましくは300以下、より好ましくは200以下である。また好ましくは20〜300、より好ましくは30〜200の範囲である。
また、上記植物又はそれらの抽出物は、エストロゲン応答配列(Estrogen Response Element:ERE、AGGTCAnnnTGACCT)を利用したERβを介する転写活性化能評価系において標的遺伝子の転写を活性化させる作用を示した。
そして、上記植物又はそれらの抽出物は、ERβを活性化することが有用と考えられる各種疾病や症状の予防、改善又は治療に有効であると考えられる。例えば、ERβが皮膚の光老化を防御する機能を有することが報告されていることから(非特許文献13)、上記植物又はそれらの抽出物は、皮膚のシワ、タルミ(弛緩)、弾力性やハリの低下等の皮膚の老化症状の予防、改善又は治療に有効であると考えられる。
また、後記参考例に示すように、ERβの活性化によりハムスター耳介部の皮脂腺の大きさが減少するため、上記植物又はそれらの抽出物は皮脂の分泌抑制に有効であると考えられる。
従って、上記植物又はその抽出物は、ERβの選択的な活性化のために或いは皮膚の老化症状の予防、改善又は治療や、皮脂の分泌抑制のために使用することができる。当該使用は、ヒト若しくは非ヒト動物、又はそれらに由来する検体における使用であり得、また治療的使用であっても非治療的使用であってもよい。
また、上記植物又はそれらの抽出物は、エストロゲン受容体β活性剤、皮膚外用剤、皮膚老化予防又は改善剤、皮脂分泌抑制剤(以下、エストロゲン受容体β等)として使用することができ、さらにこれらの剤を製造するために使用することができる。このとき、当該エストロゲン受容体β活性化剤等には、上記植物及びそれらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種を単独で、又はこれ以外に、必要に応じて適宜選択した担体等の、配合すべき後述の対象物において許容されるものを使用してもよい。なお、当該製剤は配合すべき対象物に応じて常法により製造することができる。
当該エストロゲン受容体β活性剤等は、ERβの選択的活性化、皮膚の老化症状の予防、改善又は治療、皮脂の分泌抑制効果を発揮する、ヒト若しくは動物用の医薬品、医薬部外品、化粧料、食品又は飼料の有効成分であってもよく、又は当該医薬品、医薬部外品、化粧料、食品又は飼料等に配合して使用される素材又は製材であってもよい。食品としては、エストロゲンβ受容体の活性化或いは皮膚の老化症状の予防、改善又は治療や、皮脂の分泌抑制等の生理機能をコンセプトとし、必要に応じてその旨を表示した飲食品、機能性飲食品、病者用飲食品、特定保健用食品等を包含する。
ここで、上記医薬品(医薬部外品も含む)の剤型は、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、静脈内注射剤、筋肉注射剤、坐剤、吸入剤、経皮吸収剤、点眼剤、点鼻剤、湿布剤、バップ剤、軟膏、ローション、クリーム、口腔用製剤(歯磨剤、液状歯磨剤、洗口液、歯肉マッサージクリーム、口腔用軟膏、うがい用錠剤、トローチ、のど飴等)等のいずれかでもよい。投与形態も経口投与(内用)、非経口投与(外用、注射)のいずれであってもよい。
このような種々の剤型の医薬製剤を調製するには、当該エストロゲン受容体β活性剤等を単独で、又は他の薬学的に許容される賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、嬌味剤、香料、被膜剤、担体、希釈剤等を適宜組み合わせて用いることができる。
これらの投与形態のうち、好ましい形態は経口投与であり、上記製剤中の上記植物又はそれらの抽出物の含有量(抽出物の乾燥物換算)は、一般的に好ましくは0.00001質量%以上、より好ましくは0.0001質量%以上である。そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは1質量%以下である。また、好ましくは0.00001〜10質量%、より好ましくは0.0001〜1質量%である。
上記食品は、固形、半固形又は液状であり得、例えば、パン類、ケーキ類、麺類、菓子類、ゼリー類、冷凍食品、アイスクリーム類、乳製品、飲料等の各種食品の他、上述した経口投与製剤と同様の形態(錠剤、カプセル剤、シロップ等)が挙げられる。
種々の形態の食品を調製するには、当該エストロゲン受容体β活性剤等を単独で、又は他の食品材料や、溶剤、軟化剤、油、乳化剤、防腐剤、香科、安定剤、着色剤、酸化防止剤、保湿剤、増粘剤等を適宜組み合わせて用いることができる。当該食品中の上記植物又はそれらの抽出物の含有量(抽出物の乾燥物換算)は、一般的に好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは1質量%である。そして、好ましくは100質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは80質量%以下である。また、好ましくは0.01〜100質量%、より好ましくは0.1〜90質量%、更に好ましくは1〜80質量%である。
また、上記飼料としては、例えば牛、豚、鶏、羊、馬等に用いる家畜用飼料、ウサギ、ラット、マウス等に用いる小動物用飼料、マグロ、ウナギ、タイ、ハマチ等に用いる魚介類用飼料、犬、猫、小鳥、リス等に用いるペットフード等が挙げられる。
尚、飼料を製造する場合には、本発明のエストロゲン受容体β活性剤等の他に、牛、豚、羊等の肉類、蛋白質、穀物類、ぬか類、粕類、糖類、野菜、ビタミン類、ミネラル類等一般に用いられる飼料原料、更に一般的に飼料に使用されるゲル化剤、保型剤、pH調整剤、調味料、防腐剤、栄養補強剤等を組み合わせて用いることができる。
また、飼料中の、上記植物又はそれらの抽出物の含有量は、その使用形態により異なるが、乾燥物換算で、通常好ましくは0.0001質量%以上、より好ましくは0.001質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上である。そして、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。また、好ましくは0.0001〜20質量%、より好ましくは0.001〜10質量%、更に好ましくは0.01〜5質量%である。
上記医薬品等の投与量又は摂取量は、対象者の状態、体重、性別、年齢又はその他の要因に従って変動し得るが、経口投与又は摂取の場合成人1人当たり、上記植物又はそれらの抽出物(乾燥物換算)として、1日あたり好ましくは0.01mg/kg以上、特に好ましくは0.1mg/kg以上である。そして好ましくは100mg/kg以下、特に好ましくは10mg/kg以下である。また好ましくは0.01〜100mg/kg、特に好ましくは0.1〜10mg/kgである。
上記化粧料(医薬部外品も含む)は、皮膚外用剤、洗浄剤、メイクアップ化粧料等とすることができ、使用方法に応じて、ローション、乳液、ゲル、クリーム、軟膏剤、粉末、顆粒等の種々の剤型で提供することができる。このような種々の剤型の化粧料は、上記植物及びそれらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種と、皮膚化粧料に配合され得る、油性成分、保湿剤、粉体、色素、乳化剤、可溶化剤、洗浄剤、紫外線吸収剤、増粘剤、薬剤(例えば、抗炎症剤、殺菌剤、酸化防止剤、ビタミン類、脂肪代謝促進作用又は脱共役蛋白質発現促進作用が知られている薬物或いは天然物)、香料、樹脂、防菌防黴剤、植物抽出物、アルコール類等を適宜組み合わせることにより調製することができる。
当該化粧料の全量中の、上記植物又はそれらの抽出物は、抽出物の乾燥物換算で、通常好ましくは0.0001質量%以上、より好ましくは0.001質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上である。そして好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。また好ましくは0.0001〜20質量%、より好ましくは0.001〜10質量%、更に好ましくは0.01〜5質量%である。
上述した実施形態に関し、本発明においては以下の態様が開示される。
<1>カラスキバサンキライ(Heterosmilax erythrantha Bail)、ソリザヤノキ(Oroxylum indicum (L) Vent)、及びカカツガユ(Maclura cochinchinensis (Lour.) Corner)から選ばれる植物、並びにそれらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分とするエストロゲン受容体β活性化剤。
<2>カラスキバサンキライ(Heterosmilax erythrantha Bail)、及びカカツガユ(Maclura cochinchinensis (Lour.) Corner)から選ばれる植物、並びにそれらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種を含有する皮膚外用剤。
<3>カラスキバサンキライ(Heterosmilax erythrantha Bail)、ソリザヤノキ(Oroxylum indicum (L) Vent)、及びカカツガユ(Maclura cochinchinensis (Lour.) Corner)から選ばれる植物、並びにそれらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分とする皮膚老化予防又は改善剤。
<4>カラスキバサンキライ(Heterosmilax erythrantha Bail)、ソリザヤノキ(Oroxylum indicum (L) Vent)、及びカカツガユ(Maclura cochinchinensis (Lour.) Corner)から選ばれる植物、並びにそれらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分とする皮脂分泌抑制剤。
<5>エストロゲン受容体β活性化剤を製造するための、カラスキバサンキライ(Heterosmilax erythrantha Bail)、ソリザヤノキ(Oroxylum indicum (L) Vent)、及びカカツガユ(Maclura cochinchinensis (Lour.) Corner)から選ばれる植物、並びにそれらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種の使用。
<6>皮膚外用剤を製造するための、カラスキバサンキライ(Heterosmilax erythrantha Bail)、及びカカツガユ(Maclura cochinchinensis (Lour.) Corner)から選ばれる植物、並びにそれらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種の使用。
<7>皮膚老化予防又は改善剤を製造するための、カラスキバサンキライ(Heterosmilax erythrantha Bail)、ソリザヤノキ(Oroxylum indicum (L) Vent)、及びカカツガユ(Maclura cochinchinensis (Lour.) Corner)から選ばれる植物、並びにそれらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種の使用。
<8>皮脂分泌抑制剤を製造するための、カラスキバサンキライ(Heterosmilax erythrantha Bail)、ソリザヤノキ(Oroxylum indicum (L) Vent)、及びカカツガユ(Maclura cochinchinensis (Lour.) Corner)から選ばれる植物、並びにそれらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種の使用。
<9>エストロゲン受容体β活性化剤に使用するための、カラスキバサンキライ(Heterosmilax erythrantha Bail)、ソリザヤノキ(Oroxylum indicum (L) Vent)、及びカカツガユ(Maclura cochinchinensis (Lour.) Corner)から選ばれる植物、並びにそれらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種。
<10>皮膚外用剤に使用するための、カラスキバサンキライ(Heterosmilax erythrantha Bail)、及びカカツガユ(Maclura cochinchinensis (Lour.) Corner)から選ばれる植物、並びにそれらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種。
<11>皮膚老化予防又は改善剤に使用するための、カラスキバサンキライ(Heterosmilax erythrantha Bail)、ソリザヤノキ(Oroxylum indicum (L) Vent)、及びカカツガユ(Maclura cochinchinensis (Lour.) Corner)から選ばれる植物、並びにそれらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種。
<12>皮脂分泌抑制剤に使用するための、カラスキバサンキライ(Heterosmilax erythrantha Bail)、ソリザヤノキ(Oroxylum indicum (L) Vent)、及びカカツガユ(Maclura cochinchinensis (Lour.) Corner)から選ばれる植物、並びにそれらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種。
<13>カラスキバサンキライ(Heterosmilax erythrantha Bail)、ソリザヤノキ(Oroxylum indicum (L) Vent)、及びカカツガユ(Maclura cochinchinensis (Lour.) Corner)から選ばれる植物、並びにそれらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種を、ヒト若しくは動物に投与又は摂取するエストロゲン受容体β活性化方法。
<14>カラスキバサンキライ(Heterosmilax erythrantha Bail)、ソリザヤノキ(Oroxylum indicum (L) Vent)、及びカカツガユ(Maclura cochinchinensis (Lour.) Corner)から選ばれる植物、並びにそれらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種を、ヒト若しくは動物に投与又は摂取する皮膚老化予防又は改善方法。
<15>カラスキバサンキライ(Heterosmilax erythrantha Bail)、ソリザヤノキ(Oroxylum indicum (L) Vent)、及びカカツガユ(Maclura cochinchinensis (Lour.) Corner)から選ばれる植物、並びにそれらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種を、ヒト若しくは動物に投与又は摂取する皮脂分泌抑制方法。
<16>非治療的な方法である前記<13>〜<15>のいずれか1に記載の方法。
<17>前記<1>〜<16>において、上記植物の使用部位は、好適には、カラスキバサンキライ(Heterosmilax erythrantha Bail)は根茎、ソリザヤノキ(Oroxylum indicum (L) Vent)は樹皮または種子、カカツガユ(Maclura cochinchinensis (Lour.) Corner)は根または葉をそれぞれ用いるのが好ましい。
<18>前記<1>〜<17>において、上記植物抽出物を得るための抽出溶剤は、水、アルコール類、アルコール−水混合液、炭化水素類が好ましく、アルコール−水混合液、炭化水素類がより好ましい。アルコール類としては炭素数1〜5のアルコール類が好ましく、エタノールがより好ましい。炭化水素類としてはヘキサンがより好ましい。
<19>前記<1>〜<18>において、上記植物抽出物を得るための抽出溶剤は、好適にはエタノール水溶液等のアルコール−水混合液であり、エタノール水溶液の場合、エタノール濃度が、好ましくは40容量%以上、より好ましくは45容量%以上である。そして、好ましくは60容量%以下、より好ましくは55容量%である。また好ましくは40容量%以上60容量%以下、より好ましくは45容量%以上55容量%以下である。
<20>前記<1>〜<19>において、上記植物抽出物は、好適には、植物体1質量部に対して8質量部以上50質量部以下の抽出溶剤を用い、20℃以上90℃以下にて10分間以上10日間以下抽出されるものである。
参考例1 皮脂の分泌抑制
<ハムスター耳介部への化合物の塗布>
6週齢のSyrian hamster雄(日本SLC製)を使用し、10%グリセリン含有エタノール溶媒のみを塗布するコントロール群を5匹、100nMのエストラジオール(和光純薬社製、以下同じ)を塗布するEstradiol(E2)群を5匹、160nMの1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−4−プロピル−1H−ピラゾール(PPT、ERα選択的アゴニスト、Tocris社製、以下同じ)を塗布するPPT群を5匹、700nMの2,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロピオニトリル(DPN、ERβ選択的アゴニスト、Tocris社製、以下同じ)を塗布するDPN群5匹を用意し、それぞれの溶液100μLを1日1回、2週間連続して耳介部に塗布した(PPT、DPNの塗布濃度はエストラジオールのEC50の値に基づいて設定した)。その後、過去の報告を参考にして耳介部を回収し、OCTコンパウンドに包埋後、使用するまで−80℃にて保存した。
<オイルレッド染色(中性脂質の染色法)>
OCTコンパウンドに包埋した凍結耳介部組織より、クリオスタットを用いて6μmの厚さで凍結切片を作成し、スライドガラス上に貼り付けた(1匹に対して1スライド作成)。組織の固定を行うために、10%中性緩衝ホルマリンに1分間浸漬し、その後OCTコンパウンドを除去するためにdistilled water(D.W.)に浸漬した。次に60%イソプロパノールに浸漬し、余分なイソプロパノールを除去した後、オイルレッド染色溶液を100μLマウントし5分間染色を行った。染色終了後、60%イソプロパノール、D.W.の順番で洗浄し、水溶性封入剤を用いて封入を行った。
<オイルレッド染色陽性領域の抽出>
皮脂腺においてオイルレッド染色陽性領域を抽出するために、顕微鏡下で組織像を取り込み、画像解析ソフトであるImage Pro Plus(Media Cybernetics社製)を用いて画像解析を行った。取り込んだ画像からダクト部分を含む皮脂腺をランダムに5つ選択し、皮脂腺1つにおけるオイルレッド染色陽性領域(赤色)のピクセル数を算出した。
<オイルレッド染色後の組織像>
オイルレッド染色後の組織像を図1に示した。基底細胞(最外層の細胞)付近の染色強度は弱く、成熟細胞の分化過程の進行(皮脂腺の中心に向かって分化は進行する)に伴い、染色強度が増強する傾向が認められた。コントロール群と比較しエストラジオール群、PPT群、DPN群で皮脂腺サイズの減少が視覚的にも確認された。
<皮脂腺サイズの測定>
各群の皮脂腺サイズをImage Pro Plusを用いて解析した結果を図2に示した。統計学的有意差検定はDunnett法を用いて解析した。その結果、コントロール群と比較してエストラジオール群、PPT群、DPN群のいずれも有意に皮脂腺サイズを縮小していた(p<0.01:コントロールvsエストラジオール、コントロールvs PPT、p<0.05:コントロールvs DPN)。また、有意差は認められなかったもののPPT群は、DPN群よりも若干強く皮脂腺サイズを抑制していた。
このことから、ERβの活性化は皮脂の分泌抑制に有効であることが示唆された。
参考例2 評価系の構築
pBIND−ERα及びpGL4.35[luc2P/9XGAL4UAS/Hygro]はPromega社より購入した。pBIND−ERβは、pBIND vectorにERβのLBD(アミノ酸配列:222−531)をクローニングしプラスミドを構築した。
この評価系では、ERのLBDに被験物質が反応した場合にのみ、pGL4.35にコードされたホタルルシフェラーゼの転写活性が上昇する(詳細はPharm Res 27:1439−1468(2010)参照)。
HEK293細胞を96-well plateに4.0×104cells/wellの細胞密度で播種し、その12時間後に培養液(5% チャコール処理血清を含むDMEM)を交換し、pBIND−ERα又はpBIND−ERβをpGL4.35[luc2P/9XGAL4UAS/Hygro]とともに、Lipofectamine 2000(Invtrogen社)を用い、製品添付のプロトコールに従い細胞に導入した。導入24時間後に、陰性対照である50(v/v)%エタノール、陽性対照であるエストラジオール、PPT又はDPNをそれぞれ表1記載の終濃度となるように添加し、さらに24時間培養を行った。
ホタルルシフェラーゼ(ER活性の指標)、及びウミシイタケルシフェラーゼ(plasmidの導入効率の指標)の活性測定には、Dual-GloTM Luciferase Assay System(Promega社)を用い、添付のプロトコールに従いルシフェラーゼ活性を測定した。ホタルルシフェラーゼの発光強度をウミシイタケルシフェラーゼの発光強度で除したものを、Relative light unit(RLU)として算出した。それぞれの結合活性の値は陽性対照であるエストラジオールを終濃度10nMで添加した際のRLUを1とした場合の相対値として示した。
その結果を表1に示す。対ERα、対ERβの欄の数値は、それぞれpBIND−ERαを導入した細胞、pBIND−ERβを導入した細胞に、各化合物を添加した際の結合活性を示している。結合活性増強作用の評価は陰性対照である50(v/v)%エタノール水溶液を添加した際の結合活性値と比較して行った。
その結果、pBIND−ERαを導入した細胞では陽性対照であるエストラジオール及びERα選択的アゴニストであるPPTによるERαとの結合活性増強作用が認められた。他方、pBIND−ERβを導入した細胞ではエストラジオール及びERβ選択的アゴニストであるDPNによるERβとの結合活性増強作用が認められ、PPTによるERβとの結合活性増強作用は認められなかった。このことから、当該評価系によりERβとの結合活性を選択的に増強する物質の探索が可能であることが確認された。
実施例1
各抽出物におけるERβ結合活性の選択的増強作用
<植物抽出物の調製>
(製造例1)カラスキバサンキライ(Heterosmilax erythrantha Bail)抽出物の調製
カラスキバサンキライの根茎100gに、50(v/v)%エタノール−水混合溶液1000mLを加え、室温で7日間抽出した。抽出後、不溶物のろ過を行い、抽出液を得た。抽出液を減圧濃縮し、抽出乾固物9.23gを得た。得られた抽出乾固物を蒸発残分1%になるように50%(v/v)%エタノール−水混合溶液に溶解させし、カラスキバサンキライの活性評価サンプルを調製した。
(製造例2)ソリザヤノキ(Oroxylum indicum (L) Vent)抽出物の調製
ソリザヤノキの樹皮および種子100gに、50(v/v)%エタノール−水混合溶液1000mLを加え、室温で7日間抽出した。抽出後、不溶物のろ過を行い、抽出液を得た。抽出液を減圧濃縮し、抽出乾固物21.68gを得た。得られた抽出物を上記(1)と同様にして、ソリザヤノキの活性評価サンプルを調製した。
(製造例3)カカツガユ(Maclura cochinchinensis (Lour.) Corner)抽出物の調製
カカツガユの根および葉100gに、50(v/v)%エタノール−水混合溶液1000mLを加え、室温で7日間抽出した。抽出後、不溶物のろ過を行い、抽出液を得た。抽出液を減圧濃縮し、抽出乾固物10.01gを得た。得られた抽出物を上記(1)と同様にして、カカツガユの活性評価サンプルを調製した。
<評価方法>
HEK293細胞を96−well plateに4.0×104cells/wellの細胞密度で播種し、その12時間後に培養液(5%チャコール処理血清を含むDMEM)を交換し、pBIND−ERα、もしくはpBIND−ERβをpGL4.35[luc2P/9XGAL4UAS/Hygro]とともに、Lipofectamine 2000(Invtrogen社)を用い、製品添付のプロトコールに従い細胞に導入した。導入24時間後に、陰性対照である50(v/v)%エタノール水溶液、陽性対照であるエストラジオール(終濃度10nM)、又は上記製造例1〜3で調製した植物抽出物を表2記載の終濃度となるように添加し、さらに24時間培養を行った。
ルシフェラーゼ活性を上記と同様にして測定し、ホタルルシフェラーゼの発光強度をウミシイタケルシフェラーゼの発光強度で除したものを、Relative light unit(RLU)として算出した。それぞれの活性値は陽性対照におけるRLUを1とした場合の相対値として示した。結合活性増強作用の評価は陰性対照である50(v/v)%エタノール水溶液を添加した際の結合活性値と比較して行った。その結果を表2に示す。
<結果>
表2より、上記製造例1〜3の植物抽出物はERαと比較してERβとの結合活性増強作用が顕著に高いことが認められた。
このことから、上記植物抽出物は、ERβと選択性高く結合し、活性化する作用を有していることが確認された。
参考例3 ERβを介する転写活性化能評価系の構築
ERβは、ゲノム上に存在するERE(AGGTCAnnnTGACCT)に結合し、標的遺伝子の転写を制御することが知られている。そこで、EREを利用し、ERβを介した転写活性化能の有無を評価できる系の構築を行った。
pERE(ホタルルシフェラーゼ)はSABiosciences社より購入した。pRL−CMV(ウミシイタケルシフェラーゼ)は、Promega社より購入した。
HEK293細胞を96−well plateに4.0×104cells/wellの細胞密度で播種し、その12時間後に培養液(5% チャコール処理血清を含むDMEM)を交換し、pERE、pRL−CMV及びpcDNA3−ERβをLipofectamine 2000(Invtrogen社)を用い、製品添付のプロトコールに従い細胞に導入した。導入24時間後に、陰性対照として50(v/v)%エタノール、陽性対照としてエストラジオール、PPT又はDPNをそれぞれ表3に記載の終濃度となるように添加し、さらに24時間培養を行った。ホタルルシフェラーゼ(転写活性化能の指標)、及びウミシイタケルシフェラーゼ(plasmidの導入効率の指標)の活性測定には、Dual−GloTM Luciferase Assay System(Promega社)を用い、添付のプロトコールに従い実施した。ホタルルシフェラーゼの発光強度をウミシイタケルシフェラーゼの発光強度で除したものを、Relative light unit(RLU)として算出した。ERβを介した転写活性化能は、陰性対照である50(v/v)%エタノール水溶液を添加した際のRLUと比較して評価した。
その結果、PPT又はDPNを添加したところ、PPTよりもDPNの方が、ERβを介した転写活性化能が高かった。このことから、当該評価系はERβを介した転写活性化能を評価するのに有用であることが確認された。
実施例2 各抽出物におけるERβを介した転写活性化能の評価
<評価方法>
HEK293細胞を96−well plateに4.0×104cells/wellの細胞密度で播種し、その12時間後に培養液(5% チャコール処理血清を含むDMEM)を交換し、pERE、pRL−CMV及びpcDNA3−ERβをLipofectamine 2000(Invtrogen社)を用い、製品添付のプロトコールに従い細胞に導入した。導入24時間後に、陰性対照として50(v/v)%エタノール、陽性対照としてエストラジオール、又は上記製造例1〜3で調製した各植物抽出物を表4記載の終濃度となるように添加し、さらに24時間培養を行った。ルシフェラーゼ活性を上記と同様にして測定し、ホタルルシフェラーゼの発光強度をウミシイタケルシフェラーゼの発光強度で除したものを、Relative light unit(RLU)として算出した。ERβを介した転写活性化能は、陰性対照である50(v/v)%エタノール水溶液を添加した際のRLUと比較して評価した。
<結果>
表4より、上記製造例1〜3の植物抽出物にERβを介した転写活性化能が認められた。以上より、上記植物抽出物はERβと選択性高く結合し、標的遺伝子の転写を活性化する作用を有していることが確認された。

Claims (4)

  1. カラスキバサンキライ、ソリザヤノキ、及びカカツガユから選ばれる植物、並びにそれらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分とするエストロゲン受容体β活性化剤。
  2. カラスキバサンキライ、及びカカツガユから選ばれる植物、並びにそれらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種を含有する皮膚外用剤。
  3. カラスキバサンキライ、ソリザヤノキ、及びカカツガから選ばれる植物、並びにそれらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分とする皮膚老化予防又は改善剤。
  4. カラスキバサンキライ、ソリザヤノキ、及びカカツガユから選ばれる植物、並びにそれらの抽出物からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分とする皮脂分泌抑制剤。
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