JP2014051118A - 冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】発熱源の冷却性能の低下を抑制できる冷却装置を提供する。
【解決手段】発熱源を冷却する冷却装置1は、冷媒を圧縮する圧縮機12と、冷媒と外気との間で熱交換する熱交換器14と、冷媒を用いて発熱源を冷却する冷却部30と、圧縮機12から吐出された冷媒を熱交換器14を介して冷却部30へ流す第一通路と、圧縮機12が停止したときに、動力を加えることなく熱交換器14と冷却部30との間に冷媒を循環させる第二通路と、第一通路の連通と第二通路の連通とを切り替える切替弁と、を備える。冷却部30は、筐体と、筐体に冷媒が流入する流入口と、筐体から冷媒が流出する流出口とを有する。流入口は流出口よりも低く配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷却装置に関し、特に、蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用して発熱源を冷却する冷却装置に関する。
近年、環境問題対策の一つとして、モータの駆動力により走行するハイブリッド車、燃料電池車、電気自動車などが注目されている。このような車両において、モータ、ジェネレータ、インバータ、コンバータおよびバッテリなどの電気機器は、電力の授受によって発熱する。そのため、これらの電気機器を冷却する必要がある。そこで、車両用空調装置として使用される蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用して、発熱体を冷却する技術が提案されている(たとえば、特開2007−69733号公報(特許文献1)、特開2005−90862号公報(特許文献2)参照)。
一方、発熱体を冷却する冷却器に関する技術が種々提案されている(たとえば特開平9−23081号公報(特許文献3)、特開2001−168256号公報(特許文献4)、特開平8−258548号公報(特許文献5)、特開2008−253057号公報(特許文献6)参照)。
特開2007−69733号公報 特開2005−90862号公報 特開平9−23081号公報 特開2001−168256号公報 特開平8−258548号公報 特開2008−253057号公報
蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用して発熱源を冷却する冷却装置においては、気相および液相間の状態変化を伴う冷媒が利用されるため、冷媒がガス化し易い、冷媒の気相および液相間の比重差が大きい、冷媒サイクルの応答性が遅いといった特性がある。このような冷却装置において、発熱源で発生する熱量の変動、外気温度の変動、発熱源と熱交換する冷媒の流量の変動などの影響に伴って、発熱源の冷却性能が一時的に低下し、冷却器内の局所的な温度上昇をもたらす場合がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、発熱源の冷却性能の低下を抑制できる冷却装置を提供することである。
本発明に係る冷却装置は、発熱源を冷却する冷却装置であって、冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒と外気との間で熱交換する熱交換器と、冷媒を用いて発熱源を冷却する冷却器と、圧縮機から吐出された冷媒を熱交換器を介して冷却器へ流す第一通路と、圧縮機が停止したときに、動力を加えることなく熱交換器と冷却器との間に冷媒を循環させる第二通路と、第一通路の連通と第二通路の連通とを切り替える切替弁と、を備える。冷却器は、筐体と、筐体に冷媒が流入する流入口と、筐体から冷媒が流出する流出口とを有する。流入口は流出口よりも低く配置されている。
上記冷却装置において好ましくは、冷媒が第一通路を流れるときと、冷媒が第二通路を流れるときと、の冷却器内の冷媒の流れ方向を逆方向とする。
上記冷却装置において好ましくは、冷却器は、筐体の内部と外部とを連通する第一冷媒出入口および第二冷媒出入口を有し、第一冷媒出入口と第二冷媒出入口との一方が流入口として機能し、他方が流出口として機能する。冷却器は、第一冷媒出入口が第二冷媒出入口よりも低く配置される第一姿勢と、第二冷媒出入口が第一冷媒出入口よりも低く配置される第二姿勢と、を切り替える姿勢切替部をさらに有する。姿勢切替部は、冷媒が第一冷媒出入口を経由して筐体に流入し筐体から第二冷媒出入口を経由して流出するとき、冷却器を第一姿勢とし、冷媒が第二冷媒出入口を経由して筐体に流入し筐体から第一冷媒出入口を経由して流出するとき、冷却器を第二姿勢とする。
本発明の冷却装置によると、発熱源の冷却性能の低下を抑制でき、冷却器内の局所的な温度上昇の発生を回避することができる。
本実施の形態の冷却装置の構成を示す模式図である。 冷却器の構成を示す模式図である。 冷却装置の第二の運転モードを示す模式図である。 姿勢を切り替えた状態の冷却器を示す模式図である。 冷却装置の第三の運転モードを示す模式図である。 冷却装置の第四の運転モードを示す模式図である。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
[冷却装置1の構成]
図1は、本実施の形態の冷却装置1の構成を示す模式図である。図1に示すように、冷却装置1は、蒸気圧縮式冷凍サイクル10を備える。蒸気圧縮式冷凍サイクル10は、たとえば、車両の車内の冷房を行なうために、車両に搭載される。蒸気圧縮式冷凍サイクル10を用いた冷房は、たとえば、冷房を行なうためのスイッチがオンされた場合、または、自動的に車両の室内の温度を設定温度になるように調整する自動制御モードが選択されており、かつ、車室内の温度が設定温度よりも高い場合に行なわれる。
蒸気圧縮式冷凍サイクル10は、圧縮機12と、第一熱交換器としての熱交換器14と、第二熱交換器としての熱交換器15と、減圧器の一例としての膨張弁16と、第三熱交換器としての熱交換器18と、を含む。
圧縮機12は、車両に搭載されたモータまたはエンジンを動力源として作動し、冷媒ガスを断熱的に圧縮して過熱状態冷媒ガスとする。圧縮機12は、蒸気圧縮式冷凍サイクル10の作動時に熱交換器18から流通する冷媒を吸入圧縮して、冷媒通路21に高温高圧の気相冷媒を吐出する。圧縮機12は、冷媒通路21に冷媒を吐出することで、蒸気圧縮式冷凍サイクル10に冷媒を循環させる。
熱交換器14,15は、冷媒を流通するチューブと、チューブ内を流通する冷媒と熱交換器14,15の周囲の空気との間で熱交換するためのフィンと、を含む。熱交換器14,15は、冷媒と外気の間で熱交換を行ない、圧縮機12において圧縮された過熱状態冷媒ガスを、外部媒体へ等圧的に放熱させて冷媒液とする。圧縮機12から吐出された高圧の気相冷媒は、熱交換器14,15における冷却風と冷媒との熱交換により周囲に放熱し冷却される。
冷却風は、車両の走行によって発生する自然の通風によって熱交換器14,15に供給されてもよい。または冷却風は、コンデンサファンもしくはエンジン冷却用のラジエータファンなどの、外気供給用ファンからの強制通風によって熱交換器14,15に供給されてもよい。熱交換器14,15における熱交換によって、冷媒の温度は低下し冷媒は凝縮(液化)する。
膨張弁16は、冷媒通路23を流通する高圧の液相冷媒を小さな孔から噴射させることにより膨張させて、低温・低圧の霧状冷媒に変化させる。膨張弁16は、熱交換器14,15によって凝縮された冷媒液を減圧して、気液混合状態の湿り蒸気とする。なお、冷媒液を減圧するための減圧器は、絞り膨張する膨張弁16に限られず、毛細管であってもよい。膨張弁16は、温度式膨張弁であってもよく、電気式の膨張弁であってもよい。
熱交換器18は、冷媒を流通するチューブと、チューブ内を流通する冷媒と熱交換器18の周囲の空気との間で熱交換するためのフィンと、を含む。チューブ内には、湿り蒸気状態の冷媒が流通する。熱交換器18は、その内部を流通する霧状冷媒が気化することによって、熱交換器18に接触するように導入された周囲の空気の熱を吸収する。熱交換器18は、空調用空気と冷媒との間で熱交換する。熱交換器18を経由して蒸気圧縮式冷凍サイクル10を循環する冷媒と、空調用空気と、の熱交換によって、空調用空気の温度が調節される。
熱交換器18は、膨張弁16によって減圧された冷媒を用いて、冷媒の湿り蒸気が蒸発して冷媒ガスとなる際の気化熱を、車両の室内へ流通する空調用空気から吸収して、車両の室内の冷房を行なう。熱交換器18において冷媒に吸熱され温度が低下した空調用空気が車両の室内に供給されることによって、車両の室内の冷房が行なわれる。冷媒は、チューブ内を流通する際に、フィンを経由して空調用空気の熱を蒸発潜熱として吸収することによって蒸発し低圧高温ガスとなり、さらに顕熱によって過熱蒸気になる。気化した冷媒は、冷媒通路25を経由して圧縮機12へ戻る。圧縮機12は、熱交換器18から流通する冷媒を圧縮する。
蒸気圧縮式冷凍サイクル10はまた、圧縮機12と熱交換器14とを連通する冷媒通路21と、熱交換器14と熱交換器15とを連通する冷媒通路22と、熱交換器15と膨張弁16とを連通する冷媒通路23と、膨張弁16と熱交換器18とを連通する冷媒通路24と、熱交換器18と圧縮機12とを連通する冷媒通路25と、を含む。
冷媒通路21は、冷媒を圧縮機12から熱交換器14に流通させるための通路である。冷媒は、冷媒通路21を経由して、圧縮機12と熱交換器14との間を、圧縮機12の出口から熱交換器14の入口へ向かって流れる。冷媒通路22,23は、冷媒を熱交換器14から膨張弁16に流通させるための通路である。冷媒は、冷媒通路22,23を経由して、熱交換器14と膨張弁16との間を、熱交換器14の出口から膨張弁16の入口へ向かって流れる。
冷媒通路24は、冷媒を膨張弁16から熱交換器18に流通させるための通路である。冷媒は、冷媒通路24を経由して、膨張弁16と熱交換器18との間を、膨張弁16の出口から熱交換器18の入口へ向かって流れる。冷媒通路25は、冷媒を熱交換器18から圧縮機12に流通させるための通路である。冷媒は、冷媒通路25を経由して、熱交換器18と圧縮機12との間を、熱交換器18の出口から圧縮機12の入口へ向かって流れる。
蒸気圧縮式冷凍サイクル10は、圧縮機12、熱交換器14,15、膨張弁16および熱交換器18が、冷媒通路21〜25によって連結されて構成される。なお、蒸気圧縮式冷凍サイクル10の冷媒としては、たとえば二酸化炭素、プロパンやイソブタンなどの炭化水素、アンモニア、フロン類または水などを用いることができる。
冷却装置1は、熱交換器14の出口側と圧縮機12の入口側とを接続する、並列に接続された二つの冷媒の経路を備える。熱交換器14から圧縮機12へ向かって流れる冷媒の経路は、冷媒通路22〜25を含む。熱交換器14から圧縮機12へ向かって流れる冷媒の経路はまた、冷媒通路22と冷却部30とを連通する冷媒通路34と、冷却部30と、冷却部30と冷媒通路25とを連通する冷媒通路36と、を含む。冷媒通路34は冷媒通路22に接続されており、冷媒通路34を経由して、冷媒通路22から冷却部30へ冷媒液が流れる。冷媒通路36は冷媒通路25に連結されており、冷却部30を通過した冷媒は、冷媒通路36を経由して、冷媒通路25へ戻る。
冷却装置1は、冷媒通路22〜25と並列に配置された冷媒の経路を備え、冷却部30は、当該冷媒の経路上に設けられている。冷却部30は、熱交換器14から圧縮機12へ向けて流れる冷媒の経路において並列に接続された複数の通路のうちの、一方に設けられている。冷却部30は、電気自動車に搭載される電気機器であるEV(Electric Vehicle)機器と、冷媒が内部を流通する冷却器とを含む。EV機器は、発熱源の一例である。冷却器の入口側は冷媒通路34に接続され、冷却器の出口側は冷媒通路36に接続される。
冷媒通路34は、冷却部30よりも上流側の冷媒の経路であり、冷媒通路34を経由して冷却部30へ冷媒が流入する。冷媒通路34は、熱交換器14で冷却された気液混合状態の冷媒が冷却部30に流れるための通路である。冷媒通路36は、冷却部30よりも下流側の冷媒の経路であり、冷媒は、冷却部30から流出して冷媒通路36へ流れ込む。冷媒通路36は、冷却部30から冷媒通路25に冷媒を戻すための通路である。
熱交換器14から流出した冷媒液は、冷媒通路34を経由して、冷却部30へ向かって流通する。冷却部30へ流通し、冷却器を経由して流れる冷媒は、発熱源としてのEV機器と冷媒との温度差に応じて、EV機器から熱を奪って、EV機器を冷却する。冷却部30は、熱交換器14において冷却され冷媒通路34を経由して冷却器へ流れる気液二相状態の冷媒を用いて、EV機器を冷却する。冷却部30において、冷却器内を流通する冷媒と、EV機器と、が熱交換することにより、EV機器は冷却され、冷媒は加熱される。冷媒はさらに、冷却部30から冷媒通路36を経由して流れ、冷媒通路25を経由して圧縮機12へ至る。
冷却部30は、冷却器においてEV機器と冷媒との間で熱交換が可能な構造を有するように設けられる。本実施の形態においては、冷却部30は、たとえば、EV機器の筐体に冷却器の外周面が直接接触するように形成された冷却器を有する。冷却器は、EV機器の筐体と隣接する部分を有する。当該部分において、冷却器を流通する冷媒と、EV機器との間で、熱交換が可能となる。
EV機器は、蒸気圧縮式冷凍サイクル10の熱交換器14から圧縮機12に至る冷媒の経路の一部を形成する冷却器の外周面に直接接続されて、冷却される。冷媒とEV機器とが直接熱交換してもよく、または、冷媒とEV機器を流れる水や油などの二次媒体とが熱交換してもよい。冷却器の外部にEV機器が配置されるので、冷却器の内部を流通する冷媒の流れにEV機器が干渉することはない。そのため、蒸気圧縮式冷凍サイクル10の圧力損失は増大しないので、圧縮機12の動力を増大させることなく、EV機器を冷却することができる。
代替的には、冷却部30は、EV機器と冷却器との間に介在して配置された任意の公知の伝熱装置を備えてもよい。この場合EV機器は、冷却器の外周面に伝熱装置を介して接続され、EV機器から冷却器へ伝熱装置を経由して熱伝達することにより、冷却される。伝熱装置として、たとえばウィック式などのヒートパイプを使用することができる。EV機器をヒートパイプの加熱部とし冷却器をヒートパイプの冷却部とすることで、冷却器とEV機器との間の熱伝達効率が高められるので、EV機器の冷却効率を向上できる。
伝熱装置によってEV機器から冷却器へ確実に熱伝達することができるので、EV機器と冷却器との間に距離があってもよく、EV機器に冷却器を接触させるための経路を複雑に配置する必要がない。その結果、EV機器の配置が制限されることがなく、EV機器の配置の自由度を向上することができる。
EV機器は、電力の授受によって発熱する電気機器を含む。電気機器は、たとえば、直流電力を交流電力に変換するためのインバータ、回転電機であるモータジェネレータ、蓄電装置であるバッテリ、バッテリの電圧を昇圧させるための昇圧コンバータ、バッテリの電圧を降圧するためのDC/DCコンバータなどの、少なくともいずれか一つを含む。バッテリは、リチウムイオン電池あるいはニッケル水素電池等の二次電池である。バッテリに代えてキャパシタが用いられてもよい。
[冷却装置1の動作]
冷媒は、圧縮機12と熱交換器14,15と膨張弁16と熱交換器18とが冷媒通路21〜25によって順次接続された冷媒循環流路を通って、蒸気圧縮式冷凍サイクル10内を循環する。冷媒はまた、熱交換器14の出口の冷媒通路22から冷媒通路34へ流れ、冷却部30へ流入してEV機器を冷却し、冷却部30から冷媒通路36を経由して圧縮機12の入口側の冷媒通路25へ戻る。圧縮機12の起動中の、圧縮機12から吐出された冷媒が熱交換器14を介して冷却部30へ流れるときの冷媒の経路は、第一通路を形成する。たとえば図1に示す場合、冷媒通路21、冷媒通路22、冷媒通路34、冷媒通路36および冷媒通路25が、第一通路を形成する。
冷媒が第一通路を経由して流れ発熱源を冷却するときの、冷媒の状態について説明する。圧縮機12に吸入された冷媒は、圧縮機12において等比エントロピー線に沿って断熱圧縮される。圧縮するに従って冷媒の圧力と温度とが上昇し、冷媒は、圧縮機12の出口において高温高圧の過熱度の大きい過熱蒸気になる。
圧縮機12において断熱圧縮された高温高圧の過熱蒸気状態の冷媒は、熱交換器14へと流れ、熱交換器14において冷却される。圧縮機12から吐出された高圧の気相冷媒は、熱交換器14において周囲に放熱し冷却されることによって、凝縮(液化)する。熱交換器14における外気との熱交換によって、冷媒の温度は低下し冷媒は液化する。熱交換器14へ入った高圧の冷媒蒸気は、熱交換器14において等圧のまま過熱蒸気から乾き飽和蒸気になり、凝縮潜熱を放出し徐々に液化して、飽和液と飽和蒸気とが混合した気液混合状態の湿り蒸気になる。
熱交換器14で完全に液化しない程度まで冷やされた気液二相状態の冷媒は、冷媒通路34を経由して冷却部30の冷却器へ流れ、EV機器を冷却する。冷却部30において、熱交換器14で凝縮された気液二相状態の冷媒に熱を放出することで、EV機器が冷却される。EV機器との熱交換により、冷媒が加熱され、冷媒の乾き度が増大する。冷却部30においてEV機器から潜熱を受け取って冷媒が気化することにより、冷却部30から摺流する冷媒の乾き度は、冷却部30へ流入する冷媒の乾き度に比べて、より大きくなっている。冷却部30から流出した冷媒は、冷媒通路36を経由して、冷媒通路25へ戻る。
熱交換器14で冷却された湿り蒸気状態の冷媒はまた、冷媒通路22を経由して、熱交換器15に流入する。冷媒の湿り蒸気は、熱交換器15において周囲に放熱し外気と熱交換して冷却されることによりさらに凝縮され、冷媒の全部が凝縮すると飽和液になり、さらに顕熱を放出して過冷却された過冷却液になる。冷媒は、熱交換器15において、飽和温度以下にまで冷却される。熱交換器15で冷媒を過冷却液にするのは、その後の膨張弁16での減圧量、冷媒流量および冷房能力の制御を容易にするためである。
熱交換器15で過冷却液まで冷却された冷媒は、冷媒通路23を経由して膨張弁16に流入する。膨張弁16において、過冷却液状態の冷媒は絞り膨張され、比エンタルピーは変化せず温度と圧力とが低下して、低温低圧の気液混合状態の湿り蒸気となる。
膨張弁16から出た湿り蒸気状態の冷媒は、冷媒通路24を経由して熱交換器18へ流入する。熱交換器18のチューブ内には、湿り蒸気状態の冷媒が流入する。熱交換器18は、その内部を流通する霧状冷媒が気化することによって、熱交換器18に接触するように導入された空調用空気の熱を吸収する。熱交換器18は、膨張弁16によって減圧された冷媒を用いて、冷媒の湿り蒸気が蒸発して冷媒ガスとなる際の気化熱を、車両の室内へ流通する空調用空気から吸収して、車両の室内の冷房を行なう。熱が熱交換器18に吸収されることによって温度が低下した空調用空気が車両の室内に再び戻されることによって、車両の室内の冷房が行なわれる。
冷媒は、熱交換器18のチューブ内を流通する際に、フィンを経由して車両の室内の空気の熱を蒸発潜熱として吸収することによって、等圧のまま蒸発する。全ての冷媒が乾き飽和蒸気になると、さらに顕熱によって冷媒蒸気は温度上昇して、過熱蒸気となる。冷房運転時には、熱交換器18において高温の空調用空気と冷媒とが熱交換することにより空調用空気が冷却され、空調用空気の温度が低下し、冷媒は空調用空気からの熱伝達を受けて加熱される。熱交換器18で加熱された冷媒は、冷媒通路25へ流出する。
冷媒通路25において、EV機器を冷却した冷媒と、熱交換器18において空調用空気を冷却した冷媒とが混合される。その後冷媒は、圧縮機12に吸入され、圧縮機12において冷媒は圧縮される。
冷媒はこのようなサイクルに従って、圧縮、凝縮、絞り膨張、蒸発の状態変化を連続的に繰り返す。なお、上述した蒸気圧縮式冷凍サイクルの説明では、理論冷凍サイクルについて説明しているが、実際の蒸気圧縮式冷凍サイクル10では、圧縮機12における損失、冷媒の圧力損失および熱損失を考慮する必要があるのは勿論である。
蒸気圧縮式冷凍サイクル10の運転中に、冷媒は、蒸発器として作用する熱交換器18において蒸発する際に気化熱を車両の室内の空気から吸収して、車室内の冷房を行なう。加えて、熱交換器14から流出した冷媒が冷却部30へ流通し、EV機器と熱交換することでEV機器を冷却する。冷却装置1は、車両に搭載された発熱源であるEV機器を、車両の室内の空調用の蒸気圧縮式冷凍サイクル10を利用して、冷却する。なお、EV機器を冷却するために必要とされる温度は、少なくともEV機器の温度範囲として目標となる温度範囲の上限値よりも低い温度であることが望ましい。
熱交換器18において被冷却部を冷却するために設けられた蒸気圧縮式冷凍サイクル10を利用して、EV機器の冷却が行なわれるので、EV機器の冷却のために、専用の水循環ポンプまたは冷却ファンなどの機器を設ける必要はない。そのため、EV機器の冷却装置1のために必要な構成を低減でき、装置構成を単純にできるので、冷却装置1の製造コストを低減することができる。加えて、EV機器の冷却のためにポンプや冷却ファンなどの動力源を運転する必要がなく、動力源を運転するための消費動力を必要としない。したがって、EV機器の冷却のための消費動力を低減することができ、低動力でEV機器を冷却することができる。
熱交換器14から圧縮機12へ向かう冷媒が流通する経路として、冷却部30を通過しない経路と、冷却部30を経由してEV機器を冷却する冷媒の経路と、が並列に設けられる。そのため、熱交換器14から流出した冷媒の一部のみが、冷却部30へ流れる。熱交換器14から熱交換器15へ流れる冷媒と、冷却部30を流れる冷媒と、の流量を調整する流量調整弁が設けられてもよく、この場合、流量調整により、EV機器の冷却のために必要な量の冷媒が冷却部30へ流れ、EV機器は適切に冷却される。
熱交換器14から冷却部30を経由せず熱交換器15,18へ流れる冷媒の経路と、熱交換器14から冷却部30へ流れる冷媒の経路と、を並列に設け、一部の冷媒のみを冷媒通路34,36へ流通させることで、EV機器の冷却系に冷媒が流れる際の圧力損失を低減することができる。全ての冷媒が冷却部30に流れないので、冷却部30を経由する冷媒の流通に係る圧力損失を低減することができ、それに伴い、冷媒を循環させるための圧縮機12の運転に必要な消費電力を低減することができる。
[冷却器32の詳細構造]
以下、本実施の形態における冷却部30に含まれる冷却器32の構造について詳細に説明する。図2は、冷却器32の構成を示す模式図である。
図2に示すように、冷却器32は、筐体70を有する。筐体70は中空に形成されており、その内部に内部空間を規定する。冷却器32の筐体70は、矩形板状の外形を有する。筐体70は、図2に示す矩形板状の形状に限られず、他の任意の形状を有してもよい。冷却器32はまた、第一冷媒出入口71と、第二冷媒出入口72とを有する。第一冷媒出入口71と第二冷媒出入口72とは、筐体70の形成する矩形の対角線上に配置されている。つまり、第一冷媒出入口71は矩形の一の頂点の位置に設けられ、第二冷媒出入口72は当該一の頂点と隣り合わない他の頂点の位置に設けられる。
第一冷媒出入口71および第二冷媒出入口72は、筐体70の内部と外部とを連通し、一方が筐体70の内部空間に冷媒が流入する流入口として機能し、他方が筐体70から冷媒が流出する流出口として機能する。冷媒通路34は第一冷媒出入口71に連結され、冷媒通路36は第二冷媒出入口72に連結される。これにより、本実施の形態の構成では、第一冷媒出入口71が流入口としての機能を有し、第二冷媒出入口72が流出口としての機能を有する。
冷却部30へ供給される冷媒は、冷媒通路34から第一冷媒出入口71を経由して冷却器32の筐体70内部の内部空間へ流入する。冷媒は、筐体70の内部を第二冷媒出入口72へ向かって流れる間に、EV機器と熱交換する。冷媒はさらに、第二冷媒出入口72を経由して筐体70から流出し、冷媒通路36へ流れる。
筐体70の外表面には、複数の突起75が形成されている。突起75は、発熱チップを固定する台座であり、発熱チップの絶縁および熱膨張の緩和を目的として設けられる。
図2には水平面60が図示されている。水平面60に対して垂直な鉛直方向において、第一冷媒出入口71が相対的に下方に配置され、第二冷媒出入口72が相対的に上方に配置されている。第一冷媒出入口71と第二冷媒出入口72とは高低差を有し、流入口として機能する第一冷媒出入口71は、流出口として機能する第二冷媒出入口72よりも、低く配置されている。矩形板状の筐体70が、水平面60に対して傾斜角θを有する方向に延び、第一冷媒出入口71および第二冷媒出入口72もまた、水平面60に対して傾斜角θを有する方向に沿って延在している。
この構成により、冷却部30内を流れる冷媒の流れが規定される。すなわち、筐体70の内部でEV機器から熱を受けて気化した気相冷媒は、液相冷媒よりも比重が小さいので、水平面60に対し上方に向かって流れ、筐体70の内部空間内を上昇する。筐体70に対し流入口が相対的に低い位置に配置され、筐体70に対し流出口が相対的に高い位置に配置されれば、流入口から筐体70の内部に新たに供給される冷媒が筐体70内部で気化した気相冷媒の上昇流を妨げることはない。そのため、筐体70の内部を流れる冷媒は、水平面60に対してスムーズに上向きに流れることができる。
筐体70の下方から冷媒が流入するように流入口が設けられ、筐体70の上方から冷媒が流出するように流出口が設けられることにより、筐体70内部で冷媒を滞りなく流すことができる。これにより、筐体70の内部空間内に局所的に気相冷媒が滞留するドライアウトが発生し冷却能力不足となることを回避でき、発熱源から冷媒への熱伝達を効率的に行なうことができる。流入口を経由して筐体70に新たな冷媒を供給し続けることができるので、発熱源の冷却性能の低下を抑制でき、冷却器32による発熱源の冷却能力を向上することができる。
[第二の運転モード]
図3は、冷却装置1の第二の運転モードを示す模式図である。第二の運転モードの冷却装置1は、図1に示す第一の運転モードの冷却装置1と同様に、圧縮機12、熱交換器14,15、膨張弁16および熱交換器18が冷媒通路により直列に接続された構成を有する。図1に示す冷却部30は、熱交換器15,18に対し並列に接続されていたのに対し、図3に示す第二の運転モードでは、冷却部30は、熱交換器14と熱交換器15との間に設けられ、冷媒通路37,38を介して熱交換器14,15に対し直列に接続されている。図3に示す冷媒通路21,37,38,23〜25は、圧縮機12から吐出された冷媒を熱交換器14を介して冷却部30へ流す第一通路を形成する。
なお、冷媒通路22,34,36,37,38と、冷媒通路の連通状態を切り替える図示しない切替弁と、を有するように冷却装置1を設け、当該切替弁を開閉操作することにより、第一の運転モードから第二の運転モードへの切り替えが行なわれる。第一の運転モードに比較してEV機器の発熱量が小さく要求される冷却性能が小さくてよい場合に、第二の運転モードで冷却装置1を運転することができる。
第二の運転モードにおける冷却部30を流れる冷媒の流れ方向は、図1に示す流れ方向に対して逆転している。図1および図3中の矢印により冷媒の流れ方向が示されるが、冷却部30を流れる冷媒は、図1では図中右側から左側へ流れるのに対し、図3では逆方向の図中左側から右側へ流れている。上述したように、筐体70の内部で冷媒を滞りなく流すためには、筐体70の下方から冷媒を流入させ、筐体70の上方から冷媒を流出させることが必要である。そのため、第二の運転モードでは、冷却器32の姿勢が切り替えられ、第一冷媒出入口71が筐体70よりも高く配置され、第二冷媒出入口72が筐体70よりも低く配置される。
図4は、姿勢を切り替えた状態の冷却器32を示す模式図である。冷却器32は、その姿勢を変更するための姿勢切替部を有する。姿勢切替部は、水平面60に対する冷却器32の傾斜角θを変更することにより、第一冷媒出入口71が第二冷媒出入口72よりも低く配置される図2に示す第一姿勢と、第二冷媒出入口72が第一冷媒出入口71よりも低く配置される図4に示す第二姿勢と、を切り替える。冷却器32が第二姿勢にあるとき、第二冷媒出入口72が流入口として機能し、第一冷媒出入口71が流出口として機能する。
姿勢切替部は、冷媒が第一冷媒出入口71を経由して筐体70に流入し筐体70から第二冷媒出入口72を経由して流出するとき、冷却器32を第一姿勢とする。これにより冷媒は、第一冷媒出入口71から第二冷媒出入口72へ向かって筐体70の内部を上昇し、筐体70の内部を滞りなく流れる。姿勢切替部はまた、冷媒が第二冷媒出入口72を経由して筐体70に流入し筐体70から第一冷媒出入口71を経由して流出するとき、冷却器32を第二姿勢とする。これにより冷媒は、第二冷媒出入口72から第一冷媒出入口71へ向かって筐体70の内部を上昇し、筐体70の内部を滞りなく流れる。
冷却器32を、流入口が下側、流出口が上側となるように配置することにより、流出口から流入口への冷媒の流れが促進され、筐体70内部での冷媒の滞留が抑制される。そのため、冷却器32の姿勢を変更して、第一冷媒出入口71と第二冷媒出入口72との鉛直方向の相対位置を切り替えることにより、冷却器32を流れる冷媒の流れ方向を決定付けることができる。図1および図3に示すように冷媒の流れ方向を逆転させ、逆方向に冷媒を流したい場合には、第一冷媒出入口71と第二冷媒出入口72との高低差の関係を逆転させて冷却器32を配置すればよい。冷却器32の姿勢変更により、冷却器32を流れる冷媒の流れ方向が規定される。換言すれば、冷却器32の姿勢を制御することにより、冷却器32を流れる冷媒の流れ方向を規定し、冷却器32に連続的に冷媒を供給することが可能になる。
[第三の運転モード]
図5は、冷却装置1の第三の運転モードを示す模式図である。第三の運転モードの冷却装置1は、図1に示す第一の運転モードの冷却装置1と同様に、圧縮機12、熱交換器14,15、膨張弁16および熱交換器18が冷媒通路により直列に接続された構成を有する。図1に示す冷却部30は、熱交換器15,18に対し並列に接続されていたのに対し、図5に示す第三の運転モードでは、冷却部30は、冷媒通路44,46によって熱交換器18に対し並列に接続されている。冷媒通路44は、膨張弁16で絞り膨張された冷媒が冷却部30に流れるための通路である。冷媒通路46は、冷却部30から冷媒通路25に冷媒を戻すための通路である。図5に示す冷媒通路21〜24,44,46,25は、圧縮機12から吐出された冷媒を熱交換器14を介して冷却部30へ流す第一通路を形成する。
なお、冷媒通路22,34,36,44,46と、冷媒通路の連通状態を切り替える図示しない切替弁と、を有するように冷却装置1を設け、当該切替弁を開閉操作することにより、第一の運転モードから第三の運転モードへの切り替えが行なわれる。
たとえば外気温度の高い酷暑時など、冷却部30における発熱源の冷却性能を高める必要がある場合には、膨張弁16を通過した後の低温低圧の冷媒を使用して、発熱源を冷却することができる。図5に示す構成に替えて、冷媒通路24と冷媒通路44との分岐よりも下流側に膨張弁16を配置し、熱交換器14,15で凝縮された後の冷媒を冷却部30に供給する構成としてもよい。この場合、過冷却液状態の冷媒を用いて発熱源を冷却できるので、気液二相状態の冷媒を用いて発熱源を冷却する第一の運転モードと比較して、冷却性能を向上することができる。
第三の運転モードにおける冷却部30を流れる冷媒の流れ方向は、図1に示す流れ方向に対して逆転している。図1および図5中の矢印により冷媒の流れ方向が示されるが、冷却部30を流れる冷媒は、図1では図中右側から左側へ流れるのに対し、図5では逆方向の図中左側から右側へ流れている。そのため、第三の運転モードでは、図4を参照して説明した第二の運転モードと同様に、冷却器32の姿勢が切り替えられ、第一冷媒出入口71が筐体70よりも高く配置され、第二冷媒出入口72が筐体70よりも低く配置される。
これにより冷媒は、第二冷媒出入口72から第一冷媒出入口71へ向かって筐体70の内部を上昇し、筐体70の内部を滞りなく流れる。冷却器32を、流入口が下側、流出口が上側となるように配置することにより、流出口から流入口への冷媒の流れが促進され、筐体70内部での冷媒の滞留が抑制される。冷却器32の姿勢を変更して、第一冷媒出入口71と第二冷媒出入口72との鉛直方向の相対位置を切り替えることにより、冷却器32を流れる冷媒の流れ方向を決定付けることができる。筐体70内部で冷媒を連続的に流すことができるので、筐体70の内部空間内に局所的に気相冷媒が滞留するドライアウトが発生し冷却能力不足となることを回避でき、発熱源から冷媒への熱伝達を効率的に行なうことができる。
[第四の運転モード]
図6は、冷却装置1の第四の運転モードを示す模式図である。図6に示す第四の運転モードでは、冷却部30は冷媒通路37,51を介して熱交換器14に接続されており、圧縮機12を経由せずに冷却部30と熱交換器14との間に冷媒を循環させる、閉じられた環状の経路が形成されている。第四の運転モードでは、熱交換器14から、冷媒通路51を経由して冷却部30へ至り、さらに冷媒通路37を経由して熱交換器14へ戻る、閉ループ状の冷媒の経路が形成される。圧縮機12が停止したときに動力を加えることなく熱交換器14と冷却器32との間に冷媒を循環させる経路、すなわち冷媒通路37,51は、第二通路を形成する。
この環状の経路を経由して、圧縮機12を動作することなく、熱交換器14と冷却部30との間に冷媒を循環させることができる。冷媒は、EV機器を冷却するとき、EV機器から蒸発潜熱を受けて蒸発する。EV機器との熱交換により気化された冷媒蒸気は、冷媒通路37を経由して、熱交換器14へ流れる。熱交換器14において、車両の走行風、または、コンデンサファンもしくはエンジン冷却用のラジエータファンからの通風により、冷媒蒸気は冷却されて凝縮する。熱交換器14で液化した冷媒液は、冷媒通路51を経由して、冷却部30へ戻る。
このように、冷却部30と熱交換器14とを経由する環状の経路によって、EV機器を加熱部とし熱交換器14を冷却部とする、ヒートパイプが形成される。そのため、蒸気圧縮式冷凍サイクル10が停止しているとき、すなわち車両用の冷房が停止しているときにも、圧縮機12を起動する必要なく、無動力でEV機器を効率よく冷却することができる。したがって、蒸気圧縮式冷凍サイクル10の停止時のEV機器の冷却能力の低下を防止できる。EV機器の冷却のために圧縮機12を常時運転する必要がないので、圧縮機12の消費動力を低減して車両の燃費を向上することができ、加えて、圧縮機12を長寿命化できるので圧縮機12の信頼性を向上することができる。
電気自動車の乗員は、車内前方の計器盤に設けられた空調用のコントロールパネルを操作することによって、車室内の冷房をONからOFFへ切り替える。この操作に伴い、EV機器を冷却するための冷却装置1の運転モードが、第四の運転モードへ切り替えられる。つまり、圧縮機12から吐出された冷媒を冷却部30へ流してEV機器を冷却するための第一通路が遮断されるとともに、熱交換器14と冷却部30との間に自然循環により冷媒を循環させるための第二通路が連通される。このようにして、圧縮機12を経由せずに冷却部30に冷媒を供給できるようになる。圧縮機12が停止した状態においても、ループ式ヒートパイプによって冷媒が自然循環して冷却部30においてEV機器を冷却することにより、冷却装置1によるEV機器の冷却能力を維持することができる。
なお、図3に示す第二の運転モードの冷却装置1の構成に加えて、冷媒通路51と、冷媒通路の連通状態を切り替える図示しない切替弁と、を有するように冷却装置1を設け、当該切替弁を開閉操作することにより、第二の運転モードから第四の運転モードへの切り替えが行なわれる。当該切替弁は、第一通路の連通と第二通路の連通とを切り替える機能を有する。
第四の運転モードにおける冷却部30を流れる冷媒の流れ方向は、図3に示す流れ方向に対して逆転している。第二の運転モードにおいて冷媒が第一通路を流れるときと、第四の運転モードにおいて冷媒が第二通路を流れるときと、の冷却器32内の冷媒の流れ方向は、逆方向とされている。図3および図6中の矢印により冷媒の流れ方向が示されるが、冷却部30を流れる冷媒は、図3では図中左側から右側へ流れるのに対し、図6では逆方向の図中右側から左側へ流れている。そのため、第四の運転モードでは、第二の運転モードに対し冷却器32の姿勢が切り替えられ、第二冷媒出入口72が筐体70よりも高く配置され、第一冷媒出入口71が筐体70よりも低く配置される。
これにより冷媒は、第一冷媒出入口71から第二冷媒出入口72へ向かって筐体70の内部を上昇し、筐体70の内部を滞りなく流れる。冷却器32を、流入口が下側、流出口が上側となるように配置することにより、流出口から流入口への冷媒の流れが促進され、筐体70内部での冷媒の滞留が抑制される。冷却器32の姿勢を変更して、第一冷媒出入口71と第二冷媒出入口72との鉛直方向の相対位置を切り替えることにより、冷却器32を流れる冷媒の流れ方向を決定付けることができる。筐体70内部で冷媒を連続的に流すことができるので、筐体70の内部空間内に局所的に気相冷媒が滞留するドライアウトが発生し冷却能力不足となることを回避でき、発熱源から冷媒への熱伝達を効率的に行なうことができる。
ループ式ヒートパイプによって冷媒を自然循環させる第四の運転モードにおいては、冷却器の出入口の高低差を逆転することにより、冷媒の循環方向を変更することができる。たとえば、旋回時もしくは加減速時などの車両の走行状態、または熱交換器14の特性などによって、いずれかの流れ方向を規定することで冷媒の循環がより促進される場合が考えられる。現在の冷媒の流れ方向と逆方向が冷媒の循環のためにより好ましい場合には、冷却器32の姿勢を変更して第一冷媒出入口71と第二冷媒出入口72との鉛直方向の相対位置を切り替えることにより、冷媒の流れ方向を逆転させて、発熱源をより効率よく冷却することができる。
なお、これまでの実施の形態においては、EV機器を例として車両に搭載された電気機器を冷却する冷却装置1について説明した。電気機器としては、少なくとも作動によって熱を発生させる電気機器であれば、インバータ、モータジェネレータなどの例示された電気機器に限定されるものではなく、任意の電気機器であってもよい。冷却の対象となる電気機器が複数個ある場合においては、複数の電気機器は、冷却の目標となる温度範囲が共通していることが望ましい。冷却の目標となる温度範囲は、電気機器を作動させる温度環境として適切な温度範囲である。
さらに、本発明の冷却装置1により冷却される発熱源は、車両に搭載された電気機器に限られず、熱を発生する任意の機器、または任意の機器の発熱する一部分であってもよい。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の冷却装置は、モータジェネレータおよびインバータなどの電気機器を搭載するハイブリッド車、燃料電池車、電気自動車などの車両における、車内の冷房を行なうための蒸気圧縮式冷凍サイクルを使用した電気機器の冷却に、特に有利に適用され得る。
1 冷却装置、10 蒸気圧縮式冷凍サイクル、12 圧縮機、14,15,18 熱交換器、16 膨張弁、21〜25,34,36〜38,44,46,51 冷媒通路、30 冷却部、32 冷却器、60 水平面、70 筐体、71 第一冷媒出入口、72 第二冷媒出入口、75 突起。

Claims (3)

  1. 発熱源を冷却する冷却装置であって、
    冷媒を圧縮する圧縮機と、
    前記冷媒と外気との間で熱交換する熱交換器と、
    前記冷媒を用いて前記発熱源を冷却する冷却器と、
    前記圧縮機から吐出された前記冷媒を前記熱交換器を介して前記冷却器へ流す第一通路と、
    前記圧縮機が停止したときに、動力を加えることなく前記熱交換器と前記冷却器との間に前記冷媒を循環させる第二通路と、
    前記第一通路の連通と前記第二通路の連通とを切り替える切替弁と、を備え、
    前記冷却器は、筐体と、前記筐体に前記冷媒が流入する流入口と、前記筐体から前記冷媒が流出する流出口とを有し、
    前記流入口は前記流出口よりも低く配置されている、冷却装置。
  2. 前記冷媒が前記第一通路を流れるときと、前記冷媒が前記第二通路を流れるときと、の前記冷却器内の前記冷媒の流れ方向を逆方向とする、請求項1に記載の冷却装置。
  3. 前記冷却器は、前記筐体の内部と外部とを連通する第一冷媒出入口および第二冷媒出入口を有し、前記第一冷媒出入口と前記第二冷媒出入口との一方が前記流入口として機能し、他方が前記流出口として機能し、
    前記冷却器は、前記第一冷媒出入口が前記第二冷媒出入口よりも低く配置される第一姿勢と、前記第二冷媒出入口が前記第一冷媒出入口よりも低く配置される第二姿勢と、を切り替える姿勢切替部をさらに有し、
    前記姿勢切替部は、前記冷媒が前記第一冷媒出入口を経由して前記筐体に流入し前記筐体から前記第二冷媒出入口を経由して流出するとき、前記冷却器を第一姿勢とし、前記冷媒が前記第二冷媒出入口を経由して前記筐体に流入し前記筐体から前記第一冷媒出入口を経由して流出するとき、前記冷却器を第二姿勢とする、請求項1または請求項2に記載の冷却装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105799494A (zh) * 2016-03-09 2016-07-27 奇瑞汽车股份有限公司 冷却方法及系统
CN114459269A (zh) * 2022-02-16 2022-05-10 青岛科技大学 一种智能控制补充换热的环路热管换热系统

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