JP2014050877A - レーザ溶接装置およびレーザ溶接方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】大掛かりな溶接チャンバを用意することなく低真空環境下で大型構造物のレーザ溶接を可能にする。
【解決手段】溶接対象物1、2の溶接線3の近傍部を溶接チャンバ側壁部4と溶接チャンバ蓋9で取り囲み、かつ、真空引き用ポンプ7で真空引きすることにより、溶接線3の近傍部に局所的な低真空環境の溶接チャンバ10を構成し、この低真空環境の溶接チャンバ10内で溶接対象物1、2のレーザ溶接を行なう。
【選択図】図1
【解決手段】溶接対象物1、2の溶接線3の近傍部を溶接チャンバ側壁部4と溶接チャンバ蓋9で取り囲み、かつ、真空引き用ポンプ7で真空引きすることにより、溶接線3の近傍部に局所的な低真空環境の溶接チャンバ10を構成し、この低真空環境の溶接チャンバ10内で溶接対象物1、2のレーザ溶接を行なう。
【選択図】図1
Description
本発明は、低真空状態の溶接チャンバを備えたレーザ溶接装置およびレーザ溶接方法に関する。
レーザ溶接において、深溶け込み溶接を得る方法として単純には単位溶接長当りの入熱を上げる方法が考えられ、レーザのエネルギー密度を上げる、あるいは、レーザの走査速度を下げることが考えられる。レーザのエネルギー密度を上げる方法としては、スポット径を小さくすることも重要であるが、近年、ファイバーレーザやディスクレーザ等発振器の改善により、従来の固体レーザでは得られなかった高出力のレーザが高効率で発振でき、数KWの出力が得られるようになり、大出力の発振器を用いることが容易になってきている。
しかし、高出力のレーザを大気圧の下で溶接金属(溶接母材)に照射するとか、あるいは低速でレーザを走査させる場合、大量のプルーム(金属蒸気)が発生することが知られている。
図10にレーザ溶接の溶融池近傍の状況を示した模式図を示す。
図10に示すように、レーザ溶接においては、レーザエネルギーにより発生するプルームが、溶接チャンバに入射されるレーザ光を吸収・散乱して、エネルギー入射効率が減少することが知られている。主な、レーザエネルギーの散逸機構としてはレイリー散乱によるものとされている。
図10に示すように、レーザ溶接においては、レーザエネルギーにより発生するプルームが、溶接チャンバに入射されるレーザ光を吸収・散乱して、エネルギー入射効率が減少することが知られている。主な、レーザエネルギーの散逸機構としてはレイリー散乱によるものとされている。
最も実施が容易なプルーム除去方法は、溶融池の直上でプルーム上昇方向に垂直な方向から流速の速いガス流(クロスジェット)を用いて、プルームを吹き飛ばすことである。しかし、この方法においても限界があり、数10kWクラスのレーザに対しては、溶込み深さの改善の程度は限定的である。
レイリー散乱による散逸係数は粒子密度に比例する。従って粒子密度を下げることができれば、レーザエネルギーの散逸を回避することができる。
レイリー散乱による散逸係数は粒子密度に比例する。従って粒子密度を下げることができれば、レーザエネルギーの散逸を回避することができる。
図11は、従来の低真空溶接チャンバを備えたレーザ溶接装置の概略図である。
図11において、31はレーザ光Rを発生させるレーザ発振機、32は光ファイバー、33は加工ヘッド、34はレーザ光Rの焦点を調整するための光学系、35はガラス板等の透過板、36は低真空環境下でレーザ溶接を行うためのアクリル樹脂製の溶接チャンバ、37はシールドガス筒、38は溶接対象物、39は溶接対象物38を移動させるための移送装置である。
図11において、31はレーザ光Rを発生させるレーザ発振機、32は光ファイバー、33は加工ヘッド、34はレーザ光Rの焦点を調整するための光学系、35はガラス板等の透過板、36は低真空環境下でレーザ溶接を行うためのアクリル樹脂製の溶接チャンバ、37はシールドガス筒、38は溶接対象物、39は溶接対象物38を移動させるための移送装置である。
なお、シールドガス筒37の下端部40は、溶接チャンバ36の天板41に設けられた導入口42の孔縁部に接続されて溶接チャンバ36内に開口している。さらに、シールドガス筒37にはガス配管43を介してシールドガスを供給するためのガスボンベ44が接続されている。
また、溶接チャンバ36内を低真空状態にするための減圧手段として真空引き用ポンプ(VP)45、46を接続した排気管47が接続されている。
このように構成された従来のレーザ溶接装置では、溶接チャンバ36内の溶接雰囲気を真空引き用ポンプ45、46で低真空状態にすることができるため、金属蒸気の粒子密度を下げることができると言われている。
このように構成された従来のレーザ溶接装置では、溶接チャンバ36内の溶接雰囲気を真空引き用ポンプ45、46で低真空状態にすることができるため、金属蒸気の粒子密度を下げることができると言われている。
しかし、その反面、溶接対象物38および移送装置39を溶接チャンバ36内に収容した状態で移送装置39を使用して溶接線の方向に移動させなくてはならず、溶接対象物38が大型構造物の場合にはこの図11の装置を適用することが難しいという欠点がある。
また、別の従来技術として、密閉された溶接チャンバ空間部を下ケースと溶接チャンバ蓋とから構成し、溶接チャンバ蓋に設けた光透過窓を介して溶接チャンバ空間部内の被溶接物にレーザ光を照射して溶接を行う技術もある。しかし、この技術は、レーザ光を被溶接物上に走査させる方法として、レーザ照射ヘッドを移動させるようにしており、移動する溶接ヘッドと溶接線を結ぶ空間の全てが光透過窓となる構造である。したがって、この技術も大型構造物の溶接に適用することは困難である。
川人洋介、他4名,「超高パワー密度ファイバーレーザによるステンレス鋼溶接時のレーザと誘起プラズマ/プルームとの相互作用」、2007年、溶接学会論文集第25巻、第3号、p.461−467
上述したように、従来技術では、溶接対象物全体を低真空状態の溶接チャンバ内に収容した状態で溶接対象物にレーザ光を照射するようにしているため、大型構造物の溶接には不向きであった。
そこで、本発明は溶接対象物全体を低真空状態の溶接チャンバ内に入れる替わりに、溶接線の近傍部を溶接チャンバ側壁部と溶接チャンバ蓋で取り囲んで局所的な低真空状態の溶接チャンバを構成することにより、大型構造物に対しても低真空の状態の下でのレーザ照射を可能としたレーザ溶接装置およびそれを用いたレーザ溶接方法を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、本発明のレーザ溶接装置は、低真空環境下でレーザ光により平板状の溶接母材を溶接するレーザ溶接装置において、前記平板状の溶接母材の溶接線を取り囲むように当該溶接母材上に気密に設置された枠状の溶接チャンバ側壁部と、レーザ入射孔を備え、前記枠状の溶接チャンバ側壁部の上部開口縁部に気密かつ摺動可能に設置され、かつ、当該溶接チャンバ側壁部の上部開口縁部の幅および長さよりも大きい幅および長さを有する平板状の溶接チャンバ蓋と、前記レーザ入射孔に下端部が気密に取り付けられるとともに、上端部にレーザ光を透過するレーザ光透過板を気密に取り付けた筒状のレーザ入射口部と、前記平板状の溶接母材、前記枠状の溶接チャンバ側壁部、前記平板状の溶接チャンバ蓋および前記筒状のレーザ入射口部で構成された溶接チャンバ内を前記低真空状態にする排気装置と、前記平板状の溶接チャンバ蓋を前記平板状の溶接母材の溶接線方向に摺動させる溶接チャンバ蓋駆動機構と、
を備えたことを特徴とする。
を備えたことを特徴とする。
また、上記の目的を達成するために、本発明のレーザ溶接方法は、低真空環境下でレーザ光により平板状の溶接母材を溶接するレーザ溶接装置において、前記平板状の溶接母材の溶接線を取り囲むように当該溶接母材上に気密に設置された枠状の溶接チャンバ側壁部と、レーザ入射孔を備え、前記枠状の溶接チャンバ側壁部の上部開口縁部に気密かつ摺動可能に設置され、かつ、当該溶接チャンバ側壁部の上部開口縁部の幅および長さよりも大きい幅および長さを有する平板状の溶接チャンバ蓋と、前記レーザ入射孔に下端部が気密に取り付けられるとともに、上端部にレーザ光を透過するレーザ光透過板を気密に取り付けた筒状のレーザ入射口部と、前記平板状の溶接母材、前記枠状の溶接チャンバ側壁部、前記平板状の溶接チャンバ蓋および前記筒状のレーザ入射口部で構成された溶接チャンバ内を前記低真空状態にする排気装置と、前記平板状の溶接チャンバ蓋を前記平板状の溶接母材の溶接線方向に摺動させる溶接チャンバ蓋駆動機構と、を備え、前記真空引き用ポンプによって前記溶接チャンバ内を低真空環境にした状態で、前記溶接チャンバ蓋駆動機構によって前記溶接チャンバ蓋をレーザビームと同期して溶接線方向に摺動させることにより、前記溶接母材を溶接するようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、溶接対象物全体を低真空状態の溶接チャンバ内に収容する替わりに、溶接線の近傍部を溶接チャンバ側壁部と溶接チャンバ蓋で取り囲んで局所的な低真空状態の溶接チャンバを構成することにより、大掛かりな溶接チャンバを用いることなく大型構造物に対しても低真空環境下でレーザ溶接を行なうことができる。
以下、本発明に係る低真空溶接チャンバを備えたレーザ溶接装置とそれを用いた溶接方法について、図面を参照して説明する。
なお、各図において、共通する部品には同一符号を付与して重複する説明は適宜省略する。
なお、各図において、共通する部品には同一符号を付与して重複する説明は適宜省略する。
[実施形態1]
図1は本発明の実施形態1に係るレーザ溶接装置の低真空溶接チャンバの概要を示す構成図であり、図2は図1の低真空溶接チャンバを溶接方向に垂直な面で切断した断面図であり、図3は図2の裏当金の詳細構造を示す斜視図である。
図1は本発明の実施形態1に係るレーザ溶接装置の低真空溶接チャンバの概要を示す構成図であり、図2は図1の低真空溶接チャンバを溶接方向に垂直な面で切断した断面図であり、図3は図2の裏当金の詳細構造を示す斜視図である。
(構成)
まず、図1乃至図3を参照して本実施形態1に係るレーザ溶接装置の構成について説明する。
符号1および2は溶接対象物(溶接母材とも呼ぶ)であり、軟鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼等の材料で平板状に形成されている。これら平板状の溶接母材1、2の表面(図示上面)上に、溶接線3を局所的に取り囲むように枠状の溶接チャンバ側壁部4が設置されようになっている。
まず、図1乃至図3を参照して本実施形態1に係るレーザ溶接装置の構成について説明する。
符号1および2は溶接対象物(溶接母材とも呼ぶ)であり、軟鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼等の材料で平板状に形成されている。これら平板状の溶接母材1、2の表面(図示上面)上に、溶接線3を局所的に取り囲むように枠状の溶接チャンバ側壁部4が設置されようになっている。
この枠状の溶接チャンバ側壁部4は、オーステナイト系ステンレス鋼で製作された幅が等しく長さが異なる2種類の板材を2枚ずつ用いて長方形の枠状に組み立てたものであり、溶接線3の方向には長尺の板材が配置され、溶接線3と直交する方向には短尺の板材が配置されるようになっている。因みに、長尺板材の長さ方向の寸法は(L1)であり、短尺板材の長さ方向の寸法は(L2)である。
この枠状の溶接チャンバ側壁部4は、溶接母材1、2の表面に当接する下部開口縁部の全周に亘ってシール溝5aを穿設し、そのシール溝5aにフッ素ゴム系の材料で構成されたOリング等のシール材5を嵌め込んである。この枠状の溶接チャンバ側壁部4を溶接母材1、2の表面上に設置すると、溶接チャンバ側壁部4の自重によってシール材5が圧縮され、溶接母材1、2と溶接チャンバ側壁部4との当接面をシールする。枠状の溶接チャンバ側壁部4は、溶接母材1、2とシール材5との摩擦力によって溶接母材1、2の上を摺動できないようになっている。
さらに、この枠状の溶接チャンバ側壁部4は、4つの側壁部のうちの適当な側壁部(図示の場合、溶接線3方向の側壁部)に排気孔4aを開けており、この排気孔4aに排気ダクト6を気密に接続し、この排気ダクト6の中間部に真空引き用ポンプ7を接続している。この真空引き用ポンプ7として、ダイヤフラム型ドライ真空ポンプ、スクロール型ドライ真空ポンプ、油回転真空ポンプ等を用いることができる。
一方、枠状の溶接チャンバ側壁部4の上部開口縁部には、全周に亘ってパッキン溝4bが穿設され、このパッキン溝4b内に摺動性に優れているカーボン系材料あるいは炭素繊維系のパッキン材8を嵌め込んであり、このパッキン材8の上にオーステナイト系ステンレス鋼で製作された長方形の平板状の溶接チャンバ蓋9を設置することによって、溶接母材1、2の表面と、枠状の溶接チャンバ側壁部4と、長方形状の溶接チャンバ蓋9とによって気密の溶接チャンバ10が形成される。
なお、溶接チャンバ蓋9は図示しない駆動装置(溶接チャンバ蓋駆動機構)によって矢印の向きすなわち、溶接母材1、2の溶接線3の方向に摺動されるようになっており、溶接チャンバ蓋9の長辺の寸法(L3)は、後述する理由により枠状の溶接チャンバ側壁部4の長手方向の寸法(L1)よりもかなり長い寸法(L3>>L1)にしてある。一方、短辺の寸法(L4)は溶接チャンバ側壁部4の寸法(L2)よりもわずかに余裕をもった寸法(L4>L2)にしてある。寸法L3とL4の関係は図1で、寸法L1とL3の関係は図2で明瞭に示されている。
さらに、この長方形の平板状の溶接チャンバ蓋9は、適当な位置(例えば、中央部)にレーザ入射孔11が刳り貫かれており、このレーザ入射孔11の周縁部に筒状に形成されたレーザ入射口部12が気密に垂直状態で取り付けられている。
このレーザ入射口部12の頭頂部(溶接チャンバ蓋9とは反対側の端部)にはフランジ12Fが形成されており、このフランジ12Fと同一形状のリング材13との間にシール材14、15を挟んでレーザ光透過板16をボルトナット17によって気密に取り付けている。このレーザ光透過板16はレーザ光Rを透過し、かつ、1気圧程度の圧力差に耐え得るガラス板で製作されている。
18はレーザヘッドであり、図示しないレーザ光源から出力されたレーザ光Rを溶接母材1、2の溶接線3に照射し溶接する。このレーザヘッド18は、図示しない支持部材によって筒状のレーザ入射口部12と一体となって移動できるように支持されている。なお、レーザ光源としては、YAGレーザ、ディスクレーザ、ファイバーレーザ、炭酸ガスレーザ等が適用でき、その出力は10kW〜30kW程度である。
このように、平板状の溶接母材1、2の表面と、枠状の溶接チャンバ側壁部4と、長方形の平板状の溶接チャンバ蓋9とにより形成された溶接チャンバ10および筒状のレーザ入射口部12内部は、シール材5、パッキン材8、レーザ光透過板16およびシール材14、15によって外気に対して気密状態になっている。
なお、溶接母材1、2の溶接線3方向の両端部の突合せ部や、溶接母材1、2の裏面(図示下面)の突合せ部に僅かな隙間があると溶接チャンバ10内に外気が進入して真空度を高めることができないので、このような隙間がある場合には、溶接母材1、2の両端部の突合せ部の隙間をティグTIG溶接などによって密閉するとともに、溶接母材1、2裏面の突合せ部の隙間には図3で示した細長い蓋状に形成された裏当金19を気密に当接する。この裏当金19の開口縁部には全周にわたってシール溝19aが穿設してあり、このシール溝19aにシール材20が嵌め込まれている。
(作用)
次に、本実施形態1によるレーザ溶接方法について説明する。
溶接母材1、2のレーザ溶接作業に入る前に、排気ダクト6に接続してある真空引き用ポンプ7を稼働させ、溶接チャンバ10内の気圧を1/10気圧から1/1000気圧程度の低真空状態にしておく。
次に、本実施形態1によるレーザ溶接方法について説明する。
溶接母材1、2のレーザ溶接作業に入る前に、排気ダクト6に接続してある真空引き用ポンプ7を稼働させ、溶接チャンバ10内の気圧を1/10気圧から1/1000気圧程度の低真空状態にしておく。
そして、この低真空状態の溶接チャンバ10内でレーザヘッド18からレーザ光Rを照射して溶接母材1、2の溶接線3の溶接を行なう。このとき、溶接母材1、2の溶接線3で発生したプルームは溶接チャンバ10内に充満することなく排気ダクト6を通して真空引き用ポンプ7によって外部に排出される。このようにプルームが溶接チャンバ10内から排気されることによって、レーザヘッド18から溶接チャンバ10内に入射されるレーザ光Rのうち、プルームによって吸収あるいは散乱される量は減少し、それに伴ってエネルギー入射効率を上げることができる。
そして、レーザヘッド18、レーザ入射口部12および溶接チャンバ蓋9は図示しない駆動装置によって同期して所定の移動速度で溶接線3の方向(図示矢印の方向)に移動し、溶接母材1、2の溶接箇所3をレーザ溶接する。この場合のレーザヘッド18の移動範囲は、溶接チャンバ側壁部4の長手方向の寸法L1以内である。溶接チャンバ蓋9が溶接チャンバ側壁部4の上部開口縁部を摺動しているときは、前述した様に溶接チャンバ側壁部4は摩擦力によって溶接母材1、2の表面上を移動することはできない。
なお、図1のように、溶接チャンバ側壁部4の長手方向の寸法L1に比べて溶接母材1、2の溶接線3の長さが長い場合には、低真空状態下で複数回に分けて溶接するようにしてもよい。
すなわち、最初の溶接時には溶接チャンバ側壁部4を例えば溶接母材1、2の図示右側面と一致した位置に設置して低真空溶接チャンバ10内でレーザ溶接を行ない、次に溶接チャンバ側壁部4を工具等により図示左側面と一致した位置まで移動させた状態で再び上記と同様に低真空溶接チャンバ10内でレーザ溶接を行なうようにしてもよい。
このような方法を採用すれば、溶接線3の長さが異なる複数の溶接母材に対して1種類の溶接チャンバ側壁部4で対応できるという長所がある。
このような方法を採用すれば、溶接線3の長さが異なる複数の溶接母材に対して1種類の溶接チャンバ側壁部4で対応できるという長所がある。
(効果)
以上述べたように、本実施形態1のレーザ溶接装置によれば、溶接対象物である溶接母材全体を溶接チャンバに収容する替わりに、溶接線の近傍部を枠状の溶接チャンバ側壁部や溶接チャンバ蓋で取り囲んで局所的な低真空状態の溶接チャンバを構成したので、溶接対象物を大掛かりな溶接チャンバに収容しなくても低真空環境下での大型構造物のレーザ溶接が可能である。
以上述べたように、本実施形態1のレーザ溶接装置によれば、溶接対象物である溶接母材全体を溶接チャンバに収容する替わりに、溶接線の近傍部を枠状の溶接チャンバ側壁部や溶接チャンバ蓋で取り囲んで局所的な低真空状態の溶接チャンバを構成したので、溶接対象物を大掛かりな溶接チャンバに収容しなくても低真空環境下での大型構造物のレーザ溶接が可能である。
すなわち、溶接対象物である溶接母材1、2の溶接線3を枠状の溶接チャンバ側壁部4で気密状態に取り囲むとともに、溶接チャンバ側壁部4の上部開口縁部を溶接チャンバ蓋9で気密に閉じて真空引きすることにより溶接線3の近傍部に局所的な低真空状態の溶接チャンバ10を形成し、かつ、溶接チャンバ蓋9をレーザ照射口部12と同期した状態で溶接線3の方向に摺動可能な構成にしたので、大掛かりな溶接チャンバを用いることなく低真空環境下での大型構造物のレーザ溶接が可能となる。
大型構造物を大気圧中でレーザ溶接した場合と低真空溶接チャンバ内でレーザ溶接した場合とを比較すると、低真空溶接チャンバ内でレーザ溶接した場合は2倍程度の溶込み深さが得られる。
また、溶接チャンバ内を低真空状態にすることにより、溶接チャンバ内の粒子密度を下げることができ、溶接チャンバ内圧力の対大気圧比で散乱係数を下げることができる。
また、溶接チャンバ内を低真空状態にすることにより、溶接チャンバ内の粒子密度を下げることができ、溶接チャンバ内圧力の対大気圧比で散乱係数を下げることができる。
[実施形態2]
次に、図4乃至図8を参照して本発明の実施形態2について説明する。
図4は本発明の実施形態2で使用する溶接母材を示す図であり、図5は本実施形態2におけるレーザ溶接装置の低真空溶接チャンバの断面図であり、図6は本実施形態2に係るレーザ溶接装置の低真空溶接チャンバを示す図である。また、図7は本実施形態2における溶接対象物に開先の目違いが発生した状況を示す断面図であり、図8は図7の開先の目違いがある溶接対象物に修正した溶接チャンバ側壁部と裏板金とを配置した状態を示す図である。
次に、図4乃至図8を参照して本発明の実施形態2について説明する。
図4は本発明の実施形態2で使用する溶接母材を示す図であり、図5は本実施形態2におけるレーザ溶接装置の低真空溶接チャンバの断面図であり、図6は本実施形態2に係るレーザ溶接装置の低真空溶接チャンバを示す図である。また、図7は本実施形態2における溶接対象物に開先の目違いが発生した状況を示す断面図であり、図8は図7の開先の目違いがある溶接対象物に修正した溶接チャンバ側壁部と裏板金とを配置した状態を示す図である。
本実施形態2が前述した実施形態1と相違する主な点は、実施形態1が平板状の溶接母材1、2をレーザ溶接するのに適した低真空溶接チャンバを構成するのに対して、本実施形態2は円筒状の溶接母材をレーザ溶接する場合に適した低真空溶接チャンバを構成するようにしたものである。
図4乃至図6において、1Aおよび2Aは円筒状の溶接母材(以下、円筒状溶接母材という)である。4Aおよび4Bは円筒状溶接母材1Aおよび1Bの溶接線(円周溶接開先)3を挟んで両側の適当な位置に平行に嵌合設置された一対の円環状の溶接チャンバ側壁部(以下、円環状溶接チャンバ側壁部という)である。
この一対の円環状溶接チャンバ側壁部4Aおよび4Bは、詳細を図5で示すように内周面に円環状の溝5aを穿設してシール材5を嵌め込み、また、外周面にも円環状の溝4bを穿設してパッキン材8を嵌め込むように形成されている。このように形成された一対の円環状溶接チャンバ側壁部4Aおよび4Bをそれぞれ円筒状溶接母材1A、2Aの外周面に対して嵌め込み、さらに一対の円環状溶接チャンバ側壁部4Aおよび4Bの外周面に対して一つの円筒状の溶接チャンバ蓋9Aを気密にかつ摺動可能に嵌合設置することにより溶接線3の外周に円環状の気密の溶接チャンバ10Aが形成される。
なお、一対の円環状溶接チャンバ側壁部4A、4Bのうち、例えば、図6のように円環状溶接チャンバ側壁部4Bの適当な位置に排気孔を開け、この排気孔に排気ダクト6を気密に接続し、この排気ダクト6の中間部に真空引き用ポンプ7を接続している。また、円筒状溶接チャンバ蓋9Aには、排気孔に比較的近い位置にレーザ入射孔11が刳り貫かれており、このレーザ入射孔11の周縁部に筒状に形成されたレーザ入射口部12が気密に取り付けられている。
なお、円筒状溶接母材1A、2Aの内周面の突合せ部に僅かな隙間が生じているために溶接チャンバ10A内の気密保持ができない場合は、以下記載の対策例(i)〜(iii)を講じればよい。
(i)内径が比較的に大きい場合には、図5のように円筒状溶接母材1A、2Aの内周面の突合せ部に対して裏板金19Aを当接し、気密状態を確保する。すなわち、溶接線3を跨ぐように内周面に対して断面がコ字形をした円環状の裏板金19Aを嵌合設置し、さらに円環状の裏板金19Aの外周面に穿設した円環状の溝19aにシール材20を嵌めることにより内側の気密状態を確保する。
(ii)円筒状溶接母材1A、2Aの内径が小さい場合には、円筒状溶接母材1A、2Aの内周面に対して裏板金19Aを当接せずに、円筒状溶接母材1A、2Aの開口端を図示しない蓋で閉塞して気密を保持し、この状態で円筒状溶接母材1A、2Aの内部を真空引き用ポンプ等で排気する。
(iii)円筒状溶接母材1A、2Aの内径が比較的に小さい場合には、円筒状溶接母材1A、2Aの内周面の突合せ部の隙間に裏板金19Aを当接せずに、TIG溶接によって突合せ部の隙間を封止溶接する。
次に、円筒状の大型構造物の溶接時に比較的に発生する確率の高い「開先の目違い」の対策について説明する。
大型の円筒状溶接母材1A、2Aを溶接する際に、万一、図7のように「開先の目違い」すなわち「円筒状溶接母材1Aおよび2Aの基準面(図中、一点鎖線で示してある)同士にくい違い」が発生している場合、そのまま円環状の溶接チャンバ側壁部4A、4Bを嵌合させると、図7のように円筒状溶接母材2Aの外周面および内周面の一部分が円筒状溶接母材1Aのそれよりも外径方向にΔtだけ出っ張ってしまい、円筒状の溶接チャンバ表面板9Aを嵌合設置することができない。このような場合、以下の様な対策を講じればよい。
大型の円筒状溶接母材1A、2Aを溶接する際に、万一、図7のように「開先の目違い」すなわち「円筒状溶接母材1Aおよび2Aの基準面(図中、一点鎖線で示してある)同士にくい違い」が発生している場合、そのまま円環状の溶接チャンバ側壁部4A、4Bを嵌合させると、図7のように円筒状溶接母材2Aの外周面および内周面の一部分が円筒状溶接母材1Aのそれよりも外径方向にΔtだけ出っ張ってしまい、円筒状の溶接チャンバ表面板9Aを嵌合設置することができない。このような場合、以下の様な対策を講じればよい。
まず、円筒状溶接母材1Aおよび2Aの外周面側のくい違い対策を施す。
すなわち、円筒状溶接母材2Aの外周面に嵌合される円環状の溶接チャンバ側壁部4Bの外径側のくい違い分(Δt)を4B´の寸法まで機械加工で削って、図8のように溶接チャンバ側壁部4Aおよび4B´の外周面の高さを揃える。すなわち、2つの円環状の溶接チャンバ側壁部4A、4B´の高低差をなくす。この状態で、溶接チャンバ側壁部4Aおよび4B´の外周面に1つの円筒状の溶接チャンバ表面板9Aを気密にかつ摺動可能に嵌めることにより溶接線3の外周部に円環状の気密の溶接チャンバ10Aが形成される。
すなわち、円筒状溶接母材2Aの外周面に嵌合される円環状の溶接チャンバ側壁部4Bの外径側のくい違い分(Δt)を4B´の寸法まで機械加工で削って、図8のように溶接チャンバ側壁部4Aおよび4B´の外周面の高さを揃える。すなわち、2つの円環状の溶接チャンバ側壁部4A、4B´の高低差をなくす。この状態で、溶接チャンバ側壁部4Aおよび4B´の外周面に1つの円筒状の溶接チャンバ表面板9Aを気密にかつ摺動可能に嵌めることにより溶接線3の外周部に円環状の気密の溶接チャンバ10Aが形成される。
次に、円筒状溶接母材1A、2Aの内周面側のくい違い対策を講じる。この場合は、図8に示した裏当金19に替えて、内径寸法が同じで外径寸法がくい違い分(Δt)だけ差のある2個の環状体29A、29Bを用意し、一方の環状体29Aを円筒状溶接母材1Aの内周面にシール材20を介して嵌合設置し、同様に他方の環状体29Bを円筒状溶接母材2Aの内周面にシール材20を介して嵌合設置し、これら環状体29A、29Bの内周面にシール材20を介して筒状体29Cを嵌合設置する。これにより溶接線3の内周部は気密になる。
この状態で真空引き用ポンプ7を稼働させて溶接チャンバ10Aを低真空状態にして、円筒状の溶接チャンバ蓋9Aを溶接線3に沿って、レーザ入射口部12およびレーザヘッド18とともに回転させることによって円筒状溶接母材1A、2Aのレーザ溶接を行なうことができる。
以上述べたように、本実施形態2によれば、円筒状溶接母材1A、2Aの外径側に溶接線3を跨いで円環状の気密の溶接チャンバ10Aが形成され、内径側の突合せ部から外気が入らない状態にしたあと、真空引き用ポンプ7を稼働させて溶接チャンバ10Aを低真空状態にして、円筒状の溶接チャンバ蓋9Aを図示しない駆動装置によってレーザヘッド18と同期して溶接線3に沿って矢印方向に摺動回転させ、円筒状溶接母材1A、2Aのレーザ溶接を行なうことができる。この場合、レーザ溶接の際に発生するプルームは真空引き用ポンプ7によって排気ダクト6から外部に排気されるので、本実施形態2においても、実施形態1と同様に、大掛かりな溶接チャンバを設置することなく低真空環境下で円筒状の大型構造物に対してレーザ溶接が可能となる。
[実施形態3]
次に、図9を参照して本発明の実施形態3を説明する。
本実施形態3は、溶接チャンバ蓋駆動機構に特徴を有するレーザ溶接装置である。
次に、図9を参照して本発明の実施形態3を説明する。
本実施形態3は、溶接チャンバ蓋駆動機構に特徴を有するレーザ溶接装置である。
上述した実施形態1および2では、溶接チャンバ蓋9または9Aを溶接線3方向に摺動させる溶接チャンバ蓋駆動機構については図示していないが、本実施形態3では、同駆動装置をサーボモータ、ピニオンギアおよびラックを組み合わせて構成したことを特徴とするものである。
本実施形態3のレーザ溶接装置は、実施形態1および2の何れにも適用可能であるが、以下の説明では実施形態1に適用した場合を説明する。
図9に示すレーザ溶接装置は、溶接チャンバ蓋9の長手方向(摺動方向)の左右両側面にそれぞれラック(直線歯車)211、212を敷設し、これらのラック211、212にそれぞれピニオンギア221、222を噛み合せる。そして、同期運転されるサーボモータ231、232によってそれぞれピニオンギア221、222を駆動するように構成したものである。
図9に示すレーザ溶接装置は、溶接チャンバ蓋9の長手方向(摺動方向)の左右両側面にそれぞれラック(直線歯車)211、212を敷設し、これらのラック211、212にそれぞれピニオンギア221、222を噛み合せる。そして、同期運転されるサーボモータ231、232によってそれぞれピニオンギア221、222を駆動するように構成したものである。
本実施形態3によれば、サーボモータ231、232、ピニオンギア221、222およびラック211、212によって構成された駆動機構によって溶接チャンバ蓋9の両側をレーザヘッド18と同期した状態で駆動するように構成したので、溶接チャンバ蓋9の摺動移動をスムーズに行なうことができる。
なお、溶接チャンバ蓋駆動機構としては、ピニオンギアおよびラックに替えて、ネジ棒とナットとを組み合わせ、このうちいずれか一方を回転させて他方を直進運動させる機構を用いてもよい。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであって発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態はその他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…平板状の溶接対象物(溶接母材)、2…平板状の溶接対象物(溶接母材)、1A…円筒状の溶接対象物(溶接母材)、2A…円筒状の溶接対象物(溶接母材)、3…溶接線、4…枠状の溶接チャンバ側壁部、4a…排気孔、4b…パッキン溝、4A…円環状溶接チャンバ側壁部、4B…円環状溶接チャンバ側壁部、5…シール材、5a…シール溝、6…排気ダクト、7…真空引き用ポンプ、8…パッキン材、9…平板状溶接チャンバ蓋、9A…円筒状溶接チャンバ蓋、10…溶接チャンバ、11…レーザ入射孔、12…レーザ入射口部、12F…フランジ、13…リング材、14…シール材、15…シール材、16…レーザ光透過板、17…ボルトナット、18…レーザヘッド、19…裏当金、19a…シール溝、20…シール材、211,212…ラック、221,222…ピニオンギア、231,232…サーボモータ、29A,29B…環状体、29C…筒状体。
Claims (9)
- 低真空環境下でレーザ光により平板状の溶接母材を溶接するレーザ溶接装置において、
前記平板状の溶接母材の溶接線を取り囲むように当該溶接母材上に気密に設置された枠状の溶接チャンバ側壁部と、
レーザ入射孔を備え、前記枠状の溶接チャンバ側壁部の上部開口縁部に気密かつ摺動可能に設置され、かつ、当該溶接チャンバ側壁部の上部開口縁部の幅および長さよりも大きい幅および長さを有する平板状の溶接チャンバ蓋と、
前記レーザ入射孔に下端部が気密に取り付けられるとともに、上端部にレーザ光を透過するレーザ光透過板を気密に取り付けた筒状のレーザ入射口部と、
前記平板状の溶接母材、前記枠状の溶接チャンバ側壁部、前記平板状の溶接チャンバ蓋および前記筒状のレーザ入射口部で構成された溶接チャンバ内を前記低真空状態にする排気装置と、
前記平板状の溶接チャンバ蓋を前記平板状の溶接母材の溶接線方向に摺動させる溶接チャンバ蓋駆動機構と、
を備えたことを特徴とするレーザ溶接装置。 - 低真空環境下でレーザ光により円筒状の溶接母材を溶接するレーザ溶接装置において、
前記円筒状の溶接母材の溶接線を挟むように当該溶接母材の外周にそれぞれ気密に嵌合設置された一対の円環状の溶接チャンバ側壁部と、
レーザ入射孔を備え、前記一対の環状の溶接チャンバ側壁部の外周縁上にそれぞれ気密かつ摺動可能に嵌合設置された一つの円筒状の溶接チャンバ蓋と、
前記レーザ入射孔に下端部が気密に取り付けられるとともに、上端部にレーザ光を透過するレーザ光透過板を気密に取り付けた筒状のレーザ入射口部と、
前記円筒状の溶接母材、前記一対の円環状の溶接チャンバ側壁部、前記円筒状の溶接チャンバ蓋および前記筒状のレーザ入射口部で構成された溶接チャンバ内を前記低真空状態にする排気装置と、
前記円筒状の溶接チャンバ蓋を前記円筒状の溶接母材の溶接線方向に摺動させる溶接チャンバ蓋駆動機構と、
を備えたことを特徴とするレーザ溶接装置。 - 前記溶接母材と前記溶接チャンバ側壁部との間に、シール材を介挿したことを特徴とする請求項1または2記載のレーザ溶接装置。
- 前記溶接チャンバ側壁部と前記溶接チャンバ蓋との間に、パッキン材を介挿したことを特徴とする請求項1または2記載のレーザ溶接装置。
- 前記溶接チャンバを構成する、前記溶接チャンバ側壁部および前記溶接チャンバ蓋の材料として、オーステナイト系ステンレス鋼を用い、前記真空引き用ポンプとして、ダイヤフラム型ドライ真空ポンプ、スクロール型ドライ真空ポンプ、油回転真空ポンプのいずれかを用いたことを特徴とする請求項1または2記載のレーザ溶接装置。
- 前記レーザヘッドから照射されるレーザ出力は、10kWから30kWの範囲内であることを特徴とする請求項1または2記載のレーザ溶接装置。
- 低真空環境下でレーザ光により平板状の溶接母材を溶接するレーザ溶接装置において、
前記平板状の溶接母材の溶接線を取り囲むように当該溶接母材上に気密に設置された枠状の溶接チャンバ側壁部と、
レーザ入射孔を備え、前記枠状の溶接チャンバ側壁部の上部開口縁部に気密かつ摺動可能に設置され、かつ、当該溶接チャンバ側壁部の上部開口縁部の幅および長さよりも大きい幅および長さを有する平板状の溶接チャンバ蓋と、
前記レーザ入射孔に下端部が気密に取り付けられるとともに、上端部にレーザ光を透過するレーザ光透過板を気密に取り付けた筒状のレーザ入射口部と、
前記平板状の溶接母材、前記枠状の溶接チャンバ側壁部、前記平板状の溶接チャンバ蓋および前記筒状のレーザ入射口部で構成された溶接チャンバ内を前記低真空状態にする排気装置と、
前記平板状の溶接チャンバ蓋を前記平板状の溶接母材の溶接線方向に摺動させる溶接チャンバ蓋駆動機構と、を備え、
前記真空引き用ポンプによって前記溶接チャンバ内を低真空環境にした状態で、前記溶接チャンバ蓋駆動機構によって前記溶接チャンバ蓋をレーザビームと同期して溶接線方向に摺動させることにより、前記溶接母材を溶接するようにしたことを特徴とするレーザ溶接方法。 - 前記平板状の溶接母材の溶接線の長さよりも前記枠状の溶接チャンバ側壁部の長さが短い場合、前記溶接線に沿って前記枠状の溶接チャンバ側壁部を移動させることにより前記溶接母材を溶接するようにしたことを特徴とする請求項7記載のレーザ溶接方法。
- 突合せ部で目違いがある前記円筒状の溶接母材において、前記溶接線の両側に配置された前記一対の円環状の溶接チャンバ側壁部を目違い分の寸法だけ削って高さを揃え、次に、前記一対の円環状の溶接チャンバ側壁部の外周に前記円筒状の溶接チャンバ蓋を嵌めこむことを特徴とする請求項7または8記載のレーザ溶接方法。
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