以下、本発明に係る遊技機の一実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1および図2を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。
図1に示すように、パチンコ機1の上半分の部分には遊技盤2が設けられている。遊技盤2は略正方形であり(図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠13によって前面を保護されている。遊技盤2の下部には上皿5が設けられている。上皿5は、発射機に遊技球を供給し、且つ賞品球を受ける。上皿5の上面には操作ボタン9が設けられている。上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。前面枠13の上部の左右の角には、スピーカ48がそれぞれ設けられている。
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。遊技領域4の略中央には、LCD(液晶ディスプレイ)等で構成される表示画面28が設けられている。表示画面28は、動画、メッセージ等の様々な映像を表示する。特に、表示画面28は、大当たり判定の結果を報知するためのデモ図柄(第一デモ図柄81および第二デモ図柄82)を表示する。パチンコ機1は、デモ図柄を変動させた後に、大当たり判定の結果を示すデモ図柄の組合せを確定表示させる演出(以下、「報知演出」という。)を実行することで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する。表示画面28の直下には、演出装置10が設けられている。演出装置10は、大型の7セグメントを2つ横並びに備えており、2桁の数字、文字、記号等を表示することができる。
演出装置10の下方には、第一特別図柄始動入賞口14が設けられている。表示画面28の右方には普通図柄作動ゲート12が設けられており、普通図柄作動ゲート12の下方には第二特別図柄始動電動役物15が配設されている。第二特別図柄始動電動役物15の左斜め下方には、Vアタッカー17と通常アタッカー16とが並べて設けられている。
第二特別図柄始動電動役物15は開閉部材を備える。第二特別図柄始動電動役物15の開閉部材は、下端を中心として前後方向に揺動可能である。開閉部材が前方に揺動して開放状態となると、第二特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞が可能になる。通常アタッカー16およびVアタッカー17も、前後方向に揺動可能な開閉部材を備える。遊技球は、開閉部材が開放した状態でのみ、通常アタッカー16およびVアタッカー17に入賞できる。各開閉部材はソレノイドによって電気的に開閉される。
図示しないが、Vアタッカー17に入賞した遊技球の流路には、特定領域および非特定領域が形成されている。パチンコ機1では、大当たり遊技中に遊技球がVアタッカー17内の特定領域を通過することが、大当たり遊技終了後に確率変動状態を生起する条件となっている。本実施形態では、Vアタッカー17は1回の大当たり遊技中に1回開放される。Vアタッカー17の開放パターンには、1回の開放動作で最大13秒開放される長時間開放パターンと、最大0.3秒しか開放されない短時間開放パターンとがある。短時間開放パターンの場合には、Vアタッカー17に遊技球が入賞する確率は低い。そして、大当たり遊技の種類には、長時間開放パターンが選択される長時間開放大当たりと、短時間開放パターンが選択される短時間開放大当たりとが設けられている。よって、長時間開放大当たりとなるか否かによって、確率変動状態が生起される割合は変化する。
遊技盤2の右斜め下部には図柄表示部8が設けられている。図柄表示部8は、普通図柄表示部、第一特別図柄表示部、第二特別図柄表示部、普通図柄記憶数表示LED、第一特別図柄記憶数表示LED、および第二特別図柄記憶数表示LEDを備える。普通図柄作動ゲート12を遊技球が通過すると普通当たり判定が行われて、判定結果が普通図柄表示部に表示される。第一特別図柄始動入賞口14へ遊技球が入賞すると、第一大当たり判定が行われ、判定の結果に応じて複数の特別図柄のうちの1つが第一特別図柄表示部に表示される。第二特別図柄始動電動役物15へ遊技球が入賞すると、第二大当たり判定が行われ、その判定の結果は第二特別図柄表示部に表示される。
普通図柄記憶数表示LEDは、普通図柄作動保留球数を4つまで表示する。普通図柄作動保留球数とは、普通図柄作動ゲート12を通過し、且つ普通図柄表示部に普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である。第一特別図柄記憶数表示LEDは、第一特別図柄作動保留球数を4つまで表示する。第一特別図柄作動保留球数とは、第一特別図柄始動入賞口14に入賞し、且つ第一大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である。第二特別図柄記憶数表示LEDは、第二特別図柄作動保留球数を4つまで表示する。第二特別図柄作動保留球数とは、第二特別図柄始動電動役物15に入賞し、且つ第二大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である。
次に、本実施形態のパチンコ機1における遊技の流れについて概略的に説明する。パチンコ機1では、普通当たり遊技、大当たり遊技、および小当たり遊技が設けられている。パチンコ機1は、第一大当たり判定および第二大当たり判定において大当たりと判定される確率が約1/100である非確率変動状態と、約1/99である確率変動状態とを生起させることができる。また、第二特別図柄始動電動役物15の開閉部材が開放される割合が通常の割合である非時短状態と、割合が非時短状態よりも高くなる時短状態とを生起させることができる。パチンコ機1は、これらの組合せにより、「非確率変動非時短状態」(以下、「通常状態」という。)」、「非確率変動時短状態」、「確率変動非時短状態」、および「確率変動時短状態」の4つの遊技状態を生起する。
「非確率変動時短状態」、「確率変動非時短状態」、および「確率変動時短状態」は、第一大当たり判定の回数と第二大当たり判定の回数との和が規定回数(本実施形態では100回)に達すると終了し、「通常状態」へ移行する。つまり、パチンコ機1の確率変動状態は、当たり判定の回数の和が規定回数に達することで、所謂回数切り確変機能の作動によって終了する。なお、「非確率変動時短状態」、「確率変動非時短状態」、および「確率変動時短状態」は、大当たり遊技開始時にも終了する。この場合、規定回数の計数はクリアされる。なお、確率変動状態の継続回数は、本実施形態の100回に限られない。また、回数切り確変機能を有する遊技機にも限られない。大当たり遊技の終了後に確率変動状態を生起し、次に大当たりと判定された場合に確率変動状態を終了させる所謂ループタイプの遊技機によっても、本発明は実現できる。
「通常状態」中および「確率変動非時短状態」中(つまり、非時短状態中)には、第二特別図柄始動電動役物15の開閉部材が開放される割合は時短状態中よりも低い。よって、遊技者は、第二特別図柄始動電動役物15よりも第一特別図柄始動入賞口14の方が容易に遊技球を入賞させることができる。第一特別図柄始動入賞口14へ遊技球が入賞すると、第一大当たり判定が行われる。第一大当たり判定によって大当たりと判定された場合には、長時間開放大当たりおよび短時間開放大当たりのいずれを生起するかが決定される。本実施形態では、第一大当たり判定によって大当たりと判定された場合、長時間開放大当たりが決定される割合は50%、短時間開放大当たりが決定される割合も50%である。前述したように、長時間開放大当たりの場合、遊技球は非常に高い確率でVアタッカー17内の特定領域を通過する。一方で、短時間開放大当たりの場合には、遊技球が特定領域を通過する確率は非常に低い。なお、本実施形態では、アタッカー16,17がともに遊技領域4の右下部に設けられている(図2参照)。よって、大当たり遊技中には、遊技者は遊技領域4の右部へ遊技球を発射させる(所謂「右打ち」を行う)。
また、小当たり遊技とは、その前後で遊技状態が変化しない当たり遊技である。第二特別図柄始動電動役物15へ遊技球が入賞すると第二大当り判定が行われ、大当たり、小当たり、およびはずれのいずれであるかが乱数に基づいて判定される。第二大当り判定において小当たりと判定される確率は、確率変動状態であるか否かにかかわらず一定の確率(約1/100)である。なお、本実施形態では、第二特別図柄始動電動役物15へ遊技球が入賞した場合に払い出される賞品球は1個である。
パチンコ機1では、大当たり遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、大当たり遊技終了後に「確率変動時短状態」または「確率変動非時短状態」が生起される。遊技球が特定領域を通過しなければ、大当たり遊技終了後には「非確率変動時短状態」または「通常状態」が生起される。
「確率変動時短状態」中および「非確率変動時短状態」中(つまり、時短状態中)には、第二特別図柄始動電動役物15の開閉部材が開放される割合は非時短状態中よりも高い。従って、第一特別図柄始動入賞口14よりも第二特別図柄始動電動役物15の方が容易に遊技球を入賞させることができるため、遊技者は右打ちを行う。なお、本実施形態では、第二特別図柄始動電動役物15は、右打ちされた遊技球が遊技領域4を流下する流路において、アタッカー16,17よりも上流側に配置されている(図2参照)。第二特別図柄始動電動役物15へ遊技球が入賞すると、第二大当たり判定が行われる。第二大当たり判定によって大当たりと判定された場合には、第一大当たり判定によって大当たりと判定された場合よりも高い割合で長時間開放大当たりが決定される。本実施形態では、第二大当たり判定によって大当たりと判定された場合は、100%の割合で長時間開放大当たりが決定される。
「非確率変動時短状態」中にも、第二特別図柄始動電動役物15の開閉部材は開放され易い。よって、遊技者は右打ちを行う。「非確率変動時短状態」中に大当たりと判定される確率は、「確率変動時短状態」中よりも低い。しかし、はずれが規定回数連続して「通常状態」へ移行する前に、第二大当たり判定の結果が大当たりとなると、大当たり遊技終了後に約100%の確率で「確率変動時短状態」が生起される。従って、パチンコ機1では、「確率変動時短状態」が生起されずに「非確率変動時短状態」が生起された場合でも、遊技者は期待感を損なうことなく遊技を楽しむことができる。
図3を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。パチンコ機1の制御部40は、主基板41、サブ制御基板58、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、および中継基板47等を備える。
主基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主基板41の主基板CPUユニット50には、各種の演出処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられている。主基板CPUユニット50には、割込信号発生回路57が接続されている。CPU51は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎にプログラムを実行する。主基板41は、I/Oインタフェイス54を介してサブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47、出力ポート55、第一始動スイッチ72、および第二始動スイッチ73に接続されている。出力ポート55は、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する。第一始動スイッチ72は、第一特別図柄始動入賞口14に入賞した遊技球を検出する。第二始動スイッチ73は、第二特別図柄始動電動役物15に入賞した遊技球を検出する。
サブ制御基板58は、CPU581、RAM582、およびROM583を備え、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、操作ボタンスイッチ11、およびスピーカ48に接続している。操作ボタンスイッチ11は、操作ボタン9(図1参照)の操作を検出し、検出結果をサブ制御基板58に出力する。サブ制御基板58は、主基板41から送信されるコマンド、および操作ボタンスイッチ11の検出結果に従って、演出等の総合的な制御を行う。ランプドライバ基板46は、演出装置10の表示、各種照明の動作等を制御する。演出制御基板43は、CPU43a等を備え、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って表示画面28の表示を制御する。払出制御基板45は、CPU45a等を備える。払出制御基板45は、主基板41から送信されるコマンドに応じて賞品球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を払い出させる。
中継基板47には、普通電動役物開閉ソレノイド69、通常アタッカー開閉ソレノイド70、およびVアタッカー開閉ソレノイド71が接続されている。普通電動役物開閉ソレノイド69は、普通当たり遊技中に第二特別図柄始動電動役物15の開閉部材を開閉する。通常アタッカー開閉ソレノイド70は、大当たり遊技中および小当たり遊技中に通常アタッカー16の開閉部材を開閉する。Vアタッカー開閉ソレノイド71は、大当たり遊技中にVアタッカー17の開閉部材を開閉する。
中継基板47には、普通図柄作動スイッチ74、通常アタッカースイッチ75、特定領域スイッチ76、および非特定領域スイッチ77が接続されている。普通図柄作動スイッチ74は、普通図柄作動ゲート12を通過した遊技球を検出する。通常アタッカースイッチ75は、通常アタッカー16に入賞した遊技球を検出する。特定領域スイッチ76は、Vアタッカー17内の特定領域を通過した遊技球を検出する。非特定領域スイッチ77は、Vアタッカー17内の非特定領域を通過した遊技球を検出する。さらに、中継基板47には図柄表示部8が接続されている。
電源基板42は、主基板41および遊技球発射装置37に接続されており、各基板および遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。遊技球発射装置37は、一定間隔(本実施形態では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。
図4を参照して、RAM52の第一大当たり関係情報記憶エリアについて説明する。第二大当たり関係情報記憶エリアの構成は、第一大当たり関係情報記憶エリアの構成と同じであるため、説明を簡略化する。第一大当たり関係情報記憶エリアおよび第二大当たり関係情報記憶エリアは、後述するメイン処理の特別図柄処理(図12から図16参照)において使用される。第一大当たり関係情報記憶エリアには複数の記憶エリアが設けられている。第一特別図柄始動入賞口14に遊技球が入賞した際に、特別図柄作動保留球数が4未満(0〜3)であれば、番号の若い記憶エリアから順に乱数が記憶される。CPU51は、処理が未だ行われていない記憶エリアの乱数のうち、最も番号が若い記憶エリアを判定エリアとし、判定エリアに記憶されている乱数について大当たり判定等の各種処理を行う。判定エリアに記憶されている乱数に関する処理(具体的には、判定結果を報知する報知演出、および、判定結果が大当たりの場合に実行される大当たり遊技)が終了すると、次に番号が若い記憶エリアが判定エリアとされて、大当たり判定等の処理が繰り返される。なお、処理が終了した記憶エリアの乱数は、適宜消去してもよい。
各記憶エリアには、第一大当たり判定カウンタの値が記憶される第一大当たり乱数欄、第一特別図柄決定カウンタの値が記憶される第一特別図柄決定乱数欄、および、第一変動パターン決定カウンタの値が記憶される第一特別図柄変動パターン決定乱数欄が設けられている。第一特別図柄始動入賞口14に遊技球が入賞すると、その時点で計数されているそれぞれの乱数取得カウンタの値が各欄に記憶される。第一大当たり乱数は、第一大当たり判定のために用いられる。第一特別図柄決定乱数は第一特別図柄を決定するために用いられる。第一特別図柄変動パターン決定乱数は、大当たり判定の結果を報知する報知演出の演出パターン(デモ図柄の変動パターン)を決定するために用いられる。なお、RAM52には、普通図柄作動ゲート12への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶するための普通当たり関係情報記憶エリアが設けられている。普通当たり関係情報記憶エリアも、第一大当たり関係情報記憶エリアおよび第二大当たり関係情報記憶エリアと同様に構成されている。なお、第二大当たり判定では、第二大当たり乱数の値を第二大当たり判定テーブルに当てはめることで、大当たり判定と小当たり判定とが同時に行われる。
図5を参照して、ROM53に記憶されている特別図柄決定テーブルについて説明する。パチンコ機1は、第一大当たり判定の結果が大当たりであることを示す第一大当たり特別図柄と、第二大当たり判定の結果が大当たりであることを示す第二大当たり特別図柄とを、特別図柄決定テーブルを参照することで決定する。大当たり特別図柄は、長時間開放大当たりおよび短時間開放大当たりのいずれかの大当たり種別に分類される。前述したように、長時間開放大当たりでは、Vアタッカー17が最大13秒開放されるため、Vアタッカー17内の特定領域18に遊技球が入賞しやすい。よって、その後に非常に高い確率で確率変動時短状態へ移行する。短時間開放大当たりでは、Vアタッカー17が最大0.3秒しか開放されないため、特定領域18への遊技球の入賞は困難である。よって、その後に確率変動時短状態へ移行する確率は非常に低い。なお、1回の当たり遊技中にアタッカー16,17が開閉される回数の合計(所謂「ラウンド数」)は6ラウンドである。
パチンコ機1では、第一大当たり判定において大当たりと判定された場合には、長時間開放大当たりとなる割合は50%、短時間開放大当たりとなる割合も50%となっている。一方で、第二大当たり判定において大当たりと判定された場合には、長時間開放大当たりとなる割合は100%となっている。つまり、第一大当たり判定によって大当たりと判定された場合よりも、第二大当たり判定によって大当たりと判定された場合の方が、長時間開放大当たりとなる割合は高い。
図6から図8を参照して、ROM53に記憶されている変動パターン決定テーブルについて説明する。パチンコ機1では、第一特別図柄変動パターン決定テーブル(図6参照)、第二特別図柄変動パターン決定テーブル(図7参照)、および特殊変動パターン決定テーブル(図8参照)の3つの変動パターン決定テーブルが記憶されている。特殊変動パターン決定テーブルは、小当たり特殊変動において、第一大当たり判定および第二大当たり判定の結果を報知する際の変動パターンを決定するために参照される。ここで、小当たり特殊変動とは、時短状態が生起されている間の特別図柄の変動であり、かつ、小当たり遊技の終了後4回の変動をいう。第一特別図柄変動パターン決定テーブルは、小当たり特殊変動以外の変動において、第一大当たり判定の結果を報知する際の変動パターンを決定するために参照される。第二特別図柄変動パターン決定テーブルは、小当たり特殊変動以外の変動において、第二大当たり判定の結果を報知する際の変動パターンを決定するために参照される。
第一特別図柄変動パターン決定テーブル、第二特別図柄変動パターン決定テーブル、および特殊変動パターン決定テーブルの各々には、大当たり判定時の遊技状態、および大当たり判定の結果に応じて複数のテーブルが設けられている。それぞれのテーブルには複数種類の変動パターンが割り当てられており、各変動パターンと変動パターン決定乱数の値(0〜511)とが対応付けられている。大当たり判定が行われると、大当たり判定の種類、遊技状態、判定結果、および小当たり特殊変動であるか否かに応じたテーブルが参照され、取得された変動パターン決定乱数の値によって変動パターンが1つ決定される。主基板41は、決定した変動パターンを指定するコマンドをサブ制御基板58へ送信する。サブ制御基板58は、指定された変動パターンに応じて表示画面28およびスピーカ48等を制御する。また、主基板41は、決定した変動パターンに応じて決められている変動時間だけ2つの特別図柄を変動させる。
図6から図8に示すように、特殊変動パターン決定テーブルに割り当てられているすべての変動パターンの変動時間は、第一特別図柄変動パターン決定テーブルおよび第二特別図柄変動パターン決定テーブルのうち、大当たり判定時の遊技状態が時短状態の場合に参照されるテーブルにおける最短の変動時間(0.2秒)よりも長い。ここで、特別図柄の変動時間は、報知演出が実行される時間と同期している。つまり、小当り特殊変動における特別図柄の変動では、小当たり特殊変動以外の時短状態中における最短の特別図柄の変動よりも長い変動時間による報知演出が実行される。従って、小当たり特殊変動においては、遊技機は通常の時短状態中よりも多様な報知演出を実行でき、時短遊技中の報知演出に変化を与えることができる。なお、第一特別図柄変動パターン決定テーブルおよび第二特別図柄変動パターン決定テーブルのうち、大当たり判定時の遊技状態が時短状態の場合に参照されるテーブルにおける最短の変動時間(本実施形態では0.2秒)は、遊技球の発射間隔(本実施形態では0.6秒)よりも短い時間に設定されている。
図9から図17を参照して、パチンコ機1の主基板41による動作について説明する。パチンコ機1の主制御は、ROM53に記憶されている制御プログラムによって行われる。制御プログラムのメイン処理は、割込信号発生回路57(図3参照)が4ms毎に発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51において実行される。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
まず、コマンド出力処理が行われる(S10)。コマンド出力処理では、制御コマンドが、サブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47等に出力される。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメイン処理においてRAM52に記憶された制御コマンドである。
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S11)。スイッチ読込処理では、普通図柄作動ゲート12、各入賞口、特定領域、および非特定領域に設けられた各スイッチ(図3参照)の検出結果から、遊技球を検知するための処理が行われる。
次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。カウンタ更新処理では、RAM52に記憶されている乱数取得カウンタの値が加算され、且つ、タイマカウンタの値が減算される。
次いで、特別電動役物処理が行われる(S13)。特別電動役物処理では、大当たり遊技および小当たり遊技の動作(主に、通常アタッカー16およびVアタッカー17の開閉部材の開閉動作)を制御するための処理と、大当たり遊技および小当たり遊技終了後の遊技状態に関する処理とが行われる(図17参照)。
次いで、特別図柄処理が行われる(S14)。特別図柄処理では、大当たり乱数等に基づく先読み情報の取得、大当たり判定、変動パターンの決定、特別図柄の決定、および遊技状態の移行処理等が行われる(図12から図16参照)。
次いで、普通電動役物処理が行われる(S15)。普通電動役物処理では、普通当たりとなった場合に普通当たり遊技の動作を制御するための処理が行われる。CPU51は、時短状態が生起されていれば、非時短状態中よりも長く第二特別図柄始動電動役物15を開放させる。なお、CPU51は、時短フラグが「ON」とされていれば、時短状態中であると判断する。
次いで、普通図柄処理が行われる(S16)。普通図柄処理では、普通当たり乱数に基づく先読み情報の取得、普通当たり判定、普通図柄の変動を制御するためのコマンドの記憶等の処理が行われる(図10および図11参照)。
次いで、払出処理(S17)、エラーチェック(S18)、および情報出力処理(S19)が行われる。払出処理では、賞品球の払い出しが制御される。エラーチェックでは、エラーが発生している場合に、表示画面28およびスピーカ48等を用いてエラーが報知される。情報出力処理では、図示外の遊技場管理用コンピュータに各種の情報が出力される。
図10および図11を参照して、普通図柄処理(S14)の詳細について説明する。まず、普通図柄処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52には、普通当たり遊技状態フラグ、普通図柄表示状態フラグ、時短フラグ等が記憶されている。普通当たり遊技状態フラグは、普通当たり遊技中に「1」が記憶されて「ON」となり、普通当たり遊技中でない場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。普通図柄表示状態フラグは、普通図柄が変動している場合(変動中)に「1」、停止表示されている場合(停止表示中)に「2」、変動中でも停止表示中でもない場合に「0」が記憶される。なお、時短状態中に普通当たりと判定される確率(99/100)は、非時短状態中に普通当たりと判定される確率(4/100)よりも高い。普通図柄の変動時間は、非時短状態中(変動時間10秒)よりも時短状態中(変動時間2秒)の方が短い。
図10に示すように、普通図柄処理が開始されると、普通図柄作動ゲート13を遊技球が通過したか否かが判断される(S21)。普通図柄作動ゲート13に設けられた普通図柄作動スイッチ74が遊技球の通過を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図9参照)において、普通図柄作動スイッチ74に対応するフラグが「ON」とされる。このフラグが「ON」とされておらず、遊技球が通過していなければ(S21:NO)、処理はそのままS26の判断へ移行する。遊技球が普通図柄作動ゲート13を通過していれば(S21:YES)、普通図柄作動保留球数が「4」であるか否かが判断される(S22)。「4」であれば(S22:YES)、記憶可能な保留球の数が上限に達しているため、処理はそのままS26の判断へ移行する。普通図柄作動保留球数が「4」でない場合には(S22:NO)、普通図柄作動保留球数に「1」が加算される(S23)。次いで、普通当たり判定カウンタの値(普通当たり判定乱数)が、RAM52に記憶される(S24)。
次いで、乱数先読み処理が行われる(S25)。乱数先読み処理では、S24で取得された乱数である普通当たり乱数(普通当たり判定カウンタの値)についての情報の先読みが行われて、取得された普通当たり乱数から得られる先読み情報を通知する普通当たり乱数先読みコマンドがRAM52に記憶される。詳細には、この処理では、取得された普通当たり乱数に対して実行される普通当たり判定の結果についての情報が、その普通当たり乱数に対して実際に普通当たり判定が実行されるよりも前に取得される。つまり、先読みされる情報は、その後に行われる普通当たり判定の結果についての情報であり、「普通当たり」「はずれ」のいずれかの情報が先読みされることとなる。普通当たり判定を行うためのテーブルには、非時短状態中に用いられる低確率判定テーブルと、時短状態中に用いられる高確率判定テーブルとが設けられている。そこで、乱数先読み処理(S25)では、その時点での遊技状態に応じたテーブルに乱数を当てはめることで得られる普通当たり判定の結果についての情報が先読みされる。本実施形態では、普通図柄の変動時間は、時短状態中であるか否かに応じてあらかじめ決められている(非時短状態中10秒、時短状態中2秒)。しかし、普通図柄変動パターン決定乱数を用いて、複数の変動パターンのうちから普通図柄変動パターン決定乱数によって決定される変動パターンに応じて普通図柄を変動させる場合には、普通図柄変動パターン決定乱数についての情報を先読みしてもよい。同様に、普通図柄決定乱数を用いて普通図柄を決定する場合も、普通図柄決定乱数についての情報を先読みしてもよい。
次いで、普通当たり遊技状態中であるか否かが判断される(S26)。普通当たり遊技状態フラグが「ON」であり、普通当たり遊技状態中であると判断された場合には(S26:YES)、処理はそのままメイン処理へ戻る。普通当たり遊技状態中でなければ(S26:NO)、普通図柄が変動中であるか否かが判断される(S27)。普通図柄表示状態フラグが「1」でなく、変動中でない場合には(S27:NO)、普通図柄が停止表示中であるか否かが判断される(S28)。普通図柄表示状態フラグが「2」でなく、停止表示中でない場合には(S28:NO)、処理はS29(図11参照)へ移行し、普通当たり判定が行われる。
図11に示すように、普通当たり判定では、まず、普通図柄作動保留球の数が「1」以上であるか否かが判断される(S29)。「1」以上であれば(S29:YES)、普通図柄作動保留球数が「1」減算され(S30)、普通当たり判定が行われる(S31)。普通当たり判定では、時短状態中であるか否かに応じた普通当たり判定テーブルが参照され、判定エリアの普通当たり乱数欄に記憶されている値によって普通当たりか否かが判定される。前述したように、普通当たりと判定される確率は、非時短状態中には4/100、時短状態中には99/100である。また、普通当たり遊技中の第二特別図柄始動電動役物15の開放時間は、非時短状態中よりも時短状態中の方が大幅に長い(非時短状態中0.2秒、時短状態中5.8秒)。なお、時短状態中であるか否かを示す時短フラグは、後述する特別図柄処理および特別電動役物処理において「ON」・「OFF」の切り替えが行われる。普通当たり判定後には、普通当たり判定の結果をサブ制御基板58に通知するための普通当たり判定結果通知コマンドが、RAM52に記憶される(S32)。次いで、時短状態中であるか否かに応じてあらかじめ決められている普通図柄の変動時間(非時短状態中10秒、時短状態中2秒)が、普通図柄変動時間カウンタに記憶される(S33)。普通図柄が変動中であることを示す「1」が、普通図柄表示状態フラグに記憶されて(S34)、処理はメイン処理へ戻る。一方、普通図柄作動保留球の数が「1」以上でなければ(S29:NO)、普通当たり判定を行うべき遊技球は存在しないので、処理はそのままメイン処理へ戻る。
また、図10に示すS27の判断において、普通図柄表示状態フラグに「1」が記憶されており、普通図柄が変動中であると判断された場合には(S27:YES)、変動時間が経過したか否かが判断される(S41)。S33(図11参照)でセットされたタイマカウンタの値が「0」となり、普通図柄の変動時間が経過した場合には(S41:YES)、RAM52に普通図柄停止コマンドが記憶される(S42)。このコマンドは、次のメイン処理においてサブ制御基板58および中継基板47に送信され、普通図柄の変動停止を指示する。次いで、普通図柄停止表示時間(例えば、0.6秒)が普通図柄停止時間カウンタに記憶される(S43)。普通図柄が停止表示中であることを示す「2」が普通図柄表示状態フラグに記憶されて(S44)、処理はメイン処理へ戻る。一方、S41の判断において、変動時間がまだ経過していないと判断された場合には(S41:NO)、普通図柄の変動を継続したまま、処理はメイン処理へ戻る。
また、S28の判断において、普通図柄表示状態フラグに「2」が記憶されており、普通図柄が停止表示中であると判断された場合には(S28:YES)、停止表示時間が経過したか否かが判断される(S45)。S43でセットされたタイマカウンタの値が「0」となり、停止表示時間が経過したと判断されると(S45:YES)、普通図柄が停止表示中でも変動中でもないことを示す「0」が普通図柄表示状態フラグに記憶される(S46)。次いで、普通当たり判定の結果が「普通当たり」である場合には(S47:YES)、普通当たり遊技状態であることを示す「1」が普通当たり遊技状態フラグに記憶されて「ON」とされ(S48)、処理はメイン処理へ戻る。普通当たりでない場合には(S47:NO)、処理はそのままメイン処理へ戻る。また、S45の判断において、停止表示時間がまだ経過していないと判断された場合には(S45:NO)、処理はそのままメイン処理へ戻る。
図12から図16を参照して、特別図柄処理(S14)の詳細について説明する。まず、特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52には、大当たり遊技状態フラグ、特別図柄表示状態フラグ、確率変動フラグ、時短フラグ等が記憶されている。大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技中に「1」が記憶されて「ON」となり、大当たり遊技中でない場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。特別図柄表示状態フラグは、2つの特別図柄のいずれか一方が変動している場合(変動中)に「1」、いずれか一方が停止表示されている場合(停止表示中)に「2」、両方とも変動中でも停止表示中でもない場合に「0」が記憶される。確率変動フラグは、確率変動状態中に「1」が記憶されて「ON」とされる。時短フラグは、時短状態中に「1」が記憶されて「ON」とされる。
図12に示すように、特別図柄処理が開始されると、第一特別図柄始動入賞口14に遊技球が入賞しているか否かが判断される(S51)。第一特別図柄始動入賞口14に設けられた第一始動スイッチ72が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図9参照)において、第一始動スイッチ72に対応するフラグが「ON」とされる。このフラグが「ON」とされておらず、遊技球が入賞していなければ(S51:NO)、処理はそのままS56の判断へ移行する。第一特別図柄始動入賞口14に遊技球が入賞していれば(S51:YES)、第一特別図柄作動保留球数が「4」であるか否かが判断される(S52)。「4」であれば(S52:YES)、記憶可能な保留球の数が上限に達しているため、処理はそのままS56の判断へ移行する。
第一特別図柄作動保留球数が「4」でない場合には(S52:NO)、第一特別図柄作動保留球数に「1」が加算される(S53)。次いで、各種乱数が取得されて、RAM52に記憶される(S54)。具体的には、第一大当たり判定カウンタの値(第一大当たり乱数)と、第一特別図柄決定カウンタの値(第一特別図柄決定乱数)と、第一特別図柄変動パターン決定カウンタの値(第一特別図柄変動パターン決定乱数)とが、それぞれRAM52に記憶される。
次いで、S54で取得された乱数についての情報の先読みが行われて、先読み情報を通知するためのコマンドが、RAM52に記憶される(S55)。この処理では、取得された第一大当たり乱数に対して実行される第一大当たり判定の結果についての情報が、その第一大当たり乱数に対して実際に第一大当たり判定が実行されるよりも前に取得される。つまり、先読みされる情報は、取得された第一大当たり乱数についてその後に行われる第一大当たり判定の結果についての情報であり、「大当たり」および「はずれ」のいずれかの情報が先読みされることとなる。本実施形態では、第一大当たり判定を行うためのテーブルには、非確率変動状態中に用いられる低確率判定テーブルと、確率変動状態中に用いられる高確率判定テーブルとが設けられている。そこで、乱数先読み処理(S55)では、その時点での遊技状態に応じたテーブルに乱数を当てはめることで得られる第一大当たり判定の結果についての情報が先読みされる。取得された第一大当たり乱数から得られる先読み情報を通知するための第一大当たり乱数先読みコマンドが、RAM52に記憶される(S55)。また、取得された第一特別図柄変動パターン決定乱数によってその後に決定される変動パターンについての情報も取得される。取得された第一特別図柄変動パターン決定乱数から得られる先読み情報を通知するための第一特別図柄変動パターン決定乱数先読みコマンドが、RAM52に記憶される。なお、本実施形態では、遊技状態が変更された場合には、その時点で既に先読みされていた情報に応じて演出の処理を行うことがないように設定されている。例えば、乱数を取得した時点では確率変動状態であったが、実際の第一大当たり判定が実行されたのは、回数切り確変機能の作動によって確率状態が終了した後であった場合等がこれにあたる。よって、乱数取得時(先読み時)の遊技状態と、実際の大当たり判定時の遊技状態とが異なる場合でも、演出に矛盾が生じることはない。
次いで、第二特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞に関する処理が行われる。まず、第二特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞しているか否かが判断される(S56)。第二特別図柄始動電動役物15に設けられた第二始動スイッチ73に対応するフラグが「OFF」となっており、遊技球が入賞していないと判断された場合には(S56:NO)、処理はそのままS62(図13参照)の判断へ移行する。第二特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞していれば(S56:YES)、第二特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞していることをサブ制御基板58に通知するための始動口入賞コマンドが、RAM52に記憶される(S57)。次いで、第二特別図柄作動保留球数が「4」であるか否かが判断される(S58)。「4」であれば(S58:YES)、この遊技球についての乱数は記憶できないので、処理はそのままS62の判断へ移行する。
第二特別図柄作動保留球数が「4」でない場合には(S58:NO)、第二特別図柄作動保留球数記憶エリア5208の値に「1」が加算される(S59)。第二大当たり判定カウンタの値(第二大当たり乱数)と、第二特別図柄決定カウンタの値(第二特別図柄決定乱数)と、第二特別図柄変動パターン決定カウンタの値(第二特別図柄変動パターン決定乱数)とが取得され、RAM52に記憶される(S60)。
次いで、S60で取得された乱数についての情報の先読みが行われて、先読み情報を通知するためのコマンドが、RAM52に記憶される(S61)。この処理では、取得された第二大当たり乱数に対して実行される第二大当たり判定の結果についての情報が、その第二大当たり乱数に対して実際に第二大当たり判定が実行されるよりも前に取得される。つまり、先読みされる情報は、取得された第二大当たり乱数についてその後に行われる第二大当たり判定の結果についての情報であり、「大当たり」、「小当たり」および「はずれ」のいずれかの情報が先読みされることとなる。本実施形態では、第二大当たり判定を行うためのテーブルには、非確率変動状態中に用いられる低確率判定テーブルと、確率変動状態中に用いられる高確率判定テーブルとが設けられている。そこで、乱数先読み処理(S61)では、その時点での遊技状態に応じたテーブルに乱数を当てはめることで得られる第二大当たり判定の結果についての情報が先読みされる。取得された第二大当たり乱数から得られる先読み情報を通知するための第二大当たり乱数先読みコマンドが、RAM52に記憶される。また、取得された第二特別図柄変動パターン決定乱数によってその後に決定される変動パターンについての情報も取得される。取得された第二特別図柄変動パターン決定乱数から得られる先読み情報を通知するための第二特別図柄変動パターン決定乱数先読みコマンドが、RAM52に記憶される。
次いで、図13に示すように、大当たり遊技状態または小当たり遊技状態であるか否かが判断される(S62)。大当たり遊技状態フラグまたは小当たり遊技状態フラグのいずれかが「ON」とされており、大当たり遊技状態中または小当たり遊技中であると判断された場合には(S62:YES)、処理はそのままメイン処理へ戻る。大当たり遊技状態フラグおよび小当たり遊技状態フラグのいずれも「OFF」とされており、大当たり遊技状態中および小当たり遊技中のいずれでもないと判断された場合には(S62:NO)、2つの特別図柄のいずれかが変動中であるか否かが判断される(S63)。表示状態フラグが「1」でなく、いずれも変動中でなければ(S63:NO)、2つの特別図柄のいずれかが停止表示中であるか否かが判断される(S64)。表示状態フラグが「2」でなく、いずれも停止表示中でなければ(S64:NO)、処理はS65(図14参照)へ移行し、大当たり判定が行われる。
大当たり判定では、第二大当たり判定が第一大当たり判定よりも優先して行われる。図14に示すように、まず、第二特別図柄作動保留球の数が「1」以上であるか否かが判断される(S65)。「1」以上であり、第二特別図柄作動保留球が存在すれば(S65:YES)、第二大当たり判定が行われるが、詳細は後述する。第二特別図柄作動保留球の数が「0」であれば(S65:NO)、第一特別図柄作動保留球の数が「1」以上であるか否かが判断される(S66)。「0」であれば(S66:NO)、処理はそのままメイン処理へ戻る。
第一特別図柄作動保留球の数が「1」以上であれば(S66:YES)、第一特別図柄作動保留球数が「1」減算され(S67)、第一大当たり判定が行われる(S68)。第一大当たり判定は、確率変動状態中であるか否かに応じた判定テーブルが参照され、RAM52に記憶された未判定の第一大当たり判定乱数によって、記憶された順に行われる。判定結果が大当たりであれば(S69:YES)、第一大当たり変動パターン決定処理において、遊技状態および判定結果に応じた変動パターンテーブルが参照されて変動パターンが決定されるが(S70)、詳細は後述する。さらに、特別図柄が決定される。具体的には、特別図柄決定テーブル(図5参照)によって、第一大当たりであることを示す第一特別図柄のうちの1つが、第一大当たり特別図柄決定乱数によって決定される(S71)。前述したように、第一大当たり判定の場合、長時間開放大当たりとなる割合は50%である。処理はS91へ移行する。判定結果がはずれであれば(S69:NO)、第一はずれ変動パターン決定処理において、遊技状態および判定結果に応じた変動パターンテーブルが参照されて変動パターンが決定されるが(S72)、詳細は後述する。処理はS91へ移行する。なお、はずれの場合の特別図柄は「−−」の1種類である。
また、第二特別図柄作動保留球が存在する場合には(S65:YES)、第二特別図柄作動保留球数が「1」減算され(S73)、確率変動状態中であるか否かに応じて第二大当たり判定が行われる(S74)。判定結果が大当たりであれば(S75:YES)、第二大当たり変動パターン決定処理によって、第二大当たりであることを示す変動パターンが決定されるが(S76)、詳細は後述する。さらに、第二大当たりであることを示す第二特別図柄が決定されて(S77)、処理はS91へ移行する。第二大当たり判定の場合、長時間開放大当たりとなる割合は100%である。判定結果が大当たりでなければ(S75:NO)、判定結果が小当たりであるか否かが判断される(S78)。判定結果が小当たりであれば(S78:YES)、小当たり変動パターン決定処理によって、小当たりであることを示す変動パターンが決定されるが(S79)、詳細は後述する。さらに、小当たりであることを示す小当たり特別図柄が決定されて(S80)、処理はS91へ移行する。判定結果がはずれであれば(S78:NO)、はずれを示す変動パターンが決定されて(S81)、処理はS91へ移行する。
図15を参照して、第二大当たり変動パターン決定処理(S76)について詳細に説明する。第二大当たり変動パターン決定処理は、第二大当り判定の判定結果が大当たりである場合に変動パターンを決定する処理である。まず、遊技状態が時短状態中であるか否かが判断される(S111)。時短状態中であれば(S111:YES)、後述するS131の処理(図16参照)でセットされる特殊変動カウンタの値が「0」であるか否かが判断される(S112)。特殊変動カウンタは、時短状態が生起されている間の特別図柄の変動であり、かつ、小当たり遊技の終了後の変動である小当たり特殊変動の変動回数を計数するために用いられるカウンタである。特殊変動カウンタの値が「0」でなければ(S112:YES)、小当たり特殊変動中であるので、参照される変動パターン決定テーブルとして特殊変動パターンテーブル(図8参照)がセットされる(S113)。セットされた特殊変動パターンテーブルが参照されて、第二大当りであることを示す変動パターンのうちの1つが第二変動パターン決定乱数によって決定される(S114)。遊技状態が時短状態中でない場合(S111:NO)、または、特殊変動カウンタの値が「0」の場合は(S112:NO)、参照される変動パターン決定テーブルとして第二特別図柄変動パターンテーブル(図7参照)がセットされる(S115)。セットされた第二特別図柄変動パターンテーブルが参照されて、第二大当りであることを示す変動パターンのうちの1つが第二変動パターン決定乱数によって決定される(S114)。なお、第二大当り判定の後に行われる、小当たり変動パターン決定処理および第二はずれ変動パターン決定処理の流れも同様となる(S79、S81、図14参照)。つまり、小当たり特殊変動中には、特殊変動パターンテーブルが参照されて、小当りまたははずれであることを示す変動パターンのうちの1つが決定される。小当たり特殊変動中でなければ、第二特別図柄変動パターンテーブルが参照されて、小当りまたははずれであることを示す変動パターンのうちの1つが決定される。また、第一大当たり判定の後に行われる第一大当たり変動パターン決定処理および第一はずれ変動パターン決定処理(S70、S72、図14参照)では、小当たり特殊変動中には、特殊変動パターンテーブルが参照されて、大当りまたははずれであることを示す変動パターンのうちの1つが決定される。小当たり特殊変動中でなければ、第一特別図柄変動パターンテーブル(図6参照)が参照されて、大当りまたははずれであることを示す変動パターンのうちの1つが決定される。
図14の説明に戻る。変動パターンが決定されると、決定された変動パターンを指定するための変動パターン指定コマンドが、RAM52に記憶される(S91)。変動パターン指定コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図9参照)において、サブ制御基板58に送信される。決定された変動パターンに応じて決められている特別図柄の変動時間が、タイマカウンタである特別図柄変動時間カウンタにセットされる(S92)。2つの特別図柄のいずれかが変動中であることを示す「1」が特別図柄表示状態フラグに記憶されて(S93)、処理はメイン処理へ戻る。
また、図13に示すS63の判断において、特別図柄表示状態フラグに「1」が記憶されており、2つの特別図柄のいずれかが変動中であると判断された場合には(S63:YES)、変動時間が経過したか否かが判断される(S94)。S92(図14参照)でセットされた特別図柄変動時間カウンタの値が「0」となっており、変動時間が経過したと判断された場合には(S94:YES)、RAM52に特別図柄停止コマンドが記憶される(S95)。このコマンドは、次のメイン処理においてサブ制御基板58および中継基板47に送信され、表示画面28のデモ図柄、および2つの特別図柄の変動停止を指示する。次いで、所定の特別図柄停止表示時間(例えば、0.5秒)が特別図柄停止時間カウンタに記憶される(S96)。2つの特別図柄のいずれかが停止表示中であることを示す「2」が特別図柄表示状態フラグに記憶されて(S97)、処理はメイン処理へ戻る。一方、S94の判断において、変動時間がまだ経過していないと判断された場合には(S94:NO)、処理はそのままメイン処理へ戻る。
また、S64の判断において、特別図柄表示状態フラグに「2」が記憶されており、2つの特別図柄のいずれかが停止表示中であると判断された場合には(S64:YES)、S96でセットされたカウンタの値によって、停止表示時間が経過したか否かが判断される(S98)。特別図柄停止時間カウンタの値が「0」でなく、停止表示時間がまだ経過していない場合には(S98:NO)、処理はそのままメイン処理へ戻る。停止表示時間が経過した場合には(S98:YES)、2つの特別図柄が共に変動中でも停止表示中でもないことを示す「0」が、特別図柄表示状態フラグに記憶される(S99)。次いで、遊技状態移行処理が行われて(S100)、処理はメイン処理へ戻る。
図16を参照して、遊技状態移行処理について詳細に説明する。遊技状態移行処理では、大当たりまたは小当たりと判定された場合に大当たり遊技または小当たり遊技へ移行させるためのフラグの制御と、所定の終了条件が成立した場合に時短状態および確率変動状態を終了させるためのフラグの制御とが行われる。まず、大当たり判定の結果が大当たりであるか否かが判断される(S121)。大当たりであれば(S121:YES)、大当たり遊技中であることを示す「1」が大当たり遊技状態フラグに記憶されて「ON」とされる(S122)。本実施形態では、大当たり遊技のラウンド数は6ラウンドである。よって、ラウンド数を計数するラウンド数カウンタに「6」がセットされる(S123)。前述したように、ラウンド数とは、1回の当たり遊技中にアタッカー16,17が開閉される回数の合計である。大当たり遊技を開始させることを示す大当たり遊技開始コマンドが、RAM52に記憶される(S124)。大当たり判定回数計数カウンタの値がクリアされる(S125)。大当たり判定回数計数カウンタは、前回の大当たり遊技の終了後に行われた大当たり判定の回数(連続してはずれと判定された回数)を計数するカウンタである。時短フラグおよび確率変動フラグが共に「OFF」とされる(S126、S127)。次いで、後述するS133の処理でセットされる特殊変動カウンタの値がクリアされて「0」とされ(S128)、処理は特別図柄処理へ戻る。
大当たり判定の結果が大当たりでなければ(S121:NO)、大当たり判定の結果が小当たりであるか否かが判断される(S129)。小当たりであれば(S129:YES)、小当たり遊技中であることを示す「1」が小当たり遊技状態フラグに記憶されて「ON」とされる(S130)。本実施形態では、小当たり遊技のラウンド数は1ラウンドである。よって、ラウンド数カウンタに「1」がセットされる(S131)。次いで、遊技状態が時短状態中であるか否かが判断される(S132)。時短状態中であれば(S132:YES)、特殊変動カウンタに「4」がセットされ(S133)、処理はS136へ移行する。前述したように、特殊変動カウンタは、小当たり特殊変動の変動回数を計数するために用いられるカウンタである。特殊変動カウンタの値が「0」でなければ、小当たり特殊変動中である。時短状態中でなければ(S132:NO)、処理はS134の判断に移行する。また、大当たり判定の結果がはずれである場合も(S129:NO)、処理はS134の判断に移行する。S134の判断において、特殊変動カウンタの値が0でなければ(S134:YES)、特殊変動カウンタの値が「1」減算される(S135)。特殊変動カウンタの値が「0」となっていれば(S134:NO)、処理はそのままS136へ移行する。S136の処理では、大当たり判定回数計数カウンタの値に「1」が加算される。なお、S136の処理は、「通常状態」中には実行しなくてもよい。
次いで、大当たり判定回数計数カウンタの値によって、判定回数が100回に達したか否かが判断される(S137)。100回に達していなければ(S137:NO)、処理はそのまま特別図柄処理へ戻る。100回に達した場合には(S137:YES)、時短フラグおよび確率変動フラグが共に「OFF」とされて(S138、S139)、処理は特別図柄処理へ戻る。つまり、確率変動時短状態、確率変動非時短状態、または非確率変動時短状態が、通常状態へ移行する。
図17を参照して、特別電動役物処理(S13、図9参照)の詳細について説明する。まず、特別電動役物処理で使用されるフラグについて説明する。ここで使用される主なフラグとして、開放中フラグ、および処理待機中フラグがある。開放中フラグは、通常アタッカー16およびVアタッカー17のいずれかが開放されているか否かを示すフラグであり、いずれかの開放中に「1」が記憶されて「ON」とされ、いずれも閉鎖されている場合には「OFF」とされる。処理待機中フラグは、通常アタッカー16およびVアタッカー17のいずれかが閉鎖されてから次の処理が行われるまでの待機時間中であるか否かを示すフラグであり、待機時間中には「1」が記憶されて「ON」とされる。
図17に示すように、特別電動役物処理が開始されると、大当たり遊技状態または小当たり遊技状態であるか否かが判断される(S141)。大当たり遊技状態フラグおよび小当たり遊技状態フラグのいずれも「OFF」とされている場合には(S141:NO)、処理はそのままメイン処理へ戻る。一方、大当たり遊技状態フラグまたは小当たり遊技状態フラグのいずれかが「ON」とされていれば(S141:YES)、処理待機中フラグによって、通常アタッカー16およびVアタッカー17に関する次の処理が行われるまでの待機時間中であるか否かが判断される(S142)。処理待機中フラグが「OFF」であり、待機時間中でないと判断された場合には(S142:NO)、通常アタッカー16およびVアタッカー17のいずれかが開放されているか否かが判断される(S143)。開放中フラグが「OFF」であり、通常アタッカー16およびVアタッカー17がいずれも閉鎖中である場合には(S143:NO)、作動パターン設定処理が行われる(S144)。
作動パターン設定処理では、大当たり遊技および小当たり遊技のいずれの実行中であるかに応じて、通常アタッカー16およびVアタッカー17のいずれかを開放させる処理が行われる。S141の判断において、大当たり遊技状態であると判断された場合には、1回の大当たり遊技における最終ラウンドであるか否かが判断される。最終ラウンドでなければ、通常アタッカー16が開放される(最大開放時間20秒)。最終ラウンドである場合は、Vアタッカー17を開放させる処理が行われる。大当たりの種別が長時間開放大当たりである場合には、Vアタッカー17は長時間開放パターン(最大開放時間13秒)で開閉される。また、大当たりの種別が短時間開放大当たりである場合には、Vアタッカー17は短時間開放パターン(最大開放時間0.3秒)で開閉される。なお、本実施形態では、大当たり遊技のラウンド数は6ラウンドである。一方、S141の判断において、小当たり遊技状態であると判断された場合には、通常アタッカー16が最大開放時間1.6秒で開放される。本実施形態では、小当たり遊技のラウンド数は1ラウンドである。いずれのアタッカーの開放においても、開放中フラグが「ON」とされ(S145)、処理はS146の判断へ移行する。
次いで、開放しているアタッカー16,17へ入賞した遊技球の数が「9」以上であるか否かが判断される(S146)。1回の開放動作中(1回のラウンド中)にアタッカー16,17に入賞した遊技球の個数は、スイッチ読込処理(S11、図9参照)において計数されている。入賞球数が「9」以上でなければ(S146:NO)、最大開放時間が経過したか否かが判断される(S147)。最大開放時間が経過していなければ(S147:NO)、処理はそのままメイン処理へ戻る。その後に行われる特別電動役物処理で、大当たり遊技状態であり(S141:YES)、待機時間中でなく(S142:NO)、アタッカー16,17が開放中である場合には(S143:YES)、アタッカー16,17に9個以上の遊技球が入賞するか、若しくは最大開放時間が経過するまで、これらの判断が繰り返し行われる(S146:NO、S147:NO)。
9個以上の遊技球が入賞するか(S146:YES)、若しくは最大開放時間が経過した場合には(S147:YES)、開放している通常アタッカー16またはVアタッカー17を閉鎖させるための閉鎖コマンドが、RAM52に記憶される(S148)。所定の待機時間が処理待機時間カウンタに記憶される(S149)。開放中フラグが「OFF」とされる(S150)。待機時間中であることを示す「1」が処理待機中フラグに記憶されて「ON」とされ(S151)、処理はメイン処理へ戻る。
処理待機中フラグが「ON」である場合には(S142:YES)、処理待機時間カウンタの値によって、待機時間が経過したか否かが判断される(S161)。カウンタの値が「0」でなく、待機時間の計測中であれば(S161:NO)、処理はそのままメイン処理へ戻る。繰り返しメイン処理が行われる中で時間が経過し、待機時間が経過すると(S161:YES)、処理待機中フラグが「OFF」とされる(S162)。
次いで、ラウンド数カウンタの値が「1」減算されて(S163)、ラウンド数カウンタの値が「0」であるか否かが判断される(S164)。ラウンド数カウンタの値が「0」でなく、決められたラウンド数が消化されていないと判断された場合には(S164:NO)、処理はメイン処理に戻り、次回以降の特別電動役物処理で再びアタッカー16,17の開閉動作が行われる。ラウンド数カウンタの値が「0」となっており、決められたラウンド数が消化された場合には(S164:YES)、当たり遊技を終了させるために、大当たり遊技状態フラグおよび小当たり遊技フラグのいずれも「OFF」とされる(S165)。さらに、終了させた当たり遊技が大当たり遊技であったか否かが判断される(S166)。終了させた当たり遊技が小当たり遊技であった場合には(S166:NO)、処理はそのままメイン処理に戻る。終了させた当たり遊技が大当たり遊技であった場合には(S166:YES)、大当たり遊技が終了したことを示す大当たり遊技終了コマンドが、RAM52に記憶される(S167)。
次いで、大当たり遊技中にVアタッカー17内の特定領域を遊技球が通過したか否かが判断される(S168)。特定領域を通過した遊技球を特定領域スイッチ76(図3参照)が検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図9参照)において、特定領域スイッチ76に対応するフラグが「ON」とされる。このフラグが「ON」とされていれば(S168:YES)、確率変動フラグが「ON」とされて(S169)、処理はS170の判断へ移行する。遊技球が特定領域を通過していなければ(S168:NO)、確率変動フラグは「OFF」とされたまま、処理はS170の判断へ移行する。
次いで、大当たり遊技の種類が長時間開放大当たりであったか否かが判断される(S170)。長時間開放大当たりであれば(S170:YES)、時短状態を生起させるために時短フラグが「ON」とされて(S171)、処理は特別電動役物処理へ戻る。短時間開放大当たりであれば(S170:NO)、時短フラグは「OFF」とされたまま、処理は特別電動役物処理へ戻る。
図18から図31を参照して、サブ制御基板58が実行するサブ制御基板処理について説明する。サブ制御基板処理では、主基板41から送信されるコマンドに従って、表示画面28、演出装置10、スピーカ48等による演出を制御する処理が行われる。サブ制御基板処理は、ROM583に記憶されているプログラムに従って、CPU581において実行される。
サブ制御基板処理で使用されるフラグについて説明する。RAM582には、普通図柄変動中フラグ、大当たり遊技演出実行フラグ、大入賞口開放期間算出フラグ、重複開放判断フラグ等が記憶されている。普通図柄変動中フラグは、普通図柄が変動中であることを示すフラグであり、普通図柄変動中に「1」が記憶されて「ON」となり、普通図柄停止表示中に「0」が記憶されて「OFF」となる。大当たり遊技演出実行フラグは、大当たり遊技演出が実行されていることを示すフラグである。大当たり遊技演出実行フラグは、大当たり遊技演出実行中に「1」が記憶されて「ON」となり、大当たり遊技演出が実行されていない場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。大入賞口開放期間算出フラグは、第一重複開放判断処理(S195)において、アタッカー16,17が開放する期間である大入賞口開放期間が既に算出され記憶されていることを示すフラグである。大入賞口開放期間算出フラグは、開放期間が算出され記憶されている場合に「1」が記憶されて「ON」となり、開放期間が算出され記憶されていない場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。重複開放判断フラグは、第一重複開放判断処理(S195)または第二重複開放判断処理(S183)において、第二特別図柄始動電動役物15の開放とアタッカー16,17の開放とが重複することの判断がなされたことを示すフラグである。重複開放判断フラグは、重複開放することが判断された場合に「1」が記憶されて「ON」となり、重複開放することが判断されていない場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。
図18に示すように、サブ制御基板処理が開始されると、主基板41から普通当たり乱数先読みコマンドを受信したか否かが判断される(S181)。前述したように、普通当たり乱数先読みコマンドは、取得された普通当たり乱数から得られる先読み情報を通知するコマンドである。受信した場合には(S181:YES)、普通当たり乱数についての情報の先読みが行われた結果についての情報である普通当たり先読み情報が、通知順にRAM582に記憶される(S182)。次いで、第二重複開放判断処理が実行されて(S183)、処理はS184の判断へ移行する。第二重複開放判断処理は、第二特別図柄始動電動役物15の開放とアタッカー16,17の開放とが重複するか否かを判断する処理である。第二重複開放判断処理の詳細については後述する。なお、後述する第一重複開放判断処理および第二重複開放判断処理では、普通当たり先読み情報が参照される場合がある。第一重複開放判断処理および第二重複開放判断処理を時短状態中にのみ行う場合には、主基板41からの普通当たり乱数先読みコマンドの送信を、時短状態中のみ行うこととしてもよい。
主基板41から普通当たり乱数先読みコマンドを受信していなければ(S181:NO)、大当たり乱数先読みコマンドを受信したか否かが判断される(S184)。前述したように、大当たり乱数先読みコマンドは、取得された大当たり乱数から得られる先読み情報を通知するコマンドである。ここで、大当たり乱数先読みコマンドには、第一大当たり乱数先読みコマンドと第二大当たり乱数先読みコマンドとが含まれる。大当たり乱数先読みコマンドを受信した場合(S184:YES)、大当たり乱数についての情報の先読みが行われた結果についての情報である大当たり先読み情報が、通知順にRAM582に記憶され(S185)、処理はS186の判断へ移行する。なお、大当たり先読み情報は、後述する第一重複開放判断処理、特別演出実行処理、および、報知演出開始処理で参照される。これらの処理を時短状態中にのみ行う場合には、主基板41からの大当たり乱数先読みコマンドの送信を、時短状態中のみ行うこととしてもよい。
主基板41から大当たり乱数先読みコマンドを受信していなければ(S184:NO)、普通当たり判定結果通知コマンドを受信したか否かが判断される(S186)。受信した場合(S186:YES)、普通図柄が変動中であるか否かを示す普通図柄変動中フラグが「ON」とされる(S187)。次いで、普通図柄の変動時間を計るために使用されるRAM582の普通図柄変動時間カウンタに普通図柄の変動時間が記憶され、記憶された普通図柄変動時間カウンタの減算が開始される(S188)。本実施形態では、普通図柄の変動時間は、時短状態中であるか否かに応じてあらかじめ決められている(非時短状態中10秒、時短状態中2秒)。その後、処理はS189の判断に移行する。
主基板41から普通当たり判定結果通知コマンドを受信していなければ(S186:NO)、普通図柄停止コマンドを受信したか否かが判断される(S189)。受信した場合(S189:YES)、普通図柄変動中フラグが「OFF」とされ(S190)、処理はS191の判断へ移行する。
主基板41から普通図柄停止コマンドを受信していなければ(S189:NO)、特別図柄変動パターン決定乱数先読みコマンドを受信したか否かが判断される(S191)。前述したように、特別図柄変動パターン決定乱数先読みコマンドは、取得された特別図柄変動パターン決定乱数から得られる先読み情報を通知するコマンドである。ここで、特別図柄変動パターン決定乱数先読みコマンドには、第一特別図柄変動パターン決定乱数先読みコマンドと第二特別図柄変動パターン決定乱数先読みコマンドとが含まれる。特別図柄変動パターン決定乱数先読みコマンドを受信した場合(S191:YES)、先読みした特別図柄変動パターン決定乱数についての情報の先読みが行われた結果についての情報である特別図柄変動パターン先読み情報が、通知順にRAM582に記憶され(S192)、処理はS193の判断に移行する。なお、特別図柄変動パターン先読み情報は、後述する第一重複開放判断処理において参照される。第一重複開放判断処理を時短状態中にのみ行う場合には、主基板41からの特別図柄変動パターン決定乱数先読みコマンドの送信を、時短状態中のみ行うこととしてもよい。
主基板41から特別図柄変動パターン決定乱数先読みコマンドを受信していなければ(S191:NO)、変動パターン指定コマンドを受信したか否かが判断される(S193)。受信した場合(S193:YES)、報知演出を制御するための報知演出開始処理が実行される(S194)。次いで、第一重複開放判断処理が実行されて(S195)、処理はS196(図19参照)の判断に移行する。第一重複開放判断処理は、第二特別図柄始動電動役物15の開放とアタッカー16,17の開放とが重複するか否かを判断する処理である。報知演出開始処理および第一重複開放判断処理の詳細については後述する。
主基板41から変動パターン指定コマンドを受信していなければ(S193:NO)、特別図柄停止コマンドを受信したか否かが判断される(S196、図19参照)。受信した場合(S196:YES)、大当たり判定の結果を示すデモ図柄(第一デモ図柄81および第二デモ図柄82)の組合せが確定表示されて報知演出が終了し(S197)、処理はS198の判断へ移行する。なお、サブ制御基板処理では、大当たり遊技中の演出を制御する処理、エラーを報知する処理等の他の処理も実行されるが、これらの説明は省略する。
主基板41から特別図柄停止コマンドを受信していなければ(S196:NO)、大当たり遊技開始コマンドを受信したか否かが判断される(S198)。受信した場合(S198:YES)、大当たり遊技演出実行フラグが「ON」とされる(S199)。次いで、大当たり遊技中の演出を開始させる処理が行われて(S200)、処理はS201へ移行する。
主基板41から大当たり遊技開始コマンドを受信していなければ(S198:NO)、特別演出実行処理が実行される(S201)。特別演出実行処理は、大当たり遊技中に第二特別図柄始動電動役物15へ遊技球が入賞することを契機として、特別図柄作動保留球の先読み情報に応じた先読み演出である特別演出を実行させる処理である。その後、処理はS202の判断に移行する。特別演出実行処理の詳細については後述する。
次いで、主基板41から大当たり遊技終了コマンドを受信したか否かが判断される(S202)。受信していなければ(S202:NO)、処理はサブ制御基板処理へ戻る。大当たり遊技終了コマンドを受信した場合(S202:YES)、大当たり遊技演出実行フラグが「OFF」とされる(S203)。次いで、大入賞口開放期間算出フラグおよび重複開放判断フラグがともに「OFF」とされる(S204)。次いで、大入賞口開放期間および普通電動役物開放期間がクリアされて(S205)、処理はサブ制御基板処理へ戻る。
図20および図21を参照して、第一重複開放判断処理(S195、図18参照)について詳細に説明する。第一重複開放判断処理では、アタッカー16,17が開放される期間と第二特別図柄始動電動役物15が開放される期間とを算出し、双方の期間が重複するか否かが判断される。一定の期間以上重複開放する場合には、重複開放する旨を告知する演出である重複開放演出を実行させる。
図20を参照して、アタッカー16,17が開放される期間である大入賞口開放期間の算出について説明する。第一重複開放判断処理が開始されると、遊技状態が時短状態中であるか否かが判断される(S211)。アタッカー16,17と第二特別図柄始動電動役物15とが一定の期間以上重複開放するのは、普通当たり遊技中の第二特別図柄始動電動役物15の開放時間が大幅に長くなる時短状態中だからである(本実施形態では、非時短状態中0.2秒、時短状態中5.8秒)。ただし、非時短状態中においても重複開放するか否かを判断して、判断結果の告知を行うこともできる。この場合には、S211の判断を行わなければよい。CPU581は、主基板41から送信される情報により、遊技状態が時短状態中であるか否かを判断する。遊技状態が時短状態中でなければ(S211:NO)、処理はそのままサブ制御基板処理へ戻る。
遊技状態が時短状態中であれば(S211:YES)、大入賞口開放期間算出フラグが「ON」とされているか否かが判断される(S212)。大入賞口開放期間算出フラグが「ON」とされており、既に大入賞口開放期間が算出されていると判断された場合には(S212:YES)、処理はそのままサブ制御基板処理へ戻る。
大入賞口開放期間算出フラグが「OFF」とされており、まだ大入賞口開放期間が算出されていない場合には(S212:NO)、変動パターンが指定された特別図柄の変動が、大当たり変動パターンに応じて実行される変動であるか否かが判断される(S213)。大当たり変動パターンに応じて実行される変動である場合には(S213:YES)、変動パターン決定乱数に対応する大当たり変動パターンにおける特別図柄の変動時間が、RAM582に記憶される(S214)。その後、大入賞口開放期間が算出される(S215)。CPU581は、現時点からアタッカー16,17が開放するまでにかかる時間を算出することで、大入賞口開放期間を算出することができる。具体的には、S214で記憶した特別図柄の変動時間が経過した後に、大当たり遊技が実行される。大当たり遊技が実行されると、アタッカー16,17が開放される。つまり、記憶した特別図柄の変動時間が経過すると、大当たり遊技における1ラウンド目の大入賞口の開放として、通常アタッカー16が最大開放時間20秒で開放される。従って、現時点から通常アタッカー16が開放するまでにかかる時間は、S214で記憶された特別図柄の変動時間であると算出することができる。特別図柄の変動停止を示す特別図柄停止表示時間が決められている場合には、現時点から通常アタッカー16が開放するまでにかかる時間を算出する際に、所定の特別図柄停止表示時間(本実施形態では0.5秒)を加えればよい。また、大当たり遊技状態突入から通常アタッカー16が開放されるまでに一定の待機時間(所謂大当たりオープニング時間)が設けられている場合がある。この場合には、大当たりオープニング時間も加えて現時点から通常アタッカー16が開放するまでの時間を算出することにより、正確な大入賞口開放期間を算出することができる。大当たりオープニング時間が、大当たり判定における特別図柄の組合せによって異なる場合がある。この場合には、特別図柄決定乱数に対応する大当たりオープニング時間をRAM582に記憶することによって、現時点から通常アタッカー16が開放するまでの期間を正確に算出することができる。算出された大入賞口開放期間については、RAM582に記憶される。次いで、大入賞口開放期間算出フラグが「ON」とされる(S216)。
変動パターンが指定された特別図柄の変動が、はずれ変動パターンに応じて実行される変動である場合には(S213:NO)、変動パターン決定乱数に対応するはずれ変動パターンにおける特別図柄の変動時間が、RAM582に記憶される(S217)。特別図柄作動保留球数が記憶された順番を示すNの値が「1」とされる(S218)。次いで、特別図柄作動保留球数がN以上であるか否かが判断される(S219)。特別図柄作動保留球数の数がN未満である場合には、処理はそのままサブ制御基板処理へ戻る(S219:NO)。特別図柄作動保留球数がN以上であれば(S219:YES)、RAM582に記憶されている特別図柄作動保留球の大当たり先読み情報のうち、N個目の特別図柄作動保留球に対応する大当たり先読み情報がロードされる(S220)。次いで、ロードされた大当たり先読み情報が大当たりを示す情報であるか否かが判断される(S221)。大当たり先読み情報が大当たりを示す情報である場合には(S221:YES)、RAM582に記憶されている特別図柄作動保留球の特別図柄変動パターン先読み情報のうち、N個目の特別図柄作動保留球に対応する特別図柄変動パターン先読み情報がロードされる(S222)。次いで、処理はS215に移行する。特別図柄変動パターン先読み情報からは、特別図柄変動パターン先読み情報に対応する大当たり変動パターンについての情報を取得することができる。よって、N個目の特別図柄作動保留球についての特別図柄変動時間を算出することができる。従って、S217の処理で記憶されたはずれ変動パターンにおける特別図柄の変動時間と、S222の処理で算出される特別図柄作動保留球の特別図柄変動時間とを合算することで、CPU581は、S215の処理において大入賞口開放期間を算出することができる。算出された大入賞口開放期間についてはRAM582に記憶される。次いで、大入賞口開放期間算出フラグが「ON」とされる(S216)。
S221の判断において、大当たり先読み情報がはずれを示す情報である場合には(S221:NO)、CPU581は、特別図柄変動パターン先読み情報に対応するはずれ変動パターンについての情報を取得することで、はずれ変動の特別図柄変動時間を算出する。算出された、N個目の特別図柄作動保留球についての特別図柄変動時間は、RAM582に記憶される(S223)。特別図柄作動保留球数が記憶された順番を示すNの値に「1」が加算されて(S224)、処理はS219の判断に戻る。以降は前述した流れと同様に、N個目の特別図柄作動保留球についての大当たり先読み情報が大当たりを示す情報であると判断されるか(S221:YES)、判断される特別図柄作動保留球がなくなるまで(S219:NO)、S219からS224の処理が繰り返される。S215の処理では、S217で記憶されたはずれ変動の特別図柄変動時間と、S223で記憶された特別図柄変動パターン先読み情報に対応するはずれ変動の特別図柄変動時間の累計と、S222で算出されるN個目の特別図柄作動保留球についての特別図柄変動パターン先読み情報に対応する大当たり変動の特別図柄変動時間とが合算される。これにより、CPU581は、S215の処理において大入賞口開放期間を算出することができる。大入賞口開放期間算出フラグが「ON」とされて(S216)、処理はS225の判断に移行する(図21参照)。
図21を参照して、第二特別図柄始動電動役物15が開放される期間である普通電動役物開放期間の算出について説明する。まず、普通図柄変動中フラグが「ON」であるか否かが判断される(S225)。普通図柄変動中フラグが「OFF」である場合には(S225:NO)、処理はそのままサブ制御基板処理に戻る。普通図柄変動中フラグが「ON」である場合は(S225:YES)、普通図柄作動保留球数が記憶された順番を示すPの値が「1」とされる(S226)。次いで、S188(図18参照)において普通当たり判定結果通知コマンドの受信を契機に減算が開始されている普通図柄変動時間カウンタの値から、変動が開始されている普通図柄変動の残り変動時間が算出され、RAM582に記憶される(S227)。次いで、変動中の普通図柄の変動が普通当たり変動であるか否かが判断される(S228)。普通当たり変動である場合には(S228:YES)、普通電動役物開放期間が算出され、記憶される(S229)。具体的には、現時点から普通図柄変動の残り変動時間が経過した後に、普通当たり遊技が実行される。普通当たり遊技が実行されると、第二特別図柄始動電動役物15が開放される。つまり、普通図柄変動の残り変動時間が経過すると、普通当たり遊技における普通電動役物の開放として、第二特別図柄始動電動役物15が最大開放時間5.8秒で開放される。従って、現時点から第二特別図柄始動電動役物15が開放するまでにかかる時間は、S227で記憶された普通図柄変動の残り変動時間であると算出することができる。普通図柄の変動停止を示す普通図柄停止表示時間が決められている場合には、現時点から第二特別図柄始動電動役物15が開放するまでにかかる時間を算出する際に、所定の普通図柄停止表示時間(本実施形態では0.6秒)を加えればよい。
変動中の普通図柄の変動が普通当たり変動でない場合には(S228:NO)、普通図柄作動保留球数がP以上であるか否かが判断される(S235)。普通図柄作動保留球数の数がP未満である場合には、処理はそのままサブ制御基板処理へ戻る(S235:NO)。普通図柄作動保留球数がP以上であれば(S235:YES)、RAM582に記憶されている普通図柄作動保留球の普通当たり先読み情報のうち、P個目の普通図柄作動保留球に対応する普通当たり先読み情報がロードされる(S236)。次いで、ロードされた普通当たり先読み情報が普通当たりを示す情報であるか否かが判断される(S237)。普通当たり先読み情報が普通当たりを示す情報である場合には(S237:YES)、1回分の普通図柄変動時間(本実施形態では、時短状態中2秒)が、RAM582に記憶される(S238)。次いで、普通図柄作動保留球数が記憶された順番を示すPの値に「1」が加算された後(S239)、普通電動役物開放期間が算出される(S229)。S227の処理で記憶された普通図柄変動の残り変動時間と、S238の処理で記憶されたP回分の普通図柄変動時間とを合算することで、CPU581は、S229の処理において普通電動役物開放期間を算出することができる。
S237の判断において、普通当たり先読み情報が普通当たりでないことを示す情報である場合には(S237:NO)、普通図柄作動保留球数が記憶された順番を示すPの値に「1」が加算されて(S240)、処理はS235の判断に戻る。以降は前述した流れと同様に、P個目の普通図柄作動保留球についての普通当たり先読み情報が普通当たりを示す情報であると判断されるか(S237:YES)、判断される普通図柄作動保留球がなくなるまで(S235:NO)、処理が繰り返される。
普通電動役物開放期間が算出されると(S229)、前述した大入賞口開放期間と普通電動役物開放期間との、双方の期間が重複するか否かが判断される(S230)。双方の期間が重複する場合には、重複する期間が3秒以上であるか否かが判断される(S231)。双方の期間が3秒以上重複する場合には(S231:YES)、重複開放する旨を告知する重複開放演出が表示画面28において開始される(S232)。その後、重複開放判断フラグが「ON」とされ(S233)、処理はサブ制御基板処理へ戻る。双方の期間が重複しない場合および双方の期間が重複するが重複機関が3秒未満である場合には(S231:NO)、普通図柄作動保留球について普通電動役物開放期間を新たに算出するため、処理はS234へ移行する。
S234の処理では、S227の処理において記憶された普通図柄変動の残り変動時間に、第二特別図柄始動電動役物15の開放時間である普通電動役物開放時間(本実施形態では、時短状態中5.8秒)が加算されてRAM582に記憶される。第二特別図柄始動電動役物15の閉鎖後に入賞有効時間が設けられている場合には、入賞有効時間も普通図柄変動の残り変動時間に加算する。入賞有効時間とは、第二始動スイッチ73による遊技球の検知を有効とする時間であり、第二特別図柄始動電動役物15が閉鎖した後、さらに入賞有効時間が経過してから、次の普通図柄作動保留球についての普通図柄の変動が開始される。その後、処理はS235の判断に移行する。以降は前述した流れと同様に、P個目の普通図柄作動保留球についての普通当たり先読み情報が普通当たりを示す情報であると判断されるか(S237:YES)、判断される普通図柄作動保留球がなくなるまで(S235:NO)、処理が繰り返される。普通当たり先読み情報が普通当たりを示す情報であると判断された場合には(S237:YES)、普通電動役物開放期間が新たに算出される(S229)。具体的には、S229の処理において記憶された普通電動役物開放時間が加算された普通図柄変動の残り変動時間と、S238で記憶された先読み情報に対応するP回分の普通図柄変動時間の累計とが合算される。この処理によって、CPU581は、普通電動役物開放期間を新たに算出することができる。なお、S229の処理において算出された第二特別図柄始動電動役物15が開放されるまでにかかる時間は、最初に算出された時点からの時間の経過に応じて、徐々に減算される。その後、処理はS230へ移行する。
なお、第一重複開放判断処理では、大入賞口開放期間の算出において、小当り遊技における通常アタッカー16と第二特別図柄始動電動役物15とが重複開放される期間を算出することもできる。この場合には、S213からS215までの処理における、「大当たり」であることによってなされる処理を「小当たり」についても同様に処理を行う。大入賞口開放期間の算出において、小当り遊技について重複開放される期間を算出しない場合には、S213からS215までの処理における、「大当たり」でないことによってなされる処理を「小当たり」について同様に処理を行う。
本実施形態における大当たり判定では、第二大当たり判定が第一大当たり判定よりも優先して行われる(図14参照)。よって、時短状態中に第二大当たり判定が行われる頻度は、第一大当たり判定が行われる頻度よりも高くなる。従って、時短状態中に主基板41から送信される大当たり先読みコマンドを、第二特別図柄作動保留球についての第二大当たり乱数先読みコマンドのみとしてもよい。特別図柄変動パターン決定乱数先読みコマンドについても同様に、時短状態中には第二特別図柄変動パターン決定乱数先読みコマンドのみが主基板41から送信されることとしてもよい。また、第一特別図柄作動保留球および第二特別図柄作動保留球の双方から入賞順に大当たり判定を実行しても、本発明は実現できる。この場合には、時短状態中においても、第一特別図柄作動保留球および第二特別図柄作動保留球のすべてから大当たり先読み情報および特別図柄変動パターン先読み情報を得ることで、より早い段階で重複開放演出を行うことができる。
図22を参照して、第二重複開放判断処理(S183、図18参照)について詳細に説明する。第一重複開放判断処理では、大入賞口開放期間は算出されても、普通電動役物開放期間の算出がされず、重複開放についての判断がなされない場合がある。普通図柄が変動中でない場合や、変動中の普通図柄(普通図柄作動保留球を有する場合には、普通図柄作動保留球についての普通当たり先読み情報)がはずれ変動である場合がこれに該当する。また、普通電動役物開放期間の算出はされたが、重複開放しないと判断される場合もある(S225、図21参照)。このような場合に、第二重複開放判断処理では、新たな普通当たり先読みコマンドを主基板41から受信することを契機として、普通電動役物開放期間が算出され、重複開放するか否かが判断される。
第二重複開放判断処理が開始されると、大入賞口開放期間算出フラグが「ON」であるか否かが判断される(S251)。大入賞口開放期間算出フラグが「OFF」とされており、まだ大入賞口開放期間が算出されていない場合には(S251:NO)、処理はそのままサブ制御基板処理に戻る。大入賞口開放期間フラグが「ON」とされており、既に大入賞口開放期間が算出されていると判断された場合には(S251:YES)、重複開放判断フラグが「ON」であるか否かが判断される(S252)。重複開放判断フラグが「ON」とされており、既に第一重複開放判断処理または第二重複開放判断処理において重複開放することが判断されている場合には(S252:YES)、処理はそのままサブ制御基板処理に戻る。重複開放判断フラグが「OFF」とされており、まだ重複開放することが判断されていない場合には(S252:NO)、処理はS253へ移行する。S253の処理では、第一重複開放判断処理におけるS229(図21参照)の処理において算出された普通電動役物開放期間に、新たに変動を開始する普通図柄の変動時間(本実施形態では、時短状態中2秒)が加算され、RAM582に記憶される。なお、第一重複開放判断処理において普通電動役物開放期間を算出していない場合は、新たに変動を開始する普通図柄の変動時間(本実施形態では、時短状態中2秒)が、そのまま普通電動役物開放期間としてRAM582に記憶される。第一重複開放判断処理において算出された普通電動役物開放期間が既に経過している場合も、同様に新たに変動を開始する普通図柄の変動時間が、そのまま普通電動役物開放期間としてRAM582に記憶される。
次いで、普通当たり判定結果または新たな普通図柄作動保留球についての先読み情報がロードされる(S254)。具体的には、普通図柄作動保留球を有していない状態で、新たな普通当たり先読みコマンドを主基板41から受信した場合には、普通当たり判定結果が取得される。また、普通図柄作動保留球を有している状態で、新たな普通当たり先読みコマンドを主基板41から受信した場合には、新たな普通図柄作動保留球についての普通当たり先読み情報が取得される。次いで、S254の処理において取得された普通当たり判定結果または普通当たり先読み情報が、普通当たりまたは普通当たりを示す情報であるか否かが判断される(S255)。普通当たりまたは普通当たりを示す情報でない場合には(S255:NO)、処理はそのままサブ制御基板処理に戻る。普通当たりまたは普通当たりを示す情報である場合には(S255:YES)、前述した大入賞口開放期間と普通電動役物開放期間との、双方の期間が重複するか否かが判断される(S256)。双方の期間が重複する場合には、重複する期間が3秒以上であるか否かが判断される(S257)。双方の期間が3秒以上重複する場合には(S257:YES)、重複開放する旨を告知する重複開放演出が表示画面28において開始される(S258)。その後、重複開放判断フラグが「ON」とされ(S259)、処理はサブ制御基板処理へ戻る。双方の期間が重複しない場合、および双方の期間が重複するが重複期間が3秒未満である場合には(S257:NO)、普通電動役物開放期間に、第二特別図柄始動電動役物15の開放時間である普通電動役物開放時間(本実施形態では、時短状態中5.8秒)が加算されてRAM582に記憶される(S260)。前述したように、第二特別図柄始動電動役物15の閉鎖後に入賞有効時間が設けられている場合には、入賞有効時間も普通図柄変動の残り変動時間に加算する。その後、処理はサブ制御基板処理へ戻る。
図23および図24を参照して、重複開放判断処理で判断される重複開放期間の概要を説明する。まず、主基板41から変動パターン指定コマンドを受信することを契機として、特別図柄は変動を開始する。図23は、大当たり変動が開始された場合を示す。この場合、大当たり変動の特別図柄変動時間と所定の特別図柄停止表示時間とが経過すると、大当たり遊技が開始され、大当たり遊技における1ラウンド目の大入賞口の開放として、通常アタッカー16が最大開放時間20秒で開放される。従って、特別図柄が大当たり変動を開始した現時点から通常アタッカー16が開放するまでにかかる時間を算出することで、大入賞口開放期間がいつから開始されるかを算出することができる。一方、現時点において普通図柄が変動中である場合には、普通電動役物開放期間を算出することができる。図23は、現時点で普通図柄が普通当たり変動をしている場合を示す。普通図柄の残り変動時間と所定の普通図柄停止表示時間とが経過すると、普通当たり遊技が開始され、普通当たり遊技における普通電動役物の開放として、第二特別図柄始動電動役物15が最大開放時間5.8秒で開放される。従って、普通図柄が現時点において普通当たり変動をしている場合には、現時点から第二特別図柄始動電動役物15が開放するまでにかかる時間を算出することで、普通電動役物開放期間がいつから開始されるかを算出することができる。算出された大入賞口開放期間と普通電動役物開放期間とが重複する期間が、重複開放期間となる。なお、本実施形態では、重複開放期間が3秒以上ある場合に、重複開放する旨を告知する重複開放演出が実行される。この時間は、通常アタッカー16の開放と重複して開放する第二特別図柄始動電動役物15に、複数の遊技球が入賞することが見込まれる時間として設定されている。遊技球が1個でも第二特別図柄始動電動役物15に入賞する可能性がある場合に告知を行うのであれば、重複開放期間が一瞬でも生じれば重複開放演出を実行することとすればよい。より確実に、第二特別図柄始動電動役物15に複数の遊技球が入賞することが見込まれる場合に告知を行うのであれば、第二特別図柄始動電動役物15の開放期間(本実施形態では、時短状態中5.8秒)を上限として、3秒よりも長い時間を設定してもよい。
図24は、現時点に開始された特別図柄の変動において、はずれ変動が開始された場合を示す。この場合は、次変動の特別図柄作動保留球に基づく大当たり先読み情報が、大当たりを示す情報であるか否かが判断される。次変動の特別図柄作動保留球に基づく大当たり先読み情報が大当たりを示す情報である場合には、特別図柄変動パターン先読み情報に基づいて特別図柄変動時間が算出される。よって、一変動目のはずれ変動の特別図柄変動時間と、次変動の先読み大当たり変動の特別図柄変動時間および双方の特別図柄停止表示時間とが経過すると、大当たり遊技が開始される。大当たり遊技が開始されると、大当たり遊技における1ラウンド目の大入賞口の開放として、通常アタッカー16が最大開放時間20秒で開放される。従って、特別図柄がはずれ変動を開始した現時点から通常アタッカー16が開放するまでにかかる時間を算出することで、大入賞口開放期間がいつから開始されるかを算出することができる。一方、現時点において普通図柄が変動中である場合には、普通電動役物開放期間を算出することができる。図23は、現時点で普通図柄が普通当たり変動をしているが、この変動に対応する普通当たり遊技における第二特別図柄始動電動役物15の開放が、大入賞口開放期間と重複しない場合を示す。この場合は、普通図柄残り変動時間に普通電動役物開放時間(本実施形態では、時短状態中5.8秒)が加算され、記憶される。次いで、次変動の普通図柄作動保留球に基づく普通当たり先読み情報が、普通当たりを示す情報であるか否かが判断される。次変動の普通図柄作動保留球に基づく普通当たり先読み情報が普通当たりを示す情報である場合には、一回分の普通図柄変動時間である次変動の普通図柄の変動時間(本実施形態では、時短状態中2秒)が記憶される。記憶された普通図柄残り変動時間に加算された普通電動役物開放時間と、次変動の普通図柄の変動時間とを合算し、所定の普通図柄停止時間および入賞有効時間を勘案することで、普通電動役物開放期間がいつから開始されるかを算出することができる。算出された大入賞口開放期間と普通電動役物開放期間とが重複する期間が、重複開放期間となる。
図25を参照して、特別演出実行処理(S201、図19参照)について詳細に説明する。前述したように、特別演出実行処理は、大当たり遊技中に第二特別図柄始動電動役物15へ遊技球が入賞することを契機として、特別図柄作動保留球の先読み情報に応じた演出である特別演出を実行させる処理である。特別演出実行処理が開始されると、大当たり遊技フラグが「ON」とされているか否かが判断される(S271)。大当たり遊技フラグが「OFF」とされており、大当たり遊技演出が実行されていないと判断された場合には(S271:NO)、処理はそのままサブ制御基板処理へ戻る。
大当たり遊技フラグが「ON」とされており、大当たり遊技演出が実行されていると判断された場合には(S271:YES)、特別演出が既に実行されたか否かが判断される(S272)。既に特別演出が実行されている場合には(S272:YES)、処理はそのままサブ制御基板処理へ戻る。まだ特別演出が実行されていない場合には(S272:NO)、主基板41から始動口入賞コマンドを受信したか否かが判断される(S273)。始動口入賞コマンドを受信しておらず、第二特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞していない場合には(S273:NO)、処理はそのままサブ制御基板処理へ戻る。始動口入賞コマンドを受信しており、第二特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞している場合には(S273:YES)、既に記憶されている大当たり先読み情報に含まれる大当たりを示す情報の数が計上される(S274)。具体的には、S185(図18参照)の処理において通知順にRAM582に記憶されている大当たり先読み情報がロードされる。ロードされた情報に大当たりを示す情報があるか否かを判断し、大当たりを示す情報がある場合には、大当たりを示す情報の数を計上してRAM582に記憶させる。ロードされた情報に大当たりを示す情報がない場合、および、始動口入賞コマンドを受信した時点において、大当たり先読み情報がRAM582に記憶されていない場合には、大当たりを示す情報の数として「0」を、RAM582に記憶させる。処理はS275の判断に移行する。
次いで、主基板41から大当たり先読みコマンドを受信したか否かが判断される(S275)。第二特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞した時点で、第二特別図柄作動保留球数がまだ遊技機で設定された上限に達していない場合は、大当たり先読みコマンドが主基板41から送信される(S56〜S61、図12参照)。大当たり先読みコマンドを受信した場合には(S275:YES)、受信した大当たり先読みコマンドに対応する、新たに取得した第二特別図柄作動保留球についての大当たり先読み情報がロードされる。ロードされた大当たり先読み情報が大当たりを示す情報であるか否かが判断され、大当たりを示す情報である場合には、大当たりを示す情報の数として「1」が、RAM582に記憶される。大当たりを示す情報でない場合には、大当たりを示す情報の数として「0」が、RAM582に記憶される(S276)。処理はS277へ移行する。第二特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞した時点で、第二特別図柄作動保留球数が既に遊技機で設定された上限に達している場合は、大当たり先読みコマンドは主基板41から送信されない(S56〜S61、図12参照)。大当たり先読みコマンドを受信しない場合には(S275:NO)、処理はそのままS277へ移行する。
次いで、S274の処理においてRAM582に記憶された大当たりを示す大当たり先読み情報の数と、S276の処理においてRAM582に記憶された大当たりを示す大当たり先読み情報の数とが加算される(S277)。加算によって算出された大当たりを示す大当たり先読み情報の数が「1」以上であるか否かが判断される(S278)。大当たりを示す大当たり先読み情報の数が「0」の場合には(S278:NO)、処理はそのままサブ制御基板処理へ戻る。大当たりを示す大当たり先読み情報の数が「1」以上の場合には(S278:YES)、処理はS279へ移行する。
S279では、先読み演出である特別演出が実行されるタイミングを決定する処理が行われる。具体的には、大当たり遊技中に第二特別図柄始動電動役物15へ遊技球が入賞することを契機として実行される特別演出を、様々なタイミングで実行させることを決定するための処理が行われる。例えば、S278の処理において、大当たり先読み情報の数が「1」以上であると判断された場合に、即時に特別演出を実行させることができる。あるいは、大当たり先読み情報の数が「1」以上であると判断された場合に、判断から一定時間経過後(例えば1秒後)を、特別演出の実行タイミングとすることもできる。大当たり先読み情報の数が「1」以上であると判断された後、直近のラウンドにおいて特別演出を実行させることもできる。大当たり遊技のラウンド間に設けられている入賞有効時間(所謂ラウンド間インターバル)や最終ラウンドにおけるVアタッカー17の開放終了後の演出時間(所謂大当たりエンディング)において、特別演出を実行させることもできる。
次いで、大当たり遊技演出に特別演出を割り込ませる処理が行われる(S280)。S279の処理において決定された様々なタイミングに従って、サブ制御基板58のCPU581は、特別演出実行コマンドを演出制御基板43に送信する。特別演出実行コマンドは、特別演出を表示画面28に実行させるタイミングを通知するためのコマンドである。演出制御基板43のCPU43aは、特別演出実行コマンドを受信すると、特別演出に用いられる画像または映像を表示画面28に表示させる。なお、特別演出は、表示画面28によって実行される演出に限定されない。演出装置10によって、特定の数字等が表示される演出を特別演出としてもよい。スピーカ48からの音声によって特別演出が実行されてもよい。パチンコ機1に設けられた各種照明装置からの光によって、特別演出が実行されてもよい。特別演出は、表示画面28による演出、演出装置10による演出、音声演出、光による演出等が複合して実行される演出であってもよい。その後、処理はサブ制御基板処理へ戻る。なお、本実施形態では、特別図柄作動保留球についての大当たり先読み情報に、大当たりを示す情報の数が1個以上含まれる場合に、第二特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞を契機として、特別演出が実行されるタイミングが必ず決定される。よって、特別図柄作動保留球についての大当たり先読み情報に、大当たりを示す情報の数が1個以上含まれる場合には、必ず特別演出が実行される。従って、遊技者に対して、特別図柄作動保留球に大当たりを示す先読み情報があることが、特別演出によって必ず告知される。特別演出に対する遊技者の信頼性を高め、大当たり遊技中において、第二特別図柄始動電動役物15への新たな遊技球の入賞に対する遊技者の期待を高めることができる。
図26および図27を参照して、特別演出実行処理によって実行される特別演出の概要を説明する。なお、図26および図27では、第二特別図柄作動保留球についてのみ、大当たり先読み情報に含まれる大当たりを示す情報の数を計上して、特別演出が実行されるか否かを判断することとする。図26は、大当たり遊技中に始動口入賞コマンドが受信されたが、大当たり先読みコマンドは受信されていない場合(S275:NO、図25参照)に実行される特別演出を示す。つまり、特別図柄作動保留球数が既に遊技機で設定された上限に達している際に、第二特別図柄始動電動役物15に遊技球が新たに入賞した場合に実行される特別演出である。ケース1は、特別演出が実行される場合を示す。特別演出実行処理では、始動口入賞コマンドを受信したことを契機として、既に記憶されている大当たり先読み情報に含まれる大当たりを示す情報の数が計上される(S274、図25)。ケース1では、既に記憶されている4個の大当たり先読み情報の内の1個が大当たりを示す情報である。よって、大当たりを示す情報の数として「1」が記憶される。記憶された大当たりを示す情報の数が1個以上であるため(S278:YES、図25参照)、新たな入賞によって特別演出が実行されるタイミングが決定され(S279、図25参照)、特別演出が実行される。一方、ケース2は、特別図柄作動保留球数が既に遊技機で設定された上限に達している際に、第二特別図柄始動電動役物15に遊技球が新たに入賞しても、特別演出が実行されない場合を示す。始動口入賞コマンドを受信したことを契機として、既に記憶されている大当たり先読み情報に含まれる大当たりを示す情報の数が計上される(S274、図25)。ケース2では、大当たりを示す情報の数が「0」であるため(S278:NO、図25参照)、特別演出が実行されるタイミングは決定されないからである。なお、ケース2では、特別図柄作動保留球数が既に遊技機で設定された上限に達しているため、第二特別図柄始動電動役物15に遊技球が新たに入賞しても特別図柄作動保留球は追加されない(S58:NO、図12参照)。従って、新たな入賞に対して先読み情報が取得されることはない。また、ケース3は、既に記憶されている大当たり先読み情報に1個の大当たりを示す情報が含まれるが、特別演出が実行されない場合を示す。ケース3では、第二特別図柄始動電動役物15に新たな遊技球の入賞がなく、始動口入賞コマンドが受信されないため(S273:NO、図25参照)、特別演出は実行されない。
図27は、大当たり遊技中に始動口入賞コマンドが受信され、大当たり先読みコマンドも受信された場合(S275:YES、図25参照)に実行される特別演出を示す。つまり、特別図柄作動保留球数が未だ遊技機で設定された上限に達していない際に、第二特別図柄始動電動役物15に遊技球が新たに入賞した場合に実行される特別演出である。ケース4からケース7は、特別演出が実行される場合を示す。ケース4では、既に記憶されている2個の大当たり先読み情報の内の1個が大当たりを示す情報である。新たな入賞によって追加された特別図柄作動保留球についての大当たり先読み情報ははずれを示す情報であるが、双方の大当たりを示す情報の数の合計が1個となる(S278:YES、図25参照)。よって、特別演出が実行されるタイミングが決定され(S279、図25参照)、特別演出が実行される。ケース5では、既に記憶されている2個の大当たり先読み情報の内の1個が大当たりを示す情報である。新たな入賞によって追加された特別図柄作動保留球についての大当たり先読み情報も大当たりを示す情報であり、双方の大当たりを示す情報の数の合計が2個となる(S278:YES、図25参照)。よって、特別演出が実行されるタイミングが決定され(S279、図25参照)、特別演出が実行される。ケース6では、既に記憶されている2個の大当たり先読み情報には大当たりを示す情報が含まれない。しかし、新たな入賞によって追加された特別図柄作動保留球についての大当たり先読み情報が大当たりを示す情報であるため、双方の大当たりを示す情報の数の合計が1個となる(S278:YES、図25参照)。よって、特別演出が実行されるタイミングが決定され(S279、図25参照)、特別演出が実行される。ケース7では、既に記憶されている2個の大当たり先読み情報には大当たりを示す情報が含まれない。3個目の特別図柄作動保留球についての大当たり先読み情報も大当たりを示す情報ではない。しかし、4個目に入賞した特別図柄作動保留球についての大当たり先読み情報が大当たりを示す情報であるため、双方の大当たりを示す情報の数の合計が1個となる(S278:YES、図25参照)。よって、特別演出が実行されるタイミングが決定され(S279、図25参照)、特別演出が実行される。一方、ケース8では、既に記憶されている2個の大当たり先読み情報には大当たりを示す情報が含まれない。新たな入賞によって追加された特別図柄作動保留球についての大当たり先読み情報も、はずれを示す情報である。よって、大当たりを示す情報の合計数が「0」であるため(S278:NO、図25参照)、特別演出が実行されるタイミングは決定されない。また、ケース9は、既に記憶されている大当たり先読み情報に1個の大当たりを示す情報が含まれるが、特別演出が実行されない場合を示す。ケース9では、第二特別図柄始動電動役物15に新たな遊技球の入賞がなく、始動口入賞コマンドが受信されないため(S273:NO、図25参照)、特別演出は実行されない。
なお、本実施形態では、ケース4からケース6において、前述した特別演出が実行された後には、さらに新たな入賞によって4個目の特別図柄作動保留球が追加されても、特別演出は新たに実行されない(S272:YES、図25参照)。特別演出が大当たり遊技中に何度も実行されることによるサブ制御基板処理等の負荷を軽減し、且つ、特別演出による遊技性をシンプルなものとするためである。ただし、特別演出を大当たり遊技中に重畳的に実行させても、本発明は実現できる。例えば、ケース4からケース6において、さらに新たな入賞によって追加された4個目の特別図柄作動保留球が大当たりを示す情報である場合には、さらに特別演出を実行させることで、遊技者に対して有利な遊技の結果が得られることを告知することができる。また、S277(図25参照)の処理において算出された大当たり情報の数に応じて、実行される特別演出の演出内容を変化させることもできる。この場合、特別演出の内容がさらに多様化するため、大当たり中に第二特別図柄始動電動役物15へ遊技球が入賞した場合の遊技者の期待感を、さらに高めることができる。
本実施形態では、特別図柄作動保留球についての大当たり先読み情報に、大当たりを示す情報の数が1個以上含まれる場合には、特別演出の実行されるタイミングが必ず決定され、特別演出が実行されることとしている(S278〜S280、図25参照)。特別演出に対する遊技者の信頼性を高め、大当たり遊技中において、第二特別図柄始動電動役物15への新たな遊技球の入賞に対する遊技者の期待を高めることで、大当たり遊技中の演出を興趣に富むものとするためである。ただし、特別演出が実行されるタイミングが決定されない場合があっても、本発明は実現できる。例えば、S279(図25参照)の処理において、特別演出が実行されるタイミングを決定するか否かを抽選する処理が行われる場合である。この場合であっても、特別演出が実行されるタイミングが決定された場合には、大当たり遊技中に特別演出が実行され、大当たり遊技演出に十分な変化を与えることができる。また、特別演出が実行されるタイミングが決定されない場合であっても、遊技者は特別図柄作動保留球に大当たりを示す先読み情報が含まれていることへの期待を持ち続けることができる。
大当たり先読み情報の数が「1」以上であると判断されていない場合に、CPU581は、特別演出が実行されることを遊技者に予期させる演出(所謂ガセ演出)を実行させることもできる。例えば、前述のように、大当たり先読み情報の数が「1」以上であると判断した場合に、表示画面28に遊技者に対して操作ボタン9の操作を促す映像を表示させた後、操作ボタン9が操作されたタイミングを、特別演出が実行されるタイミングとする。ここで、大当たり先読み情報の数が「0」であっても、第二特別図柄始動電動役物15に新たに遊技球が入賞した場合には、表示画面28に遊技者に対して操作ボタン9の操作を促す映像を表示させることとする。大当たり先読み情報の数が「1」以上であると判断された場合であって、かつ、操作ボタン9の操作があった場合には、特別演出が実行される。一方、大当たり先読み情報の数が「0」であると判断された場合は、特別演出が実行される条件がそろっていないため、操作ボタン9の操作があった場合でも特別演出は実行されない。これにより、大当たり遊技演出を多様化することができる。
ケース4からケース7(図27参照)における特別演出を実行させるタイミングを、大当たり先読み情報の数が「1」以上であると判断された後であって、特別図柄作動保留球数が遊技機で設定された上限を超えた場合とすることもできる。つまり、大当たり先読み情報の数が「1」以上であると判断された後に、さらに第二特別図柄始動電動役物15に遊技球が新たに入賞し、特別図柄作動保留球数が遊技機で設定された上限を超えた場合に、はじめて特別演出を実行してもよい。本実施形態では、前述した重複開放判断処理によって、通常アタッカー16と第二特別図柄始動電動役物15とが重複開放されるか否かを正確に告知できる。重複開放された場合には、遊技者が通常アタッカー16に向けて発射させた遊技球が、第二特別図柄始動電動役物15に入賞する場合がある。特に、本実施形態では、重複開放が告知されるため、遊技者は第二特別図柄始動電動役物15に遊技球を入賞させやすい。多くの遊技球が第二特別図柄始動電動役物15に入賞し、特別図柄作動保留球数が遊技機で設定された上限に達した場合には、特別演出が実行されることとなる。よって、重複開放する旨を告知する重複開放演出が実行された場合には、特別演出が実行されることに対する遊技者の期待が高まる。遊技者は、通常アタッカー16と重複開放した第二特別図柄始動電動役物15に遊技球を入賞させることで、遊技者自身によって大当たり遊技演出を多様化させることができる。また、遊技者に対して、通常アタッカー16と重複開放する第二特別図柄始動電動役物15に多くの遊技球を入賞させることを促すことができることから、遊技機の稼働率を向上することができる。
なお、特別演出実行処理において、RAM582に記憶されている大当たり先読み情報がロードされる(S274、図25参照)。ロードされる大当たり先読み情報は、第一特別図柄作動保留球に基づく大当たり先読み情報のみであっても、第二特別図柄作動保留球に基づく大当たり先読み情報のみであってもよい。また、第一特別図柄作動保留球に基づく大当たり先読み情報および第二特別図柄作動保留球に基づく大当たり先読み情報の双方であってもよい。いずれの場合にも、本発明は実現できる。
特別演出実行処理において、サブ制御基板58は、始動口入賞コマンドを受信する(S273、図25参照)。始動口入賞コマンドは、前述したように、第二特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞していることをサブ制御基板58に通知するために、主基板41から送信されるコマンドである。大当たり遊技中に始動口入賞コマンドが主基板41から送信されるのは、通常アタッカー16の開放と第二特別図柄始動電動役物15の開放とが重複している場合である。ここで、本実施形態における大当たり判定では、第二大当たり判定が第一大当たり判定よりも優先して行われる(図14参照)。よって、時短状態中に第二大当たり判定が行われる頻度は、第一大当たり判定が行われる頻度よりも高くなる。さらに、前述したように、普通当たり遊技中の第二特別図柄始動電動役物15の開放時間は、非時短状態中よりも時短状態中の方が大幅に長い(非時短状態中0.2秒、時短状態中5.8秒)。非時短状態中の普通当たりによる第二特別図柄始動電動役物15の開放よりも、時短中の普通当たりによる第二特別図柄始動電動役物15の開放の方が、第二特別図柄始動電動役物15への新たな遊技球の入賞が得られやすい。よって、始動口入賞コマンドは、第二特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞した場合に主基板41から送信されることとしている。ただし、第一特別図柄始動入賞口14に遊技球が入賞した場合にも始動口入賞コマンドを主基板41から送信することとしても本発明は実現できる。特に、第一特別図柄作動保留球および第二特別図柄作動保留球の双方から入賞順に大当たり判定を実行する場合には、第一特別図柄始動入賞口14に遊技球が入賞した場合にも始動口入賞コマンドを主基板41から送信することは、有効な処理である。第一特別図柄作動保留球および第二特別図柄作動保留球のすべてから大当たり先読み情報を取得し、第一特別図柄始動入賞口14および第二特別図柄始動電動役物15の双方の始動口入賞コマンドを受信することによって、特別演出が実行できる機会を増やすことができるからである。また、非時短状態中にのみ特別演出を実行させる場合には、第一特別図柄始動入賞口14に遊技球が入賞した場合にのみ、始動口入賞コマンドを主基板41から送信することとしてもよい。
図28を参照して、報知演出開始処理(S194、図18参照)について詳細に説明する。前述したように、報知演出開始処理は、指定された変動パターンに応じて報知演出を制御し、小当たり特殊変動における報知演出に変化を与えるための処理である。具体的には、報知演出開始処理ではCPU581は、時短状態中の報知演出で指定されるデモ図柄の変動量を、小当たり特殊変動であるか否かに応じて変化させる。また、報知演出開始処理は、小当たり特殊変動における報知演出において、大当たり先読み情報に基づく先読み演出を実行させる。前述したように、小当たり特殊変動とは、時短状態が生起されている間の特別図柄の変動であり、かつ、小当たり遊技の終了後一定回数の変動をいう。本実施形態では、小当たり特殊変動の変動回数を4回としている。
報知演出開始処理が開始されると、S193(図18参照)の処理において受信された変動パターン指定コマンドによって指定された特別図柄変動パターンが、RAM582に記憶される(S291)。次いで、記憶された特別図柄変動パターンが、小当たり特殊変動における変動パターンであるか否かが判断される(S292)。小当たり特殊変動における変動パターンである場合には(S292:YES)、表示画面28に表示されるデモ図柄として、第二デモ図柄82(図30参照)が指定される。表示画面28に第二デモ図柄82の変動を開始させる第二デモ図柄変動開始コマンドが、演出制御基板43に送信される(S293)。ここで、第二デモ図柄82とは、後述する第一デモ図柄81よりも報知演出における変動表示の変動量が大きいデモ図柄である。第二デモ図柄82の詳細については、後述する。
S185(図18参照)の処理においてRAM582に記憶されている大当たり先読み情報がロードされる。ロードされた大当たり先読み情報に、大当たりを示す情報があるか否かが判断される(S295)。大当たりを示す情報がある場合には、(S295:YES)、変動パターンに応じた報知演出が開始されるとともに、特別図柄作動保留球の先読み情報に応じて大当たりを告知する先読み演出が、報知演出において実行される(S296)。その後、処理はサブ制御基板処理へ戻る。大当たり先読み情報に大当たりを示す情報がない場合には、(S295:NO)、変動パターンに応じた報知演出を開始させて(S297)、処理はサブ制御基板処理へ戻る。なお、この場合は大当たりを告知する先読み演出は実行されない。
S291の処理において記憶された特別図柄変動パターンが、小当たり特殊変動における変動パターンでない場合には(S292:NO)、遊技状態が時短状態中であるか否かが判断される(S298)。時短状態中である場合には(S298:YES)、時短状態中の小当たり特殊変動以外の変動において表示画面28に表示されるデモ図柄として、第一デモ図柄81(図29参照)が指定される。表示画面28に第一デモ図柄81の変動を開始させる第一デモ図柄変動開始コマンドが、演出制御基板43に送信される(S299)。ここで、第一デモ図柄81とは、報知演出における変動表示の変動量が、後述する第二デモ図柄82よりも小さいデモ図柄である。第一デモ図柄81の詳細については、後述する。変動パターンに応じた報知演出を開始させて(S300)、処理はサブ制御基板処理へ戻る。非時短状態中の場合には(S298:NO)、表示画面28に表示されるデモ図柄として、第二デモ図柄82が指定される(S301)。表示画面28に第二デモ図柄82の変動を開始させる第二デモ図柄変動開始コマンドが、演出制御基板43に送信され、変動パターンに応じた報知演出を開始させて(S300)、処理はサブ制御基板処理へ戻る。なお、本実施態様では、S302の処理において、表示画面28に表示されるデモ図柄として第二デモ図柄82が指定される。しかし、非時短状態中のデモ図柄として指定されるデモ図柄は、小当たり特殊変動において指定されるデモ図柄と同じものでなくてもよい。例えば、第二デモ図柄82とは別に、非時短状態中に指定される専用のデモ図柄を設けてもよい。
図29および図30を参照して、第一デモ図柄81および第二デモ図柄82について説明する。図29は、表示画面28に表示される第一デモ図柄81の一例を示す。パチンコ機1は、時短状態中の小当たり特殊変動以外の変動においては、第一デモ図柄81を特別図柄の変動と同期して変動表示させた後に、大当たり判定の結果を示す第一デモ図柄81の組合せを確定表示させる報知演出を実行する。本実施態様では、第一デモ図柄81の変動表示は、2個の星型記号の表示色を変化させることによって行われる。また、第一デモ図柄81の確定表示は、変動表示である表示色の変化を停止して、2個の星型記号が同じ色で停止することによって行われる。第一デモ図柄81の確定表示では、色によって大当たり判定の結果を表示することができる。例えば、2個の星型記号の両方共が赤色で停止した場合は大当たりを、黄色で停止した場合は小当たりを、青色で停止した場合ははずれを表す。図29では、第一デモ図柄81が異なった色で表示されており、第一デモ図柄81が変動表示中であることを示す。ただし、第一デモ図柄81の変動表示は、2個の星型記号を同時に同色で明滅させる表示であってもよい。また、第一デモ図柄81の確定表示は、2個の星型記号のそれぞれが別の色で停止する表示であってもよい。例えば、2個の星型記号の一方が赤色、他方が青色で停止した場合は大当たりを、一方が赤色、他方が黄色で停止した場合は小当たりを、一方が黄色、他方が青色で停止した場合ははずれを表すような態様も認められる。
図29では、星型の記号を用いて第一デモ図柄81を表しているが、この他に、丸型や多角形、その他数字、文字、記号等を用いた任意のものであってよい。また、図29では、記号を2個用いて第一デモ図柄81を表しているが、用いられる記号等は1個であっても、3個以上であってもよい。図29では、同種の星型記号を2個組み合わせて使用しているが、一方が星形、他方が丸型など、異なった記号の組み合わせであってもよい。また、第一デモ図柄81は表示画面28の一部において表示されるものに限定されない。演出装置10において表示される、数字、文字、記号等であってもよい。パチンコ機1に設けられた各種照明装置のLED等による表示であってもよい。
遊技機において一般に用いられるデモ図柄は、表示画面28において3桁の数字等により、遊技者が容易に認識できる大きさで表示される。報知演出におけるデモ図柄の変動表示は、表示画面28に縦方向や横方向等へのスクロール表示や回転表示、あるいは図柄が拡縮される表示や図柄を揺らす変動等を行って、デモ図柄の変動から停止に至る過程が明確に表示されるものが一般的である。本実施形態では、一般的な報知演出に用いられるデモ図柄を、第二デモ図柄82としている(図30参照)。図30では、3桁の数字による第二デモ図柄82が縦方向にスクロール表示される様子を示す。第二デモ図柄82が変動表示中であることが示されている。
これに対して、第一デモ図柄81による変動表示は、第二デモ図柄82による変動表示と比べて変動量が少ない。ここで、変動量とは、遊技者の視覚によって判別できる、デモ図柄の変動表示における変動の大きさの度合いである。第一デモ図柄81による変動表示は、主に表示させたままの図柄の表示色を変化させることや、図柄を明滅表示させること、また、図柄に使用される記号等を差し替えて表示させること等によって行われる。第一デモ図柄81をスクロール表示させることによって変動表示を行うこともできるが、この場合のスクロール幅は、第二デモ図柄82による変動表示のスクロール幅よりも小さい。スクロール幅が大きい場合、短い変動時間では変動から停止に至る過程を十分に表示させられず、変動表示を完結させられないためである。このような第一デモ図柄81による変動量の少ない変動表示は、本実施形態におけるパチンコ機1のように、小当たり特殊変動以外の時短状態中における特別図柄の変動時間が短い遊技機において、特に有効である。本実施形態では、小当たり特殊変動以外の時短状態中における最短の特別図柄の変動時間は0.2秒である(図8参照)。この時間は、パチンコ機1の遊技球発射装置37が遊技球を発射する間隔(本実施形態では0.6秒)よりも短く、極めて短時間で報知演出が実行されることとなる。短時間で報知演出が行われる場合、デモ図柄の変動表示の態様は制限される。報知演出における変動表示を実行できる時間が非常に限られる場合、デモ図柄の変動量が大きい報知演出では、デモ図柄の変動から停止に至る過程を、遊技者の視覚において明確に判別しうる態様で表示することは困難であるためである。よって、短時間で報知演出が実行される場合には、第一デモ図柄81による変動量の少ない変動表示によって、デモ図柄の変動から停止に至る過程を明確に表示することができる。
時短状態中において、極めて短時間で報知演出が行われる場合の一例としては、第二特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞した場合に払い出される賞品球が2個以下であるパチンコ機によって実行される報知演出が考えられる。本実施形態における大当たり判定では、第二大当たり判定が第一大当たり判定よりも優先して行われる(図14参照)。よって、時短状態中に第二大当たり判定が行われる頻度は、第一大当たり判定が行われる頻度よりも高くなる。さらに、本実施形態では、第二特別図柄始動電動役物15へ遊技球が入賞した場合に払い出される賞品球は1個である。従来は、第二特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞した場合に払い出される賞品球が3個以上のパチンコ機が主流であったが、第二特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞した場合に払い出される賞品球が2個以下とするパチンコ機の普及が進んでいる。第二特別図柄始動電動役物15への入賞に対する賞品球を減少させることで、従来のパチンコ機よりも、時短状態中の第二特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞を増やし、単位時間当たりに第二大当たり判定が行われる頻度を高めることができる。単位時間当たりの大当たり判定の実行頻度が高まることで、従来よりも短時間で有利な遊技の結果を得られるといった遊技者の期待を高めることができる。よって、遊技者が遊技に費やすことができる時間が短時間であっても遊技を促しやすくなり、遊技機の稼働率を向上させることができる。従って、第二特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞した場合に払い出される賞品球が2個以下とするパチンコ機における時短状態中の報知演出は、極めて高速で報知演出が実行されることとなる。ただし、第二特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞した場合に払い出される賞品球が3個以上のパチンコ機であっても、本発明は実現できる。パチンコ機の報知演出は多種多様であり、報知演出が短い時間で行われる場合も多岐にわたる。短い時間で行われる報知演出においては、一般的な報知演出に用いられる第二デモ図柄82よりも変動量が少ない第一デモ図柄81による変動表示は有効だからである。
前述したように、本実施形態では、単位時間当たりに第二大当たり判定が行われる頻度を高めるために、小当たり特殊変動以外の時短状態中においては、極めて短い時間で報知演出が実行される。しかし、極めて短い時間で報知演出が実行され続けると、時短状態中の遊技が単調なものとなってしまう。小当たり特殊変動以外の時短状態中における報知演出は、第一デモ図柄81による変動量の少ない変動表示による演出のため、視覚的な変化に乏しいからである。また、短時間で実行される報知演出では、表現できる内容に限りがあり、遊技中の演出を多様化することは難しい。一方、小当たり特殊変動における報知演出においては、小当たり特殊変動以外の時短状態中の最短の変動時間よりも長い報知演出が行われる。また、小当たり特殊変動においては、第二デモ図柄82によって、小当たり特殊変動以外の時短状態中の報知演出よりもデモ図柄の変動量の大きい報知演出が行われ、視覚的な変化が与えられる。小当たり特殊変動以外の時短状態中よりも長い時間の報知演出によって、多彩な映像表現もできる。さらに、本実施形態では、小当たり特殊変動以外の時短状態中の報知演出では行われない先読みによる大当たり告知演出が、小当たり特殊変動における報知演出では行われる。よって、小当たり特殊変動を一定期間設け、デモ図柄の変化や報知演出時間の変化によって、単調になりがちな時短状態中の報知演出に変化を与えることで、遊技者が飽きてしまうことを軽減することができる。また、時短状態中に小当たりすることによって、大当たりを告知する先読み演出が実行されることから、小当たり特殊変動は、小当たり遊技に対する遊技者の興趣を強く引き付けることができる。なお、本実施形態では、小当たり特殊変動においては、第二デモ図柄82のみが表示され、第一デモ図柄81は表示されない。ただし、時短状態中には常に第一デモ図柄81を表示されることとして、小当たり特殊変動には、第一デモ図柄81が表示されつつ、さらに第二デモ図柄82が表示されることとしても、本発明は実現できる。小当たり特殊変動において、第一デモ図柄81よりも変動量の大きい第二デモ図柄82が追加されることで、視覚的な変化が与えられるからである。
本実施形態では、小当たり特殊変動以外の時短状態中において、極めて短い時間で報知演出が実行される場合がある。極めて短い時間で報知演出が実行され続けることにより、遊技者が第二特別図柄作動保留球を確保するよりも、第二特別図柄作動保留球が変動に費やされる(所謂消化される)速さが上回る場合には、第二大当り判定の実行が途切れてしまう。また、普通図柄作動ゲート12への遊技球の通過率が低い場合には、普通当たり判定の実行頻度が低下し、普通当たりの判定結果が得られる頻度も低下する。よって、普通当たり遊技における第二特別図柄始動電動役物15の開放頻度も低下することから、遊技者が第二特別図柄作動保留球を確保しづらくなる場合も起こり得る。第二特別図柄作動保留球が0個になった場合、第一特別図柄作動保留球があれば第一大当たり判定が実行される(S65:NO、図14参照)。しかし、第一大当たり判定によって遊技者が得られる遊技の結果は、第二大当り判定による遊技の結果よりも遊技者にとって不利な結果となってしまう場合が考えられる(図5参照)。また、第一特別図柄作動保留球もない場合には、第一大当たり判定の実行も途切れてしまい(S66:YES、図14参照)、いずれの場合も、遊技者の円滑な遊技を阻害しうる。ここで、小当たり特殊変動には、時短状態中に特別図柄作動保留球の確保を容易にさせる効果もある。第二大当り判定の結果が小当たりの場合、小当たりに至る第二特別図柄の変動開始から小当たり遊技終了までの間、特別図柄は新たな変動を行わない。このため、特別図柄作動保留球を確保している場合には、小当たりに至る第二特別図柄変動の変動開始から小当たり遊技終了までの間は、特別図柄作動保留球数が減少しないまま保持されることとなる。小当たりに至る第二特別図柄変動の変動開始から小当たり遊技終了までの間に、第二特別図柄始動電動役物15に遊技球をさらに入賞させることができれば、特別図柄作動保留球を増加させることもできる。特別図柄作動保留球を確保できれば、小当たり特殊変動において大当たりを告知する先読み演出が実行される。よって、報知演出の変化を遊技者に楽しませることで、小当たり遊技に対する遊技者の興趣を強く引き付けることができる。
図31を参照して、報知演出開始処理で実行される報知演出の概要を説明する。まず、小当たり特殊変動以外の時短状態中において、特別図柄の変動が実行されている。特別図柄の変動と同期した報知演出では、デモ図柄として第一デモ図柄81が指定されている(S299、図28参照)。大当たり判定時の遊技状態が時短状態の場合に参照されるテーブルにおける最短の変動時間(0.2秒)は、大当たり判定の結果がはずれとなる場合等に振り分けられている(図6および図7参照)。ここで、大当たり判定の結果が小当たりとなる変動が行われ、小当り図柄が停止表示されて確定し、小当たり遊技が開始される。小当たり遊技においては、通常アタッカー16が1.6秒間開放される。その後通常アタッカー16は閉鎖され、入賞有効時間が経過すると、小当たり遊技が終了する。なお、小当たりに至る特別図柄の変動開始から小当たり遊技終了までの間、特別図柄は新たな変動を行わない。小当たり遊技終了後は、小当たり特殊変動による特別図柄の変動が行われる。小当たり特殊変動では、報知演出において第二デモ図柄82が指定される(S293、図28参照)。小当たり特殊変動では、小当たり特殊変動以外の時短状態中の場合に参照されるテーブルにおける最短の変動時間(0.2秒)よりも長い変動時間で特別図柄が変動する(図8参照)。報知演出が実行される時間は、特別図柄の変動時間と同期している。よって、小当たり特殊変動における報知演出では、小当たり特殊変動以外の時短状態中における報知演出よりも長い時間の報知演出が増えることとなる。従って、報知演出において実行される演出を多様化することができる。さらに、図31では、小当たり遊技が終了する前に特別図柄作動保留球を3個確保しており、3個目の特別図柄作動保留球に基づく大当たり先読み情報が、大当たりを示す場合が示されている。よって、小当たり特殊変動において、大当たり先読み情報に応じた大当たりを告知する先読み演出が、必ず実行される。
本実施形態では、小当たり特殊変動を、時短状態が生起されている間の特別図柄の変動であり、かつ、小当たり遊技の終了後4回の変動としているが、小当たり特殊変動の期間は4回に限られない。4回以外の任意の回数を小当たり特殊変動としてもよい。この場合、S133(図16参照)の処理において特殊変動カウンタにセットされる値を「4」以外の任意の値とすればよい。また、小当り遊技の終了後の一定時間(例えば1分間)を小当たり特殊変動の期間としてもよい。小当たり特殊変動においてさらに小当たり遊技が実行されたら終了することとしてもよい。小当たり特殊変動における特別図柄の変動ごとに、小当たり特殊変動を終了させるか否かの抽選を行ってもよい。なお、小当たり特殊変動が次回大当たりまで継続することとしても、本発明は実現できる。時短状態中に特別図柄作動保留球を容易に確保し、小当たり遊技を契機として時短状態中の報知演出に変化を与えることができるからである。しかし、小当たり特殊変動を一定期間で終了させることで、短い時間による報知演出によって単位時間当たりの大当たり判定の実行頻度を高めることと、単調になりがちな時短状態中の遊技に変化を与えることの両立を図ることができる。
本実施形態では、第一大当たり判定では小当たりの結果が発生せず、第二大当り判定においてのみ小当たりの結果が得られる。しかし、第一大当たり判定においても小当たりの結果が得られることとしても、本発明は実現できる。本実施形態における大当たり判定では、第二大当たり判定が第一大当たり判定よりも優先して行われるが(図14参照)、時短状態中においても、第一大当たり判定が実行される場合があるからである。また、第一特別図柄作動保留球および第二特別図柄作動保留球の双方から入賞順に大当たり判定を実行する場合には、時短状態中においても、第一大当たり判定が実行されるからである。第一大当たり判定においても小当たりの結果が得られることとした場合、第一大当たり判定において小当たりと判定される確率と、第二大当り判定において小当たりと判定される確率とは、同じであっても、異なる確率であってもよい。例えば、第一大当たり判定において小当たりと判定される確率(例えば1/300)よりも、第二大当り判定において小当たりと判定される確率(例えば1/100)を高くする。この場合、第一大当たり判定よりも第二大当たり判定において小当たりの結果が得られやすくすることができる。
本実施形態では、時短状態が生起されている間の特別図柄の変動であり、かつ、小当たり遊技の終了後4回の変動では、必ず小当たり特殊変動パターンが選択される(S112:YES、図15)。ただし、小当たり特殊変動が必ず選択されないとしても、本発明は実現できる。例えば、S113(図15参照)の処理において、小当たり特殊変動パターンが選択されるか否かを抽選する処理が行われる場合である。例えば、時短状態中の小当たり遊技後の50%については特殊変動パターンテーブルがセットされ、残りの50%は小当たり特殊変動以外の時短状態と同様に、第二特別図柄変動パターンテーブルがセットされる場合である。この場合であっても、小当たり特殊変動が選択される場合には、時短状態が生起されている間の特別図柄の変動であり、かつ、小当たり遊技の終了後の4回の変動における報知演出に十分な変化を与えることができる。小当たり特殊変動が選択されない場合であっても、小当たり特殊変動以外の時短状態中における短い時間での報知演出によって、大当たり判定の実行頻度の高い遊技を遊技者に提供できる。また、小当たりに至る第二特別図柄変動の変動開始から小当たり遊技終了までの間には、特別図柄作動保留球数が減少しないまま保持される。第二特別図柄始動電動役物15に遊技球をさらに入賞させることができれば、特別図柄作動保留球を増加させることもできる。なお、第一大当たり判定および第二大当たり判定のいずれにおいても小当たりの結果が得られる場合には、それぞれの判定結果に応じて、小当たり特殊変動が選択されるか否かについて、異なった判断を行ってもよい。例えば、時短状態中に第一大当たり判定で小当たりの結果が得られた場合には、小当たり遊技後の50%のみについて特殊変動パターンテーブルがセットされ、残りの50%は小当たり特殊変動以外の時短状態と同様に、第一特別図柄変動パターンテーブルがセットされる。一方、時短状態中に第二大当たり判定で小当たりの結果が得られた場合には、すべて特殊変動パターンテーブルがセットされる。これにより、小当たり特殊変動が用いられた多様な遊技仕様を実現することができる。
本実施形態では、小当たり特殊変動パターンが選択されており、かつ、特別図柄作動保留球の大当たり先読み情報に大当たりを示す情報がある場合には(S295:YES、図28参照)、大当たり先読み情報に応じて大当たりを告知する先読み演出が、報知演出において必ず実行される(S296、図28参照)。ただし、大当たりを告知する先読み演出が必ず実行されなくても、本発明は実現できる。例えば、S296(図28参照)の処理において、大当たりを告知する先読み演出が実行されるか否かを抽選する処理が行われる場合である。この場合であっても、大当たりを告知する先読み演出が実行される場合には、小当たり特殊変動における報知演出に十分な変化を与えることができる。さらに、大当たりを告知する先読み演出が実行されない場合であっても、遊技者は特別図柄作動保留球に大当たりを示す先読み情報が含まれていることへの期待を持ち続けることができる。また、特別図柄作動保留球の大当たり先読み情報に大当たりを示す情報がない場合に(S295:NO、図28参照)、CPU581は、大当たりを告知する先読み演出が実行されることを遊技者に予期させるガセ演出を実行させることもできる。これにより、大当たりを告知する先読み演出を多様化することができる。
本実施形態では、小当たり特殊変動パターンが選択されており、かつ、特別図柄作動保留球の大当たり先読み情報に大当たりを示す情報がある場合には(S295:YES、図28参照)、大当たり先読み情報に応じて大当たりを告知する先読み演出が、報知演出において必ず実行される(S296、図28参照)。しかし、大当たり先読み情報に応じた演出を行わなくてもよい。小当たり特殊変動においては、第二デモ図柄82によって、小当たり特殊変動以外の時短状態中の報知演出よりもデモ図柄の変動量の大きい報知演出が行われ、視覚的な変化が与えられる。また、小当たり特殊変動以外の時短状態中よりも長い時間の報知演出によって、多彩な映像表現もできる。小当たり特殊変動には、時短状態中に特別図柄作動保留球の確保を容易にさせる効果もある。これらの効果によって、本発明は実現できるからである。この場合には、S295からS297の処理(図28参照)を行わなければよい。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機1は、第一乱数記憶手段によって記憶された普通当たり乱数に基づく情報から、第二特別図柄始動電動役物15が開放する期間を判断する。また、第二乱数記憶手段によって記憶された大当たり乱数と特別図柄変動パターン決定乱数に基づく情報から、通常アタッカー16およびVアタッカー17が開放する期間を判断する。第二特別図柄始動電動役物15と通常アタッカー16およびVアタッカー17のそれぞれの開放する期間の判断結果に基づいて、第二特別図柄始動電動役物15と通常アタッカー16およびVアタッカー17の開放する期間が重複するか否かをパチンコ機1は正確に判断できる。よって、本実施形態に係るパチンコ機1は、第二特別図柄始動電動役物15の開放と通常アタッカー16およびVアタッカー17の開放が重複するか否かを正確に報知できる。
パチンコ機1は、普通当たり乱数についての情報を、実際の普通当たり判定が行われるよりも前に先読み情報として取得することができる。取得した先読み情報から、第二特別図柄始動電動役物15の開閉部材が開放する期間を判断し、重複開放するか否かを判断することができる。従って、パチンコ機1は、第二特別図柄始動電動役物15の開放と通常アタッカー16およびVアタッカー17の開放が重複するか否かを、実際の普通当たり判定に先立って報知できる。
パチンコ機1は、大当たり乱数と特別図柄変動パターン決定乱数についての情報を、実際の大当たり判定が行われるよりも前に先読み情報として取得することができる。取得した先読み情報から、通常アタッカー16およびVアタッカー17の開閉部材が開放する期間を判断し、重複開放するか否かを判断することができる。従って、パチンコ機1は、第二特別図柄始動電動役物15の開放と通常アタッカー16およびVアタッカー17の開放が重複するか否かを、実際の大当たり判定に先立って報知できる。
パチンコ機1は、普通当たり乱数に対して普通当たり判定の判定結果についての情報を取得する。取得した判定結果についての情報から、第二特別図柄始動電動役物15が開放する期間を判断し、重複開放するか否かを判断する。従って、パチンコ機1は、第二特別図柄始動電動役物15の開放と通常アタッカー16およびVアタッカー17の開放が重複するか否かを正確に報知できる。
パチンコ機1は、大当たり乱数に対して大当たり判定の判定結果についての情報を取得する。取得した判定結果についての情報から、第二開閉部材が開放する期間を判断し、重複開放するか否かを判断する。従って、パチンコ機1は、第二特別図柄始動電動役物15の開放と通常アタッカー16およびVアタッカー17の開放が重複するか否かを正確に報知できる。
大当たり遊技中に第二特別図柄始動電動役物15へ遊技球が入賞することを契機として、実際の判定に先立って、パチンコ機1は取得した情報に応じた特別演出を実行できる。よって、遊技者は、第二特別図柄始動電動役物15の開放と通常アタッカー16およびVアタッカー17の開放が重複するか否かの正確な報知に応じて、大当たり遊技中に第二特別図柄始動電動役物15へ遊技球を入賞させるか否かを選択することができる。
第二特別図柄始動電動役物15の開放と通常アタッカー16およびVアタッカー17の開放が重複する期間においては、遊技者が通常アタッカー16およびVアタッカー17に向けて遊技球を発射していても、遊技盤上を流下する遊技球は第二特別図柄始動電動役物15に入賞しやすくなる。よって、遊技者は、第二特別図柄始動電動役物15の開放と通常アタッカー16およびVアタッカー17の開放が重複するか否かの正確な報知に応じて、遊技球を発射させるか否かを選択することで、大当たり遊技中に第二特別図柄始動電動役物15へ遊技球を入賞させるか否かを選択することができる。
なお、本実施形態における普通図柄作動ゲート12が、本発明の「通過口」に相当する。第一特別図柄始動入賞口14および第二特別図柄始動電動役物15が、本発明の「始動口」に相当する。第二特別図柄始動電動役物15の開閉部材が、本発明の「第一開閉部材」に相当する。図10のS24で普通当たり乱数を取得する主基板41のCPU51が、本発明の「第一乱数取得手段」として機能する。図10のS24で取得した普通当たり乱数を記憶するRAM52が、本発明の「第一乱数記憶手段」に相当する。図11のS31で普通当たり判定を行う主基板41のCPU51が、本発明の「普通当たり判定手段」として機能する。図9のS15で第二特別図柄始動電動役物15の動作を制御する主基板41のCPU51が、本発明の「普通当たり遊技制御手段」として機能する。図21のS225〜S228、S234〜S239および図22のS251、S252、S254、S255サブ制御基板58のCPU581が、本発明の「第一開閉情報取得手段」として機能する。図21のS229および図22のS253、S260で普通電動役物開放期間を算出するサブ制御基板58のCPU581が本発明の「第一開閉期間判断手段」として機能する。通常アタッカー16およびVアタッカー17の開閉部材が、本発明の「第二開閉部材」に相当する。通常アタッカー16およびVアタッカー17が、本発明の「可変入賞口」に相当する。
図12のS54およびS60で大当たり乱数と特別図柄変動パターン決定乱数を取得する主基板41のCPU51が、本発明の「第二乱数取得手段」として機能する。図12のS54およびS60で取得した大当たり乱数と特別図柄変動パターン決定乱数をに記憶するRAM52が、本発明の「第二乱数記憶手段」に相当する。図14のS68およびS74で大当たり判定を行う主基板41のCPU51が、本発明の「大当たり判定手段」として機能する。図17に示す特別電動役物処理で大当たり遊技の動作(主に、通常アタッカー16およびVアタッカー17の開閉部材の開閉動作)を制御する主基板41のCPU51が、本発明の「大当たり遊技制御手段」として機能する。図20のS211〜S224で通常アタッカー16およびVアタッカー17の開放期間についての情報を取得するサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「第二開閉情報取得手段」として機能する。図20のS211〜S224で通常アタッカー16およびVアタッカー17の開放期間を判断するサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「第二開閉期間判断手段」として機能する。
図21のS230、S231および図22のS256、S257で第二特別図柄始動電動役物15の開放とアタッカー16,17の開放とが重複することを判断するサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「重複開放判断手段」として機能する。表示画面28が、本発明の「演出実行手段」に相当する。図21のS232および図22のS258で重複開放演出を表示画面28において開始するサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「重複開放演出制御手段」として機能する。
図10のS25で普通当たり乱数についての情報の先読みを行う主基板41のCPU51が、本発明の「第一先読み情報取得手段」として機能する。図12のS55およびS61で取得した大当たり乱数および特別図柄変動パターン決定乱数についての情報の先読みを行う主基板41のCPU51が、本発明の「第二先読み情報取得手段」として機能する。図11のS31で普通当たり判定を行う主基板41のCPU51が、本発明の「第一判定情報取得手段」として機能する。図14のS68およびS74で大当たり判定を行う主基板41のCPU51が、本発明の「第二判定情報取得手段」として機能する。図12のS55およびS61で取得した大当たり乱数についての情報の先読みを行う主基板41のCPU51が、本発明の「特別情報取得手段」として機能する。図25のS280で大当たり遊技演出に特別演出を割り込ませるサブ制御基板58のCPU581が、本発明の本発明の「特別演出実行制御手段」として機能する。図25のS274〜S280で特別演出を実行するサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「第一特別演出実行制御手段」として機能する。
本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。上記実施形態では、大入賞口開放期間と普通電動役物開放期間とが重複する重複開放期間が一定時間以上であるか否かが、普通当たり判定結果、大当たり判定結果、普通当たり先読み情報、大当たり先読み情報、および、特別図柄変動パターン先読み情報に基づいて判断されている(図20から図22参照)。しかし、これらのうち一部を用いて、重複開放期間が一定時間以上であるか否かを判断してもよい。例えば、大入賞口開放期間の算出においては、S217からS224の処理(図20参照)を行わず、大当たり判定結果のみを用いても、CPU581は大入賞口開放期間を正確に算出できる。この場合は、特別図柄処理(S14、図9参照)の乱数先読み処理(S55およびS61、図12参照)において、大当たり乱数および特別図柄変動パターン決定乱数についての情報の先読みが実行されなくてもよい。また、普通電動役物開放期間の算出においては、S234からS238の処理(図21参照)を行わず、普通当たり判定結果のみを用いても、CPU581は普通電動役物開放期間を正確に算出できる。この場合は、普通図柄処理(S16、図9参照)の乱数先読み処理(S25、図10参照)において、普通当たり乱数についての情報の先読みが実行されなくてもよい。
上記実施形態では、大当たり遊技中に第二特別図柄始動電動役物15へ遊技球が入賞することを契機として、特別演出が実行される。しかし、特別演出が実行されなくても、本発明は実現できる。第二特別図柄始動電動役物15の開放とアタッカー16,17の開放が重複するか否かについての正確な報知に応じて、遊技者は大当たり遊技中に第二特別図柄始動電動役物15に遊技球を入賞させるか否かを選択することができるからである。また、上記実施形態では、第二特別図柄始動電動役物15は、右打ちされた遊技球が遊技領域4を流下する流路において、アタッカー16,17よりも上流側に配置されている(図2参照)。しかし、第二特別図柄始動電動役物15の配置がアタッカー16,17よりも上流側でなくてもよい。第二特別図柄始動電動役物15の開放とアタッカー16,17の開放が重複するか否かについての正確な報知に応じて、遊技者は大当たり遊技中に第二特別図柄始動電動役物15に遊技球を入賞させるか否かを選択することができるからである。
上記実施形態では、大入賞口開放期間と普通電動役物開放期間とが重複する重複開放期間が一定時間以上である場合に、重複開放する旨を告知する重複開放演出が実行される。しかし、重複開放期間が発生しない旨を告知することとしても、本発明は実現できる。
上記実施形態では、大当たり遊技における通常アタッカー16の最大開放時間を20秒としている。一般に、大当たり遊技中は非確率変動状態で、かつ、非時短状態とされる。よって、大当たり遊技中の普通図柄の変動時間は、非時短状態中の変動時間である10秒となる。同様に、大当たり遊技中に変動を開始した普通図柄の普通当たり判定の判定結果が「普通当たり」の場合には、普通当たり遊技における第二特別図柄始動電動役物15の開放時間は、非時短状態中の開放時間である0.2秒となる。このため、大当たり遊技の2ラウンド目以降においては、大入賞口開放期間と普通電動役物開放期間の重複が3秒以上となることはない(図23参照)。従って、実質的に、大当たり遊技の2ラウンド目以降において、重複開放する旨を告知する重複開放演出は実行されない。しかし、重複開放する旨を告知するか否かの判断時間である3秒の時間、大当たり遊技における通常アタッカー16の最大開放時間、非時短状態中における普通図柄の変動時間および第二特別図柄始動電動役物15の開放時間等を異ならせることもできる。これにより、大当たり遊技の2ラウンド目以降において、重複開放演出が実行されてもよい。この場合、Vアタッカー17の開放期間と第二特別図柄始動電動役物15の開放期間との重複開放期間を判断してもよい。
上記実施形態では、第二特別図柄始動電動役物15は、1回の普通当たり遊技において1回の開放を行う。1回の普通当たり遊技において複数回の開放を行う場合には、1回目の開放開始から途中の閉鎖を含めた最終回の開放終了までの期間を普通電動役物開放期間として、重複開放期間を判断してもよい。
特別演出処理(図25参照)において、大当たり先読み情報の数が「1」以上であると判断された場合に(S278:NO)、遊技者に対して操作ボタン9の操作を促す映像を表示画面28に表示させ、操作ボタン9が操作されたことをCPU581が検知したタイミングを、特別演出の実行タイミングとすることもできる。この場合は、操作ボタン9が少しでも操作されたら特別演出を実行することとしてもよい。また、一定の操作量以上の操作ボタン9の操作があったことを条件として、特別演出が実行されることとしてもよい。
上記実施形態では、第一特別図柄始動入賞口14へ遊技球が入賞すると、第一大当たり判定が行われ、第二特別図柄始動電動役物15へ遊技球が入賞すると、第二大当たり判定が行われる。しかし、大当たり判定手段が1個であっても、本発明は実現できる。大当たり判定手段が1個の場合には、複数の始動口のいずれに遊技球が入賞しても、大当たり判定が入賞順に実行される。大当たり判定において小当りと判定される確率は、一般に確率変動状態であるか否かにかかわらず一定である。時短状態中は、特別図柄の変動時間が短縮されることや、始動口に設けられた開閉部材が開放される割合が非時短状態よりも高くなることから、大当り判定の実行頻度が高くなる。このため、小当たりが発生する確率が時短状態中および非時短状態中を通じて一定であっても、小当たりの発生頻度は時短状態中の方が高くなる。時短状態中に小当りが発生することで、遊技者は特別図柄作動保留球を確保しやすくなる。また、小当りの発生によって実行される小当たり特殊変動によって、時短状態中の単調な遊技に変化を与えることができる。
上記実施形態では、小当たり特殊変動においては第二デモ図柄82を、小当たり特殊変動以外の時短状態中においては第一デモ図柄81を用いることで、デモ図柄の変動量の違いによって報知演出に変化を与えている。しかし、時短状態中のデモ図柄の変動量を、小当たり特殊変動であるか否かにかかわらず、同一としてもよい。小当たり特殊変動中の報知演出は、小当たり特殊変動以外の時短状態中における報知演出よりも演出時間が長くなる。デモ図柄の変動量の変化によらなくとも、長い演出時間を利用して、小当たり特殊変動における報知演出に変化を与えることができる場合もあるからである。
なお、上記実施形態の第二特別図柄始動電動役物15の開閉部材は、開閉部材が開放された場合にのみ遊技球を入賞させることができる。しかし、第二特別図柄始動電動役物15は、開閉部材が閉鎖されている間も遊技球を入賞させることができる普通電動役物であってもよい。この場合でも、開閉部材が開放されることで、第二特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞が容易となるため、遊技の流れは上記実施形態と同様となる。