JP2014049504A - 発光装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】発光素子が高密度に実装された場合において、隔壁を使用せずに所望の調色を行い得る発光装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】LED発光装置10は、基板1と、基板1に実装された複数のLEDチップ2と、複数のLEDチップ2を封止する、波長変換材料が混練された第1封止樹脂6及び第2封止樹脂7とを備えている。第1封止樹脂6は、複数のLEDチップ2を封止しており、第2封止樹脂7は、他の複数のLEDチップ2を該LEDチップ2の高さよりも高い位置まで覆うように封止し、かつ第1封止樹脂6に接して該第1封止樹脂6の一部又は全部を封止している。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光素子が樹脂層によって封止されている発光装置及びその製造方法に関するものあり、特に、高密度に多数実装されたLEDチップと複数の蛍光体とを異なる混合比率で含有する2種類の樹脂層とを使用することにより実現される高輝度かつ小型でありながら調色機能を有する発光装置に関する。
近年、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)は、照明用器具又は液晶ディスプレイの光源として広く使用されている。特に、照明用途の需要拡大に伴い、家庭用の電球及びシーリングライトを始めとして屋外照明又は店舗用ダウンライト等にもLEDが使用されるようになってきている。店舗用ダウンライト照明においては、小型かつ2,000lmを超える高輝度の発光装置が必要とされるばかりでなく、演色性(Ra)90以上を実現するために青色LEDを緑色蛍光体と赤色蛍光体とにより封止してなる発光装置、さらには、昼・夜又は夏・冬等のように、簡単に演出を変えることができる調色機能を有する発光装置等が付加価値として求められている。
ここで、調色可能な発光装置の構造については、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。
特許文献1に開示された発光装置100は、図10に示すように、パッケージ101の凹部102に複数のLED110・120を実装し、各LED110・120間に遮光壁103を設けて区画を形成し、各区画に蛍光体の種類を変えた色変換部材112・122を配置している。これによって、例えば、LED110から放射された青色光が、レンズ111、凹部102及び黄色蛍光体からなる色変換部材112を介して出射されることにより、白色色が出射される。一方、LED120から放射された青色光が、レンズ121、凹部102、並びに赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含む色変換部材112を介して出射されることにより、所謂電球色が出射される。
このように、特許文献1に開示された発光装置100では、調色機能を得るために各LED110・120を隔壁構造によって区画化し、複数種類の色の光を個別に切り替えて出射するものとなっている。
特開2007−80880号公報(2007年3月29日公開)
しかしながら、上記従来の発光装置100では、単一発光装置内にLEDを多数実装する場合、その隔壁構造が複雑になると共に、隔壁が障害となりLED間の距離を縮めることができず、発光装置は大型化してしまうという問題点を有している。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、発光素子が高密度に実装された場合において、隔壁を使用せずに所望の調色を行い得る発光装置及びその製造方法を提供することにある。
本発明の発光装置は、上記課題を解決するために、基板と、上記基板に実装された複数の発光素子と、上記複数の発光素子を封止する波長変換材料が混練された第1封止樹脂及び第2封止樹脂とを備えた発光装置において、上記第1封止樹脂は、複数の発光素子を封止しており、上記第2封止樹脂は、他の複数の発光素子を該発光素子の高さよりも高い位置まで覆うように封止し、かつ上記第1封止樹脂に接して該第1封止樹脂の一部又は全部を封止していることを特徴としている。
本発明の発光装置の製造方法は、上記課題を解決するために、基板と、上記基板に実装された複数の発光素子と、上記複数の発光素子を封止する、波長変換材料が混練された第1封止樹脂及び第2封止樹脂とを備えた発光装置の製造方法において、上記基板に閉形状を有する撥液剤パターンを形成する撥液剤パターン形成工程と、上記閉形状を有する撥液剤パターンの内側及び外側に複数の発光素子を実装する実装工程と、上記閉形状を有する撥液剤パターンの内側に上記第1封止樹脂を塗布する塗布工程と、上記複数の発光素子を全て囲うように反射壁を形成する反射壁形成工程と、上記反射壁の内側に第2封止樹脂を上記発光素子の高さよりも高い位置まで覆うように塗布する塗布工程とを含むことを特徴としている。
上記の発明によれば、発光装置は、基板と、上記基板に実装された複数の発光素子と、上記複数の発光素子を封止する、波長変換材料が混練された第1封止樹脂及び第2封止樹脂とを備えている。
ところで、このような発光装置において、発光素子が基板に高密度に実装された場合、第1封止樹脂及び第2封止樹脂がそれぞれの発光素子の周囲を充分に覆うことができなくなる。その結果、所望の調色を行うことができないという問題が発生する。
そこで、本発明では、上記第1封止樹脂は、複数の発光素子を封止しており、上記第2封止樹脂は、他の複数の発光素子を該発光素子の高さよりも高い位置まで覆うように封止し、かつ上記第1封止樹脂に接して該第1封止樹脂の一部又は全部を封止している。したがって、本発明では、第1封止樹脂と第2封止樹脂との間には、隔壁を設けていない。
本発明では、この構成により、第1封止樹脂に封止された発光素子は、該発光素子が第1封止樹脂に充分に覆われなくても第2封止樹脂に覆われることになる。また、第2封止樹脂に封止された発光素子は、その発光素子の高さよりも高い位置まで第2封止樹脂に覆われるので、封止が不十分となることはない。
この結果、本発明では、第1封止樹脂に覆われた発光素子のみを発光させた場合には、第1封止樹脂に含まれる波長変換材料により特定される光波長を放出する。また、第2封止樹脂に覆われた発光素子のみを発光させた場合には、第2封止樹脂に含まれる波長変換材料により特定される光波長を放出することができる。さらに、第1封止樹脂に覆われた発光素子と第2封止樹脂に覆われた発光素子とを同時に発光させた場合は、両者から放出された光がミキシングされることによって、中間色を再現することができる。この結果、発光素子が基板に高密度に実装された場合においても、所望の調色が可能な発光装置となる。
したがって、発光素子が高密度に実装された場合において、隔壁を使用せずに所望の調色を行い得る発光装置及びその製造方法を提供することができる。
本発明の発光装置では、前記第1封止樹脂は、外周が撥液剤パターンによって形状保持されていることが好ましい。
これにより、第1封止樹脂の広がりは撥液剤パターンによって抑制され、第1封止樹脂は、撥液剤パターンの内側だけに配置形成される。また、第1封止樹脂の高さはその樹脂量によって制御することが容易になる。
また、例えば、第1封止樹脂及び第2封止樹脂の高さを低く形成することによって、一方の発光素子が発光したときに隣接する封止樹脂へ入光して波長変換される量を抑制することができる。その結果、各封止樹脂に含まれる波長変換材料を独立して調整することが容易となる。
本発明の発光装置では、前記第1封止樹脂に混練された波長変換材料は、前記第2封止樹脂に混練された波長変換材料よりも相対的に長い波長の2次光を発することが好ましい。
すなわち、例えば蛍光体等の波長変換材料は、短波長光を吸収してより長波長の光へ変換する性質を有している。そのため、本発明では、第1封止樹脂に覆われた発光素子の放射光は、第1封止樹脂において相対的に長い波長の2次光へ変換された後に第2封止樹脂へ再入光することになるが、既に長波長へ変換されているために第2封止樹脂において変換される量は少量となる。
この結果、第1封止樹脂に覆われた発光素子の発光色を決定する因子は第1封止樹脂に含まれた波長変換材料が支配的となるので、独立した調整が容易となる。
本発明の発光装置では、前記第1封止樹脂の縦断面形状は、半円形状であることが好ましい。
これにより、第2封止樹脂に覆われた発光素子の2次光が第1封止樹脂へ再入光するクロストーク量を極力抑制することができる。したがって、各封止樹脂に含まれる波長変換材料を独立して調整することが容易となる。
本発明の発光装置では、前記第2封止樹脂の表面形状は、凹凸形状となっていることが好ましい。
これにより、第2封止樹脂に覆われた発光素子の2次光のうち、第2封止樹脂と空気層との界面において全反射する光を減らすことができる。この結果、第1封止樹脂へ再入光するクロストーク量を極力抑制することができることになるので、各封止樹脂に含まれる波長変換材料を独立して調整することが容易となる。
本発明の発光装置は、以上のように、第1封止樹脂は、複数の発光素子を封止しており、第2封止樹脂は、他の複数の発光素子を該発光素子の高さよりも高い位置まで覆うように封止し、かつ上記第1封止樹脂に接して該第1封止樹脂の一部又は全部を封止しているものである。
また、本発明の発光装置の製造方法は、以上のように、基板に閉形状を有する撥液剤パターンを形成する撥液剤パターン形成工程と、上記閉形状を有する撥液剤パターンの内側及び外側に複数の発光素子を実装する実装工程と、上記閉形状を有する撥液剤パターンの内側に上記第1封止樹脂を塗布する塗布工程と、上記複数の発光素子を全て囲うように反射壁を形成する反射壁形成工程と、上記反射壁の内側に第2封止樹脂を上記発光素子の高さよりも高い位置まで覆うように塗布する塗布工程とを含む方法である。
それゆえ、発光素子が高密度に実装された場合において、隔壁を使用せずに所望の調色を行い得る発光装置及びその製造方法を提供するという効果を奏する。
(a)は本発明における実施の形態1に係る発光装置を示すものであって、発光装置としてのLED発光装置における樹脂封止前の構成を示す平面図であり、(b)はLED発光装置の樹脂封止後の全体構成を示す平面図であり、(c)は(b)のA−A線矢視断面図である。 (a)は本発明における実施の形態1に係る発光装置を示すものであって、理想的なLED発光装置の要部構成を示す断面図であり、(b)は理想的なLED発光装置の発光スペクトル強度分布を示す波形図である。 (a)は本発明における実施の形態1に係る発光装置を示すものであって、封止樹脂によるLEDチップの封止が不十分な場合のLED発光装置の要部構成を示す断面図であり、(b)は上記LED発光装置の発光スペクトル強度分布を示す波形図である。 (a)は本発明における実施の形態1に係る発光装置を示すものであって、LED発光装置の要部構成を示す断面図であり、(b)は上記LED発光装置の発光スペクトル強度分布を示す波形図である。 (a)〜(d)は、本発明における実施の形態1に係る発光装置を示すものであって、LEDチップの表面高さと第1封止樹脂の表面高さと第2封止樹脂の表面高さとの関係を変化させたときの電球色スペクトル、昼白色の蛍光体温度及び評価を示す説明図である。 (a)〜(f)は、本発明における実施の形態1に係る発光装置を示すものであって、上記LED発光装置の製造方法を示す説明図である。 (a)は本発明における実施の形態1に係る発光装置を示すものであって、LED発光装置の要部構成を示す断面図であり、(b)は本発明における実施の形態2に係る発光装置を示すものであって、発光装置としてのLED発光装置の要部構成を示す断面図である。 (a)〜(d)は、本発明における実施の形態2に係る発光装置を示すものであって、上記LED発光装置の製造方法を示す断面図である。 (a)〜(c)は、本発明における実施の形態3に係る発光装置を示すものであって、上記LED発光装置の製造方法を示す断面図である。 (a)は従来の発光装置の構成を示す斜視図であり、(b)は上記発光装置の構成を示す断面図である。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1〜図6に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
(LED発光装置の構成)
最初に、本実施の形態の発光装置としてのLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)発光装置の構成を、図1(a)〜(c)に基づいて説明する。図1(a)は電極配線パターンが反射壁により封止される前、かつLEDチップが第1封止樹脂及び第2封止樹脂によって封止される前のLED発光装置の構成を示す平面図であり、図1(b)はLED発光装置の全体構成を示す平面図であり、図1(c)は、(b)のA−A線矢視断面図である。
本実施の形態のLED発光装置10は、図1(a)(b)(c)に示すように、基板1と、青色光を放出する発光素子としてのLEDチップ2と、ワイヤ3と、ボンディングペースト4と、撥液剤パターン5と、第1蛍光体を含有した第1封止樹脂6と、第2蛍光体を含有した第2封止樹脂7と、2対の電極8と、電極配線パターン9と、反射壁11とから主に構成されている。
本実施の形態では、図1(a)に示すように、基板1の上に複数の発光素子としてのLEDチップ2が高密度に配置されている。
上記基板1は、LEDチップ2が実装されるセラミック基板であり、大きさは例えば図中X方向24mm×Y方向20mmとなっている。この基板1は、例えばガラス基板又はプリント基板等を用いることができるが、特に限定されるものはない。
上記複数のLEDチップ2は、上記基板1において、例えば、X軸と平行した方向に12個直列接続されており、この直列接続LEDチップ群はY軸方向に合計14本存在する。また、その直列接続LEDチップ群に含まれるLEDチップ2の数は全て同数になるように構成されている。この理由は、各々のLEDチップ2に極力均一な電力を投入することによって、発光強度ばらつきを抑制するためである。
また、本実施の形態では、前述したY方向の総14本の直列接続LEDチップ群は2本を1セットとして交互に電極配線パターン9に接続されている。したがって、本構造では、14本の直列接続LEDチップ群において、6本と8本とは別々の電極8に接続されており、6本の直列接続LEDチップ群と8本の直列接続LEDチップ群とを個別に発光させることが可能となっている。
上記電極配線パターン9は、基板1上において2対の電極8・8を備えていると共に、X方向15mm×Y方向13mmの長方形内に形成されている。
ここで、LEDチップ2は、X方向0.7mm×Y方向0.5mm×高さ方向0.14mmの大きさである。したがって、168個のLEDチップ2が、X方向1.0mm、Y方向0.8mmの間隔で規則正しくボンディングペースト4によって基板1上に固着されている。
尚、本実施の形態では、発光素子は、必ずしもLEDチップ2に限らず、例えば、半導体レーザ、有機EL素子等の他の発光素子を用いることも可能である。
次に、本実施の形態のLED発光装置10では、図1(b)に示すように、上記LEDチップ2及び電極配線パターン9は、図1(b)に示すように、白色の高反射性樹脂からなる反射壁11によって周囲を封止されている。
そして、反射壁11内では、上記14本の直列接続されたLEDチップ群のうちの8本に含まれるLEDチップ2を第1封止樹脂6によって封止し、残りの6本に含まれるLEDチップ2を第2封止樹脂7によって封止している。正確には、第1封止樹脂6に覆い被さるように第2封止樹脂7が形成されているため、図1(b)に示すLED発光装置10の第1封止樹脂6は、第2封止樹脂7から透けて見えた状態となっている。
上記第1封止樹脂6及び第2封止樹脂7は、それぞれ、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ変性シリコーン樹脂、アルキッド変性シリコーン樹脂、アクリル変性シリコーン樹脂、ポリエステル変性シリコーン樹脂、フェニルシリコーン樹脂等のシリコーン樹脂、又はエポキシ樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ウレタン樹脂等の透明樹脂から形成されている。尚、第1封止樹脂6及び第2封止樹脂7は、それぞれ、透明であることが好ましいが、LEDチップ2の発光、及び各封止樹脂中の後述する蛍光体の発光の大部分を透過することができれば、必ずしも透明である必要はない。
また、第1封止樹脂6及び第2封止樹脂7を構成する透明樹脂は、透過率が高いほど好ましく、屈折率は外部(空気)との屈折率差が小さいことが望ましい。
本実施の形態では、図1(c)に示すように、上記第1封止樹脂6の外周に沿ってフッ素を主成分とする撥液剤パターン5が配置されている。
上記撥液剤パターン5は、第1封止樹脂6を形成するときに、該第1封止樹脂6の広がりを抑制するための堰となるパターンである。この目的のために、撥液剤パターン5は、少なくともセラミックからなる基板1の表面に対する接触角(撥液性)よりも第1封止樹脂6に対する接触角(撥液性)が大きいことが望ましい。これにより、後述する第1封止樹脂塗布工程において、第1封止樹脂6が撥液剤パターン5よりも外側に広がらないように、第1封止樹脂6の広がりを留めると共に、その水平断面形状を半円状に保持することが容易となる。
上記撥液剤パターン5の線幅は例えば0.2mm〜0.3mmであり、近接するLEDチップ2の間に印刷されている。上記撥液剤パターン5に用いるフッ素系材料としては、例えば公知の撥油性のコーティング剤等を用いることができる。具体例としては、商品名「マーベルコート(菱光化学社製、型番:RFH−05H)」等が挙げられる。尚、撥液剤パターン5は第2封止樹脂7に覆われた構造になっているが、必ずしもこれに限らず、撥液剤パターン5が第2封止樹脂7を塗布する前にプラズマ処理によって除去されていても構わない。
(理想的なLED発光装置)
一般的に、LEDチップ2が疎に配置されたLED発光装置においては、図2(a)に示すように、LEDチップ2の周囲が充分に封止樹脂に覆われた構造であり、さらに、第1封止樹脂6と第2封止樹脂7とが撥液剤パターン5によって隔離形成された構造が理想的である。
上記理想的なLED発光装置では、LEDチップ2の放出光は各々の第1封止樹脂6又は第2封止樹脂7によって配光ムラのない2次光へ変換されると共に、隣接封止樹脂に対するクロストーク量が少なくなる。そして、目的の発光色を得るために各封止樹脂に含有する蛍光体の種類及び混入比率等を個別に調整することができ、さらに、色度合わせ作業の時間短縮や色度ばらつきの低減が可能になる。尚、図2(a)に示す断面構造では、第1封止樹脂6又は第2封止樹脂7により封止されているLEDは2個(2列)ずつとなっているが1個(1列)ずつでも構わない。
この条件において、第1封止樹脂6によって変換された2次光が電球色(約2700K、Ra>90)を発すると共に、第2封止樹脂7によって変換された2次光が昼白色(約7000K、Ra>90)を発するように蛍光体を混練したときの発光スペクトル強度分布を、図2(b)に示す。尚、本実施の形態では、全ての発光色温度において高い演性色(Ra>90)が要求されるLED発光装置について記述する。
理想的なLED発光装置では、演色性Ra>90を達成するために、第1封止樹脂6と第2封止樹脂7とは緑色蛍光体(ピーク波長540nm付近)と赤色蛍光体(ピーク波長620nm付近及び650nm付近)とを異なる混入比率で使用している。図2(b)から判るように、電球色は赤色640nm付近の波長強度が相対的に強いのに対して昼白色は青色450nm付近の波長強度が強い発光スペクトル分布を示す。青色波長の強度を比較すると、電球色における青色波長の強度は、昼白における青色波長の強度に対して10〜20%の強度に留まっている。
(発光素子が高密度に実装された場合の課題)
しかしながら、本実施の形態のように、LEDチップ2が高密度に配置されたLED発光装置10において、前述のような隔離構造を形成しようとすると、図3(a)に示すように、撥液剤パターン5とLEDチップ2との間の距離が約0.3mmと非常に短くなってしまい、LEDチップ2の周囲を充分に覆うことができなくなる。その結果、LEDチップ2を覆う樹脂量は前述したLEDチップ2を疎に配置した場合に比べて少なくなるため、図2(a)の場合と同様に、第1封止樹脂6から電球色(約2700K、Ra>90)を発光させようとすると、第1封止樹脂6に含まれる蛍光体量を増加(高濃度化)させる必要がある。
しかし、そのような手段を取った場合でも、樹脂の薄いLEDチップ2のエッジ付近から、蛍光体によって2次光へ変換される前の青色光が常に一定量放出されてしまう。そのため、約3500K(Ra>90)よりも低い色温度を再現することができないという課題が発生する。
ここで、色温度は演色性Raに大きく依存するため、Ra<90の条件においてはRa>90において再現できる範囲よりも広い色温度域を再現することができる。しかし、それでも直接放出される青色光の量はやはり一定量存在するため、より低い温度域が制限されることには変わりない。
一方、第2封止樹脂7から昼白色(約7000K以上、Ra>90)を発光させる場合は多量の青色光を必要とするため、直接放出される青色光を利用することによって、再現可能である。
(新たな課題に対する解決策)
本実施の形態のLED発光装置10では、上述した、樹脂の薄いLEDチップ2のエッジ付近から直接放出される青色光が原因となって3500K(Ra>90)よりも低い色温度の電球色を再現することができないという新たな課題を解決する方法として、図4(a)にも示すように、第1封止樹脂6と第2封止樹脂7とを隔離形成するのではなく、第1封止樹脂6に接するように第2封止樹脂7を形成している。
上記構成のLED発光装置10の効果を、図3(b)と図4(b)との比較により説明する。図3(b)は、図3(a)に示す構成のLED発光装置における電球色の発光スペクトル分布を示す波形図であり、図4(b)は図4(a)に示す本実施の形態のLED発光装置10における電球色の発光スペクトル分布を示す波形図である。詳細には、図3(b)及び図4(b)は、第2封止樹脂7のそれぞれの形成方法において、第1封止樹脂6から電球色が発光し、第2封止樹脂7から昼白色が発光するように蛍光体を混練した際の電球色の発光スペクトル分布を示している。また、図3(b)及び図4(b)の各破線は第1封止樹脂6(電球色)だけを形成した状態において第1封止樹脂に覆われたLEDチップ2のみを発光させた場合を示し、実線は第1封止樹脂6(電球色)に加えて第2封止樹脂7(昼白色)を形成した状態において第1封止樹脂6に覆われたLEDチップ2のみを発光させた場合に該当する。ここで示すスペクトル分布は、青色光の影響を説明するためのものであり、必ずしもRa>90の条件を満たしていない。
まず、図3(a)示すように、第2封止樹脂7(昼白色)を隔離形成した場合、図3(b)に示すように、破線にて示す第1封止樹脂6のみに対して実線にて示す第1封止樹脂6+第2封止樹脂7のみの場合は、直接放出された青色光のごく一部が隣の第2封止樹脂7(昼白色)に入光して昼白色成分へ変換されることにより青色光強度が25%程度減少している。しかしながら、依然として直接放射される青色光の相対強度が強いため、図2(b)に示す理想的な電球色のスペクトル分布とは異なる。
これに対して、本実施の形態のLED発光装置10では、図4(a)に示すように、第2封止樹脂7(昼白色)を隣接形成しているので、図4(b)に示すように、破線にて示す第1封止樹脂6のみに対して実線にて示す第1封止樹脂6+第2封止樹脂7のみの場合は、直接放射された青色光の多くが隣接する第2封止樹脂7(昼白)に入光して昼白色成分へ変換される。この変換では、青色光の発光強度が70%程度吸収され、緑色光と赤色光の発光強度が各蛍光体の変換効率相当分だけ増加する。この結果、青色光が大幅に減少することで理想的な電球色のスペクトル分布が得られる。
(昼白色を得るための好ましい高さ条件)
次に、本実施の形態のLED発光装置10における第1封止樹脂6(電球色)に接するように形成された第2封止樹脂7(昼白色)の高さと電球色(2700K、Ra>90)の再現性との関係について、図5(a)(b)(c)(d)に基づいて説明する。図5(a)(b)(c)(d)は、図5(a)から図5(d)の順に、第2封止樹脂7(昼白色)の高さを増加させた状態における第2封止樹脂7(昼白色)の高さと電球色(2700K、Ra>90)の再現性との関係を示す説明図である。
まず、図5(a)に示すように、LEDチップ2の表面よりも低い高さ(約0.14mm以下)に第2封止樹脂7が形成された場合には、第1封止樹脂6に覆われたLEDチップ2のエッジから直接多量の青色光が放射されることになり電球色(2700K、Ra>90)を再現することはできない。
次に、図5(b)に示すように、LEDチップ2の表面よりも高く(約0.14〜0.35mm)第2封止樹脂7が形成された場合には、第1封止樹脂に覆われたLEDチップエッジから放射された青色光を第2封止樹脂によって変換・抑制することが可能であり、電球色を再現することができる。ただし、LEDチップ2の表面から空気層界面までの距離は非常に短くなっており、この間に青色光を充分に変換させるためには第2封止樹脂7の蛍光体濃度は35.6[wt%]必要となる。この濃度未満の場合は、やはり青色光の変換・抑制される量が充分ではなく、青色光成分が多くなってしまい電球色を再現することができない。さらに、LEDチップ2のワイヤ3は第2封止樹脂7から露出されているため耐久性は悪く、保護するためには蛍光体を混練していないシリコーン樹脂や光学レンズ等を上部に被せる必要がある。
次に、図5(c)に示すように、LEDチップ2のワイヤ3よりも高く、かつ、第1封止樹脂6の高さよりも低く(約0.35〜0.45mm)第2封止樹脂7が形成されている場合には、図5(b)と比較して第2封止樹脂7の体積(光路長)が増加しているため、同じ電球色を再現するためには昼白色の蛍光体濃度を図5(b)よりも減少させればよい。図5(b)の蛍光体濃度と等しくしてしまうと、光路長が長くなる分、青色光が過剰に抑制されるので、2700Kよりも低い色温度の電球色を再現できることになる。
しかし、一方で、第2封止樹脂に覆われたLEDチップのみを発光させた場合(昼白色発光)も光路長が長くなると共に、蛍光体濃度も高いため、昼白色(7000K以上、Ra>90)を再現できなくなるという問題が発生する。単一の発光装置100において各樹脂を発光させて電球色(2700K、Ra>90)と昼白色(7000K以上、Ra>90)とを含む広い色温度域を再現するためには、各樹脂の体積量(特に光路長)に応じて蛍光体濃度を調整する必要がある。図5(c)においてはLEDチップ2のワイヤ3が第2封止樹脂7によって埋没、保護されているため、図5(b)に比べて耐久性も向上している。ただし、第1封止樹脂6が第2封止樹脂7よりも高い構造となっているため、第1封止樹脂6は隔壁として第2封止樹脂7の領域を分断している。そのため、分断された第2封止樹脂7の領域にディスペンサ等の塗布手段によって樹脂を個別に塗布する必要が生じてしまい、各領域の塗布量ばらつきがLED発光装置10の色度ムラとして現われてしまう。
次に、図5(d)に示すように、第1封止樹脂6よりも高く、かつ、反射壁11と同程度の高さに第2封止樹脂7が形成されている(0.45〜1.0mm)場合には、第2封止樹脂7の体積は図5(c)の場合よりも多くなる。このため、電球色(2700K、Ra>90)及び昼白色(7000K以上、Ra>90)を満たす蛍光体濃度は10.6[wt%]となる。このとき、第2封止樹脂7の領域は1つに繋がっているため塗布量ばらつきは少なく、LED発光装置10の色度ムラが抑制される。また、反射壁11内の中心付近へディスペンサ等の塗布手段によって第2封止樹脂7を塗布することにより、自然と塗布位置を中心とした円状に濡れ広がることができる。この結果、塗布位置のアライメント精度を必要としない。また、複数回に分割して塗布する必要がなくなるので、工程時間の短縮と塗布量ばらつきによる色度ムラの抑制とが可能となる。
(LED発光装置の製造方法)
次に、上記構成の本実施の形態におけるLED発光装置10の製造方法について、図6(a)〜(f)に基づいて説明する。図6(a)〜(f)は、LED発光装置10の製造工程を示す断面図、及びそれに対応する平面図である。
まず、図6(a)に示すように、2対の電極8と電極配線パターン9を有する基板1を準備する。
次いで、図6(b)に示すように、撥液剤パターン形成工程において、LEDチップ2が実装される基板1上に閉じられた区画領域を形成するように、透明の撥液インクを塗布することによって、撥液剤パターン5を形成する。尚、撥液剤パターン5は、例えばフレキソ印刷等によって形成することができる。
次に、図6(c)に示すように、実装工程において、LEDチップ2を基板1上に実装する。このとき、前述した撥液剤パターン5によって閉じられた複数の区画領域内のLEDチップ2は一対の電極8に全て導通するようにワイヤ3によって電極配線パターン9に接続される。区画領域外のLEDチップ2はもう1対の電極8にすべて導通するように同様に接続される。
その後、図6(d)に示すように、第1封止樹脂の塗布工程において、撥液剤パターン5によって形成された区画領域の内側におけるLEDチップ2の周囲に蛍光体を混練した第1封止樹脂6を塗布する。
ここで、撥液剤パターン5内におけるLEDチップ2が搭載された領域は、第1封止樹脂6に対する濡れ性の高い親液性領域である。一方、撥液剤パターン5は、第1封止樹脂6に対する濡れ性の低い撥液性領域である。これにより、撥液剤パターン5内のLEDチップ2の周囲に第1封止樹脂6を塗布すると、第1封止樹脂6は、基板1上を拡がり、撥液剤パターン5の内壁面に接する。すなわち、撥液剤パターン5が、第1封止樹脂6の拡がりを堰き止める。このため、第1封止樹脂6の塗布量が撥液剤パターン5内に収まる程度であれば、第1封止樹脂6の外縁部の全域が、撥液剤パターン5の内側面に当接した状態となる。第1封止樹脂6の塗布量は、第1封止樹脂6が撥液剤パターン5を越えて、撥液剤パターン5の外へ出ない程度であればよい。
このようにして、撥液剤パターン5が第1封止樹脂6の拡がりを制御する結果、硬化後の第1封止樹脂6の断面が半円状になる。
また、本実施の形態のように、LEDチップ2が密に配置されたLED発光装置10においては、図6(d)に示すように、LEDチップ2を一列ずつ塗布するのではなく、二列を一度に塗布するのが好ましい。これは、一列毎に撥液剤パターン5を形成した場合、LEDチップ2が密に配置されているためにLEDチップ2を完全に覆うような半円形状を形成することが困難になるからである。また、二列を一度に塗布することによって、塗布ニードルの位置ズレに対する許容幅も広く確保することができる。第1封止樹脂6の形成後は、撥液剤パターン5をプラズマ処理装置等によって除去しても問題はない。
第1封止樹脂6の焼成仮硬化後の次は、図6(e)に示す反射壁塗布工程である。反射壁塗布工程では、反射壁11を電極配線パターン9に沿って塗布することによって、電極配線パターン9及びワイヤ3接点を保護する。第1封止樹脂塗布工程と反射壁塗布工程とは順序を逆にしてもよい。しかし、第1封止樹脂6が反射壁11の近接部において決壊することを防ぐために、第1封止樹脂6を先に塗布し、仮硬化させる方が好ましい。
最後に、第2封止樹脂の塗布工程において、反射壁11の内側に蛍光体を混練した第2封止樹脂7を塗布する。図6(f)に示すように、塗布ニードルを略中心に配置して一括吐出で第1封止樹脂6を覆うように塗布する。これにより、反射壁11によって仕切られた領域内を均一に拡がることができるので、工程の簡易化に繋がる。ただし、第1封止樹脂6が大気中に露わになるように、複数の第1封止樹脂6の各隙間に第2封止樹脂7を個別に塗布しても構わない。
このように、本実施の形態のLED発光装置10は、基板1と、基板1に実装された複数のLEDチップ2と、複数のLEDチップ2を封止する、波長変換材料が混練された第1封止樹脂6及び第2封止樹脂7とを備えている。
ところで、このようなLED発光装置10において、LEDチップ2が基板1に高密度に実装された場合、第1封止樹脂6及び第2封止樹脂7がそれぞれのLEDチップ2の周囲を充分に覆うことができなくなる。その結果、所望の調色を行うことができないという問題が発生する。
そこで、本実施の形態では、第1封止樹脂6は、複数のLEDチップ2を封止しており、第2封止樹脂7は、他の複数のLEDチップ2を該LEDチップ2の高さよりも高い位置まで覆うように封止し、かつ第1封止樹脂6に接して該第1封止樹脂6の一部又は全部を封止している。したがって、本実施の形態では、第1封止樹脂6と第2封止樹脂7との間には、隔壁を設けていない。
本実施の形態では、この構成により、第1封止樹脂6に封止されたLEDチップ2は、該LEDチップ2が第1封止樹脂6に充分に覆われなくても第2封止樹脂7に覆われることになる。また、第2封止樹脂7に封止されたLEDチップ2は、そのLEDチップ2の高さよりも高い位置まで第2封止樹脂7に覆われるので、封止が不十分となることはない。
この結果、本実施の形態では、第1封止樹脂6に覆われたLEDチップ2のみを発光させた場合には、第1封止樹脂6に含まれる波長変換材料により特定される光波長を放出する。また、第2封止樹脂7に覆われたLEDチップ2のみを発光させた場合には、第2封止樹脂7に含まれる波長変換材料により特定される光波長を放出することができる。さらに、第1封止樹脂6に覆われたLEDチップ2と第2封止樹脂7に覆われたLEDチップ2とを同時に発光させた場合は、両者から放出された光がミキシングされることによって、中間色を再現することができる。この結果、LEDチップ2が基板1に高密度に実装された場合においても、所望の調色が可能なLED発光装置10となる。
したがって、LEDチップ2が高密度に実装された場合において、隔壁を使用せずに所望の調色を行い得るLED発光装置10を提供することができる。
また、本実施の形態のLED発光装置10では、第1封止樹脂6は、外周が撥液剤パターン5によって形状保持されている。
これにより、第1封止樹脂6の広がりは撥液剤パターン5によって抑制され、第1封止樹脂6は、撥液剤パターン5の内側だけに配置形成される。また、第1封止樹脂6の高さはその樹脂量によって制御することが容易になる。さらに、第1封止樹脂6に隣接する第2封止樹脂7はLEDチップ2を囲う反射壁11によって形状保持されるため、第1封止樹脂6と同様に第2封止樹脂7の高さもその樹脂量によって制御することが容易である。
また、例えば、第1封止樹脂及び第2封止樹脂の高さを低く形成することによって、一方の発光素子が発光したときに隣接する封止樹脂へ入光して波長変換される量を抑制することができる。その結果、各封止樹脂に含まれる波長変換材料を独立して調整することが容易となる。
また、本実施の形態のLED発光装置10では、第1封止樹脂6に混練された波長変換材料は、第2封止樹脂7に混練された波長変換材料よりも相対的に長い波長の2次光を発する。
すなわち、例えば蛍光体等の波長変換材料は、短波長光を吸収してより長波長の光へ変換する性質を有している。そのため、本実施の形態では、第1封止樹脂6に覆われたLEDチップ2の放射光は、第1封止樹脂6において相対的に長い波長の2次光へ変換された後に第2封止樹脂7へ再入光することになるが、既に長波長へ変換されているために第2封止樹脂7において変換される量は少量となる。
この結果、第1封止樹脂6に覆われたLEDチップ2の発光色を決定する因子は第1封止樹脂6に含まれた波長変換材料が支配的となるので、独立した調整が容易となる。
また、本実施の形態のLED発光装置10では、第1封止樹脂6の縦断面形状は、半円形状である。これにより、第2封止樹脂7に覆われたLEDチップ2の2次光が第1封止樹脂6へ再入光するクロストーク量を極力抑制することができる。したがって、各封止樹脂に含まれる波長変換材料を独立して調整することが容易となる。
また、本実施の形態のLED発光装置10の製造方法は、基板1と、基板1に実装された複数のLEDチップ2と、複数のLEDチップ2を封止する、波長変換材料が混練された第1封止樹脂6及び第2封止樹脂7とを備えたLED発光装置10の製造方法である。その製造方法は、基板1に閉形状を有する撥液剤パターン5を形成する撥液剤パターン形成工程と、閉形状を有する撥液剤パターン5の内側及び外側に複数のLEDチップ2を実装する実装工程と、閉形状を有する撥液剤パターン5の内側に第1封止樹脂6を塗布する塗布工程と、複数のLEDチップ2を全て囲うように反射壁11を形成する反射壁形成工程と、反射壁11の内側に第2封止樹脂7をLEDチップ2の高さよりも高い位置まで覆うように塗布する塗布工程とを含んでいる。
したがって、LEDチップ2が高密度に実装された場合において、隔壁を使用せずに所望の調色を行い得るLED発光装置10の製造方法を提供することができる。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図7〜図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態のLED発光装置20は、前記実施の形態1のLED発光装置10における第2封止樹脂7の表面に凹凸構造を付した点が異なっている。
本実施の形態のLED発光装置20の構成について、図7(a)(b)に基づいて説明する。図7(a)は実施の形態1のLED発光装置10の要部構成を示す断面図であり、(b)は本発明における発光装置の他の実施の形態を示すものであって、発光装置としてのLED発光装置20の要部構成を示す断面図である。
まず、図7(a)に示すように、前記実施の形態1のLED発光装置10において、第1封止樹脂6と第2封止樹脂7とをそれぞれ電球色2700Kの発光色と昼白色7500Kの発光色とが得られるように構成したとする。
この場合、この状態で得られる第2封止樹脂7に覆われたLEDチップ2のみの発光光(昼白色発光光)は、第2封止樹脂7の表面の平面形状によって一部の光が空気界面で全反射されて第1封止樹脂6(電球色)へ再入光して色変換された成分も含まれている。全反射された光のさらに一部は反射率の低いLEDチップ2等に吸収される。
そこで、このような問題を解決すべく、本実施の形態のLED発光装置20では、図7(b)に示すように、第2封止樹脂7の表面に凹凸形状としての凹凸構造21を付与している。このように、凹凸構造21を付与することにより、空気界面で全反射される量が減少し、空気層へ放出される昼白色成分が増加する。その結果、7500Kよりも高い色温度を再現することができ、さらには無駄な吸収を抑制できるので、光の取出し効率が向上する。言い換えると、蛍光体比率や濃度のレシピを新規に作成しなくても、凹凸構造21を付与すれば、昼白色温度を一定量増加させることができることを意味している。したがって、凹凸構造21の大きさや数により色温度の微調整が可能となる。
上記凹凸構造21の付与したLED発光装置20の製造方法について、図8(a)〜(d)に基づいて説明する。図8(a)〜(d)は、LED発光装置20の製造方法を示す断面図である。
すなわち、凹凸構造21を付与する1つの方法は、図8(a)に示すように、第2封止樹脂7を塗布した後、図8(b)に示すように、凹凸構造が形成された型22を第2封止樹脂7の表面に押し当てた状態で第2封止樹脂7を高温硬化させる。その後、図8(c)に示すように、凹凸構造を形成した型22を取り外すことによって、凹凸構造21が第2封止樹脂7の表面に転写される。ここで、型22は、離型性を良くするために、例えばテフロン(登録商標)系素材から構成されることが好ましい。
このように、本実施の形態のLED発光装置20では、第2封止樹脂7の表面形状は、凹凸形状としての凹凸構造21が設けられている。
これにより、第2封止樹脂7に覆われたLEDチップ2の2次光のうち、第2封止樹脂7と空気層との界面において全反射する光を減らすことができる。この結果、第1封止樹脂6へ再入光するクロストーク量を極力抑制することができることになるので、各封止樹脂に含まれる波長変換材料を独立して調整することが容易となる。
〔実施の形態3〕
本発明の他の実施の形態について図9に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1及び実施の形態2と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1及び実施の形態2の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態では、凹凸構造21を有するLED発光装置20の製造方法について、実施の形態2とは異なる製造方法について、図9(a)(b)に基づいて説明する。図9(a)〜(c)は、上記LED発光装置の製造方法を示す断面図である。
本実施の形態におけるLED発光装置20の凹凸構造21の付与方法は、図9(a)に示すように、第2封止樹脂7を塗布した後、該第2封止樹脂7を高温硬化させる。その後、図9(b)(c)に示すように、事前に図示しない凹凸テフロン(登録商標)型によって成形した凹凸シリコーン樹脂フィルム23を、同等の屈折率を有するシリコーン樹脂24等を介して硬化接着する。
このような方法によっても、凹凸構造21を有するLED発光装置20を製造することができる。
尚、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、LED、半導体レーザ、有機EL素子等の発光装置及びその製造方法に適用できる。そして、高輝度かつ調光性能を有するため、家庭用から商業用まで幅広い範囲の照明器具等に適用することができる。
1 基板
2 LEDチップ(発光素子)
5 撥液剤パターン
6 第1封止樹脂
7 第2封止樹脂
8 電極
9 電極配線パターン
10 LED発光装置
11 反射壁
20 LED発光装置
21 凹凸構造(凹凸形状)
23 凹凸シリコーン樹脂フィルム
24 シリコーン樹脂

Claims (6)

  1. 基板と、上記基板に実装された複数の発光素子と、上記複数の発光素子を封止する波長変換材料が混練された第1封止樹脂及び第2封止樹脂とを備えた発光装置において、
    上記第1封止樹脂は、複数の発光素子を封止しており、
    上記第2封止樹脂は、他の複数の発光素子を該発光素子の高さよりも高い位置まで覆うように封止し、かつ上記第1封止樹脂に接して該第1封止樹脂の一部又は全部を封止していることを特徴とする発光装置。
  2. 前記第1封止樹脂は、外周が撥液剤パターンによって形状保持されていることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
  3. 前記第1封止樹脂に混練された波長変換材料は、前記第2封止樹脂に混練された波長変換材料よりも相対的に長い波長の2次光を発することを特徴とする請求項1又は2記載の発光装置。
  4. 前記第1封止樹脂の縦断面形状は、半円形状であることを特徴とする請求項1,2又は3記載の発光装置。
  5. 前記第2封止樹脂の表面形状は、凹凸形状となっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の発光装置。
  6. 基板と、上記基板に実装された複数の発光素子と、上記複数の発光素子を封止する波長変換材料が混練された第1封止樹脂及び第2封止樹脂とを備えた発光装置の製造方法において、
    上記基板に閉形状を有する撥液剤パターンを形成する撥液剤パターン形成工程と、
    上記閉形状を有する撥液剤パターンの内側及び外側に複数の発光素子を実装する実装工程と、
    上記閉形状を有する撥液剤パターンの内側に上記第1封止樹脂を塗布する塗布工程と、
    上記複数の発光素子を全て囲うように反射壁を形成する反射壁形成工程と、
    上記反射壁の内側に第2封止樹脂を上記発光素子の高さよりも高い位置まで覆うように塗布する塗布工程とを含むことを特徴とする発光装置の製造方法。
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