JP2014047345A - 粘着フィルム - Google Patents

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和宏 牧嶋
Junichi Imaizumi
純一 今泉
Hiroaki Takahashi
宏明 高橋
Hajime Nakamura
一 中村
Tomoyuki Nakamura
智之 中村
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Abstract

【課題】粘着層の両面の基材層を片方ずつ容易に剥離させることができる粘着フィルムを提供する。
【解決手段】粘着フィルム1は、フィルム状の粘着層2と、粘着層2の外縁2aに倣う外形線3aにより囲まれた平面形状を呈し、粘着層2の一方面2bを覆う軽剥離セパレータ3と、粘着層2の外縁2aに倣う外形線4aにより囲まれた平面形状を呈し、粘着層2の他方面2cを覆う重剥離セパレータ4と、を備えている。軽剥離セパレータ3の外縁部には、平面視で外形線3a,4aより外側に突出する凸部3bが設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、粘着フィルムに関する。
従来、携帯電話、携帯ゲーム機、デジタルカメラ、カーナビゲーション、携帯用小型パソコン、携帯情報端末(PDA)等の多くの機器において液晶等の表示装置が用いられている。表示装置は、複数のパネルにより構成される。例えば、近年普及してきたタッチパネル機能付きの表示装置(以下、タッチパネル式ディスプレイという。)は、保護パネル、タッチパネル、液晶パネル等を積層して構成される。特許文献1には、保護パネルとタッチパネルとの間又はタッチパネルと液晶パネルとの間に透明な接着剤を介在させたタッチパネル式ディスプレイが開示されている。このようにパネル同士の間に接着剤を介在させると、表示装置の輝度や鮮明さを向上させることができる。また、接着剤の層が衝撃吸収材として機能するため、表示装置の強度を向上させることができる。このため、パネル同士の間に介在する接着剤の層は、表示装置において不可欠の要素となってきている。
特開2008−83491号公報
ところで、パネル同士の間に接着剤(粘着剤)の層を介在させる作業を容易にするために、予めフィルム状に成形された粘着剤の層(フィルム状の粘着層)によってパネル同士を貼り合わせる方法が採用される場合がある。使用前のフィルム状の粘着層は、剥離可能な一対の基材層によって挟まれた形態で取り扱われ(以下、この形態を粘着フィルムという。)、基材層によって粘着層の両面が保護される。パネル同士を貼り合わせる際には、粘着層の一方面側の基材層を剥離させて粘着層の一方面を一方のパネルに貼り合わせた後に、粘着層の他方面側の基材層を剥離させて粘着層の他方面を他方のパネルに貼り合わせることが好ましい。仮に、一方面側又は他方面側の基材層を剥離させる途中で反対側の面における粘着層の剥離が生じてしまうと、粘着層の両面を十分に保護できず、表示装置の輝度や鮮明さ等が低下してしまうおそれがある。
そこで本発明は、粘着層の両面の基材層を片方ずつ容易に剥離させることができる粘着フィルムを提供することを目的とする。
本発明に係る粘着フィルムは、フィルム状の粘着層と、粘着層の外縁に倣う第1の外形線により囲まれた平面形状を呈し、粘着層の一方面を覆う第1の基材層と、粘着層の外縁に倣う第2の外形線により囲まれた平面形状を呈し、粘着層の他方面を覆う第2の基材層と、を備え、第1又は第2の基材層の外縁部には、平面視で第1及び第2の外形線より外側に突出する凸部が設けられていることを特徴とする。
このような粘着フィルムでは、第1及び第2の基材層は、それぞれ粘着層の外縁に倣う第1及び第2の外形線により囲まれた平面形状を呈し、第1又は第2の基材層の外縁部には、平面視で第1及び第2の外形線より外側に突出する凸部が設けられている。このため、基材層の凸部を摘み粘着層から離れる方向に曲げることで、その基材層の外縁部の一部分に集中的に剥離の力を作用させ、その基材層の剥離を開始させることができる。更に、剥離した部分を起点に、その基材層の剥離を円滑に進行させることができる。従って、第1又は第2の基材層を剥離させる際に、反対側の面において粘着層が剥離することを防止することができる。
ここで、粘着層は角部を有する平面形状を呈し、凸部は、第1又は第2の基材層の外縁部のうち粘着層の角部に対応する部分に設けられていてもよい。この場合、基材層の凸部を摘み粘着層から離れる方向に曲げることで、その基材層の外縁部のうち粘着層の角部に対応する部分に集中的に剥離の力を作用させることができる。これにより、第1又は第2の基材層の剥離を粘着層の角部で開始させることができる。第1又は第2の基材層の剥離を粘着層の角部で開始させることで、その基材層の剥離領域を粘着層の角部から徐々に広げ、その基材層の剥離を更に円滑に進行させることができる。従って、第1又は第2の基材層を剥離させる際に、反対側の面において粘着層が剥離することをより確実に防止することができる。
また、第1の基材層と粘着層との密着面の剥離強度は、第2の基材層と粘着層との密着面の剥離強度より低くなっていてもよい。この場合、第2の基材層に比べ第1の基材層を剥離させ易いため、第2の基材層より先に第1の基材層を剥離させる際に、第2の基材層から粘着層が剥離することをより確実に防止することができる。
更に、凸部は、第1の基材層の外縁部に設けられていてもよい。この場合、第2の基材層より先に第1の基材層を剥離させる際に、第2の基材層から粘着層が剥離することをより確実に防止することができる。
また、凸部は、第1及び第2の基材層の外縁部に設けられていてもよい。この場合、第1及び第2の基材層のいずれを剥離させる際にも、反対側の面において粘着層が剥離することを防止することができる。
本発明に係る粘着フィルムによれば、粘着層の両面の基材層を片方ずつ容易に剥離させることができる。
本発明に係る粘着フィルムの第1実施形態を示す斜視図である。 図1中の粘着フィルムの側面図である。 図1中の粘着フィルムの要部拡大平面図である。 第1実施形態の変形例を示す側面図である。 母材フィルムの断面図である。 粘着層及び重剥離セパレータを切断する工程を示す断面図である。 粘着層及び重剥離セパレータの外側部分を除去する工程を示す断面図である。 粘着層の外側部分を除去する工程を示す断面図である。 仮セパレータを除去する工程を示す断面図である。 軽剥離セパレータを貼付する工程を示す断面図である。 キャリアフィルムを剥離させる工程を示す断面図である。 軽剥離セパレータを剥離させる工程を示す断面図である。 被着物に粘着層の一方面を貼付する工程を示す断面図である。 重剥離セパレータを剥離させる工程を示す断面図である。 被着物に粘着層の他方面を貼付する工程を示す断面図である。 広域動的粘弾性測定装置へのサンプルのセット方法を示す模式図である。 本発明に係る粘着フィルムの第2実施形態を示す斜視図である。 図17中の粘着フィルムの側面図である。 図17中の粘着フィルムの平面図である。 母材フィルムの断面図である。 粘着層を切断する工程を示す断面図である。 粘着層の外側部分を除去する工程を示す断面図である。 仮セパレータを除去する工程を示す断面図である。 軽剥離セパレータを貼付する工程を示す断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同じ記号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
図1及び図2に示されるように、第1実施形態の粘着フィルム1は、透明なフィルム状の粘着層2と、粘着層2の一方面2bに貼り合わされた軽剥離セパレータ(第1の基材層)3と、粘着層2の他方面2cに貼り合わされた重剥離セパレータ(第2の基材層)4と、重剥離セパレータ4の他方面4cに貼り合わされたキャリアフィルム5とを備えている。この粘着フィルム1は、例えば携帯端末用のタッチパネル式ディスプレイの組み立てにおいて、保護パネルとタッチパネルとの間、タッチパネルと液晶パネルとの間等に粘着層2を介在させるためのものである。
粘着層2は、例えば、(A)アクリル酸系誘導体ポリマ、(B)アクリル酸系誘導体、(C)重合開始剤等の粘着剤組成物によって形成される。(A)アクリル酸系誘導体ポリマーとしては、(B)アクリル酸系誘導体を重合させて得られるものが挙げられ、その重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより標準ポリスチレンの検量線を用いて測定したもの)が10,000以上1,000,000以下であるものが好ましい。アクリル酸系誘導体ポリマーは、アクリル酸系誘導体以外のモノマーを併用して重合させて得られるポリマーであってもよい。なお、重量平均分子量は、例えば、下記の装置及び測定条件で測定できる。
装置:高速GPC装置 HCL−8320GPC(検出器:示差屈折計又はUV)(東ソー(株)製、商品名)
使用溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
カラム:カラムTSKGEL SuperMultipore HZ−H(東ソー(株)製、商品名)
カラムサイズ:カラム長が15cm、カラム内径が4.6mm
測定温度:40℃
流量:0.35ml/分
試料濃度:10mg/THF5ml
注入量:20μl
(B)アクリル酸系誘導体としては、アクリル酸又はメタクリル酸、それらの誘導体等が挙げられる。具体的には、重合性不飽和結合を分子内に1個有する、アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキル、ベンジルメタアクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、アミノアルキル(メタ)アクリレート、(ジエチレングリコールエチルエーテル)の(メタ)アクリル酸エステル、ポリアルキレングリコールアルキルエーテルの(メタ)アクリル酸エステル、ポリアルキレングリコールアリールエーテルの(メタ)アクリル酸エステル、脂環式基を有する(メタ)アクリル酸エステル、フッ素化アルキルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、グリセロールメタクリレート、グリセロールアクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。これらは、単独又は2種類以上を併用することができる。
上記の重合性不飽和結合を分子内に1個有するモノマーと共に、重合性不飽和結合を分子内に2個以上有するモノマーを使用することができる。このようなモノマーとしては、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ウレタン結合を有するジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのモノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。粘着層2の成形性の観点からは、(B)成分において重合性不飽和結合を分子内に2個以上有するモノマーを用いることが好ましい。
なお、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及びそれに対応する「メタクリレート」を意味する。同様に「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及びそれに対応する「メタクリル」を意味し、「(メタ)アクリロイル」とは「アクリロイル」及びそれに対応する「メタクリロイル」を意味する。
(C)重合開始剤としては、光重合開始剤を使用することができ、ケトン系、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、アントラキノン系、ベンゾイン系、アシルフォスフィンオキサイド系、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、オニウム塩等の公知の材料から選ぶことができる。これらの中でも特に、1―ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のケトン系化合物、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系化合物を使用することが透明性及び硬化性の観点から好ましい。
(A)成分の含有量は、粘着剤組成物の全質量に対して、15〜80質量%であることが好ましく、15〜60質量%であることがより好ましく、15〜50質量%であることが特に好ましい。また、(B)成分の含有量は、粘着剤組成物の全質量に対して15〜80質量%であることが好ましく、30〜80質量%であることがより好ましく、40〜80質量%であることが特に好ましい。(A)成分及び(B)成分の含有量が上記範囲内であると、粘着剤組成物の粘度が粘着層を作製する際の適正粘度範囲に入り、成形性が良好となる。また、得られる粘着層2の粘着性及び透明性も向上する。(C)成分の含有量は、粘着剤組成物の全質量に対して、0.05〜5質量%であることが好ましく、0.1〜3質量%であることがより好ましく、0.1〜0.5質量%であることが特に好ましい。(C)成分の含有量を5質量%以下とすることで、粘着剤組成物の光透過率が高まり、また粘着剤組成物の色相が黄味を帯びにくくなるため、より優れた粘着層2を得ることができる。
このような粘着層2は、例えば、重剥離セパレータ4上に、上記(A)〜(C)成分を含む溶液状の粘着剤組成物を任意の膜厚で塗工し、これに活性エネルギー線を照射して硬化させた後に所望の大きさに切断することで形成される。粘着層2は、粘着性の観点から、アルキル基の炭素数が4〜18の(メタ)アクリル酸アルキルに由来する構造単位を主に含むことが好ましい。ここで「主に含む」とは、粘着層2を構成する成分中で最も多い成分を意味する。塗工された粘着剤組成物に、紫外線等の活性光線を照射してもよい。粘着層2の厚さは、0.1mm以上1mm以下であることが好ましく、0.15mm(150μm)以上0.5mm(500μm)以下であることがより好ましい。このような厚さにすることで、粘着層2をディスプレイに適用した場合により一層優れた効果を発揮させることができる。
粘着層2の25℃における貯蔵弾性率は、1.0×10Pa以上1.0×10Pa以下であることが好ましく、1.0×10Pa以上5.0×10Pa以下であることがより好ましい。貯蔵弾性率は、例えば、次のようにして測定できる。まず、厚さ250μmの粘着層2を2枚重ねて厚さ約500μmにし、一辺10mmの正方形状に裁断してサンプルSを作製する。2つのサンプルSを準備し、治具100を介して広域動的粘弾性測定装置にセットする。図16に示されるように、治具100は、互いに対向するように広域動的粘弾性測定装置に取り付けられる一対の取付治具100A,100Bを有している。取付治具100Aには、取付治具100Bに向かって延在するプレートP1が設けられている。取付治具100Bには、取付治具100Aに向かって延在し、プレートP1の各面に対向する一対のプレートP2,P2が設けられている。各プレートP2とプレートP1とは、サンプルSを介して貼り合わされる。この状態で、広域動的粘弾性測定装置により取付治具100A,100Bを互いに離間させ、貯蔵弾性率を測定する。広域動的粘弾性測定装置としては、Rheometric Scientific社製、Solids Analyzer RSA−IIを用い、測定条件は「シェアサンドイッチモード、周波数1.0Hz、測定温度範囲−20〜100℃で昇温速度5℃/分」とする。
また、粘着層2のガラス板に対する剥離強度(ピール強度)は、5N/10mm以上20N/10mm以下であることが好ましく、7N/10mm以上15N/10mm以下であることがより好ましい。粘着層2の光透過率は、可視光領域(波長:380〜780nm)の光線に対して80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることが特に好ましい。この光透過率は、分光光度計により測定することができる。分光光度計としては、例えば日立U−3310型分光光度計(積分球使用)を使用することができる。粘着層2の光透過率は、例えば厚さ500μmのガラス板と、厚さ175μmになるように作製された粘着層2とを貼り合わせた粘着層付きガラス板の光透過率を分光光度計により測定し、粘着層付きガラス板の光透過率からガラス板の光透過率を差し引くことで算出することができる。
粘着層2の厚さは、100μm以上500μm以下であることが好ましく、150μm以上400μm以下であることがより好ましい。粘着層2の形状や大きさは、被着物の形状や大きさに応じて適宜設計される。その一例として、粘着フィルム1では、粘着層2は、長方形の平面形状、すなわち4つの角部2dを有する平面形状を呈している。粘着層2の長辺の長さは、例えば50mm以上500mm以下であることが好ましく、100mm以上300mm以下であることがより好ましい。粘着層2の短辺の長さは、例えば30mm以上400mm以下であることが好ましく、80mm以上280mm以下であることがより好ましい。
軽剥離セパレータ3は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の重合体フィルムであり、中でも、ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「PETフィルム」という。)であることが好ましい。軽剥離セパレータ3の厚さは、例えば25μm以上125μm以下であることが好ましく、30μm以上100μm以下であることがより好ましく、40μm以上75μm以下であることが特に好ましい。軽剥離セパレータ3は、粘着層2の外縁2aに倣う外形線3aにより囲まれた平面形状を呈し、粘着層2の一方面2bを覆っている。これにより、粘着層2の一方面2bが保護される。外形線3aは、平面視で外縁2aに重なっていてもよいし、外縁2aより外側に張り出していてもよい。その一例として、粘着フィルム1では、外形線3aは外縁2aより外側に張り出している。外形線3aが外縁2aより外側に張り出していると、粘着層2の外縁2aが保護される。外形線3aが外縁2aより外側に張り出す量は、例えば2mm以上15mm以下であることが好ましく、4mm以上10mm以下であることがより好ましい。
重剥離セパレータ4は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の重合体フィルムであり、中でも、ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「PETフィルム」という。)であることが好ましい。重剥離セパレータ4の厚さは、例えば50μm以上150μm以下であることが好ましく、60μm以上125μm以下であることがより好ましく、70μm以上100μm以下であることが特に好ましい。重剥離セパレータ4は、粘着層2の外縁2aに倣う外形線4aにより囲まれた平面形状を呈し、粘着層2の他方面2cを覆っている。外形線4aは、平面視で外縁2aに重なっていてもよいし、外縁2aより外側に張り出していてもよい。その一例として、粘着フィルム1では、外形線4aは平面視で外縁2aに重なっている。
キャリアフィルム5は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の重合体フィルムであり、中でも、ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「PETフィルム」という。)であることが好ましい。キャリアフィルム5の厚さは、例えば、15μm以上100μm以下であることが好ましく、20μm以上80μm以下であることがより好ましく、20μm以上50μm以下であることが特に好ましい。キャリアフィルム5は、粘着層2の外縁2aに倣う外形線5aにより囲まれた平面形状を呈し、重剥離セパレータ4の他方面4cを覆っている。外形線5aは、平面視で外形線4aに重なっていてもよいし、外縁2a及び外形線4aより外側に張り出していてもよい。その一例として、粘着フィルム1では、外形線5aは外縁2a及び外形線4aより外側に張り出し、更に外形線3aより外側に張り出している。外形線5aが外縁2aより外側に張り出していると、外縁2aがより確実に保護される。外形線5aが外縁2aより外側に張り出す量は、例えば3mm以上25mm以下であることが好ましく、5mm以上20mm以下であることがより好ましい。
また、軽剥離セパレータ3と粘着層2との密着面の剥離強度は、重剥離セパレータ4と粘着層2との密着面の剥離強度より低くなっている。キャリアフィルム5と重剥離セパレータ4との密着面の剥離強度は、重剥離セパレータ4と粘着層2との密着面の剥離強度より低くなっている。ここで、キャリアフィルム5と重剥離セパレータ4との密着面の剥離強度は、軽剥離セパレータ3と粘着層2との密着面の剥離強度より低いことがより好ましいが、高くても本発明の効果が損なわれることはない。
軽剥離セパレータ3と粘着層2との密着面の剥離強度は、0.01N/25mm以上0.4N/25mm以下であることが好ましく、重剥離セパレータ4と粘着層2との密着面の剥離強度は、0.3N/25mm以上1.5N/25mm以下であることが好ましく、キャリアフィルム5と重剥離セパレータ4との密着面の剥離強度は、0.005N/25mm以上0.3N/25mm以下であることが好ましい。また、軽剥離セパレータ3と粘着層2との密着面の剥離強度をS1、重剥離セパレータ4と粘着層2との密着面の剥離強度をS2、キャリアフィルム5と重剥離セパレータ4との密着面の剥離強度をS3とした場合、S2>S1且つS2>S3であることが好ましい。S1とS3との関係は、S1>S3であってもよいし、S3>S1であってもよいが、S1>S3であることが特に好ましい。
上記剥離強度は、(株)エー・アンド・デイ製の万能試験機「テンシロン RTG−1210」で測定したものとする。測定条件は、「軽剥離セパレータ3と粘着層2との密着面の剥離強度、重剥離セパレータ4と粘着層2との密着面の剥離強度、及びキャリアフィルム5と重剥離セパレータ4との密着面の剥離強度」は90度ピールによる。また、「粘着層2のガラス板に対する剥離強度」は180度ピールによる。
セパレータ3,4と粘着層2との剥離強度は、例えば、セパレータ3,4に対する表面処理等によって調整される。セパレータ3,4に対する表面処理方法としては、例えば、シリコーン系化合物又はフッ素系化合物で離型処理することが挙げられる。また、キャリアフィルム5と重剥離セパレータ4との剥離強度は、例えばキャリアフィルム5及び重剥離セパレータ4の間に形成させる接着剤層の種類及び接着剤の厚さによって調整される。キャリアフィルム5及び重剥離セパレータ4の間に形成させる接着剤の種類としては、例えばアクリル系接着剤等の接着剤が挙げられる。キャリアフィルム5及び重剥離セパレータ4の間に形成させる接着剤層の厚さは、0.1〜10μmであることが好ましく、1〜5μmであることがより好ましい。
なお、キャリアフィルム5の粘着層2側の面5bの全域に、上記接着剤層が形成されている場合、重剥離セパレータ4の外形線4aより外側において、上記接着剤層が露出してしまうこととなる。このような場合、図4に示されるように、重剥離セパレータ4の外形線4aより外側に、面5bを覆うフィルム4Aが設けられていることが好ましい。フィルム4Aは、例えば、重剥離セパレータ4と同じ素材で構成可能である。フィルム4Aを設けることにより、面5bの全域で上記接着剤層が覆われるため、露出した上記接着剤層が他の部分に貼り付いてしまうことや、露出した上記接着剤層に異物等が貼り付いてしまうことを効果的に防止し、粘着フィルム1の使い勝手を向上させることができる。
ここで、図1〜図3に示されるように、軽剥離セパレータ3の外縁部には、平面視で外形線3a及び外形線4aより外側に突出する凸部3bが設けられている。凸部3bは、軽剥離セパレータ3に一体的に形成されていてもよいし、軽剥離セパレータ3とは別に形成された部材を軽剥離セパレータ3に接合することで形成されていてもよい。凸部3bは、軽剥離セパレータ3の外縁部のどの部分に設けられていてもよい。また、複数の凸部3bが軽剥離セパレータ3の外縁部に設けられていてもよい。その一例として、粘着フィルム1では、軽剥離セパレータ3の外縁部には一つの凸部3bが設けられ、その凸部3bは、軽剥離セパレータ3の外縁部のうち粘着層2の角部2dに対応する部分に位置している。
凸部3bは、どのような平面形状を呈していてもよい。その一例として、粘着フィルム1では、凸部3bは、図3(a)に示されるように、半円状に丸まった先端部を有する舌片状の平面形状を呈している。凸部3bは、図3(b)に示されるように矩形の平面形状を呈していてもよいし、図3(c)に示されるように先尖り三角形の平面形状を呈していてもよい。凸部3bの最大突出方向DRにおいて、外形線3aからの凸部3bの突出長PLは、例えば10mm以上50mm以下であることが好ましく、13mm以上30mm以下であることがより好ましく、15mm以上25mm以下であることが特に好ましい。突出長PLは、凸部3bと、外形線3aのみにより区画される平面形状とにそれぞれ外接する2本の平行線L1,L2同士の間隔を意味する。最大突出方向DRは、突出長PLが最大となる方向である。
続いて、粘着フィルム1の製造方法について説明する。まず、図5に示されるように、キャリアフィルム5上に、重剥離セパレータ4、粘着層2、及び仮セパレータ6が順に積層された母材フィルム10を準備する。仮セパレータ6は、例えば、軽剥離セパレータ3と同じ素材からなる層である。
次に、ブレードBを備えた打抜装置(不図示)により、仮セパレータ6、粘着層2、及び重剥離セパレータ4を所望の形状に切断する。打抜装置は、クランク式の打抜装置であってもよいし、レシプロ式の打抜装置であってもよいし、ロータリー式の打抜装置であってもよい。軽剥離セパレータ3及び重剥離セパレータ4の剥離性の観点からは、ロータリー式の打抜装置が好ましい。この工程では、図6に示されるように、仮セパレータ6、粘着層2、及び重剥離セパレータ4に、キャリアフィルム5に到達する深さでブレードBを通す。これにより、キャリアフィルム5の粘着層2側の面5bには、切込部5cが形成される。このように、仮セパレータ6からキャリアフィルム5にブレードBを到達させることにより、粘着層2及び重剥離セパレータ4を完全に切断することができる。なお、切込部5cを形成することなく重剥離セパレータ4を切断できる場合には、必ずしも切込部5cを形成しなくてもよい。
次に、図7に示されるように仮セパレータ6、粘着層2及び重剥離セパレータ4の外側部分を除去する。この時、図8に示されるように、仮セパレータ6及び粘着層2の外側部分のみを除去し、重剥離セパレータ4の外側部分を除去せずにキャリアフィルム5上に残すことで、上述したフィルム4Aを形成してもよい。この工程を完了するまでの間に、外縁部に凸部3bが設けられた軽剥離セパレータ3を準備しておく。次に、図9に示されるように粘着層2から仮セパレータ6を剥離し、図10に示されるように粘着層2に軽剥離セパレータ3を貼付する。以上の工程で粘着フィルム1が完成する。
続いて、粘着フィルム1を使用して、被着物A1,A2の間に粘着層2を介在させる手順について説明する。被着物A1及び被着物A2の組み合わせとしては、例えば、タッチパネル式ディスプレイの保護パネル(ガラス板、アクリル樹脂板、ポリカーボネート板等)及びタッチパネルの組み合わせ、又はタッチパネル及び液晶パネルの組み合わせが挙げられる。また、近年、オンセル構造又はインセル構造と呼ばれる構造のタッチパネル式ディスプレイの開発が進んでいる。オンセル構造又はインセル構造のタッチパネル式ディスプレイは、タッチパネル機能が液晶パネルに組み込まれたものである。オンセル構造又はインセル構造のタッチパネル式ディスプレイは、保護パネル、偏光板、液晶パネル(タッチパネル機能付き液晶モジュール)等で構成されている。被着物A1,A2の組み合わせは、オンセル構造又はインセル構造のタッチパネル式ディスプレイの保護パネル及び偏光板の組み合わせ、又は偏光板及び液晶パネルの組み合わせであってもよい。
まず、図11に示されるように、キャリアフィルム5のみを重剥離セパレータ4から剥離させる。上述したように、キャリアフィルム5の外形線5aは、重剥離セパレータ4の外形線4aより外側に張り出しているため、キャリアフィルム5の外縁部を容易に摘むことができる。これにより、キャリアフィルム5のみを容易に剥離させることができる。更に、剥離前のキャリアフィルム5の外形線5aは、軽剥離セパレータ3の外形線3aより外側に張り出しているため、キャリアフィルム5の外縁部を更に容易に摘むことができる。これにより、キャリアフィルム5のみを更に容易に剥離させることができる。
また、キャリアフィルム5と重剥離セパレータ4との密着面の剥離強度は、重剥離セパレータ4と粘着層2との密着面の剥離強度より低くなっている。これにより、キャリアフィルム5の剥離し易さと重剥離セパレータ4の剥離し易さとの差がより顕著となり、キャリアフィルム5のみを更に容易に剥離させることができる。更に、キャリアフィルム5と重剥離セパレータ4との密着面の剥離強度が、軽剥離セパレータ3と粘着層2との密着面の剥離強度より低くなっていれば、キャリアフィルム5の剥離し易さと軽剥離セパレータ3の剥離し易さとの差もより顕著となり、キャリアフィルム5のみを更に容易に剥離させることができる。
次に、図12に示されるように、軽剥離セパレータ3を粘着層2から剥離させて粘着層2の一方面2bを露出させる。上述したように、軽剥離セパレータ3及び重剥離セパレータ4は、それぞれ粘着層2の外縁2aに倣う外形線3a,4aにより囲まれた平面形状を呈し、軽剥離セパレータ3の外縁部には、平面視で外形線3a,4aより外側に突出する凸部3bが設けられている。このため、凸部3bを摘み粘着層2から離れる方向に曲げることで、軽剥離セパレータ3の外縁部の一部分に集中的に剥離の力を作用させ、軽剥離セパレータ3の剥離を開始させることができる。更に、剥離した部分を起点に、軽剥離セパレータ3の剥離を円滑に進行させることができる。従って、軽剥離セパレータ3を剥離させる際に、重剥離セパレータ4から粘着層2が剥離すること(反対側の面2cにおいて粘着層2が剥離すること)を防止することができる。
また、粘着層2は角部2dを有する平面形状を呈し、凸部3bは、軽剥離セパレータ3の外縁部のうち角部2dに対応する部分に設けられている。このため、凸部3bを摘み粘着層2から離れる方向に曲げることで、軽剥離セパレータ3の外縁部のうち角部2dに対応する部分に集中的に剥離の力を作用させることができる。これにより、軽剥離セパレータ3の剥離を角部2dで開始させることができる。軽剥離セパレータ3の剥離を角部2dで開始させることで、軽剥離セパレータ3の剥離領域を角部2dから徐々に広げ、軽剥離セパレータ3の剥離を更に円滑に進行させることができる。従って、軽剥離セパレータ3を剥離させる際に、重剥離セパレータ4から粘着層2が剥離することをより確実に防止することができる。
また、軽剥離セパレータ3と粘着層2との密着面の剥離強度は、重剥離セパレータ4と粘着層2との密着面の剥離強度より低くなっている。これにより、重剥離セパレータ4に比べ軽剥離セパレータ3を剥離させ易いため、軽剥離セパレータ3を剥離させる際に、重剥離セパレータ4から粘着層2が剥離することをより確実に防止することができる。
また、粘着フィルム1では、重剥離セパレータ4の外形線4aが平面視で粘着層2の外縁2aに重なっている。このようになっていると、軽剥離セパレータ3の剥離し易さと重剥離セパレータ4の剥離し易さとの差がより顕著となる傾向がある。このため、軽剥離セパレータ3を剥離させる際に、重剥離セパレータ4から粘着層2が剥離することをより確実に防止することができる。
また、重剥離セパレータ4は、直前の工程までキャリアフィルム5によって保護されていたため、重剥離セパレータ4の表面の傷が少なくなっている。これにより、粘着層2の傷を容易に視認でき、傷が生じている粘着層2を被着物に貼り付ける前に容易に排除できる。
次に、図13に示されるように、粘着層2の一方面2bを被着物A1に貼り付け、ローラR等で押し付ける。このとき、粘着層2の他方面2cには、重剥離セパレータ4が残るため、粘着層2の一方面2bを被着物A1に貼り付ける際等に、重剥離セパレータ4による粘着層2の他方面2cの保護が維持される。また、重剥離セパレータ4の外形線4aと粘着層2の外縁2aとが揃っているため、粘着層2の外縁2aの位置が明確となり、粘着層2と被着物A1との位置合わせが容易となる。
次に、図14に示されるように、重剥離セパレータ4を粘着層2から剥離させて粘着層2の他方面2cを露出させる。次に、図15に示されるように、粘着層2の他方面2cを被着物A2に貼り付け、加温・加圧する。以上の工程で、被着物A1と被着物A2との間に粘着層2が配置される。このように、粘着フィルム1によれば、軽剥離セパレータ3から順に、軽剥離セパレータ3及び重剥離セパレータ4を片方ずつ容易に剥離させることができる。
[第2実施形態]
図17及び図18に示されるように、第2実施形態の粘着フィルム1Aは、第1実施形態の粘着フィルム1と同様に粘着層2、軽剥離セパレータ3、及び重剥離セパレータ4を有するが、キャリアフィルム5を有しない点で粘着フィルム1と異なっている。
粘着層2の厚さは、100μm以上500μm以下であることが好ましく、150μm以上400μm以下であることがより好ましい。粘着層2の形状や大きさは、被着物の形状や大きさに応じて適宜設計される。その一例として、粘着フィルム1Aでは、粘着層2は、長方形の平面形状、すなわち4つの角部2dを有する平面形状を呈している。粘着層2の長辺の長さは、例えば50mm以上500mm以下であることが好ましく、100mm以上300mm以下であることがより好ましい。粘着層2の短辺の長さは、例えば30mm以上400mm以下であることが好ましく、80mm以上280mm以下であることがより好ましい。
軽剥離セパレータ3の厚さは、例えば25μm以上150μm以下であることが好ましく、30μm以上100μm以下であることがより好ましく、40μm以上75μm以下であることが特に好ましい。軽剥離セパレータ3の外形線3aは、平面視で外縁2aに重なっていてもよいし、外縁2aより外側に張り出していてもよい。その一例として、粘着フィルム1Aでは、外形線3aは外縁2aより外側に張り出している。外形線3aが外縁2aより外側に張り出していると、粘着層2の外縁2aが保護される。外形線3aが外縁2aより外側に張り出す量は、例えば2mm以上20mm以下であることが好ましく、4mm以上10mm以下であることがより好ましい。
重剥離セパレータ4の厚さは、例えば50μm以上200μm以下であることが好ましく、60μm以上150μm以下であることがより好ましく、70μm以上130μm以下であることが特に好ましい。重剥離セパレータ4の外形線4aは、平面視で外縁2aに重なっていてもよいし、外縁2aより外側に張り出していてもよい。その一例として、粘着フィルム1Aでは、外形線4aは外縁2aより外側に張り出している。外形線4aが外縁2aより外側に張り出していると、粘着層2の外縁2aが更に保護される。外形線4aが外縁2aより外側に張り出す量は、例えば2mm以上20mm以下であることが好ましく、4mm以上10mm以下であることがより好ましい。
重剥離セパレータ4の粘着層2側の面4bには、粘着層2の外縁2aに沿って切込部4dが形成されている。外縁2a全体での、切込部4dの深さDの平均値は、5μm以上45μm以下となっているが、10μm以上40μm以下であることがより好ましい。また、外縁2a全体での深さDの標準偏差は、15μm以下となっているが、12μm以下であることがより好ましく、5μm以下であることが特に好ましい。更に、切込部4dの最小深さDminが5μm以上であり、最大深さDmaxが45μm以下であることが好ましく、切込部4dの最小深さDminが10μm以上であり、最大深さDmaxが40μm以下であることがより好ましい。
切込部4dの深さDの平均値及び標準偏差は、例えば、粘着層2の外縁2a上に割り振られた複数の測定点で測定された深さDを用いて、例えば以下の式により容易に算出される。
平均値(相加平均)XAV=(X1+X2+X3+・・・・・+Xn)/n
標準偏差σ=[{(X1−XAV+(X2−XAV+(X3−XAV+・・・+(Xn−XAV}/n]1/2
X1、X2、X3、・・・・・Xn:n箇所の測定点での測定結果
深さDの測定点SPは、粘着層2の外縁2a上の多くの箇所に分散して割り振られていることが好ましい。例えば、測定点SPは、図19に示されるように、外縁2aの各辺に少なくとも一箇所ずつ割り振られていることが好ましい。特に、測定点SPは、外縁2aの各辺に三箇所ずつ割り振られていることが好ましい。なお、深さDは、例えば、電子顕微鏡による断面観察、非接触段差測定等により測定できる。
深さDが小さ過ぎると、粘着層2の切断が不完全となる可能性がある。深さDの平均値を5μm以上とすることにより、重剥離セパレータ4側に確実にブレードBが通され、粘着層2を完全に切断することができる。また、切込部4dの深さDが大き過ぎると、ブレードBで粘着層2を切断する際に粘着層2の一部が切込部4d内に深く入り込むおそれがある。切込部4d内に深く入り込んだ部分は切込部4dから抜け難くなる。このため、重剥離セパレータ4の剥離不良が発生するおそれがある。剥離不良とは、重剥離セパレータ4の剥離に伴って粘着層2に悪影響が生じることを意味する。剥離不良の一例として、重剥離セパレータ4を剥離させる際に粘着層2が引きちぎられてしまうことが挙げられる。深さDの平均値を45μm以下とすることにより、粘着層2の一部が切込部4d内に深く入り込むことを防止できる。これにより、重剥離セパレータ4の剥離不良の発生を抑制することができる。
深さDのばらつきが大き過ぎると、粘着層2の切断が不完全になるおそれ又は重剥離セパレータ4の剥離不良が発生するおそれがある。更に、軽剥離セパレータ3の剥離性が低下するおそれもある。剥離性の低下とは、剥離強度が設計値より高くなることを意味する。軽剥離セパレータ3の剥離性が低下する要因としては、例えば、切込部4dの深さDがばらつくのに伴って、切込部4d付近での粘着層2の断面形状や厚さが不均一になることが考えられる。深さDの標準偏差を15μm以下とすることにより、粘着層2を完全に切断し、重剥離セパレータ4の剥離不良の発生を抑制し、軽剥離セパレータ3の剥離性の低下を抑制することができる。深さDを標準偏差で規定できるのは、粘着層2の外縁2aに沿う切込部4dのうち、上述した深さの範囲外となる箇所が多少存在していても、その影響を無視し得るためである。
なお、第1実施形態において説明したように、粘着層2の25℃における貯蔵弾性率は、1.0×10以上1.0×10Pa以下となっている。粘着層2のガラス板に対する剥離強度は、5N/10mm以上20N/10mm以下となっている。このような条件下では、粘着層2の切断性、軽剥離セパレータ3の剥離性、及び重剥離セパレータ4の剥離性と深さDとの関係がより一層密接となる。このため、深さDを上述した範囲とすることによる効果が更に顕著になっている。
ここで、粘着フィルム1Aにおいても、軽剥離セパレータ3の外縁部には、平面視で外形線3a及び外形線4aより外側に突出する凸部3bが設けられている。凸部3bは、軽剥離セパレータ3に一体的に形成されていてもよいし、軽剥離セパレータ3とは別に形成された部材を軽剥離セパレータ3に接合することで形成されていてもよい。凸部3bは、軽剥離セパレータ3の外縁部のどの部分に設けられていてもよい。また、複数の凸部3bが軽剥離セパレータ3の外縁部に設けられていてもよい。その一例として、粘着フィルム1Aでは、軽剥離セパレータ3の外縁部には一つの凸部3bが設けられ、その凸部3bは、軽剥離セパレータ3の外縁部のうち粘着層2の角部2dに対応する部分に位置している。
凸部3bは、どのような平面形状を呈していてもよい。その一例として、粘着フィルム1Aでは、凸部3bは、図19に示されるように、半円状に丸まった先端部を有する舌片状の平面形状を呈している。凸部3bの最大突出方向DRにおいて、外形線3aからの凸部3bの突出長PLは、例えば10mm以上50mm以下であることが好ましく、13mm以上30mm以下であることがより好ましく、15mm以上25mm以下であることが特に好ましい。
続いて、粘着フィルム1Aの製造方法について説明する。まず、図20に示されるように、重剥離セパレータ4上に粘着層2が形成され、粘着層2上に仮セパレータ6が形成された母材フィルム10Aを準備する。仮セパレータ6は、例えば、軽剥離セパレータ3と同じ素材からなる層である。
次に、図21に示されるように、ブレードBを備えた打抜装置(不図示)により、仮セパレータ6及び粘着層2を所望の形状に切断する。打抜装置は、クランク式の打抜装置であってもよいし、レシプロ式の打抜装置であってもよいし、ロータリー式の打抜装置であってもよい。軽剥離セパレータ3及び重剥離セパレータ4の剥離性の観点からは、ロータリー式の打抜装置が好ましい。この工程では、重剥離セパレータ4に到達する深さでブレードBを仮セパレータ6及び粘着層2に通し、仮セパレータ6及び粘着層2を切断する。これにより、重剥離セパレータ4には切込部4dが形成される。また、この工程では、粘着層2の外縁2a全体での、切込部4dの深さDの平均値が、5μm以上45μm以下となるようにブレードBを重剥離セパレータ4に到達させる。更に、この工程では、粘着層2の外縁2a全体での、切込部4dの深さDの標準偏差が、15μm以下となるように、ブレードBを重剥離セパレータ4に到達させる。切込部4dの深さDの平均値が5μm以上45μm以下となり、標準偏差が15μm以下となるようにする方法としては、例えば、ロータリーブレードと、制御手段(コンピューター等)とを組合せることで深さDを制御することが挙げられる。
次に、図22に示されるように仮セパレータ6及び粘着層2の外側部分を除去し、図23に示されるように粘着層2から仮セパレータ6を剥離させる。この工程を完了するまでの間に、外縁部に凸部3bが設けられた軽剥離セパレータ3を準備しておく。次に、図24に示されるように、軽剥離セパレータ3を粘着層2に貼付する。以上の工程で粘着フィルム1Aが完成する。
以上説明した粘着フィルム1Aの使用方法は、キャリアフィルム5を除去した後の粘着フィルム1の使用方法と同じである。粘着フィルム1Aによっても、軽剥離セパレータ3から順に、軽剥離セパレータ3及び重剥離セパレータ4を片方ずつ容易に剥離させることができる。
また、上述したように、粘着層2には、重剥離セパレータ4側に向かってブレードBが通されるため、粘着層2の外縁部が重剥離セパレータ4に押し付けられることとなる。これにより、重剥離セパレータ4は更に粘着層2から剥離し難くなり、軽剥離セパレータ3の剥離し易さと重剥離セパレータ4の剥離し易さとの差がより顕著となるため、軽剥離セパレータ3を剥離させる際に、重剥離セパレータ4から粘着層2が剥離することをより確実に防止することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、凸部は重剥離セパレータ4に設けられていてもよい。この場合、粘着層2の一方面2bを被着物A1に貼り付けた後に重剥離セパレータ4を剥離させる際に、被着物A1から粘着層2が剥離すること(反対側の面2bにおいて粘着層2が剥離すること)を防止することができる。また、凸部は軽剥離セパレータ3及び重剥離セパレータ4に設けられていてもよい。この場合、軽剥離セパレータ3及び重剥離セパレータ4のいずれを剥離させる際にも、反対側の面において粘着層2が剥離することを防止することができる。
1,1A…粘着フィルム、2…粘着層、2a…外縁、2b…一方面、2c…他方面、2d…角部、3…軽剥離セパレータ(第1の基材層)、3a…外形線、3b…凸部、4…重剥離セパレータ(第2の基材層)、4a…外形線。

Claims (5)

  1. フィルム状の粘着層と、
    前記粘着層の外縁に倣う第1の外形線により囲まれた平面形状を呈し、前記粘着層の一方面を覆う第1の基材層と、
    前記粘着層の外縁に倣う第2の外形線により囲まれた平面形状を呈し、前記粘着層の他方面を覆う第2の基材層と、を備え、
    前記第1又は第2の基材層の外縁部には、平面視で前記第1及び第2の外形線より外側に突出する凸部が設けられていることを特徴とする粘着フィルム。
  2. 粘着層は角部を有する平面形状を呈し、
    前記凸部は、前記第1又は第2の基材層の外縁部のうち前記粘着層の前記角部に対応する部分に設けられていることを特徴とする請求項1記載の粘着フィルム。
  3. 前記第1の基材層と前記粘着層との密着面の剥離強度は、前記第2の基材層と前記粘着層との密着面の剥離強度より低くなっていることを特徴とする請求項1又は2記載の粘着フィルム。
  4. 前記凸部は、前記第1の基材層の外縁部に設けられていることを特徴とする請求項3記載の粘着フィルム。
  5. 前記凸部は、前記第1及び第2の基材層の外縁部に設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の粘着フィルム。
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WO2018216586A1 (ja) * 2017-05-24 2018-11-29 シャープ株式会社 ライナー付き両面粘着シート

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