JP2014045552A - ワイヤレス電力伝送システム - Google Patents

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Abstract

【課題】給電部の回路構成は給電コイルのみ、受信部の回路構成は受電コイルと受電コンデンサからなる直列共振回路とするワイヤレス電力伝送システムにおいて、高い電力伝送効率を維持出来るワイヤレス電力伝送システムを提供する。
【解決手段】ワイヤレス給電装置110は、電源VGから共振周波数f0にて交流電力を給電コイルL1に供給し、共振周波数f0の交流磁場を発生させる。受電コイルL2はこの共振周波数f0の交流磁場によって電力を受取り、この受電電力がワイヤレス受電装置120の負荷RLで消費される。受電コイルL2と負荷RLとのインピーダンス比、給電コイルL1の品質係数、受電コイルL2の品質係数を正しく設定することにより、高い電力伝送効率を維持する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ワイヤレス電力伝送システムに関するものである。
ケーブル等の機械的接触なしに、電子機器等のバッテリーに対し、外部から電力を供給するワイヤレス電力伝送システムが、需要に基づき開発、実用化されている。
このワイヤレス電力伝送システムは、電磁誘導の相互誘導作用に基づき、給電側である給電コイルから、受電側である受電コイルへと電力を供給する。すなわち、給電部の給電コイルでの磁束形成により、エアギャップを存しつつ、非接触で近接対応位置せしめられ電子機器等に搭載された受電コイルに、誘導起電力を生成して電力を供給する。
そして、このようなワイヤレス電力伝送システムでは、電力伝送効率の向上,エアギャップの拡大,給電コイルと受電コイルの位置ずれへの対応、小型軽量化等の需要が高まっており、このような各需要に対応すべく、開発が進んでいる。
特表2009−501510号公報 特開2008‐259419号公報 特開2005‐27401号公報
特許文献1には、給電部、受電部ともにコイルとコンデンサで構成される共振器構造であり、その共振器のQ値を100以上とするワイヤレス電力伝送システムが記載されている。特許文献2には、軌道に沿って走行する走行体に対して、その使用電力を非接触で給電するワイヤレス電力伝送システムが記載されている。このワイヤレス電力伝送システムの給電部の回路構成はコイルのみ、受電部の回路構成はコイルとコンデンサが直列に接続された直列共振回路となっている。また、特許文献3にも給電部と受電部の回路構成が特許文献2と同様のワイヤレス電力伝送システムが記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の給電部、受電部ともに共振器構造のワイヤレス電力伝送システムは電力伝送効率の良い周波数が2か所存在し、給電コイルと受電コイル間の距離が変化すると電力伝送効率の良い周波数も変化してしまい、高効率での電力伝送の維持が困難であるという問題点があった。
また、特許文献2および3に記載の給電部の回路構成はコイルのみ、受電部の回路構成はコイルとコンデンサが直列に接続された直列共振回路では、給電コイルと受電コイル間の距離変化によって電力伝送効率の良い周波数が変化してしまうという問題は発生しないが、従来技術では給電部の給電コイルと受電部の受電コイルのエアギャップは狭く、これを拡大しても電力伝送効率を維持しようとは考えておらず、もしエアギャップが拡大した場合には、電力伝送効率は急激に悪化してしまうという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、給電部の回路構成は給電コイルのみ、受信部の回路構成は受電コイルと受電コンデンサからなる直列共振回路とするワイヤレス電力伝送システムにおいて、受電コイルと負荷とのインピーダンス比、給電コイルの品質係数、受電コイルの品質係数を正しく設定することにより、ある一定の結合係数の範囲における給電コイルと受電コイル間のエアギャップや位置ずれに対しても、高い電力伝送効率を維持出来るワイヤレス電力伝送システムを提供することにある。
ここで、給電コイルのみとは、給電コイルの他にコンデンサを付加しないことを意味する。また、給電コイルに発生する寄生容量成分は、受電コンデンサと比較して遙かに小さい。その為、給電部は受電部の直列共振回路の共振周波数を共振点とする共振回路を形成しない。
第1の発明は、ワイヤレス給電装置とワイヤレス受電装置を備え、前記ワイヤレス給電装置は、給電コイルと、駆動周波数にて交流電流を前記給電コイルに供給することにより、前記給電コイルから受電コイルに交流電力を給電させる電源回路と、を含み、前記ワイヤレス受電装置は、前記受電コイルと、前記受電コイルと直列共振回路を形成する受電コンデンサと、前記受電コイルが前記給電コイルから受電した交流電力を消費する負荷と、を含み、前記受電コイルと前記受電コンデンサより決定する共振周波数と2πの積である共振角周波数ω0と前記受電コイルのインダクタンス値L2の積を、前記負荷RLで割ったω0*L2/RLが2以上、12以下である時、前記受電コイルの品質係数が50以上、前記給電コイルの品質係数が55以上であることを特徴とするワイヤレス電力伝送システムである。
第2の発明は、ワイヤレス給電装置とワイヤレス受電装置を備え、前記ワイヤレス給電装置は、給電コイルと、駆動周波数にて交流電流を前記給電コイルに供給することにより、前記給電コイルから受電コイルに交流電力を給電させる電源回路と、を含み、前記ワイヤレス受電装置は、前記受電コイルと、前記受電コイルと直列共振回路を形成する受電コンデンサと、前記受電コイルが前記給電コイルから受電した交流電力を消費する負荷と、を含み、前記受電コイルと前記受電コンデンサより決定する共振周波数と2πの積である共振角周波数ω0と前記受電コイルのインダクタンス値L2の積を、前記負荷RLで割ったω0*L2/RLが1以上、2未満である時、前記受電コイルの品質係数が50以上、前記給電コイルの品質係数が105以上であることを特徴とするワイヤレス電力伝送システムである。
第3の発明は、ワイヤレス給電装置とワイヤレス受電装置を備え、前記ワイヤレス給電装置は、給電コイルと、駆動周波数にて交流電流を前記給電コイルに供給することにより、前記給電コイルから受電コイルに交流電力を給電させる電源回路と、を含み、前記ワイヤレス受電装置は、前記受電コイルと、前記受電コイルと直列共振回路を形成する受電コンデンサと、前記受電コイルが前記給電コイルから受電した交流電力を消費する負荷と、を含み、前記受電コイルと前記受電コンデンサより決定する共振周波数と2πの積である共振角周波数ω0と前記受電コイルのインダクタンス値L2の積を、前記負荷RLで割ったω0*L2/RLが0.5以上、1未満である時、前記受電コイルの品質係数が50以上、前記給電コイルの品質係数が205以上であることを特徴とするワイヤレス電力伝送システムである。
第4の発明は、前記受電コイルの品質係数が50以上、55未満である場合、前記給電コイルの品質係数は55以上、前記受電コイルの品質係数が55以上である場合、前記給電コイルの品質係数は前記受電コイルの品質係数以上、であることを特徴とする第1の発明に記載のワイヤレス電力伝送システムである。
第5の発明は、前記受電コイルの品質係数が50以上、105未満である場合、前記給電コイルの品質係数は105以上、前記受電コイルの品質係数が105以上である場合、前記給電コイルの品質係数は前記受電コイルの品質係数以上、であることを特徴とする第2の発明に記載のワイヤレス電力伝送システムである。
第6の発明は、前記受電コイルの品質係数が50以上、205未満である場合、前記給電コイルの品質係数は205以上、前記受電コイルの品質係数が205以上である場合、前記給電コイルの品質係数は前記受電コイルの品質係数以上、であることを特徴とする第3の発明に記載のワイヤレス電力伝送システムである。
本発明によれば、給電部の回路構成は給電コイルのみ、受信部の回路構成は受電コイルと受電コンデンサからなる直列共振回路とするワイヤレス電力伝送システムにおいて、受電コイルと負荷とのインピーダンス比、給電コイルの品質係数、受電コイルの品質係数を正しく設定することにより、ある一定の結合係数の範囲における給電コイルと受電コイル間のエアギャップや位置ずれに対しても、高い電力伝送効率を維持することが可能となる。
本発明に係る第1および第2実施形態におけるワイヤレス電力伝送システムの原理図である。 給電コイルL1の詳細図である。 受電コイルL2と負荷RLとのインピーダンス比を表すω0*L2/RLが2以上、12以下であり、結合係数kが0.05での電力伝送効率は20%以上、結合係数kが0.5での電力伝送効率は80%以上を同時に満足する、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1と受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2の関係を示すグラフである。 受電コイルL2と負荷RLとのインピーダンス比を表すω0*L2/RLが1以上、2未満であり、結合係数kが0.05での電力伝送効率は20%以上、結合係数kが0.5での電力伝送効率は80%以上を同時に満足する、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1と受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2の関係を示すグラフである。 受電コイルL2と負荷RLとのインピーダンス比を表すω0*L2/RLが0.5以上、1未満であり、結合係数kが0.05での電力伝送効率は20%以上、結合係数kが0.5での電力伝送効率は80%以上を同時に満足する、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1と受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2の関係を示すグラフである。 受電コイルL2と負荷RLとのインピーダンス比を表すω0*L2/RLが2以上、12以下であり、結合係数kが0.05での電力伝送効率は20%以上、結合係数kが0.5での電力伝送効率は80%以上を同時に満足し、さらに、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1が受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2以上であることを満足する、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1と受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2の関係を示すグラフである。 受電コイルL2と負荷RLとのインピーダンス比を表すω0*L2/RLが1以上、2未満であり、結合係数kが0.05での電力伝送効率は20%以上、結合係数kが0.5での電力伝送効率は80%以上を同時に満足し、さらに、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1が受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2以上であることを満足する、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1と受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2の関係を示すグラフである。 受電コイルL2と負荷RLとのインピーダンス比を表すω0*L2/RLが0.5以上、1未満であり、結合係数kが0.05での電力伝送効率は20%以上、結合係数kが0.5での電力伝送効率は80%以上を同時に満足し、さらに、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1が受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2以上であることを満足する、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1と受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2の関係を示すグラフである。
図1は、第1、第2実施形態におけるワイヤレス電力伝送システム100の原理図である。第1、第2実施形態におけるワイヤレス電力伝送システム100は、ワイヤレス給電装置110とワイヤレス受電装置120を含む。ワイヤレス給電装置110は電源VGと給電コイルL1を含む。ワイヤレス受電装置120は受電直列LC共振回路125と負荷RLを含む。受電直列LC共振回路125は受電コイルL2と受電コンデンサC2を含む。受電コイルL2と受電コンデンサC2から決定される共振周波数をf0とする。共振周波数f0と2πの積より求めることができる共振角周波数をω0とする。給電コイルL1と受電コイルL2の結合状態を示す数値を結合係数kとする。
ワイヤレス給電装置110が、電源VGから共振周波数f0にて交流電力を給電コイルL1に供給すると、給電コイルL1は共振周波数f0の交流磁場を発生させる。受電コイルL2はこの共振周波数f0の交流磁場によって電力を受取る。この受電電力がワイヤレス受電装置120の負荷RLで消費される。
図2は、給電コイルL1の詳細図である。給電コイルL1は理想的にはインダクタンス成分のみであるが、現実には端子電極などの給電コイル直列抵抗r1が直列に含まれる。共振角周波数ω0、給電コイルL1と給電コイル直列抵抗r1で決定される品質係数はω0*L1/r1となる。同様に、共振角周波数ω0、受電コイルL2と、受電コイルL2に直列に含まれる受電コイル直列抵抗r2で決定される品質係数はω0*L2/r2となる。
第1実施形態
図3の斜線部は、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1と受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2の関係を示すグラフにおいて、受電コイルL2と負荷RLとのインピーダンス比を表すω0*L2/RLが2以上、12以下であり、ワイヤレス電力伝送を行うにあたり実用上必要となる、結合係数kが0.05での電力伝送効率は20%以上、結合係数kが0.5での電力伝送効率は80%以上を同時に満足する領域を示している。
ここで、共振周波数f0を100kHzとすると共振角周波数ω0は628318.5rad/sec、受電コイルL2のインダクタンス値を100μH、負荷RLを31.4Ωとすることによりω0*L2/RLは2となる。
給電コイルL1のインダクタンス値を100μHとし、受電コンデンサC2の容量値は受電コイルL2のインダクタンス値と共振周波数f0により、0.0253μFとなる。受電コンデンサC2は誘電正接tanδが小さい方が電力伝送効率向上に望ましい。tanδの小さいコンデンサとしては低誘電率系のコンデンサが挙げられる。
給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1、受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2の上限値は、そのコイル形状や線材によって決定し、一般的には数千程度である。給電コイルL1の給電コイル直列抵抗r1、受電コイルL2の受電コイル直列抵抗r2を小さくすることで、給電コイルL1、受電コイルL2での損失が減り、その結果、電力伝送効率が向上する。また、負荷RLとしては、整流器、DC/DCコンバータに加え二次電池などが想定され、数Ω〜数百Ωとなる。
ω0*L2/RLが2以上、12以下であり、結合係数kが0.05での電力伝送効率は20%以上、結合係数kが0.5での電力伝送効率は80%以上を同時に満足する給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1と受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2は、受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2を50以上とすると、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1は55以上となる。
この様に、ω0*L2/RLが2以上、12以下の場合、受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2を50以上、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1を55以上とすることにより、ワイヤレス電力伝送を行うにあたり実用上必要となる結合係数kが0.05での電力伝送効率は20%以上、結合係数kが0.5での電力伝送効率は80%以上を同時に満足することができる。また、結合係数が0.05から0.5までの電力伝送効率は、結合係数が増加するにつれて単調増加となり、良好な電力伝送効率を得ることができる。
図4の斜線部は、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1と受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2の関係を示すグラフにおいて、ω0*L2/RLが1以上、2未満であり、結合係数kが0.05での電力伝送効率は20%以上、結合係数kが0.5での電力伝送効率は80%以上を同時に満足する領域を示している。
ここで、共振周波数f0を100kHzとすると共振角周波数ω0は628318.5rad/sec、受電コイルL2のインダクタンス値を100μH、負荷RLを62.8Ωとすることによりω0*L2/RLは1となる。
給電コイルL1のインダクタンス値を100μHとし、受電コンデンサC2の容量値は受電コイルL2のインダクタンス値と共振周波数f0により、0.0253μFとなる。
ω0*L2/RLが1以上、2未満であり、結合係数kが0.05での電力伝送効率は20%以上、結合係数kが0.5での電力伝送効率は80%以上を同時に満足する給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1と受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2は、受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2を50以上とすると、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1は105以上となる。
この様に、ω0*L2/RLが1以上、2未満の場合、受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2を50以上、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1を105以上とすることにより、ワイヤレス電力伝送を行うにあたり実用上必要となる結合係数kが0.05での電力伝送効率は20%以上、結合係数kが0.5での電力伝送効率は80%以上を同時に満足することができる。
図5の斜線部は、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1と受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2の関係を示すグラフにおいて、ω0*L2/RLが0.5以上、1未満であり、結合係数kが0.05での電力伝送効率は20%以上、結合係数kが0.5での電力伝送効率は80%以上を同時に満足する領域を示している。
ここで、共振周波数f0を100kHzとすると共振角周波数ω0は628318.5rad/sec、受電コイルL2のインダクタンス値を100μH、負荷RLを125.6Ωとすることによりω0*L2/RLは0.5となる。
給電コイルL1のインダクタンス値を100μHとし、受電コンデンサC2の容量値は受電コイルL2のインダクタンス値と共振周波数f0により、0.0253μFとなる。
ω0*L2/RLが0.5以上、1未満であり、結合係数kが0.05での電力伝送効率は20%以上、結合係数kが0.5での電力伝送効率は80%以上を同時に満足する給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1と受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2は、受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2を50以上とすると、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1は205以上となる。
この様に、ω0*L2/RLが0.5以上、1未満の場合、受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2を50以上、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1を205以上とすることにより、ワイヤレス電力伝送を行うにあたり実用上必要となる結合係数kが0.05での電力伝送効率は20%以上、結合係数kが0.5での電力伝送効率は80%以上を同時に満足することができる。
第2実施形態
電力伝送効率を向上させるためには、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1と受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2をそれぞれ高めればよい。しかしながら、受電コイルL2はコイルを収める空間や重量などの厳しい制約を受ける。そのため、受電コイルL2の線径を太くしたり、リッツ線の本数を増加させるといったことが難しく、受電コイルL2の受電コイル直列抵抗r2を下げるには悪条件が重なり、受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2を高めることは困難となる。
それに引き換え、給電コイルL1は受電コイルL2よりも、コイルを収める空間や重量などの条件が比較的緩く、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1を高めることは相対的に容易である。その為、ワイヤレス電力伝送システムでは、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1は受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2以上であることが想定される。
図6の斜線部は、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1と受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2の関係を示すグラフにおいて、ω0*L2/RLが2以上、12以下であり、結合係数kが0.05での電力伝送効率は20%以上、結合係数kが0.5での電力伝送効率は80%以上を同時に満足し、さらに、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1が受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2以上であることを満足する領域を示している。
ここで、共振周波数f0を100kHzとすると共振角周波数ω0は628318.5rad/sec、受電コイルL2のインダクタンス値を100μH、負荷RLを31.4Ωとすることによりω0*L2/RLは2となる。
給電コイルL1のインダクタンス値を100μHとし、受電コンデンサC2の容量値は受電コイルL2のインダクタンス値と共振周波数f0により、0.0253μFとなる。
ω0*L2/RLが2以上、12以下であり、結合係数kが0.05での電力伝送効率は20%以上、結合係数kが0.5での電力伝送効率は80%以上を同時に満足し、さらに、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1が受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2以上であることを満足する、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1と受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2は、受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2が50以上、55未満の場合、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1は55以上となり、受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2が55以上の場合、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1は受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2以上となる。
この様に、ω0*L2/RLが2以上、12以下の場合、受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2が50以上、55未満の場合、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1は55以上、受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2が55以上の場合、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1を受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2以上とすることにより、ワイヤレス電力伝送を行うにあたり実用上必要となる結合係数kが0.05での電力伝送効率は20%以上、結合係数kが0.5での電力伝送効率は80%以上を同時に満足することができる。
図7の斜線部は、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1と受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2の関係を示すグラフにおいて、ω0*L2/RLが1以上、2未満であり、結合係数kが0.05での電力伝送効率は20%以上、結合係数kが0.5での電力伝送効率は80%以上を同時に満足し、さらに、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1が受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2以上であることを満足する領域を示している。
ここで、共振周波数f0を100kHzとすると共振角周波数ω0は628318.5rad/sec、受電コイルL2のインダクタンス値を100μH、負荷RLを62.8Ωとすることによりω0*L2/RLは1となる。
給電コイルL1のインダクタンス値を100μHとし、受電コンデンサC2の容量値は受電コイルL2のインダクタンス値と共振周波数f0により、0.0253μFとなる。
ω0*L2/RLが1以上、2未満であり、結合係数kが0.05での電力伝送効率は20%以上、結合係数kが0.5での電力伝送効率は80%以上を同時に満足し、さらに、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1が受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2以上であることを満足する、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1と受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2は、受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2が50以上、105未満の場合、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1は105以上となり、受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2が105以上の場合、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1は受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2以上となる。
この様に、ω0*L2/RLが2以上の場合、受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2が50以上、105未満の場合、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1は105以上、受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2が105以上の場合、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1を受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2以上とすることにより、ワイヤレス電力伝送を行うにあたり実用上必要となる結合係数kが0.05での電力伝送効率は20%以上、結合係数kが0.5での電力伝送効率は80%以上を同時に満足することができる。
図8の斜線部は、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1と受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2の関係を示すグラフにおいて、ω0*L2/RLが0.5以上、1未満であり、結合係数kが0.05での電力伝送効率は20%以上、結合係数kが0.5での電力伝送効率は80%以上を同時に満足し、さらに、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1が受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2以上であることを満足する領域を示している。
ここで、共振周波数f0を100kHzとすると共振角周波数ω0は628318.5rad/sec、受電コイルL2のインダクタンス値を100μH、負荷RLを125.6Ωとすることによりω0*L2/RLは0.5となる。
給電コイルL1のインダクタンス値を100μHとし、受電コンデンサC2の容量値は受電コイルL2のインダクタンス値と共振周波数f0により、0.0253μFとなる。
ω0*L2/RLが0.5以上、1未満であり、結合係数kが0.05での電力伝送効率は20%以上、結合係数kが0.5での電力伝送効率は80%以上を同時に満足し、さらに、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1が受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2以上であることを満足する、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1と受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2は、受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2が50以上、205未満の場合、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1は205以上となり、受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2が205以上の場合、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1は受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2以上となる。
この様に、ω0*L2/RLが0.5以上、1未満の場合、受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2が50以上、205未満の場合、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1は205以上、受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2が205以上の場合、給電コイルL1の品質係数ω0*L1/r1を受電コイルL2の品質係数ω0*L2/r2以上とすることにより、ワイヤレス電力伝送を行うにあたり実用上必要となる結合係数kが0.05での電力伝送効率は20%以上、結合係数kが0.5での電力伝送効率は80%以上を同時に満足することができる。
以上、本実施形態におけるワイヤレス電力伝送システム100について説明した。ワイヤレス電力伝送システム100によれば、受電コイルと負荷とのインピーダンス比、給電コイルの品質係数、受電コイルの品質係数を正しく設定することにより、ある一定の結合係数の範囲における給電コイルと受電コイル間のエアギャップや位置ずれに対しても、高い電力伝送効率を実現することができる。
以上の様に、本発明に係るワイヤレス電力伝送システムは携帯電話機、ポータブル音楽プレーヤー、ゲーム機、工場内の搬送ロボット、電気自動車等への非接触電力伝送に有用である。
100 ワイヤレス電力伝送システム
110 ワイヤレス給電装置
120 ワイヤレス受電装置
125 受電直列LC共振回路
VG 電源
L1 給電コイル
L2 受電コイル
C2 受電コンデンサ
RL 負荷
r1 給電コイル直列抵抗
r2 受電コイル直列抵抗

Claims (6)

  1. ワイヤレス給電装置とワイヤレス受電装置を備え、
    前記ワイヤレス給電装置は、給電コイルと、駆動周波数にて交流電流を前記給電コイルに供給することにより、前記給電コイルから受電コイルに交流電力を給電させる電源回路と、を含み、
    前記ワイヤレス受電装置は、前記受電コイルと、前記受電コイルと直列共振回路を形成する受電コンデンサと、前記受電コイルが前記給電コイルから受電した交流電力を消費する負荷と、を含み、
    前記受電コイルと前記受電コンデンサより決定する共振周波数と2πの積である共振角周波数ω0と前記受電コイルのインダクタンス値L2の積を、前記負荷RLで割ったω0*L2/RLが2以上、12以下である場合、前記受電コイルの品質係数が50以上、前記給電コイルの品質係数が55以上であることを特徴とするワイヤレス電力伝送システム。
  2. ワイヤレス給電装置とワイヤレス受電装置を備え、
    前記ワイヤレス給電装置は、給電コイルと、駆動周波数にて交流電流を前記給電コイルに供給することにより、前記給電コイルから受電コイルに交流電力を給電させる電源回路と、を含み、
    前記ワイヤレス受電装置は、前記受電コイルと、前記受電コイルと直列共振回路を形成する受電コンデンサと、前記受電コイルが前記給電コイルから受電した交流電力を消費する負荷と、を含み、
    前記受電コイルと前記受電コンデンサより決定する共振周波数と2πの積である共振角周波数ω0と前記受電コイルのインダクタンス値L2の積を、前記負荷RLで割ったω0*L2/RLが1以上、2未満である場合、前記受電コイルの品質係数が50以上、前記給電コイルの品質係数が105以上であることを特徴とするワイヤレス電力伝送システム。
  3. ワイヤレス給電装置とワイヤレス受電装置を備え、
    前記ワイヤレス給電装置は、給電コイルと、駆動周波数にて交流電流を前記給電コイルに供給することにより、前記給電コイルから受電コイルに交流電力を給電させる電源回路と、を含み、
    前記ワイヤレス受電装置は、前記受電コイルと、前記受電コイルと直列共振回路を形成する受電コンデンサと、前記受電コイルが前記給電コイルから受電した交流電力を消費する負荷と、を含み、
    前記受電コイルと前記受電コンデンサより決定する共振周波数と2πの積である共振角周波数ω0と前記受電コイルのインダクタンス値L2の積を、前記負荷RLで割ったω0*L2/RLが0.5以上、1未満である場合、前記受電コイルの品質係数が50以上、前記給電コイルの品質係数が205以上であることを特徴とするワイヤレス電力伝送システム。
  4. 前記受電コイルの品質係数が50以上、55未満である場合、前記給電コイルの品質係数は55以上、前記受電コイルの品質係数が55以上である場合、前記給電コイルの品質係数は前記受電コイルの品質係数以上、であることを特徴とする請求項1に記載のワイヤレス電力伝送システム。
  5. 前記受電コイルの品質係数が50以上、105未満である場合、前記給電コイルの品質係数は105以上、前記受電コイルの品質係数が105以上である場合、前記給電コイルの品質係数は前記受電コイルの品質係数以上、であることを特徴とする請求項2に記載のワイヤレス電力伝送システム。
  6. 前記受電コイルの品質係数が50以上、205未満である場合、前記給電コイルの品質係数は205以上、前記受電コイルの品質係数が205以上である場合、前記給電コイルの品質係数は前記受電コイルの品質係数以上、であることを特徴とする請求項3に記載のワイヤレス電力伝送システム。
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