JP2014045545A - 回転子、回転電機および地熱発電用発電機 - Google Patents
回転子、回転電機および地熱発電用発電機 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014045545A JP2014045545A JP2012185432A JP2012185432A JP2014045545A JP 2014045545 A JP2014045545 A JP 2014045545A JP 2012185432 A JP2012185432 A JP 2012185432A JP 2012185432 A JP2012185432 A JP 2012185432A JP 2014045545 A JP2014045545 A JP 2014045545A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- conductor
- rotor
- field winding
- step portion
- flat
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Windings For Motors And Generators (AREA)
Abstract
【課題】界磁巻線の接合端部間の接合強度および電気的接続の信頼性を十分に確保でき、しかも、接合端部間を接合する際の作業性を改善できる回転子を得ることにある。
【解決手段】回転子は、複数のスロットが設けられた回転子鉄心と、前記回転子鉄心の前記スロットの間にコイル状に巻き掛けられた複数の界磁巻線と、を備えている。前記各界磁巻線は、前記スロットの外で分離された複数の接合端部と、前記スロットの外で隣り合う前記接合端部の間に跨る接続導体と、を含んでいる。前記接合端部は、前記接続導体に対し締結具を介して機械的かつ電気的に接合されている。
【選択図】図5
Description
本発明の実施形態は、回転子、回転電機および地熱発電用発電機に関する。
タービン発電機の界磁巻線は、所望の形状に曲げられた偏平な導体を四角いコイル状に接合することで構成されている。導体としては、通常、無酸素銅系の材料が用いられている。導体を接合する手段は、ろう付けが一般的である。ろう付け用のろう材としては、銀ろう、又はリン銅ろうが用いられている。
地熱発電用のタービン発電機は、火力発電用のタービン発電機に比べて過酷な自然環境の下で使用される。例えば、地中から吹き出す高温の水蒸気を利用して発電する「蒸気フラッシュ法」では、タービン発電機が硫化水素ガスにさらされる。
このため、導体間をろう付けにより接合した界磁巻線では、導体を構成する銅およびろう材を構成する銀が硫化水素と反応して硫化物を生成し、導体のろう付け部分が腐食する。ろう付け部分が腐食すると、導体間の接合強度が劣化したり、電気的接続の信頼性が低下する。
さらに、導体間を接合するろう付け作業は、ろう付け部分に欠陥が生じないように、作業者の経験と勘を頼りに一つ一つ手作業により慎重に行う必要がある。このため、ろう付け作業に多大な手間と労力を要することになり、効率のよい接合作業を実現する上で改善の余地がある。
本発明の目的は、界磁巻線の接合端部間の接合強度および電気的接続の信頼性を十分に確保でき、しかも、接合端部間を接合する際の作業性を改善できる回転子、回転電機および地熱発電用発電機を得ることにある。
実施形態によれば、回転子は、複数のスロットが設けられた回転子鉄心と、前記回転子鉄心の前記スロットの間にコイル状に巻き掛けられた複数の界磁巻線と、を備えている。前記各界磁巻線は、前記スロットの外で分離された複数の接合端部と、前記スロットの外で隣り合う前記接合端部の間に跨る接続導体と、を含んでいる。前記接合端部は、前記接続導体に対し締結具を介して機械的かつ電気的に接合されている。
[第1の実施形態]
以下、第1の実施形態について、図1ないし図6を参照して説明する。
以下、第1の実施形態について、図1ないし図6を参照して説明する。
図1は、地熱発電用のタービン発電機の断面図、図2は、回転子の斜視図、図3は、エッジワイズ曲げおよびフラットワイズ曲げを施した平角導体の斜視図、図4は、回転子鉄心のコイルスロットに界磁巻線が巻き掛けられた状態を示す回転子の斜視図、図5は、一対の平角導体の間を可撓導体で接合した状態を示す界磁巻線の断面図、図6は、図5のF6の箇所を拡大して示す断面図である。
図1は、回転電機の一例であるタービン発電機1を開示している。本実施形態のタービン発電機1は、例えば地中から吹き出す熱水や高温の水蒸気を利用して発電する地熱発電プラントに適用される要素であり、常時硫化水素ガスの雰囲気の中に置かれている。
タービン発電機1は、フレーム2、固定子3および回転子4を主要な要素として備えている。フレーム2は、中空の円筒形であり、水平に設置されている。フレーム2の軸方向に沿う一端は、第1の端板5aで塞がれている。同様に、フレーム2の軸方向に沿う他端は、第2の端板5bで塞がれている。
固定子3は、中空の円筒状であり、フレーム2の内部に水平に収容されている。固定子3は、固定子鉄心6を備えている。固定子鉄心6は、複数の電磁鋼板6aを固定子3の軸方向に積層することで構成されている。
回転子4は、固定子3の内側に同軸状に収容されている。回転子4は、円柱状の回転子鉄心7および回転軸8を有している。回転子鉄心7は、固定子鉄心6で取り囲まれている。回転軸8は、回転子鉄心7の軸方向に沿う両端から同軸状に突出されている。回転軸8は、一対の軸受9a,9bを介して第1の端板5aおよび第2の端板5bに支持されている。
図2に示すように、回転子鉄心7は、複数のコイルスロット11を有している。コイルスロット11は、回転子鉄心7の軸方向に真っ直ぐに延びているとともに、回転子鉄心7の周方向に互いに間隔を存して並んでいる。コイルスロット11は、回転子鉄心7の外周面および回転子鉄心7の端面に連続して開口されている。
図2および図4に示すように、複数の界磁巻線12が回転子鉄心7のコイルスロット11の間にコイル状に巻き掛けられている。図4および図5に示すように、界磁巻線12は、回転子鉄心7の径方向に積層された複数の巻線導体13を備えている。
巻線導体13は、コイルスロット11に収納されているとともに、隣り合う巻線導体13の間は、絶縁シート14により電気的に絶縁されている。さらに、図4に示すように、コイルスロット11に収納された巻線導体13は、コイルスロット11の開口端を塞ぐ楔15によりコイルスロット11に保持されている。
図2および図3に示すように、各巻線導体13は、所望の形状に曲げられた一対の平角導体17a,17bを四角いコイル状に組み合わすことで構成されている。言い換えると、本実施形態の巻線導体13は、二つの要素に分割されている。平角導体17a,17bは、夫々コイルスロット11に収納される直線部18と、直線部18の両端から回転子鉄心7の周方向に沿うように延出された一対のエンドターン部19a,19bと、を備えている。
具体的に述べると、図3に示すように、平角導体17a,17bは、例えば直線状の平角銅線の両端部をエッジワイズ方向に折り曲げた後、折り曲げられた銅線の両端部をフラットワイズ方向に円弧状に湾曲させて所定の位置で切断することにより形成される。円弧状に湾曲された平角銅線の両端部は、エンドターン部19a,19bを構成している。
図2に示すように、一方の平角導体17aの直線部18は、一つのコイルスロット11に収納され、他方の平角導体17bの直線部18は、他のコイルスロット11に収納されている。一方の平角導体17aのエンドターン部19a,19bは、回転子鉄心7の軸方向に沿う両端部でコイルスロット11の外に突出されているとともに、回転子鉄心7の外周面に沿うような曲率で湾曲されている。同様に、他方の平角導体17bのエンドターン部19a,19bは、回転子鉄心7の軸方向に沿う両端部でコイルスロット11の外に突出されているとともに、回転子鉄心7の周方向に延びている。
図4は、一方の平角導体17aのエンドターン部19aと他方の平角導体17bのエンドターン部19aとの位置関係を開示している。一方の平角導体17aのエンドターン部19aと他方の平角導体17bのエンドターン部19aとは、コイルスロット11の外で回転子鉄心7の周方向に互いに離れている。
図示を省略するが、一方の平角導体17aのエンドターン部19bと他方の平角導体17bのエンドターン部19bもコイルスロット11の外で回転子鉄心7の周方向に互いに離れている。このため、平角導体17a,17bのエンドターン部19a,19bの先端は、互いに接合すべき接合端部21を構成している。
図5に示すように、平角導体17a,17bの接合端部21は、夫々表面21aおよび裏面21bを有している。表面21aは、回転子鉄心7の径方向に沿う外側に位置され、裏面21bは、回転子鉄心7の径方向に沿う内側に位置されている。
接合端部21の裏面21bに段差部22が形成されている。段差部22は、接合端部21の裏面21bを接合端部21の厚さを減じるように加工することで構成されている。さらに、接合端部21の表面21aに凹部23が形成されている。凹部23の底に形成された貫通孔24は、段差部22に開口されている。
図4および図5に示すように、各界磁巻線12は、エンドターン部19a,19bの接合端部21の間に跨る可撓導体26を備えている。可撓導体26は、接続導体の一例である。
可撓導体26は、積層体27、第1の端子部28および第2の端子部29を備えている。積層体27は、例えば銅やアルミニウムのような導電性を有する複数の金属箔30を積層することで構成され、少なくとも回転子鉄心7の径方向に変位可能な可撓性を有している。さらに、積層体27は、回転子鉄心7の周方向に延びる帯状に形成されている。
積層体27は、金属箔30を積層する構成に限らず、例えば複数の平編銅線あるいは平編組線を積層した構成としてもよい。
第1の端子部28および第2の端子部29は、例えば銅やアルミニウムのような導電性を有する金属材料で構成されている。第1の端子部28および第2の端子部29は、夫々ソリッドな四角い板状である。
第1の端子部28は、積層体27の一端に例えばティグ溶接等の手段により接合されて、積層体27に対し電気的かつ機械的に接続されている。同様に、第2の端子部29は、積層体27の他端に例えばティグ溶接等の手段により接合されて、積層体27に対し電気的かつ機械的に接続されている。
したがって、可撓導体26の積層体27は、第1の端子部28と第2の端子部29との間に跨る中間部と言い換えることができる。
図5に示すように、第1の端子部28および第2の端子部29に夫々植込ボルト31がねじ込まれている。植込ボルト31は、締結具の一例であって、第1の端子部28の表面および第2の端子部29の表面から突出されている。さらに、植込ボルト31は、例えばティグ溶接により第1の端子部28および第2の端子部29に固定されている。
図5に示すように、可撓導体26の第1の端子部28は、一方の平角導体17aの段差部22に対し回転子鉄心7の径方向に沿う内側から重ね合わされている。第1の端子部28から突出された植込ボルト31は、貫通孔24を貫通して一方の平角導体17aの凹部23に導かれている。
凹部23に導かれた植込ボルト31の先端にナット32がねじ込まれている。植込ボルト31の先端およびナット32は、接合端部21の表面21aから突出することなく凹部23に収まっている。ナット32を締め込むと、ナット32が凹部23の底に突き当たるとともに、第1の端子部28が段差部22に押し付けられる。
図5に示すように、第2の端子部29は、他方の平角導体17bの段差部22に対し回転子鉄心7の径方向に沿う内側から重ね合わされている。第2の端子部29から突出された植込ボルト31は、貫通孔24を貫通して他方の平角導体17bの凹部23に導かれている。
凹部23に導かれた植込ボルト31の先端にナット32がねじ込まれている。植込ボルト31の先端およびナット32は、接合端部21の表面21aから突出することなく凹部23に収まっている。ナット32を締め込むと、ナット32が凹部23の底に突き当たるとともに、第2の端子部29が段差部22に押し付けられる。
この結果、一方の平角導体17aの接合端部21と他方の平角導体17bの接合端部21との間が可撓導体26を介して機械的かつ電気的に接合された状態に維持される。可撓導体26の積層体27は、一方の平角導体17aの接合端部21と他方の平角導体17bの接合端部21との間で若干撓ませた状態で使用することが望ましい。
図5および図6に示すように、第1の実施形態では、一方の平角導体17aの接合端部21と第1の端子部28との間、および他方の平角導体17bの接合端部21と第2の端子部29との間に夫々帯状の導電シート33が介在されている。導電シート33は、例えば銅合金で構成されているとともに、弾性変形が可能な複数の接触子34を有している。この種の導電シート33としては、例えばマルチラム(登録商標)を用いることが望ましい。
図5に示すように、導電シート33は、ナット32を締め付けた時に、一方の平角導体17aの接合端部21と第1の端子部28との間、および他方の平角導体17bの接合端部21と第2の端子部29との間で圧縮される。この圧縮により、接触子34の縁が接合端部21、第1の端子部28および第2の端子部29に対し一定の弾力で多面的に接している。
なお、コイルスロット11の外に突出された平角導体17a,17bのエンドターン部19a,19bおよび可撓導体26は、図1に示す絶縁筒35で覆われている。
第1の実施形態によると、巻線導体13を構成する一対の平角導体17a,17bを接合するには、図5に最もよく示されるように、可撓導体26から突出された植込ボルト31を平角導体17a,17bの接合端部21の貫通孔24に挿入した後、植込ボルト31の先端にナット32をねじ込む。
これにより、平角導体17a,17bの接合端部21に可撓導体26の第1の端子部28および第2の端子部29が機械的に結合され、平角導体17a,17bの接合端部21の間が可撓導体26を介して電気的に接続される。
このため、平角導体17a,17bを接続するに際して、ろう付けのような高度な技術や熟練が求められる面倒な作業を要しない。したがって、界磁巻線12の元となる巻線導体13を四角いコイル状に簡単に組み立てることができ、その分、作業性が改善されて回転子4の組み立てに要する時間を短縮できる。
さらに、平角導体17a,17bの接合部分からろう付け箇所が排除されるので、回転子4を地熱発電プラント用のタービン発電機1に適用して、硫化水素ガスが多く存在する雰囲気の下で使用しても、平角導体17a,17bの接合部分が腐食することはない。この結果、平角導体17a,17bの接合強度を十分に確保できるとともに、電気的接続の信頼性を長期に亘って良好に維持することができる。
第1の実施形態によると、界磁巻線12に供給される界磁電流は、一方の平角導体17aの接合端部21から可撓導体26の第1の端子部28、積層体27および第2の端子部29を通って他方の平角導体17bの接合端部21に流れる。
この際、導電シート33の接触子34が一定の弾力で接合端部21、第1の端子部28および第2の端子部29に接触し続けるので、平角導体17a,17bと可撓導体26との電気的な接触状態が安定する。よって、平角導体17a,17bの接合端部21と可撓導体26との間の接続部に生じる接触抵抗を低減することができ、電流密度が局所的に高くなるのを防止できる。
第1の実施形態では、平角導体17a,17bの接合端部21の間に跨る可撓導体26の積層体27が可撓性を有している。このため、平角導体17a,17bを曲げる際に生じた製造誤差あるいは多少の組み立て誤差に伴って、平角導体17a,17bの接合端部21と可撓導体26との間の位置関係にばらつきが生じても、積層体27が撓むことでばらつきを吸収できる。
具体的に述べると、作業者が可撓導体26の植込ボルト31を接合端部21の貫通孔24に挿入する際に、可撓導体26の積層体27の撓み具合を作業者が手作業で調整することで、植込ボルト31を貫通孔24に無理なく挿入することができる。よって、巻線導体13ひいては回転子4の組み立て作業を容易に行うことができる。
さらに、平角導体17a,17bの接合端部21の間を可撓導体26により接続したことで、平角導体17a,17bが熱膨張した時の平角導体17a,17bの伸びを可撓導体26の積層体27が撓むことで吸収できる。このため、平角導体17a,17bと可撓導体26との間の接続部分に加わる応力を緩和することができる。
加えて、第1の実施形態では、図5に最もよく示されるように、可撓導体26の第1の端子部28および第2の端子部29が平角導体17a,17bの接合端部21に対し回転子鉄心7の径方向に沿う内側から重ねられている。このため、回転子4が回転した時に可撓導体26に加わる遠心力を平角導体17a,17bの接合端部21で受け止めることができる。したがって、遠心力が植込ボルト31やナット32に集中するのを回避できる。
第1の実施形態では、可撓導体26を回転子鉄心7の径方向に沿う内側から平角導体17a,17bの接合端部21に固定したが、例えば接合端部21の表面21aに段差部22を形成することで、可撓導体26を回転子鉄心7の径方向に沿う外側から接合端部21に固定してもよい。
さらに、導電シート33は必須の要素ではなく、平角導体17a,17bの接合端部21に可撓導体26の第1の端子部28および第2の端子部29を直に接触させるようにしてもよい。
[第2の実施形態]
図7は、第2の実施形態を開示している。第2の実施形態は、可撓導体26を平角導体17a,17bの接合端部21に固定するための構成が前記第1の実施形態と相違している。これ以外の界磁巻線12の構成は前記第1の実施形態と同様である。そのため、第2の実施形態において、前記第1の実施形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
図7は、第2の実施形態を開示している。第2の実施形態は、可撓導体26を平角導体17a,17bの接合端部21に固定するための構成が前記第1の実施形態と相違している。これ以外の界磁巻線12の構成は前記第1の実施形態と同様である。そのため、第2の実施形態において、前記第1の実施形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
図7に示すように、平角導体17a,17bの接合端部21の表面21aに夫々段差部41が形成されている。段差部41は、接合端部21の表面21aを接合端部21の厚さを減じるように加工することで構成されている。さらに、段差部41に開けた受け穴42にエンザート43が取り付けられている。エンザート43は、例えば平角導体17a,17bよりも機械的強度が高い鉄系材料で構成されている。
可撓導体26の第1の端子部28および第2の端子部29に夫々挿通孔44が形成されている。挿通孔44は、座ぐり部45を有している。座ぐり部45は、挿通孔44よりも径が大きいとともに、第1の端子部28の表面および第2の端子部29の表面に開口されている。
可撓導体26の第1の端子部28は、一方の平角導体17aの段差部41に対し回転子鉄心7の径方向に沿う外側から重ね合わされている。さらに、第1の端子部28の挿通孔44に回転子鉄心7の径方向に沿う外側から六角ボルト46が挿入されている。六角ボルト46は、締結具の一例であって、挿通孔44を通じてエンザート43にねじ込まれている。
このねじ込みにより、六角ボルト46の頭部46aが第1の端子部28の表面から突出することなく座ぐり部45に収容されているとともに、導電シート33が第1の端子部28と平角導体17aの段差部41との間で挟持されている。
可撓導体26の第2の端子部29は、他方の平角導体17bの段差部41に対し回転子鉄心7の径方向に沿う外側から重ね合わされている。さらに、第2の端子部29の挿通孔44に回転子鉄心7の径方向に沿う外側から六角ボルト46が挿入されている。六角ボルト46は、締結具の一例であって、挿通孔44を通じてエンザート43にねじ込まれている。
このねじ込みにより、六角ボルト46の頭部46aが第2の端子部29の表面から突出することなく座ぐり部45に収容されているとともに、導電シート33が第2の端子部29と平角導体17bの段差部41との間で挟持されている。
この結果、一方の平角導体17aの接合端部21と他方の平角導体17bの接合端部21との間が可撓導体26を介して機械的かつ電気的に接合された状態に維持される。
第2の実施形態によると、可撓導体26の第1の端子部28および第2の端子部29は、夫々六角ボルト46を用いて平角導体17a,17bの接合端部21に固定されている。このため、平角導体17a,17bの間を可撓導体26で接続するに際して、ろう付けのような高度な技術や熟練が求められる面倒な作業が不要となり、前記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、第2の実施形態では、平角導体17a,17bの段差部41に六角ボルト46がねじ込まれるエンザート43が取り付けられている。エンザート43は、平角導体17a,17bよりも機械的強度が高いので、段差部41をエンザート43で補強することができる。
したがって、例えば銅製の平角導体17a,17bの段差部41に六角ボルト46を直にねじ込む場合との比較において、回転子4が回転した時に段差部41に加わる遠心力あるいは平角導体17a,17bが熱膨張した時に段差部41に生じる応力に対し十分に対抗することができる。
第2の実施形態では、可撓導体26を回転子鉄心7の径方向に沿う外側から接合端部21に固定したが、例えば接合端部21の裏面21bに段差部41を形成することで、可撓導体26を回転子鉄心7の径方向に沿う内側から接合端部21に固定してもよい。この場合は、段差部41に座ぐり部45bを有する挿通孔44を形成するとともに、エンザート43は、可撓導体26の第1の端子部28および第2の端子部29に取り付けるようにする。
[第3の実施形態]
図8は、第3の実施形態を開示している。第3の実施形態は、前記第2の実施形態の六角ボルト46の代わりにポップリベット51(ブラインドリベット)を用いた点が前記第2の実施形態と相違している。これ以外の界磁巻線12の基本的な構成は、前記第2の実施形態と同様である。
図8は、第3の実施形態を開示している。第3の実施形態は、前記第2の実施形態の六角ボルト46の代わりにポップリベット51(ブラインドリベット)を用いた点が前記第2の実施形態と相違している。これ以外の界磁巻線12の基本的な構成は、前記第2の実施形態と同様である。
図8に示すように、平角導体17a,17bの段差部41に夫々第1の挿通孔52が形成されている。第1の挿通孔52は、座ぐり部53を有している。座ぐり部53は、第1の挿通孔52よりも径が大きいとともに、平角導体17a,17bの接合端部21の裏面に開口されている。
可撓導体26の第1の端子部28および第2の端子部29に夫々第2の挿通孔54が形成されている。第2の挿通孔54は、座ぐり部55を有している。座ぐり部55は、第2の挿通孔54よりも径が大きいとともに、第1および第2の端子部28,29の表面に開口されている。
第1の端子部28の第2の挿通孔54は、第1の端子部28を一方の平角導体17aの段差部41に対し回転子鉄心7の径方向に沿う外側から重ね合わせた時に、一方の平角導体17aの第1の挿通孔52と合致する。
同様に、第2の端子部29の第2の挿通孔54は、第2の端子部29を他方の平角導体17bの段差部41に対し回転子鉄心7の径方向に沿う外側から重ね合わせた時に、他方の平角導体17bの第1の挿通孔52と合致する。
締結具としてのポップリベット51は、一端に頭部51aを有する中空の円筒状である。ポップリベット51の内部には、心棒56が挿通されている。心棒56は、その基端が頭部51aの反対側に位置されたポップリベット51の他端に引っ掛かっている。図示を省略するが、心棒56の先端は、頭部51aを貫通してポップリベット51の外に引き出されている。
ポップリベット51は、頭部51aとは反対側の他端を先頭にした姿勢で回転子鉄心7の径方向に沿う外側から第2の挿通孔54を通じて第1の挿通孔52に導かれている。ポップリベット51の頭部51aは、第1および第2の端子部28,29の表面から突出することなく座ぐり部55に収容されている。
ポップリベット51を用いて可撓導体26を平角導体17a,17bの段差部41に固定するには、まず、ポップリベット51を第1の挿通孔52および第2の挿通孔54に挿通する。この後、心棒56の先端を専用の締結工具で把持して頭部51aから遠ざかる方向に引っ張る。これにより、ポップリベット51の他端がフランジ状に潰れて加工頭51bが形成される。加工頭51bは、平角導体17a,17bの接合端部21の裏面21bから突出することなく座ぐり部53に収容されるとともに、座ぐり部53の底に引っ掛かる。心棒56は、途中で引きちぎられて、基端のみが加工頭51bに連続するように残っている。
この結果、ポップリベット51が可撓導体26の第1の端子部28と一方の平角導体17aの接合端部21および可撓導体26の第2の端子部29と他方の平角導体17bの接合端部21との間に跨って固定される。それとともに、導電シート33が第1および第2の端子部29と平角導体17a,17bの段差部41との間で挟持される。この結果、平角導体17a,17bの接合端部21の間が可撓導体26を介して機械的かつ電気的に接合された状態に維持される。
第3の実施形態によると、締結具としてポップリベット51を用いたことで、ろう付けやねじ止めとの比較において、平角導体17a,17bと可撓導体26との間の接続作業を迅速に行うことができ、作業時間の短縮に寄与する。
さらに、ポップリベット51は、頭部51aから引き出された心棒56を引っ張ることで、平角導体17a,17bと可撓導体26との間に跨るように固定される。このため、平角導体17a,17bと可撓導体26との間の接続作業を平角導体17a,17bおよび可撓導体26の厚み方向に沿う片側から行うことができ、作業性に優れる。
加えて、銅製の平角導体17a,17bの段差部41にねじ孔を形成する必要がないので、段差部41の機械的強度が不足することもない。それとともに、補強用のエンザートも省略することができ、その分、部品点数を少なく抑えて回転子4のコストを低減することができる。
[第4の実施形態]
図9は、第4の実施形態を開示している。第4の実施形態は、リジッドな接続導体61を用いて平角導体17a,17bの接合端部21の間を接続した点が前記第2の実施形態と相違している。これ以外の界磁巻線12の基本的な構成は、前記第2の実施形態と同様である。
図9は、第4の実施形態を開示している。第4の実施形態は、リジッドな接続導体61を用いて平角導体17a,17bの接合端部21の間を接続した点が前記第2の実施形態と相違している。これ以外の界磁巻線12の基本的な構成は、前記第2の実施形態と同様である。
接続導体61は、例えば銅のような導電性に優れた金属材料を用いて帯状に形成されている。図9に示すように、接続導体61は、第1の端部62および第2の端部63を有している。第1の端部62および第2の端部63は、回転子鉄心7の周方向に互いに離れている。
接続導体61の第1の端部62は、一方の平角導体17aの段差部41に対し回転子鉄心7の径方向に沿う外側から重ね合わされている。同様に、接続導体61の第2の端部63は、他方の平角導体17bの段差部41に対し回転子鉄心7の径方向に沿う外側から重ね合わされている。
接続導体61の第1の端部62および第2の端部63に夫々挿通孔64が形成されている。挿通孔64は、座ぐり部65を有している。座ぐり部65は、挿通孔64よりも径が大きいとともに、第1の端部62の表面および第2の端部63の表面に開口されている。
第1の端部62の挿通孔64に回転子鉄心7の径方向に沿う外側から六角ボルト46が挿入されている。六角ボルト46は、挿通孔64を通じて一方の平角導体17aのエンザート43にねじ込まれている。このねじ込みにより、六角ボルト46の頭部46aが第1の端部62の表面から突出することなく座ぐり部65に収容されているとともに、導電シート33が第1の端部62と平角導体17aの段差部41との間で挟持されている。
第2の端部63の挿通孔64に回転子鉄心7の径方向に沿う外側から六角ボルト46が挿入されている。六角ボルト46は、挿通孔64を通じて他方の平角導体17bのエンザート43にねじ込まれている。このねじ込みにより、六角ボルト46の頭部46aが第2の端部63の表面から突出することなく座ぐり部65に収容されているとともに、導電シート33が第2の端部63と平角導体17bの段差部41との間で挟持されている。
この結果、一方の平角導体17aの接合端部21と他方の平角導体17bの接合端部21との間が接続導体61を介して機械的かつ電気的に接合された状態に維持される。
第4の実施形態によると、接続導体61の第1の端部62および第2の端部63は、夫々六角ボルト46を用いて平角導体17a,17bの接合端部21に固定されている。このため、平角導体17a,17bの間を接続導体61で接続するに際して、ろう付けのような高度な技術や熟練が求められる面倒な作業が不要となり、前記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第5の実施形態]
図10は、第5の実施形態を開示している。第5の実施形態は、前記第4の実施形態の六角ボルト46の代わりに前記第3の実施形態と同様のポップリベット51(ブラインドリベット)を用いた点が前記第4の実施形態と相違している。これ以外の界磁巻線12の基本的な構成は、前記第4の実施形態と同様である。
図10は、第5の実施形態を開示している。第5の実施形態は、前記第4の実施形態の六角ボルト46の代わりに前記第3の実施形態と同様のポップリベット51(ブラインドリベット)を用いた点が前記第4の実施形態と相違している。これ以外の界磁巻線12の基本的な構成は、前記第4の実施形態と同様である。
図10に示すように、平角導体17a,17bの段差部41に夫々第1の挿通孔71が形成されている。第1の挿通孔71は、座ぐり部72を有している。座ぐり部72は、第1の挿通孔71よりも径が大きいとともに、平角導体17a,17bの接合端部21の裏面21bに開口されている。
接続導体61の第1の端部62および第2の端部63に夫々第2の挿通孔73が形成されている。第2の挿通孔73は、座ぐり部74を有している。座ぐり部74は、第2の挿通孔73よりも径が大きいとともに、第1および第2の端部62,63の表面に開口されている。
第1の端部62の第2の挿通孔73は、第1の端部62を一方の平角導体17aの段差部41に対し回転子鉄心7の径方向に沿う外側から重ね合わせた時に、一方の平角導体17aの第1の挿通孔71と合致する。
同様に、第2の端部63の第2の挿通孔73は、第2の端部63を他方の平角導体17bの段差部41に対し回転子鉄心7の径方向に沿う外側から重ね合わせた時に、他方の平角導体17bの第1の挿通孔71と合致する。
ポップリベット51は、頭部51aとは反対側の他端を先頭にした姿勢で回転子鉄心7の径方向に沿う外側から第2の挿通孔73を通じて第1の挿通孔71に導かれている。ポップリベット51の頭部51aは、第1および第2の端部62,63の表面から突出することなく座ぐり部74に収容されている。
ポップリベット51を用いて接続導体61を平角導体17a,17bの段差部41に固定するには、まず、ポップリベット51を第1の挿通孔71および第2の挿通孔73に挿通する。この後、心棒56の先端を専用の締結工具で把持して頭部51aから遠ざかる方向に引っ張る。これにより、ポップリベット51の他端がフランジ状に潰れて加工頭51bが形成される。加工頭51bは、平角導体17a,17bの接合端部21の裏面21bから突出することなく座ぐり部72に収容されるとともに、座ぐり部72の底に引っ掛かる。心棒56は、途中で引きちぎられて、基端のみが加工頭51bに連続するように残っている。
この結果、ポップリベット51が接続導体61の第1の端部62と一方の平角導体17aの接合端部21および接続導体61の第2の端部63と他方の平角導体17bの接合端部21との間に跨って固定される。それとともに、導電シート33が第1および第2の端部62,63と平角導体17a,17bの段差部41との間で挟持されて、平角導体17a,17bの接合端部21の間が接続導体61を介して機械的かつ電気的に接合された状態に維持される。
第5の実施形態によると、締結具としてポップリベット51を用いたことで、前記第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第6の実施形態]
図11は、第6の実施形態を開示している。第6の実施形態は、平角導体17a,17bの接合端部21の間を直に接続した点が前記第1ないし第5の実施形態と相違している。これ以外の界磁巻線12の基本的な構成は、前記第1の実施形態と同様である。そのため、第6の実施形態において、前記第1の実施形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
図11は、第6の実施形態を開示している。第6の実施形態は、平角導体17a,17bの接合端部21の間を直に接続した点が前記第1ないし第5の実施形態と相違している。これ以外の界磁巻線12の基本的な構成は、前記第1の実施形態と同様である。そのため、第6の実施形態において、前記第1の実施形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
図11に示すように、一方の平角導体17aの接合端部21に第1の段差部81が形成されている。第1の段差部81は、接合端部21の表面21aを接合端部21の厚さを減じるように加工することで構成されている。第1の段差部81の中間部に受け孔82が形成されている。受け孔82にエンザート83が取り付けられている。エンザート83は、例えば平角導体17aよりも機械的強度が高い鉄系材料で構成されている。
他方の平角導体17bの接合端部21に第2の段差部85が形成されている。第2の段差部85は、接合端部21の裏面21bを接合端部21の厚さを減じるように加工することで構成されている。第2の段差部85の中間部に連通孔86が形成されている。連通孔86は、エンザート83よりも径が大きいとともに、回転子鉄心7の周方向に沿う長孔状に形成されている。さらに、連通孔86は座ぐり部87を有している。座ぐり部87は、連通孔86よりも径が大きいとともに、接合端部21の表面21aに開口されている。
図11に示すように、一方の平角導体17aの第1の段差部81は、他方の平角導体17bの第2の段差部85と噛み合うように組み合わされている。そのため、第2の段差部85が第1の段差部81の上に重ねられているとともに、第2の段差部85の連通孔86が第1の段差部81のエンザート83に合致している。
他方の平角導体17bの連通孔86に回転子鉄心7の径方向に沿う外側から六角ボルト88が挿入されている。六角ボルト88は、締結具の一例であって、連通孔86を通じてエンザート83にねじ込まれている。このねじ込みにより、六角ボルト88の頭部88aが他方の平角導体17bの接合端部21の表面21aから突出することなく座ぐり部87に収容されている。
さらに、一方の平角導体17aの第1の段差部81と他方の平角導体17bの第2の段差部85との間に前記第1の実施形態と同様の導電シート33が介在されている。導電シート33は、六角ボルト88を締め付けた時に、第1の段差部81と第2の段差部85との間で圧縮される。この圧縮により、導電シート33の接触子34の縁が第1の段差部81および第2の段差部85に対し一定の弾力で多面的に接している。
この結果、一方の平角導体17aの接合端部21と他方の平角導体17bの接合端部21との間が機械的かつ電気的に接合された状態に維持される。
第6の実施形態によると、一方の平角導体17aの第1の段差部81を他方の平角導体17bの第2の段差部85に接続するに際して、ろう付けのような高度な技術や熟練が求められる面倒な作業が不要となる。
さらに、第6の実施形態では、界磁巻線12に供給される界磁電流は、一方の平角導体17aの接合端部21から第1の段差部81および第2の段差部85を通じて他方の平角導体17bの接合端部21に流れる。この際、導電シート33の接触子34が一定の弾力で第1の段差部81および第2の段差部85に接触し続けるので、第1の段差部81と第2の段差部85との電気的な接触状態が安定する。
具体的には、例えば平角導体17a,17bの熱膨張により平角導体17a,17bが変形したり、あるいは第1の段差部81と第2の段差部85との間に相対的な移動が生じたとしても、前記導電シート33の存在により、第1の段差部81と第2の段差部85との間の電気的な接続状態を維持することができる。
加えて、一方の平角導体17aの第1の段差部81に六角ボルト88がねじ込まれるエンザート83が取り付けられ、当該エンザート83は、平角導体17aよりも機械的強度が高い。このため、第1の段差部81をエンザート83で補強することができ、銅製の第1の段差部81に六角ボルト88を直にねじ込む場合との比較において、回転子4が回転した時に第1の段差部81に加わる遠心力あるいは平角導体17a,17bが熱膨張した時に第1の段差部81に生じる応力に対し十分に対抗することができる。
それとともに、第6の実施形態によると、第2の段差部85に設けられた連通孔86は、長孔状である。このため、例えば平角導体17a,17bを曲げる際に生じた製造誤差あるいは多少の組み立て誤差に伴って、平角導体17aの第1の段差部81と平角導体17bの第2の段差部85との間の位置関係に多少のばらつきが生じたとしても、エンザート83と連通孔86との相対的な位置合わせを容易に行うことができる。
よって、連通孔86に挿入した六角ボルト88をエンザート83に無理なくねじ込むことができ、巻線導体13ひいては回転子4の組み立て作業を容易に行うことができる。
[第7の実施形態]
図12は、第7の実施形態を開示している。第7の実施形態は、前記第6の実施形態の六角ボルト88の代わりに前記第3の実施形態と同様のポップリベット51(ブラインドリベット)を用いた点が前記第6の実施形態と相違している。これ以外の界磁巻線12の基本的な構成は、前記第6の実施形態と同様である。
図12は、第7の実施形態を開示している。第7の実施形態は、前記第6の実施形態の六角ボルト88の代わりに前記第3の実施形態と同様のポップリベット51(ブラインドリベット)を用いた点が前記第6の実施形態と相違している。これ以外の界磁巻線12の基本的な構成は、前記第6の実施形態と同様である。
図12に示すように、平角導体17aの第1の段差部81に第1の挿通孔91が形成されている。第1の挿通孔91は、座ぐり部92を有している。座ぐり部92は、第1の挿通孔91よりも径が大きいとともに、平角導体17aの接合端部21の裏面21bに開口されている。
平角導体17bの第2の段差部85に第2の挿通孔93が形成されている。第2の挿通孔93は、座ぐり部94を有している。座ぐり部94は、第2の挿通孔93よりも径が大きいとともに、平角導体17bの接合端部21の表面21aに開口されている。
第1の挿通孔91は、第1の段差部81の上に第2の段差部85を重ねた時に、第2の挿通孔93と合致する。
ポップリベット51は、頭部51aとは反対側の他端を先頭にした姿勢で回転子鉄心7の径方向に沿う外側から第2の挿通孔93を通じて第1の挿通孔91に導かれている。ポップリベット51の頭部51aは、平角導体17bの接合端部21の表面21aから突出することなく座ぐり部94に収容されている。
ポップリベット51を用いて平角導体17aの第1の段差部81を平角導体17bの第2の段差部85bに固定するには、まず、ポップリベット51を第2の挿通孔93から第1の挿通孔91に挿通する。この後、心棒56の先端を専用の締結工具で把持して頭部51aから遠ざかる方向に引っ張る。
これにより、ポップリベット51の他端がフランジ状に潰れて加工頭51bが形成される。加工頭51bは、平角導体17aの接合端部21の裏面21bから突出することなく座ぐり部92に収容されるとともに、座ぐり部92の底に引っ掛かる。心棒56は、途中で引きちぎられて、基端のみが加工頭51bに連続するように残っている。
この結果、ポップリベット51が一方の平角導体17aの接合端部21と他方の平角導体17bの接合端部21との間に跨って固定される。それとともに、導電シート33が第1の段差部81と第2の段差部85との間で挟持されて、平角導体17a,17bの接合端部21の間が機械的かつ電気的に接合された状態に維持される。
第7の実施形態によると、締結具としてポップリベット51を用いたことで、前記第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第8の実施形態]
図13および図14は、第8の実施形態を開示している。第8の実施形態は、界磁巻線12を構成する巻線導体13の分割の仕方が前記第1の実施形態ないし第7の実施形態と相違している。
図13および図14は、第8の実施形態を開示している。第8の実施形態は、界磁巻線12を構成する巻線導体13の分割の仕方が前記第1の実施形態ないし第7の実施形態と相違している。
図13に示すように、巻線導体13は、所望の形状に曲げられた一対の平角導体100a,100bを四角いコイル状に組み合わすことで構成されている。
一方の平角導体100aは、回転子鉄心7のコイルスロット11に収納される直線部101と、直線部101の一端から回転子鉄心7の周方向に沿うように延出されたエンドターン部102とを備えている。
同様に、他方の平角導体100bは、回転子鉄心7の他のコイルスロット11に収納される直線部103と、直線部103の一端から回転子鉄心7の周方向に沿うように延出されたエンドターン部104とを備えている。
すなわち、平角導体100a,100bは、夫々直線状の平角銅線の一端部をエッジワイズ方向に折り曲げた後、折り曲げられた銅線の一端部をフラットワイズ方向に円弧状に湾曲させて所定の位置で切断することにより形成される。円弧状に湾曲された平角銅線の一端部は、エンドターン部102,104を構成している。
このため、平角導体100a,100bは、互いに共通の曲げ形状を有し、回転子鉄心7の軸方向に沿う向きを反転した姿勢で回転子鉄心7のコイルスロット11に組み込まれるようになっている。平角導体100a,100bを回転子鉄心7のコイルスロット11に組み込んだ状態では、エンドターン部102,104が回転子鉄心7の軸方向に沿う両端部でコイルスロット11の外に突出されて、回転子鉄心7の外周面に沿うような曲率で湾曲されている。
第8の実施形態によると、一方の平角導体100aの直線部101の他端と、他方の平角導体100bのエンドターン部104の先端とは、コイルスロット11の外で回転子鉄心7の軸方向に離れている。同様に、他方の平角導体100bの直線部103の他端と、一方の平角導体100aのエンドターン部102の先端とは、コイルスロット11の外で回転子鉄心7の軸方向に離れている。このため、直線部101,103の他端およびエンドターン部102,104の先端は、界磁巻線12の接合端部21を構成している。
図14は、一方の平角導体100aの直線部101と他方の平角導体100bのエンドターン部104との接続部分を示している。図14に示すように、直線部101の他端に第1の段差部106が形成されている。第1の段差部106は、直線部101の裏面を直線部101の厚さを減じるように加工することで構成されている。
さらに、エンドターン部104の裏面に第2の段差部107が形成されている。第2の段差部107は、エンドターン部104の裏面をエンドターン部104の肉厚を減じるように加工することで構成されている。
直線部101の第1の段差部106とエンドターン部104の第2の段差部107との間は、前記第2の実施形態の同様の可撓導体26により接続されている。可撓導体26の第1の端子部28は、直線部101の第1の段差部106に重ね合わされている。可撓導体26の第2の端子部29は、エンドターン部104の第2の段差部107に重ね合わされている。
第1の端子部28から突出された植込ボルト31は、直線部101を貫通するとともに、その先端が直線部101の表面に形成された凹部108に導かれている。凹部108に導かれた植込ボルト31の先端にナット32がねじ込まれている。植込ボルト31の先端およびナット32は、直線部101の表面から突出することなく凹部108に収まっている。ナット32を締め込むと、ナット32が凹部108の底に突き当たるとともに、第1の端子部28が第1の段差部106に押し付けられる。
第2の端子部29から突出された植込ボルト31は、エンドターン部104を貫通するとともに、その先端がエンドターン部104の表面に形成された凹部109に導かれている。凹部109に導かれた植込ボルト31の先端にナット32がねじ込まれている。植込ボルト31の先端およびナット32は、エンドターン部104の表面から突出することなく凹部109に収まっている。ナット32を締め込むと、ナット32が凹部109の底に突き当たるとともに、第2の端子部29が第2の段差部107に押し付けられる。
この結果、一方の平角導体17aの直線部101と他方の平角導体17bのエンドターン部104との間が可撓導体26を介して機械的かつ電気的に接合された状態に維持される。可撓導体26の積層体27は、一方の平角導体17aの直線部101に沿って延びているとともに、当該直線部101と他方の平角導体17bのエンドターン部104との間で若干撓んでいる。
なお、図示を省略するが、一方の平角導体17aのエンドターン部102の先端と他方の平角導体17bの直線部103の他端との間も、前記可撓導体26を介して機械的かつ電気的に接合された状態に維持される。
第8の実施形態によると、平角導体100a,100bの間を可撓導体26で接続するに際して、ろう付けのような高度な技術や熟練が求められる面倒な作業を必要としない。よって、巻線導体13を四角いコイル状に簡単に組み立てることができる。
さらに、可撓導体26の積層体27は、平角導体100aの直線部101に沿って延びている。このため、直線部101が回転子鉄心7の軸方向に熱膨張した時の直線部101の伸びを可撓導体26の積層体27が撓むことで吸収できる。したがって、回転子4の回転中に、直線部101の伸びを起因とするサーマルアンバランス振動を抑制することができる。
第8の実施形態では、可撓導体26を用いて一対の平角導体100a,100bの間を接続したが、可撓導体26の代わりに前記第4の実施形態と同様のリジッドな接続導体61を用いて平角導体100a,100bの間を接続してもよい。
さらに、平角導体100a,100bと可撓導体26との間に弾性を有する導電シート33を介在させてもよい。
[第9の実施形態]
図15は、第9の実施形態を開示している。第9の実施形態は、界磁巻線12を構成する巻線導体13の分割の仕方が前記第8の実施形態と相違している。
図15は、第9の実施形態を開示している。第9の実施形態は、界磁巻線12を構成する巻線導体13の分割の仕方が前記第8の実施形態と相違している。
図15に示すように、巻線導体13は、一対の直線部111a,111bおよび一対の円弧部112a,112bに四分割されている。直線部111a,111bは、回転子鉄心7のコイルスロット11に収納される要素であり、夫々直線状の平角銅線により構成されている。円弧部112a,112bは、夫々コイルスロット11の外で直線部111a,111bの両端部間に跨る要素であり、直線状の平角銅線をフラットワイズ方向に円弧状に湾曲させることで構成されている。
第9の実施形態によると、直線部111a,111bの両端と円弧部112a,112bの両端とは、コイルスロット11の外で回転子鉄心7の軸方向に離れている。そのため、直線部111a,111bの両端および円弧部112a,112bの両端は、界磁巻線12の接合端部21を構成している。
図示を省略するが、直線部111a,111bの両端と円弧部112a,112bの両端との間は、前記第8の実施形態と同様の可撓導体26又は前記第4の実施形態と同様の接続導体61を介して機械的かつ電気的に接続することができる。
この場合、直線部111a,111bの両端と可撓導体26(接続導体61)との間および円弧部112a,112bの両端と可撓導体26(接続導体61)との間に夫々弾性を有する導電シート33を介在させてもよい。
さらに、第9の実施形態においては、直線部111a,111bの両端と円弧部112a,112bの両端とを直接重ね合わせて六角ボルト46で連結することも可能である。この場合においても、直線部111a,111bの両端と円弧部112a,112bの両端との間に、必要に応じて弾性を有する導電シート33を介在させてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…タービン発電機、4…回転子、7…回転子鉄心、11…スロット(コイルスロット)、12…界磁巻線、21…接合端部、26,61…接続導体(可撓導体)、31,46,51,88…締結具(植込ボルト、六角ボルト、ポップリベット)、81,106…第1の段差部、85,107…第2の段差部。
Claims (15)
- 複数のスロットが設けられた回転子鉄心と、
前記回転子鉄心の前記スロットの間にコイル状に巻き掛けられた複数の界磁巻線と、を具備し、
前記各界磁巻線は、前記スロットの外で分離された複数の接合端部と、前記スロットの外で隣り合う前記接合端部の間に跨る接続導体と、を含み、前記接合端部が前記接続導体に対し締結具を介して機械的かつ電気的に接合された回転子。 - 請求項1に記載の回転子において、前記接続導体は、前記回転子鉄心の少なくとも厚さ方向に変位可能な可撓導体であり、当該可撓導体は、前記界磁巻線の一方の接合端部に前記締結具を介して接合された第1の端子部と、前記界磁巻線の他方の接合端部に前記締結具を介して接合された第2の端子部と、前記第1の端子部と第2の端子部との間に跨る可撓性を有する中間部と、を含む回転子。
- 請求項1又は請求項2に記載の回転子において、前記界磁巻線の前記接合端部と前記接続導体との間に介在された導電シートをさらに備えており、前記導電シートは、弾性変形が可能な複数の接触子を有し、当該接触子が前記接合端部および前記接続導体に弾性的に接触されて、前記接合端部と前記接続導体との間の電気的な接続を維持するように構成された回転子。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の回転子において、前記界磁巻線の前記接合端部は、前記界磁巻線の厚さを減じるように加工された段差部を有し、当該段差部に前記接続導体が接合された回転子。
- 請求項1に記載の回転子において、前記締結具はボルトであり、当該ボルトがねじ込まれるエンザートが前記界磁巻線の前記接合端部に取り付けられた回転子。
- 請求項5に記載の回転子において、前記エンザートは、前記界磁巻線の前記接合端部よりも機械的強度が大きい回転子。
- 請求項1に記載の回転子において、前記締結具はポップリベットであり、当該ポップリベットが前記接合端部と前記接続導体との間に跨って固定された回転子。
- 請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の回転子において、前記界磁巻線は、互いに異なるスロットに収容される一対の直線部と、前記回転子鉄心の端部で前記スロットから突出されるとともに、前記スロットの間に跨るように曲げられた一対のエンドターン部と、を含み、当該エンドターン部に対応する位置に前記接合端部が形成された回転子。
- 複数のスロットが設けられた回転子鉄心と、
前記回転子鉄心の前記スロットの間にコイル状に巻き掛けられた複数の界磁巻線と、を具備し、
前記各界磁巻線は、前記スロットの外で分離された複数の接合端部を有し、一方の接合端部に前記界磁巻線の厚さを減じるように加工された第1の段差部が設けられ、他方の接合端部に前記界磁巻線の厚さを減じるよう加工されるとともに前記第1の段差部と組み合わされた第2の段差部が設けられ、前記第1の段差部および前記第2の段差部が締結具を介して機械的かつ電気的に接合された回転子。 - 請求項9に記載の回転子において、前記第1の段差部と前記第2の段差部との間に介在された導電シートをさらに備えており、前記導電シートは、弾性変形が可能な複数の接触子を有し、当該接触子が前記第1の段差部および前記第2の段差部に弾性的に接触されて、前記接合端部間の電気的な接続を維持するように構成された回転子。
- 請求項9又は請求項10に記載の回転子において、前記締結具はボルトであり、当該ボルトがねじ込まれるエンザートが前記第1の段差部又は前記第2の段差部に取り付けられた回転子。
- 請求項11に記載の回転子において、前記エンザートは、前記界磁巻線の前記接合端部よりも機械的強度が大きい回転子。
- 請求項9に記載の回転子において、前記締結具はポップリベットであり、当該ポップリベットが前記第1の段差部と前記第2の段差部との間に跨って固定された回転子。
- 請求項1ないし請求項13のいずれか一項に記載された回転子を備えた回転電機。
- 請求項1ないし請求項13のいずれか一項に記載された回転子を備えた地熱発電用発電機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012185432A JP2014045545A (ja) | 2012-08-24 | 2012-08-24 | 回転子、回転電機および地熱発電用発電機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012185432A JP2014045545A (ja) | 2012-08-24 | 2012-08-24 | 回転子、回転電機および地熱発電用発電機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014045545A true JP2014045545A (ja) | 2014-03-13 |
Family
ID=50396447
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012185432A Pending JP2014045545A (ja) | 2012-08-24 | 2012-08-24 | 回転子、回転電機および地熱発電用発電機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014045545A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017041993A (ja) * | 2015-08-20 | 2017-02-23 | トヨタ自動車株式会社 | モータ用巻線の接続方法 |
JP2017077565A (ja) * | 2015-10-19 | 2017-04-27 | 株式会社東芝 | 回転電機用構造支持体の製造方法及び回転電機 |
-
2012
- 2012-08-24 JP JP2012185432A patent/JP2014045545A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017041993A (ja) * | 2015-08-20 | 2017-02-23 | トヨタ自動車株式会社 | モータ用巻線の接続方法 |
JP2017077565A (ja) * | 2015-10-19 | 2017-04-27 | 株式会社東芝 | 回転電機用構造支持体の製造方法及び回転電機 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5282527B2 (ja) | モータコイルの配線部品 | |
JP5519808B2 (ja) | ステータおよびこのステータを備える回転電機 | |
KR101722306B1 (ko) | 고정자 장치 및 전기 기계 | |
JP4816017B2 (ja) | 回転電機のステータ用バスバ結合ユニット | |
JP2006288096A (ja) | 固定子鉄心とその製造方法 | |
WO2019039518A1 (ja) | 分割コア連結体および電機子の製造方法 | |
JP2015509700A (ja) | タービン発電機のステータコアの取付手法 | |
JP5679669B2 (ja) | 発電機のステータに関するステータセグメント、ステータ装置、発電機用のステータおよび発電機のステータのステータセグメントの製造方法 | |
JP2020089119A (ja) | 回転電機のステータ | |
WO2012014753A1 (ja) | バスバユニット | |
JP6169140B2 (ja) | 発電機のポールシュー | |
JPWO2018110300A1 (ja) | 回転電機の固定子鉄心およびその製造方法 | |
JP5061788B2 (ja) | ステータ | |
US20130002060A1 (en) | Stator | |
JP5952701B2 (ja) | モータのステータ構造、ブラシレスモータ、およびモータのステータ構造の製造方法 | |
JP2014045545A (ja) | 回転子、回転電機および地熱発電用発電機 | |
JP2008104288A (ja) | コンデンサ電動機とその製造方法 | |
JP6076179B2 (ja) | 分割固定子鉄心とこの分割固定子鉄心を備えた固定子およびこの固定子を備えた回転電機ならびに分割固定子鉄心の製造方法 | |
JP6188584B2 (ja) | 電動機の固定子、電動機および空気調和機 | |
CN110168869A (zh) | 线圈和汇流条之间的连接构造以及具有该连接构造的马达 | |
JP2015027159A (ja) | 回転電機の固定子 | |
CN107086682B (zh) | 电机转子,电机和这种转子的制造方法 | |
US9455613B2 (en) | Rotor winding having a braze joint spaced apart from stress concentration | |
JP5947308B2 (ja) | 発電機 | |
JP5282591B2 (ja) | 回転電機 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20131219 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20131226 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20140109 |