JP2014041932A - 蓄電素子 - Google Patents

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光介 安田
Toshitsuna Nakamura
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Abstract

【課題】シール強度を確保しつつ陽圧側の作動圧を低くした弁を有する蓄電素子を提供する。
【解決手段】本発明の蓄電素子は、電極群および電解液が収容されるケースと、該ケース内の圧力を調整するための圧力調整弁14と、を有し、前記ケースは、金属を成形した肉厚0.8mm以下の直方体形状、または円筒形状をしており、前記圧力調整弁14は、前記ケースの内部から外部への方向の作動圧が、10〜200kPaであり、かつ、前記ケースの外部から内部への方向は0〜500kPaで作動しない逆止性を持つことを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、蓄電素子に関する。
電気二重層キャパシタやリチウムイオン電池などの蓄電素子は、ケースとその開口部を覆う封口体で密閉された構造を有し、その内部には電解質および電極が収容されている。このような蓄電素子は、使用中に内部で種々のガスを発生する場合があるため、ケース内圧が上昇することがある。
そのため、蓄電素子はケース内圧緩和のために弁を有する。弁には大きく分けて2種類あり、それらは、安全限界に達すると破壊される弁と、ガスを定常的にケース外部へ逃がしてケース内部の圧力を調整して一定に保つ圧力調整弁である。これらのうち、後者の圧力調整弁は蓄電素子の性能を長期に維持することができるため経済的で好ましい。
圧力調整弁による調圧は、特許文献1に記載のような、バネで調圧するバネ圧縮タイプ、特許文献2に記載のような、弾性体を圧縮して調圧する弾性体圧縮タイプ、特許文献3に記載のような、弾性体に設けたスリットで調圧するスリットタイプがある。
バネ圧縮タイプの弁は、圧縮されたバネに押圧された状態で封口体の開口部を塞いでおり、ケース内圧が、圧縮に対するバネの反発力を上回る場合に開口する。弾性体圧縮タイプの弁は、弾性体が圧縮された状態で封口体の開口部を塞いでおり、ケース内圧が、圧縮に対する弾性体の反発力を上回る場合に開口する。このようにバネ圧縮タイプおよび弾性体圧縮タイプは、調圧部材の反発力を利用しているが、調圧部材のへたりにより反発力が経時的に落ちて作動圧が低下し、最終的には弁が完全開口して調圧機能を失ってしまうことが問題となっている。
図5(A)はスリットタイプの圧力調整弁114の上面図であり、図5(B)はそのB−Bでの断面図である。このように、スリットタイプの圧力調整弁114は、スリット124を形成した、フラットな厚みの弾性体である。そして、図5(C)のように、圧力調整弁114は封口体において封口板110の凹みに設置され、押さえ部材126および封口板110で挟まれて圧縮・固定されており、ケース内圧とケース外部の圧力(大気圧)との差が一定以上となった場合に、圧力の高い側のガスが弁114を押し上げるとスリット124が開口する。スリットタイプは調圧部材の反発力を利用して調圧するものではないため、他のタイプと異なり、長期的使用により弁としての機能を失う可能性は低い。
特開2004−273229号公報 特開2003−338270号公報 特開2007−150055号公報
しかしながら、圧力調整弁は一般に、ケース内圧がケース外の圧力(大気圧)よりも高い場合(以下、陽圧という)における、弁が作動し始めるケース内外の圧力差(以下、作動圧とよぶ)を低く設定するほど蓄電素子の安全性が高まり好適である。ここで、陽圧側の作動圧を低くする、すなわちスリット124を開き易くするためには、圧力調整弁114を薄くする必要があるが、そうすると圧力調整弁114のシール強度が不十分となり、圧力調整弁114の外縁部分から、電解液が漏れたり、ケース内部に大気中の水分が侵入したりするおそれがある。従って、高いシール強度を確保する必要があり、そのために圧力調整弁114は厚くしなければならなかった。
そこで本発明は、上記課題に鑑み、シール強度を確保しつつ陽圧側の作動圧を低くした弁を有する蓄電素子を提供することを目的とする。
本発明の蓄電素子は、電極群および電解液が収容されるケースと、該ケース内の圧力を調整するための圧力調整弁と、を有し、前記ケースは、金属を成形した肉厚0.8mm以下の直方体形状、または円筒形状をしており、前記圧力調整弁は、前記ケースの内部から外部への方向の作動圧が、10〜200kPaであり、かつ、前記ケースの外部から内部への方向は0〜500kPaで作動しない逆止性を持つことを特徴とする。
この発明では、前記ケースの開口部を覆う封口体に、スリットが形成された弾性体からなる前記圧力調整弁が装備されていることが好ましい。
この発明では、前記封口体には、前記圧力調整弁を収容する弁室と、該弁室から前記ケースの外部に通じる第1の孔と、前記弁室から前記ケースの内部に通じる第2の孔とが形成され、前記圧力調整弁は、前記弁室の上面および下面により、前記封口体に圧縮保持される外周部と、前記スリットが形成され、圧力調整のために弁として作動する作動部とからなり、該作動部は、前記弁室の上面および下面間の距離よりも小さい厚みを有することが好ましい。
この場合、前記第1の孔の内径が前記第2の孔の内径よりも大きいことが好ましい。
また、前記外周部が、12%〜40%圧縮されていることが好ましい。
さらに、前記圧縮保持される前の前記外周部は、該外周部の延在方向に対して垂直方向の断面形状が円形であることが好ましい。
そして、前記作動部の厚みは、0.1mm〜0.5mmであることが好ましい。
本発明によれば、シール強度を確保しつつ陽圧側の作動圧を低くした弁を有する蓄電素子を提供することができる。
本発明に従う電気二重層キャパシタ1のケース内を透視した斜視図である。 本発明の一実施形態における、圧力調整弁の上面図である。 図2のA−Aでの断面図である。 本発明の一実施形態における、封口体に収容された状態の圧力調整弁の断面図である。 (A)従来の圧力調整弁の上面図である。(B)(A)のB−Bでの断面図である。(C)封口体に収容された状態の従来の圧力調整弁の断面図である。
以下に、本発明の一実施形態である電気二重層キャパシタを説明する。
図1および図4に示すように、本発明の一実施形態である電気二重層キャパシタ1は、電極群4および電解液(図示せず)が収容されたケース2と、そのケース2内の圧力を調整するための圧力調整弁14と、ケース2の開口部を覆う封口体6とを有する。
電解液としては、例えば、電解質水溶液、および、有機溶媒を使用した非水電解質溶液などを使用することができる。特に非水電解質溶液が好ましく、代表的な例としては、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレイトのような4級アンモニウム塩からなる電解質を、プロピレンカーボネート、ジエチレンカーボネート、アセトニトリルなどの有機溶媒に溶解したものが挙げられる。また、電解質としてイオン液体を用い、これを上述の有機溶媒に溶かしたものも使用することができる。さらには、イオン液体を有機溶媒に溶解させずにそのまま電解質溶液として用いることもできる。
電気二重層キャパシタ1の電極群4は、薄板状の正極と負極とを交互に積層し、これらの間に両者を絶縁する薄板状の絶縁材を挿入した積層体である。正極と負極とは同じ構成で、厚さ15〜50μmのアルミニウム箔からなる集電体に、活性炭、導電材、バインダー、溶剤等を混合してスラリー状にしたものを電極となるリード端子以外の部分の片面または両面に塗布して乾燥したものである。絶縁材は各電極が直接接触しないように絶縁するもので、紙、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミドイミド、ポリエステル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ガラス繊維などの絶縁性素材からなる不織布や多孔性フィルムである。
ケース2の材質としては特に限定されないが、耐食性、加工性およびレーザ溶接性に優れるものが好ましく、例えば、A1000番台のアルミニウム、A3003、A3004またはステンレス鋼が好ましい。そして、かような材質の板材を深絞り加工またはインパクト加工したものをケース2として用いることが好ましい。つなぎ目のないケースを得ることができるため、高い気密性を得ることができるからである。また、ケース2の形状は、特に限定されず、直方体形状や円筒形状などとすることができる。例えば、扁平ケースの典型的な寸法としては、100mm×100mm×10mmである。開口部は典型的には、図1のように狭幅部に設けられた長方形の形状であり、100mm×10mmの寸法である。本発明では、後述のように陽圧側の作動圧を低くすることができるので、ケースは肉厚0.8mm以下とすることができる。
封口体6は、その構成部材として、封口板10と、封口板10からケース2内に向けて延びる集電端子12と、封口板10の凹みに配置した圧力調整弁14を圧縮する押さえ部材26と、封口板10を貫通し、集電端子12と電気的に接続する出力端子8とを有する。
封口板10は、ケース2の開口部を覆うための金属製の長方形の板である。封口板10の略中央部には、圧力調整弁14が配置され、使用中にはキャップされる電解液用の注入口16が形成されている。封口板10に使用することができる金属としては、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ニッケル合金、鉄、SUSなどが挙げられる。中でも良好な成形性、溶接のし易さの点から、アルミニウムまたはアルミニウム合金が好ましい。本実施形態では封口板はケース2の開口部に対応した長方形の形状であるが、ケース2の開口部を塞ぐことのできる形状を有していれば、この他の形状でもよく、例えば、封口板10の両端が丸みを帯びた形状などでもよい。封口板10とケース2は溶接により接着されている。
集電端子12は、ケース2内部で出力端子8および電極群4それぞれに電気的に接続する部材である。集電端子12に使用することのできる金属としては、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、ニッケルまたはニッケル合金が挙げられるが、本実施形態において電極群4の集電体は既述の通りアルミニウム箔からなるため、電解腐食の防止の観点からアルミニウムが好ましい。集電端子12と封口板10との間には図示しない絶縁体が配置される。絶縁体は、例えば、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、フェノール樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、セラミックなどからなる。
出力端子8は金属製の部材であり、正極端子または負極端子として機能する。出力端子8は、アルミニウム板材またはアルミ合板材から形成できる。出力端子8と封口板10は図示しないガスケットにより絶縁されており、そのガスケットの材質は特に限定されず、気密性、水密性を持たせるために用いる固定用シール材として機能するものであればよく、例えば、フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルファイド、エチレンプロピレンジエンゴムなどのゴム材が挙げられる。
圧力調整弁14は、封口体中に配置する前は、図2および図3に示すような盤状の弾性体である。圧力調整弁14は、本実施形態では円形の盤状であるが、上面からみた形状は特に限定されず、矩形の盤状でもよいが、シール特性に優れ、作動圧がスリットの切り込み方向に影響を受けない弁が得られる観点から、円形の盤状であることが好ましい。圧力調整弁14の好適な材質としてはエチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、シリコンゴム、ブチルゴムなどが挙げられる。これらのショア硬度は50Hs〜90Hsが好ましい。圧力調整弁14は、外周部20と、外周部20に囲まれた作動部22とからなり、作動部22にはスリット24が形成されている。この作動部22は蓄電素子内の圧力調整のための弁として作動する。図3は、図2のA−Aにおける断面図である。このように、外周部20は、スリット24を有する作動部22よりも厚く、封口体中で圧縮保持される部位となる。圧力調整弁14の典型的な寸法としては、外周部20の外径が4〜20mm、外周部20の内径、すなわち作動部22の直径が2〜18mmである。
圧力調整弁14は、一般的なゴムの成形方法により作製することができる。例えば、ゴムの前駆体である材料を100℃〜270℃の金型に流し込み、加硫などの架橋処理を行うことにより作製することができる。また、スリットは、スリット刃などを用いた機械加工によって形成することができる。
次に、図4を用いて、封口体中の圧力調整弁14について説明する。封口板10には凹みが形成される。この凹みの壁部は二段になっており、図中における上段の凹みには、押さえ部材26が載置されている。なお、凹みの壁部は二段に限られず、例えば凹みの壁部が一段で、押さえ部材26が封口板10の上面に載置されている構造であってもかまわない。封口板10および押さえ部材26に囲まれた部分が弁室28となる。押さえ部材26の、図中における下面が、弁室28の上面30となり、封口板10の凹み底面が、弁室28の下面32となる。弁室28からは、ケースの外部に通じる第1の孔36と、ケースの内部に通じる第2の孔38とが形成されている。なお、図4における上面下面は便宜的に図示したものであり、上下が逆転した構造であってもよい。上下が逆転した場合であっても、本発明ではケースの外部に通じる孔を第1の孔とし、ケースの内部に通じる孔を第2の孔とする。
弁室28には、圧力調整弁14が収容されている。圧縮前の圧力調整弁14の外周部20は、弁室の上面および下面間の距離34よりも大きい厚みを有し、圧力調整弁14の作動部22は、弁室の上面および下面間の距離34よりも小さい厚みを有する。このため、圧力調整弁14は、その外周部20が押さえ部材26と封口板10とにより圧縮されることにより、封口体の弁室28中に保持されている。一方、圧力調整弁14の作動部22は弁室の上面および下面間の距離34より小さい厚みを有しているため、押さえ部材26と封口板10とにより圧縮されることはなく、ケース内外の圧力差が作動圧に達しない範囲内のときは、スリット24が閉口している。
ケース内外の圧力差が一定の範囲を超えた場合、すなわち作動圧を超えた場合には、圧力調整弁14のスリット24は開口する。陽圧側の作動圧を超えた場合には、第2の孔38から第1の孔36に向けてガスを放出し、ケース内の圧力を調整する。
押さえ部材26は、典型的にはワッシャであるが、弁室28を覆う大きさの外径を有し、封口体の第1の孔36となる孔が形成されたものであればよい。好適な材質としては、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレスが挙げられる。押さえ部材26の典型的な寸法としては、外径7〜23mm、内径1〜17mmで、厚みが0.2〜3mmである。
圧力調整弁14を圧縮保持するには、まず、圧力調整弁14を、弁室28となる封口板10の凹みに載置する。このとき、圧力調整弁14のスリット24は、作動部22の略中央に位置するように設けるのがよい。封口板10に開口した孔38はスリット24の下方に位置するように設けてもよく、スリット24からずれた位置に設けてもよい。スリット24からずれた位置に孔38を設けると、ケース内圧がケース外の圧力(大気圧)よりも低い場合(以下、陰圧という)にスリットが開口しにくくなるため、陰圧側の作動圧を高めることができる。このため、大気中の水分や酸素のケース内への侵入を防ぎ、蓄電素子の性能の劣化を抑制することができる。次に、押さえ部材26を封口板10へ接触させるように圧力調整弁14の外周部20を圧縮する。このとき、押さえ部材26に開口した孔36は、圧力調整弁14のスリット24の上方に位置させる。孔36をスリット24からずれた位置に設けると、陽圧時にスリットが開口しにくくなり、陽圧側の作動圧が高くなってしまうため好ましくない。次に、押さえ部材26は封口板10に溶接、もしくは接着して固定する。このように、圧力調整弁14を封口体中に圧縮保持することができる。
以下、本発明の技術的意義を、作用効果とともに具体例で説明する。既述の通り、従来のフラットな厚みを有するスリットタイプの弁は、高いシール強度を確保するために厚くせざるを得ないところ、作動圧を低くするには薄くする必要がある。さらに、発明者らが鋭意検討した結果、厚い圧力調整弁を押さえ部材により圧縮すると、外周部のゴムがスリット方向に移動してスリットが固く閉じられてしまうために、作動圧が上昇することが判明した(図5(C)上段の状態)。これらの理由から、高いシール強度と低い作動圧を両立することは困難であった。そこで発明者らは、圧力調整弁の外周部と作動部で2段階の厚みを設けることを着想した。これにより、シール機能を発揮するための厚みと作動圧機能を発揮するための厚みをそれぞれ独立して決めることができる。また、本発明に従う圧力調整弁の作動部は、弁室の上面および下面間の距離よりも小さい厚みを有することを特徴とするため、弁室中で、作動部の上下に空間が形成される。圧縮されることにより、スリット方向に移動する外周部のゴムの多くは、その空間に逃げられる。このため、本発明の圧力調整弁は外周部の圧縮前後の作動圧にそれほど変化がないことがわかった。フラットな弾性体からなる圧力調整弁はもともとシール機能を有するため、積極的にシール機能部分と作動部とを機能分離するという発想はこれまでなかったが、本発明者は以上の知見に基づき、本発明を完成するに至った。
封口体中の圧力調整弁14は、外周部20が12%〜40%で圧縮されていることが好ましい。12%以上圧縮されていれば十分なシール強度が得られ、40%超圧縮されていると、外周部のゴムの変形に起因して発生する圧縮永久ひずみによってゴムの反発力が弱くなり、シール強度が低下するおそれがあるからである。弁のショア硬度は50Hs〜90Hsが好ましい。外周部の圧縮による適切なシール性能を発揮するためであり、作動部およびスリットの持つ弁機能を確実に発揮するためである。
外周部20の延在方向に対して垂直方向の外周部20の断面形状は、特に限定されず、図3のような円形でも、矩形でもよいが、円形が好ましい。外周部20の断面形状が円に近いほど、スリット方向に移動する外周部のゴムの量が少ないため外周部20の圧縮による作動部22の変形が少なく、陽圧側の作動圧を低減することができるからである。外周部20の内径は、第1の孔36の径よりも大きいことが好ましい。シール面となる外周部20が第1の穴36からはみ出ず、安定したシール機能を得られるからである。外周部20の厚みは、0.4mm〜1.0mmであり、弁室の上面および下面間の距離34は、シール機能を発揮するための圧力調整弁の圧縮率を12〜40%とするために、外周部20の厚みより12〜40%小さいことが好ましい。これによりシール機能が確実かつ安定的に得られる。
弁の作動部22の厚みは、0.1mm〜0.3mmであることが好ましい。この範囲内の厚みであれば、封口体中に圧縮保持した後の弁の陽圧側の作動圧を100kPa以下に抑えることができるからである。
圧力調整弁のスリット24は、ケースの内圧が作動圧に達したときにスリット24が開口してケース内のガスをケース外へ放出できる形状であればよく、例えば曲線状、V字状、S字状、十字状、*字状、点状とすることができるが、作動圧以下でのシール機能確保の観点から、線状であることが好ましく、直線状であることがより好ましい。また、スリット24が直線状である場合、スリット24の長さが0.5mm〜2mmであることが好ましい。0.5mm未満の場合は作動圧が上がって好適な作動圧範囲を逸脱してしまうおそれがあり、2.0mm超えである場合は作動圧以下でのシール機能が低下するおそれがあるからである。
第1の孔36の内径は、第2の孔38の内径よりも大きいことが好ましい。これにより、陽圧側の作動圧を低くして蓄電素子の安全性を高めつつ、陰圧側の作動圧を高くして大気中の水分や酸素のケース内への侵入を防いで蓄電素子の劣化を抑制することができる。陰圧側の作動圧が1気圧以上であれば、ケース内が真空状態となっても圧力調整弁14のスリット24が開口しないためさらに好ましい。
以上、本発明によれば、圧力調整弁14は、ケース2の内部から外部への方向の作動圧が、10〜200kPaであり、かつ、ケース2の外部から内部への方向は0〜500kPaで作動しない逆止性を持つ。
本発明は電気二重層キャパシタの他、リチウムイオン電池などの他の蓄電素子に適用できる。
以上、本発明を説明したが、これらは代表的な実施形態の例を示したものであって、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。
本発明の効果をさらに明確にするため、以下に説明する実施例・比較例の実験を行った比較評価について説明する。
<封口体の作製>
(実施例)
外周部は、内径が5.8mm、外径が7.0mm、厚みが0.6mmであり、作動部は厚みが0.3mmである、EPDM製の円形の盤状の弁であり、その径方向における外周部の断面形状が円形である圧力調整弁を用意した。次に、アルミニウム製の封口板の凹みにこの圧力調整弁を載せた。次に、弁ワッシャを封口板に溶接固定し、弁室を形成して封口体を作製した。弁室の上面および下面間の距離は0.4mmとしたため、圧力調整弁の外周部の圧縮率は33%であった。また、弁室から外部に通じる封口板の凹みにおける孔は、直径が2mmであり、弁ワッシャにおける弁室から外部に通じる孔は、直径が4mmであった。なお、この封口体を用いて本発明の電気二重層キャパシタを製造する場合、封口板の孔を有する側の面がケースの内側を向く。また、この段階では圧力調整弁にスリットを形成していない。
(比較例1)
外径が7mm、厚みが0.6mmである、EPDM製の円形のフラットな圧力調整弁を用意した。次に、封口板の凹みにこの圧力調整弁を載せた。次に、アルミニウム製の弁ワッシャを封口板に溶接固定し、弁室を形成して封口体を作製した。弁室の上面および下面間の距離は0.4mmとしたため、圧力調整弁の圧縮率は33%であった。また、封口板および弁ワッシャに形成された孔は、直径がそれぞれ4mmであった。なお、この段階では圧力調整弁にスリットを形成していない。
(比較例2)
圧力調整弁の厚みを0.3mm、弁室の上面および下面間の距離を0.2mmとした以外は、比較例1と同様に作製した。
<評価1:シール強度>
実施例および比較例の圧力調整弁のシール強度を評価した。実施例および比較例1,2の封口体は、封口板の孔を有する側の面に電空レギュレータ式加圧装置を、弁ワッシャの孔を有する側の面に流量測定装置を装着した。次に、電空レギュレータで徐々に昇圧し、弁室から弁ワッシャの孔を通じて漏れ出たエアの流量が0.2cc/minとなった時点のエア圧力を測定した。実施例および比較例1のシールは、それぞれ600kPa以上まで保持できたのに対し、比較例2のシール強度は200kPaまでしか保持できなかった。
本評価によれば、圧力調整弁にスリットを形成した実施例、比較例1を用いて製造した電気二重層キャパシタは、圧力調整弁にスリットを形成した比較例2を用いて製造した電気二重層キャパシタよりも、極めて高いシール強度が得られると考えられる。スリットを形成した比較例2の弁ではシール強度が十分得られず、スリットからの内圧解放前にシール部から電解液が漏液してしまうことが考えられる。
<評価2:作動圧(陽圧側)>
厚みが0.2mm、幅が1mmのスリット刃を用いて、圧力調整弁の作動部の中心に、長さ1mmのスリットを形成し、封口体に電空レギュレータ式加圧装置および流量測定装置を評価1と同様に装着した。次に、電空レギュレータで徐々に昇圧し、弁室から弁ワッシャの孔を通じて漏れ出たエアの流量が0.2cc/minとなった時点のエア圧力を測定した。実施例が70kPa、比較例2が40kPaであったが、比較例1においては250kPaであった。実施例の封口体を用いて電気二重層キャパシタを製造すれば、比較例1を用いた場合よりも陽圧側の弁の作動圧が低くなると考えられる。
<評価3:作動圧(陰圧側)>
評価2と同様にスリットを形成した実施例および比較例1,2の封口体は、封口板の孔を有する側の面に流量測定装置を装着し、弁ワッシャの孔を有する側の面に電空レギュレータ式加圧装置を装着した。次に、電空レギュレータで徐々に昇圧し、弁室から封口板の孔を通じて漏れ出たエアの流量が0.2cc/minとなった時点のエア圧力を測定した。実施例は500kPa以上であったが、比較例1と比較例2においては、評価2と同様、それぞれ250kPa,40kPaであった。実施例の圧力調整弁は、比較例2の圧力調整弁の厚みと同じ厚みの作動部を有するが、実施例では封口板に設けた孔の内径が弁ワッシャに設けた孔の内径よりも小さいため、比較例2よりも作動圧が高いと考えられる。よって、実施例の封口体を用いて電気二重層キャパシタを製造すれば、陰圧側の圧力調整弁の作動圧は高くなると考えられる。
本発明によれば、シール強度を確保しつつ陽圧側の作動圧を低くした弁を有する蓄電素子を提供することができる。
1 電気二重層キャパシタ(蓄電素子)
2 ケース
4 電極群
6 封口体
8 出力端子
10 封口板
12 集電端子
14 圧力調整弁
16 電解液用の注入口
20 外周部
22 作動部
24 スリット
26 押さえ部材
28 弁室
30 弁室の上面
32 弁室の下面
34 弁室の上面および下面間の距離
36 第1の孔
38 第2の孔

Claims (7)

  1. 電極群および電解液が収容されるケースと、
    該ケース内の圧力を調整するための圧力調整弁と、を有する蓄電素子であって、
    前記ケースは、金属を成形した肉厚0.8mm以下の直方体形状、または円筒形状をしており、
    前記圧力調整弁は、前記ケースの内部から外部への方向の作動圧が、10〜200kPaであり、かつ、前記ケースの外部から内部への方向は0〜500kPaで作動しない逆止性を持つことを特徴とする蓄電素子。
  2. 前記ケースの開口部を覆う封口体に、スリットが形成された弾性体からなる前記圧力調整弁が装備されている請求項1に記載の蓄電素子。
  3. 前記封口体には、前記圧力調整弁を収容する弁室と、該弁室から前記ケースの外部に通じる第1の孔と、前記弁室から前記ケースの内部に通じる第2の孔とが形成され、
    前記圧力調整弁は、前記弁室の上面および下面により、前記封口体に圧縮保持される外周部と、前記スリットが形成され、圧力調整のために弁として作動する作動部とからなり、
    該作動部は、前記弁室の上面および下面間の距離よりも小さい厚みを有する請求項2に記載の蓄電素子。
  4. 前記第1の孔の内径が前記第2の孔の内径よりも大きい、請求項3に記載の蓄電素子。
  5. 前記外周部が、12%〜40%圧縮されている、請求項3または4に記載の蓄電素子。
  6. 前記圧縮保持される前の前記外周部は、該外周部の延在方向に対して垂直方向の断面形状が円形である、請求項3〜5のいずれか1項に記載の蓄電素子。
  7. 前記作動部の厚みは、0.1mm〜0.5mmである、請求項3〜6のいずれか1項に記載の蓄電素子。
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