JP2014040061A - マイクロ流路チップの製造方法及びマイクロ流路チップ - Google Patents

マイクロ流路チップの製造方法及びマイクロ流路チップ Download PDF

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Abstract

【課題】 製造工程を短縮することができ、また製造量の大小にかかわらず安価に製作することができるマイクロ流路チップの製造方法を提供する。
【解決手段】 対向して配置された基板Aと基板Bからなる一対の基板間に流路壁と、前記流路壁の間に形成された流路を有するマイクロ流路チップの製造方法であって、前記基板A上に熱可塑性材料を含有する粒子を前記流路壁が形成される位置に配置する工程と、前記基板A上に配置された粒子の上に前記基板Bを重ね合わせて基板Aと基板Bの間に粒子を挟持する工程と、前記基板Aと基板Bの間に挟持された粒子を加熱して溶融させて、前記基板Aと基板Bを接合して流路壁を形成すると共に前記流路壁の間に流路を形成する工程とを有するマイクロ流路チップの製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、一対の基板間に流路壁と、前記流路壁の間に形成された流路を有するマイクロ流路チップの製造方法及びその製造方法により得られたマイクロ流路チップに関するものである。
マイクロ流路チップの製造方法において、現在、マイクロ流路チップを低コストで製作することが望まれている。従来の一般的なマイクロ流路チップの製造工程は、基板上に流路を形成する前工程と、その流路を囲むように上下の基板を接着する後工程とからなるが、それぞれの工程で低コスト化に対する問題を抱えている。基板上に流路を形成する前工程には、主にエッチングや金型による流路形成方法が用いられているが、これらの方法では製作する流路形状ごとに専用のマスクや型を作る工程が必要となるため、製作時間やコストがかかることが問題であった。また、上下の基板を接着する後工程では、高温状態でプレスして圧着する方法や、接着剤などを塗布して接着する方法が用いられているが、接着に時間がかかることや、接着剤が流路内に誤って付着してしまい歩留まりが悪くなるなどの問題があった。
これらの従来の製造方法の問題点を解決する方法として、特許文献1には、加熱状態のプレス機を用いて、基板への流路のプレス成型と、上下基板の圧着を行なうマイクロチップの製造方法が開示されている。この方法では、流路形成工程と接着工程を同じ装置を用いて行なうことができるため製造工程を短縮できる。また、特許文献2には、スクリーン印刷でホットメルト接着剤を基板上に載せ、接着剤の存在しない領域を流路とするマイクロチップの製造方法が開示されている。この方法では、接着層自体が流路形成も兼ねているため製造工程を短縮できる。
特開2003−286038号公報 特開2008−249346号公報
上記の特許文献1および2に記載されている方法によれば、製造工程の短縮が図れることができる。しかしながら、特許文献1および2の方法では、専用のマスクや型を作る工程が必要であることには変わりはなく、製造コストや時間を大幅に短縮することは困難である。また、マスクや型を必要とする場合、流路パターンの小ロットの製作を必要とする場合には、大量生産をする場合に比較して製造物あたりにかかる製造コストや時間が大きくなる問題点がある。
本発明は、上記従来技術の有する課題に着目してなされたものであり、製造工程を短縮することができ、また製造量の大小にかかわらず安価に製作することができるマイクロ流路チップの製造方法を提供するものである。また、本発明は、上記の製造方法により得られたマイクロ流路チップを提供するものである。
上記の課題を解決する第1のマイクロ流路チップの製造方法は、対向して配置された基板Aと基板Bからなる一対の基板間に流路壁と、前記流路壁の間に形成された流路を有するマイクロ流路チップの製造方法であって、前記基板A上に熱可塑性材料を含有する粒子を前記流路壁が形成される位置に配置する工程と、前記基板A上に配置された粒子の上に前記基板Bを重ね合わせて基板Aと基板Bの間に粒子を挟持する工程と、前記基板Aと基板Bの間に挟持された粒子を加熱して溶融させて、前記基板Aと基板Bを接合して流路壁を形成すると共に前記流路壁の間に流路を形成する工程とを有することを特徴とする。
また、上記の課題を解決する第2のマイクロ流路チップの製造方法は、基板上に複数の流路壁と、前記複数の流路壁で囲まれて形成された流路を有するマイクロ流路チップの製造方法であって、第1の基板上に熱可塑性材料を含有する粒子を配置して、前記粒子を加熱して溶融させて複数の第1の流路壁を形成する工程と、第2の基板上に熱可塑性材料を含有する粒子を配置して、前記粒子を加熱して溶融させて少なくとも1つの第2の流路壁を形成する工程と、前記第1の基板と前記第2の基板を、第1の基板の隣接する第1の流路壁の間に第2の基板の第2の流路壁の中央部が位置する様に重ね合わせる工程と、前記第1の基板と前記第2の基板とを重ねあわせた状態で加熱して第1の流路壁と第2の流路壁とを接合し、第1の流路壁と第2の流路壁で囲まれた流路を形成する工程と、前記第1の基板および第2の基板のいずれか一方の基板を流路壁から分離する工程とを有することを特徴とする。
また、本発明は、上記の製造方法により得られたマイクロ流路チップである。
本発明によれば、製造工程を短縮することができ、また製造量の大小にかかわらず安価に製作することができるマイクロ流路チップの製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、上記の製造方法により得られたマイクロ流路チップを提供することができる。
本発明に係るマイクロ流路チップの製造方法の一実施態様を示す工程図である。 基板上に熱可塑性材料を含有する粒子を配置させる装置の構成を示す説明図である。 画像情報入力装置で作成する流路パターンを示す説明図である。 本発明に係るマイクロ流路チップの製造方法の他の実施態様を示す工程図である。 本発明に係るマイクロ流路チップの製造方法の他の実施態様を示す工程図である。 本発明の実施例3に係るマイクロ流路チップの製造方法を示す工程図である。 本発明の実施例4に係るマイクロ流路チップの断面構造を示す説明図である。 本発明の実施例4に係るマイクロ流路チップを上面から見た模式図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明に係るマイクロ流路チップの製造方法は、下記の第1と第2の2つの方法がある。
本発明の第1のマイクロ流路チップの製造方法は、対向して配置された基板Aと基板Bからなる一対の基板間に流路壁と、前記流路壁の間に形成された流路を有するマイクロ流路チップの製造方法であって、前記基板A上に熱可塑性材料を含有する粒子を前記流路壁が形成される位置に配置する工程と、前記基板A上に配置された粒子の上に前記基板Bを重ね合わせて基板Aと基板Bの間に粒子を挟持する工程と、前記基板Aと基板Bの間に挟持された粒子を加熱して溶融させて、前記基板Aと基板Bを接合して流路壁を形成すると共に前記流路壁の間に流路を形成する工程とを有することを特徴とする。
また、本発明の第2のマイクロ流路チップの製造方法は、基板上に複数の流路壁と、前記複数の流路壁で囲まれて形成された流路を有するマイクロ流路チップの製造方法であって、第1の基板上に熱可塑性材料を含有する粒子を配置して、前記粒子を加熱して溶融させて複数の第1の流路壁を形成する工程と、第2の基板上に熱可塑性材料を含有する粒子を配置して、前記粒子を加熱して溶融させて少なくとも1つの第2の流路壁を形成する工程と、前記第1の基板と前記第2の基板を、第1の基板の隣接する第1の流路壁の間に第2の基板の第2の流路壁の中央部が位置する様に重ね合わせる工程と、前記第1の基板と前記第2の基板とを重ねあわせた状態で加熱して第1の流路壁と第2の流路壁とを接合し、第1の流路壁と第2の流路壁で囲まれた流路を形成する工程と、前記第1の基板および第2の基板のいずれか一方の基板を流路壁から分離する工程とを有することを特徴とする。
本発明のマイクロ流路チップの製造方法によれば、熱可塑性材料を含有する粒子を流路壁に配列することで、前記粒子を加熱するだけで従来の液状の接着剤を配列するよりも均一な高さの流路壁を形成できると共に前記流路壁の間に流路を形成することができる。また、熱可塑性材料を含有する粒子からなる流路壁と、流路を挟み込む基板の接着とを容易に行なうことができるので、製造工程を大幅に短縮できる。また、基板と熱可塑性材料を含有する粒子との接点が溶ければ接着性能を満たすことができるため、液状の接着剤で問題となる基板面方向への接着剤の溶け広がりによって生じる流路幅のにじみを最小限に抑えることができる。
以下、本発明の実施例について、図面に基づいて詳細に説明する。
(実施例1)
本発明の実施形態に係るマイクロ流路チップの製造方法を説明する。
本実施例のマイクロ流路チップの製造方法は、対向して配置された基板Aと基板Bからなる一対の基板間に流路壁と、前記流路壁の間に形成された流路を有するマイクロ流路チップの製造方法である。
図1は、本発明に係るマイクロ流路チップの製造方法の一実施態様を示す工程図である。まず、図1(a)に示すように、一方の基板1(基板A)の上に熱可塑性材料を含有する粒子2を流路壁4が形成される位置に配置する。本発明では基板1にはPET(ポリエチレンテレフタレート)シートを用いたが、基板の材質としてはPETに限るものではなく、マイクロ流路チップの流路内に導入する検体が基板自体に浸透しない材質であれば使用することができる。
熱可塑性材料を含有する粒子(以降、「熱可塑性粒子」と略記する。)2は流路壁を形成するために用いられ、全ての製造工程を経た後に流路を囲む流路壁4として機能するために、少なくとも流路となる領域の側面を囲むように基板1上に配置させる必要がある。
熱可塑性粒子は、熱可塑性材料を主成分として含有する粒子から構成される。熱可塑性材料としては、ABS樹脂、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PS(ポリスチレン)、PMMA(アクリル樹脂)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PPE(ポリフェニレンエーテル)、PA(ナイロン/ポリアミド)、PC(ポリカーボネイト)、PDMS(ポリジメチルシロキサン)、POM(ポリアセタール)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、スチレンアクリル共重合体、LCP(液晶ポリマー)、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、熱可塑性エラストマー等が用いられる。
熱可塑性粒子の平均粒子径は、4μm以上20μm以下、好ましくは5μm以上10μm以下が望ましい。
基板1上に熱可塑性粒子を配置させる方法は、電子写真プロセスを用いてパターン配列させる方法が好ましい。本実施例では、熱可塑性粒子2を基板1上に配置する方法には、いわゆる電子写真プロセスの帯電、露光、現像、転写工程を用いた。図2は、基板上に熱可塑性粒子を配置させる装置の構成を示す説明図である。本実施例で用いた熱可塑性粒子を基板上に配置させる装置の構成を図2を用いて説明する。装置は大きく分けて、熱可塑性粒子を基板上に配置させるプリント装置7と、前記プリント装置7に流路パターンの配置情報を入力する画像情報入力装置6とから構成される。
まず、画像情報入力装置6に、図3に示すような所望の流路の2次元パターン情報を画像ファイルとして作成する。図3は、画像情報入力装置で作成する流路パターンを示す説明図である。画像ファイルは、流路に相当する領域8を白部、熱可塑性粒子を基板1に載せる、流路壁に相当する領域9を黒部とした2値画像を用意する。本実施例では、流路幅100μmの流路を1本形成することを想定して領域8を設定した。次に、入力した流路パターン情報をプリント装置7に入力する。プリント装置7は、受信した流路パターンに合わせて感光ドラム71の周りに潜像を作り、その潜像に対して現像部74から均一に帯電した熱可塑性粒子を載せて現像する。72は帯電部、73は露光部を示す。このとき熱可塑性粒子は画像ファイル上の黒部の位置すなわち流路壁の部分に配置されることになる。そして現像されたパターンを基板1上に転写することによって、流路パターン画像に相当した位置に熱可塑性粒子が配置される。流路の深さは熱可塑性粒子2で構成させる流路壁の高さで決まるが、その流路壁の高さは現像に用いる熱可塑性粒子2の粒径と同程度の高さになるため、熱可塑性粒子2の粒径を変えることで流路の高さを制御することができる。本実施例では、熱可塑性粒子としてレーザービームプリンタで用いられるトナーを使用しており、平均粒子径は約6μmである。
トナーの組成は、トナー100重量部に対して熱可塑性樹脂(スチレンアクリル共重合体)85重量部、顔料5重量部、ワックス10重量部である。
熱可塑性粒子の配列に電子写真プロセスを用いることで、専用のマスクや型を必要とすることなく簡単に粒子を任意のパターンに配列することができるため、任意の流路パターンを小ロットから簡便かつ安価に製作することができる。
次に、図1(b)に示すように、基板1上に配置された熱可塑性粒子の上に、対向する他方の基板3(基板B)を重ね合わせて、基板1と基板3の間に熱可塑性粒子を挟持する。基板同士を重ね合わせる時点では、流路パターンに配置された熱可塑性粒子2は基板1上に接着することなく載っているだけであるため、重ね合わせの時点で熱可塑性粒子2の位置がずれないように基板3を載せる。基板3の材質も基板1と同様にマイクロ流路チップの流路内に導入する検体が基板自体に浸透しない材質であればよい。本実施例では基板1と同じPETシートを用いた。
次に、図1(c)に示すように、基板1と基板3の間に挟持された熱可塑性粒子2を加熱して溶融させて、前記基板1と基板3を接合して流路壁4を形成すると共に前記流路壁4の間に流路5を形成する。基板1と基板3との間に挟まれた熱可塑性粒子2が溶融するまで外部から加熱し、基板同士を熱可塑性粒子2を介して熱圧着する。加熱には市販のホットプレートを用い、150℃で1分間加熱した。また、接着面を確実に接着させるために加熱時に対向基板3の上方から200gの重りを載せて加圧する。加圧条件は、一定以上の圧力をかければどんなに高圧でもよいというわけではなく、必要以上の圧力を加えると流路壁がつぶれて対向する2枚の基板同士が接触し、その結果流路壁に囲まれた隙間がなくなり流路として機能しなくなる。この加熱工程によって、図1(c)に示すように、熱可塑性粒子2が配置された箇所の粒子が溶融して粒子同士及び粒子と基板とが接着することで、基板1と基板3とを接着するだけでなく流路壁4としての機能も有することになる。その結果基板と流路壁4に囲まれた隙間が流路5として機能する。
以上の工程を経て、マイクロ流路チップが作製される。平均粒子径約6μmのトナーを熱可塑性粒子2として使用した本実施例では、作製されたマイクロ流路チップの流路の深さは約6μmであった。
(実施例2)
本実施例のマイクロ流路チップの製造方法は、基板上に複数の流路壁と、前記複数の流路壁で囲まれて形成された流路を有するマイクロ流路チップの製造方法である。
図4は、本発明に係るマイクロ流路チップの製造方法の他の実施態様を示す工程図である。まず、図4(a)に示すように、第1の基板101上に対して流路パターンの流路壁に相当する位置に熱可塑性粒子103を配列する工程を行う。また、それとは別に第2の基板102上に対して流路パターンの流路壁に相当する位置に熱可塑性粒子104を配列する工程を行う。
次に、図4(b)に示すように、前記熱可塑性粒子103を加熱して溶融させて複数の第1の流路壁105を形成する工程を行う。また、それとは別に前記熱可塑性粒子104を加熱して溶融させて少なくとも1つの第2の流路壁106を形成する工程を行う。第1の基板101及び第2の基板102上に載せた熱可塑性粒子の加熱は、ホットプレートを用いて150℃で1分間行なった。この加熱処理によって、図4(b)に示すように、熱可塑性粒子103及び104が溶融して層状に固着した状態の第1の流路壁105及び第2の流路壁106が形成される。
次に、第1の流路壁105及び第2の流路壁106を十分に冷却した後、図4(c)に示すように、第1の基板101と第2の基板102を、第1の基板101の隣接する第1の流路壁105の間に第2の基板102の第2の流路壁106の中央部が位置する様に重ね合わせる工程を行う。その後、第1の基板101と第2の基板102とを重ねあわせた状態で加熱して複数の第1の流路壁105と第2の流路壁106とを接合し、第1の流路壁105と第2の流路壁106で囲まれた流路108を形成する工程を行う。加熱は、第1の流路壁105と第2の流路壁106となる熱可塑性層が溶融するまで加熱し、熱圧着する。加熱条件は150℃で1分間、加圧荷重は200gで行った。この熱圧着工程によって、第1の流路壁105と第2の流路壁106が接着し、一体となる。
次に、図4(d)に示すように、第1の基板101および第2の基板102のいずれか一方の基板を流路壁から分離する工程を行う。本実施例では、第2の基板102のみを第2の流路壁106から剥がすことで、第1の基板101と、熱可塑性粒子で形成されている第1の流路壁105と第2の流路壁106とで挟まれた流路108を有するマイクロ流路チップが製作される。
剥がした第2の基板は、再度熱可塑性粒子を配列するための基板(図4(a)の第2の基板102)として使用できる。また、同一の第1の基板101に対して、第2の基板102側のみ新しい熱可塑性粒子を配列して熱可塑性層を作成して、図4(a)〜(d)の工程を繰り返すことで、図5に示すような流路が2層以上に積層した立体流路を製作することも可能である。107は、複数の層が重なった熱可塑性樹脂層からなる流路壁を示す。
(実施例3)
本実施例は、ワックスを含有する熱可塑性粒子を用いたマイクロ流路チップの製造方法を示す。
図6は、本発明の実施例3に係るマイクロ流路チップの製造工程を示す工程図である。
まず、図6(a)に示すように、一方の基板201上に、熱可塑性材料203とワックス204とを含有する粒子207を配置する。本実施例では基板201にPETシートを用いたが、基板の材質としてはPETに限るものではなく、マイクロ流路チップの流路内に導入する検体が基板自体に浸透しない材質であればよい。熱可塑性材料203とワックス204を含有する粒子は流路壁を形成するため、全ての製造工程を経た後に流路を囲む流路壁として機能するので、少なくとも流路となる領域の側面を囲むように基板201上に配置させる必要がある。上記粒子207を基板201上に配置する方法には、実施例1と同様に電子写真プロセスを用い、流路幅100μmの流路を1本形成することを想定して前記粒子207を基板201上に配置した。本実施例では、前記粒子として、レーザービームプリンタで用いられるワックスを10重量部含有したトナーを使用しており、平均粒子径は約6μmであった。
本発明で用いられるワックス204とは、熱溶融性材料であり、熱溶融性材料の中でも特に溶融した際の粘度が低く、一般的にワックスとして分類させる材料を示す。ワックス204の物性値としては、軟化点が40℃から135℃の範囲にあることが好ましい。また、135℃におけるワックスの溶融粘度は100mPa・s以下であることが好ましい。本実施例ではワックス204として脂肪族炭化水素系ワックスを使用したが、これに限定されるものではなく、例えば、脂肪酸とアルコールのエステルであるエステルワックス等を用いても構わない。また、熱可塑性材料を含有する粒子にワックスを含有させることで、流路形状の精度の良いマイクロ流路チップを歩留まり良く製造することが可能となる。
次に、図6(b)に示すように、前記粒子207を配列した基板201に、もう一方の対向基板202を重ね合わせる。基板同士を重ね合わせる時点では、流路パターンに配置された前記粒子207は基板201上に接着することなく載っているだけであるため、重ね合わせの時点で前記粒子の位置がずれないように対向基板202を載せる。対向基板202の材質も基板201と同様にマイクロ流路チップの流路内に導入する検体が基板自体に浸透しない材質であればよい。本実施例では基板1と同じPETシートを用いた。
次に、図6(c)に示すように、基板201と対向基板202との間に挟まれた前記粒子207が溶融するまで外部から加熱し、基板同士を前記粒子207を介して熱圧着する。加熱には市販のホットプレートを用い、150℃で1分間加熱した。また、接着面を確実に接着させるために加熱時に対向基板202の上方から200gの重りを載せて加圧する。加圧条件は、一定以上の圧力をかければどんなに高圧でもよいというわけではなく、必要以上の圧力を加えると流路壁がつぶれて対向する2枚の基板同士が接触してしまい、その結果流路壁に囲まれた隙間がなくなり流路として機能しなくなる。この加熱工程によって、図6(c)に示すように、前記粒子が溶融して粒子同士及び粒子と基板とが接着することで、基板201と対向基板202とを接着するだけでなく流路壁205としての機能も有することになる。その結果基板と流路壁205に囲まれた隙間が流路206として機能する。
本実施例に係るマイクロ流路チップの製造工程によると、熱圧着する際に熱可塑性材料203と基板201或いは対向基板202との間に、基板に付着していたゴミ等が起因となり生じる微小な隙間が発生した場合でも次のような効果が得られる。すなわち、上記隙間に粘度が低いワックスが染み出し、室温下で固形化するため、上記隙間をワックス204で埋めることが可能となる。それゆえ、流路206以外の箇所において、流路壁205と基板との間に隙間ができなくなるため、流路形状の精度の良いマイクロ流路チップを簡便に製造することが可能となる。
尚、熱可塑性材料とワックスとを含有する粒子207に含有されるワックスの含有量は、粒子100重量部に対して1重量部以上30重量部以下、好ましくは3重量部以上20重量部以下であることが望ましい。ワックスの含有量が1重量部未満では、本発明の効果が充分でない場合がある。また、ワックスの含有量が30重量部より多いと、流路全体にワックスが染み出し流路全体を塞いでしまい易くなる為、熱圧着条件の設定が困難となる場合がある。
以上の工程を経て、マイクロ流路チップが作製される。平均粒子径が約6μmのワックスを含有したトナーを使用した本実施例では、作製されたマイクロ流路チップの流路の深さは約9μmであった。
(実施例4)
本実施例は、基板Aおよび基板Bの少なくとも一方または基板1が、浸透性材料からなる浸透層および防水性を有する下地層を有しており、前記下地層は浸透層と流路壁の間に配置されているマイクロ流路チップの製造方法を示す。
図7は、本発明の実施例4に係るマイクロ流路チップの断面構造を示す説明図である。図7(a)の301は浸透性材料からなる浸透層であり、浸透性材料は紙や濾紙のような繊維からなるものであるがこれらに限られたものではない。302は防水性を有する下地層である。下地層302の被検査液と接する面における被検査液との接触角は90°未満であると毛細管現象により被検査液を搬送できるため望ましい。下地層302には樹脂や常温硬化型の液状ガラスが使用出来るがこれに限られたものではない。下地層302は防水性を有する層の上に親水性を制御するための層を重ねた多層構造でも良い。下地層302は浸透性材料からなる浸透層301の全面に塗布される必要はなく流路となる部分を覆うようにパターニングされていても良い。流路壁303は熱可塑性粒子を流路パターンに配置し溶融後固化させて形成する。流路壁303の間隙に流路304が形成される。流路壁303で使用される熱可塑性粒子は下地層との密着性を良くするために、下地層との接触角が30°以下であることが望ましい。対向基板305は流路壁303を封止するための基板であり、防水性を有した樹脂基板やガラス基板が使用できる。対向基板305の被検査液と接触する面の接触角は90°未満であることが望ましい。
また、紙のような浸透性材料を基板に使用することでコストを下げることが出来る。
図7(b)は対向基板305に該当する部分を流路壁303と同材料で作製したものである。対向基板305に該当する部分は流路304を封止できれば良く、流路のレイアウトに合わせて適宜パターニングされたものでも良い。
図7(c)は、図7(a)の対向基板305に該当する部分を、下地層302と、浸透性材料からなる浸透層301を積層することで作製したものである。
図7(a)〜(c)の流路壁303は2層以上に積層された立体流路であっても良い。
ワックスプリンタなどを用いてフィルタ紙中に流路を形成したマイクロ流路チップでは被検査液が検査部位に到達する前に成分の一部が繊維で形成されるメッシュによって濾過されたり、セルロースへの吸着により分離されたりする恐れがある。このため同一チップ上で処理する検査種が増えれば増えるほどマイクロチップの総流路長は増大し試薬などがある検査部位に到達するまでに被検査液の成分が変化し正しく検査が出来ない可能性がある。図7に示す構造のマイクロ流路チップでは流路は空壁となっているので被検査液の成分が変化しにくいという特徴がある。
図7(a)の断面構造を有するマイクロ流路チップとして以下のものを作製した。浸透性材料からなる浸透層301と下地層302を有するものとして、プロフェッショナルフォトペーパーPR−101(商品名、キヤノン社製)の裏面を使用した。PR−101の裏面の最表層にはバックコート層として膜厚約30μmの樹脂層がコートされており下地層302に対応する。バックコート層の下層はベースペーパーとなっており、浸透性材料からなる浸透層301に対応する。流路幅100μmの流路を1本形成することを想定し、流路に相当する領域を白部、熱可塑性粒子をPR−101裏面に載せる領域を黒部とした2値画像を用意した。用意した画像をレーザービームプリンタに入力し、電子写真プロセスの帯電、露光、現像、転写工程まで行い、PR−101裏面上にシアントナー粒子を配列した。次に、シアントナー粒子を配列したPR−101裏面上にPETシートを重ね合わせ200gの重りを載せて加圧した状態で市販のホットプレートを用い、150℃で1分間加熱した。
図8はこのようにして作製されたシートから切り出したマイクロ流路チップを上面から見た模式図である。作製されたマイクロ流路チップの大きさは図8のx軸方向に20mm、y軸方向に60mmである。流路401は、x軸方向の中央部にあり、y軸方向に伸びている。流路401の断面部分を測定顕微鏡で観察したところ、図8のx軸方向に約100μm、図7のz軸方向には約9μmの空壁が形成されていた。被検査液の投入口403は、PETシートにあらかじめφ5mmの穴をあけ流路の中央部分に配置されるようにしてから加熱接着した。投入口403に市販のインクジェット用染料インクをマイクロピペットで投入し流路401の両端に染料インクが到達することを確認した。この時セルロースの繊維層への浸透は確認されず紙とPETフィルムで挟まれた低コストなマイクロ流路チップとして機能することを確認した。
本発明は、製造工程を短縮することができ、また製造量の大小にかかわらず安価に製作することができるマイクロ流路チップを製造できる。そのため、例えば、マイクロリアクターやマイクロアナリシスシステムと呼ばれるマイクロ流路チップを利用した化学反応や分離システムに関する分野において利用することができる。
1 基板(基板A)
2 熱可塑性粒子
3 基板(基板B)
4 流路壁
5 流路
6 画像情報入力装置
7 プリント装置
71 感光ドラム
72 帯電部
73 露光部
74 現像部
8 流路となる白部
9 流路壁となる黒部
101 第1の基板
102 第2の基板
103,104 熱可塑性粒子
105 第1の流路壁
106 第2の流路壁
107 複数の層が重なった熱可塑性樹脂層からなる流路壁
108 流路
201 基板
202 対向基板
203 熱可塑性材料
204 ワックス
205 流路壁
206 流路
207 粒子
301 浸透層
302 下地層
303 流路壁
304 流路
305 対向基板
401 流路
402 流路壁
403 被検査液の投入口

Claims (7)

  1. 対向して配置された基板Aと基板Bからなる一対の基板間に流路壁と、前記流路壁の間に形成された流路を有するマイクロ流路チップの製造方法であって、前記基板A上に熱可塑性材料を含有する粒子を前記流路壁が形成される位置に配置する工程と、前記基板A上に配置された粒子の上に前記基板Bを重ね合わせて基板Aと基板Bの間に粒子を挟持する工程と、前記基板Aと基板Bの間に挟持された粒子を加熱して溶融させて、前記基板Aと基板Bを接合して流路壁を形成すると共に前記流路壁の間に流路を形成する工程とを有することを特徴とするマイクロ流路チップの製造方法。
  2. 基板上に複数の流路壁と、前記複数の流路壁で囲まれて形成された流路を有するマイクロ流路チップの製造方法であって、第1の基板上に熱可塑性材料を含有する粒子を配置して、前記粒子を加熱して溶融させて複数の第1の流路壁を形成する工程と、第2の基板上に熱可塑性材料を含有する粒子を配置して、前記粒子を加熱して溶融させて少なくとも1つの第2の流路壁を形成する工程と、前記第1の基板と前記第2の基板を、第1の基板の隣接する第1の流路壁の間に第2の基板の第2の流路壁の中央部が位置する様に重ね合わせる工程と、前記第1の基板と前記第2の基板とを重ねあわせた状態で加熱して第1の流路壁と第2の流路壁とを接合し、第1の流路壁と第2の流路壁で囲まれた流路を形成する工程と、前記第1の基板および第2の基板のいずれか一方の基板を流路壁から分離する工程とを有することを特徴とするマイクロ流路チップの製造方法。
  3. 前記基板上に熱可塑性材料を含有する粒子を配置させる工程が、電子写真プロセスを用いてパターン配列させることを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロ流路チップの製造方法。
  4. 前記熱可塑性材料を含有する粒子がワックスを含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの項に記載のマイクロ流路チップの製造方法。
  5. 前記ワックスの含有量が、前記熱可塑性材料を含有する粒子100重量部に対して1重量部以上30重量部以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの項に記載のマイクロ流路チップの製造方法。
  6. 前記基板Aおよび前記基板Bの少なくとも一方または前記基板1が、浸透性材料からなる浸透層および防水性を有する下地層を有しており、前記下地層は浸透層と流路壁の間に配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかの項に記載のマイクロ流路チップの製造方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の製造方法により得られたマイクロ流路チップ。
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