JP2014039535A - 細胞識別装置及び細胞識別方法、並びに、細胞識別方法のプログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】正常細胞の光路長変化量に基づいて算出した閾値を用いて、細胞に光を照射したときに計測される光路長変化量に基づいて細胞を識別することができる細胞識別装置又は細胞識別方法を提供すること。
【解決手段】細胞に光を照射したときに計測される光路長変化量を用いて、前記細胞を識別する細胞識別装置であって、前記細胞を透過したときの前記光の強度に基づいて、前記光路長変化量を計測する計測手段と、正常細胞の光路長変化量に基づいて算出した閾値を用いて、前記細胞を識別する解析手段とを有する、ことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、細胞識別装置及び細胞識別方法に関する。
細胞の診断(細胞診)には、正常細胞及び癌細胞を識別する目的で、細胞の屈折率を測定する場合がある。
特許文献1では、組織切片(細胞の界面)にテラヘルツ波を照射し、組織切片から出射するテラヘルツ波の強度を検出し、検出した結果を用いて生体サンプル(細胞)の屈折率を算出する生体サンプル解析方法(細胞識別装置)に関する技術を開示している。
特許文献2では、無色透明である被検体(細胞)に蛍光剤を投与し、蛍光剤が発する蛍光を分光検出し、検出した結果を用いて正常部位(正常細胞)と腫瘍部位(異常細胞)とを識別する腫瘍自動識別装置(細胞識別装置)に関する技術を開示している。
特開2011−112548号公報 特開2010−240078号公報
特許文献1に開示されている技術では、検出したテラヘルツ波の強度をフーリエ変換処理等してスペクトル解析するため、正常細胞と異常細胞とを識別することができない場合があった。すなわち、特許文献1に開示されている技術では、解析結果に誤差が含まれる場合があり(例えば特許文献1の図6)、正常細胞と異常細胞と(例えば後述する正常細胞(図16(e))と癌細胞(図16(g))と)を識別することができない場合があった。
特許文献2に開示されている技術では、前処理によって細胞を染色するため、細胞の固定化などに時間を要する場合があった。また、細胞を染色することによって、細胞が死滅又は変質する場合があった。すなわち、細胞を染色することによりその後の細胞の利用が制限される場合があった。更に、細胞の種類に応じて閾値を設定する必要があるが、特許文献1及び特許文献2には閾値の設定方法の記載がない。特に単離系(液体中に浮遊している状態)の細胞を識別する場合(例えば図31)では、識別する細胞に応じて閾値を適切に変更(設定)する必要がある。
本発明は、このような事情の下に為され、正常細胞の光路長変化量に基づいて算出した閾値を用いて、細胞に光を照射したときに計測される光路長変化量に基づいて細胞を識別することができる細胞識別装置又は細胞識別方法を提供することを目的とする。
本発明の一の態様によれば、細胞に光を照射したときに計測される光路長変化量を用いて、前記細胞を識別する細胞識別装置であって、前記細胞を透過したときの前記光の強度に基づいて、前記光路長変化量を計測する計測手段と、正常細胞の光路長変化量に基づいて算出した閾値を用いて、前記細胞を識別する解析手段とを有することを特徴とする細胞識別装置が提供される。前記解析手段は、前記正常細胞の複数の位置に対応する複数の光路長変化量を抽出し、抽出した前記複数の光路長変化量の平均値を算出し、算出した前記平均値を前記閾値とする、ことを特徴とする細胞識別装置であってもよい。前記解析手段は、前記正常細胞の複数の位置に対応する複数の光路長変化量を抽出し、抽出した前記複数の光路長変化量について複数の平均値を算出し、算出した前記複数の平均値においてエラーレートに基づいて前記閾値を設定する、ことを特徴とする細胞識別装置であってもよい。前記解析手段は、前記閾値以下の前記光路長変化量の前記細胞を正常な細胞とし、該閾値を越える該光路長変化量の該細胞を異常な細胞とする、ことを特徴とする細胞識別装置が提供される。前記解析手段は、前記異常な細胞が癌細胞である場合に、前記癌細胞の転移性癌細胞の複数の位置に対応する複数の光路長変化量に基づいて算出される第2の閾値を用いて、前記閾値を越え且つ前記第2の閾値以下の光路長変化量の癌細胞を転移性癌細胞とし、該第2の閾値を越える光路長変化量の癌細胞を非転移性癌細胞とする、ことを特徴とする、細胞識別装置が提供される。
本発明の他の態様によれば、細胞に光を照射したときに計測される光路長変化量を用いて、前記細胞を識別する細胞識別装置であって、前記細胞を透過したときの前記光の強度に基づいて、前記光路長変化量を計測する計測手段と、正常細胞の光路長変化量に基づいて算出した閾値を用いて、前記細胞を識別する解析手段とを有することを特徴とする細胞識別装置であって、前記解析手段は、前記正常細胞の前記複数の光路長変化量のうちの値が大きい方から所定の数の光路長変化量を抽出する、ことを特徴とする、細胞識別装置が提供される。前記計測手段は、前記細胞を透過しない場合の前記光の強度と同一となるように、ピエゾ素子に電圧を印加して該細胞に照射する該光の光路長を変更し、印加した前記電圧に基づいて前記光路長変化量を計測する、ことを特徴とする細胞識別装置であってもよい。計測した前記光路長変化量に基づいて、前記細胞の外形及び屈折率差若しくは位相差に対応する画像を生成する画像生成部と、生成した前記画像を表示する出力部とを更に有する、ことを特徴とする細胞識別装置であってもよい。
本発明のその他の態様によれば、複数の細胞に光を夫々照射して、複数の光路長変化量を計測する計測ステップと、正常細胞の光路長変化量に基づいて算出した閾値を用いて、前記複数の細胞を夫々識別する識別ステップとを含むことを特徴とする細胞識別方法が提供される。前記識別ステップは、前記正常細胞の複数の位置に対応する複数の光路長変化量を抽出し、抽出した前記複数の光路長変化量の平均値を算出し、算出した前記平均値を前記閾値とする、ことを特徴とする細胞識別方法であってもよい。前記識別ステップは、前記正常細胞の複数の位置に対応する複数の光路長変化量を抽出し、抽出した前記複数の光路長変化量について複数の平均値を算出し、算出した前記複数の平均値においてエラーレートに基づいて前記閾値を設定する、ことを特徴とする細胞識別方法であってもよい。前記計測ステップは、前記細胞に照射する前記光の光路長を変更する変更ステップと、前記細胞を透過しない場合の前記光の強度と同一となるように、該細胞に照射する該光の光路長を変更するフィードバック制御ステップと、を含む、ことを特徴とする、細胞識別方法であってもよい。上記細胞識別方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、又は、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよい。
本発明の細胞識別装置又は細胞識別方法によれば、正常細胞の光路長変化量に基づいて算出した閾値を用いて、細胞に光を照射したときに計測される光路長変化量に基づいて、細胞を識別することができる。
本発明の実施形態に係る細胞識別装置の一例を説明する概略構成図である。 本発明の実施形態に係る細胞識別装置の光学系の一例を説明する概略システム図である。 本発明の実施形態に係る細胞識別装置の細胞の配置(接着型のサンプル配置の例)を説明する説明図である。 細胞を透過した光の強度(光路長変化量、位相差)を計測する動作を説明する説明図である。 本発明の実施形態に係る細胞識別装置の計測手段(電圧検出部)の動作を説明する説明図である。 その他の細胞識別装置の位相差を計測する動作を説明する説明図である。 本発明の実施形態に係る細胞識別装置の機能の一例を説明する概略機能ブロック図である。 本発明の実施形態に係る細胞識別装置の解析手段の動作の一例を説明するフローチャート図である。 本発明の実施形態に係る細胞識別装置の解析手段の動作の一例(位相差画像の例)を説明する説明図である。 本発明の実施形態に係る細胞識別装置の解析手段の動作の一例(特徴量の抽出の例)を説明する説明図である。 本発明の実施形態に係る細胞識別装置の解析手段の動作の一例(エラーレートの例)を説明する説明図である。 本発明の実施形態に係る細胞識別装置の解析手段の動作の一例(抽出する特徴量の決定の一例)を説明する説明図である。 本発明の実施形態に係る細胞識別装置の解析手段の動作の一例(抽出する特徴量の決定の他の例)を説明する説明図である。 本発明の実施例1に係る細胞識別装置の動作の一例を説明するフローチャート図である。 本発明の実施例1に係る細胞識別装置の細胞の配置(接着型のサンプル配置)を説明する説明図である。 本発明の実施例1に係る細胞識別装置の計測結果(位相差画像)及び解析結果(光路長変化量画像)を説明する説明図である。 本発明の実施例1に係る細胞識別装置の計測結果(光路長変化量)を説明する説明図である。 本発明の実施例1に係る細胞識別装置(解析手段)が細胞を識別した識別結果(解析結果)を説明する説明図である。 本発明の実施例1の変形例1に係る細胞識別装置(解析手段)が細胞を識別した結果(1%平均)を説明する説明図である。 本発明の実施例1の変形例1に係る細胞識別装置(解析手段)が細胞を識別した結果(2%平均)を説明する説明図である。 本発明の実施例1の変形例1に係る細胞識別装置(解析手段)が細胞を識別した結果(3%平均)を説明する説明図である。 本発明の実施例1の変形例1に係る細胞識別装置(解析手段)が細胞を識別した結果(4%平均)を説明する説明図である。 本発明の実施例1の変形例1に係る細胞識別装置(解析手段)が細胞を識別した結果(5%平均)を説明する説明図である。 本発明の実施例1の変形例1に係る細胞識別装置(解析手段)が細胞を識別した結果(6%平均)を説明する説明図である。 本発明の実施例1の変形例2に係る細胞識別装置の動作の一例を説明するフローチャート図である。 本発明の実施例2に係る細胞識別装置の光学系の一例を説明する概略システム図である。 本発明の実施例2に係る細胞識別装置の動作の一例を説明するフローチャート図である。 本発明の実施例2に係る細胞識別装置の計測結果の一例を説明する説明図である。 本発明の実施例3に係る細胞識別装置の細胞の配置(単離系のサンプル配置)を説明する説明図である。 本発明の実施例3に係る細胞識別装置の単離系の細胞を配置した例を説明する説明図である。 本発明の実施例3に係る細胞識別装置の動作の一例を説明するフローチャート図である。 本発明の実施例3に係る細胞識別装置の計測結果(位相差画像)及び解析結果(光路長変化量画像)を説明する説明図である。 本発明の実施例3に係る細胞識別装置(解析手段)が細胞を識別した結果(2%平均)を説明する説明図である。 本発明の実施例3に係る細胞識別装置(解析手段)が細胞を識別した結果(4%平均)を説明する説明図である。 本発明の実施例3に係る細胞識別装置(解析手段)が細胞を識別した結果(6%平均)を説明する説明図である。 本発明の実施例3に係る細胞識別装置(解析手段)が細胞を識別した結果(8%平均)を説明する説明図である。 本発明の実施例3に係る細胞識別装置(解析手段)が細胞を識別した結果(10%平均)を説明する説明図である。
添付の図面を参照しながら、本発明の限定的でない例示の実施形態について説明する。なお、添付の全図面の中の記載で、同一又は対応する部材又は部品には、同一又は対応する参照符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面は部材もしくは部品間の相対比を示すことを目的としない。したがって、図面の中の具体的な寸法は、以下の限定的でない実施形態に照らし、当業者により決定することができる。更に、本発明は、以後に説明する実施形態以外でも、細胞に光を照射したときの光路長変化量を計測し、計測した光路長変化量に基づいて細胞の状態を解析(分析、識別、評価)するものであれば、いずれのものにも用いることができる。
本発明の一実施形態に係る細胞識別装置を用いて、下記に示す順序で本発明を説明する。
1.細胞識別装置の構成
2.細胞識別装置の機能
3.解析手段の動作の例(データの抽出及び閾値の設定)
4.プログラム及び記録媒体
5.実施例1(接着型のサンプル配置による識別の例)
6.実施例2(デジタルホログラフィ技術を用いた識別の例)
7.実施例3(単離系のサンプル配置による識別の例)
[1.細胞識別装置の構成]
本発明の実施形態に係る細胞識別装置100の概略構成図を図1に示す。
図1に示すように、本実施形態に係る細胞識別装置100は、細胞の物性を計測し、計測した物性に基づいて細胞状態を解析(識別)する装置である。なお、本発明で細胞状態を解析することができる部位(細胞)は、以後に説明する乳がん細胞、皮膚がん細胞及び白血病細胞などの異常細胞に限定されるものではない。すなわち、本発明は、任意の部位の任意の細胞状態を解析する装置に用いることができる。
細胞識別装置100は、細胞識別装置100各構成の動作を制御する制御手段10と、細胞に光を照射して光路長変化量を計測する計測手段20と、計測した光路長変化量に基づいて細胞を解析する解析手段30と、を有する。また、細胞識別装置100は、計測手段20の計測結果及び解析手段30の解析結果などを記憶する記憶手段40と、計測手段20の計測条件などを細胞識別装置100外部から細胞識別装置100に入力し、細胞識別装置100外部に解析結果などを出力するI/F手段(インターフェース手段)50と、を有する。
制御手段10は、細胞識別装置100の各構成(後述する計測手段20など)に動作を指示し、各構成の動作を制御する手段である。制御手段10は、本実施形態では、I/F手段50(後述)により入力された計測条件等に基づいて、計測手段20を制御する。また、制御手段10は、I/F手段50(後述する入力部51)により入力された算出条件及び解析条件に基づいて、解析手段30(後述)を制御する。更に、制御手段10は、計測結果、算出結果及び解析結果などをI/F手段50(後述する出力部52)に出力する。なお、制御手段10は、予め記憶手段40に記憶されているプログラム(制御プログラム、アプリケーション等)を用いて、細胞識別装置100の各構成の動作を制御してもよい。
計測手段20は、細胞に光を照射する場合に、細胞を透過する光の光路長(Optical Path Length)の変化量(以下、「光路長変化量ΔOPL」という。)を計測する手段である。計測手段20は、本実施形態では、複数の細胞を夫々透過した光の複数の光路長変化量を夫々計測する。また、計測手段20は、細胞を透過しない場合の光(干渉光)の強度(位相)と略同一となるように、細胞に照射する光の光路長を変更する(以下、「フィードバック制御する」という。)。これにより、計測手段20は、変更した光路長の変更量を光路長変化量ΔOPLとして計測することができる。更に、計測手段20は、計測結果を解析手段30及び記憶手段40に出力する。
計測手段20は、本実施形態では、細胞に光を照射する光学系21と、照射する光の光路長を制御するフィードバック制御部22と、光路長を制御したときの電圧を検出する電圧検出部23と、検出した電圧を光路長変化量ΔOPLに変換する光路長変換部24と、を備える。
光学系21(図1)は、識別(診断)する細胞に光を照射するものである。光学系21は、本実施形態では、光源、ミラー及び対物レンズ等を備える。
具体的には、図2に示すように、光学系21は、光源(He−Ne Laser)から発した光を波長板(WP)及びスプリッタ(PBS)を用いて、2つの光(物体光及び参照光)に分割する。また、光学系21は、位置を移動することができるミラー(MPZT)を介して、物体光を細胞(Sample)に照射する。次いで、光学系21は、スプリッタ(BS)を用いて、物体光と参照光とを合成する。その後、光学系21は、フォトディテクタ(PD)を用いて、干渉光(物体光と参照光との合成光)の強度(位相)を検出する。
ここで、本実施形態に係る細胞識別装置100の計測手段20は、光学系21の光源として、コヒーレントなレーザー(振幅及び位相に一定の関係があり、干渉縞を作ることができる光)を用いることができる。また、計測手段20は、波長が短い光を使用することによって、レンズを用いてビーム直径を小さくすることができる。これにより、計測手段20は、光学系21の空間分解能を高めることができる。計測手段20は、光学系21の光源として、例えば、波長λが632.8nmのHe−Neレーザーを用いることができる。なお、計測手段20は、光源として、細胞を透過することができるその他の波長の光を用いてもよい。
計測手段20は、光学系21の波長板(WP)として、二分の一波長板(λ/2)を用いることができる。ここで、二分の一波長板は、スプリッタによって分割される物体光及び参照光の光量を同じにすることができる。すなわち、二分の一波長板は、光軸を中心として回転されることで、光源から照射された光のP偏光成分とS偏光成分の比率を調整することができる。
計測手段20は、光学系21のスプリッタ(PBS)として、偏光ビームスプリッタを用いることができる。ここで、偏光ビームスプリッタは、直交する偏光方向の一方(例えばP偏光成分)を透過し、他方(例えばS偏光成分)を反射するものである。これにより、計測手段20は、偏光ビームスプリッタを用いて、光源から照射された光を物体光と参照光とに分割して、2つの光(2つの光路)を生成することができる。
なお、物体光は、図2に示すように、偏光ビームスプリッタPBSによって反射され、識別する細胞Sampleなどを経て、ビームスプリッタBSに至る。参照光は、偏光ビームスプリッタPBSを透過して、平面鏡M等を経て、ビームスプリッタBSに至る。
計測手段20は、光学系21のミラー(MPZT)の位置を移動することによって、物体光の光路長を変更することができる。計測手段20は、光学系21のミラー(MPZT)として、例えばピエゾ素子(PZT)に取り付けられた平面鏡、電磁的な可動装置(スピーカーなど)に取り付けられた平面鏡、又は、電気光学素子(ポッケルスセル)に取り付けられた平面鏡等を用いることができる。
計測手段20は、本実施形態では、ピエゾ素子PZT(図2)に取り付けられた平面鏡(ミラーMPZT)を用いる。ここで、計測手段20は、ピエゾ素子PZTに電圧を印加することによって、物体光の光軸に対して45度の方向にミラーMPZTを移動することができる。なお、ミラーMPZTは、物体光の光路(図2のPBSからBSまでの間の光路)のいずれかの位置に配置することができる。
図3に、本実施形態に係る細胞識別装置100の細胞の配置(プレパラート)を示す。ここで、図3(b)では接着型の細胞TCの配置(サンプル配置)の例を示すが、本発明に係る細胞識別装置100では後述する単離系のサンプル配置(例えば図29、図30)を用いてもよい。
図3(a)に示すように、計測手段20は、一対のガラス板21g(図3(b)のガラス板21gu、ガラス板21gd)の間隙に細胞TCを配置する。ここで、細胞TCは、本実施形態では、乾燥を防止するために生理食塩水Wnを滴下されている。また、計測手段20は、スペーサ(例えばシムリング)21Sを用いて、一対のガラス板21gの間隔を変更し、一定に保つことができる。更に、計測手段20は、一対の対物レンズ21La、21Lbを用いて、配置した細胞TCの微小領域に光を照射することができる。なお、ガラス板21gu及びガラス板21gdは厚さ500μmのものでもよい。また、スペーサ21Sは厚さ50μmのものでもよい。
具体的には、計測手段20は、第1のレンズ21Laを用いて、光軸にほぼ平行な物体光を集光し、集光した光(物体光)の焦点を細胞TC内に結ぶ。その後、計測手段20は、第2のレンズ21Lbを用いて、細胞TCを透過した光(物体光)を平行光にする。
更に、計測手段20は、図3(c)に示すように、細胞TCを配置した一対のガラス板21g(21gu、21gd)を移動することによって、x軸方向及びy軸方向の2次元平面(以下、「xy平面」という。)に分布する光路長変化量ΔOPLを計測することができる。なお、計測手段20は、z軸方向(光軸方向)にガラス板21gu等を更に移動することによって、光路長変化量ΔOPL(又は、位相若しくは屈折率の変化量)の三次元分布を計測してもよい。
計測手段20は、光学系21のフォトディテクタ(PD)として、2次元で検出できるCMOSセンサ若しくはCCDセンサ、安価で小型な半導体検出器(例えばフォトダイオードやピンフォトダイオード)、又は、光電子倍増管(photomultiplier tube(PMT))、アバランシェフォトダイオード(Avalanche Photo Diode)などの光検出素子等を用いることができる。
フィードバック制御部22(図1)は、照射する光の光路長を制御するものである。フィードバック制御部22は、本実施形態では、細胞TCを透過しない場合の光(干渉光)の強度(位相)と略同一となるように、物体光の光路長を変更する。すなわち、フィードバック制御部22は、フォトディテクタPD(図2)で検出される干渉光の強度が所定の範囲内となるように、物体光の光路長の長さをフィードバック制御する。
具体的には、図4(a)に示すように、フィードバック制御部22は、フォトディテクタPDで検出される細胞TCを透過した光Lt(物体光)の位相が細胞TCを透過しない場合の光Lr(参照光)の位相と略同一となるように、ミラーMPZT(図2)を用いて、物体光の光路長を変更量ΔLだけ変更する。これにより、計測手段20は、光路長変化量ΔOPLとして、光路長を変更した変更量ΔLを検出(計測)することができる。
電圧検出部23(図1)は、フィードバック制御部22が光路長を変更するときの印加電圧を検出するものである。電圧検出部23は、本実施形態では、フィードバック制御部22が光路長を変更するときに、ミラーMPZTを駆動するピエゾ素子PZT(図2)に印加した印加電圧を検出する。電圧検出部23は、例えば図5に示すような印加電圧VPZTを検出することができる。
光路長変換部24(図1)は、電圧検出部23が検出した印加電圧VPZTを光路長変化量ΔOPLに変換するものである。光路長変換部24は、本実施形態では、ピエゾ素子PZT(図2)に印加した印加電圧VPZTと光路長変化量ΔOPLとが比例すると仮定し、下記の数1を用いて、印加電圧VPZTから光路長変化量ΔOPLを算出する。
ここで、Vλは、例えば図5に示すように、計測に使用した光の1波長(例えば633nm)に相当する印加電圧VPZTの変化量である。
また、光路長変換部24は、算出した光路長変化量ΔOPLを用いて、位相差Δφを算出することができる。具体的には、光路長変換部24は、数2を用いて、数1で算出した光路長変化量ΔOPLから位相差Δφを算出することができる。すなわち、光路長変換部24は、位相unwrapping処理(後述)を施すことなしに、計測した光路長変化量ΔOPLから位相差Δφを算出することができる。
更に、計測手段20(光路長変換部24)は、予め計測していた細胞の厚さ等を用いて、位相差Δφから細胞の屈折率(屈折率差)を算出してもよい。また、計測手段20(光路長変換部24)は、予め計測していた細胞の厚さ、透過率又は屈折率等を用いて、計測結果(例えばフォトディテクタPDが検出した干渉光の強度)を補正してもよい。
解析手段30(図1)は、細胞状態を解析する手段である。解析手段30は、本実施形態では、計測手段20が計測した光路長変化量ΔOPLを用いて、細胞状態を解析(細胞を識別)することができる。解析手段30は、細胞を例えば正常細胞(例えば白血球細胞、ヒトの乳腺細胞、正常ヒト真皮由来線維芽細胞など)又は異常細胞(例えば癌細胞(ヒトの乳がん細胞、皮膚がん細胞)、白血病細胞など)に識別することができる。また、解析手段30は、癌細胞を例えば転移性癌細胞又は非転移性癌細胞に更に識別することができる。
解析手段30は、本実施形態では、図1に示すように、細胞の複数の光路長変化量ΔOPLを用いて画像を生成する画像生成部31と、細胞の複数の光路長変化量ΔOPLから特定の光路長変化量を抽出するデータ抽出部32と、抽出した特定の光路長変化量に基づいて閾値を算出する閾値算出部33と、算出した閾値を用いてその他の細胞を識別する細胞識別部34と、を有する。
画像生成部31(図1)は、計測手段20が計測した光路長変化量ΔOPLを用いて、画像(光路長変化量分布、位相差分布、屈折率分布など)を生成するものである。また、画像生成部31は、計測手段20が光路長変化量の分布を計測した場合に、計測結果に基づいて三次元画像(三次元光路長変化量分布など)を生成してもよい。
データ抽出部32(図1)は、細胞の複数の位置に対応する複数の光路長変化量ΔOPLから特定の光路長変化量を抽出するものである。データ抽出部32は、本実施形態では、複数の光路長変化量のうちの値が大きい方から所定の数の光路長変化量を抽出する。
ここで、所定の数とは、解析(識別)する細胞の種類及び細胞状態に対応する数とすることができる。また、所定の数は、複数の光路長変化量ΔOPLの数に特定の割合を乗算して得られる数とすることができる。更に、所定の数は、実験又は数値計算等によって予め定められる数とすることができる。なお、データ抽出部32が所定の数を設定する動作の具体例は、後述する[3.解析手段の動作の例(データの抽出及び閾値の設定)]で説明する。
閾値算出部33(図1)は、細胞状態を識別するために用いる光路長変化量の閾値を算出するものである。閾値算出部33は、データ抽出部32が抽出した複数の光路長変化量(例えば正常細胞の所定の数の光路長変化量)に基づいて、光路長変化量の閾値を算出する。閾値算出部33は、データ抽出部32が抽出した複数の光路長変化量ΔOPLの例えば平均値を閾値として算出することができる。
閾値算出部33は、本実施形態では、細胞が正常な細胞(正常細胞)であるか又は異常な細胞(例えば癌細胞)であるかを識別するための閾値THを算出する。また、閾値算出部33は、異常な細胞として癌細胞が転移性癌細胞であるか又は非転移性癌細胞であるかを識別するための第2の閾値TH2を更に算出してもよい。なお、閾値算出部33が閾値を算出(設定)する動作の具体例は、後述する[3.解析手段の動作の例(データの抽出及び閾値の設定)]で説明する。
細胞識別部34(図1)は、閾値算出部33が算出した閾値THを用いて、細胞を識別するものである。すなわち、細胞識別部34は、異常な細胞を識別する場合に、算出した閾値TH以下の光路長変化量ΔOPLの細胞を正常な細胞(正常細胞)とし、閾値THを越える光路長変化量ΔOPLの細胞を異常な細胞(例えば癌細胞)とすることができる。
また、細胞識別部34は、閾値算出部33が算出した第2の閾値TH2を用いて、細胞を識別してもよい。すなわち、細胞識別部34は、異常な細胞として癌細胞を識別する場合に(例えば実施例1の変形例2、実施例3)、算出した閾値THを越え且つ第2の閾値TH2以下の光路長変化量ΔOPLの癌細胞を転移性癌細胞とし、第2の閾値TH2を越える光路長変化量ΔOPLの癌細胞を非転移性癌細胞とすることができる。
記憶手段40(図1)は、細胞識別装置100に関する情報(例えば動作条件又は動作結果)などを記憶する手段である。記憶手段40は、例えば計測手段20が計測した計測結果及び解析手段30が解析した解析結果などを記憶することができる。ここで、記憶手段40は、公知技術(ハードディスク、メモリ、ROM、RAMなど)を用いることができる。
I/F手段50(図1)は、細胞識別装置100と細胞識別装置100外部とで情報(例えば電気信号)の入出力を行う手段である。I/F手段50は、例えば細胞識別装置100に関する情報などを外部装置(PCなど)から入力することができる。また、I/F手段50は、細胞識別装置100に関する情報などを外部装置(PCなど)に出力することができる。
I/F手段50は、本実施形態では、ユーザー(診断医、装置操作者、装置管理者など)によって、細胞識別装置100外部から細胞識別装置100に所定の情報(例えば計測条件、操作条件、出力条件など)を入力される入力部51を含む。また、I/F手段50は、細胞識別装置100外部に情報を出力する出力部52を含む。
入力部51(図1)は、本実施形態では、識別する細胞に関する情報、例えば細胞の種類、厚さ及びその他の物性に関する情報を入力されることができる。出力部52(図1)は、例えば計測手段20が計測した計測結果又は解析手段30が解析した解析結果に関する情報を出力(例えば表示)することができる。
なお、その他の細胞識別装置の位相差を計測する動作を図4(b)及び図6に示す。
その他の細胞識別装置は、位相差を干渉光の強度から直接測定する。具体的には、その他の細胞識別装置は、先ず、図4(b)に示すように、位相差Δφを測定するために、数3で表される干渉光(図4(b)の物体光Ltと参照光Lrの干渉光)の出力光強度I(x,y)を測定する。
ここで、Iは物体光Lt及び参照光Lrの強度(光強度)の和である。
次いで、その他の細胞識別装置は、測定した出力光強度I(x,y)を数4に代入し、位相差Δφ(x,y)を算出する。すなわち、その他の細胞識別装置は、逆関数arccosを用いて、位相差Δφ(x,y)を算出する。
次に、その他の細胞識別装置は、算出した位相差Δφ(x,y)に2π以上の位相差がある場合に位相変化の折り返しが生じる(図6(a)のLa)ため、位相unwrapping処理を行う。具体的には、その他の細胞識別装置は、数4を用いて算出した複数の候補となる値(位相差)に基づいて、近傍の値と滑らかにつながるように近似(選択)する。ここで、その他の細胞識別装置は、例えば図6(a)に示す位相差Laを算出した場合に、図6(b)に示す位相分布線Lbに近似することができる。
このため、その他の細胞識別装置では、数4が非線形及び多価関数であるため、位相差Δφの値を単一に定めることができない場合がある。また、その他の細胞識別装置では、干渉光のノイズ又は細胞の形状等の影響で、位相unwrapping処理の接続部分で、精度が低下する場合がある。
[2.細胞識別装置の機能]
図7に、本発明の実施形態に係る細胞識別装置100の機能ブロック図を示す。なお、本発明を用いることができる細胞識別装置100の機能は、図7に示すものに限定されない。
図7に示すように、細胞識別装置100(図1)は、本実施形態では、I/F手段50を用いて取得した(入力された)細胞識別装置100の動作に関する情報(以下、「識別指示」という。)を制御手段10に出力する(図中のブロックB01)。なお、本実施形態に係る細胞識別装置100は、計測手段20に搭載したセンサ、又は、I/F手段50の入力部51(若しくは出力部52のタッチパネルなど)を用いて、識別指示を入力されてもよい。
制御手段10は、入力された識別指示に基づいて、細胞識別装置100の動作を制御する(ブロックB02)。具体的には、制御手段10は、識別指示に基づいて、計測指示を計測手段20に出力する。また、制御手段10は、識別指示に基づいて、解析指示を解析手段30に出力する。なお、制御手段10又はI/F手段50は、識別指示等を記憶手段40に更に出力してもよい。
計測手段20は、入力された計測指示に基づいて、細胞の光路長変化量ΔOPLを計測する(ブロックB03〜ブロックB06)。
具体的には、計測手段20は、フィードバック制御部22を用いて、入力された計測指示に基づいて、光学系21の動作(ブロックB04)をフィードバック制御する(ブロックB03)。また、計測手段20(フィードバック制御部22)は、検出指示を電圧検出部23に出力する。更に、計測手段20(光学系21)は、測定データ(例えば光強度画像)を光路長変換部24(後述するブロックB06)に出力する。
次に、計測手段20(電圧検出部23)は、本実施形態では、フィードバック制御部22のフィードバック制御に用いたピエゾ素子PZT(図2)に印加した印加電圧を検出する(ブロックB05)。また、計測手段20(電圧検出部23)は、検出データ(印加電圧など)を光路長変換部24に出力する。
次いで、計測手段20(光路長変換部24)は、入力された検出データを細胞の光路長変化量ΔOPLに変換する(ブロックB06)。また、計測手段20(光路長変換部24)は、変換データ(光路長変化量ΔOPL)をデータ抽出部32に出力する。更に、光路長変換部24は、変換データを画像生成部31に更に出力する。
解析手段30は、入力された変換データ(光路長変化量ΔOPL)に基づいて、細胞を識別する(ブロックB07〜ブロックB10)。
具体的には、解析手段30は、データ抽出部32を用いて、入力された変換データ(正常細胞の複数の位置の複数の光路長変化量ΔOPL)から、所定の数の光路長変化量ΔOPLを抽出する(ブロックB07)。また、解析手段30(データ抽出部32)は、抽出した抽出データ(所定の数の光路長変化量ΔOPL)を閾値算出部33に出力する。
次に、解析手段30(閾値算出部33)は、入力された抽出データに基づいて、閾値を算出する(ブロックB08)。また、解析手段30(閾値算出部33)は、算出した閾値を細胞識別部34に出力する。なお、閾値算出部33が閾値を算出(設定)する動作の具体例は、後述する[3.解析手段の動作の例(データの抽出及び閾値の設定)]で説明する。
次いで、解析手段30(細胞識別部34)は、入力された閾値及び光路長変化量ΔOPLを用いて、細胞を識別する(ブロックB09)。また、解析手段30(細胞識別部34)は、識別データ(識別した結果)を記憶手段40に出力する。
また、解析手段30(画像生成部31)は、光路長変化量ΔOPL(変換データ)を用いて、画像データ(光路長変化量ΔOPL、位相差及び/又は屈折率差の分布を示す画像)を生成する(ブロックB10)。また、解析手段30(画像生成部31)は、生成した画像データを記憶手段40に出力する。なお、画像生成部31及び細胞識別部34は、生成した画像データ若しくは識別データを相互に入出力する機能を有してもよい。
記憶手段40は、計測手段20の計測結果、解析手段30の解析結果及び細胞識別装置100の動作に関する情報等を記憶する(ブロックB11)。また、記憶手段40は、I/F手段50(例えば出力部52)を用いて、記憶している情報を出力(表示)することができる。
[3.解析手段の動作の例(データの抽出及び閾値の設定)]
図8乃至図13を用いて、本発明の実施形態に係る細胞識別装置100(解析手段30)がデータを抽出する動作及び閾値を設定する動作を説明する。ここで、図8は、本発明の実施形態に係る細胞識別装置100の解析手段30の動作の一例を説明するフローチャート図である。図9は、解析手段30が解析する光路長変化量ΔOPLの例を説明する説明図である。図10は、解析手段30のデータ抽出部32が抽出する特徴量の例を説明する説明図である。図11は、解析手段30の閾値算出部33が算出するエラーレートの例を説明する説明図である。図12は、解析手段30の閾値算出部33が選択する特徴量(所定の数)の一例を説明する説明図である。図13は、解析手段30の閾値算出部33が選択する特徴量(所定の数)の他の例を説明する説明図である。
図8に示すように、細胞識別装置100は、先ず、ステップS801において、計測手段20を用いて光路長変化量ΔOPLを測定し、画像生成部31を用いて光路長変化量の分布画像(OPDI(Optical Path−length Difference Image)、以下、「光路長変化量画像」という。)を生成する。
具体的には、細胞識別装置100は、複数のサンプル(正常細胞及び異常細胞)について、図9(a)に示すように光路長変化量画像Img1を夫々生成する。ここで、図9(a)に示す光路長変化量画像Img1は、図9(b)に示すように100pixel×100pixelの分解能の光路長変化量画像Img2である。本実施形態では、複数のサンプルとして、予め識別している正常細胞と異常細胞(例えば癌細胞)とを用いて、正常細胞及び異常細胞の夫々の光路長変化量画像を生成する。
その後、細胞識別装置100は、ステップS802に進む。
ステップS802において、細胞識別装置100の解析手段30は、データ抽出部32及び閾値算出部33を用いて、光路長変化量の平均値AOPDを算出する。
具体的には、先ず、データ抽出部32は、ステップS801で生成した光路長変化量画像の10000pixel(100pixel×100pixel)について、図10に示すように光路長変化量の値が大きいものから順(図のX(1)からX(10000))に並び換える。次に、データ抽出部32は、並び換えた光路長変化量の値の上位(図のX(1))からnth個(所定の数)を特徴量として抽出する。次いで、閾値算出部33は、次式を用いて、抽出した複数の特徴量(nth個の光路長変化量(X))の平均値AOPDを算出する。すなわち、本実施形態では、正常細胞及び異常細胞について、複数の平均値AOPDを夫々算出する。
ここで、データ抽出部32(細胞識別装置100)は、nth(所定の数)として、例えば10000pixelの上位1%である100個、2%である200個、3%である300個、4%である400個、5%である500個、6%である600個などのように上位から複数の数を抽出し、夫々の平均値を算出する。
その後、細胞識別装置100は、ステップS803に進む。
ステップS803において、解析手段30は、閾値算出部33を用いて、ステップS802で算出した複数の平均値AOPDから、エラーレートERを算出する。
ここで、エラーレートERとは、正常細胞及び異常細胞について算出した平均値AOPDの重なり合いの度合いを示す値である。エラーレートERは、正常細胞について算出した平均値AOPDと異常細胞について算出した平均値AOPDとがすべて重なり合わない場合に0(以下、「イコールエラーレートEER」という。)となる。また、エラーレートERは、正常細胞について算出した平均値AOPDと異常細胞について算出した平均値AOPDとがすべて重なり合う場合に1となる。
本実施形態では、例えば図11に示すように、nth(所定の数)を200個(上位から2%)、300個(上位から3%)、400個(上位から4%)及び500個(上位から5%)としたときに、エラーレートERが0(イコールエラーレートEER)となった。
その後、細胞識別装置100は、算出したエラーレートERが0となるものがある場合にステップS804に進む。それ以外の場合には、細胞識別装置100は、ステップS806に進む。
ステップS804において、解析手段30は、閾値算出部33を用いて、ステップS802で算出した複数の平均値AOPDから、閾値幅Dthを算出し、閾値幅Dthが最大となるnth(所定の数)を選択する。
ここで、閾値幅Dthとは、正常細胞について算出した平均値AOPDと異常細胞について算出した平均値AOPDとの差分の値をいう。閾値幅Dthは、例えば正常細胞のΔOPLの最大値と異常細胞(例えばがん細胞)のΔOPLの最小値との差分である。
本実施形態では、図11に示すように、300個(上位から3%)の閾値幅Dth2、400個(上位から4%)の閾値幅Dth3及び500個(上位から5%)の閾値幅Dth4と比較して、nth(所定の数)が200個(上位から2%)のときの閾値幅Dth1が最大となった。すなわち、解析手段30の閾値算出部33は、nth(所定の数)として200個(上位から2%)を選択する。
その後、細胞識別装置100は、ステップS805に進む。
ステップS805において、解析手段30は、閾値算出部33を用いて、閾値を設定する。ここで、閾値算出部33は、ステップS804で選択した最大の閾値幅Dth(図11のDth1)の中間値を閾値として設定することができる。なお、閾値算出部33は、ステップS804で選択した閾値幅Dthに含まれるいずれかの値を閾値としてもよい。
その後、細胞識別装置100は、図中のENDに進み、細胞識別装置100(解析手段30)がデータを抽出する動作及び閾値を設定する動作を終了する。
一方、ステップS806において、解析手段30は、閾値算出部33を用いて、ステップS803で算出したエラーレートERから最小値のエラーレートERを特定し、特定した最小値のエラーレートERに対応するnth(所定の数)を選択する。
図12に、解析手段30の閾値算出部33が選択する特徴量の数の一例を説明する説明図を示す。図13に、解析手段30の閾値算出部33が選択する特徴量の数の他の例を説明する説明図を示す。ここで、図12及び図13の横軸はnth個の値であり、縦軸はエラ‐レートERの値である。図12のLc1及び図13のLd1は正常細胞の拒否率(異常細胞のΔOPLの最小値以上の正常細胞の割合)である。図12のLc2及び図13のLd2は異常細胞の受け入れ率(正常細胞のΔOPLの最大値以下の異常細胞の割合)である。
図12では、nth個の値が1個〜600個の場合に、Lc1とLc2の合算のLc3のエラーレートERが最小となる。また、図13では、nth個の値が1個〜700個の場合に、Ld1とLd2の合算のLd3のエラーレートERが最小となる。すなわち、解析手段30の閾値算出部33は、nth(所定の数)として、最小値のエラーレートERに対応する600個(図12)又は700個(図13)を選択することができる。
その後、細胞識別装置100は、ステップS807に進む。
ステップS807において、解析手段30は、閾値算出部33を用いて、閾値を設定する。ここで、閾値算出部33は、ステップS806で選択した最小値のエラーレートERに対応するnth(所定の数)を用いて算出した平均値AOPD(ステップS802)を閾値として設定することができる。
その後、細胞識別装置100は、図中のENDに進み、細胞識別装置100(解析手段30)がデータを抽出する動作及び閾値を設定する動作を終了する。
[4.細胞識別方法のプログラム、及び、そのプログラムを記録した記録媒体]
本発明の実施形態に係る細胞識別方法のプログラムPrによれば、複数の細胞に光を夫々照射して、複数の光路長変化量を計測する計測ステップと、正常細胞の光路長変化量に基づいて算出した閾値を用いて、前記複数の細胞を夫々識別する識別ステップとを含むことを特徴とする細胞識別方法を実行する。前記識別ステップは、前記正常細胞の複数の位置に対応する複数の光路長変化量を抽出し、抽出した前記複数の光路長変化量の平均値を算出し、算出した前記平均値を前記閾値とする、ことを特徴とする細胞識別方法を実行してもよい。前記識別ステップは、前記正常細胞の複数の位置に対応する複数の光路長変化量を抽出し、抽出した前記複数の光路長変化量について複数の平均値を算出し、算出した前記複数の平均値においてエラーレートに基づいて前記閾値を設定する、ことを特徴とする細胞識別方法を実行してもよい。前記計測ステップは、前記細胞に照射する前記光の光路長を変更する変更ステップと、前記細胞を透過しない場合の前記光の強度と同一となるように、該細胞に照射する該光の光路長を変更するフィードバック制御ステップとを含む、ことを特徴とする細胞識別方法を実行してもよい。これらの構成によれば、本発明の実施形態に係る細胞識別装置100と同等の効果が得られる。
また、本発明は、プログラムPrを記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体Mdとしてもよい。プログラムPrを記録した記録媒体Mdは、フレキシブルディスク、CD−ROM、メモリーカード及びその他コンピュータ読み取り可能な媒体を用いることができる。
以上により、本発明の実施形態に係る細胞識別装置100によれば、正常細胞の光路長変化量に基づいて算出した閾値THを用いて、細胞TCに光を照射したときに計測される光路長変化量ΔOPLに基づいて、細胞を識別することができる。また、本実施形態に係る細胞識別装置100によれば、細胞TCに光を照射したときに計測される光路長変化量ΔOPLに基づいて細胞を識別することができるので、細胞の位相差を測定することなく、且つ、複雑な処理(例えば位相unwrapping処理、フーリエ変換処理)を行うことなく、簡易に細胞を識別することができる。更に、本実施形態に係る細胞識別装置100によれば、細胞TCに光を照射したときに計測される光路長変化量ΔOPLに基づいて細胞を識別することができるので、識別結果を表示することでユーザー(診断医など)に容易に癌細胞などの異常細胞を認識させることができる。すなわち、本実施形態に係る細胞識別装置100によれば、計測した光路長変化量ΔOPLに基づいて、精度よく、細胞を識別することができる。
実施形態に係る細胞識別装置100を含む実施例を用いて、本発明を説明する。
[実施例1]
本発明の実施例1に係る細胞識別装置100Eを用いて、本発明を説明する。
[細胞識別装置の構成]、[細胞識別装置の機能]及び[解析手段の動作の例]
本実施例に係る細胞識別装置100Eの構成等を図1〜図13に示す。ここで、細胞識別装置100Eの構成等は、実施形態に係る細胞識別装置100の構成等と同様のため、説明を省略する。
なお、本実施例に係る細胞識別装置100Eの仕様は、表1に示すように、非接触(及び非破壊)の計測、最大計測エリア100×100μm、測定波長(光源波長)632.8nmのレーザー、光路長分解能0.3nm、測定速度1〜100μm/s、空間分解能0.97μm(波長632.8nmで20倍の対物レンズを用いた場合)である。また、細胞識別装置100Eは、幅320mm、奥行き180mm、高さ290mmであり、可搬性に優れる。更に、細胞識別装置100Eは、細胞に照射する光の光路を鉛直方向とすることで、識別する細胞において重力の影響を低減することができる。
[細胞状態を解析する動作]
本実施例に係る細胞識別装置100Eが細胞状態を解析(細胞を識別)する動作を、図14〜図18を用いて説明する。なお、細胞識別装置100Eは、複数の細胞を識別するために、後述する図14のステップS1401〜ステップS1404の動作を夫々の細胞に対して夫々実施する。
図14に示すように、本実施例に係る細胞識別装置100Eは、先ず、ステップS1401において、ユーザーによって、光学系21の一対のガラス板の間隙(図3(b)のガラス板21guとガラス板21gdとの間隙)に識別する細胞TCを配置される。その後、細胞識別装置100Eは、ステップS1402に進む。
細胞識別装置100Eは、本実施例では、接着型の配置方法で細胞TCを配置する。具体的には、図15に示すように、細胞識別装置100Eは、先ず、ガラス板21gd上に細胞TCを接着される(図15(a))。次に、細胞識別装置100Eは、ガラス板21gd上にスペーサ21S(本実施例では厚みが50μmのシムリング)を配置される(図15(b))。次いで、細胞識別装置100Eは、ガラス板21gd上に細胞TCが乾燥することを防止するために、生理食塩水Wnを滴下される(図15(c))。その後、細胞識別装置100Eは、スペーサ21S(ガラス板21gd)上にガラス板21guを配置される(図15(d))。これにより、細胞識別装置100Eは、接着型の配置方法(例えば図3(b))で細胞TCを配置することができる。
次に、ステップS1402において、細胞識別装置100Eは、計測手段20の光学系21及びフィードバック制御部22(図1)を用いて、配置した細胞に照射する光(物体光)の光路長をフィードバック制御する。本実施例に係る細胞識別装置100Eがフィードバック制御する動作は、実施形態に係る細胞識別装置100の動作と同様のため、説明を省略する。その後、細胞識別装置100Eは、ステップS1403に進む。
次いで、ステップS1403において、細胞識別装置100Eは、計測手段20の電圧検出部23(図1)を用いて、フィードバック制御部22が光路長を変更したときの(ステップS1402)、ミラーMPZTを駆動するピエゾ素子PZT(図2)に印加した印加電圧VPZTを検出する。その後、細胞識別装置100Eは、ステップS1404に進む。
ステップS1404において、細胞識別装置100Eは、計測手段20の光路長変換部24(図1)を用いて、実施形態に係る細胞識別装置100と同様に、電圧検出部23が検出した印加電圧VPZT(ステップS1403)を光路長変化量ΔOPLに変換する。その後、細胞識別装置100Eは、ステップS1405に進む。
図17に、細胞識別装置100Eが計測した光路長変化量ΔOPLの例を示す。ここで、図17(a)は、正常細胞の場合の光路長変化量ΔOPL(横軸)に対するピクセル数Np(縦軸)である。図17(b)は、転移性癌細胞の場合の光路長変化量ΔOPL(横軸)に対するピクセル数Np(縦軸)である。図17(c)は、非転移性癌細胞の場合の光路長変化量ΔOPL(横軸)に対するピクセル数Np(縦軸)である。また、図17は、細胞をxy平面(図3(c))で計測したときの1万個の光路長変化量ΔOPLの分布(ヒストグラム)を示す。すなわち、図17は、1pixel×1pixelに対応する光路長変化量ΔOPLを100pixel×100pixel(1万個)の範囲で計測した結果である。
次に、ステップS1405において、細胞識別装置100Eは、解析手段30の画像生成部31(図1)を用いて、光路長変換部24で変換された光路長変化量ΔOPLに基づいて画像を生成する。その後、細胞識別装置100Eは、ステップS1406に進む。なお、細胞識別装置100Eは、ステップS1405を実施しないで、ステップS1406に進んでもよい。
次に、ステップS1406において、細胞識別装置100Eは、解析手段30のデータ抽出部32(図1)を用いて、計測手段20が計測した複数の光路長変化量ΔOPL(ステップS1401〜ステップS1404)から特定の光路長変化量を抽出する。
具体的には、細胞識別装置100E(データ抽出部32)は、細胞が正常細胞であるか又は癌細胞であるかを識別するために、正常細胞の複数の位置に対応する複数の光路長変化量ΔOPLから所定の数の光路長変化量を抽出する。ここで、細胞識別装置100E(データ抽出部32)は、本実施例では、正常細胞の複数の光路長変化量ΔOPL(図17(a))のうちの値が大きい方から所定の数(例えば上位5%の500個)の光路長変化量を抽出することができる。なお、データ抽出部32が所定の数の光路長変化量を抽出する動作は、前述の[3.解析手段の動作の例(データの抽出及び閾値の設定)]で説明した動作(図8のステップS802及びステップS803)と同様のため、説明を省略する。
その後、細胞識別装置100Eは、ステップS1407に進む。
ステップS1407において、細胞識別装置100Eは、解析手段30の閾値算出部33(図1)を用いて、データ抽出部32が抽出した所定の数の光路長変化量ΔOPLに基づいて、細胞を識別する閾値を算出する。具体的には、細胞識別装置100E(閾値算出部33)は、本実施例では、閾値THとして、データ抽出部32が抽出した複数の光路長変化量ΔOPLの平均値を算出することができる。なお、閾値算出部33が閾値を算出(設定)する動作は、前述する[3.解析手段の動作の例(データの抽出及び閾値の設定)]で説明した動作(図8のステップS804及びステップS805)と同様のため、説明を省略する。
その後、細胞識別装置100Eは、ステップS1408に進む。
具体的には、細胞識別装置100E(画像生成部31)は、本実施例では、光路長変化量の分布画像(光路長変化量画像)を生成することができる。すなわち、細胞識別装置100E(画像生成部31)は、正常細胞又は癌細胞を強調する画像を生成することができる。
図16に、本実施例に係る細胞識別装置100E(例えば、位相差顕微鏡装置(IX71、DP71(オリンパス株式会社))など)の計測結果(位相差画像)及び細胞識別装置100Eの解析結果(光路長変化量画像)の一例を示す。ここで、図16(a)は、乳腺(正常細胞)の位相差画像である。図16(b)は、乳腺(正常細胞)の光路長変化量画像である。図16(c)は、乳がん細胞(異常細胞、癌細胞)の位相差画像である。図16(d)は、乳がん細胞(異常細胞、癌細胞)の光路長変化量画像である。図16(e)は、皮膚細胞(正常細胞)の位相差画像である。図16(f)は、皮膚細胞(正常細胞)の光路長変化量画像である。図16(g)は、皮膚がん細胞(異常細胞、癌細胞)の位相差画像である。図16(h)は、皮膚がん細胞(異常細胞、癌細胞)の光路長変化量画像である。
細胞識別装置100E(画像生成部31)は、正常細胞又は癌細胞を強調する光路長変化量画像(例えば図16(b)、(d)、(f)及び(h))を生成することができる。画像生成部31は、例えば図16(a)及び図16(c)に示すように、正常細胞及びがん細胞の大きさがほぼ同じ場合で、識別が困難なときでも、光路長変化量ΔOPLが高い値の部分を強調する(図16(d))ことによって、正常細胞と乳がん細胞とを容易に識別することができる。また、画像生成部31は、例えば図16(e)及び図16(g)に示すように、形状では識別困難な皮膚がん細胞の場合でも、光路長変化量ΔOPLが高い値の部分を強調する(図16(h))ことによって、正常細胞と皮膚がん細胞とを容易に識別することができる。
これにより、細胞識別装置100Eは、生成した画像を表示部(図1の出力部52)に表示することによって、表示部を見たユーザー(診断医など)に容易に癌細胞を認識させることができる。また、細胞識別装置100E(画像生成部31)は、ユーザーに光路長変化量画像の分布を確認させることで、正常細胞とがん細胞との違いを明確に、定量的に確認することができる。
ステップS1408において、細胞識別装置100Eは、解析手段30の細胞識別部34(図1)を用いて、閾値算出部33が算出した閾値THに基づいて、複数の細胞を識別する。
具体的には、細胞識別装置100E(細胞識別部34)は、本実施例では、例えば図18に示すように、閾値THとして光路長変化量245nmを算出された場合に(ステップS1407)、閾値THを境に、複数の細胞の正常細胞Cr及びがん細胞Ccに識別することができる。ここで、図18の横軸は、光路長変化量ΔOPLである。また、図18の縦軸は、該当する細胞の数Nsである。
細胞識別装置100E(細胞識別部34)は、ステップS1406及びステップS1407の動作と同様に、細胞の複数の位置の複数の光路長変化量ΔOPLにおいて、値が大きい方から所定の数(例えば本実施例では上位5%)の光路長変化量を抽出し、抽出した所定の数の光路長変化量ΔOPLの平均値を細胞の光路長変化量ΔOPLとして用いることができる。なお、所定の数は、閾値を算出したときの所定の数と同様の数を用いることができる。
その後、細胞識別装置100Eは、図中のENDに進み、細胞状態を解析(細胞を識別)する動作を終了する。
以上により、本発明の実施例1に係る細胞識別装置100Eによれば、実施形態に係る細胞識別装置100と同様の効果を得ることができる。
[実施例1の変形例1]
本発明の実施例1の変形例1に係る細胞識別装置110Eを用いて、本発明を説明する。
[細胞識別装置の構成]、[細胞識別装置の機能]及び[解析手段の動作の例]
本変形例に係る細胞識別装置110Eの構成等を図1等に示す。
図1等に示すように、本変形例に係る細胞識別装置110Eの構成等は、前述の実施例1に係る細胞識別装置100Eの構成等と同様のため、説明を省略する。
[細胞状態を解析する動作]
本変形例に係る細胞識別装置110Eが細胞状態を解析(細胞を識別)する動作を、図14〜図17及び図19〜図24を用いて説明する。ここで、図19〜図24の横軸は、光路長変化量ΔOPLである。また、図19〜図24の縦軸は、該当する細胞の数Nsである。なお、本変形例に係る細胞識別装置110Eが細胞状態を解析する動作は、前述の実施例1に係る細胞識別装置100Eの動作と基本的に同様のため、異なる部分を主に説明する。
図14に示すように、本変形例に係る細胞識別装置110Eは、実施例1に係る細胞識別装置100Eと同様に、ステップS1401〜S1404において、計測手段20の光路長変換部24等を用いて、電圧検出部23が検出した印加電圧VPZTを光路長変化量ΔOPLに変換する。その後、細胞識別装置110Eは、ステップS1405に進む。
ステップS1405において、細胞識別装置110Eは、解析手段30の画像生成部31(図1)を用いて、光路長変換部24で変換された光路長変化量ΔOPLに基づいて画像を生成する。その後、細胞識別装置110Eは、ステップS1406に進む。なお、細胞識別装置110Eは、ステップS1405を実施しないで、ステップS1406に進んでもよい。
ステップS1406において、細胞識別装置110Eは、本変形例では、解析手段30のデータ抽出部32等を用いて、計測手段20が計測した複数の光路長変化量ΔOPLから複数の光路長変化量の群を抽出する。
具体的には、細胞識別装置110E(データ抽出部32)は、算出する閾値(ステップS1407)の精度を高めるために、正常細胞の複数の光路長変化量ΔOPL(図17(a))のうちの値が大きい方から複数の割合の光路長変化量の群(例えば上位1%、2%、3%、4%、5%及び6%)を抽出する。細胞識別装置110E(データ抽出部32)は、例えば上位1%、2%、3%、4%、5%及び6%に対応する複数の割合の光路長変化量の群として、図19(上位1%の場合)、図20(上位2%の場合)、図21(上位3%の場合)、図22(上位4%の場合)、図23(上位5%の場合)、図24(上位6%の場合)の光路長変化量の群を夫々抽出することができる。
その後、細胞識別装置110Eは、ステップS1407に進む。
ステップS1407において、細胞識別装置110Eは、解析手段30の閾値算出部33(図1)を用いて、複数の割合の光路長変化量の群に対応する複数の閾値領域を算出する。
具体的には、細胞識別装置110E(閾値算出部33)は、本変形例では、先ず、上位1%、2%、3%、4%、5%及び6%に対応する割合の光路長変化量の群に対応する閾値領域として、図20〜図23に示すように、閾値領域Rth2、Rth3、Rth4及びRth5を算出する。なお、図19及び図24の上位1%及び6%の場合では、閾値領域が存在しない。次いで、細胞識別装置110E(閾値算出部33)は、算出した閾値領域Rth2等から絶対値の一番大きい閾値領域に対応する光路長変化量の群の閾値を、細胞を識別する閾値THとして選択(算出)する。ここで、細胞識別装置110E(閾値算出部33)は、2%又は3%の閾値(例えば閾値領域Rth2又はRth3の中間値)を閾値THとして選択することができる。
その後、細胞識別装置110Eは、ステップS1408に進む。
本変形例に係る細胞識別装置110Eのその他の動作は、前述の実施例1に係る細胞識別装置100Eの動作と基本的に同様のため、説明を省略する。
以上により、本発明の実施例1の変形例1に係る細胞識別装置110Eによれば、実施例1に係る細胞識別装置100Eと同様の効果を得ることができる。また、本変形例に係る細胞識別装置110Eによれば、閾値算出部33を用いて複数の割合の光路長変化量の群に対応する複数の閾値領域を算出することができるので、算出した複数の閾値領域で領域の幅が広い閾値領域に対応する光路長変化量の群を用いて閾値を算出(選択)することができる。更に、本変形例に係る細胞識別装置110Eによれば、複数の割合の光路長変化量の群に対応する複数の閾値から閾値領域の幅が広い閾値領域に対応する閾値を選択することができるので、選択した閾値を用いて細胞を識別する精度を向上することができる。
[実施例1の変形例2]
本発明の実施例1の変形例2に係る細胞識別装置120Eを用いて、本発明を説明する。
[細胞識別装置の構成]、[細胞識別装置の機能]及び[解析手段の動作の例]
本変形例に係る細胞識別装置120Eの構成等を図1等に示す。
図1等に示すように、本変形例に係る細胞識別装置120Eの構成等は、前述の実施例1に係る細胞識別装置100Eの構成等と同様のため、説明を省略する。
[細胞状態を解析する動作]
本変形例に係る細胞識別装置120Eが細胞状態を解析(細胞を識別)する動作を、図14〜図17及び図25を用いて説明する。なお、本変形例に係る細胞識別装置120Eが細胞状態を解析する動作は、前述の実施例1に係る細胞識別装置100Eの動作と基本的に同様のため、異なる部分を主に説明する。
図14に示すように、本変形例に係る細胞識別装置120Eは、実施例1に係る細胞識別装置100Eと同様に、ステップS1401〜S1404において、計測手段20の光路長変換部24等を用いて、電圧検出部23が検出した印加電圧VPZTを光路長変化量ΔOPLに変換する。その後、細胞識別装置120Eは、ステップS1405に進む。
ステップS1405において、細胞識別装置120Eは、解析手段30の画像生成部31(図1)を用いて、光路長変換部24で変換された光路長変化量ΔOPLに基づいて画像を生成する。その後、細胞識別装置120Eは、ステップS1406に進む。なお、細胞識別装置120Eは、ステップS1405を実施しないで、ステップS1406に進んでもよい。
次に、ステップS1406において、細胞識別装置120Eは、解析手段30のデータ抽出部32(図1)を用いて、計測手段20が計測した複数の光路長変化量ΔOPL(ステップS1401〜ステップS1404)から特定の光路長変化量を抽出する。
具体的には、細胞識別装置120E(データ抽出部32)は、本変形例では、癌細胞が転移性癌細胞であるか又は非転移性癌細胞であるかを識別するために、正常細胞の場合と同様に、転移性癌細胞の複数の位置に対応する複数の光路長変化量ΔOPL(図17(b))から所定の数の光路長変化量を更に抽出する。
その後、細胞識別装置120Eは、ステップS1407に進む。
ステップS1407において、細胞識別装置120Eは、解析手段30の閾値算出部33(図1)を用いて、データ抽出部32が抽出した所定の数の光路長変化量ΔOPLに基づいて、細胞を識別する閾値及び第2の閾値を算出する。具体的には、細胞識別装置120E(閾値算出部33)は、本変形例では、閾値THとして、データ抽出部32が抽出した正常細胞の複数の光路長変化量ΔOPLの平均値を算出することができる。また、細胞識別装置120E(閾値算出部33)は、第2の閾値TH2として、データ抽出部32が抽出した転移性癌細胞の複数の光路長変化量ΔOPLの平均値を算出することができる。
その後、細胞識別装置120Eは、ステップS1408に進む。
ステップS1408において、細胞識別装置120Eは、解析手段30の細胞識別部34(図1)を用いて、閾値算出部33が算出した閾値TH及び第2の閾値TH2を用いて、複数の細胞を識別する。その後、細胞識別装置120Eは、図中のENDに進み、細胞状態を解析(細胞を識別)する動作を終了する。
図25に、本変形例に係る細胞識別装置120E(細胞識別部34)が閾値TH及び第2の閾値TH2を用いて複数の細胞を識別する動作を具体的に示す。
図25に示すように、細胞識別装置120E(細胞識別部34)は、本変形例では、ステップS2501において、識別する細胞の光路長変化量ΔOPLが閾値TH以下か否かを判断する。識別する細胞の光路長変化量ΔOPLが閾値TH以下の場合には、細胞識別装置120E(細胞識別部34)は、ステップS2502に進む。それ以外の場合には、細胞識別装置120E(細胞識別部34)は、ステップS2503に進む。
ステップS2502において、細胞識別装置120E(細胞識別部34)は、細胞を正常細胞と識別する。この後、細胞識別装置120Eは、図中のENDに進み、細胞状態を解析(細胞を識別)する動作を終了する。
ステップS2503において、細胞識別装置120E(細胞識別部34)は、識別する細胞の光路長変化量ΔOPLが第2の閾値TH2以下か否かを判断する。識別する細胞の光路長変化量ΔOPLが第2の閾値TH2以下の場合には、細胞識別装置120E(細胞識別部34)は、ステップS2504に進む。それ以外の場合には、細胞識別装置120E(細胞識別部34)は、ステップS2505に進む。
ステップS2504において、細胞識別装置120E(細胞識別部34)は、細胞を転移性癌細胞と識別する。この後、細胞識別装置120Eは、図中のENDに進み、細胞状態を解析(細胞を識別)する動作を終了する。
一方、ステップS2505において、細胞識別装置120E(細胞識別部34)は、細胞を非転移性癌細胞と識別する。この後、細胞識別装置120Eは、図中のENDに進み、細胞状態を解析(細胞を識別)する動作を終了する。
以上により、本発明の実施例1の変形例2に係る細胞識別装置120Eによれば、実施例1に係る細胞識別装置100Eと同様の効果を得ることができる。また、本変形例に係る細胞識別装置120Eによれば、閾値算出部33を用いて第2の閾値TH2を算出することができるので、算出した閾値TH及び第2の閾値TH2を用いて、細胞が正常細胞、転移性癌細胞又は非転移性癌細胞であるかを識別することができる。また、本変形例に係る細胞識別装置120Eによれば、閾値算出部33が算出した閾値TH及び第2の閾値TH2を用いて、細胞が正常細胞、転移性癌細胞又は非転移性癌細胞であるかを識別することができるので、ユーザー(診断医など)が肉眼では判断できない細胞(例えば転移性癌細胞又は非転移性癌細胞)を容易にユーザーに認識させることができる。また、本変形例に係る細胞識別装置120Eによれば、ユーザーが光路長変化量画像の分布を確認することで、正常細胞とがん細胞との違いを明確に、定量的に確認することができる。
[実施例2]
本発明の実施例2に係る細胞識別装置200Eを用いて、本発明を説明する。
[細胞識別装置の構成]
本実施例に係る細胞識別装置200Eの構成等を図1等及び図26に示す。細胞識別装置200Eの構成等は、実施形態に係る細胞識別装置100の構成と基本的に同様のため、異なる部分を主に説明する。
本実施例に係る細胞識別装置200Eは、デジタルホログラフィ技術を用いて、識別する細胞の位相情報(及び振幅)を計測する。
具体的には、細胞識別装置200Eは、図26に示すように、細胞(Sample)のフレネル回折光Ldと参照光Lrの干渉縞をビームスプリッタBSで生成し、ホログラム(干渉縞画像)としてイメージセンサCCDで取得する。次に、細胞識別装置200Eは、コンピュータPC等を用いて、取得したホログラムの像再生を行なう。これにより、細胞識別装置200Eは、細胞の位相情報(及び振幅)を取得することができる。
なお、細胞識別装置200Eの光学系21等は、図26に示すものに限定されない。すなわち、細胞識別装置200Eは、デジタルホログラフィに関する公知の技術を用いて,識別する細胞の位相情報を計測することができる構成を用いることができる。
[細胞状態を解析する動作]
本実施例に係る細胞識別装置200Eが細胞状態を解析(細胞を識別)する動作を、図27及び図28を用いて説明する。
図27に示すように、本実施例に係る細胞識別装置200Eは、先ず、ステップS2701において、ユーザーによって、光学系21の一対のガラス板の間隙(例えば図3(b)のガラス板21guとガラス板21gdとの間隙)に識別する細胞TCを配置される。その後、細胞識別装置200Eは、ステップS2702に進む。
次に、ステップS2702において、細胞識別装置200Eは、光学系(図26)を用いて、細胞のフレネル回折光Ldと参照光Lrのホログラム(干渉縞画像)をイメージセンサCCDで取得する。その後、細胞識別装置200Eは、ステップS2703に進む。
次いで、ステップS2703において、細胞識別装置200Eは、デジタルホログラフィ技術を用いて、取得したホログラムに基づいて、細胞の位相情報(及び振幅)を取得(算出)する。また、細胞識別装置200Eは、取得した位相情報を用いて、位相差画像を生成する。なお、細胞識別装置200Eは、取得した位相情報を数2に代入することによって光路長変化量ΔOPLを算出し、算出した光路長変化量ΔOPLを用いて光路長変化量画像を生成してもよい。
その後、細胞識別装置200Eは、ステップS2704に進む。
図28に、本実施例に係る細胞識別装置200Eが生成した位相差画像の一例を示す。ここで、図28(a)は、4mm×4mmの領域内の複数の細胞の位相差画像である。図28(b)は、図28(a)の領域内における一つの細胞Rbを抽出して拡大した拡大図である。
本実施例に係る細胞識別装置200Eは、複数の細胞を同時に撮像し、デジタルホログラフィ技術を用いて、複数の細胞の位相情報を一回の動作で取得することができる。このため、本実施例に係る細胞識別装置200Eは、識別する細胞が複数である場合に、細胞の位相情報(光路長変化量ΔOPL)を取得する動作に要する時間を短縮することができる。
次に、ステップS2704において、細胞識別装置200Eは、生成した画像(位相差画像又は光路長変化量画像)から、識別する細胞に対応する画像を抽出する(図28(b))。その後、細胞識別装置200Eは、ステップS2705に進む。
ステップS2705において、細胞識別装置200Eは、解析手段30の細胞識別部34(図1)を用いて、閾値算出部33が算出した閾値TH(及び第2の閾値TH2)を用いて、抽出した細胞を識別する。その後、細胞識別装置200Eは、図中のENDに進み、細胞状態を解析(細胞を識別)する動作を終了する。
ここで、細胞識別装置200Eは、実施形態に係る細胞識別装置100又は実施例1に係る細胞識別装置100E等と同様に(例えば図14のステップS1408)、抽出した画像における細胞の光路長変化量ΔOPL(又は位相差)に基づいて、細胞を識別することができる。
以上により、本発明の実施例2に係る細胞識別装置200Eによれば、デジタルホログラフィ技術を用いて、複数の細胞の位相情報(又は光路長変化量ΔOPL)を一回の動作で取得することができるので、複数の細胞の位相情報(光路長変化量ΔOPL)を取得する動作に要する時間を短縮することができる。また、本実施例に係る細胞識別装置200Eによれば、複数の細胞の位相情報(光路長変化量ΔOPL)を一回の動作で取得することができるので、例えばCTC検査に本発明を用いた場合に、検査に要する時間を短縮することができる。すなわち、本実施例に係る細胞識別装置200Eによれば、血液10ml当たり数個から数十個の血中循環がん細胞(CTC)を検出する場合に、短時間で多数の細胞を識別することができるため、CTC検査において特に有利な効果を有する。
また、本発明の実施例2に係る細胞識別装置200Eによれば、実施形態に係る細胞識別装置100と同様の効果を得ることができる。
[実施例3]
本発明の実施例3に係る細胞識別装置300Eを用いて、本発明を説明する。
[細胞識別装置の構成]、[細胞識別装置の機能]及び[解析手段の動作の例]
本実施例に係る細胞識別装置300Eの構成等を図1等に示す。細胞識別装置300Eの構成等は、実施形態に係る細胞識別装置100の構成等と基本的に同様のため、説明を省略する。なお、細胞識別装置300Eは、本実施例では、正常細胞として白血球細胞、異常細胞として白血病細胞、乳がん細胞(非転移性乳がん細胞、転移性乳がん細胞)を識別する。
[細胞状態を解析する動作]
本実施例に係る細胞識別装置300Eが細胞状態を解析(細胞を識別)する動作を、図14及び図29〜図37を用いて説明する。
図14に示すように、本実施例に係る細胞識別装置300Eは、先ず、ステップS1401において、ユーザーによって、光学系21の一対のガラス板の間隙に識別する細胞TCを配置される。その後、細胞識別装置300Eは、ステップS1402に進む。
細胞識別装置300Eは、本実施例では、単離系の細胞TCを配置する。具体的には、図29に示すように、細胞識別装置300Eは、先ず、ピペットPpを用いて、液体Ln中に浮遊している細胞TC(図29(a))をガラス板21gd上に滴下される(図29(b))。次に、細胞識別装置300Eは、ガラス板21gd上にスペーサ21S(本実施例では厚みが50μmのシムリング)を配置される(図29(c))。次いで、細胞識別装置300Eは、スペーサ21S(ガラス板21gd)上にガラス板21guを配置される(図29(d))。これにより、細胞識別装置300Eは、単離系の細胞TCを配置することができる(図30)。
次に、ステップS1402〜ステップS1404において、細胞識別装置300Eは、実施例1に係る細胞識別装置100Eの動作と同様に、光路長変化量ΔOPLに計測する。その後、細胞識別装置300Eは、実施例1に係る細胞識別装置100Eの動作と同様に、ステップS1405又はステップS1406に進み、次にステップS1407に進む。なお、データ抽出部32が所定の数の光路長変化量を抽出する動作は、前述の[3.解析手段の動作の例(データの抽出及び閾値の設定)]で説明した動作と同様である。
ステップS1407において、細胞識別装置300Eは、解析手段30の閾値算出部33(図1)を用いて、データ抽出部32が抽出した所定の数の光路長変化量ΔOPLに基づいて、細胞を識別する閾値を算出する。具体的には、細胞識別装置300E(閾値算出部33)は、本実施例では、最小値のエラーレートERに対応するnth(所定の数)を選択し、選択したnth(所定の数)を用いて算出した平均値AOPDを閾値として設定する(図8のステップS806及びステップS807)。
ここで、細胞識別装置300E(閾値算出部33)は、本実施例では、正常細胞(白血球細胞)と異常細胞(白血病細胞など)を識別する閾値THとしてデータ抽出部32が抽出した正常細胞の複数の光路長変化量ΔOPLの平均値を算出するとともに、白血病細胞と乳がん細胞とを識別する第2の閾値TH2として白血病細胞の複数の光路長変化量ΔOPLの平均値を更に算出する。
その後、細胞識別装置300Eは、ステップS1408に進む。
図32に、本実施例に係る細胞識別装置300E(例えば、位相差顕微鏡装置(IX71、DP71(オリンパス株式会社))など)の計測結果(位相差画像)及び細胞識別装置300Eの解析結果(光路長変化量画像)の一例を示す。ここで、図32(a)は、正常細胞(白血球細胞)の位相差画像である。図32(b)は、正常細胞(白血球細胞)の光路長変化量画像である。図32(c)は、異常細胞(白血病細胞)の位相差画像である。図32(d)は、異常細胞(白血病細胞)の光路長変化量画像である。図32(e)は、異常細胞(非転移性乳がん細胞)の位相差画像である。図32(f)は、異常細胞(非転移性乳がん細胞)の光路長変化量画像である。図32(g)は、異常細胞(転移性乳がん細胞)の位相差画像である。図32(h)は、異常細胞(転移性乳がん細胞)の光路長変化量画像である。
細胞識別装置300E(画像生成部31)は、光路長変化量ΔOPLを用いて、正常細胞又は異常細胞を強調する光路長変化量画像(例えば図32(b)、(d)、(f)及び(h))を生成する。画像生成部31は、例えば図32(a)及び図32(c)に示すように、正常細胞及び異常細胞の大きさがほぼ同じ場合で、識別が困難なときでも、光路長変化量ΔOPLが高い値の部分を強調する(図32(d))ことによって、正常細胞(白血球細胞)と異常細胞(白血病細胞)とを容易に識別することができる。また、画像生成部31は、例えば図32(e)及び図32(g)に示すように、形状では識別困難な非転移性乳がん細胞と転移性乳がん細胞とを、光路長変化量ΔOPLが高い値の部分を強調する(図32(f))ことによって容易に識別することができる。
ステップS1408において、細胞識別装置300Eは、解析手段30の細胞識別部34(図1)を用いて、閾値算出部33が算出した閾値TH及び第2の閾値TH2に基づいて、複数の細胞を識別する。その後、細胞識別装置300Eは、図中のENDに進み、細胞状態を解析(細胞を識別)する動作を終了する。
図31に、本実施例に係る細胞識別装置300E(細胞識別部34)が閾値TH及び第2の閾値TH2を用いて複数の細胞を識別する動作を具体的に示す。
図31に示すように、細胞識別装置300E(細胞識別部34)は、ステップS3101において、識別する細胞の光路長変化量ΔOPLが閾値TH以下か否かを判断する。識別する細胞の光路長変化量ΔOPLが閾値TH以下の場合には、細胞識別装置300Eは、ステップS3102に進む。それ以外の場合には、細胞識別装置300Eは、ステップS3103に進む。
ステップS3102において、細胞識別装置300Eは、細胞を正常細胞(白血球細胞)と識別する。この後、細胞識別装置300Eは、図中のENDに進み、細胞状態を解析(細胞を識別)する動作を終了する。
一方、ステップS3103において、細胞識別装置300E(細胞識別部34)は、識別する細胞の光路長変化量ΔOPLが第2の閾値TH2以下か否かを判断する。識別する細胞の光路長変化量ΔOPLが第2の閾値TH2以下の場合には、細胞識別装置300Eは、ステップS3104に進む。それ以外の場合には、細胞識別装置300Eは、ステップS3105に進む。
ステップS3104において、細胞識別装置300E(細胞識別部34)は、細胞を異常細胞(白血病細胞)と識別する。この後、細胞識別装置300Eは、図中のENDに進み、細胞状態を解析(細胞を識別)する動作を終了する。
また、ステップS3105において、細胞識別装置300E(細胞識別部34)は、細胞を異常細胞(乳がん細胞)と識別する。この後、細胞識別装置300Eは、図中のENDに進み、細胞状態を解析(細胞を識別)する動作を終了する。なお、細胞識別装置300Eは、乳がん細胞において非転移性乳がん細胞と転移性乳がん細胞とを識別する第3の閾値を更に用いて、非転移性乳がん細胞と転移性乳がん細胞とを識別してもよい。
以上により、本発明の実施例3に係る細胞識別装置300Eによれば、実施例1に係る細胞識別装置100Eと同様の効果を得ることができる。また、本実施例に係る細胞識別装置300Eによれば、算出した閾値TH及び第2の閾値TH2を用いて、細胞が正常細胞(白血球細胞)又は異常細胞(白血病細胞、非転移性乳がん細胞、転移性乳がん細胞)であるかを識別することができる。更に、本実施例に係る細胞識別装置300Eによれば、閾値TH及び第2の閾値TH2を用いて、細胞が正常細胞又は異常細胞であるかを識別することができるので、ユーザー(診断医など)が肉眼では判断できない細胞を容易にユーザーに認識させることができるとともに、光路長変化量画像の分布を確認することで正常細胞と異常細胞との違いを明確に定量的に確認することができる。
また、本発明の実施例3に係る細胞識別装置300Eによれば、単離系の複数の細胞TCの位相情報(光路長変化量ΔOPL)を取得することができるので、例えばCTC検査に本発明を用いた場合に検査に要する時間を短縮することができる。すなわち、本実施例に係る細胞識別装置300Eによれば、血液10ml当たり数個から数十個の血中循環がん細胞(CTC)を検出する場合に、短時間で多数の細胞を識別することができるため、CTC検査において特に有利な効果を有する。
[実験結果]
図33〜図37に、正常細胞(白血球細胞Crを20サンプル)及び異常細胞(白血病細胞Leを15サンプル、乳がん細胞Bcを5サンプル)について、本実施例に係る細胞識別装置300Eが計測した光路長変化量ΔOPLの実験結果を示す。ここで、図33は、上位2%の平均の光路長変化量ΔOPLの実験結果である。図34は、上位4%の平均の光路長変化量ΔOPLの実験結果である。図35は、上位6%の平均の光路長変化量ΔOPLの実験結果である。図36は、上位8%の平均の光路長変化量ΔOPLの実験結果である。図37は、上位10%の平均の光路長変化量ΔOPLの実験結果である。
図33(上位2%)に示すように、細胞識別装置300Eは、閾値(横軸の光路長変化量ΔOPL)を160〜200nmの範囲内の値にすることによって、白血球細胞Cr(正常細胞)と白血病細胞Le(異常細胞)とを識別することができる。なお、図34(上位4%)〜図37(上位10%)では、細胞識別装置300E(解析手段30)は閾値を設定することは困難である。すなわち、細胞識別装置300E(解析手段30)は正常細胞と異常細胞とを識別することは困難である。
図37(上位10%)に示すように、細胞識別装置300Eは、第2の閾値(横軸の光路長変化量ΔOPL)を270nmの値にすることによって、白血病細胞Le(異常細胞)と乳がん細胞Bc(異常細胞)とを識別することができる。なお、図33(上位2%)〜図36(上位8%)では、細胞識別装置300E(解析手段30)は第2の閾値を設定することは困難である。すなわち、細胞識別装置300E(解析手段30)は異常細胞の種類(白血病細胞Le、乳がん細胞Bc)を識別することは困難である。
本発明は、前述した細胞識別装置以外でも、例えば、工業、医療、バイオ、農業、セキュリティ又は情報通信・エレクトロニクスなどにおいて、物体に光を照射して光路長変化量を測定し、測定した光路長変化量を用いて物体の性質を解析(識別など)するものに用いることができる。
100,100E,110E,120E,200E,300E : 細胞識別装置
10 : 制御手段
20 : 計測手段
21 : 光学系
22 : フィードバック制御部
23 : 電圧検出部
24 : 光路長変換部
30 : 解析手段
31 : 画像生成部
32 : データ抽出部
33 : 閾値算出部
34 : 細胞識別部
40 : 記憶手段
50 : I/F手段
51 : 入力部
52 : 出力部(表示部など)
Pr : プログラム
Md : 記憶媒体
TH : 閾値
TH2: 第2の閾値
Rth2〜Rth5: 閾値領域

Claims (14)

  1. 細胞に光を照射したときに計測される光路長変化量を用いて、前記細胞を識別する細胞識別装置であって、
    前記細胞を透過したときの前記光の強度に基づいて、前記光路長変化量を計測する計測手段と、
    正常細胞の光路長変化量に基づいて算出した閾値を用いて、前記細胞を識別する解析手段と
    を有することを特徴とする細胞識別装置。
  2. 前記解析手段は、前記正常細胞の複数の位置に対応する複数の光路長変化量を抽出し、抽出した前記複数の光路長変化量の平均値を算出し、算出した前記平均値を前記閾値とする、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の細胞識別装置。
  3. 前記解析手段は、前記正常細胞の複数の位置に対応する複数の光路長変化量を抽出し、抽出した前記複数の光路長変化量について複数の平均値を算出し、算出した前記複数の平均値においてエラーレートに基づいて前記閾値を設定する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の細胞識別装置。
  4. 前記解析手段は、前記閾値以下の前記光路長変化量の前記細胞を正常な細胞とし、該閾値を越える該光路長変化量の該細胞を異常な細胞とする、ことを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の細胞識別装置。
  5. 前記解析手段は、前記癌細胞の転移性癌細胞の複数の位置に対応する複数の光路長変化量に基づいて算出される第2の閾値を用いて、前記閾値を越え且つ前記第2の閾値以下の光路長変化量の癌細胞を転移性癌細胞とし、該第2の閾値を越える光路長変化量の癌細胞を非転移性癌細胞とする、ことを特徴とする、請求項4に記載の細胞識別装置。
  6. 前記解析手段は、前記正常細胞の複数の光路長変化量のうちの値が大きい方から所定の数の光路長変化量を抽出する、ことを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の細胞識別装置。
  7. 前記計測手段は、前記細胞を透過しない場合の前記光の強度と同一となるように、ピエゾ素子に電圧を印加して該細胞に照射する該光の光路長を変更し、印加した前記電圧に基づいて前記光路長変化量を計測する、ことを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の細胞識別装置。
  8. 計測した前記光路長変化量に基づいて、前記細胞の外形及び屈折率差若しくは位相差に対応する画像を生成する画像生成部と、生成した前記画像を表示する出力部とを更に有する、ことを特徴とする、請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の細胞識別装置。
  9. 複数の細胞に光を夫々照射して、複数の光路長変化量を計測する計測ステップと、
    正常細胞の光路長変化量に基づいて算出した閾値を用いて、前記複数の細胞を夫々識別する識別ステップと
    を含むことを特徴とする細胞識別方法。
  10. 前記識別ステップは、前記正常細胞の複数の位置に対応する複数の光路長変化量を抽出し、抽出した前記複数の光路長変化量の平均値を算出し、算出した前記平均値を前記閾値とする、
    ことを特徴とする、請求項9に記載の細胞識別方法。
  11. 前記識別ステップは、前記正常細胞の複数の位置に対応する複数の光路長変化量を抽出し、抽出した前記複数の光路長変化量について複数の平均値を算出し、算出した前記複数の平均値においてエラーレートに基づいて前記閾値を設定する、
    ことを特徴とする、請求項9に記載の細胞識別方法。
  12. 前記計測ステップは、前記細胞に照射する前記光の光路長を変更する変更ステップと、前記細胞を透過しない場合の前記光の強度と同一となるように、該細胞に照射する該光の光路長を変更するフィードバック制御ステップとを含む、ことを特徴とする、請求項9乃至請求項11のいずれか一項に記載の細胞識別方法。
  13. 請求項9乃至請求項12のいずれか一項に記載の細胞識別方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  14. 請求項13に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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