JP2014038677A - 光情報記録媒体および光情報記録媒体用積層体 - Google Patents

光情報記録媒体および光情報記録媒体用積層体 Download PDF

Info

Publication number
JP2014038677A
JP2014038677A JP2012181030A JP2012181030A JP2014038677A JP 2014038677 A JP2014038677 A JP 2014038677A JP 2012181030 A JP2012181030 A JP 2012181030A JP 2012181030 A JP2012181030 A JP 2012181030A JP 2014038677 A JP2014038677 A JP 2014038677A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
optical information
recording medium
information recording
interface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012181030A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Ota
陽 太田
Shiori Tashiro
詩織 田代
Koichi Yasuda
宏一 保田
Hiroshi Uchiyama
浩 内山
Shinya Narumi
慎也 鳴海
Kenji Takayanagi
建治 高柳
Mitsuaki Oyamada
光明 小山田
Tetsuhiro Sakamoto
哲洋 坂本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2012181030A priority Critical patent/JP2014038677A/ja
Priority to TW102123497A priority patent/TW201411615A/zh
Priority to US13/959,046 priority patent/US20140050877A1/en
Publication of JP2014038677A publication Critical patent/JP2014038677A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/24Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material
    • G11B7/2403Layers; Shape, structure or physical properties thereof
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/24Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material
    • G11B7/2403Layers; Shape, structure or physical properties thereof
    • G11B7/24035Recording layers
    • G11B7/24038Multiple laminated recording layers
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/24Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material
    • G11B7/2403Layers; Shape, structure or physical properties thereof
    • G11B7/24035Recording layers
    • G11B7/24044Recording layers for storing optical interference patterns, e.g. holograms; for storing data in three dimensions, e.g. volume storage
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/24Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material
    • G11B7/241Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material characterised by the selection of the material
    • G11B7/242Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material characterised by the selection of the material of recording layers
    • G11B7/244Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material characterised by the selection of the material of recording layers comprising organic materials only
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/24Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material
    • G11B7/241Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material characterised by the selection of the material
    • G11B7/252Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material characterised by the selection of the material of layers other than recording layers
    • G11B7/257Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material characterised by the selection of the material of layers other than recording layers of layers having properties involved in recording or reproduction, e.g. optical interference layers or sensitising layers or dielectric layers, which are protecting the recording layers

Landscapes

  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

【課題】情報信号の記録に必要な光の照射パワーを低減することができる光情報記録媒体を提供する。
【解決手段】光情報記録媒体は、積層された複数の樹脂層と、樹脂層間の界面に設けられた無機層とを備える。樹脂層間の界面を境にして貯蔵弾性率が異なっている。樹脂層間の界面に情報信号が記録される。
【選択図】図1

Description

本技術は、光情報記録媒体およびそれに用いる光情報記録媒体用積層体に関する。詳しくは、光の照射により記録マークを形成可能な光情報記録媒体に関する。
従来、光情報記録媒体としては、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)およびBlu−ray Disc(登録商標)などが広く普及している。しかし、近年では、テレビのハイビジョン化やPC(Personal Computer)で取り扱うデータの急激な増大に伴い、光情報記録媒体の更なる大容量化が求められている。
そこで、光情報記録媒体を大容量化する方法の一つとして、光情報記録媒体の厚み方向に3次元的に情報を記録する方法が提案されている。このような方法を採用した光情報記録媒体として、記録層中に光子吸収によって発泡する記録材料を含有させておき、光ビームを照射することによりボイド(空孔)としての記録マークを形成する方式(以下、「ボイド記録方式」という。)がある(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、ボイド記録方式は、上述のようにボイドを記録マークとして形成する方式であるため、情報信号の記録には非常に高いレーザパワーが必要になる。そこで、情報信号の記録に必要なレーザパワーを低減すべく、積層した複数の樹脂層間の界面に記録マークを形成する方式が提案されている(例えば特許文献2参照)。
特開2008−176902号公報 特開2011−86327号公報
したがって、本技術の目的は、積層した複数の樹脂層間の界面に記録マークを形成することができる光情報記録媒体およびそれに用いる光情報記録媒体用積層体を提供することにある。
上述の課題を解決するために、第1技術は、
積層された複数の樹脂層と、
樹脂層間の界面に設けられた無機層と
を備え、
界面を境にして貯蔵弾性率が異なっており、
界面に情報信号が記録される光情報記録媒体である。
第2技術は、
積層された複数の樹脂層と、
樹脂層間の界面に設けられた無機層と
を備え、
界面を境にして貯蔵弾性率が異なっており、
界面に情報信号が記録される光情報記録媒体用積層体である。
本技術では、樹脂層間の界面を境にして貯蔵弾性率が異なっているので、界面近傍に光を照射すると、その近傍の界面が変形して記録マークが形成される。したがって、積層した複数の樹脂層間の界面に記録マークを形成することができる。また、界面に無機層を設けているので、情報信号記録時の熱伝導を制御して良好な記録マークを形成することができる。したがって、再生信号の波形を改善することができる。
以上説明したように、本技術によれば、積層した複数の樹脂層間の界面に記録マークを形成することができる。
図1は、本技術の第1の実施形態に係る光情報記録媒体の一構成例を示す概略断面図である。 図2は、バルク層の構成例を示す断面図である。 図3A、図3Bは、第1中間層および第2中間層の構成例を示す概略断面図である。 図4は、本技術の第1の実施形態に係る光情報記録媒体の記録再生を説明するための概略断面図である。 図5A〜図5Dは、本技術の第1の実施形態に係る光情報記録媒体の製造方法の一例を説明するための工程図である。 図6A〜図6Dは、本技術の第1の実施形態に係る光情報記録媒体の製造方法の一例を説明するための工程図である。 図7A、図7Bは、本技術の第1の実施形態に係る光情報記録媒体の製造方法の一例を説明するための工程図である。 図8は、本技術の第1の実施形態に係る光情報記録媒体の他の構成例を示す概略断面図である。 図9は、本技術の第2の実施形態に係る光情報記録媒体の一構成例を示す概略断面図である。 図10A、図10Bは、第1中間層および第2中間層の構成例を示す概略断面図である。 図11は、実施例1−1〜1−4、比較例1−1の光情報記録媒体の信号強度の記録パワー依存性を示す図である。 図12Aは、実施例1−3の光情報記録媒体の信号波形を示す図である。図12Bは、比較例1−1の光情報記録媒体の信号波形を示す図である。 図13Aは、実施例2−1、2−2、比較例2−1の光情報記録媒体の信号強度の記録パワー依存性を示す図である。図13Bは、実施例2−3、2−4、比較例2−2の光情報記録媒体の信号強度の記録パワー依存性を示す図である。 図14Aは、実施例2−2の光情報記録媒体の信号波形を示す図である。図14Bは、比較例2−1の光情報記録媒体の信号波形を示す図である。 図15A〜図15Cは、実施例3−1の光情報記録媒体の信号波形を示す図である。 図16A〜図16Cは、比較例3−1の光情報記録媒体の信号波形を示す図である。 図17Aは、実施例4−1のBiTeZrN層のAEM像を示す図である。図17Bは、実施例4−1のBiTeZrN層のSEM像を示す図である。 図18Aは、実施例4−1のBiTeZrN層のAFM像を示す図である。図18Bは、図18Aに示したAFM像の断面プロファイルを示す図である。 図19Aは、実施例4−2のBiTeTiN層のSEM像を示す図である。図19Bは、実施例4−1のBiTeTiN層のAFM像を示す図である。図19Cは、図19Bに示したAFM像の断面プロファイルを示す図である。 図20は、参考例5−1〜5−3の光情報記録媒体の信号強度の硬化条件依存性を示す図である。 図21は、参考例6−1〜6−5の積層体の中間層の透過率の硬化条件依存性を示す図である。 図22は、参考例7−1〜7−3の積層体の中間層表面のATR−IR吸収スペクトルを示す。 図23は、図22に示した領域Aを拡大して表した図である。 図24は、図22に示した領域Bを拡大して表した図である。 図25は、参考例8の積層体の中間層表面のC=O基ピーク強度比の深さ依存性を示す図である。
本技術の実施形態について図面を参照しながら以下の順序で説明する。
1.第1の実施形態(界面に情報信号を記録可能である光情報記録媒体の第1例)
1.1.光情報記録媒体の構成
1.2.光情報記録媒体の記録原理
1.3.光情報記録媒体の記録再生
1.4.光情報記録媒体の製造方法
1.5.効果
1.6.変形例
2.第2の実施形態(界面に情報信号を記録可能である光情報記録媒体の第2例)
<1.第1の実施形態>
[1.1.光情報記録媒体の構成]
図1は、本技術の第1の実施形態に係る光情報記録媒体の一構成例を示す概略断面図である。光情報記録媒体10は、図1に示すように、バルク層1と、バルク層1上設けられた選択反射層2と、選択反射層2上に設けられたカバー層3とを備える。光情報記録媒体10が、必要に応じてカバー層3とは反対側の面に基板4をさらに備えるようにしてもよい。光情報記録媒体10は、全体として略円板状の形状を有し、その中央部にはチャッキング用の開口部(以下センターホールと称する。)が設けられている。
この第1の実施形態に係る光情報記録媒体10では、当該光情報記録媒体10を回転駆動させるとともに、そのカバー層3側の表面からレーザ光をバルク層1内の界面Bに照射することにより、情報信号の記録または再生が行われる。以下では、レーザ光が入射される側の面を入射面と称し、それとは反対側の面を裏面と称する。
以下、光情報記録媒体10を構成するカバー層3、選択反射層2、バルク層1および基板4について順次説明する。
(カバー層)
カバー層3は、透明性を有するものであればよく特に限定されるものではなく種々の材料を用いることができ、例えば、透明性を有するプラスチック材料などの有機材料、ガラスなどの無機材料を用いることができる。プラスチック材料としては、例えば、公知の高分子材料を用いることができる。公知の高分子材料としては、例えば、ポリカーボネート(PC)、アクリル樹脂(PMMA)、シクロオレフィンポリマー(COP)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエステル(TPEE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、アラミド、ポリエチレン(PE)、ポリアクリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン(PP)、ジアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂などが挙げられる。無機材料としては、例えば、石英、サファイア、ガラスなどが挙げられる。
カバー層3は、例えば、中央にセンターホールが形成された略円板形状を有する。このカバー層3の一主面は、例えば、凹凸面となっており、この凹凸面上に選択反射層2が設けられている。凹凸面は、記録または再生位置を案内するための案内溝により形成されている。光情報記録媒体10の一主面側から見たときの案内溝の全体形状としては、例えば、スパイラル状、同心円状などの各種形状が挙げられる。
案内溝としては、例えば、連続溝(グルーブ)、ピット列またはそれらの組合せを用いることができる。線速の安定化や位置情報(例えば回転角度情報や半径位置情報など)を付加するために案内溝を蛇行させるようにしてもよい。
(選択反射層)
選択反射層2は、カバー層3の凹凸面側に設けられている。この光情報記録媒体10では、バルク層1に対してマーク記録を行うための記録光(第1レーザ光)とは別に、上記カバー層3の案内溝に基づきトラッキングやフォーカスのエラー信号を得るためのサーボ光(第2レーザ光)が選択反射層2に別途照射される。記録光の照射に際して、選択反射層2が記録光を反射あるいは吸収してしまうとバルク層1内に達する記録光量が減衰し見かけの記録感度を低下させてしまう。このため、選択反射層2としては、サーボ光は反射し、記録光はほぼ全て透過するという選択性を有する反射層を用いることが好ましい。
この光情報記録媒体10では、例えば、記録光とサーボ光としてはそれぞれ、波長の異なるレーザ光が用いられる。選択反射層2としては、例えば、サーボ光と同一の波長帯の光は反射するのに対して、それ以外の波長による光(例えば記録光)は透過するという、波長選択性を有する選択反射層が用いられる。
選択反射層2としては、例えば、屈折率の異なる低屈折率層および高屈折率層を交互に複数積層した積層膜を用いることができる。低屈折率層および高屈折率層としては、例えば、誘電体層を用いることができる。誘電体層の材料としては、例えば、窒化シリコン、酸化シリコン、酸化タンタル、酸化チタン、フッ化マグネシウム、酸化亜鉛などを用いることができる。
(バルク層)
バルク層1は、複数の樹脂層が積層された積層体(光情報記録媒体用積層体)であり、樹脂層間には界面Bが設けられている。この界面Bには無機層が設けられている。隣接する樹脂層間の界面Bを境にして貯蔵弾性率E’が異なっている。バルク層1は、積層した複数の樹脂層間の界面Bに情報マークを形成可能な構成を有している。隣接する樹脂層同士は、互いに異なる屈折率を有していてもよい。界面Bは、隣接する樹脂層のうちの一方の樹脂層の表面(第1面)と他方の樹脂層の表面(第2面)とにより形成され、第1面と第2面との貯蔵弾性率E’が異なっていることが好ましい。情報信号は、第1面および第2面の一方の面を基準にして凹状の記録マークとして記録される。ここで、情報信号の記録時に無機層に開口部が形成される場合には、無機層に形成される開口部も含めて記録マークと称するものとする。
図2は、バルク層の構成例を示す断面図である。図2に示すように、バルク層1は、第1樹脂層である第1中間層11aと、第2樹脂層である第2中間層11bとを交互に複数積層した積層体である。バルク層1は、第1中間層11aと第2中間層11bとにより形成される複数の第1の界面B1および第2の界面B2を有している。これらの第1の界面B1および第2の界面B2に無機層12が設けられている。第1の界面B1は、第1中間層11aとその入射面側の第2中間層11bとにより形成される界面であり、第2の界面B2は、第1中間層11aとその裏面側の第2中間層11bとにより形成される界面である。第1中間層11aの入射面と第2中間層11bの裏面との貯蔵弾性率E’が異なっていることが好ましい。第2中間層11bの入射面と第1中間層11aの裏面との貯蔵弾性率E’が異なっていることが好ましい。例えば、第1中間層11aの貯蔵弾性率E’と第2中間層11bの貯蔵弾性率E’とが異なっているようにしてもよい。第1中間層11aおよび第2中間層11bの平均厚さは、例えば30nm以上5μm以下の範囲内である。
図3A、図3Bは、第1中間層および第2中間層の構成例を示す概略断面図である。図3A、図3Bに示すように、第1中間層11aおよび第2中間層11bのいずれか一方が、その界面に隣接する機能層11cを含んでいる。より具体的には、図3Aでは、機能層11cが第1中間層11aの側に設けられた例が示されている。一方、図3Bでは、機能層11cが第2中間層11bの側に設けられた例が示されている。
第1中間層11aおよび第2中間層11bは、例えば有機材料を主成分とする有機中間層である。第1中間層11および第2中間層11bとの材料としては、例えば互いに異なる材料が用いられる。より具体的には、第1中間層11aおよび第2中間層11bの材料としては、例えば、貯蔵弾性率E’が互いに異なる材料が用いられる。第1中間層11aおよび第2中間層11bの材料としては、例えば、屈折率が互いに異なる材料を用いてもよい。第1中間層11aおよび第2中間層11bの材料としては、例えば、有機材料、有機無機複合材料を用いることができる。第1中間層11aおよび第2中間層11bの少なくとも一方が、必要に応じて添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、記録感度を向上させることができるものが好ましい。
有機材料としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂およびエネルギー線硬化性樹脂などからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6−ナフタレート、ポリブチレンテレフタレートのような芳香族ポリエステルや、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィンを用いることができる。或いは、ポリスチレンのようなポリビニル、ナイロン66(ポリ(ヘキサメチレンジアミン-co-アジピン酸))のようなポリアミド、ビスフェノールAポリカーボネートのような芳香族ポリカーボネートを用いることができる。また、ポリスルフォンなどの単独重合体やそれらの共重合体を主成分とする樹脂、フッ素樹脂などを用いることもできる。また、これら例示した樹脂の混合体を用いてもよい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂などを用いることができる。特に汎用性(例えば、光学設計や光吸収機能など)の点ではエポキシ基を末端に有する樹脂が好ましい。
エネルギー線硬化性樹脂は、エネルギー線を照射することによって硬化させることができる樹脂である。エネルギー線とは、電子線、紫外線、赤外線、レーザ光線、可視光線、電離放射線(X線、α線、β線、γ線など)、マイクロ波、高周波などのラジカル、カチオン、アニオンなどの重合反応の引き金と成りうるエネルギー線を示す。エネルギー線硬化性樹脂組成物は、有機無機複合材料であってもよい。また、2種以上のエネルギー線硬化性樹脂組成物を混合して用いるようにしてもよい。エネルギー線硬化性樹脂組成物としては、紫外線により硬化する紫外線硬化樹脂を用いることが好ましい。
紫外線硬化樹脂としては、例えば、1または2以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を用いることができる。ここで、(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基またはメタアクリロイル基を意味する。紫外線硬化樹脂としては、例えば、例えば1官能モノマおよび2官能モノマとを含むものを用いることができる。1官能モノマとしては、例えば、ベンジルアクリレートを用いることができる。2官能モノマとしては、例えば、フロオレンアクリレート、2官能ウレタンアクリレートを用いることができる。フロオレンアクリレートとしては、具体的には例えば、大阪ガスケミカル株式会社製のオグゾールEA−0200、オグゾールEA−F5503、オグゾールEA−1000などを用いることができる。2官能ウレタンアクリレートとしては、具体的には例えば、東亞合成株式会社製のM1200などを用いることができる。また、紫外線硬化樹脂としては、フッ素系の紫外線硬化樹脂を用いるようにしてもよい。フッ素系の紫外線硬化樹脂としては、具体的には例えば、2,2,2−トリフロオロエチルアクリレート(大阪ガスケミカル、V3F)などを用いることができる。
有機無機複合材料としては、例えば、有機材料と無機材料とをナノレベルで複合化したナノコンポジットを用いることができる。
上記以外の材料として、粘着剤またはケイ素樹脂などを用いることもできる。粘着剤としては、例えば、感圧性粘着剤(PSA:Pressure Sensitive Adhesive)、HPSA(Hard Pressure Sensitive Adhesive)を用いることができる。第1中間層11aおよび第2中間層11bのうちの一方を熱硬化性樹脂またはエネルギー線硬化性樹脂が含む層とし、他方を粘着剤またはケイ素樹脂を含む層とする構成を採用してもよい。
機能層11cは、情報信号を記録するためのレーザ光を吸収する吸収層(領域)である。吸収層としては、レーザ光を線形吸収する線形吸収層、およびレーザ光を非線形吸収する非線形吸収層のうちのいずれでもよく、作製プロセスの簡便性の観点からすると、線形吸収層が好ましい。ここで、線形吸収層は、非線形吸収および線形吸収のうち線形吸収を主とする吸収層であり、非線形吸収層は、非線形吸収および線形吸収のうち非線形吸収を主とする吸収層である。線形吸収層としては、作製プロセスの簡便性の観点からすると、酸素を含む高分子樹脂材料からなる酸化層(酸化領域)を用いることが好ましい。機能層11cの厚さは、機能層11cを含む第1中間層11aまたは第2中間層11bの厚さ以下でよれば良く特に限定されるものではないが、薄いことが好ましく、例えば100nm程度である。
機能層11cは、例えば、その組成が厚さ方向に変化する傾斜層である。機能層11cが酸化層である場合、酸素濃度が厚さ方向に変化する傾斜層であり、その酸素濃度は、例えば界面側が高くなっている。
機能層11cは、第1中間層11aまたは第2中間層11bの表面近傍の組成などを変化させることにより、光吸収性を向上させたものであってもよく、有機材料または有機無機複合材料などからなる層を第1中間層11aまたは第2中間層11bの表面に別途形成したものであってもよい。有機材料または有機無機複合材料としては、光吸収性の観点からすると、色素などを含む有色材料を用いることが好ましい。
無機層12は、情報信号を記録する光に対して非吸収性を有する無機層(以下「非光吸収性の無機層」と適宜称する。)、または情報信号を記録する光に対して吸収性を有する無機層(以下「光吸収性の無機層」と適宜称する。)であり、所望する光情報記録媒体10の特性に応じて、これら2種の無機層を組み合わせて用いてもよい。無機層12として非光吸収性の無機層を用いた場合には、記録マーク形成時の熱伝導を制御し、良好な記録マークを形成することができる。したがって、再生信号の波形を改善することができる。無機層12として光吸収性の無機層を用いた場合には、上述の再生信号の波形の改善に加えて、CNR(信号対雑音比)や記録感度も改善できる、という利点を得ることができる。なお、多層化の観点からすると、非光吸収性の無機層が好ましいが、光吸収性の無機層でも膜厚を薄くすることで、高透過率を得ることができる。これによって、非光吸収性の無機層を用いた場合に匹敵するような多層化を実現できる。
非光吸収性の無機層12とは、消衰係数kがk≦0.05の関係を有する無機層のことをいう。光情報記録媒体10の透過特性の向上の観点からすると、消衰係数kがk≦0.01の関係を有していることが好ましい。また、光吸収性の無機層12とは、消衰係数kが0.05<kの関係を有する無機層のことをいう。ここで、無機層12の消衰係数kは、Si基板上に無機層12を形成し、この無機層12の消衰係数kを分光エリプソメータにより測定したものである。
非光吸収性の無機層12の材料としては、例えば誘電体を用いることができるが、薄膜とした状態において情報信号を記録する光に対して非吸収性を有する材料であればよく、これに限定されるものではない。誘電体としては、例えば、酸化物、窒化物、硫化物、炭化物およびフッ化物からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含んでいる。
酸化物としては、例えば、In、Zn、Sn、Al、Si、Ge、Ti、Ga、Ta、Nb、Hf、Zr、Cr、BiおよびMgからなる群から選ばれる1種以上の元素の酸化物が挙げられる。窒化物としては、例えば、In、Sn、Ge、Cr、Si、Al、Nb、Mo、Ti、Nb、Mo、Ti、W、TaおよびZnからなる群から選ばれる1種以上の元素の窒化物、好ましくはSi、GeおよびTiからなる群から選ばれる1種以上の元素の窒化物が挙げられる。硫化物としては、例えば、Zn硫化物が挙げられる。炭化物としては、例えば、In、Sn、Ge、Cr、Si、Al、Ti、Zr、TaおよびWからなる群より選ばれる1種以上の元素の炭化物、好ましくはSi、Ti、およびWからなる群より選ばれる1種以上の元素の炭化物が挙げられる。フッ化物としては、例えば、Si、Al、Mg、CaおよびLaからなる群より選ばれる1種以上の元素のフッ化物が挙げられる。これらの混合物としては、例えば、ZnS−SiO2、SiO2−In23−ZrO2(SIZ)、SiO2−Cr23−ZrO2(SCZ)、In23−SnO2(ITO)、In23−CeO2(ICO)、In23−Ga23(IGO)、In23−Ga23−ZnO(IGZO)、Sn23−Ta25(TTO)、TiO2−SiO2、Al23−ZnO、Al23−BaOなどが挙げられる。
非光吸収性の無機層12の厚さは、好ましくは0nmより大きく20nm未満、より好ましくは0nmより大きく10nm以下の範囲内である。無機層12の厚さが20nm以上になると、記録感度が低下する傾向にある。
光吸収性の無機層12の材料としては、金属、金属化合物、炭素などが挙げられるが、薄膜とした状態において情報信号を記録する光に対して吸収性を有する材料であればよく、これに限定されるものではない。金属化合物としては、金属酸化物または金属窒化物などが挙げられる。光吸収性の無機層12の具体的な材料としては、例えば、Ti、V、Mn、Fe、Ag、Cu、Ni、Inなどの金属、それらの酸化物または窒化物が挙げられる。金属窒化物の具体例としては、TiN、BiTeTiN、BiTeZrNなどが挙げられる。
(基板)
基板4は、例えば、中央部にセンターホールが設けられた略円板形状を有する。基板4の材料としては、透明性または不透明性を有する材料のいずれも用いることが可能であり、例えば、プラスチック材料またはガラスを用いることができ、成形性の観点から、プラスチック材料を用いることが好ましい。プラスチック材料としては、例えば、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂などを用いることができ、コストの観点から、ポリカーボネート系樹脂を用いることが好ましい。
[1.2.光情報記録媒体の記録原理]
上述の構成を有する光情報記録媒体では、レーザ光の照射により、以下のようにして記録マークが界面B1、B2に形成されると推測される。
まず、レーザ光が機能層11cに照射されると、機能層11cで局所的にレーザ光が吸収される。次に、レーザ光を吸収した部分が熱を発生し、その発熱を利用してその部分自体が分解および変形する。その後、その分解および変形した部分が、その周囲の無機層12により急冷され、急激に収縮する。これにより、機能層11cの表面に対して凹状の記録マークが形成される。無機層12による冷却作用が、良好な記録マーク形成の要因の一つであると考えられる。また、レーザ光を吸収した部分の発熱により、それに隣接した部分の無機層12が消失して、無機層12に開口部が形成されるようにしてもよい。その開口部の周縁は無機層12の表面に対して凸状に盛り上がっていてもよい。このようにして形成される記録マークでは、信号極性としては例えばHtoL(High to Low)が得られる。非光吸収性の無機層12には上記冷却の作用があり、光吸収性の無機層12には上記冷却作用に加えて、レーザ光吸収による発熱作用がある。
[1.3.光情報記録媒体の記録再生]
次に、図4を参照しながら、本技術の第1の実施形態に係る光情報記録媒体の記録および再生の一例について説明する。
光情報記録媒体10では、カバー層3側の対物レンズを介して第1レーザ光LB1を界面B1またはB2に照射すると共に、第2レーザ光LB2をカバー層3の凹凸面に照射することにより、情報信号の記録または再生が行われる。
第1レーザ光LB1は、情報信号を記録または再生をするための記録光または再生光としてのレーザ光であり、第2レーザ光LB2は、情報信号を記録または再生時におけるサーボ制御を行うためのサーボ光としてのレーザ光である。これら第1レーザ光LB1と第2レーザ光LB2は、例えば、記録再生装置における共通の対物レンズを介して光情報記録媒体10に照射される。対物レンズの開口数は、例えば、0.84以上0.95以下の範囲内から選ばれる。第1レーザ光LB1と第2レーザ光LB2とは互いに異なる波長を有し、第1レーザ光LB1の波長λ1は、例えば、第2レーザ光LB2の波長λ2よりも短波長に選ばれる。第1レーザ光LB1は、例えば、395nm以上420nm以下の範囲の波長を有する青色または青紫色レーザ光であるのに対して、第2レーザ光LB2は、例えば、640nm以上680nm以下の範囲の波長を有する赤色レーザ光である。
[1.4.光情報記録媒体の製造方法]
以下、図5A〜図7Bを参照して、本技術の第1の実施形態に係る光情報記録媒体10の製造方法の一例について説明する。
(第1の塗布工程)
まず、図5Aに示すように、塗布装置21aにより基板4の内周部に第1の樹脂組成物22aに滴下し、滴下された第1の樹脂組成物22aをスピンコート法により基板4の外周方向に延伸して、均一厚さの塗膜を基板4上に形成する。第1の樹脂組成物22aとしては、例えば、熱硬化性樹脂または紫外線硬化樹脂を用いることができる。なお、本製造方法に使用可能な樹脂組成物はこれに限定されるものではなく、紫外線硬化樹脂以外のエネルギー線硬化性樹脂や熱可塑性樹脂などを用いることも可能である。
(第1の硬化工程)
次に、図5Bに示すように、線源23aからの赤外線照射または紫外線照射により、基板4上に形成した第1の樹脂組成物22aからなる塗膜を硬化させる。これにより、均一厚さの第1中間層11aが基板4上に形成される。赤外線照射用の線源23aとしては、例えばIRランプを用いることができ、紫外線照射用の線源23aとしては、例えばUVランプを用いることができる。UVランプとしては、例えば高圧水銀灯、フラッシュUVまたはHバルブなどを用いることができる。
(第1の照射工程)
次に、図5Cに示すように、線源23bからの紫外線照射により、第1中間層11aの表面に線形吸収を有する酸化層を形成する。酸化層は、その表面から厚さ方向に向かって酸素濃度が連続的に減少する濃度分布を有している。紫外線照射用の線源23bとしては、例えば高圧水銀灯、フラッシュUVまたはHバルブなどのUVランプを用いることができる。なお、線源23bからの紫外線照射の照射パワーは、線源23aからの紫外線照射の照射パワーに比して高く設定される。
(第1の無機層形成工程)
次に、図5Dに示すように、第1中間層の酸化層の表面に無機層12を形成する。無機層12の形成方法としては、例えば、スパッタリング法、熱CVD、プラズマCVD、光CVDなどのCVD法(Chemical Vapor Deposition(化学蒸着法):化学反応を利用して気相から薄膜を析出させる技術)のほか、真空蒸着、プラズマ援用蒸着、イオンプレーティングなどのPVD法(Physical Vapor Deposition(物理蒸着法):真空中で物理的に気化させた材料を基板上に凝集させ、薄膜を形成する技術)などを用いることができる。
(第2の塗布工程)
次に、図6Aに示すように、塗布装置21bにより基板4の内周部に第2の樹脂組成物22bに滴下し、滴下された第2の樹脂組成物22bをスピンコート法により基板4の外周方向に延伸して、均一厚さの塗膜を第1中間層11a上に形成する。第2の樹脂組成物22bとしては、例えば、熱硬化性樹脂または紫外線硬化樹脂を用いることができる。なお、本製造方法に使用可能な樹脂組成物はこれに限定されるものではなく、紫外線硬化樹脂以外のエネルギー線硬化性樹脂や熱可塑性樹脂などを用いることも可能である。
(第2の硬化工程)
次に、図6Bに示すように、線源23cからの赤外線照射または紫外線照射により、第1中間層11a上に形成した第2の樹脂組成物22bからなる塗膜を硬化させる。これにより、基板4上に第1中間層11a、無機層12および第2中間層が形成される。赤外線照射用の線源23cとしては、例えばIRランプを用いることができ、紫外線照射用の線源23cとしては、例えばUVランプを用いることができる。
(第2の照射工程)
次に、図6Cに示すように、線源23dからの紫外線照射により、第2中間層11bの表面に線形吸収を有する酸化層を形成する。酸化層は、その表面から厚さ方向に向かって酸素濃度が連続的に減少する濃度分布を有している。紫外線照射用の線源23dとしては、例えば高圧水銀灯、フラッシュUVまたはHバルブなどのUVランプを用いることができる。なお、線源23dからの紫外線照射の照射パワーは、線源23cからの紫外線照射の照射パワーに比して高く設定される。
(第2の無機層形成工程)
次に、図6Dに示すように、第2中間層の酸化層の表面に無機層12を形成する。無機層12の形成方法としては、例えば、スパッタリング法、熱CVD、プラズマCVD、光CVDなどのCVD法(Chemical Vapor Deposition(化学蒸着法):化学反応を利用して気相から薄膜を析出させる技術)のほか、真空蒸着、プラズマ援用蒸着、イオンプレーティングなどのPVD法(Physical Vapor Deposition(物理蒸着法):真空中で物理的に気化させた材料を基板上に凝集させ、薄膜を形成する技術)などを用いることができる。
(積層工程)
次に、「第1の塗布工程」から「第2の無機層形成工程」までの工程を複数回繰り返す。これにより、図7Aに示すように、第1中間層11aおよび第2中間層が無機層12を介して基板4上に交互に複数積層されて、基板4上にバルク層1が形成される。
次に、図7Bに示すように、選択反射層2が形成されたカバー層3を、基板4上に形成したバルク層1の一主面に貼り合わせる。以上により、目的とする光情報記録媒体10が得られる。
[1.5.効果]
本実施形態では、界面B1、B2を形成する第1中間層11bの表面と第2中間層11bの表面とが異なる弾性率を有している。これにより、界面近傍の機能層11cにレーザ光を照射すると、その機能層近傍の界面B1、B2が機能層11cの表面に対して凹状に変形して、界面Bに記録マークが形成される。したがって、積層した複数の樹脂層間の界面に記録マークを形成することができる。
また、界面Bには無機層12が設けられているので、記録マーク形成時の熱伝導が制御されて、良好な記録マークが形成される。したがって、再生信号の波形が改善される。
[1.6.変形例]
図8は、本技術の第1の実施形態に係る光情報記録媒体の他の構成例を示す概略断面図である。光情報記録媒体10の構成として、図8に示すように、基板4の一主面上に、選択反射層2、バルク層1およびカバー層3が順次積層された積層構造を採用するようにしてもよい。この構成では、記録または再生位置を案内するための案内溝となる凹凸面が基板4の表面に設けられる。
また、選択反射層2をバルク層1の内部に設ける構成を採用してもよい。この構成を採用する場合には、記録または再生位置を案内するための案内溝となる凹凸面はバルク層1の内部に設けられ、この凹凸面上に選択反射層2が設けられる。
<2.第2の実施形態>
図9は、本技術の第2の実施形態に係る光情報記録媒体の一構成例を示す概略断面図である。図10A、図10Bは、第1中間層および第2中間層の構成例を示す概略断面図である。第2の実施形態に係る光情報記録媒体は、バルク層1が同一の材料からなる中間層11が積層された構成を有している点において、第1の実施形態とは異なっている。界面を形成する一方の中間層(樹脂層)11の表面の貯蔵弾性率E’と、他方の中間層(樹脂層)11の表面の貯蔵弾性率E’とは異なっている。
機能層11cの形成方法としては、例えば、紫外線などのエネルギー線の照射により中間層11の表面に酸化層などを形成する方法、有機材料または有機無機複合材料などからなる層を中間層11の表面に別途形成する方法が挙がられるが、作製プロセスの簡便性の観点からすると、前者が好ましい。
有機材料としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂およびエネルギー線硬化性樹脂などからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。エネルギー線硬化性樹脂組成物としては、紫外線により硬化する紫外線硬化樹脂を用いることが好ましい。有機無機複合材料としては、例えば、有機材料と無機材料とをナノレベルで複合化したナノコンポジットを用いることができる。
第2の実施形態において上記以外のことは、第1の実施形態と同様である。
以下、実施例により本技術を具体的に説明するが、本技術はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
本技術の実施例、参考例および比較例について以下の順序で説明する。
1.非光吸収性の無機層を界面に設けた層構成
2.光吸収性の無機層を界面に設けた層構成
3.無機層の有無による信号特性の違い
4.マーク形状
5.記録特性の硬化条件依存性
6.中間層透過率の硬化条件依存性
7.中間層の表面分析(吸収スペクトル)
8.中間層の表面分析(酸素濃度)
<1.非光吸収性の無機層を界面に設けた層構成>
(実施例1−1)
まず、基板として、直径120mm、中心に直径15mmのセンターホールを有するガラス基板を準備した。次に、以下の配合を有するUV硬化性樹脂組成物を調製した。
2官能モノマ:フルオレンアクリレート(大阪ガスケミカル社製、オグゾールEA−0200) 80質量部
1官能モノマ:ベンジルアクリレート(大阪有機化学社製) 20質量部
光重合開始剤:Darocure1173(旧チバケミカル製) 3質量部
次に、スピンコート法により、調製したUV硬化性樹脂組成物をガラス基板上に塗布して塗膜を形成した後、高圧水銀灯により紫外線を10J/cm2照射して硬化させた。これにより、厚さ20μmの第1中間層がガラス基板上に形成された。次に、高圧水銀灯により第1中間層の表面に紫外線をさらに20J/cm2照射した。これにより、第1中間層の表面に有機機能層(酸化層)が形成された。次に、スパッタリング法により、第1中間層の表面に膜厚2nmのSiO2層(非光吸収性の無機層)を形成した。
次に、中心にセンターホールを有し、片面にグルーブが形成された厚さ75μmのポリカーボネート製フィルムを準備し、このフィルムのグルーブ形成面に選択反射層を形成した。次に、選択反射層に無色透明な厚さ25μmのPSA層を第2中間層として形成した。次に、このフィルムを第2中間層を介して第1中間層上に貼り合わせることにより、第1中間層上に第2中間層およびカバー層を形成した。以上により、目的とする光情報記録媒体を得た。
(実施例1−2)
SiO2層の膜厚を5nmとしたこと以外は実施例1−1と同様にして、光情報記録媒体を得た。
(実施例1−3)
SiO2層の膜厚を10nmとしたこと以外は実施例1−1と同様にして、光情報記録媒体を得た。
(実施例1−4)
SiO2層の膜厚を20nmとしたこと以外は実施例1−1と同様にして、光情報記録媒体を得た。
(比較例1−1)
SiO2層の形成を省略して、第1中間層の表面に第2中間層を直接形成したこと以外は実施例1−1と同様にして、光情報記録媒体を得た。
(記録特性)
上述のようにして得られた実施例1−1〜1−4、比較例1−1の光情報記録媒体に情報信号を記録した。記録再生条件を以下に示す。
ライトストラテジー:duty50%Block(8Tモノトーン記録)
記録時および再生時の線速度:4.92m/s
次に、情報信号を記録した光情報記録媒体を再生して、信号強度の記録パワー依存性を調べた。その結果を図11に示す。図12Aは、実施例1−3の光情報記録媒体(SiO2層:30nm)の信号波形を示す。図12Bは、比較例1−1の光情報記録媒体(SiO2層:0nm)の信号波形を示す。
(反射特性および透過特性)
上述のようにして得られた実施例1−1、比較例1−1の光情報記録媒体の反射率を測定した。ここで、反射率は、波長405nmの光に対するものである。その結果、実施例1−1、比較例1−1の光情報記録媒体の反射率はそれぞれ、0.32%、0.28%であった。
上記評価結果から以下のことがわかる。
界面反射:SiO2層を界面に設けた場合とSiO2層を界面に設けていない場合とで、界面反射の割合はほぼ同じである。
記録感度:界面にSiO2層を設けていない場合と、界面に膜厚が0nmより大きく20nm未満のSiO2層を設けている場合とでは、記録感度はほとんど変わらない。しかし、界面に膜厚が20nmより大きいSiO2層を設けると、記録感度が低下する傾向にある。これは、膜厚が20nmになると、熱はけが良すぎるためと考えられる。
したがって、非光吸収性の無機層の厚さは、好ましくは0nmより大きく20nm未満、より好ましくは0nmより大きく10nm以下の範囲内である。
信号波形:界面にSiO2層を設けていない場合、中間層を形成する樹脂材料が弾性体であり、かつ、熱を逃がすことができないため、信号波形が歪んでしまう。一方、界面にSiO2層を設けている場合、書き終わりの歪みが改善する。すなわち、界面にSiO2層を設けた場合には、SiO2層を界面に設けていない場合に比して、信号波形を改善できる。
界面における熱伝導を制御することで、再生信号の波形を改善(線密度やトラック密度などを改善)することができる。
なお、上記実施例では、非光吸収性の無機層としてSiO2層を設けた場合を例として説明したが、SiO2層以外のTiO2層やSiN層などの誘電体層を設けた場合にも、SiO2層を設けた場合と同様の効果が得られる。
<2.光吸収性の無機層を界面に設けた層構成>
(実施例2−1)
膜厚2nmのSiO2層に代えて、膜厚2nmのTiN層(光吸収性の無機層)を形成したこと以外は実施例1−1と同様にして、光情報記録媒体を得た。
(実施例2−2)
TiN層の膜厚を5nmとしたこと以外は実施例2−1と同様にして、光情報記録媒体を得た。
(比較例2−1)
TiN層の形成を省略して、第1中間層の表面に第2中間層を直接形成したこと以外は実施例2−1と同様にして、光情報記録媒体を得た。
(実施例2−3)
膜厚2nmのSiO2層に代えて、膜厚3nmのカーボン層(光吸収性の無機層)を形成したこと以外は実施例1−1と同様にして、光情報記録媒体を得た。
(実施例2−4)
カーボン層の膜厚を5nmとしたこと以外は実施例2−3と同様にして、光情報記録媒体を得た。
(比較例2−2)
カーボン層の形成を省略して、第1中間層の表面に第2中間層を直接形成したこと以外は実施例2−3と同様にして、光情報記録媒体を得た。
(記録特性)
上述のようにして得られた実施例2−1〜2−4、比較例2−1〜2−2の光情報記録媒体についての信号強度の記録パワー依存性を、上述の実施例1−1〜1−4、比較例1−1と同様にして調べた。その結果を図13A、図13Bに示す。図14Aは、実施例2−2の光情報記録媒体の信号波形を示す。図14Bは、比較例2−1の光情報記録媒体の信号波形を示す。
(反射特性および透過特性)
上述のようにして得られた実施例2−1〜2−4、比較例2−1〜2−2の光情報記録媒体についての反射率および透過率を測定した。ここで、反射率および透過率は、波長405nmの光に対するものである。
表1は、実施例2−1、2−2、比較例2−1の光情報記録媒体の反射率および透過率の測定結果を示す。
表2は、実施例2−3、2−4、比較例2−2の光情報記録媒体の反射率および透過率の測定結果を示す。
上記評価結果から以下のことがわかる。
記録感度:TiN層またはカーボン層の膜厚が厚くなるに従って(すなわち透過率が低下するに従って)、線形吸収が増加し、記録感度が向上する。
TiN層またはカーボン層自体も光吸収するが、高い透過率が得られる。透過率は、Blu−ray Disc(登録商標)などの従来の光情報記録媒体ではあり得ないような高い値であるが、十分な記録感度が得られる。これは、第1中間層および第2中間層の材料が有機材料であるためと考えられる。
信号強度:TiN層またはカーボン層を界面に設けた場合には、これらの層を界面に設けなかった場合に比してCNR(信号対雑音比)を向上することができる。これは、二次高調波成分が低減されたこと、すなわち波形が方形波に近づいたことがその要因の一つと考えられる。
信号波形:界面にTiN層またはカーボン層を設けることで、上記実施例1−1〜1−4、比較例1−1と同様に再生信号の波形が改善される。
効果の材料依存性:記録感度、信号強度および信号波形の向上には、光吸収量とは別に熱伝導などの熱物性や、無機層の機械特性が影響していると考えられる。
実施例1−1〜1−4と実施例2−1〜2−4との評価結果を比較すると、以下のことがわかる。
光吸収性の無機層を界面に設けた場合には、非光吸収性の無機層を界面に設けた場合と同様の波形改善効果が得られる。
光吸収性の無機層を界面に設けた場合には、非光吸収性の無機層を界面に設けた場合に比べてCNR(信号対雑音比)や記録感度などを向上できる。
<3.無機層の有無による信号特性の違い>
(実施例3−1)
膜厚2nmのSiO2層に代えて、膜厚5nmのBiTeTiN層(光吸収性の無機層)を形成したこと以外は実施例1−1と同様にして、光情報記録媒体を得た。
(比較例3−1)
BiTeTiN層の形成を省略して、第1中間層の表面に第2中間層を直接形成したこと以外は実施例2−1と同様にして、光情報記録媒体を得た。
(信号波形)
上述のようにして得られた実施例3−1、比較例3−1の光情報記録媒体に8T、3T、2Tの記録マークを形成して、その信号波形を評価した。その結果を図15A〜図15C(実施例3−1)、図16A〜図16C(比較例3−1)に示す。
実施例3−1の光情報記録媒体の再生条件などを以下に示す。
反射率:0.35%(波長405nmの光に対する反射率)
線速:4.92m/s
再生Pw:2mW
比較例3−1の光情報記録媒体の再生条件などを以下に示す。
反射率:0.72%(波長405nmの光に対する反射率)
線速:4.92m/s
再生Pw:2mW
図15A〜図15C、図16A〜図16Cから以下のことがわかる。
無機層を界面に設けることで、再生信号を方形波にすることができる。
無機層を界面に設けることで、2Tのアシメトリも下げることができる。
無機層を界面に設けることで、CNR(信号対雑音比)を大きくすることができる。
したがって、記録マークを分離し、線密度を向上することができる。これにより、ランダムパターン記録も可能となる。
なお、上記の実施例では、光吸収性の無機層としてBiTeTiN層を設けた場合を例として説明したが、BiTeZrN層などの無機層を設けた場合にも、BiTeTiN層を設けた場合と同様の効果が得られる。
<4.マーク形状>
(実施例4−1)
膜厚2nmのSiO2層に代えて、膜厚7nmのBiTeZrN層(光吸収性の無機層)を形成したこと以外は実施例1−1と同様にして、光情報記録媒体を得た。
(実施例4−2)
膜厚2nmのSiO2層に代えて、膜厚5nmのBiTeTiN層(光吸収性の無機層)を形成したこと以外は実施例1−1と同様にして、光情報記録媒体を得た。
(マーク形状)
上述のようにして得られた実施例4−1、4−2の光情報記録媒体のマーク形状を以下のようにして観察した。
まず、上述のようにして得られた実施例4−1、4−2の光情報記録媒体に情報信号を記録した。記録再生条件を以下に示す。
ライトストラテジー:duty50%Block(8Tモノトーン記録)
記録時および再生時の線速度:4.92m/s
次に、無機層(BiTeZrN層またはBiTeTiN層)の表面から第2中間層(PSA層)を剥離して、無機層の表面を原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope:AFM)および走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)により観察した。
図17Aは、実施例4−1のBiTeZrN層のAEM像を示す。図17Bは、実施例4−1のBiTeZrN層のSEM像を示す。図18Aは、実施例4−1のBiTeZrN層のAFM像を示す。図18Bは、図18Aに示したAFM像の断面プロファイルを示す。図19Aは、実施例4−2のBiTeTiN層のSEM像を示す。図19Bは、実施例4−1のBiTeTiN層のAFM像を示す。図19Cは、図19Bに示したAFM像の断面プロファイルを示す。なお、図17Bにて記した数値は、記録マークが形成されていない平坦面を基準とした凸部の高さおよび凹部の深さを示している。その高さおよび深さの単位は「nm」であり、凸部の高さを「正」で表し、凹部の深さを「負」で表している。
上記観察結果から以下のことがわかる。
記録マークが形成された箇所では無機層が消失し、第1中間層(有機機能層)の表面が陥没している。
凹状の記録マークの底面が平面状となっている。上述した矩形状の再生信号波形(図15A参照)は、このような底面形状の記録マークの形成により得られたものと考えられる。
<5.記録特性の硬化条件依存性>
(参考例5−1)
まず、基板として、直径120mm、中心に直径15mmのセンターホールを有するガラス基板を準備した。次に、以下の配合を有するUV硬化性樹脂組成物を調製した。
2官能モノマ:フルオレンアクリレート(大阪ガスケミカル社製、オグゾールEA−0200)X質量部
1官能モノマ:ベンジルアクリレート(大阪有機化学社製) (100−X)質量部
光重合開始剤:Darocure1173(旧チバケミカル製) 2〜5質量部
ここで、1官能モノマと2官能モノマとは、Xが50〜90質量部の範囲内となるように配合した。
次に、スピンコート法により、調製したUV硬化性樹脂組成物をガラス基板上に塗布して塗膜を形成した後、高圧水銀灯により紫外線を10J/cm2照射して硬化させた。これにより、厚さ20μmの第1中間層がガラス基板上に形成された。次に、高圧水銀灯により第1中間層の表面に紫外線をさらに2.5J/cm2照射した。
次に、中心にセンターホールを有し、片面にグルーブが形成された厚さ75μmのポリカーボネート製フィルムを準備し、このフィルムのグルーブ形成面に選択反射層を形成した。次に、選択反射層に無色透明な厚さ25μmのPSA層を第2中間層として形成した。次に、このフィルムをPSA層を介して第1中間層上に貼り合わせることにより、第1中間層上に第2中間層およびカバー層を形成した。
以上により、目的とする光情報記録媒体を得た。
(参考例5−2)
第1中間層の表面に照射する紫外線の量を2.5J/cm2から11J/cm2に変更したこと以外は参考例5−1と同様にして、光情報記録媒体を得た。
(参考例5−3)
第1中間層の表面に照射する紫外線の量を2.5J/cm2から20J/cm2に変更したこと以外は参考例5−1と同様にして、光情報記録媒体を得た。
(記録特性)
上述のようにして得られた参考例5−1〜5−3の光情報記録媒体の記録パワーを変更して情報信号を記録し、信号強度の硬化条件依存性を評価した。その結果を図20に示す。
図20から、Dose量増加に伴い、信号振幅が増加する傾向にあることがわかる。
<6.中間層透過率の硬化条件依存性>
(参考例6−1)
まず、基板として、直径120mm、中心に直径15mmのセンターホールを有するガラス基板を準備した。次に、以下の配合を有するUV硬化性樹脂組成物を調製した。
2官能モノマ:フルオレンアクリレート(大阪ガスケミカル社製、オグゾールEA−0200) X質量部
1官能モノマ:ベンジルアクリレート(大阪有機化学社製) (100−X)質量部
光重合開始剤:Darocure1173(旧チバケミカル製) 2〜5質量部
ここで、1官能モノマと2官能モノマとは、Xが50〜90質量部の範囲内となるように配合した。
次に、スピンコート法により、調製したUV硬化性樹脂組成物をガラス基板上に塗布して塗膜を形成した後、高圧水銀灯により紫外線を10J/cm2照射して硬化させた。これにより、厚さ20μmの中間層がガラス基板上に形成された。以上により、目的とする積層体を得た。
(参考例6−2)
中間層を形成した後、高圧水銀灯によりその表面に紫外線をさらに2J/cm2照射したこと以外は参考例6−1と同様にして、積層体を得た。
(参考例6−3)
中間層の表面に照射する紫外線の量を2J/cm2から6J/cm2に変更したこと以外は参考例6−2と同様にして、積層体を得た。
(参考例6−4)
中間層の表面に照射する紫外線の量を2J/cm2から11J/cm2に変更したこと以外は参考例6−2と同様にして、積層体を得た。
(参考例6−5)
中間層の表面に照射する紫外線の量を2J/cm2から22J/cm2に変更したこと以外は参考例6−2と同様にして、積層体を得た。
(透過特性)
上述のようにして得られた参考例6−1〜6−5の積層体の透過率を測定した。その結果を図21に示す。図21から、Dose量の増加に伴い、透過率が減衰する傾向にありことがわかる。すなわち、Dose量の増加に伴い、線形吸収が増加する傾向にあることがわかる。
<7.中間層の表面分析(吸収スペクトル)>
(参考例7−1)
中間層の表面に照射する紫外線の量を2J/cm2から5.5J/cm2に変更したこと以外は参考例6−2と同様にして、積層体を得た。
(参考例7−2)
中間層の表面に照射する紫外線の量を2J/cm2から11J/cm2に変更したこと以外は参考例6−2と同様にして、積層体を得た。
(参考例7−3)
中間層の表面に照射する紫外線の量を2J/cm2から16.5J/cm2に変更したこと以外は参考例6−2と同様にして、積層体を得た。
(参考例7−4)
中間層の表面に照射する紫外線の量を2J/cm2から22J/cm2に変更したこと以外は参考例6−2と同様にして、積層体を得た。
(表面分析)
上述のようにして得られた参考例7−1〜7−4の積層体の中間層の表面(表層1μm程度)を多重全反射赤外吸収分光法(Attenuated total reflection-infrared spectroscopy:ATR−IR)により分析した。
図22は、中間層表面のATR−IR吸収スペクトルを示す。図23は、図22に示した領域Aを拡大して表した図であり、図24は、図22に示した領域Bを拡大して表した図である。図23、図24から、スペクトル幅が増加(ブロード化)していることがわかる。この増加は、中間層の表面に酸下層が形成されていることを示唆している。
<8.中間層の表面分析(酸素濃度)>
(参考例8)
第1中間層の表面に照射する紫外線の量を2J/cm2から20J/cm2に変更したこと以外は参考例6−2と同様にして、積層体を得た。
(ピーク強度)
上述のようにして得られた参考例8の積層体の中間層表面のC=O基ピーク強度比と深さとの関係を調べた。その結果を図25に示す。図25から、酸化層は、中間層表面から100nm程度まで存在し、50nm程度でその濃度は半分になることがわかる。
以上、本技術の実施形態について具体的に説明したが、本技術は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本技術の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値などを用いてもよい。
また、上述の実施形態の構成、方法、工程、形状、材料および数値などは、本技術の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)
積層された複数の樹脂層と、
上記樹脂層間の界面に設けられた無機層と
を備え、
上記界面を境にして貯蔵弾性率が異なっており、
上記界面に情報信号が記録される光情報記録媒体。
(2)
上記無機層は、情報信号を記録する光に対して非吸収性を有する(1)に記載の光情報記録媒体。
(3)
上記無機層は、情報信号を記録する光に対して吸収性を有する(1)に記載の光情報記録媒体。
(4)
上記界面は、上記樹脂層の第1面と第2面とにより形成され、
上記第1面と上記第2面との貯蔵弾性率が異なっている(1)から(3)のいずれかに記載の光情報記録媒体。
(5)
上記樹脂層は、上記第1面の近傍に情報信号を記録する光を吸収する領域を有している(4)に記載の光情報記録媒体。
(6)
上記情報信号は、上記第1面を基準にして凹状の記録マークとして記録される(5)に記載の光情報記録媒体。
(7)
上記領域は、酸化領域である(5)から(6)のいずれかにに記載の光情報記録媒体。
(8)
上記樹脂層は、紫外線硬化樹脂または熱硬化性樹脂を含んでいる(1)から(7)のいずれかに記載の光情報記録媒体。
(9)
上記樹脂層は、紫外線硬化樹脂または熱硬化性樹脂を含む第1樹脂層と、粘着剤を含む第2樹脂層とを有し、
上記第1樹脂層と上記第2樹脂層とは、上記無機層を介して隣接している(1)から(7)のいずれかに記載の光情報記録媒体。
(10)
積層された複数の樹脂層と、
上記樹脂層間の界面に設けられた無機層と
を備え、
上記界面を境にして貯蔵弾性率が異なっており、
上記界面に情報信号が記録される光情報記録媒体用積層体。
1 バルク層(積層体)
2 選択反射層
3 カバー層
4 基板
10 光情報記録媒体
11 樹脂層
11a 第1中間層(第1樹脂層)
11b 第2中間層(第2樹脂層)
11c 機能層
12 無機層

Claims (10)

  1. 積層された複数の樹脂層と、
    上記樹脂層間の界面に設けられた無機層と
    を備え、
    上記界面を境にして貯蔵弾性率が異なっており、
    上記界面に情報信号が記録される光情報記録媒体。
  2. 上記無機層は、情報信号を記録する光に対して非吸収性を有する請求項1に記載の光情報記録媒体。
  3. 上記無機層は、情報信号を記録する光に対して吸収性を有する請求項1に記載の光情報記録媒体。
  4. 上記界面は、上記樹脂層の第1面と第2面とにより形成され、
    上記第1面と上記第2面との貯蔵弾性率が異なっている請求項1に記載の光情報記録媒体。
  5. 上記樹脂層は、上記第1面の近傍に情報信号を記録する光を吸収する領域を有している請求項4に記載の光情報記録媒体。
  6. 上記情報信号は、上記第1面を基準にして凹状の記録マークとして記録される請求項5に記載の光情報記録媒体。
  7. 上記領域は、酸化領域である請求項5に記載の光情報記録媒体。
  8. 上記樹脂層は、紫外線硬化樹脂または熱硬化性樹脂を含んでいる請求項1に記載の光情報記録媒体。
  9. 上記樹脂層は、紫外線硬化樹脂または熱硬化性樹脂を含む第1樹脂層と、粘着剤を含む第2樹脂層とを有し、
    上記第1樹脂層と上記第2樹脂層とは、上記無機層を介して隣接している請求項1に記載の光情報記録媒体。
  10. 積層された複数の樹脂層と、
    上記樹脂層間の界面に設けられた無機層と
    を備え、
    上記界面を境にして貯蔵弾性率が異なっており、
    上記界面に情報信号が記録される光情報記録媒体用積層体。
JP2012181030A 2012-08-17 2012-08-17 光情報記録媒体および光情報記録媒体用積層体 Pending JP2014038677A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012181030A JP2014038677A (ja) 2012-08-17 2012-08-17 光情報記録媒体および光情報記録媒体用積層体
TW102123497A TW201411615A (zh) 2012-08-17 2013-07-01 光學資訊記錄媒體及光學資訊記錄媒體層板
US13/959,046 US20140050877A1 (en) 2012-08-17 2013-08-05 Optical information recording medium and optical information recording medium laminate

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012181030A JP2014038677A (ja) 2012-08-17 2012-08-17 光情報記録媒体および光情報記録媒体用積層体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014038677A true JP2014038677A (ja) 2014-02-27

Family

ID=50100225

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012181030A Pending JP2014038677A (ja) 2012-08-17 2012-08-17 光情報記録媒体および光情報記録媒体用積層体

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20140050877A1 (ja)
JP (1) JP2014038677A (ja)
TW (1) TW201411615A (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011086327A (ja) * 2009-10-14 2011-04-28 Sony Corp 光記録媒体、光記録媒体の製造方法
JP2012164405A (ja) * 2011-02-09 2012-08-30 Tdk Corp 多層光記録媒体

Also Published As

Publication number Publication date
US20140050877A1 (en) 2014-02-20
TW201411615A (zh) 2014-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002260280A (ja) 光情報媒体およびその評価方法
JP6447830B2 (ja) 光記録媒体用透過型記録層、および光記録媒体
US9672861B2 (en) Optical recording medium
US8361586B2 (en) Optical recording medium
TW201807255A (zh) 光記錄媒體及其製造方法、光記錄媒體用記錄層
JP2008507067A5 (ja)
JP5617403B2 (ja) 光記録媒体
TW201246204A (en) Optical information recording medium and manufacturing method thereof and optical information recording medium recording layer
TW201403594A (zh) 光學資訊記錄媒體
JP2014038677A (ja) 光情報記録媒体および光情報記録媒体用積層体
JP2011253577A (ja) 光記録媒体およびその製造方法
WO2019172081A1 (ja) 光記録媒体用記録層、および光記録媒体
TW200401286A (en) Method for initializing optical recording medium
JP6838558B2 (ja) 光記録媒体
JP7468521B2 (ja) 光記録媒体
JP2005259294A (ja) 多層型光情報記録媒体及びその製造方法
WO2021132299A1 (ja) 光記録媒体
WO2020158680A1 (ja) 光記録媒体、記録層および記録層形成用スパッタリングターゲット
WO2015019927A1 (ja) 光記録媒体
JP2008090964A (ja) 追記型2層構成光記録媒体
JP2014041670A (ja) 光情報記録媒体および光情報記録媒体用積層体
JP2023101049A (ja) 情報記録媒体とその製造方法
TW201411614A (zh) 光學資訊記錄媒體及用於光學資訊記錄媒體之層板
JP2014024199A (ja) 光記録媒体
JP2008152839A (ja) 光記録媒体、及び光記録媒体の製造方法