JP2014036178A - 半導体積層ユニットおよび製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】積層構造体の積層方向長さの公差に起因する冷却性能の低下を抑制する。
【解決手段】半導体積層ユニット2は、筐体15が弾性変形可能な部材で構成される。筐体15は、特に、底板15eの曲げ方向の弾性率が前壁15aや後壁15bの曲げ方向の弾性率よりも低くなるように作られている。筐体15自体が弾性変形するため、前壁15aと後壁15bの間で狭持された積層構造体10に、積層方向(X軸方向)の長さに対する公差が存在しても、積層構造体10の個々の公差に合わせて筐体15が変形して、狭持される積層構造体10に前壁15a及び後壁15bの弾力による加圧力が加わる。従って、このような個々の公差を吸収しつつ冷却プレート3a〜3hと半導体モジュール12を密着させることが可能になるため、積層構造体10の積層方向長さの公差に起因する冷却性能の低下が抑制される。
【選択図】図3

Description

本発明は、半導体素子を収めた複数の半導体モジュールと複数の冷却プレートが一体化した半導体積層ユニットおよび製造方法に関する。
電圧を昇圧したり降圧したりする電圧コンバータや誘導モータに交流電流を供給するインバータは多数の半導体素子を備える。使われる半導体素子の典型は、スイッチング素子として用いられるトランジスタである。スイッチング素子のトランジスタとしては、代表的には、IGBTやMOSFETが使われる。半導体素子は流れる電流の大きさに応じて発熱する。電気自動車の走行用モータは出力が大きく、それゆえ、電気自動車の駆動系に用いられる半導体素子は発熱量が大きい。
発熱量の大きい半導体素子を効率よく冷却する冷却装置であってコンパクトな冷却装置が特許文献1、2に開示されている。いずれも、半導体素子を平板型(カード型)の半導体モジュールに収め、複数の半導体モジュールと冷媒を流す平板型の複数の冷却プレートを交互に積層する構造を備えている。そのような積層体を本明細書では積層構造体と称する。また、筐体に支持された積層構造体を半導体積層ユニットと称することがある。半導体積層ユニットは、一例として、電気自動車のパワーコントロールユニットに搭載される。なお、「パワーコントロールユニット」とは、インバータ回路や電圧コンバータ、及び、モータ駆動に必要な他の周辺デバイスを含むコントローラを意味する。
特許文献に記載された半導体積層ユニットでは、隣接する冷却プレートが半導体モジュールをその両面から冷却する。半導体モジュールを効率よく冷却するには、冷却プレートと半導体モジュールが密着している方がよく、そのため、積層構造体は、その積層方向に荷重を受けつつ支持される。特許文献1の技術では、積層構造体の積層方向長さ程度の間隔で開くコ字形状の板バネを用いて、積層方向の両側から積層構造体に荷重を加える。板バネは、積層された半導体モジュールの列ごとに設けられる。特許文献2の技術では、半導体積層ユニットの積層方向での線膨張率が筐体の線膨張率よりも大きい関係にある半導体積層ユニットと筐体を用意し、半導体積層ユニットの使用温度よりも低い温度雰囲気下で筐体に半導体積層ユニットを組み付ける。なお、使用温度よりも低い温度雰囲気下では、半導体積層ユニットは縮んでその長さが筐体の内幅よりも短くなる。線膨張率の違いから、使用温度では膨張の小さい筐体が膨張の大きい半導体積層ユニットを加圧する。
特開2005−228877号公報 特開2009−21404号公報
積層構造体は、隣接する冷却プレート同士が2本の接続管で接続されるとともに冷却プレートの間には半導体モジュールが挟み込まれ、これらが複数段積み重ねられて構成される。接続管の接続長や半導体モジュールの厚さは必ずしも一定ではなく誤差を含む。そのため、積層段数が増えるほどこの誤差の蓄積により積層構造体の積層方向長さにバラツキが生じ所定公差の範囲内に管理される。
特許文献1の技術では、積層された半導体モジュールの列ごとに板バネで荷重をかける。そのため、積層構造体の公差を半導体モジュールの列ごとに吸収するように板バネの調整を行う作業が必要となる。特許文献2の技術では、線膨張率の違いによる相対的な関係で筐体が半導体積層ユニットを加圧するが、積層構造体は公差の大小に関係なく一様に膨張するため、公差があればその公差も含めて膨張する。つまり、特許文献2の技術は、このような公差を吸収するには適さない。本明細書は、上記課題に鑑みて創作された。本明細書は、複数の半導体モジュールと複数の冷却プレートが交互に積層している半導体積層ユニットにおいて、積層構造体の積層方向長さの公差に起因する冷却性能の低下を抑制する技術を提供する。
本明細書が開示する半導体積層ユニットの一態様は次の通りである。積層構造体は、半導体素子を収めた複数の半導体モジュールと複数の冷却プレートが交互に積層しているものである。筐体は、弾性変形可能な部材で構成される。また筐体には底面があり、積層構造体の積層方向の長さよりも狭い間隔で並行に底面から立ち上がる2枚の壁を有する。壁は筐体の側壁でもよいし、筐体内で底板に立設する壁であってもよい。そして、2枚の壁の間に積層構造体が挟持されている。
前述したように、筐体は弾性変形可能な部材で構成される。筐体は、特に、底板の曲げ方向の弾性率が壁の曲げ方向の弾性率よりも低くなるように作られている。従って、上記の半導体積層ユニットは、2枚の壁同士の間隔が拡がるように筐体を反らせた壁間に積層方向を壁面に向けて積層構造体を挿入して、反りを戻した壁間に積層構造体を狭持させることによって組み立てることができる。
上記の構造では、筐体自体が弾性変形することから、2枚の壁間で狭持された積層構造体に積層方向長さに対する公差があっても、積層構造体個々の公差に合わせて筐体が変形する。そのため、壁間で狭持される積層構造体には、変形した筐体の弾性復元力による加圧力が加わる。筐体は、そのような公差を吸収しつつ冷却プレートと半導体モジュールを密着させる。すなわち、積層構造体の積層方向長さの公差に起因する冷却性能の低下が抑制される。また、筐体自体で積層構造体を加圧するため、板バネなどの加圧部材を必要とせず、部品点数の削減やコスト低減にも寄与する。
本明細書が開示する半導体積層ユニットのさらなる改良として、積層構造体の積層方向端部が当接する壁の当接面又はその裏側には、補強構造を設けるとよい。補強構造を有することにより、底板の曲げ方向の弾性率よりも壁の曲げ方向の弾性率を高くすることができる。補強構造により、積層構造体の積層方向端部が当接する当接面において壁の剛性が確保されるため、壁の弾力が高まり積層構造体に対する加圧力がさらに高められる。補強構造は、壁の上下方向に延びるリブであることが好ましい。弾性変形により壁が反る方向の剛性が高められるとともに、リブの形状により表面積も増えるため筐体による放熱機能も向上する。なお、壁の上下方向とは、壁が底面から立ち上がる方向に相当する。
本明細書は、また、上記した新規な半導体積層ユニットの製造方法も提供する。その方法は、積層構造体を積層方向の両側から加圧して交互に積層されている半導体モジュールと冷却プレートをそれぞれ密着させる加圧工程と、2枚の壁同士の間隔が拡がるように筐体の両側壁に荷重を加える荷重工程と、加圧工程で半導体モジュールと冷却プレートが密着した積層構造体を荷重工程で間隔が拡がった2枚の壁間に挿入する挿入工程と、挿入工程で挿入された積層構造体を2枚の壁間に残して荷重工程による両側壁の荷重を除く解放工程と、を含む。
本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
実施例の半導体積層ユニットの斜視図である。 実施例の半導体積層ユニットの図1に示すII−II線断面図である。 実施例の半導体積層ユニットの図2に示すIII−III線断面図である。 半導体積層ユニットの製造工程を説明する断面図である(1)。 半導体積層ユニットの製造工程を説明する断面図である(2)。 変形例の半導体積層ユニットの断面図である(1)。 変形例の半導体積層ユニットの断面図である(2)。 変形例の半導体積層ユニットの断面図である(3)。 変形例の半導体積層ユニットの断面図である(4)。
図面を参照して実施例の半導体積層ユニット2を説明する。図1に半導体積層ユニット2の斜視図を示し、図2に、図1に示すII−II線断面図(XZ平面で切断してY方向から見た断面図)、図3に、図2に示すIII−III線断面図(XY平面で切断して反Z方向から見た断面図)をそれぞれ示す。
実施例の半導体積層ユニット2は、電気自動車のパワーコントロールユニット(PCU)に内蔵される部品であり、インバータ回路に使われる複数の半導体素子と、電圧コンバータに使われる半導体素子を集約して冷却する装置である。半導体素子は、スイッチング素子(及びダイオード)であり、典型的にはIGBTである。半導体積層ユニット2は、主な部品として、積層構造体10及び筐体15を備えている。
積層構造体10は、複数の平板型の半導体モジュール12と、複数の平板型の冷却プレート3a〜3hを交互に積層したものである。半導体モジュール12は、IGBT(スイッチング素子)とダイオード(半導体素子)を樹脂でモールドしたものである。良く知られているように、インバータ回路は、2個のスイッチング回路(IGBTとダイオードの逆並列回路)の直列接続の組を3セット並列に接続した回路構成を有する。その他、半導体モジュール12に内蔵されているスイッチング回路は、電圧を変える電圧コンバータにも使われる。なお、半導体モジュール12は、内部の半導体素子に繋がる端子を備えているが、その図示は省略している。
冷却プレート3a〜3hは、内部が空洞であり(図2、3参照)、その長手方向(図中のY軸方向)の両端に貫通孔を有する。貫通孔には短い接続管13が接続される。2個の接続管13により、隣接する冷却プレートが接続される。積層構造体10の一方の端部に位置する冷却プレート3aには、冷媒供給管4と冷媒排出管5が接続される。積層構造体10をその積層方向(図中のX軸方向)から見ると、冷媒供給管4と、各冷却プレートの一方の接続管13が重なって見え、冷媒排出管5と他方の接続管13が重なって見える。すなわち、冷媒供給管4と冷媒排出管5は、ともに、積層構造体10の積層方向に沿って延びている。
冷媒は、不図示の冷媒タンクから冷媒排出チューブを介して供給される。冷媒は、冷媒供給管4及びそれと一列に並ぶ接続管13を介して全ての冷却プレートに行きわたって、冷却プレート3a〜3hをその一端から他端へと流れる間に接している半導体モジュール12を冷却する。冷却プレート3a〜3hを通過した冷媒は、冷媒排出管5及びそれと一列に並ぶ接続管13を通じ、さらに冷媒排出チューブを通って冷媒タンクへと戻される。
冷却プレート3a〜3h、接続管13、冷媒供給管4、冷媒排出管5は、熱伝導率の高いアルミニウムで作られている。冷却プレート3a〜3hの内部には、冷却能力を高めるためのフィンが内蔵される場合もある。
筐体15は、内部に積層構造体10を収容する底のある開口した矩形箱で、弾性変形可能な部材で構成されている。典型的には、筐体15は、アルミニウムで作られている。冷媒供給管4及び冷媒排出管5が突出する側を前方向とした場合、筐体15は、これらの管が貫通可能なU字溝17を有する前壁15aと、これに対向する後壁15bと、これらの両側に位置する右壁15c及び左壁15dと、これらで形成される矩形状の底面でこれら4枚の壁が立ち上がる底板15eと、により構成されている。
これらの壁のうち、積層構造体10の積層方向前後に位置する前壁15aと後壁15bは、その間隔が積層構造体10の積層方向の自然長よりも狭く設定されている。なお、自然長とは、積層方向に荷重を受けない状態における全長を意味する。また、これらの2枚の壁を繋ぐ底板15eは、その曲げ方向の弾性率が、前壁15aや後壁15bの曲げ方向の弾性率よりも低くなるように設定されている。
このため、前壁15a及び後壁15bを外側に向けて反らせるように力を加えることによって、底板15eの方が前壁15aや後壁15bよりも大きく変形して前壁15a及び後壁15bの間隔が拡がる。これにより、それまで狭かった両壁間が積層構造体10の積層方向の自然長よりも大きく拡がるため、前壁15aと後壁15bの間に積層構造体10を狭持することが可能となる。両壁に挟み込まれた積層構造体10は、図2に示すように、底板15eから浮いた状態で保持されて筐体15内に収容される。
前壁15a及び後壁15bには、このような間隔を広げるための加圧を加え易くするため、底板15eとほぼ平行に外側方向に延びるフランジ16が、U字溝17が形成される前壁15aの一部を除いて、開口端のほぼ全体に亘って形成されている。また、後壁15bには、積層構造体10の積層方向端部、つまり冷却プレート3hが当接する裏側に増肉部21が形成されている。
増肉部21は、後壁15bの補強構造として機能する。増肉部21は、図3に示すように、冷却プレート3a〜3hによって挟み込まれる半導体モジュール12の積層位置と重なる範囲に設けられている。別言すれば、増肉部21は、後壁15bにおいて、積層構造体10の積層方向で半導体モジュール12とオーバーラップする範囲に設けられている。増肉部21は、後壁15bの他の部分に比べて肉厚が徐々に厚くなって盛り上がり畝形状に形成される肉厚徐変部(凸状部)で、本実施形態では、後壁15bの高さ方向に沿って2箇所に設けられている。
このような増肉部21を、積層構造体10を狭持する後壁15bに設けることによって、前述した後壁15bの曲げ方向の弾性率が底板15eの曲げ方向の弾性率よりもさらに高くなる。そのため、積層構造体10の冷却プレート3hが当接する当接面において後壁15bに高い剛性が確保されることから、後壁15bの弾力が高まり積層構造体10に対する加圧力がさらに高まる。
次に、図4及び図5を参照して半導体積層ユニット2の組み立て方法(製造方法)を説明する。図4及び図5に、製造工程を説明する断面図を示す。これらの図は、いずれも図2と同様に、図1におけるII−II線断面図に相当するものである。
まず、積層構造体10を組み立てる工程(図4(A))では、冷媒供給管4、冷媒排出管5及び接続管13が組み付けられた冷却プレート3a〜3hの隙間に、半導体モジュール12が挿入される。冷却プレート3a〜3hは、それぞれの隙間が半導体モジュール12の厚さよりもわずかに広くなるように組み付けられており、積層方向の一方の端部から他方の端部、例えば、冷却プレート3aから冷却プレート3hに向かって順に半導体モジュール12の挿入が行われる。
半導体モジュール12が挿入されて積層構造体10が完成すると、その積層構造体10を積層方向両側から圧縮する加圧工程(図4(B))に移行する。この加圧工程は、各冷却プレート3a〜3hとこれらの間に挿入された半導体モジュール12の間に生じている隙間をなくして両者を密着させるために行われるもので、所定圧力Fxが積層構造体10の両側から加えられる。
また、加圧工程と並行して又は前後して、荷重工程(図4(C))により、筐体15の前壁15a及び後壁15bに荷重が加えられる。このとき筐体15は、平坦面に載置されるのではなく、載置される筐体15の底板15eの左右方向(図中のY軸方向)に棒状に延びる支持部31が、底板15eの前後方向(図中のX軸方向)裏側の中心部を所定距離で挟むように2箇所に位置して、その支持部31上に載置される。所定距離は、例えば、底板15eの前後方向長さの1/3に設定される。
荷重工程では、このような支持部31が筐体15の底板15eの裏側に存在するため、支持部31上に載置された筐体15の上方から、前壁15a及び後壁15bのフランジ16に荷重Fzが加わることで、底板15eが支持部31を支点に反るように弾性変形し、前壁15a及び後壁15bはいずれも外側(図中の細い矢印)に向けて傾くように弾性変形する。このとき前壁15aや後壁15bも反るように変形しても弾性率の違いから、その弾性変形量は底板15eに比べて小さい。
荷重工程によって、筐体15の前壁15a及び後壁15bはいずれも外側に開く。そのため、前壁15aと後壁15bの間隔は、加圧工程による圧縮後の積層構造体10の積層方向長さよりも拡がって当該積層構造体10を受け入れ可能になる。そのため、挿入工程(図5(A))では、弾性変形中の筐体15の上方から、圧縮後の積層構造体10を挿入する。挿入工程は、積層構造体10が筐体15の底板15eに接触する直前位置、又は所定間隔を確保して完了する(図5(B))。積層構造体10の筐体15内での深さ方向の位置が決まると、解放工程(図5(C))により、筐体15内に積層構造体10を残した状態で荷重Fzを解除する。これにより、底板15e、前壁15a及び後壁15bが元の形状に戻るため、筐体15内の積層構造体10は前壁15aと後壁15bにより狭持されて圧縮されたまま保持される。
以上説明した半導体積層ユニット2では、筐体15自体が弾性変形する。そのため、前壁15aと後壁15bの間で狭持された積層構造体10に、積層方向長さに対する公差が存在しても、積層構造体10の個々の公差に合わせて筐体15が変形して、狭持される積層構造体10に前壁15a及び後壁15bの弾力による加圧力が加わる。従って、このような個々の公差を吸収しつつ冷却プレート3a〜3hと半導体モジュール12を密着させることが可能になるため、積層構造体10の積層方向長さの公差に起因する冷却性能の低下が抑制される。また、筐体15自体で積層構造体10を加圧するため、板バネなどの加圧部材を必要とせず、部品点数の削減やコスト低減にも寄与する。
また、上記した製造方法では、筐体15の両壁15a、15bによる、積層構造体10の荷重と支持が同時に行われる。それゆえ、製造工程が簡略化し、製造コストが抑制できる。
なお、筐体15のさらなる改良として、図6〜図9に示す変形例が挙げられる。図6に示すように、底板15eの前後方向(図中のX軸方向)端部、すなわち前壁15aや後壁15bとの接続部近傍に、底板15eの左右方向(図中のY軸方向)に延びる凹形状(ベント形状)のベント溝15fを設ける。これにより、底板15eに対する前壁15a及び後壁15bのばね性がさらに高まるため、底板15eが変形し易くなる。
また、筐体15に設けられる補強構造には、様々なバリエーションが想定される。図7に示すように、後壁15bに設けられる増肉部21に代えて、リブ22(図7(A)参照)やビード23(図7(B)参照)であってもよい。リブ22やビード23は、増肉部21と同様に半導体モジュール12の積層位置と重なる範囲に設けられて後壁15bの高さ(立ち上がり)方向に延びて形成される。リブ22は、後壁15bに一体に形成された線状に延びる連続した凸形状で、例えば三本一組で構成される。また、ビード23は、線状に延びる連続した凹凸が繰り返し後壁15b自体により形成される。ビード23は、例えば、肉盛溶接で形成される。あるいは、ビード23は、筐体15をプレス成形する際に同時に成形される。
リブ22やビード23によっても、増肉部21と同様に、後壁15bの曲げ方向の弾性率が底板15eの曲げ方向の弾性率よりもさらに高くなることから、後壁15bの弾力が高まり積層構造体10に対する加圧力がさらに高められる。また、後壁15bに増肉部21を形成する場合に比べて、リブ22やビード23を形成する場合の方が表面積が増えることから、筐体15による放熱機能も向上する。
また、このような補強構造は、冷却プレート3hが当接する後壁15bの表側、つまり後壁15bの冷却プレート3hの当接範囲に設けてもよい。さらに、図7(B)に示すビード23のように、冷却プレート3hが当接する後壁15bの両面に設けてもよい。
さらに、図8に示すように、前壁15aや後壁15bとは、別に、筐体15から立ち上がる加圧壁18、19を設け、積層構造体10を狭持する壁に用いてもよい。例えば、冷却プレート3hと後壁15bの間に設けられた隙間に、前壁15aに対向しかつ前壁15aとの間隔が積層構造体10の積層方向の長さよりも狭く設定される加圧壁18を底板15eから立ち上がるように形成する(図8(A)参照)。また、前壁15aと冷却プレート3aの間に設けられた隙間に、後壁15bに対向しかつ後壁15bとの間隔が積層構造体10の積層方向の長さよりも狭く設定される加圧壁19を底板15eから立ち上がるように形成する(図8(B)参照)。これらの加圧壁18、19は、後壁15bや前壁15aと同様に、高さ(立ち上がり)方向に曲がる弾性率が底板15eの弾性率よりも高くなるように設定される。また、図9(A)に示すように、このような加圧壁18、19を両方とも設け、これらの間で、積層構造体10を狭持して保持するように構成してもよい。
これにより、加圧壁18を後壁15bの方向に向けて反らすことで前壁15aと加圧壁18の間が拡がり、また加圧壁19を前壁15aの方向に向けて反らすことで加圧壁19と後壁15bの間が拡がる。両壁とも加圧壁の場合には加圧壁18、19の間が拡がる。このため、前述した前壁15aと後壁15bのように、拡がったこれらの間隔に積層構造体10を狭持して保持することが可能となる。なお、後壁15bと同様に、半導体モジュール12の積層位置と重なる範囲に高さ(立ち上がり)方向に延びる増肉部(あるいはリブ)を、加圧壁18、19に設けることで、これらの弾性率が底板15eよりもさらに高められる。
なお、これらの加圧壁18、19が対向する壁は、例えば、図9(B)に示すように、前壁15a又は後壁15bの一部の肉厚が厚くなって構成されるブロック形状のブロック壁15gであってもよい。この場合、ブロック壁15g自体は殆ど弾性変形しないため、主に底板15eが弾性変形することとなり、両者の間隔をさらに拡げ易くする。
実施例で説明した技術の留意点を述べる。実施例では、半導体モジュール12が二列に並んで積層されているため、補強構造として、増肉部21、リブ22及びビード23を、半導体モジュール12の積層位置と重なる範囲にそれぞれ二箇所に設けた。このように半導体モジュール12が積層される列ごとに補強構造を設けてもよいし、全ての列に跨るように連続して補強構造を設けてもよい。なお、前壁15aが一方の側壁の一例に、また後壁15bが他方の側壁の一例に、それぞれ相当する。増肉部21、リブ22及びビード23が補強構造の一例に相当する。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:半導体積層ユニット
3a〜3h:冷却プレート
4:冷媒供給管
5:冷媒排出管
10:積層構造体
12:半導体モジュール
13:接続管
15:筐体
15a:前壁
15b:後壁
15c:右壁
15d:左壁
15e:底板
16:フランジ
18、19:加圧壁
21:増肉部
22:リブ
23:ビード

Claims (5)

  1. 半導体素子を収めた複数の半導体モジュールと複数の冷却プレートが交互に積層している積層構造体と、
    弾性変形可能な部材で構成されている底面のある筐体であって積層構造体の積層方向の長さよりも狭い間隔で並行に底面から立ち上がる2枚の壁を有する筐体と、
    を備えており、
    2枚の壁の間に積層構造体が挟持されていることを特徴とする半導体積層ユニット。
  2. 壁の壁面であって積層構造体の積層方向端部が当接する当接面又はその裏側に、補強構造が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の半導体積層ユニット。
  3. 壁の補強構造は、壁の上下方向に延びるリブであることを特徴とする請求項2に記載の半導体積層ユニット。
  4. 2枚の壁が、筐体の対向する側壁であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体積層ユニット。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体積層ユニットの製造方法であり、
    積層構造体を積層方向の両側から加圧して交互に積層されている半導体モジュールと冷却プレートをそれぞれ密着させる加圧工程と、
    2枚の壁同士の間隔が拡がるように筐体の両側壁に荷重を加える荷重工程と、
    加圧工程で半導体モジュールと冷却プレートが密着した積層構造体を荷重工程で間隔が拡がった2枚の壁間に挿入する挿入工程と、
    挿入工程で挿入された積層構造体を2枚の壁間に残して荷重工程による両側壁の荷重を除く解放工程と、
    を備えることを特徴とする製造方法。
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