JP2014034737A - 編物基材、および編物基材の編成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】FRPの基材に好適な編物基材で、部分的に機械的特性が異なる編物基材とその編成方法を提供する。
【解決手段】横編機を用いて編成された基材であり、強化繊維からなって所定の方向に並列される複数の第一ベース糸10と、強化繊維からなる糸で、第一ベース糸10と交差する方向に並列される複数の直線部21を有する第二ベース糸20と、両ベース糸10,20の交差状態を編地の形成によって固定する留糸30とを備える。該編物基材1は、高強度領域2と低強度領域3とを有する。留糸30は、引張強度が異なる高強度留糸31と低強度留糸32とを有する。そして、高強度留糸31は高強度領域2に位置し、低強度留糸32は低強度領域3に位置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、繊維強化プラスチック(FRP)の基材に好適な編物基材、およびその編物基材の編成方法に関する。特に、部分的に機械的特性が異なる編物基材に関する。
FRPの基材の形成技術として、特許文献1に記載の技術がある。特許文献1には、横編機を用いて、経糸の層と横糸の層を編糸で結合した多層編み構造体(編物基材)が開示されている。この多層編み構造体は、経糸を複数本平行に配置して横編機の歯口へ上部から供給し、横糸と編糸は横編機のキャリアで供給し、編糸で編地を形成して経糸と横糸を結合することで編成される。
特表2000−501792号公報
特許文献1の編物基材は、単一の素材の編糸で編地を形成し、経糸と横糸の結合を行っているため、全体的に一様な機械的特性となっている。よって、この編物基材をFRPの基材として用いた場合、FRPも全体的に一様な機械的特性となる。
昨今、FRPの基材として、部分的に機械的特性が異なる編物基材の開発が要望されている。例えば、物体が衝突するFRPを考慮した場合、衝撃吸収特性、FRP全体の形状維持特性、物体の損傷緩和特性などの複数の特性が求められる。そのため、一様な機械的特性の編物基材を用いるだけでは、これらの複数の特性を適切に兼備したFRPを得ることは難しい。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、FRPの基材に好適な編物基材で、部分的に機械的特性が異なる編物基材を提供することにある。また、本発明の別の目的は、本発明の編物基材を横編機により編成する編物基材の編成方法を提供することにある。
本発明の編物基材は、横編機を用いて編成された基材であり、第一ベース糸と、第二ベース糸と、両ベース糸を固定する留糸とを備える。第一ベース糸は、強化繊維からなって所定の方向に複数本並列される。第二ベース糸は、強化繊維からなる糸で、第一ベース糸と交差する方向に並列される複数の直線部を有する。留糸は、上記両ベース糸の交差状態を編地の形成によって固定する。該編物基材は、高強度領域と低強度領域とを有し、上記留糸は、引張強度が異なる高強度留糸と低強度留糸とを有する。上記高強度留糸は上記高強度領域に位置し、上記低強度留糸は上記低強度領域に位置することを特徴とする。
上記高強度領域と低強度領域は、編地のコース方向に配置されている形態が挙げられる。
留糸は、引張強度が異なる繊維の混繊糸からなり、高強度留糸と低強度留糸は、この繊維の混繊割合が異なる形態が挙げられる。
また、高強度留糸と低強度留糸は、引張強度が異なる個別の糸からなる形態が挙げられる。
本発明の編物基材の編成方法は、歯口を介して前後に対向される少なくとも一対の針床と、その針床の長手方向に沿って移動して歯口に給糸する複数のキャリアとを備える横編機を用いて、次のように編成される方法である。
(1)強化繊維からなる複数の第一ベース糸を並列状態で歯口に供給する。
(2)上記キャリアのうちベース糸用のキャリアで強化繊維からなる第二ベース糸を第一ベース糸と交差するように往復給糸する。
(3)上記キャリアのうち留糸用のキャリアで留糸を給糸し、針床の針により留糸で編地を編成して上記ベース糸の交差状態をその編地によって固定する。
この編物基材の編成方法において、上記留糸用のキャリアは、互いに引張強度の異なる高強度留糸と低強度留糸の各留糸を給糸する第一留糸用キャリアと第二留糸用キャリアとを備える。そして、次の工程により編物基材を編成することを特徴とする。
(1)第一留糸用キャリアから給糸した高強度留糸で編地の一部分を編成して該編物基材に高強度領域を形成する工程。
(2)第二留糸用キャリアから給糸した低強度留糸で編地の別の部分を編成して該編物基材に低強度領域を形成する工程。
本発明の編物基材の編成方法の一形態として、編地のコース途中において、第一留糸用キャリアと第二留糸用キャリアとを切り換えて、そのコース方向に、高強度領域と低強度領域とを形成する形態が挙げられる。
本発明の編物基材は、高強度領域と低強度領域とで異なる特性を有することができ、例えば、衝撃を受け易い箇所に高強度領域を配置し、衝撃を受け難い箇所に低強度領域を設けることができる。このとき、編物基材を基材とするFRPに物体を衝突させた場合、基材の高強度領域に衝撃が加わると、衝撃エネルギーが広範囲で消費・吸収されるため、衝撃吸収特性に優れる。一方、低強度領域は、第一ベース糸及び第二ベース糸によって繊維強化されていない樹脂材料に比べて引張強度が高く、かつ低強度留糸によって高強度領域に比べて形状維持特性に優れる。この編物基材は、部分的に衝撃吸収特性を有するFRPの基材に好適に利用できる。
留糸が、引張強度が異なる繊維の混繊糸からなることで、この繊維の混繊割合を異ならせることで、高強度留糸と低強度留糸の引張強度の選択の自由度を高められる。また高強度留糸と低強度留糸が、引張強度が異なる個別の糸からなることで、混繊糸のように繊維を混繊する工程を削減できる。
本発明の編物基材の編成方法は、高強度留糸と低強度留糸の各留糸を給糸するキャリアを異ならせ、これらキャリアを使い分けることで、容易に編物基材に高強度領域と低強度領域とを形成することができる。また、部分的に機械的特性の相違が求められる領域の選択の自由度を高められる。特に、本発明の編物基材の編成方法は、横編機を用いているため、編地のコース方向に、高強度領域と低強度領域とを容易に形成することができ、各領域を自由に配置できる。
実施形態1に示す編物基材の部分概略図である。 実施形態1に示す編物基材の分解概略図であり、図2(A)は、第一ベース糸と第二ベース糸との配置状態、図2(B)は、留糸による編地状態を示す。
<実施形態1>
以下、本発明の編物基材とその編成方法について説明する。編物基材は、後述するように横編機を用いて編成されるが、先に編物基材の構成について説明し、その後、編物基材の編成方法について説明する。図1に示す本実施形態の編物基材1は、第一ベース糸10と、第二ベース糸20と、編地を形成する留糸30とを備える。本発明の特徴とするところは、異なる特性の留糸を用いることで、編物基材1が高強度領域2と低強度領域3とを有することにある。
[編物基材]
(第一ベース糸・第二ベース糸)
第一ベース糸10は、複数本からなり、所定の間隔で所定の方向に並列して配置される。本例では、各第一ベース糸10は垂直方向に延び、水平方向に並列されている。第二ベース糸20は、図2(A)に示すように、単一の糸で、ある直線部21を形成すると、折り返し部22で折り返し、次の直線部21を形成するように蛇行配置される。この複数の直線部21は、第一ベース糸10と交差する方向に並列される。なお、第二ベース糸20は、複数の糸を引き揃えて蛇行させることで、各糸の直線部が第一ベース糸10と交差する方向に並列して配置されてもよいし、単一の糸が蛇行配置される途中で別の単一の糸に切り換えられて配置されてもよい。第一ベース糸10及び第二ベース糸20は、強化繊維からなり、例えば、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、超高分子量ポリエチレン(具体例:ダイニーマ:登録商標)などが利用できる。これらベース糸10,20は、一本の繊維であっても、複数の繊維の集合体であってもよく、複数の繊維の集合体である場合、異なる素材の繊維を引き揃えたり、撚り合わせたりした集合体であっても構わない。第一ベース糸10と第二ベース糸20は、編物基材1の表裏面の一方と他方に分かれて配置されており、両者10,20が表裏面の一方と他方の互い違いに配置された織物のような構成ではない。ここでは、図2(A)に示すように、第一ベース糸10が裏面(紙面の奥)に配置され、第二ベース糸20が表面(紙面の手前)に配置されており、両者10,20は直交している。また、両者10,20の交差状態は、直交に限らず、任意の角度で交差してもよい。各ベース糸10,20の太さについては特に問わない。
(留糸)
留糸30は、図2(B)に示すように、編地を形成している。この編地で、第一ベース糸10と第二ベース糸20の交差状態(図2(A))を固定する。留糸30は、引張強度が異なる高強度留糸31と低強度留糸32とを有する。
高強度留糸31は、代表的には、低強度留糸32に比べて引張強度が高く、破断伸度が低いという特性を有する。この高強度留糸31は、一例として、10cN/dtex以上の引張強度、250cN/dtex以上の弾性率、5%未満の伸度を備えるものが挙げられる。低強度留糸32は、代表的には、高強度留糸31に比べて引張強度が低く、破断伸度が高いという特性を有する。この低強度留糸32は、一例として、10cN/dtex未満の引張強度、250cN/dtex未満の弾性率、5%以上の伸度を備えるものが挙げられる。
留糸30の形態は、混繊糸や個別糸が挙げられる。混繊糸は、引張強度が高い材質の繊維と引張強度が低い材質の繊維とを組み合わせて構成され、この繊維の混繊割合を異ならせることで、高強度留糸31と低強度留糸32とすることができる。個別糸は、引張強度が高い材質の繊維のみで高強度領域31を構成し、引張強度が低い材質の繊維のみで低強度留糸32を構成する。留糸30の太さは、編地が形成でき、第一ベース糸10と第二ベース糸20との交差状態を固定するのに適した太さが選択できる。
上記の引張強度が高い材質は、例えば、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、超高分子量ポリエチレン(具体例:ダイニーマ:登録商標)などの強化繊維が挙げられ、特に、アラミド繊維が好ましい。これらの引張強度が高い材質の繊維は、通常、FRPの作製過程で受ける熱によっても融解することなく、FRP作製後においても編地の形態を維持する。
上記の引張強度が低い材質は、非強化樹脂繊維が好適に利用できる。具体的には、ナイロン樹脂繊維、ポリエチレン樹脂繊維、ポリエステル樹脂繊維、ポリプロピレン樹脂繊維、ポリエーテルエーテルケトン樹脂繊維、ポリエーテルケトン樹脂繊維などの熱可塑性樹脂繊維が挙げられ、特に、ポリプロピレン樹脂繊維が好ましい。熱可塑性樹脂繊維は、FRPの作製過程で受ける熱によって融解して留糸の原形をとどめないことが多い。しかし、FRPとしては、第一ベース糸と第二ベース糸の相互の配置状態は加熱前とかわらない。熱可塑性樹脂繊維は、FRPを加熱することで元の原料樹脂繊維に戻すことができリサイクル性に富むため好ましい。引張強度が低い材質は、他に、不飽和ポリエステル繊維、フェノール樹脂繊維、エポキシ樹脂繊維などの熱硬化性樹脂繊維を用いることもできる。熱硬化性樹脂繊維は、FRPとした場合に、熱可塑性樹脂繊維に比べて軟化し難いため、高温環境での利用に適している。
第一ベース糸10と第二ベース糸20とは、上述したように、編物基材1の表裏面の一方と他方に分かれて配置されているため、留糸30による固定がなければばらけた状態となる。よって、留糸30で編地を編成して両ベース糸10,20の交差状態をその編地によって固定する。ここでは、編地を構成する編目において、コース方向(図1の左右方向)に隣り合う編目間に伸びる渡り部33(図2(B))で、第一ベース糸10を編物基材1の裏面(紙面の奥)から支え、ウエール方向(図1の上下方向)に連続する各編目間の編目部34(図2(B))で、第二ベース糸20を編物基材1の表面(紙面の手前)から支える。こうすることで、第一ベース糸10と第二ベース糸20の交差状態を各渡り部33と各編目部34とで挟むことによって両ベース糸10,20を固定できる。また、図1では、平編みによる編地を示したが、他にリブ編みなどであっても、両ベース糸10,20を固定できれば編地の構成は特に問わない。
本発明の編物基材1は、高強度領域2と低強度領域3とを有する。この高強度領域2と低強度領域3は、上述した留糸30の引張強度によって決まる。高強度領域2は、第一ベース糸10と第二ベース糸20とを高強度留糸31で編地を編成して固定することで形成される。低強度領域3は、第一ベース糸10と第二ベース糸20とを低強度留糸32で編地を編成して固定することで形成される。
上記の高強度領域2は、衝撃を受け易い箇所に形成することが好ましい。本発明の編物基材1を基材とするFRPに物体を衝突させた場合、基材1の高強度領域2に衝撃が加わると、衝撃エネルギーは、高強度留糸31又は高強度留糸31が融解したFRPのマトリックス樹脂を介して衝撃作用点から周囲に分散して伝播され、その伝播によって消費・吸収される。この衝撃エネルギーは、広範囲で消費・吸収されるため、高強度領域2は衝撃吸収特性に優れ、衝突物体の損傷が緩和できる。高強度領域2は、高強度留糸31の引張強度が高ければ高いほど、より衝撃吸収特性が高い。ただし、衝撃エネルギーが高強度留糸31を破壊するため、編物基材1を基材としたFRPにおいて、高強度領域2は、低強度領域3に比べ引張強度は低くなる。なお、上記の衝撃吸収特性は、試験片(編物基材を基材とするFRP)を2点で支持し、これら支持点とは反対方向から支持点間のほぼ中央に重りを衝突させる、いわゆる3点曲げ衝撃試験を行って評価できる。
上記の低強度領域3は、衝撃を受け難い箇所に形成することが好ましく、例えば、高強度領域2の周囲に形成することが挙げられる。本発明の編物基材1をFRPの基材としたとき、低強度留糸32に熱可塑性樹脂繊維を用いた場合、低強度留糸32が原形をとどめないことで、第一ベース糸10及び第二ベース糸20の繊維強化と一体化される。これにより、低強度領域2は、引張強度が高い繊維強化の特性によって、繊維強化されていない樹脂材料に比べて引張強度が高く、かつ低強度留糸32によって高強度領域2に比べて形状維持特性に優れる。ただし、低強度留糸32は原形をとどめないため、衝撃エネルギーを広範囲に伝えることができないため、高強度領域2に比べて衝撃吸収特性は低くなる。
編物基材1において、高強度領域2と低強度領域3の配置箇所や大きさ、形状などは、所望の箇所や大きさ、形状とすることができる。また、各領域の配置箇所の数も問わず、例えば、各領域を断続的に複数箇所に配置することもできる。ここでは、図1に示すように、編物基材1の中央箇所において、高強度留糸31(太線で描かれた留糸30)で編地を編成して矩形状の高強度領域2(点線で囲まれたハッチング部分)を形成しており、その高強度領域2の周囲を低強度留糸32(細線で描かれた留糸30)で編地を編成して枠状の低強度領域3を形成している。つまり、編物基材1は、編地のコース方向及びウエール方向の両方向において、高強度領域2と低強度領域3が配置されている。他に、編地のコース方向及びウエール方向のどちらか一方において、高強度領域2と低強度領域3が配置されていてもよい。高強度領域2と低強度領域3の境界部分において、高強度留糸31と低強度留糸32の切り換えに伴う接合箇所が存在するが、図1では、この接合箇所は、第一ベース糸10の裏面(紙面の奥)で形成されており、図示していない。
[用途]
本発明の編物基材は、機械的特性が異なる領域が部分的に存在することで、衝撃吸収特性と基材全体の形状維持特性の双方を兼備したFRPの基材に好適に利用できる。例えば、自動車のボンネットに本発明の編物基材を用いたFRPを利用すると、自動車が歩行者に衝突した場合、歩行者への衝撃を和らげることができ、ダメージを極力小さく抑えることができる。また、ボンネットの形状維持もできる。本発明の編物基材は、他に、自動車のクラッシュボックスやピラーなどにも利用でき、自動車以外の乗り物、各種装置の構造材などにも幅広く利用できると考えられる。
[編物基材の編成方法]
上述した本発明の編物基材は、横編機を用いて以下の編成方法によって容易に編成できる。ここでは、前後各一つの針床を備える2枚ベッドの横編機を用いた。もちろん使用する横編機は、2枚ベッド横編機に限定されるわけではなく、例えば、4枚ベッド横編機であってもよい。横編機は、針床の長手方向に沿って往復移動して針床間の歯口に給糸する複数のキャリアを備える。具体的には、ベース糸用のキャリアと留糸用のキャリアを備える。さらに、留糸用のキャリアは、互いに引張強度が異なる高強度留糸と低強度留糸の各留糸を給糸する第一留糸用キャリアと第二留糸用キャリアとを備える。
本発明の編物基材の編成方法は、まず、複数の第一ベース糸を並列状態で歯口に供給する。第一ベース糸の供給方法として、歯口の上部に固定され、第一ベース糸が所定の間隔を保って並列状態で連続供給される給糸治具を用いることが挙げられる。この給糸治具を用いることで、複数の第一ベース糸を歯口の長手方向に並列させることができる。次に、ベース糸用のキャリアを先行して移動させ、第二ベース糸を第一ベース糸と交差するように往復給糸する。このとき、第一ベース糸と第二ベース糸とが基材の一方と他方に配置されるように、ベース糸用のキャリアは、第一ベース糸の一方側(ここでは、前ベッド側)に給糸する。さらに、留糸用のキャリアをベース糸用のキャリアに後行して移動させ、留糸を供給し、針床の針により編地を編成する。このとき、留糸用のキャリアは、第一ベース糸を挟んでベース糸用のキャリアと反対側に給糸し、その留糸をベース糸用キャリア側の針床の編針で編成する。ここでは、留糸用のキャリアは、第一ベース糸よりも後ベッド側に留糸を給糸し、その留糸を前ベッドの編針で編成している。
第一留糸用キャリアから給糸した高強度留糸で編地の一部分を編成して編物基材に高強度領域を形成する。また、第二留糸用キャリアから給糸した低強度留糸で編地の別の部分を編成して編物基材に低強度領域を形成する。第一留糸用キャリアと第二留糸用キャリアとは、編地のコース途中において高強度領域と低強度領域との切り換わる位置で、インターシャ編成により使用する留糸用キャリアを切り換えることで上記各領域を適切なキャリア(留糸)で形成することができる。この編成方法によって、編地のコース方向及びウエール方向の両方向、もしくはどちらか一方向において、高強度領域と低強度領域を形成することができる。留糸の切り換え方法としては、インターシャ編成以外に、プレーティング編成により、低強度領域では低強度留糸のみ供給し、高強度領域では低強度留糸と高強度留糸の両方を給糸し、編地を編成する方法などが挙げられる。上記各領域の切り換えは、高強度留糸と低強度留糸とが連続して繋がるように行うことが望ましい。
上述した編成方法によって得られた編物基材は、FRPの基材として利用する場合、該編物基材を積層し、樹脂を含浸させて加熱圧縮する。このとき、留糸に樹脂が含まれている場合は、追加で編物基材に樹脂を含浸や塗布させてもよいが、この追加は必須ではない。後者の場合は、よりFRPの生産性に優れる。
以上説明したように、本発明の編物基材の編成方法によれば、高強度留糸と低強度留糸の各留糸を給糸するキャリアを異ならせ、これらキャリアを切り換えることで、容易に編物基材に高強度領域と低強度領域とを形成することができる。そして、この編成方法によって得られた本発明の編物基材は、高強度領域と低強度領域の異なる機械的特性を有しているため、例えば、衝撃吸収特性と基材全体の形状維持特性の双方を兼備したFRPの基材に好適に利用することができる。
<実施形態2>
実施形態1では、第一ベース糸と第二ベース糸を直交させて、この直交状態を留糸の編地によって固定した。この2つのベース糸に対して、さらに斜めに第三ベース糸(傾斜ベース糸)を供給することができる。第三ベース糸の傾斜角度は、特に限定されず、任意に設定することができる。傾斜角度は、例えば、水平方向から45°傾いた方向や135°傾いた方向などが挙げられる。斜めに糸を供給する方法として、実施形態1で用いた給糸治具を用いて、留糸用キャリアで1コースの編目列を編成したら、上記治具を針床の長手方向に若干スライドさせて治具から歯口へ至る第一ベース糸を傾斜させ、次のコースを編成するということを繰り返し行う方法が挙げられる。傾斜角度が異なる第三ベース糸は、複数組あっても構わない。
1 編物基材
2 高強度領域 3 低強度領域
10 第一ベース糸
20 第二ベース糸 21 直線部 22 折り返し部
30 留糸 31 高強度留糸 32低強度留糸 33 渡り部 34 編目部

Claims (6)

  1. 横編機を用いて編成された基材であり、強化繊維からなって所定の方向に並列される複数の第一ベース糸と、強化繊維からなる糸で、第一ベース糸と交差する方向に並列される複数の直線部を有する第二ベース糸と、前記両ベース糸の交差状態を編地の形成によって固定する留糸とを備える編物基材において、
    該編物基材は、高強度領域と低強度領域とを有し、
    前記留糸は、引張強度が異なる高強度留糸と低強度留糸とを有し、
    前記高強度留糸は前記高強度領域に位置し、前記低強度留糸は前記低強度領域に位置することを特徴とする編物基材。
  2. 前記高強度領域と低強度領域は、前記編地のコース方向に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の編物基材。
  3. 前記留糸は、引張強度が異なる繊維の混繊糸からなり、
    前記高強度留糸と低強度留糸は、この繊維の混繊割合が異なることを特徴とする請求項1又は2に記載の編物基材。
  4. 前記高強度留糸と低強度留糸は、引張強度が異なる個別の糸からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の編物基材。
  5. 歯口を介して前後に対向される少なくとも一対の針床と、その針床の長手方向に沿って移動して歯口に給糸する複数のキャリアとを備える横編機を用いて、
    強化繊維からなる複数の第一ベース糸を並列状態で前記歯口に供給し、
    前記キャリアのうちベース糸用のキャリアで強化繊維からなる第二ベース糸を第一ベース糸と交差するように往復給糸し、
    前記キャリアのうち留糸用のキャリアで留糸を給糸し、針床の針により留糸で編地を編成して前記両ベース糸の交差状態をその編地によって固定する編物基材の編成方法において、
    前記留糸用のキャリアは、互いに引張強度の異なる高強度留糸と低強度留糸の各留糸を給糸する第一留糸用キャリアと第二留糸用キャリアとを備え、
    第一留糸用キャリアから給糸した高強度留糸で前記編地の一部分を編成して該編物基材に高強度領域を形成する工程と、
    第二留糸用キャリアから給糸した低強度留糸で前記編地の別の部分を編成して該編物基材に低強度領域を形成する工程とを備えることを特徴とする編物基材の編成方法。
  6. 前記編地のコース途中において、前記第一留糸用キャリアと第二留糸用キャリアとを切り換えて、そのコース方向に、前記高強度領域と低強度領域とを形成することを特徴とする請求項5に記載の編物基材の編成方法。
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