JP2014033727A - 超音波診断装置 - Google Patents

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亨 平野
Isao Uchiumi
勲 内海
Yasuo Miyajima
泰夫 宮島
Hironobu Hongo
宏信 本郷
Nobuyuki Iwama
信行 岩間
Fumiyasu Sakaguchi
文康 坂口
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Abstract

【課題】送信回路の発熱を高くせず、高い送信強度分解能を有する送信アポダイゼーションを実行可能な超音波診断装置を提供する。
【解決手段】超音波プローブ11と、被検体に超音波を送信する送信部21と、被検体から超音波エコーを受信する受信部23と、受信部の出力に基づいて画像データを発生する画像発生部25とを具備し、送信部21は、超音波の送信周期を決定するレートパルスを発生するレートパルス発生器211と、レートパルスに振動子毎に遅延時間を与える送信遅延回路と、遅延されたレートパルスに同期して振動子を駆動するための駆動信号を発生するパルサとを有し、パルサは、高電圧を発生する高電圧発生部と、高電圧に対するスイッチング制御によりパルス幅可変の高電圧パルスを発生する高電圧パルス発生部と、高電圧パルスに対するスルーレート制御により波形可変の駆動信号を発生する駆動信号発生部とを有すること、を特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、超音波の送信を制御する超音波診断装置に関する。
従来、超音波診断装置において、低サイドローブで、かつ深さ方向に均一な送信音場を発生させるアポダイゼーション(以下、送信アポダイゼーションと呼ぶ)が用いられている。送信アポダイゼーションは、複数の振動子各々から被検体に送信される超音波の送信波形を相似形で維持しつつ、送信波形の振幅を、開口中心から開口端部にかけて減少させることにある。送信アポダイゼーションを実行するために、パルス幅変調(Pulse Width Modulation:以下、PWMと呼ぶ)が一般的に用いられる。PWMとは、例えば、振動子各々を駆動するための駆動信号のパルス幅を、開口中心から開口端部にかけて狭く変更することである。PWMを用いた送信アポダイゼーションにおいて、開口端部に位置する振動子を駆動するための駆動信号の強度の分解能(以下、駆動強度分解能と呼ぶ)を維持するために、駆動信号生成用のクロック周波数、すなわちクロックの時間分解能は、十分高くされる必要がある。
しかしながら、駆動信号生成用のクロック周波数を高くすると、駆動回路の発熱を増加させる。例えば、2次元アレイ(2Dimensional−Array:以下2D−Arrayと呼ぶ)などにおいて、送信回路をプローブ把持部に内蔵している場合、プローブの発熱規制の上限により、送信超音波のパワーを十分に確保できない問題がある。このとき、十分なS/N比(Signal to Noise Ratio)を確保できない問題がある。
例えば、図11は、PWMのみで送信アポダイゼーションを実施した場合において、パルス幅変調による高電圧パルスと、振動子を駆動するための駆動信号と、駆動信号により発生された超音波の電圧信号とに関するシミュレーションを示す図である。図11の(11)に示すように、例えば、開口中心に位置する振動子(以下、中心振動子と呼ぶ)において発生される超音波パルス(以下、中心超音波パルスと呼ぶ)の端部(図11の(12))に対応する駆動信号のパルス幅(以下、端部パルス幅と呼ぶ)は、6.5クロックである。すなわち、6.5クロックの端部パルス幅を有する駆動信号により、中心超音波パルスの端部の波形(図11の(13))が発生される。
図11のPWMにおいて、端部パルス幅は、(11)の6.5クロックから左右1パルス幅ずつ、すなわち4.5クロック、2.5クロック、0.5クロックの順に減少されている。端部パルス幅が0.5クロックである駆動信号は、開口の端部に位置する振動子(以下、端部振動子と呼ぶ)に供給される。また、4.5クロックの端部パルス幅は、開口中心に近い位置の振動子に供給される駆動信号に適用される。2.5クロックの端部パルス幅は、開口端部に近い位置における振動子に供給される駆動信号に適用される。
以上のことから、図11におけるPWMでは、送信アポダイゼーションにおいて、3段階の駆動強度分解能しか得られない問題がある。駆動強度分解能が低いと超音波の送信波形の強度の分解能(以下、送信強度分解能と呼ぶ)も低下するため、最適な送信アポダイゼーションを実行できない問題がある。駆動強度分解能を向上させるためのクロック数の増加は、上記発熱規制、S/N比の低下などの問題につながる。すなわち、PWMでは、送信アポダイゼーションにおける駆動強度分解能を向上させることができない問題がある。
また、送信アポダイゼーションは、駆動信号のスルーレートを制御することにより実行されてもよい。スルーレートとは、例えば、駆動信号の抵抗である。図12は、スルーレート制御のみによる送信アポダイゼーションの実行に係り、高電圧パルスと、スルーレート制御による振動子に印加される電圧信号と、発生された超音波の電圧信号とを示す図である。スルーレート制御は、駆動信号のパルス幅が狭いほど大きな効果を発生する。このため、スルーレート制御による送信アポダイゼーションは、超音波の送信波形を相似形で維持するため、送信波形の半波ごとに、スルーレートを変更制御しなければならない。半波ごとのスルーレートの変更制御は、装置が複雑になることによる製造コストが増大する問題がある。加えて、図12に示すようにスルーレートのみの制御では、超音波の送信波形の相似性を保つことが難しくなる問題がある。
特開2005−663号公報
目的は、送信回路の発熱を高くすることなしに、高い送信強度分解能を有する送信アポダイゼーションを実行することができる超音波診断装置を提供することにある。
本実施形態に係る超音波診断装置は、複数の振動子を有する超音波プローブと、前記振動子を介して被検体に超音波を送信する送信部と、前記振動子を介して前記被検体から超音波エコーを受信する受信部と、前記受信部の出力に基づいて画像データを発生する画像発生部とを具備し、前記送信部は、前記超音波の送信周期を決定するレートパルスを発生するレートパルス発生器と、前記レートパルスに前記振動子毎に遅延時間を与える送信遅延回路と、前記遅延されたレートパルスに同期して前記振動子を駆動するための駆動信号を発生するパルサとを有し、前記パルサは、高電圧を発生する高電圧発生部と、前記高電圧に対するスイッチング制御によりパルス幅可変の高電圧パルスを発生する高電圧パルス発生部と、前記高電圧パルスに対するスルーレート制御により波形可変の前記駆動信号を発生する駆動信号発生部とを有すること、を特徴とする。
図1は、本実施形態に係る超音波診断装置の構成を示す構成図である。 図2は、本実施形態に係り、パルサの構成の一例を示す図である。 図3は、本実施形態に係り、パルサの回路構成の一例を示す図である。 図4は、本実施形態に係り、超音波プローブの開口中心から振動子の位置までの距離に対するスルーレートの関係の一例を示す図である。 図5は、本実施形態に係り、送信アポタイゼーション機能を実行する処理の手順を示すフローチャートである。 図6は、本実施形態に係り、スイッチング制御によりパルス幅が変更された高電圧パルスと、第1乃至第3スルーレートのセット(以下、スルーレートセットと呼ぶ)がそれぞれ異なる駆動信号とを、それぞれ異なるスルーレートセットを用いたスルーレート制御により振動子から発生される超音波の送信波形とともに示した図である。 図7は、本実施形態に係り、パルス幅変調された正、負の高電圧パルスおよびゼロの電圧パルスの一例を示す図である。 図8は、本実施形態に係り、図7における正の高電圧パルスに、開口中心からの振動子の位置までの距離に対応するスルーレートを用いてスルーレート制御を実行した後の駆動信号の一例を示す図である。 図9は、本実施形態に係り、図8における駆動信号を振動子に印加することにより発生された超音波の送信波形の一例を示す図である。 図10は、本実施形態の変形例に係り、駆動開始部分および駆動終了部分における正の高電圧パルスを、スイッチング間隔とスルーレートとの変更前後について示す図である。 図11は、従来技術において、PWMのみ用いた送信アポダイゼーションの実行に係り、パルス幅変調された高電圧パルスと、高電圧パルスにより発生された駆動信号と、駆動信号により発生された超音波の電圧信号とを示す図である。 図12は、従来技術において、スルーレート制御のみでの送信アポダイゼーションの実行に係り、高電圧パルスと、高電圧パルスに対するスルーレート制御により発生された駆動信号と、駆動信号により発生された超音波の電圧信号とを示す図である。
以下、図面を参照しながら本実施形態に係わる超音波診断装置を説明する。なお、以下の説明において、略同一の構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置1のブロック構成図を示している。同図に示すように、超音波診断装置1は、超音波プローブ11、装置本体12、表示部13、装置本体12に接続され操作者からの各種指示・命令・情報を装置本体12に取り込むための入力部14を有する。加えて本超音波診断装置1には、心電計、心音計、脈波計、呼吸センサに代表される図示していない生体信号計測部およびネットワークが、インターフェース部43を介して接続されてもよい。
超音波プローブ11は、圧電セラミックス等の音響/電気可逆的変換素子としての複数の振動子11−1、11−2、…、11−nを有する。複数の振動子11−1、11−2、…、11−nは並列され、超音波プローブ11の先端に装備される。なお、一つの振動子が一チャンネルを構成するものとして説明する。複数の振動子11−1、11−2、…、11−nは、後述する送信部21の複数のパルサ212b−1、212b−2、…、212b−nからそれぞれ供給される駆動信号に応答して超音波を発生する。複数の振動子11−1、11−2、…、11−n各々は、被検体の生体組織で反射された超音波エコーの受信に応答して、エコー信号を発生する。なお、超音波プローブ11は、複数の振動子11−1、11−2、…、11−nを1次元上に配列させた1次元アレイプローブであってもよいし、複数の振動子11−1、11−2、…、11−nを2次元上に配列させた2次元アレイプローブであってもよい。
装置本体12は、送信部21、受信部23、画像発生部25、画像メモリ27、画像合成部29、記憶部31、スイッチング間隔決定部33、スルーレート設定部35、インターフェース部37、制御プロセッサ(中央演算処理装置:Central Processing Unit:以下CPUと呼ぶ)39を有する。
送信部21は、レートパルス発生器211と、チャンネル数にそれぞれ対応する複数の送信回路212−1、212−2、…、212−nとを有する。レートパルス発生器211は、所定のレート周波数で送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。レートパルス発生器211は、例えば5kHzのレート周波数でレートパルスを繰り返し発生する。発生されたレートパルスは、チャンネル数に分配され、それぞれのチャンネルに接続された送信回路212−1、212−2、…、212−nに送られる。
複数の送信回路212−1、212−2、…、212−nは、送信遅延回路212a−1、212a−2、…、212a−nとパルサ212b−1、212b−2、…、212b−nとをそれぞれ有する。以下、一つの送信回路212−1について説明する。送信遅延回路212a−1は、チャンネル毎に超音波をビーム状に収束し且つ送信指向性を決定するのに必要な遅延時間を、各レートパルスに与える。パルサ212b−1は、このレートパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ11の振動子11−1に電圧パルス(駆動信号)を印加する。これにより、超音波ビームが被検体に送信される。以下、図2および図3を参照して、ひとつのパルサ212b−1の構成について詳述する。
図2は、パルサ212b−1の構成の一例を示す図である。パルサ212b−1は、高電圧発生部212b1と、高電圧パルス発生部212b2と、駆動信号発生部212b3とを有する。なお、高電圧発生部212b1は、送信部21の外部であって、装置本体12内に設けられてもよい。高電圧発生部212b1は、振動子11−1に印加される高電圧を発生する。高電圧発生部212b1は、発生した高電圧を、高電圧パルス発生部212b2に供給する。
図3は、高電圧パルス発生部212b2と駆動信号発生部212b3との構成の一例を示す図である。高電圧パルス発生部212b2は、正側の高電圧に対応した第1のスイッチ(以下、SW1と呼ぶ)と、負側の高電圧に対応した第2のスイッチ(以下、SW2と呼ぶ)と、アースに接続された第3のスイッチ(以下、SW3と呼ぶ)とを有する。高電圧パルス発生部212b2は、送信遅延回路212a−1から供給されたレートパルスと、後述するスイッチング間隔設定部33により設定されたスイッチング間隔とに基づいて、SW1、SW2、SW3のスイッチングを制御する。高電圧パルス発生部212b2は、SW1、SW2、SW3のスイッチング制御により、開口中心からの振動子の位置と被検体に送信される超音波の送信波形とに応じたパルス幅を有する高電圧パルスを発生する。SW1、SW2、SW3は例えばトランジスタである。SW1、SW2、SW3に対するスイッチング制御により、開口中心の振動子に供給される高電圧パルスのパルス幅は、開口端部の振動子に供給される高電圧パルスのパルス幅より長くなる。
駆動信号発生部212b3は、第1スルーレート付与部212b3−1と、第2スルーレート付与部212b3−2と、第3スルーレート付与部212b3−3とを有する。第1スルーレートと、第2スルーレートと、第3スルーレートとは、後述するスルーレート設定部35により設定される。スルーレートとは、例えば、スイッチがオンされた時の抵抗値(以下、オン抵抗と呼ぶ)である。第1スルーレート付与部212b3−1は、SW1がオンされると+Vの電圧に対して第1スルーレートを付与する。第2スルーレート付与部212b3−2は、SW2がオンされると−Vの電圧に対して第2スルーレートを付与する。第3スルーレート付与部212b3−3は、SW3がオンされると0Vの電圧に対して第3スルーレートを付与する。駆動信号発生部212b3は、スルーレートが付与された電圧を駆動信号として、対応する振動子11−1へ出力する。
具体的には、第1乃至第3スルーレート付与部によるスルーレートの付与は、以下のように実行されてもよい。SW1、SW2、SW3として2重拡散MOSFET(Double−Diffusion Metal−Oxide−Semiconductor Field Effect Transister:以下、DMOSFETと呼ぶ)がそれぞれ用いられる場合、第1乃至第3スルーレート付与部各々は、DMOSFETのゲートを駆動する電圧または電流を、DMOSFETのゲートに供給する。これにより、第1乃至第3スルーレート付与部各々は、スルーレートを各々の電圧(+V、−V、0V)に付与する。なお、SW1、SW2、SW3として複数の小電流DMOSFETを並列接続した複数の並列小電流DMOSFETがそれぞれ用いられる場合、第1乃至第3スルーレート付与部各々は、複数の並列小電流DMOSFETのうち通電される小電流DMOSFETの数を制御する。これにより、第1乃至第3スルーレート付与部各々は、スルーレートを各々の電圧(+V、−V、0V)に付与する。なお、オン抵抗の代わりに、第1乃至第3スルーレートから出力された電圧の時間変化率であってもよい。また、第1乃至第3スルーレートは、振動子ごとに一定であってもよい。
受信部23は、プリアンプ回路231、受信遅延回路232、加算器233等を有する。被検体の生体組織で反射されたエコー信号は、超音波プローブ11を介してエコー信号としてチャンネル毎に取り込まれる。プリアンプ回路231は、超音波プローブ11を介して取り込まれた被検体からのエコー信号をチャンネル毎に増幅する。受信遅延回路232は、ディジタル信号に変換されたエコー信号に、受信指向性を決定するために必要な遅延時間を与える。加算器233は、遅延時間が与えられた複数のエコー信号を加算する。この加算により、受信部23は、受信指向性に応じた方向からの反射成分を強調した受信信号を発生する。
この送信指向性と受信指向性とにより超音波送受信の総合的な指向性が決定される(この指向性により、いわゆる「超音波走査線」が決まる)。受信部23は、被走査領域内の各走査線における深さごとの受信信号を、後述する画像発生部25に出力する。なお、受信部23は、1回の超音波送信で複数の走査線上に生じたエコー信号を同時に受信する並列受信機能を有していてもよい。
画像発生部25は、図示していないBモード処理ユニットと、ドプラ処理ユニットと、画像生成ユニットとを有する。画像発生部25は、受信部23からの出力された受信信号に基づいて、画像データを発生する。以下、画像データの発生に関して詳述する。画像データとは、後述するBモードデータまたはドプラデータに基づいて発生された超音波画像データである。
Bモード処理ユニットは、図示していない包絡線検波器、対数変換器などを有する。包絡線検波器は、受信部23から出力された受信信号に対して包絡線検波を実行する。包絡線検波器は、包絡線検波された信号を、後述する対数変換器に出力する。対数変換器は、包絡線検波された信号に対して対数変換して弱い信号を相対的に強調する。Bモード処理ユニットは、対数変換器により強調された信号に基づいて、各走査線および各超音波送受信における深さごとの信号値(Bモードデータ)を発生する。
なお、Bモード処理ユニットは、被走査領域におけるアジマス(Azimuth)方向、エレベーション(Elevation)方向、深さ方向(以下レンジ(Range)方向と呼ぶ)にそれぞれ対応付けて配列された複数の信号値からなる3次元Bモードデータを発生してもよい。レンジ方向とは、走査線上の深さ方向である。アジマス方向とは例えば、1次元超音波振動子の配列方向に沿った電子走査方向である。エレベーション方向とは、1次元超音波振動子の機械的揺動方向である。なお、3次元Bモードデータは、複数の画素値または複数の輝度値などを、走査線に沿って、アジマス方向、エレベーション方向、レンジ方向にそれぞれ対応付けて配列させたデータであってもよい。また、3次元Bモードデータは、被走査領域において予め設定された関心領域(Region Of Interest:以下ROIと呼ぶ)に関するデータであってもよい。また、Bモード処理ユニットは、3次元Bモードデータの代わりにボリュームデータを発生してもよい。以下、Bモード処理ユニットで発生されるデータをまとめて、Bモードデータ呼ぶ。
ドプラ処理ユニットは、図示していないミキサー、低域通過フィルタ(Low Pass Filter:以下LPFと呼ぶ)、速度/分散/Power演算デバイス等を有する。ミキサーは、受信部23から出力された受信信号に、送信周波数と同じ周波数fを有する基準信号を掛け合わせる。この掛け合わせにより、ドプラ偏移周波数fの成分の信号と(2f+f)の周波数成分を有する信号とが得られる。LPFは、ミキサーからの2種の周波数成分を有する信号のうち、高い周波数成分(2f+f)の信号を取り除く。ドプラ処理ユニットは、高い周波数成分(2f+f)の信号を取り除くことにより、ドプラ偏移周波数fの成分を有するドプラ信号を発生する。
なお、ドプラ処理ユニットは、ドプラ信号を発生するために、直交検波方式を用いてもよい。このとき、受信信号(RF信号)は、直交検波されIQ信号に変換される。ドプラ処理ユニットは、IQ信号を複素フーリエ変換することにより、ドプラ偏移周波数fの成分を有するドプラ信号を発生する。ドプラ信号は、例えば、血流、組織、造影剤によるエコー成分である。
速度/分散/Power演算デバイスは、図示していないMTI(Moving Target Indicator)フィルタ、自己相関演算器等を有する。MTIフィルタは、発生されたドプラ信号に対して、臓器の呼吸性移動や拍動性移動などに起因するドプラ成分(クラッタ成分)を除去する。自己相関演算器は、MTIフィルタによって血流情報のみが抽出されたドプラ信号に対して、自己相関値を算出する。自己相関演算器は、算出された自己相関値に基づいて、血流の平均速度値、分散値、ドプラ信号の反射強度等を算出する。速度/分散/Power演算デバイスは、複数のドプラ信号に基づく血流の平均速度値、分散値、ドプラ信号の反射強度等に基づいて、カラードプラデータを発生する。以下、ドプラ信号とカラードプラデータとをまとめて、ドプラデータと呼ぶ。
また、ドプラデータとBモードデータとをまとめてローデータ(Raw Data)と呼ぶ。なお、ローデータは、送信超音波の高調波成分によるBモードデータ、および被検体内の生体組織に関する弾性データであってもよい。Bモード処理ユニットおよびドプラ処理ユニットは、発生したローデータを画像生成ユニットに出力する。なお、Bモード処理ユニットおよびドプラ処理ユニットは、発生したローデータを後述する画像メモリに出力することも可能である。
画像生成ユニットは、図示していないディジタルスキャンコンバータ(Digital Scan Converter:以下DSCと呼ぶ)を有する。画像生成ユニットは、DSCに対して、座標変換処理(リサンプリング)を実行する。座標変換処理とは、例えば、ローデータからなる超音波スキャンの走査線信号列を、テレビなどに代表される一般的なビデオフォーマットの走査線信号列に変換することである。画像生成ユニットは、座標変換処理に続けて補間処理を、DSCに対して実行する。補間処理とは、隣り合う走査線信号列におけるローデータを用いて、走査線信号列間にデータを補間する処理である。画像生成ユニットは、ローデータに対して座標変換処理と補間処理とを実行することにより、超音波画像データを生成する。
なお、画像発生部25は、3次元Bモードデータまたはボリュームデータをレンダリング処理することにより、後述する表示部13における2次元のモニタに3次元の物体を表示するために、視線データの投影を実行してもよい。すなわち、画像発生部25は、3次元物体を投影面に投影することにより、2次元平面上の画像を発生する。なお、レンダリング処理に当たっては、いずれの投映法を用いてもよい。
画像メモリ27は、例えばフリーズする直前の複数のフレームに対応する超音波画像を保存するメモリである。このシネメモリに記憶されている画像を連続表示(シネ表示)することで、超音波動画像を表示することも可能である。
画像合成部29は、画像発生部25で発生された超音波画像に、種々のパラメータの文字情報および目盛等を合成する。画像合成部29は、合成された超音波画像を表示部13に出力する。
記憶部31は、フォーカス深度の異なる複数の受信遅延パターンおよび複数の送信遅延パターンと、本超音波診断装置1の制御プログラムと、診断プロトコルと、送受信条件等の各種データ群と、画像発生部25で発生されたローデータおよび超音波画像と、開口中心から振動子の位置までの距離に応じた第1乃至第3スルーレートと、開口中心から振動子の位置までの距離、SW1、SW2、SW3、被検体に送信される超音波の送信波形により異なる複数のスイッチング間隔とを記憶する。
なお、記憶部31は、開口中心から振動子11−1、11−2、…、11−nの位置までの距離と超音波プローブ11の開口形状とスキャン条件と超音波ビームの中心とのうち少なくともひとつに対する第1乃至第3スルーレートの対応表と、開口中心から振動子11−1、11−2、…、11−nの位置までの距離と超音波プローブ11の開口形状とスキャン条件と超音波ビームの中心とのうち少なくともひとつに対するスイッチング間隔の対応表とを記憶してもよい。なお、記憶部31は、送信アポダイゼーションの特性と開口中心から振動子11−1、11−2、…、11−nの位置までの距離とに応じた振動子ごとのスルーレートの対応表を記憶してもよい。また、記憶部31は、後述するスルーレート設定部35で用いられるガウス関数を記憶してもよい。
スイッチング間隔設定部33は、超音波プローブ11における開口中心から振動子11−1、11−2、…、11−nの位置までの距離に応じて、高電圧パルス発生部212b2におけるSW1乃至SW3のスイッチング間隔を、SW1乃至SW3に設定する。具体的には、スイッチング間隔設定部33は、超音波プローブ11が装置本体12に接続されると、開口中心から複数の振動子11−1、11−2、…、11−n各々の位置までの距離と、複数の振動子11−1、11−2、…、11−nにそれぞれ接続される複数の送信回路212−1、212−2、…、212−nとを特定する。スイッチング間隔設定部33は、特定された距離と送信回路212−1、212−2、…、212−nとを対応付ける。なお、距離と送信回路212−1、212−2、…、212−nとの対応付けは、後述するスルーレート設定部35により特定されてもよい。この時、距離と送信回路212−1、212−2、…、212−nとの対応付けに関する情報が、スルーレート設定部35からスイッチング間隔設定部33に出力される。スイッチング間隔設定部33は、超音波の送信波形に対応する高電圧パルスを発生するための複数のスイッチング間隔を、記憶部31から読み出す。複数のスイッチング間隔各々は、開口中心から振動子11−1、11−2、…、11−nの位置までの距離、SW1、SW2、SW3、被検体に送信される超音波の送信波形に応じて異なる。
スイッチング間隔設定部33は、複数のスイッチング間隔各々を、開口中心から等距離に位置する複数の振動子にそれぞれ接続された複数の送信回路各々の高電圧パルス発生部におけるSW1乃至SW3に設定する。例えば、開口中心に位置する振動子に接続された送信回路の高電圧パルス発生部のSW1におけるスイッチング間隔は、開口端部に位置する振動子に接続された送信回路の高電圧パルス発生部のSW1におけるスイッチング間隔に比べて長くなる。スイッチング間隔設定部33は、特定された距離と振動子との対応付けを、後述するスルーレート設定部35に出力してもよい。
なお、スイッチング間隔設定部33は、後述する入力部14を介して入力されたスキャン条件などと、記憶部31に記憶された対応表とに基づいて、スイッチング間隔を、複数の送信回路212−1、212−2、…、212−n各々におけるSW1、SW2、SW3に設定してもよい。
スルーレート設定部35は、超音波プローブ11の開口中心から振動子11−1、11−2、…、11−nの位置までの距離に応じて、高電圧パルスに付与される第1乃至第3スルーレートをそれぞれ設定する。具体的には、スルーレート設定部35は、スイッチング間隔設定部33から出力された距離と送信回路212−1、212−2、…、212−nとの対応付けに関する情報に基づいて、複数の送信回路212−1、212−2、…、212−n各々において発生された高電圧パルスに付与される第1乃至第3スルーレートをそれぞれ設定する。例えば、開口中心の振動子に供給される高電圧パルスに付与される第1乃至第3スルーレート(以下、中心スルーレートと呼ぶ)は、開口端部の振動子に供給される高電圧パルスに付与される第1乃至第3スルーレート(以下、端部スルーレートと呼ぶ)に比べて低く設定される。スルーレート設定部35は、例えば、開口中心に位置する振動子と開口端部に位置する振動子との間の振動子に供給される高電圧パルスに付与される第1乃至第3スルーレート(以下、中間スルーレートと呼ぶ)を、中央スルーレートの値と端部スルーレート値との間の値であって、かつ例えばガウス関数を上下反転した形状となるように設定する。
なお、スルーレート設定部35は、中間スルーレートを、中心スルーレートと端部スルーレートとをガウス関数で補完することにより設定してもよい。中心スルーレートの値、端部スルーレートの値、および補間に用いられるガウス関数は、例えば、送信アポダイゼーションの特性に応じて予め記憶部31に記憶される。
図4は、超音波プローブ11の開口中心から振動子の位置までの距離に対するスルーレートの関係の一例を示す図である。図4のaは、開口中心の振動子に供給される高電圧パルスに付与される第1スルーレートを示している。図4のe1,e2は、開口端部の振動子に供給される高電圧パルスに付与される第1スルーレートを示している。図4のe1とaとe2とを結ぶ曲線は、ガウス関数の形状を上下反転した形状を示している。
具体的には、スルーレート設定部35は、SW1、SW2、SW3としてDMOSFETがそれぞれ用いられる場合、DMOSFETのゲートを駆動する電圧または電流を、上記ガウス関数を上下反転させたように、第1乃至第3スルーレートとして設定する。例えば、開口中心に位置する振動子に接続された送信回路のDMOSFETのゲートを駆動する電圧または電流は、開口端部に位置する振動子に接続された送信回路のDMOSFETのゲートを駆動する電圧または電流より大きく設定される。
なお、SW1、SW2、SW3として複数の小電流DMOSFETを並列接続した複数の並列小電流DMOSFETがそれぞれ用いられる場合、スルーレート設定部35は、複数の並列小電流DMOSFETのうち通電される小電流DMOSFETの数(以下、通電数と呼ぶ)を、第1乃至第3スルーレートとして設定してもよい。例えば、開口中心に位置する振動子に接続された送信回路における複数の小電流DMOSFETの通電数は、開口端部に位置する振動子に接続された送信回路における複数の小電流DMOSFETの通電数より大きく設定される。
なお、スルーレート設定部35は、後述する入力部14を介して入力されたスキャン条件などと、記憶部31に記憶された対応表とに基づいて、第1乃至第3スルーレートを、複数の送信回路各々における第1乃至第3スルーレート付与部に設定してもよい。
インターフェース部37は、入力部14、ネットワーク、図示していない外部記憶装置および生体信号計測部に関するインターフェースである。装置本体12によって得られた超音波画像等のデータおよび解析結果等は、インターフェース部37とネットワークとを介して他の装置に転送可能である。なお、インターフェース部37は、ネットワークを介して、図示していない他の医用画像診断装置で取得された被検体に関する医用画像を、ダウンロードすることも可能である。
表示部13は、画像合成部29の出力に基づいて、Bモード画像およびドプラ画像などの超音波画像などを表示する。なお、表示部13は、表示された画像に対して、ブライトネス、コントラスト、ダイナミックレンジ、γ補正などの調整および、カラーマップの割り当てを実行してもよい。
入力部14は、インターフェース部37に接続され操作者からの各種指示・命令・情報・選択・設定を装置本体12に取り込む。入力部14は、図示していないトラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード等の入力デバイスを有する。入力デバイスは、表示画面上に表示されるカーソルの座標を検出し、検出した座標を後述するCPU39に出力する。なお、入力デバイスは、表示画面を覆うように設けられたタッチコマンドスクリーンでもよい。この場合、入力部14は、電磁誘導式、電磁歪式、感圧式等の座標読み取り原理でタッチ指示された座標を検出し、検出した座標をCPU39に出力する。また、操作者が入力部14の終了ボタンまたはフリーズボタンを操作すると、超音波の送受信は終了し、装置本体12は一時停止状態となる。
CPU39は、操作者により入力部14を介して入力されたBモードとドプラモードとの選択、フレームレート、被走査深度、送信開始・終了に基づいて、記憶部31に記憶された送信遅延パターン、受信遅延パターンと装置制御プログラムとを読み出し、これらに従って装置本体12および超音波プローブ11を制御する。
なお、上記記載において、開口中心の代わりに、超音波の送信に用いられる複数の振動子の重心が用いられてもよい。
(送信アポダイゼーション機能)
送信アポダイゼーション機能とは、開口中心からの距離に応じて異なるパルス幅を有する高電圧パルスに対するスルーレート制御により上記距離に応じて振幅の異なる複数の駆動信号を複数の振動子11−1、11−2、…、11−nにそれぞれ供給し、被検体に送信する超音波の送信アポダイゼーションを実行する機能である。以下、送信アポダイゼーション機能に関する処理(以下、送信アポダイゼーション処理と呼ぶ)を説明する。
図5は、送信アポタイゼーション機能を実行する処理の手順を示すフローチャートである。
超音波プローブ11が装置本体12に接続される(ステップSa1)。超音波プローブ11が装置本体12に接続されると、超音波プローブ11の開口中心から複数の振動子11−1、11−2、…、11−nの位置までの距離と複数の振動子11−1、11−2、…、11−nにそれぞれ接続される複数の送信回路212−1、212−2、…、212−nとが対応付けられる。開口中心から複数の振動子11−1、11−2、…、11−n各々の位置までの距離に基づいて、スイッチング間隔とスルーレートとが設定される(ステップSa2)。入力部14を介して超音波スキャンの開始操作が入力される(ステップSa3)と、複数の振動子11−1、11−2、…、11−n各々を駆動するための駆動信号に関する高電圧が発生される。発生された高電圧に対して、設定されたスイッチング間隔を用いてスイッチング制御が実行される。スイッチング制御により、高電圧パルスが発生される(ステップSa4)。
発生された高電圧パルスに対して、スルーレート制御が実行される。スルーレート制御により、高電圧パルスにスルーレートが付与された駆動信号が発生される(ステップSa5)。発生された駆動信号が振動子に供給される(ステップSa6)。ステップSa4乃至ステップSa6に関する処理は、複数の送信回路212−1、212−2、…、212−n各々について並列して実行される。
図6は、スイッチング制御によりパルス幅が変更された高電圧パルスと、第1乃至第3スルーレートのセット(以下、スルーレートセットと呼ぶ)がそれぞれ異なる駆動信号とを、それぞれ異なるスルーレートセットにより振動子から発生される超音波の送信波形とともに示した図である。図6の(1)はゼロの電圧パルス、(2)は正の高電圧パルス、(3)は負の高電圧パルスを示している。図6において、スルーレートが高くなるにつれて、駆動信号におけるエッジは滑らかになり、結果として駆動信号の最大値は低くなる。図6において、高いスルーレート(以下、高スルーレートと呼ぶ)の駆動信号に対応する送信波形の振幅は、低いスルーレート(以下、低スルーレート)の駆動信号に対応する送信波形の振幅より低くなる。
図7は、パルス幅変調された正、負の高電圧パルスおよびゼロの電圧パルスをまとめた一例を示す図である。図7の(a)は、振動子の駆動開始部分に関する正の高電圧パルスを示している。図7の(b)は、振動子の駆動終了部分に関する正の高電圧パルスを示している。図8は、図7における高電圧パルスに、開口中心からの振動子の位置までの距離に対応するスルーレートを用いてスルーレート制御を実行した後の駆動信号の一例を示す図である。図8における実線は、低スルーレートに対応し、点線は高スルーレートに対応する。
図9は、図8における駆動信号を振動子に印加することにより発生された超音波の送信波形の一例を示す図である。図9における実線におけるスルーレートは、図9における点線におけるスルーレートより低い。すなわち、図9における実線は、例えば、開口中心から等距離であって、開口中心近傍の複数の振動子から送信される超音波の送信波形を示している。図9における点線は、例えば、開口中心から等距離であって、開口端部近傍の複数の振動子から送信される超音波の送信波形を示している。
(変形例)
実施形態との相違は、高電圧パルスのパルス幅を長く変更し、変更されたパルス幅の長さに応じて、第1乃至第3のスルーレートを高く変更することにある。
記憶部31は、開口中心から複数の振動子11−1、11−2、…、11−nの位置までの複数の距離にそれぞれ対応する複数の閾値を記憶する。記憶部31は、複数の閾値にそれぞれ対応する複数のスルーレートセットを記憶する。なお、記憶部31は、上記複数の距離に対する複数の閾値の閾値対応表を記憶してもよい。記憶部31は、複数の閾値に対する複数のスルーレートセットのスルーレート対応表を記憶してもよい。
スイッチング間隔設定部33は、開口中心から等距離に位置する複数の振動子にそれぞれ接続された複数の送信回路212−1、212−2、…、212−nにおいて用いられるスイッチング間隔を、同じ等距離に対応する閾値と比較する。上記スイッチング間隔が閾値未満である時、スイッチング間隔設定部33は、上記スイッチング間隔を比較に用いられた閾値に変更する。スイッチング間隔設定部33は、閾値をスイッチング間隔として、高電圧パルス発生部212b2に出力する。なお、スイッチング間隔設定部33は、記憶部31に記憶された閾値対応表を用いて、上記スイッチング間隔を比較に用いられた閾値に変更してもよい。変更されるスイッチング間隔は、例えば、図7の(a)に示した振動子の駆動開始部分である正の高電圧パルス、および図7の(b)に示した振動子の駆動終了部分である正の高電圧パルスである。すなわち、スイッチング間隔設定部33は、駆動開始部分および駆動終了部分における正の高電圧パルスのパルス幅を長くするために、設定されたスイッチング間隔を長く変更する。
スルーレート設定部35は、第1乃至第3スルーレート付与部に設定された第1乃至第3スルーレート(以下、変更前スルーレートセットと呼ぶ)を、閾値に対応する第1乃至第3スルーレートに変更する。なお、スルーレート設定部35は、スルーレート対応表を用いて、変更前スルーレートを、閾値に対応する第1乃至第3スルーレートに変更してもよい。
以下、具体的に説明するために、スルーレートの変更については、第1スルーレートに限定して説明する。なお、第2、第3スルーレートについても同様である。
図10は、スイッチング間隔と第1スルーレートとの変更前後について、駆動開始部分および駆動終了部分における正の高電圧パルスを示す図である。図10の(1)は、変更前のスイッチング間隔aと変更前の第1スルーレートとに関する正の高電圧パルスを示している。図10の(2)は、変更後のスイッチング間隔bと変更後の第1スルーレートとに関する正の高電圧パルスを示している。スイッチング間隔がaからbへ変更されると、第1スルーレートもスイッチング間隔に同期して変更される。具体的には、スルーレート設定部35は、図10における(1)のAの領域とBの領域との面積が等しくなるように、スイッチング間隔の変更幅に基づいて、変更後の第1スルーレートを設定する。すなわち、スルーレート設定部35は、スイッチング間隔を広げることにより増加した送信波形の振幅をゼロに相殺するために、スルーレートを高く変更する。スルーレートの変更は、スイッチング間隔すなわち高電圧パルスのパルス幅が狭いほど、スルーレートの効果である送信波形の振幅の低下が大きいことに基づいている。
以上に述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
本超音波診断装置1によれば、開口中心から複数の振動子各々までの距離に応じて、高電圧に対するスイッチング制御のスイッチング間隔と高電圧パルスに対するスルーレート制御に用いられるスルーレートとを設定することができる。これにより、スイッチング間隔を広く設定することができ、高電圧パルスを発生させるためのクロック周波数を低く抑えることができる。以上のことから、送信回路212−1、212−2、…、212−nにおける発熱量を低下させることができる。加えて、送信回路212−1、212−2、…、212−nにおける発熱量を低下させることができるため、電力使用の効率(低電力化)が向上する。また、開口中心から複数の振動子11−1、11−2、…、11−n各々までの距離に応じて、スルーレートを設定することができるため、送信強度の分解能、および駆動強度の分解能が向上する。さらに、本超音波診断装置1によれば、送信波形の半波ごとにスルーレートを変更する必要がないため、超音波診断装置の製造コスト低減させることができる。加えて、本超音波診断装置1によれば、振動子各々11−1、11−2、…、11−nから被検体に送信される送信波形の相似性、および駆動信号の波形の周波数のスペクトラムに関する相似性を高めることできる。
また、本超音波診断装置1によれば、超音波プローブ11内に送信回路212−1、212−2、…、212−nが内蔵されている場合、送信回路212−1、212−2、…、212−nにおける発熱量を低下により、送信超音波のパワーを十分に確保できる。これにより、十分なS/N比(Signal to Noise Ratio)を確保することができる。
さらに、本超音波診断装置1によれば、駆動開始部分および駆動終了部分における高電圧パルスのパルス幅に関するスイッチング間隔を、広く設定することができる。広く設定されたスイッチング間隔に伴い送信波形の振幅の増加を相殺するために、スルーレートを高く設定することができる。これにより、駆動開始部分および駆動終了部分において、高電圧パルスを発生させるためのクロック周波数を、さらに低く抑えることができる。
以上のことから、本超音波診断装置1によれば、高電圧パルスを発生させるためのクロック周波数を低く抑えつつ高い送信強度分解能を得ることができる。
加えて、実施形態に係る各機能は、当該処理を実行するプログラムをワークステーション等のコンピュータにインストールし、これらをメモリ上で展開することによっても実現することができる。このとき、コンピュータに当該手法を実行させることのできるプログラムは、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの記憶媒体に格納して頒布することも可能である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…超音波診断装置、11…超音波プローブ、11−1〜11−n…振動子、12…装置本体、13…表示部、14…入力部、21…送信部、23…受信部、25…画像発生部、27…画像メモリ、29…画像合成部、31…記憶部、33…スイッチング間隔設定部、35…スルーレート設定部、37…インターフェース部、39…制御プロセッサ(CPU)、211…レートパルス発生器、212−1〜212−n…送信回路、212a−1〜212a−n…送信遅延回路、212b−1〜212b−n…パルサ、212b1…高電圧発生部、212b2…高電圧パルス発生部、212b3…駆動信号発生部、212b3−1…第1スルーレート付与部、212b3−1…第2スルーレート付与部、212b3−3…第3スルーレート付与部

Claims (3)

  1. 複数の振動子を有する超音波プローブと、
    前記振動子を介して被検体に超音波を送信する送信部と、
    前記振動子を介して前記被検体から超音波エコーを受信する受信部と、
    前記受信部の出力に基づいて画像データを発生する画像発生部とを具備し、
    前記送信部は、前記超音波の送信周期を決定するレートパルスを発生するレートパルス発生器と、前記レートパルスに前記振動子毎に遅延時間を与える送信遅延回路と、前記遅延されたレートパルスに同期して前記振動子を駆動するための駆動信号を発生するパルサとを有し、
    前記パルサは、高電圧を発生する高電圧発生部と、前記高電圧に対するスイッチング制御によりパルス幅可変の高電圧パルスを発生する高電圧パルス発生部と、前記高電圧パルスに対するスルーレート制御により波形可変の前記駆動信号を発生する駆動信号発生部とを有すること、
    を特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記スルーレート制御に用いられるスルーレートを、前記超音波プローブの開口中心から前記振動子各々の位置までの距離に応じて設定するスルーレート設定部をさらに具備すること、
    を特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記スイッチング制御に用いられるスイッチング間隔を、前記超音波プローブの開口中心から前記複数の振動子各々の位置までの距離に応じて設定するスイッチング間隔設定部と、
    前記スルーレート制御に用いられるスルーレートを、前記スイッチング間隔に応じて設定するスルーレート設定部とをさらに具備すること、
    を特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
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