以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る撮像装置の例としてのデジタルカメラの構成を示す図である。図1に示すデジタルカメラ(以下、カメラと記す)1は、レンズ交換式のカメラの構成を示している。したがって、カメラ1は、交換レンズ100と、カメラ本体200とを有している。カメラ1は、必ずしもレンズ交換式である必要はなく、カメラ本体に撮影レンズが設けられていても良い。
交換レンズ100は、撮影レンズ102と、フォーカスレンズ駆動部104aと、ズームレンズ駆動部104bと、フォーカスレンズ位置検出部106aと、ズームレンズ位置検出部106bと、絞り108と、絞り駆動部110と、レンズ情報記憶部112と、レンズ制御部114と、フォーカスリング116aと、ズームリング116bと、フォーカスリング操作検出部118aと、ズームリング操作検出部118bと、通信部120とを有している。
撮影レンズ102は、フォーカスレンズ102a及びズームレンズ102b等の複数のレンズを有するレンズ群である。撮影レンズ102は、図示しない被写体の光像を生成し、生成した光像をカメラ本体200に設けられた撮像素子202に結像させる。フォーカスレンズ102aは、撮影レンズ102のフォーカス位置を調整するためのレンズであり、光軸方向に移動自在に構成されている。また、ズームレンズ102bは、撮影レンズ102の画角を調整するためのレンズであり、光軸方向に移動自在に構成されている。ここで、図1では、フォーカスレンズ102a及びズームレンズ102bをそれぞれ1枚のレンズとして示しているが、フォーカスレンズ102a及びズームレンズ102bは複数のレンズ群として構成されていても良い。
フォーカスレンズ駆動部104aは、レンズ制御部114からの制御信号に従ってフォーカスレンズ102aをその光軸方向に沿って駆動する。フォーカスレンズ駆動部104aは、フォーカスレンズ102aを駆動するためのモータ等からなる駆動機構と、この駆動機構を駆動する駆動回路とを有している。
ズームレンズ駆動部104bは、レンズ制御部114からの制御信号に従ってズームレンズ102bをその光軸方向に沿って駆動する。ズームレンズ駆動部104bも、フォーカスレンズ駆動部104aと同様、ズームレンズ102bを駆動するためのモータ等からなる駆動機構と、この駆動機構を駆動する駆動回路とを有している。
フォーカスレンズ位置検出部106aは、フォーカスレンズ102aの駆動位置を検出する。フォーカスレンズ位置検出部106aは、例えばエンコーダにより構成されている。
ズームレンズ位置検出部106bは、ズームレンズ102bの駆動位置を検出する。ズームレンズ位置検出部106bは、フォーカスレンズ位置検出部106aと同様、例えばエンコーダにより構成されている。
絞り108は、開閉自在に構成されており、撮影レンズ102を介して撮像素子202に結像される光の量を調整する。絞り108の開口量によって、撮像素子202に結像される被写体の像のボケ具合も調整される。
絞り駆動部110は、レンズ制御部114からの制御信号に従って絞り108を駆動する。絞り駆動部110は、絞りを駆動するためのモータと、その駆動回路とを有している。
レンズ情報記憶部112は、撮影レンズ102の焦点距離、Fナンバー、収差情報、フォーカス範囲といった撮影レンズ102のレンズ情報を記憶している。ここで、撮影レンズ102のフォーカス範囲とは、フォーカスレンズ102aの駆動によってフォーカス調整が可能な被写体距離の範囲を示す情報である。
レンズ制御部114は、通信部120を介してカメラ本体200の制御部214と通信自在に接続されている。レンズ制御部114は、制御部214の制御に従って、フォーカスレンズ駆動部104a、ズームレンズ駆動部104b、及び絞り駆動部110を制御する。また、レンズ制御部114は、レンズ駆動に伴ってフォーカスレンズ位置検出部106a及びズームレンズ位置検出部106bで検出されたフォーカスレンズ102a及びズームレンズ102bの位置、並びにレンズ情報記憶部112に記憶されているレンズ情報を、通信部120を介してカメラ本体200に送信することも行う。
フォーカスリング116aは、ユーザが手動でフォーカスレンズ102aを操作するための回転自在に構成された操作部材である。マニュアルフォーカスモード時においてユーザがフォーカスリング116aを回転させた場合、レンズ制御部114は、フォーカスリング116aの回転方向及び回転量に応じてフォーカスレンズ駆動部104aを制御してフォーカスレンズ102aを駆動する。ズームリング116bは、ユーザが手動でズームレンズ102bを操作するための回転自在に構成された操作部材である。マニュアルズームモード時においてユーザがズームリング116bを回転させた場合、レンズ制御部114は、ズームリング116bの回転方向及び回転量に応じてズームレンズ駆動部104bを制御してズームレンズ102bを駆動する。
フォーカスリング操作検出部118aは、例えばエンコーダで構成され、フォーカスリング116aの回転方向及び回転量を検出し、検出した回転方向及び回転量に応じた信号をレンズ制御部114に入力する。レンズ制御部114は、この信号に応じてフォーカスリング116aの操作を認識する。ズームリング操作検出部118bは、例えばエンコーダで構成され、ズームリング116bの回転方向及び回転量を検出し、検出した回転方向及び回転量に応じた信号をレンズ制御部114に入力する。レンズ制御部114は、この信号に応じてズームリング116bの操作を認識する。
ここで、フォーカスリング116aとフォーカスリング操作検出部118aとがフォーカスレンズ駆動指示部として機能する。また、ズームリング116bとズームリング操作検出部118bとがズームレンズ駆動指示部として機能する。
通信部120は、レンズ制御部114と制御部214との通信のための交換レンズ100側のインターフェイスである。
また、カメラ本体200は、撮像素子202と、A/D変換部204と、画像処理部206と、表示部208と、記録部210と、操作部212と、制御部214と、通信部216とを有している。
撮像素子202は、画素としての光電変換素子が2次元状に配置された受光面を有して構成されている。それぞれの画素は、撮影レンズ102を介して結像された被写体の像を電気信号(画像信号)に変換する。また、撮像素子202の撮像動作は、撮像制御部としての機能を有する制御部214によって制御される。ここで、撮像素子202としては、例えばCCD素子及びCMOS素子が知られているが、本実施形態では特定の構造の撮像素子を用いる必要はない。
A/D変換部204は、撮像素子202で得られた画像信号を、デジタル信号としての画像データに変換する。
画像処理部206は、画像データに対して画像処理を施す。画像処理部206が施す画像処理は、ホワイトバランス補正処理及びγ補正処理等の画像データに対応した画像を表示部208に表示させたり記録したりするために必要な各種の処理、並びに圧縮処理、伸張処理等が含まれる。また、画像処理部206は、電子ズーム処理部206aを有している。電子ズーム処理部206aは、画像データの電子ズーム処理を行う。具体的には、電子ズーム処理部206aは、画像データにおける被写体部分を切り出し、切り出した被写体部分の画像データを拡大又は縮小する。拡大処理は、隣接画素の間の画素を例えば補間処理によって補うことよって行う。縮小処理は、例えば画素を間引くことによって行う。
表示部208は、画像処理部206によって処理された画像データに基づく画像等の各種の画像を表示する。表示部208は、例えば液晶ディスプレイで構成されている。
記録部210は、画像処理部206によって圧縮処理された画像データから生成される画像ファイルが記録される。記録部210は、例えばカメラ本体200に着脱自在なメモリカードで構成されている。記録部210をカメラ本体200に内蔵させるようにしても良い。
操作部212は、ユーザがカメラ1の各種の操作を行うための複数の操作部材を有して構成されている。操作部材としては、レリーズボタン、モードダイアル、電源ボタン、ズームスイッチ等が含まれる。レリーズボタンは、ユーザがカメラ本体200に対して撮影開始の指示をするための操作部材である。このレリーズボタンは、半押しされることによってオートフォーカス(AF)の指示を制御部214に対して与え、全押しされることによって撮影動作の指示を制御部214に対して与える。モードダイアルは、ユーザがカメラ本体200に対して動作モード等の設定の指示をするための操作部材である。電源ボタンは、ユーザがカメラ本体200に対して電源のオン又はオフを指示するための操作部材である。ズームスイッチは、ユーザがズーム駆動を指示するための操作部材である。
制御部214は、カメラ本体200の各ブロックの動作を制御する。この制御部214は、撮像制御部214aとしての機能を有し、撮像素子202の撮像動作、フォーカスレンズ102a及びズームレンズ102bの動作、絞り108の動作を制御する。
また、制御部214は、フォーカス状態検出部214bとしての機能を有し、撮影レンズ102のフォーカス状態を検出し、検出したフォーカス状態に応じて撮影レンズ102のフォーカスを調整する。ここで、フォーカス状態とは、例えば撮像素子202を介して得られる画像データのコントラスト又はコントラストから算出される被写体距離である。ここで、被写体距離は、コントラストから算出する以外に例えば位相差方式のAFセンサを用いて算出することもでき、その算出手法については限定されるものではない。
さらに、制御部214は、表示制御部214cとしての機能を有し、表示部208の表示動作を制御して表示部208に各種の画像を表示させる。この他、制御部214は、画像データから画像ファイルを生成し、生成した画像ファイルを記録部210に記録することも行う。
通信部216は、レンズ制御部114と制御部214との通信のためのカメラ本体200側のインターフェイスである。
次に、本実施形態の撮像装置の動作について説明する。図2は、本実施形態の撮像装置の撮影モード時の動作を示すフローチャートである。図2の処理は、制御部214によって制御される。
図2において、制御部214は、カメラ本体200の電源がオンであるか否かを判定している(ステップS101)。ステップS101において、カメラ本体200の電源がオンでないと判定した場合に、制御部214は、図2の処理を終了させる。
ステップS101において、カメラ本体200の電源がオンであると判定した場合に、制御部214は、レンズ制御部114と通信してレンズ情報記憶部112に記憶されているレンズ情報を取得する(ステップS102)。前述したように、レンズ情報には、フォーカス範囲も含まれている。
レンズ情報を取得した後、制御部214は、現在のフォーカスモードがマニュアルフォーカスモードであるか否かを判定する(ステップS103)。ステップS103において、現在のフォーカスモードがマニュアルフォーカスモードであると判定した場合に、制御部214は、ユーザにより、フォーカスリング116aが回されているか否かを判定する(ステップS104)。この処理において、制御部214は、レンズ制御部114との通信により、フォーカスリング116aが回されているか否かを判定する。このために、レンズ制御部114は、フォーカスリング操作検出部118aの信号状態に応じたフォーカスリング116aの操作情報を制御部214に通信する。
ステップS104において、フォーカスリング116aが回されていないと判定した場合に、制御部214は、処理をステップS101に戻す。また、ステップS104において、フォーカスリング116aが回されていると判定した場合に、制御部214は、撮影レンズ102のフォーカス位置がフォーカス範囲外であるか否かを判定する(ステップS105)。この処理において、制御部214は、例えばフォーカスレンズ102aが駆動限界位置に達したか否かを判定することによって、撮影レンズ102のフォーカス位置がフォーカス範囲外であるか否かを判定する。このために、レンズ制御部114は、フォーカスレンズ位置検出部106aによって検出されるフォーカスレンズ102aの位置情報を制御部214に通信する。
なお、ストッパがなく自由に回るようにフォーカスリング116aが設計されていると、フォーカスリング116aが回されているかの判定の際に、限界から何回回されたかもわかる。このため、ステップS104の判定において、フォーカスリング116aの回転が続いたときや同じ方向の動きがしばらく続いたかを判定するようにし、回転が続いたときや同じ方向の動きが続いた場合に、フォーカスリング116aが回されたと判定するようにしても良い。このようにすることで、微少のフォーカスリング116aの操作ではフォーカスレンズ102aを駆動させないようにしてフォーカスレンズ102aの微小駆動による表示のちらつきを抑えることができる。また、ステップS105の判定において、フォーカスレンズ102aが駆動限界位置に達している状態でフォーカスリング116aの回転が続いたときや同じ方向の動きがしばらく続いたかを判定するようにし、回転が続いたときや同じ方向の動きが続いた場合に、撮影レンズ102のフォーカス位置がフォーカス範囲外であると判定するようにしても良い。このようにすることで、後述の通知が頻繁に行われる煩わしさを低減できる。
ステップS105において、撮影レンズ102のフォーカス位置がフォーカス範囲外でないと判定した場合に、制御部214は、レンズ制御部114にレンズ駆動の指示をする(ステップS106)。この指示を受けてレンズ制御部114は、フォーカスリング操作検出部118aで検出されたフォーカスリング116aの回転方向及び回転量に従った量だけフォーカスレンズ102aが駆動されるよう、フォーカスレンズ駆動部104aを制御する。フォーカスレンズ102aの駆動後、制御部214は、処理をステップS123に移行させる。
また、ステップS105において、撮影レンズ102のフォーカス位置がフォーカス範囲外であると判定した場合に、制御部214は、レンズ制御部114にウォブリングの指示をし、ウォブリングの結果から、撮影レンズ102を被写体にフォーカスさせるために必要なフォーカスレンズ102aの駆動方向(以下、フォーカス方向と言う)を取得する(ステップS107)。この処理において、制御部214からの指示を受けたレンズ制御部114は、フォーカスレンズ102aを所定のウォブリング範囲内で微小振動させるように駆動する。制御部214は、フォーカスレンズ102aを至近側に駆動させたときに撮像素子202を介して得られる画像データからコントラスト値を算出するとともに、フォーカスレンズ102aを遠方側に駆動させたときに撮像素子202から得られる画像データからもコントラスト値を算出し、算出したコントラスト値を比較することにより、フォーカス方向を取得する。ここで、至近側は、撮影レンズ102のフォーカス位置がカメラ本体200に対して近づく側であり、遠方側は、撮影レンズ102のフォーカス位置がカメラ本体200に対して遠ざかる側である。なお、ここではウォブリングを用いてフォーカスレンズ102aの駆動方向を取得しているが、後述のレンズスキャン等、撮影レンズ102のフォーカス位置を変化させることができるものであれば応用できる。ウォブリングとは異なり、高速でフォーカス方向を取得できない処理を用いる場合には、フォーカス方向の取得中である旨をユーザに通知しても良い。
図3(a)及び図3(b)は、コントラスト値を用いたフォーカス方向の取得手法の例を示した図である。ここで、図3(a)及び図3(b)の横軸は撮影レンズ102のフォーカス位置を示し、縦軸はコントラスト値の大きさを示している。
一般に、コントラスト値は、撮影レンズ102のフォーカス位置が被写体の位置にあるときに最大(ピーク)となり、撮影レンズ102のフォーカス位置が被写体の位置から離れるに従って小さくなる。即ち、撮影レンズ102のフォーカス位置を至近側と遠方側との間で変化させた場合、コントラスト値がより大きくなる方向にピークが存在することになる。そして、コントラスト値がピークとなるようにフォーカスレンズ102aを駆動すれば、撮影レンズ102のフォーカス位置が被写体の位置になる。
例えば、図3(a)に示すように、ウォブリング時に、フォーカス位置を遠方側にしたときのコントラスト値のほうがフォーカス位置を至近側にしたときのコントラスト値よりも大きい場合、コントラスト値のピークが存在する方向、即ちフォーカス方向は遠方側となる。逆に、図3(b)に示すように、ウォブリング時に、フォーカス位置を至近側にしたときのコントラスト値のほうがフォーカス位置を遠方側にしたときのコントラスト値よりも大きい場合、コントラスト値のピークが存在する方向、即ちフォーカス方向は至近側となる。
ステップS107の後、制御部214は、フォーカス方向の取得に成功したか否かを判定する(ステップS108)。前述したように、ウォブリングを用いてフォーカス方向を取得する場合、フォーカス位置を至近側と遠方側との間で変化させたときのコントラスト値の変化から、フォーカス方向を取得する。したがって、例えば図4(a)及び図4(b)に示すように、撮影レンズ102のフォーカス位置と被写体の位置とに大きな差がある場合、即ちフォーカス位置を至近側に変化させたときと遠方側に変化させたときとでコントラスト値に殆ど差がない場合には、フォーカス方向が取得できないか、取得できたとしてもその信頼性が小さいと考えられる。このため、ステップS108においては、フォーカス位置を至近側にしたときのコントラスト値とフォーカス位置を遠方側にしたときのコントラスト値との差が所定範囲以上の場合に、方向取得に成功したと判定する。
ステップS108において、フォーカス方向の取得に成功していないと判定した場合、制御部214は、レンズ制御部114に全フォーカス範囲でのフォーカスレンズ102aの駆動(レンズスキャン)を指示し、レンズスキャンの結果から、フォーカス方向を取得する(ステップS109)。この処理において、制御部214からの指示を受けたレンズ制御部114は、フォーカスレンズ102aを所定方向(例えば遠方端から至近端)に駆動する。制御部214は、フォーカスレンズ102aを駆動させたときに撮像素子202を介して逐次得られる画像データからコントラスト値を算出し、このコントラスト値の変化から、フォーカス方向を取得する。ウォブリングの場合と同様、フォーカス方向はコントラスト値が増加する方向とする。
ステップS109の後、制御部214は、フォーカス方向の取得に成功したか否かを判定する(ステップS110)。この判定も、ウォブリングの場合と同様、コントラスト値との差が所定範囲以上の場合に、方向取得に成功したと判定する。
ステップS110において、フォーカス方向の取得に成功していないと判定した場合、制御部214は、フォーカス方向が取得できなかった旨をユーザに警告する(ステップS111)。その後、制御部214は、処理をステップS123に移行させる。ここで、ステップS111における警告は、例えば表示による警告である。カメラ本体200に音声再生部を持たせることにより、音声による警告を行うことも可能である。
ステップS108又はステップS110において、フォーカス方向の取得に成功したと判定した場合、制御部214は、被写体が撮影レンズ102のフォーカス範囲内に存在しているか否かを判定する(ステップS112)。前述したように、フォーカス方向の取得に成功しているときには、図3(a)及び図3(b)に示すように、コントラスト値の変化が検出されている。被写体距離に応じてコントラスト値のピークに対応したフォーカス位置が変化し、このフォーカス位置から被写体距離を推定することが可能である。コントラスト値のピークに対応したフォーカス位置は、ウォブリング時に取得した又はレンズスキャン時に取得したコントラスト値の傾きから推定することが可能である。ステップS112においては、コントラスト値のピークに対応したフォーカス位置が撮影レンズ102のフォーカス範囲内にある場合に、被写体が撮影レンズ102のフォーカス範囲内に存在していると判定する。
ステップS112において、被写体が撮影レンズ102のフォーカス範囲内に存在していると判定した場合に、制御部214は、撮影レンズ102を被写体にフォーカスさせるために必要なフォーカスリング116aの回転方向をユーザに通知する(ステップS113)。その後、制御部214は、処理をステップS123に移行させる。
図5及び図6は、表示により、フォーカスリング116aの回転方向を通知する際の例を示す図である。ここでは、フォーカスリング116aを右回りに回転させることで撮影レンズ102のフォーカス位置が遠方側に移動し、フォーカスリング116aを左回りに回転させることで撮影レンズ102のフォーカス位置が至近側に移動する場合の例について説明する。フォーカスリング116aの回転方向とフォーカス位置の変化方向との関係は逆でも良い。
ステップS112において被写体距離が推定されている。推定された被写体距離と撮影レンズ102の現在のフォーカス位置とを比較した結果、図5(a)に示すように、撮影レンズ102の現在のフォーカス位置に対して被写体の位置が遠方側にある場合、撮影レンズ102のフォーカス位置をより遠方側にする必要がある。この場合、表示部208に、例えば図5(b)に示すような、フォーカスリング116aを右回りに回転させるようにユーザに促すための表示を行う。図5(b)の例では、文字表示及画像表示をしている。この他、アニメーションを併用したりしても良い。また、音声によって通知するようにしても良い。
また、推定された被写体距離と撮影レンズ102の現在のフォーカス位置とを比較した結果、図6(a)に示すように、撮影レンズ102の現在のフォーカス位置に対して被写体の位置が至近側にある場合、撮影レンズ102のフォーカス位置をより至近側にする必要がある。この場合、表示部208に、例えば図6(b)に示すような、フォーカスリング116aを左回りに回転させるようにユーザに促すための表示を行う。
図5(b)又は図6(b)に示すような表示を行うことにより、ユーザは、マニュアルフォーカスモードであっても容易に撮影レンズ102を被写体にフォーカスさせることが可能である。
ステップS112において、被写体が撮影レンズ102のフォーカス範囲内に存在していないと判定した場合に、制御部214は、被写体が近すぎるか否かを判定する(ステップS114)。ステップS114において、被写体距離がフォーカス範囲よりも短距離(被写体の位置がフォーカス範囲よりも至近側)である場合に、被写体が近すぎると判定する。逆に、被写体距離がフォーカス範囲よりも長距離(被写体の位置がフォーカス範囲よりも遠方側)である場合に、被写体が遠すぎると判定する。
ステップS114において、被写体が遠すぎると制御部214が判定した場合、フォーカスリング116aを回転させるだけ、即ちフォーカスレンズ102aを移動させるだけでは撮影レンズ102を被写体にフォーカスさせることができない。この場合、制御部214は、ズームレンズ102bをテレ側にすることによって、被写体が撮影レンズ102のフォーカス範囲内に入るか否かを判定する(ステップS115)。ここで、テレ側とは、撮影レンズ102の焦点距離が長くなる側、即ち画角が狭くなる側である。
撮影レンズ102の設計によっては、ズームレンズ102bをテレ側に移動させることによってフォーカス範囲を遠方側に広げることが可能なものがある。本実施形態では、フォーカスレンズ102aを移動させて被写体にフォーカスさせることができない場合であっても、ズームレンズ102bを移動させることによって撮影レンズ102を被写体にフォーカスさせることができる場合には、ズームリング116bの回転方向をユーザに通知することで撮影レンズ102のフォーカス調整を可能にする。
ステップS115において、ズームレンズ102bをテレ側にすることによっても、被写体が撮影レンズ102のフォーカス範囲内に入らないと判定した場合、制御部214は、被写体に近づくようにユーザに促す通知をする(ステップS116)。その後、制御部214は、処理をステップS123に移行させる。
図7は、ユーザに対して被写体に近づくように促すための通知の例を示している。ズームレンズ102bをテレ側にすることによっても、被写体が撮影レンズ102のフォーカス範囲内に入らない場合とは、図7(a)に示すような、ユーザ(カメラ1)と被写体との距離が遠すぎる場合である。このような場合には、ユーザ(カメラ1)自体を移動させることによって撮影レンズ102のフォーカス範囲内に被写体が入るようにする。このために、例えば図7(b)に示すような表示を行う。図7(b)の例では、文字表示及画像表示をしている。この他、図9(a)に示すようにしてアニメーションを併用したりしても良い。また、音声によって通知するようにしても良い。
ステップS114において、被写体が近すぎると制御部214が判定した場合も、フォーカスリング116aを回転させるだけ、即ちフォーカスレンズ102aを移動させるだけでは撮影レンズ102を被写体にフォーカスさせることができない。この場合、制御部214は、ズームレンズ102bをワイド側にすることによって、被写体が撮影レンズ102のフォーカス範囲内に入るか否かを判定する(ステップS117)。ここで、ワイド側とは、撮影レンズ102の焦点距離が短くなる側、即ち画角が広くなる側である。撮影レンズ102の設計によっては、ズームレンズ102bをワイド側に移動させることによってフォーカス範囲を至近側に広げることが可能なものがある。ステップS117は、このような撮影レンズ102を用いた場合のための判定である。
ステップS117において、ズームレンズ102bをワイド側にすることによっても、被写体が撮影レンズ102のフォーカス範囲内に入らないと判定した場合、制御部214は、被写体から離れるようにユーザに促す通知をする(ステップS118)。その後、制御部214は、処理をステップS123に移行させる。
図8は、ユーザに対して被写体から遠ざかるように促すための通知の例を示している。ズームレンズ102bをワイド側にすることによっても、被写体が撮影レンズ102のフォーカス範囲内に入らない場合とは、図8(a)に示すような、ユーザ(カメラ1)と被写体との距離が近すぎる場合である。このような場合も、ユーザ(カメラ1)自体を移動させることによって撮影レンズ102のフォーカス範囲内に被写体が入るようにする。このために、例えば図8(b)に示すような表示を行う。図8(b)の例では、文字表示及画像表示をしている。この他、この他、図9(b)に示すようにしてアニメーションを併用したりしても良い。また、音声によって通知するようにしても良い。
ステップS115においてズームレンズ102bをテレ側にすることによって被写体が撮影レンズ102のフォーカス範囲内に入ると判定した場合又はステップS117においてズームレンズ102bをワイド側にすることによって被写体が撮影レンズ102のフォーカス範囲内に入ると判定した場合に、被写体を撮影レンズ102のフォーカス範囲内に入れるために必要なズームリング116bの回転方向をユーザに通知する(ステップS119)。
図10及び図11は、表示により、ズームリング116bの回転方向を通知する際の例を示す図である。ここでは、ズームリング116bを左回りに回転させることでズームレンズ102bがテレ側に移動し、ズームリング116bを右回りに回転させることでズームレンズ102bがワイド側に移動する場合の例について説明する。ズームリング116bの回転方向と画角の変化方向との関係は逆でも良い。
ステップS112において被写体距離が推定されている。推定された被写体距離と撮影レンズ102のフォーカス範囲とを比較した結果、図10(a)に示すように、撮影レンズ102のフォーカス範囲に対して被写体の位置が遠方側にある場合であっても、ズーム位置をよりテレ側にすることによって被写体がフォーカス範囲内に入る可能性がある。この場合、表示部208に、例えば図10(b)に示すような、ズームリング116bを左回りに回転させるようにユーザに促すための表示を行う。図10(b)の例では、文字表示及画像表示をしている。この他、アニメーションを併用したりしても良い。また、音声によって通知するようにしても良い。
また、推定された被写体距離と撮影レンズ102のフォーカス範囲とを比較した結果、図11(a)に示すように、撮影レンズ102のフォーカス範囲に対して被写体の位置が至近側にある場合であっても、ズーム位置をよりワイド側にすることによって被写体がフォーカス範囲内に入る可能性がある。この場合、表示部208に、例えば図11(b)に示すような、ズームリング116bを右回りに回転させるようにユーザに促すための表示を行う。図11(b)の例では、文字表示及画像表示をしている。この他、アニメーションを併用したりしても良い。また、音声によって通知するようにしても良い。
ズームリング116bの回転方向を通知した後、制御部214は、ユーザにより、ズームリング116bが回されているか否かを判定する(ステップS120)。この処理において、制御部214は、レンズ制御部114との通信により、ズームリング116bが回されているか否かを判定する。このために、レンズ制御部114は、ズームリング操作検出部118bの信号状態に応じたズームリング116bの操作情報を制御部214に通信する。
ステップS120において、ズームリング116bが回されていないと判定した場合に、制御部214は、処理をステップS119に戻す。この場合には、ズームリング116bの回転方向の通知が継続される。また、ステップS120において、ズームリング116bが回されたと判定した場合に、レンズ制御部114にレンズ駆動の指示をする。この指示を受けてレンズ制御部114は、ズームリング操作検出部118bで検出されたズームリング116bの回転方向及び回転量に従った量だけズームレンズ102bが駆動されるよう、ズームレンズ駆動部104bを制御する。ズームレンズ102bの駆動後、制御部214は、画像処理部206の電子ズーム処理部206aにより、ズームレンズ102bのズーム位置(光学ズーム率)に応じて、撮像素子202を介して得られる画像データを電子ズーム処理する(ステップS121)。
図12は、本発明の一実施形態における電子ズーム処理の考え方について示した図である。前述したように、ズームレンズ102bをワイド側又はテレ側に移動させることによってフォーカス範囲を広げることが可能である。しかしながら、ズームレンズ102bの移動によって画角が変化してしまう。本実施形態では、マニュアルフォーカス中におけるフォーカス範囲の拡大のためのズームレンズ102bの移動に伴う画角の変化を、電子ズーム処理によって補正する。即ち、図12の上図で示すように、ズームレンズ102bの移動に伴って変化するズーム率の逆数の倍率で電子ズーム処理を行う。図12の上図は、ズームリング116bの回転量に対応したズーム率(光学ズーム率及び電子ズーム率)を示している。ここで、図12は、ズームレンズ102bがある基準のズーム位置(例えばテレ端位置)に位置しているときのズーム率を1.0倍としている。そして、図12は、基準のズーム位置からワイド側にズームレンズ102bを移動させるようにズームリング116bを回転させた例を示している。図12では、ズームリング116bの回転量を百分率で示している。即ち、回転量が0%のときにズームレンズ102bの位置が基準位置であり、回転量が100%のときにズームレンズ102bの位置がワイド端位置となる。そして、ワイド端位置の光学ズーム率は1/2倍としている。
図12の例では、ズームリング116bの回転量が増加するに従ってズームレンズ102bがワイド側に駆動され、これに伴って光学ズーム率が小さくなる。前述したように、ズームレンズ102bをワイド側に駆動することによってフォーカス範囲をより至近側に広げることが可能であるが、ズームレンズ102bの駆動によって画角が広くなってしまう。本実施形態では、ズームリング116bの回転に伴う画角の変化を、電子ズーム処理を行うことによって補正する。より詳しくは、図12に示すように、ズームリング116bの回転に伴って光学ズーム率が線形に小さくなるので、電子ズーム率を線形に大きくする。即ち、電子ズーム率を光学ズーム率の逆数の倍率として電子ズーム処理を行う。例えば、図12の(1)に示す基準のズーム位置では、電子ズーム処理を行う必要がない。これに対し、図12の(2)に示すズーム位置では、光学ズーム率が1/1.5倍であるので電子ズーム率を1.5倍として電子ズーム処理を行う。同様に、図12の(3)に示すズーム位置では、光学ズーム率が1/2倍であるので電子ズーム率を2倍として電子ズーム処理を行う。これにより、ズームリング116bの回転に伴う画角の変化を打ち消しつつ、フォーカス範囲を至近側に広げることが可能である。
図12の例は、ワイド側へのズーム駆動の例を示しているが、テレ側へのズーム駆動の場合も同様である。即ち、テレ側へのズーム駆動がなされた場合であっても、電子ズーム率を光学ズーム率の逆数の倍率として電子ズーム処理を行う。
また、本実施形態では、マニュアルズームの例を示したがオートズームとしても良い。
ここで、図2の説明に戻る。電子ズーム処理の後、制御部214は、被写体が撮影レンズ102のフォーカス範囲内に存在しているか否かを判定する(ステップS122)。この判定は、ステップS112と同様の判定を行えば良い。ステップS122において、被写体が撮影レンズ102のフォーカス範囲内に存在していないと判定した場合に、制御部214は、処理をステップS119に戻す。この場合には、ズームリング116bの回転方向の通知が継続される。また、ステップS122において、被写体が撮影レンズ102のフォーカス範囲内に存在していると判定した場合に、制御部214は、処理をステップS123に移行させる。
ステップS106、S111、S113、S116、S118、S122の後、制御部214は、ユーザにより、操作部212のレリーズボタンが全押しされたか否かを判定する(ステップS123)。ステップS123において、レリーズボタンが全押しされていないと判定した場合に、制御部214は、処理をステップS101に戻す。また、ステップS123において、レリーズボタンが全押しされたと判定した場合に、制御部214は、撮影動作を行う(ステップS124)。その後に図2の処理を終了させる。撮影動作において、制御部214は、撮像素子202を動作させて得られた画像データを画像処理部206において処理し、画像処理部206において処理された画像データを画像ファイルとして記録部210に記録する。
また、ステップS103において、現在のフォーカスモードがマニュアルフォーカスモードでない、即ちオートフォーカスモードであると判定した場合に、制御部214は、ユーザにより、操作部212のレリーズボタンが半押しされたか否かを判定する(ステップS125)。ステップS125において、レリーズボタンが半押しされていないと判定した場合に、制御部214は、処理をステップS101に戻す。また、ステップS125において、レリーズボタンが半押しされたと判定した場合に、制御部214は、コントラストAF動作を行う(ステップS126)。コントラストAF動作においては、前述したウォブリング又はレンズスキャンと同様の手法でフォーカスレンズ102aを駆動しながらコントラスト値を評価する。
コントラストAF動作中、制御部214は、撮影レンズ102が被写体にフォーカスしたか否かを判定する(ステップS127)。このステップS127においては、コントラスト値のピークが検出された場合に、撮影レンズ102が被写体にフォーカスしたと判定する。
ステップS127において、撮影レンズ102が被写体にフォーカスしていないと判定した場合に、制御部214は、処理をステップS114に移行させる。この場合、ズームレンズ102bを駆動させることによって撮影レンズ102を被写体にフォーカスさせるか又はユーザの移動を促すことによって撮影レンズ102を被写体にフォーカスさせる。
また、ステップS127において、撮影レンズ102が被写体にフォーカスしたと判定した場合に、制御部214は、処理をステップS123に移行させる。この場合、ユーザのレリーズボタンの全押し応答して撮影動作が行われる。
以上説明したように、本実施形態によれば、マニュアルフォーカスモード中においてオートフォーカスモードと同様のウォブリングやレンズスキャンを行うことにより、マニュアルフォーカスモード中のフォーカスずれ方向を判定することが可能である。これにより、フォーカスリング116aの回転方向をユーザに通知することが可能である。
また、被写体が撮影レンズ102のフォーカス範囲外に存在している場合であっても、ズームリング116bを回転させたり、ユーザの移動を促したりといった、フォーカス範囲内に被写体を位置させるために必要な動作をユーザに通知することによって、ユーザは、マニュアルフォーカスモード中においてフォーカス範囲であるにもかかわらずにフォーカスリング116aを回し続けることなく、簡単に撮影レンズ102を被写体にフォーカスさせることが可能である。
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。また、前述の各動作フローチャートの説明において、便宜上「まず」、「次に」等を用いて動作を説明しているが、この順で動作を実施することが必須であることを意味するものではない。
さらに、上記した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、上述したような課題を解決でき、上述したような効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。