JP2014031972A - 冷却機用コンプレッサ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シングル冷却式の冷凍冷蔵庫について、冷蔵室及び冷凍室の双方の庫内温度を好適に制御させ得る冷却機用コンプレッサ制御装置を提供する。
【解決手段】本実施の形態に係る制御装置19によると、冷凍室及び冷蔵室の庫内温度に基づいてコンプレッサモータを停止する条件が設定されるので、冷蔵室の庫内温度が冷えたのを待って、コンプレッサモータを停止させることが可能となる。また、コンプレッサモータを運転開始させる条件は冷凍室の庫内温度にのみによって規定されている為、冷凍室では、庫内温度がカットオン温度まで上昇すれば即座に冷却が開始され、冷凍貯蔵物の品質が保たれることとなる。
【選択図】図3
【解決手段】本実施の形態に係る制御装置19によると、冷凍室及び冷蔵室の庫内温度に基づいてコンプレッサモータを停止する条件が設定されるので、冷蔵室の庫内温度が冷えたのを待って、コンプレッサモータを停止させることが可能となる。また、コンプレッサモータを運転開始させる条件は冷凍室の庫内温度にのみによって規定されている為、冷凍室では、庫内温度がカットオン温度まで上昇すれば即座に冷却が開始され、冷凍貯蔵物の品質が保たれることとなる。
【選択図】図3
Description
本発明は、シングル冷却式冷凍冷蔵庫の定常運転制御に関し、特に、インバータ制御方式を採用したコンプレッサの制御装置に用いて好適のものである。
近年、ヒートポンプを用いた冷却技術では、消費電力の低減に関する取組として、コンプレッサのモータ制御にインバータ技術が導入されている。インバータ制御方式では、モータ回転数を適宜に制御できるので、冷却対象の温度状況に応じて最適な回転数でヒートポンプ装置を駆動させることが可能となる。
また、新興国では、生活水準の向上に伴い、シングル冷却タイプ(エバポレータを一つしか持たないタイプ)の冷凍冷蔵庫の普及が拡大しつつある。このような情勢を受けて、冷凍冷蔵庫に係る技術分野では、シングル冷却タイプの装置を再検討し、これにインバータ制御方式を導入させた従来稀有なる冷凍冷蔵庫の検討が行われている。
特開H10−185394号公報(特許文献1)では、インバータ制御方式を採用したシングル冷却タイプの冷凍冷蔵庫が紹介されている。かかる冷凍冷蔵庫では、以下の条件でコンプレッサモータの回転数が設定される。
条件1:冷凍室の庫内温度がカットオフ温度より低いとき、コンプレッサモータの運転を停止する。
条件2:冷凍室の庫内温度がカットオン温度より高いとき、コンプレッサモータの運転を開始する。
条件3:条件2を満たしている場合、且つ、送風ファン(庫内ファン)が運転状態の場合、コンプレッサモータの回転数を通常回転数(例えば、1800rpm)に設定する。
条件4:条件2を満たしている場合、且つ、送風ファン(庫内ファン)が停止状態の場合、コンプレッサモータの回転数を低速回転数(例えば、1500rpm)に設定する。
条件1:冷凍室の庫内温度がカットオフ温度より低いとき、コンプレッサモータの運転を停止する。
条件2:冷凍室の庫内温度がカットオン温度より高いとき、コンプレッサモータの運転を開始する。
条件3:条件2を満たしている場合、且つ、送風ファン(庫内ファン)が運転状態の場合、コンプレッサモータの回転数を通常回転数(例えば、1800rpm)に設定する。
条件4:条件2を満たしている場合、且つ、送風ファン(庫内ファン)が停止状態の場合、コンプレッサモータの回転数を低速回転数(例えば、1500rpm)に設定する。
このように、特許文献1の技術では、冷凍室の庫内温度Tfがカットオン温度Tth−f1又はカットオフ温度Tth−f2へ到達したか否かによって、コンプレッサモータの運転開始・運転停止が規定される。また、コンプレッサモータを運転開始させる場合、庫内ファンのモータが駆動しているか否かによって、コンプレッサモータの回転数設定が行われる。
しかし、特許文献1に係る技術では、冷凍室の庫内温度に基づいてコンプレッサモータが「オフ」される為、このオフ動作について冷蔵室の庫内温度が関係することは無い。従って、コンプレッサモータは、冷蔵室を十分に冷却させる前であっても、冷凍室の庫内温度がカットオフ温度へ達した時点で、当該モータを運転停止してしまう(所謂、熱のショートサーキット現象)。
このため、冷蔵室では、庫内温度Trが上昇してしまうので、庫内の貯蔵物の鮮度を低下させるとの不具合を招く。一方、冷凍室では、冷蔵室から予定以上の熱量を受け、結果として、庫内温度Tfを上昇させる事態を招いてしまう。
本発明は上記課題に鑑み、シングル冷却式冷凍冷蔵庫について冷蔵室及び冷凍室の双方の庫内温度を好適に制御させ得る冷却機用コンプレッサ制御装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では次のような冷却機用コンプレッサ制御装置の構成とする。即ち、コンプレッサモータの回転数を規定する出力信号を生成し、ヒステリシス変動に伴う庫内温度の運転サイクルを制御させるシングル冷却式冷凍冷蔵庫用の冷却機用コンプレッサ制御装置において、
冷凍室の庫内温度が冷凍室用カットオン温度を上回っているか否かを判定する第1の温度判定処理と、
前記冷凍室の庫内温度が前記冷凍室用カットオン温度を上回っている場合、前記コンプレッサモータの運転を開始させるモータ運転処理と、
前記冷凍室の庫内温度が前記冷凍室用カットオン温度を下回っている場合、冷蔵室の庫内温度に基づいて前記コンプレッサモータの運転を停止させるモータ停止処理と、を機能させることとする。
冷凍室の庫内温度が冷凍室用カットオン温度を上回っているか否かを判定する第1の温度判定処理と、
前記冷凍室の庫内温度が前記冷凍室用カットオン温度を上回っている場合、前記コンプレッサモータの運転を開始させるモータ運転処理と、
前記冷凍室の庫内温度が前記冷凍室用カットオン温度を下回っている場合、冷蔵室の庫内温度に基づいて前記コンプレッサモータの運転を停止させるモータ停止処理と、を機能させることとする。
前記モータ運転処理は、前記冷蔵室の庫内温度が回転数切換温度を上回っている場合、前記コンプレッサモータの回転数を第1の回転数で運転開始させ、且つ、前記冷蔵室の庫内温度が前記回転数切換温度を下回っている場合、前記コンプレッサモータの回転数を前記第1の回転数よりも低い第2の回転数で運転開始させることとする。
前記モータ停止処理は、前記冷凍室の庫内温度が前記冷凍室用カットオン温度を下回っている場合、前記冷蔵室の庫内温度が冷蔵用カットオフ温度を下回っているか否かを判定する第3の温度判定処理を実行させ、前記冷蔵室の庫内温度が前記冷蔵用カットオフ温度を下回っているとする前記第3の温度判定処理での結果が得られた場合、前記コンプレッサモータを停止させることとする。
前記モータ停止処理は、更に、前記冷蔵室の庫内温度が前記冷蔵用カットオフ温度を上回っているとする前記第3の温度判定処理での結果が得られた場合、前記コンプレッサモータの運転を維持させることとする。
本発明に係る冷却機用コンプレッサ制御装置によると、冷凍室及び冷蔵室の庫内温度に基づいてコンプレッサモータを停止する条件が設定されるので、冷蔵室の庫内温度が冷えたのを待って、コンプレッサモータを停止させることが可能となる。また、コンプレッサモータを運転開始させる条件は冷凍室の庫内温度にのみによって規定されている為、冷凍室では、庫内温度がカットオン温度まで上昇すれば即座に冷却が開始され、冷凍貯蔵物の品質が保たれることとなる。
以下、本発明に係る実施の形態につき図面を参照して具体的に説明する。図1は、シングル冷却方式を採用した冷凍冷蔵庫の触媒回路10(冷凍回路)が示されている。ここでシングル冷却方式とは、冷凍室又は冷蔵室の何れか一方にエバポレータを配備させた装置形態を指し、本実施の形態にあっては、冷凍室側にエバポレータが配置されている。
図示の如く、冷凍冷蔵庫に形成される触媒回路10は、冷却機用コンプレッサ11,凝縮器13,キャピラリーチューブ15,エバポレータ16が設けられ、各々が冷媒チューブ18によってループ状に接続されている。チューブ内には冷媒が封入されており、この冷媒は、冷却機用コンプレッサ11に応動して冷媒回路を循環する。
更に、冷凍冷蔵庫には、ドライブ回路12と送風ファン14及び庫内ファン17が適宜に配備されている。これらは、冷却機用コンプレッサ制御装置19へ電気的に接続され、冷却機用コンプレッサ制御装置19から与えられた信号によって制御される。以下、冷却機用コンプレッサ制御装置19を、単に制御装置19と呼ぶこととする。
ドライブ回路12は、複数のパワートランジスタから成るインバータ回路であって、PWM信号によって制御される。当該インバータ回路は、PWM信号の周波数に応じて三相交流電流を生成し、冷却機用コンプレッサへ内蔵されるコンプレッサモータ(図示なし)の回転数を制御する。このPWM信号は、特許請求の範囲における出力信号の一形態であって、コンプレッサモータの各運転を規定するものである。具体的に説明すると、PWM信号は、サイン波形を表現するためにパルス幅変調させているパルス部分が当該モータの駆動動作を規定している。また、DUTYが一定値とされているパルス部分が当該モータの停止動作を規定している。また、パルス変調の表現する周波数が当該モータの指令回転数を規定することとなる。このように、PWM信号は、コンプレッサモータの様々な運転動作を規定している。
コンプレッサモータは、上述したPWM信号によって制御され、冷却機用コンプレッサの羽根車を駆動・停止・回転数調整させる。そして、駆動開始した羽根車は、冷媒を入力側(低圧)から出力側(高圧)へと送り込み、冷媒が封入された冷媒回路へ作用する。即ち、この羽根車は、制御モータの回転数に応じて冷媒循環量〔qmr〕を増減させることとなる。
送風ファン14は、冷却機用コンプレッサ11によって高圧高温化された冷媒温度を低下させる。また、庫内ファン17は、庫内の熱量と冷媒の熱量との熱交換を促す役割を担う。これらの送風ファン14,庫内ファン17は、ドライブ回路及びファンモータが内蔵されており、制御装置19からの指令信号によってファンモータの回転数が各々制御される。
更に、冷凍冷蔵庫は、冷凍室に庫内温度計21を配備させ、冷蔵室に庫内温度計22を配備させている。これら庫内温度計は、貯蔵庫内の温度を計測し、計測結果を電気信号に変換し出力する。制御装置19は、信号ラインを介して各々の庫内温度計21,22に接続されており、庫内温度の計測結果が電気信号として入力される。制御装置19では、各庫内温度の情報に基づいて、熱負荷の状態を判別する。本実施の形態の場合、熱負荷とは、庫内の貯蔵物の熱量に限らず、庫内からの熱リーク量等を含む概念とする。
冷媒回路10において、これを循環する冷媒は、気相状態で冷却機用コンプレッサ11へ投入され、冷却機用コンプレッサ11を通過する際に高圧高温化され、凝縮器13を通過する際にこれが冷却され液相状態となる。その後、液相状態の冷媒は、キャピラリーチューブ15で減圧され、エバポレータ16では、其の冷媒が気化されることで、庫内温度を吸収(冷却)する。かかる冷媒は、気相の状態で冷却機用コンプレッサ11へ再投入され、冷却サイクルが繰り返されることとなる。ヒートポンプ式の冷却サイクルでは、冷媒循環量〔qmr〕に応じて庫内の冷却速度が調整される。即ち、庫内の冷却速度は、コンプレッサ用の制御モータの回転数によって制御されることとなり、言換えると、制御装置19の生成するPWM信号によって制御されることを意味する。
制御装置19は、上述したPWM信号を生成し、これをドライブ回路12へ出力することで、コンプレッサモータを制御する。また、本実施の形態に係る制御装置19は、送風ファン14・庫内ファン17の指令信号を生成出力し、送風ファン14,庫内ファン17を各々制御する。当該制御装置19は、CPU,メモリ回路,AD変換回路,クロック回路等のハードウェア資源と、メモリ回路等に格納された制御プログラム及びマップ情報といったソフトウェア資源とから成る装置である。そして、制御装置19は、これらハードウェア資源とソフトウェア資源とが協働することで、適宜の機能的装置を構築させる。
こうして、制御装置19では、温度検出処理,温度判定処理,コンプレッサモータの回転数設定処理といった様々な処理を構築させる。また、制御装置19では、冷凍庫の庫内温度Tfに対して、カットオン温度Tth−f1(第1の閾値温度)を設定し、冷蔵庫の庫内温度Trに対して、回転数切換温度Tth−r1(第2の閾値温度),カットオフ温度Tth−r2(第3の閾値温度)を各々設定する。そして、本実施の形態に係る冷凍冷蔵庫では、目標温度を前後するよう庫内温度がヒステリシス変動しつつ調整され、コンプレッサモータの運転期間及び停止期間から成る運転サイクルが制御される。
図2は、本実施の形態に係る冷凍冷蔵庫の断面構造が示されている。図示の如く、冷凍冷蔵庫100は、本体部110に間仕切り部130が設けられることで、冷凍室110と冷蔵室120とを形成させている。この冷凍室110及び冷蔵室120には、防熱ドアー111,121が開閉自在に取り付けられている。これら、本体部110,間仕切り部130,防熱ドアーは、内部に断熱材を充填させた保冷性の高い部材が用いられる。また、防熱ドアー111,121は、パッキン111a,121aが設けられ、冷気のリークを防止させている。
冷凍室110は、化粧壁112が設けられ、冷凍貯蔵室110aと冷却機収容室110bとに分けられる。このうち、冷凍貯蔵室110aには、冷凍庫内温度計21が配備され、冷却機収容室110bには、エバポレータ16と庫内ファン17とが配備されている。上述した化粧壁112は、スリット112aが形成され、エバポレータ16の冷気を直接取り込ませている。また、冷蔵室120は、冷蔵庫内温度計22と、スリット122aを設けた冷気吐出口122とが設けられている。
間仕切り部130は、流入口131a及び132aが設けられ、各々に形成された連通路131b,132bは、途中で合流され、流出口130cへと繋げられている。このうち、流入口131aは冷凍貯蔵室110aに臨むよう、流入口132aは冷蔵室120に臨むよう、流出口130cは冷却機収容室110bに臨む位置へ配される。また、冷凍室110と冷蔵室120との間には、冷気ダクト140が設けられ、自然流下によって冷気が冷蔵室に送り込まれる。このように、本実施の形態に係る冷凍冷蔵庫100では、冷凍室及び冷蔵室への冷気分配を変動させるダンパー機構は設けられていない。
かかる構成を具備する冷凍冷蔵庫100では、エバポレータ16→スリット112a→冷凍貯蔵室110a→間仕切り部130の連通路,という経路によって、冷凍室110の冷気Afが循環する。一方、冷蔵室の冷気Arは、エバポレータ16→冷気ダクト140→スリット122a→冷蔵室120→間仕切り部130の連通路,という経路を循環することとなる。
図3は、コンプレッサモータ制御プログラムのフローチャートが示されている。かかる制御プログラムは、所定の処理タイミング(例えば、数sec〜数十sec毎)で、定期的に起動されるものである。
当該処理タイミングが到来すると、先ず、冷凍室110の庫内温度Tfと冷蔵室120の庫内温度Trとを検出する(S110)。処理S110では、庫内温度計から送られた信号をAD変換回路でデータ作成させ、これをCPUのデータレジスタ等へ格納させる。
処理S110が完了すると、冷凍室の庫内温度Tfについて温度判定処理(第1の温度判定処理)を実行させる(S111)。処理S111では、庫内温度Tfに対してカットオン温度Tth-f1(第1の閾値温度)が設定されており、庫内温度Tfがカットオン温度Tth−f1を上回っているか否かを判定する。そして、処理S111では、この判定結果に基づいて、コンプレッサモータの運転を開始(又は、再開)させるか、停止又は運転持続させるか、の何れかを選択することとなる。
処理S111で庫内温度Tfがカットオン温度Tth−f1より高いと判定された場合、図示の如く、何れかの回転数にて、コンプレッサモータの運転を開始させる。このように、コンプレッサモータを運転開始させる条件は冷凍室の庫内温度にのみによって規定されている為、冷凍室では、庫内温度がカットオン温度まで上昇すれば即座に冷却が開始され、冷凍貯蔵物の品質が保たれる。また、かかる特徴を具備した上で、本実施の形態にあっては、以下のような処理が実施される。処理S111で庫内温度Tfがカットオン温度Tth−f1より高いと判定された場合、冷蔵室の庫内温度Trについて温度判定処理(第2の温度判定処理)が実施される(S112)。処理S112では、庫内温度Trに対して回転数切換温度Tth−r1(第2の閾値温度)が設定されており、庫内温度Trが回転数切換温度Tth−r1を上回っているか否かを判定する。かかる処理S112は、冷蔵室120での運転サイクルが好適に制御されるよう、冷蔵室120の温度状況を監視している。
そして、庫内温度Trが回転数切換温度Tth−r1を下回っている旨の判定結果を得た場合、十分な冷却速度を維持している為、コンプレッサモータの回転数を1500(rpm/低速回転)に設定させる(S113)。一方、庫内温度Trが回転数切換温度Tth−r1を上回っている旨の判定結果を得た場合、冷却能力の不足が判明した為、コンプレッサモータの回転数を1800(rpm)に設定させる(S114)。尚、これらの処理S113,S114は、特許請求の範囲におけるモータ運転処理に属する。また、処理S114で設定される回転数は、「特許請求の範囲における第1の回転数」に相当し、処理S113で設定される回転数は、「特許請求の範囲における第2の回転数」に相当する。
上述の如く、本実施の形態に係る制御装置19は、冷蔵室120の庫内温度Trに基づいてコンプレッサモータの回転数設定が実施される。従って、冷蔵室120では、当該冷蔵室の庫内温度Trに応じて冷却速度が調整され、冷却能力不足に起因する温度上昇を防ぐことが可能となる。また、これらの回転数で運転を再開させる際、コンプレッサモータの運転開始条件は、冷凍庫の庫内温度に委ねられている。このため、冷凍庫では、庫内温度がカットオン温度を上回らないよう制御され、冷凍貯蔵物の品質を保つことができる。
処理S111に戻り、庫内温度Tfがカットオン温度Tth−f1より低いと判定された場合について説明する。この場合、庫内温度Trに係るもう一つの温度判定処理(第3の温度判定処理)が実施される(S115)。処理S115では、庫内温度Trに対してカットオフ温度Tth−r2(第3の閾値温度)が設定されており、庫内温度Trがカットオフ温度Tth−r2を上回っているか否かを判定する。かかる処理S115は、冷蔵室の庫内温度Trを監視することによって、コンプレッサモータの停止タイミングを定めている。ここで設定されるカットオフ温度Tth−r2は、回転数切換温度Tth−r1よりも低く設定された基準値であって、庫内温度Tr,Tfが各目標温度を推移できるよう適宜に設定されている。
そして、処理S115で庫内温度Trがカットオフ温度Tth−r2を下回っているとされた場合、コンプレッサモータを停止させる(S116/モータ停止処理の第1形態)。即ち、処理S111→処理S115→処理S116の一連の処理では、冷凍庫の庫内温度Tfがカットオン温度を下回っている場合、冷蔵室の庫内温度Trに基づいて、コンプレッサモータの運転を停止させるか否かを判断している。そして、この場面にあっては、冷凍室も冷蔵室も十分に冷却されている為、コンプレッサモータが停止されるのである。
また、以下の場面は、冷凍庫の庫内温度Tfがカットオン温度を下回っている一方、庫内温度Trがカットオフ温度Tth−r2を上回っている場面である。即ち、処理S111→処理S115→処理S117を経由する場面である。このような場面は、冷凍室の庫内温度が低下していても、冷蔵室の庫内温度が十分冷却されていないことから、コンプレッサモータを運転させておきたい。このため、本実施の形態では、コンプレッサモータの回転数を維持させている(S117/モータ運転処理の第2形態)。
上述の如く、本実施の形態に係る制御装置19によると、冷凍室及び冷蔵室の庫内温度に基づいてコンプレッサモータを停止する条件が設定されるので、冷凍室又は冷蔵室の何れかが予定温度まで冷却される前に、コンプレッサモータが停止されることは起こらなくなる。このため、制御装置19を用いた冷凍冷蔵庫では、双方での貯蔵物の品質が好適に保たれる。
一例として、冷凍室の庫内温度がカットオフ温度以下で冷蔵室の庫内温度がカットオン温度以上の場合、制御装置19では、コンプレッサモータを運転させ続けるので、冷蔵室の庫内温度が低下するのを待って、その後、コンプレッサモータを停止させるという好ましい動作を実現させる。
11 冷却機用コンプレッサ, 16 エバポレータ, 17 庫内ファン, 19 冷却機用コンプレッサ制御装置, 21 冷凍庫内温度計, 22 冷蔵庫内温度計, 100 シングル冷却式冷凍冷蔵庫, 110 冷凍室, 120 冷蔵室, Tf 冷凍室の庫内温度, Tr 冷蔵室の庫内温度, Tth−f1 第1の閾値温度, Tth−r1 第2の閾値温度, Tth−r2 第3の閾値温度, S111 第1の温度判定処理, S112 第2の温度判定処理, S115 第3の温度判定処理。
Claims (4)
- コンプレッサモータの回転数を規定する出力信号を生成し、ヒステリシス変動に伴う庫内温度の運転サイクルを制御させるシングル冷却式冷凍冷蔵庫用の冷却機用コンプレッサ制御装置において、
冷凍室の庫内温度が冷凍室用カットオン温度を上回っているか否かを判定する第1の温度判定処理と、
前記冷凍室の庫内温度が前記冷凍室用カットオン温度を上回っている場合、前記コンプレッサモータの運転を開始させるモータ運転処理と、
前記冷凍室の庫内温度が前記冷凍室用カットオン温度を下回っている場合、冷蔵室の庫内温度に基づいて前記コンプレッサモータの運転を停止させるモータ停止処理と、
を機能させることを特徴とする冷却機用コンプレッサ制御装置。 - 前記モータ運転処理は、
前記冷蔵室の庫内温度が回転数切換温度を上回っている場合、前記コンプレッサモータの回転数を第1の回転数で運転開始させ、且つ、前記冷蔵室の庫内温度が前記回転数切換温度を下回っている場合、前記コンプレッサモータの回転数を前記第1の回転数よりも低い第2の回転数で運転開始させる、ことを特徴とする請求項1に記載の冷却機用コンプレッサ制御装置。 - 前記モータ停止処理は、
前記冷凍室の庫内温度が前記冷凍室用カットオン温度を下回っている場合、前記冷蔵室の庫内温度が冷蔵用カットオフ温度を下回っているか否かを判定する第3の温度判定処理を実行させ、
前記冷蔵室の庫内温度が前記冷蔵用カットオフ温度を下回っているとする前記第3の温度判定処理での結果が得られた場合、前記コンプレッサモータを停止させることを特徴とする請求項1に記載の冷却機用コンプレッサ制御装置。 - 前記モータ停止処理は、更に、
前記冷蔵室の庫内温度が前記冷蔵用カットオフ温度を上回っているとする前記第3の温度判定処理での結果が得られた場合、前記コンプレッサモータの運転を維持させることを特徴とする請求項3に記載の冷却機用コンプレッサ制御装置。
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