JP2014030819A - セシウム吸着物質担持活性炭およびセシウム吸着物質担持活性炭の製造方法 - Google Patents

セシウム吸着物質担持活性炭およびセシウム吸着物質担持活性炭の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡便に製作でき、淡水や海水中のセシウムイオンを100%に近い効率で長期間に渡って吸着分離、除去することができ、二次廃棄物を焼却減容することの出来る安価で実用性のあるセシウム吸着手段、方法を提供する。
【解決手段】活性炭が用いられ、活性炭が、フェロシアン化またはフェリシアン化FeおよびCo組成物、NiおよびCo組成物、またはCuおよびCo組成物を担持することでセシウム吸着物質活性炭が構成される。原料物質としては、上記原料物質に代えて更にCoと、V、Cr、Mn、Zn、Cd、Pt、Pb、またはBaのいずれかが採用される。
【選択図】図1

Description

本発明は、セシウム吸着物質担持活性炭およびセシウム吸着物質担持活性炭の製造方法に関する。
原子力発電所や核燃料処理工場等の原子力施設から排出されるCsイオンを含有する廃棄物を処理するに有効なCsイオン吸着剤が数多く提案されている。
特許文献1には、M 2-x(PO・nHO(ただし、Mはリチウム、ナトリウム又はカリウムであり、Mはジルコニウム又はチタンであり、xは1.5≦x≦2.0であり、nは0≦n≦1である金属製のCsイオン用吸着剤が記載されている。
特許文献2には、リンモリブデン酸アンモニウムを担持した粒状無機イオン交換体からなるセシウム分離・回収剤が記載されている。
非特許文献1には、セルロース系の布を、まずフェロシアン化カリウムの溶液に浸けて、次に塩化鉄溶液に浸けて、プルシアンブルーがしみ込んだ布を制作してセシウム除去に使用することが記載されている。
非特許文献2には、イオン交換吸着の選択性を示す指数ΔG値のマイナス値が大きいほどCsの選択性が高く、不溶性フェロシアン化物 ヘテロポリ酸塩(AMP) ゼオライト群であること、Csの高除染用吸着剤としてNi系不溶性フェロシアン化物があること、不溶性フェロシアン化物担持樹脂は、濃縮海水においても高い配分係数Kd値を示してCsの高選択性吸着を示すこと、高選択性吸着剤は、そのままでは微粉末粒子であり取り扱いが難しく、無機多孔体(シリカゲル、ゼオライト等)への担持複合体が数多く研究されていることが記載されている。
特開平10−202117号公報 特開2000−84418号公報
日刊工業新聞2012年(平成24年)5月29日 19頁 日本原子力学会誌Vol.54.No.3(2012)166〜170頁
特許文献1あるいは特許文献2に記載されているように、原子力発電所あるいは核燃料再処理工場等の原子力施設から排出される廃液からCsイオンを分離除去するために各種のCsイオン吸着剤が提案されているが、これらの吸着剤は廃液量が少なく限定的な場合に使用される場合に適していて、原子力事故に伴って大量に生じた放射性汚染水からCsイオンを効率的に長期に渡って分離、除去することまで考慮されておらず、これらの大量の放射性汚染水からCsを分離、除去することには適していない。
非特許文献1に記載されたプルシアンブルーがしみ込んだ布であるとセシウムを吸着するに適していると思われるが、この布は、記載されているように雨どいの水からセシウム吸着に適用されるに適していて、原子力事故などに伴って生じた大量の放射性汚染水からCsイオンを長期に渡って分離、除去することまでは考慮されていない。大量の放射性汚染水からCsイオンを分離、除去方法を実用化するには高いCsイオン分離、除去性能が求められる。
非特許文献2には、不溶性フェロシアン化担持樹脂あるいはNi系不溶性フェロシアン化物を記載するが、セシウムを100%近く除染でき、高線量二次廃棄物の処理に適したCs吸着剤を記載していない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、特に放射性汚染水からCsイオンを100%近くまで高い効率で長期に渡って分離、除去することができ、この分離、除去を通して発生した二次廃棄物、特に高線量二次廃棄物を焼却によって減容化することのできるセシウム吸着剤を提供することを目的とする。特に、原子力事故に伴って大量に生じた放射性汚染水から100%近くまで高い効率で短期間にCsイオンを分離、除去しながら大量に発生することになる高線量二次廃棄物を焼却によって減容を容易にすることの出来るセシウムイオン吸着剤を提供することを目的とする。
本発明は、次に示す担持活性炭を提供する。
活性炭が、フェロシアン化FeおよびCo組成物を担持することを特徴とするセシウム吸着物質担持活性炭。
活性炭が、フェロシアン化NiおよびCo組成物を担持することを特徴とするセシウム吸着物質担持活性炭。
活性炭が、フェリシアン化FeおよびCo組成物を担持することを特徴とするセシウム吸着物質担持活性炭。
活性炭が、フェリシアン化NiおよびCo組成物を担持することを特徴とするセシウム吸着物質担持活性炭。
活性炭が、フェロシアン化CuおよびCo組成物を担持することを特徴とするセシウム吸着物質担持活性炭。
活性炭が、フェリシアン化CuおよびCo組成物を担持することを特徴とするセシウム吸着物質担持活性炭。
活性炭が、V、Cr、Mn、Zn、Cd、Pt、PbおよびBaからなるグループから選択された一つの金属およびCo組成物からなるフェロシアン化組成物を担持することを特徴とするセシウム吸着物質担持活性炭。
活性炭が、V、Cr、Mn、Zn、Cd、Pt、Pb、およびBaからなるグループから選択された一つの金属およびCo組成物からなるフェリシアン化組成物を担持活性炭。
上記された2種以上の金属組成物からなるフェロシアン化組成物またはフェリシアン化組成物を活性炭が担持することを特徴とするセシウム吸着物質担持活性炭。
本発明は、次に示す担持活性炭の製造方法を提供する。
活性炭およびフェロシアン化合物を混練して混練物を生成し、該混練物にCoを含み、更にFe、Ni、Cu、V、Cr、Mn、Zn、Cd、Pt、PbおよびBaからなるグループの1つまたは2つ以上の選択された金属溶液を添加し、混練して、合成反応を活性炭表面および孔内部で進行させ、生成されたフェロシアン化Coおよび選択された金属組成物を活性炭に担持することを特徴とするセシウム吸着物質担持活性炭の製造方法。
活性炭およびフェロシアン化合物を混練して混練物を生成し、該混練物にCoを含み、更にFe、Ni、Cu、V、Cr、Mn、Zn、Cd、Pt、PbおよびBaからなるグループの1つまたは2つ以上の選択された金属溶液を添加し、混練して、合成反応を活性炭表面および孔内部で進行させ、生成されたフェロシアン化Coおよび選択された金属組成物を活性炭に担持することを特徴とするセシウム吸着物質担持活性炭の製造方法。
活性炭に、フェロシアン化合物を含浸させ、フェロシアン化合物を含浸させた活性炭にCoを含み、更にFe、Ni、Cu、V、Cr、Mn、Zn、Cd、Pt、PbおよびBaからなる金属グループの1つまたは2つ以上選択された金属を含浸させ、Coおよび選択された金属を含浸させた活性炭を加熱状態で熟成し、生成されたフェロシアン化Coおよび選択された金属組成物を活性炭に担持することを特徴とするセシウム吸着物質担持活性炭の製造方法。
活性炭に、フェリシアン化合物を含浸させ、フェリシアン化合物を含浸させた活性炭にCoを含み、更にFe、Ni、Cu、V、Cr、Mn、Zn、Cd、Pt、PbおよびBaからなる金属グループの1つまたは2つ以上選択された金属を含浸させた活性炭を加熱状態で熟成し、生成されたフェリシアン化Coおよび選択された金属組成物を活性炭に担持することを特徴とするセシウム吸着物質担持活性炭の製造方法。
本発明は、上述した各種のセシウム吸着剤を担持したセシウム吸着物質担持活性炭からなり、基材としての活性炭に2つの原料物質としての金属、FeおよびCo、あるいはNiおよびCoを含んで形成されるフェロシアン化組成物あるいはフェリシアン化組成物を活性炭に担持させるものであるので、これらの金属の担持が確実に効率的になされ、各種のセシウム吸着剤を担持したセシウム吸着物質担持活性炭を簡便に製作でき、少なくとも2つの金属を含んだ組成物であることによって汚染水、特に放射性汚染水からCsイオンを高い効率(100%に近い効率)で吸着分離、除去することができ、吸着分離、除去することで大量に発生する二次廃棄物、特に高線量二次廃棄物を減容化することの出来る安価で実用性のあるセシウム吸着物質担持活性炭を提供することができる。上述のFe,Niに代えて、V、Cr、Mn、Zn、Cd、Pt、PbまたはBaのいずれの金属からなるフェロシアン化組成物あるいはフェリシアン化組成物であっても同様の効果が得られる。
特に、CuおよびCoを含んで形成されるフェロシアン化組成物あるいはフェリシアン化組成物を活性炭に担持したセシウム吸着物質担持活性であると上述した効果に加えて、シアンおよび原料物質として含浸されたCuおよびCoの溶出を少なくした特性を得ことが出来る。
NC Type PB/AC吸着剤を用いた時の通液時間vs.カラム出口137Cs濃度との関係の試験結果を示す図。 NC Type PB/AC吸着剤を用いた時のカラム入口からの距離とカラム吸着Cs放射能との関係の試験結果を示す図。 本実施例の製造の流れを示す図。 FCtype, NCtyeとFotypeとのシアン、Co溶出挙動についての試験結果を示す図。 シアン(全CN)溶出挙動についての試験結果を示す図。 FCtype, NCtype, とFoCCtype とのFe、Cu、Co、Niの溶出挙動についてのコールドカラム試験結果を示す図。 FCtype, NCtype とFoCCtype とのCs吸着量比較についての試験結果を示す図。 FoCCtype の通液pH変化vs.シアン溶出についての試験結果を示す図。 FoCCtype の通液pH変化vs.Cs吸着量についての試験結果を示す図。 FoCC−PB/AC(本件実施例の担持活性炭)カラムにおけるCs吸着ゾーンについての試験結果を示す図。
以下、本発明の実施例を説明する。本実施例のセシウム吸着物質担持活性炭は、以下の構成を有していて、放射性汚染水中のセシウムイオン、すなわち放射性セシウムを選択的に吸着するに適したセシウム吸着物質担持活性炭で構成される。
本実施例のセシウム吸着物質担持活性炭は、活性炭が、フェロシアン化FeおよびCo組成物を担持することを特徴とする。
あるいは、活性炭がフェロシアン化NiおよびCoを担持することを特徴とする。
あるいは、活性炭が、フェリシアン化FeおよびCo組成物を担持することを特徴とする。
あるいは、活性炭がフェリシアン化NiおよびCo組成物を担持することを特徴にする。
あるいは、上述した組成物2種以上を活性炭が担持することを特徴にする。
上述したように、この例の各組成物はFe,Ni,Coの3種の内、Coを含んで少なくても2種の組成物でセシウム吸着剤とされていることに特徴がある。したがって、組成物がすべての3種を含んでいる3元系組成物として構成されてよいことが直ちに理解されるであろう。また、吸着に寄与しないか、吸着性の悪い金属を含んだ組成物でセシウム吸着剤を構成してよいことが直ちに理解できるであろう。
本実施例は、上述したセシウム吸着物質担持活性炭で構成され、本実施例では、これらのセシウム吸着物質活性炭を総称してPB/AC吸着剤(紺青活性炭)あるいはCs選択除去剤[PB/AC]と呼ぶことがある。PBは、プルシャンブルー(紺青)を意味する。ACは、PBを坦持する基材としての活性炭を意味する。
鉄のシアン錯体に過剰量の鉄イオンを加えることで、濃青色の沈殿物として得られる顔料は、紺青(こんじょう)あるいはプルシャンブルーとして知られている。前述した非特許文献2には、このプルシャンブルーをセルロース系の布にしみ込ませてセシウム吸着体が作成されることが記載された。この場合のプルシャンブルーは、その理想的な組成式は、Fe(III)[Fe(II)(CN)] で表わされることが知られている。ヘキサシアン化鉄 (II)・鉄(III)、フェロシアン鉄(III)、フェロシアン化鉄第二鉄とも呼ばれている。
これに対して、本実施例になるFe−Co型PB(Fe−Co型紺青と呼ぶ。)は、
Co−Fe3−x[Fe(CN)
の組成となり、Ni−Co型PB(Ni−Co型紺青いと呼ぶ。)は、
Co−Ni-x[Fe(CN)の組成となる。
上述のFe−Co型PBあるいはNi−Co型PBは、フェリシアン化カリウム又はフェロシアン化カリウムから合成反応で生成される。生成された合成物をフェリシアン化Fe−Co組成物あるいはNi−Co組成物、あるいはフェロシアン化Fe−Co組成物あるいはNi−Co組成物と呼ぶ。
合成反応式は、次の通りである。
3K3〜4[Fe(CN)] +CoCl+FeCl
→Co−Fe3−x[Fe(CN)+mKCl
3K3〜4[Fe(CN)] +CoCl+NiCl
→Co−Ni3−x[Fe(CN)+mKCl
[Fe(CN)]:フェリシアン化カリウム
[Fe(CN)]:フェロシアン化カリウム
Co−Fe3−x[Fe(CN):Fe−Co(FC)型PB(紺青)
Co−Ni3−x[Fe(CN):Ni−Co(NC)型PB(紺青)
これらの合成反応を活性炭表面・孔内部で進行させることで行い、Cs吸着剤となるFe−Co型PBあるいはNi−Co型PBを活性炭に担持したセシウム吸着機能を備えたセシウム吸着物質担持活性炭を生成する。
フェロシアン化カリウムは、ヘキサシアン鉄(II)酸カリウム、黄血塩ともよばれる無機化合物で、錯塩の一種として知られる。
組成式は、K[Fe(CN)]またはCFeKである。
フェリシアン化カリウムは、ヘキサシアン鉄(III)酸カリウム、赤血塩とも呼ばれる無機化合物で錯塩の一種として知られる。
組成式は、K[Fe(CN)]またはCFeKである。
以下、フェリシアン化カリウムを用いての本実施例になるPB/ACの製造例を示す。以下の例では、フェリシアン化カリウムを用いた例について示すが、フェロシアン化カリウムを用いても同様の製造例となる。これらの製造法を製造方法Iとする。
(製造例1)
(II価金属添加組成)
(1)Fe(II)+Co(II)=1:1
(2)Ni(II)+Co(II)=1:1
(操作)
AC(LH2c 32/60ss 洗浄・160℃乾燥品);50g
↓ ←1M−フェリシアン化カリウム/HO;50ml
混練・乾燥;110℃、3h(時々かき混ぜながら行う)
↓ ←II価金属溶液添加;Total 50mmol
混練・乾燥;110℃、3h(時々かき混ぜながら行う)

重量測定(1)(副生成物であるKCl等を含む)

水洗;HO 200ml×2回、デカンテーションによる

混練・乾燥;110℃、1晩(時々かき混ぜながら行う)

重量測定(2)(副生成物であるKCl等を含む)
(結果)
Figure 2014030819
(製造例2)
(II価金属添加組成)
(1)Fe(II)+Co(II)=1:1
(2)Ni(II)+Co(II)=1:1
(操作)
AC(LH2c 32/60ss 洗浄・160℃乾燥品);10g
↓ ←1M−フェリシアン化カリウム/HO;10ml
混練・乾燥;110℃、3h(時々かき混ぜながら行う)
↓ ←II価金属溶液添加;Total 10mmol
混練・乾燥;110℃、3h(時々かき混ぜながら行う)

重量測定(1)(副生成物であるKCl等を含む)

水洗;HO 200ml×3回、デカンテーションによる

混練・乾燥;110℃、2.5h(時々かき混ぜながら行う)

重量測定(2)(副生成物であるKCl等を含む)
(結果)
Figure 2014030819
本実施例のセシウム吸着物質担持活性炭の製造方法は、活性炭およびフェロシアン化カリウムを混練して混練物を生成し、該混練物にFeClおよびCoClからなるII価金属溶液を添加し、混練して、合成反応を活性炭表面および孔内部で進行させ、生成されたフェロシアン化FeおよびCo組成物を活性炭に担持することを特徴とする。
本実施例のセシウム吸着物質担持活性炭の製造方法は、また、活性炭およびフェロシアン化カリウムを混練して混練物を生成し、該混練物にNiClおよびCoClからなるII価金属溶液を添加し、混練して、合成反応を活性炭表面および孔内部で進行させ、生成されたフェロシアン化NiおよびCo組成物を活性炭に担持することを特徴とする。
本実施例のセシウム吸着物質担持活性炭の製造方法は、また、活性炭およびフェリシアン化カリウムを混練して混練物を生成し、該混練物にFeClおよびCoClからなるII価金属溶液を添加し、混練して、合成反応を活性炭表面および孔内部で進行させ、生成されたフェリシアン化FeおよびCo組成物を活性炭に担持することを特徴とする。
本実施例のセシウム吸着物質担持活性炭の製造方法は、また、活性炭およびフェリシアン化カリウムを混練して混練物を生成し、該混練物にNiClおよびCoClからなるII価金属溶液を添加し、混練して、合成反応を活性炭表面および孔内部で進行させ、生成されたフェリシアン化NiおよびCo組成物を活性炭に担持することを特徴とする。
本実施例のセシウム吸着物質担持活性炭の製造方法は、また、上記のいずれかに記載された組成物からの2種以上の組成物を活性炭に担持することを特徴とする。
製造例1と製造例2では、使用されるAC量が異なる。
PB(紺青)担持活性炭の内、Fe+Co型組成物をFC type PB/AC吸着剤をFC type、Ni+Co型組成のNi−Co Type PB/AC吸着剤をNC Typeとして、これらのPB/AC吸着剤をCs吸着剤として、Cs−137を添加した淡水、海水に添加して、Cs吸着性能の確認を行った。
[Cs吸着試験]
・Cs吸着剤(試験Cs除染剤):FC−PB/AC、NC−PB/AC(基材活性炭AC:LH2c 32/60mesh)
バッチ試験
・Cs−137 333Bq(Cs 0.17μg)含む淡水及び実海水(各50ml)にPB/AC(2種類)をそれぞれ0.5gずつ加え1h撹拌(固液比1/100)
カラム試験
・カラム条件:吸着剤充填量 10cc、充填高さ 157mm、id.9.0mmφ
・試験液:実海水1000ml(Cs−137 10.2Bq/ml、Cs 5ppb添加)
・通液条件:LV 3.1m/h、SV 20h−1、200ml/h(吸着剤体積の100倍量通液)
[試験結果]
バッチ試験:Kd[ml/g](淡水)5.3e+3〜>2.2e+4 (海水)1.5e+4
カラム試験:図1および図2に試験結果を示す。
図1に示すように、カラム通液時間の全時間に亘り、出口137Cs濃度は全て不検出となった。したがって、海水中の137Cs徹底除去することが可能である。
淡水から海水の5倍濃度の塩水で同等の除染性能が得られる。また、Kd値に関して、PB/AC(Fe:Co 1:1)で、淡水適用で5.3e+3、PB/AC(Fe:Co 1:1)で、海水適用で1.5e+4、PB/AC(Ni:Co 1:1)で、淡水適用で2.2e+4以上、PB/AC(Ni:Co 1:1)で、海水適用で1.5e+4のような高いKd値を示した。
これらの高いCs吸着性能は、単にフェロシアン化Feあるいはフェリシアン化FeをCs吸着物質として活性炭に担持したものではなく、フェロシアン化FeおよびCoあるいはフェリシアン化およびCoをCs吸着物質として活性炭の広大な表面積を利用して担持したことによる効果である。これらのCs吸着物は、Co−Fe型PBあるいはCo−Ni型PBとして上述した。これら2種のCs吸着剤による試験結果によれば、137CS吸着についての同一の性能が得られた。このため、FC type PB/AC吸着剤についての試験結果を表示しないが、図1が類推援用されるものとする。図2についても同様である。
図2に示すように、137Csは、吸着塔入口部でほとんど、すなわち100%近く吸着される。したがって、吸着塔入口部で完全吸着することが可能となった。また、137Csが吸着塔入口部だけに局所吸着すると、その強い放射線で外部被曝する恐れが高くなるため、その場合は無担持活性炭を上述したCs吸着剤に混合して吸着ゾーンをブロード(広域)化することで作業員に対する被曝緩和も可能である。
廃棄物処分
137Csを吸着したセシウム吸着物質担持活性炭を乾燥させ、600℃、1時間、空気中での焼却を行った。以下、焼却結果を示す。
焼却結果:
1)焼却残さ:黒色(主成分:Ni、Co、Fe系酸化物)
2)減重率 77〜78wt%
3)減容率 約65〜75vol%(圧縮程度により変化)
上述するように、減重率、減容率は約80%程度と高いため、二次的に生成されたセシウム吸着物質担持活性炭の重量、容積を大幅に減少させることができる。
これらの結果によれば、本実施例のセシウム吸着物質担持活性炭は、淡水、汽水、海水、塩水に含まれるセシウムイオン(放射性セシウムCsである137Csを含む)の吸着に有効に適用可能である。
セシウム吸着物質担持活性炭に使用・減容方法は次の通りである。
・フェロシアン化FeおよびCo組成物を担持するセシウム吸着物質担持活性炭を収納することで構成されたカラム(吸着塔)に、上述した水のいずれかの水を流過させてセシウムイオンを吸着分離し、生成されたセシウムイオン吸着活性炭を焼却によって二次廃棄物を減容する。
・フェロシアン化NiおよびCo組成物を担持するセシウム吸着物質担持活性炭を収納することで構成されたカラムに、上述した水のいずれかの水を流過させてセシウムイオンを吸着分離し、生成されたセシウムイオン吸着活性炭を焼却によって二次廃棄物を減容する。
・フェリシアン化FeおよびCo組成物を担持するセシウム吸着物質担持活性炭を収納することで構成されたカラムに、上述した水のいずれかの水を流過させてセシウムイオンを吸着分離し、生成されたセシウムイオン吸着活性炭を焼却によって二次廃棄物を減容する。
・上述した組成物から2種以上の組成物を担持するセシウム吸着物質担持活性炭を収納することで構成されたカラムに、上述した水のいずれかの水を流過させてセシウムイオンを吸着分離し、生成されたセシウムイオン吸着活性炭を焼却によって二次廃棄物を減容する。
・フェロシアン化FeおよびCo組成物を担持するセシウム吸着物質担持活性炭を収納することで構成されたカラムに、上述した水のいずれかの水を流過させてセシウムイオンを吸着分離し、生成されたセシウムイオン吸着活性炭を焼却によって二次廃棄物を減容する。カラムには、2種類のセシウム吸着物質担持活性炭が混合されて、または2層として収納されてよい。
本発明は、フェロシアン化組成物あるいはフェリシアン化組成物を活性炭に担持するに際して、NiClおよびCoCl、あるいはFeClおよびCoClのII価金属を添加することに限定されず、III価金属の双方あるいはII価金属とIII価金属を用いることができる。また、本発明は、フェロシアン化組成物あるいはフェリシアン化組成物を活性炭に担持するに際して、活性炭およびフェロシアン化カリウム、あるいは活性炭およびフェリシアン化組成物を混練し、混練物を生成して活性炭に担持する方法に限定されない。
フェロシアン化組成物あるいはフェリシアン化組成物を合成する合成反応モデル式とは、次の表1に示すモデル式のいずれかのモデル式を用いることができる。構成元素である原料物質は、下記の合成反応モデル式に示すように、2価金属、2価金属あるいは2価金属と3価金属が用いられる。
〔表1〕 合成反応モデル式
フェリシアン酸塩+2価金属+3価金属
・3A3〔Fe(CN)6〕+3M1Cl2+M2Cl3→M1 3M2〔Fe(CN)63+9ACl
・3A3〔Fe(CN)6〕+3M1(NO3)2+M2(NO3)3→M1 3M2〔Fe(CN)63+9A(NO3)
フェリシアン酸塩+3価金属+3価金属
・3A3〔Fe(CN)6〕+M1Cl3+2M2Cl3→M1M2 2〔Fe(CN)63+9ACl
・3A3〔Fe(CN)6〕+M1(NO3)3+2M2(NO3)3→M1M2 2〔Fe(CN)63+9A(NO3)
フェロシアン酸塩+2価金属+2価金属
・3A4〔Fe(CN)6〕+3M1SO4+3M2SO4→M1 3M2 3〔Fe(CN)63+6A2SO4
フェロシアン酸塩+2価金属+3価金属
・3A4〔Fe(CN)6〕+3M1Cl2+2M2Cl3→M1 3M2 2〔Fe(CN)63+12ACl
・3A4〔Fe(CN)6〕+3M1(NO3)2+2M2(NO3)3→M1 3M2 2〔Fe(CN)63+12A(NO3)
フェロシアン酸塩+3価金属+3価金属
・3A4〔Fe(CN)6〕+2M1Cl3+2M2Cl3→M1 2M2 2〔Fe(CN)63+12ACl
・3A4〔Fe(CN)6〕+2M1(NO3)3+2M2(NO3)3→M1 2M2 2〔Fe(CN)63+12A(NO3)
A:Na、K、NH4
M1、M2:Fe、Co、Ni、Cu、V、Cr、Mn、Zn、Cd、Pt、Pb、Ba
本発明は、上述したCs吸着物質を活性炭に担持したセシウム吸着機能担持活性炭を特徴とし、適用例およびCs吸着物質の内容は次に示す通りである。
1)適用例:淡水、汽水、海水、塩水に含まれるセシウムイオン(放射性Cs含む)の吸着
2)Cs吸着物質
・基材 :活性炭
・基本原料:フェロシアン化物(カリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩など)
フェリシアン化物(カリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩など)
・構成元素(原料物質):Fe、Co、Ni、Cu、V、Cr、Mn、Zn、Cd、Pt、Pb、Ba
上記元素の塩化物塩、硫酸塩、硝酸塩
本発明は、次に示すセシウム吸着物担持活性炭の製造方法を提供する。
活性炭に、フェロシアン化合物を含浸させ、フェロシアン化合物を含浸させた活性炭にCoを含み、更にFe、Ni、Cu、V、Cr、Mn、Zn、Cd、Pt、PbおよびBaからなる金属グループの1つまたは2つ以上選択された金属を含浸させ、Coおよび選択された金属を含浸させた活性炭を加熱状態で熟成し、生成されたフェロシアン化Coおよび選択された金属組成物を活性炭に担持するセシウム吸着物質担持活性炭の製造方法。
活性炭に、フェリシアン化合物を含浸させ、フェリシアン化合物を含浸させた活性炭にCoを含み、更にFe、Ni、Cu、V、Cr、Mn、Zn、Cd、Pt、PbおよびBaからなる金属グループの1つまたは2つ以上選択された金属を含浸させた活性炭を加熱状態で熟成し、生成されたフェリシアン化Coおよび選択された金属組成物を活性炭に担持するセシウム吸着物質担持活性炭の製造方法。
上述したセシウム吸着物質担持活性炭の製造の流れを図3に示す。この製造法を製造法IIとする。
図3において、破砕状あるいは造粒型の活性炭10kgを用いた例を示す。
図3において、第一の含浸工程で、フェロシアン化物水溶液(1〜3モル)またはフェリシアン化物水溶液(1〜3モル)を加える。活性炭10kgに対し、フェロシアン化合物あるいはフェリシアン化合物の水溶液を活性炭に加えて含浸させる。この場合のフェロシアン化合物あるいはフェリシアン化合物は、カリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩のいずれでもよく、活性炭10kgに対し、各々1〜3モル量を含浸させる。
第二の含浸工程で、Cu(1〜6モル)およびCo(0.5〜6モル)水溶液を加える。CoおよびCuに代えて、Co、およびFe、Ni、V、Cr、Mn、Zn、Cd、PtおよびBaからなる金属グループの1つまたは2つ以上選択された金属を含浸させてもよい。以下、CoおよびCuを含浸する例で説明する。
フェロシアン化合物あるいはフェリシアン化合物を含浸した活性炭にコバルト(Co)および銅(Cu)の塩化物塩、硫酸塩あるいは硝酸塩水溶液を活性炭10kgに対し、Co0.5〜6モル、Cu1〜6モル量含浸させる。
ついで、撹拌混合し、加熱(50〜80℃)熟成を5時間以上行う。
先に記述した先例の場合は、上述した原料物質含浸の都度加熱乾燥を行ったが、本例では原料物質含浸後に低温(50〜80℃)で5時間以上保持してフェロシアン化組成物あるいはフェリシアン化組成物の生成反応を促進させている。この工程によって、これら組成物の活性炭担持を確実なものとさせる。この場合の製造方法では、低温熟成を一つの特徴としている。
本例の工程は、乾燥工程が不要であり、製造時間を短縮でき、しかも低温処理によって生成したフェロシアン化組成物あるいはフェリシアン化組成物が活性炭細孔内に薄膜状で満遍なく固着する。この形態によって、固着したフェロシアン化組成物あるいはフェリシアン化組成物の溶脱が起こりにくい状態となる。さらに、フェロシアン化組成物あるいはフェリシアン化組成物の担持面積を活性炭細孔表面積と同等とすることができるため、セシウム吸着能力を増大することができる。
このようにして生成した活性炭を水洗し、製造目的の活性炭を得る。製造されたセシウム吸着物質担持活性炭は、次に示すような形態となる。
活性炭が、フェロシアン化あるいはフェリシアン化FeおよびCo組成物を担持。(事例1)
活性炭が、フェロシアン化あるいはフェリシアン化NiおよびCo組成物を担持。(事例2)
活性炭が、フェロシアン化あるいはフェリシアン化CuおよびCo組成物を担持。(事例3)
活性炭が、フェロシアン化あるいはフェリシアン化VおよびCo組成物を担持。(事例4)
活性炭が、フェロシアン化あるいはフェリシアン化CrおよびCo組成物を担持。(事例5)
活性炭が、フェロシアン化あるいはフェリシアン化MnおよびCo組成物を担持。(事例6)
活性炭がフェロシアン化あるいはフェリシアン化ZnおよびCo組成物を担持。(事例7)
活性炭が、フェロシアン化あるいはフェリシアン化CdおよびCo組成物を担持。(事例8)
活性炭が、フェロシアン化あるいはフェリシアン化PtおよびCo組成物を担持。(事例9)
活性炭が、フェロシアン化あるいはフェリシアン化PbおよびCo組成物を担持。(事例10)
活性炭が、フェロシアン化あるいはフェリシアン化BaおよびCo組成物を担持。(事例11)
事例1〜事例11のセシウム吸着物質担持活性炭はいずれもCo組成物を含み、淡水、汽水、海水、塩水に含まれるセシウムイオン(放射性Csを含む)の吸着に有効である。
これらのセシウム吸着物質担持活性炭の中でも事例3に示すフェロシアン化あるいはフェリシアン化CuおよびCo組成物を担持する活性炭は、低成分溶脱性を示し、特に優れている。この活性炭は、事例1〜11で示される担持活性炭が備えるCs吸着することで、淡水、汽水あるいは海水中のセシウムを吸着する方法に適用出来るという効果に加えて、セシウム吸着が効率的である、長寿命であるという特徴があり、
・吸着したセシウムおよび担持成分が溶脱しにくい
・Cs吸着容量を制御可能である
という特徴を有している。
合成反応例式の1例を示すと次のようである。
3K3−4[Fe(CN)] +CuSO+CoSO
→(Cu−Co)Fe(CN)+mKSO
ここで、
3K3−4[Fe(CN)
…フェロシアン化カリウムまたはフェリシアン化カリウム
CuSO+CoSO…Cu,Coとして硫酸塩の場合
(Cu−Co)Fe(CN)
…フェロシアン化あるいはフェリシアン化CuおよびCo組成物
フェロシアン化またはフェリシアン化CuおよびCo組成物を担持する活性炭とは、上述の生成反応を活性炭細孔の中で行わせて細孔内にフェロシアン化CuおよびCo組成物を安定的に担持させたもので、CuおよびCo組成を含んで、広い面積を有する活性炭細孔を利用しているため、高いCs吸着能力を有する。
上述した合成反応式において、
フェロシアン化物としては、カリウム塩、ナトリウム塩あるいはアンモニウム塩などのフェロシアン化物がある。
フェリシアン化物としては、カリウム塩、ナトリウム塩あるいはアンモニウム塩などのフェリシアン化物がある。
構成元素(原料物質)としてのCo、Cuについては、これらの元素の塩化物塩、硫酸塩、硝酸塩がある。
以下、事例1、事例2、事例4−11に対する事例3が示す特性について説明する。事例1、事例2および事例4−11に示す事例の内、フェロシアン化あるいはフェリシアン化FeおよびCo組成物担持活性炭をFCtypeとして示し、フェロシアン化あるいはフェリシアン化NiおよびCo組成物担持活性炭をNCtypeと呼ぶ。これらの吸着ならびに溶出性質は、事例4−11に示す事例においても同様に示される。事例3に示す事例を改良型と呼び、この改良型のCuおよびCo組成物担持活性炭をFoCCと称する。FoCC〔121〕と記載した時に、Foはフェロシアン化合物、CはCu、次のCはCoを示し、活性炭10kgに対してこれらの物質が1:2:1のモル数からなることを示す。
また、以下の説明で、FWベースとは、本実施例を淡水に含まれるセシウムを吸着する場合、SWベースとは、本実施例を海水に含まれるセシウムを吸着する場合、1/10SWベースとは、海水の濃度を、淡水を加えることで1/10濃度に薄めた海水中に含まれるセシウムを吸着する場合を示す。
図4は、FCtype、NCtypeとFoCCtypeとのシアン、Co溶出挙動の試験結果を示す。
これらの試験結果によれば、FoCCの特徴として、
・アルカリ溶液(pH7〜10)にもシアンが溶出しにくい特性を持つことが分る。
・また、担持した原料成分としてのCoが溶出しにくい特性を持つことが分る。
図5は、シアン(全CN)溶出挙動についての試験結果を示す図である。
図5に示すように、比較例のFoCtype(すなわちCtype)、および本実施例のFoFCtype(すなわちFCtype)、FoNCtype(すなわちNCtype)、改良型のFoCCtypeで1/10濃度海水中のセシウムを吸着する能力があるが、実用上から上述のFCtype、NCtype およびFoCCtypeが推奨され、特にFoCCtypeが実用上から推奨される。
図6は、FCtype、NCtypeとFoCCtypeとのFe、Cu、Co、Niの溶出挙動についてのコールドカラム試験結果を示す。
この図からFoCCtypeは、担持した原料物質としてのCu、Coが溶出しにくい特性を持つことが分る。
この図で、B.V.とは一般用語で、ベットボリウム、すなわち吸着剤の容積に対して何倍の溶液を流したかを示す。
図7は、上述したtypeについてのCs吸着量の比較を示す試験結果である。
図7に示す比較例によれば、カラムでの原料物質担持量が、1/10にした場合であってもFCtypeあるいはNCtypeの約1/3のCs吸着量を示し、よって結果的に3倍以上のよい性能を示すことが分る。また1/5にした場合の担持量にあって70〜80%の性能を示すことが分る。このようにして、計測していくと2倍担持量とすることによって2倍のCs吸着力性能を得ることができる。このことは原料物質担持量によってCs吸着量を制御可能であることを示す。原価低減が重要なセシウム吸着、回収にとって原料物質の使用削減は重要な課題であり、FoCCtypeの原料物質を使用することで、適切な使用方法を提言できることになる。
よって、FoCCtypeは、
・原料物質担持量が少なくても、Cs吸着量が大きい。
・Cs吸着量を制御可能である。
という優れた性能を発揮する。
図8は、FoCCtypeの通液pH変化vs.シアン溶出についての試験結果を示す。PB/ACは、本実施例である担持活性炭を示す。
図8に示す試験結果によれば、淡水、1/10濃度海水、海水についてpH4〜10の範囲でシアン(CN)の溶出がないことが分る。
図9は、FoCCtypeの通液pH変化vs.Cs吸着量を示す試験結果を示す。
図9に示す試験結果によれば、pH2〜11の範囲でCs吸着量に変化がないことが分る。
図10は、FoCC−PB/ACカラムにおけるCs吸着ゾーンについての試験結果を示す。
図10に示す試験結果によれば、カラム入口4.0cmに達すればほとんどのCsが吸着されることが分る。
次に、実施例並びに比較例を表2および表3に示す。
〔表2〕
Figure 2014030819
〔表3〕
Figure 2014030819
これらの表において、◎は特に性能が優れていることを示し、○は実用的な性能があることを示し、△は性能はあるが、実用に用いるには更なる改良を必要とすることを示す。
これらの表から、実例1、実例2、実例4−11は実用に供し得ること、更に実例3は実用した時に優れた効果が期待できることが分かる。
典型的な実例1−3についての内容を列記してみれば次のようである。他の事例についてはこれらの記載から類推される。
実施例1
活性炭10kgに対し、フェロシアン化カリウム(K[Fe(CN)])、塩化鉄(FeCl)および塩化コバルト(CoCl)のそれぞれを各1モル含む水溶液を含浸させ、活性炭の細孔内部及び表面にフェロシアン化Fe-Co(紺青)が生成し担持された状態のフェロシアン化Fe‐Co(紺青)担持活性炭。
上記の原料として、フェロシアン化カリウムに代わりフェリシアン化カリウム(K[Fe(CN)])、塩化鉄(FeCl)および塩化コバルト(CoCl)に代わりそれぞれの硫酸塩あるいは硝酸塩でも化学的性質と機能がほぼ同様の紺青担持活性炭を製造できる。
実施例2
活性炭10kgに対し、フェロシアン化カリウム(K[Fe(CN)])、塩化ニッケル(NiCl)および塩化コバルト(CoCl)のそれぞれを各1モル含む水溶液を含浸させ、活性炭の細孔内部及び表面にフェロシアン化Ni-Co(紺青)が生成し担持された状態のフェロシアン化Ni‐Co(紺青)活性炭。
上記の原料として、フェロシアン化カリウムに代わりフェリシアン化カリウム(K[Fe(CN)])、塩化ニッケル(NiCl)および塩化コバルト(CoCl)に代わりそれぞれの硫酸塩あるいは硝酸塩でも化学的性質と機能がほぼ同様の紺青担持活性炭を製造できる。
実施例3
活性炭10kgに対し、フェロシアン化カリウム(K[Fe(CN)])を0.1モル、硫酸銅(CuSO)を0.2モル、硫酸コバルト(CoSO)を0.1モル、以上のそれぞれを含む水溶液を含浸させ、活性炭の細孔内部及び表面にフェロシアン化Ni-Co(紺青)が生成し担持された状態のフェロシアン化Cu‐Co(紺青)活性炭。
上記の原料として、フェロシアン化カリウムに代わりフェリシアン化カリウム(K3[Fe(CN)])、硫酸銅(CuSO)および硫酸コバルト(CoSO)に代わりそれぞれの塩化物あるいは硝酸塩でも化学的性質と機能がほぼ同様の紺青担持活性炭を製造できる。
なし。

Claims (13)

  1. 活性炭が、フェロシアン化FeおよびCo組成物を担持することを特徴とするセシウム吸着物質担持活性炭。
  2. 活性炭が、フェロシアン化NiおよびCo組成物を担持することを特徴とするセシウム吸着物質担持活性炭。
  3. 活性炭が、フェリシアン化FeおよびCo組成物を担持することを特徴とするセシウム吸着物質担持活性炭。
  4. 活性炭が、フェリシアン化NiおよびCo組成物を担持することを特徴とするセシウム吸着物質担持活性炭。
  5. 活性炭が、フェロシアン化CuおよびCo組成物を担持することを特徴とするセシウム吸着物質担持活性炭。
  6. 活性炭が、フェリシアン化CuおよびCo組成物を担持することを特徴とするセシウム吸着物質担持活性炭。
  7. 活性炭が、V、Cr、Mn、Zn、Cd、Pt、PbおよびBaからなるグループから選択された一つの金属およびCo組成物からなるフェロシアン化組成物を担持することを特徴とするセシウム吸着物質担持活性炭。
  8. 活性炭が、V、Cr、Mn、Zn、Cd、Pt、Pb、およびBaからなるグループから選択された一つの金属およびCo組成物からなるフェリシアン化組成物を担持活性炭。
  9. 請求項1から8に記載された2種以上の金属組成物からなるフェロシアン化組成物またはフェリシアン化組成物を活性炭が担持することを特徴とするセシウム吸着物質担持活性炭。
  10. 活性炭およびフェロシアン化合物を混練して混練物を生成し、該混練物にCoを含み、更にFe、Ni、Cu、V、Cr、Mn、Zn、Cd、Pt、PbおよびBaからなるグループの1つまたは2つ以上の選択された金属溶液を添加し、混練して、合成反応を活性炭表面および孔内部で進行させ、生成されたフェロシアン化Coおよび選択された金属組成物を活性炭に担持することを特徴とするセシウム吸着物質担持活性炭の製造方法。
  11. 活性炭およびフェロシアン化合物を混練して混練物を生成し、該混練物にCoを含み、更にFe、Ni、Cu、V、Cr、Mn、Zn、Cd、Pt、PbおよびBaからなるグループの1つまたは2つ以上の選択された金属溶液を添加し、混練して、合成反応を活性炭表面および孔内部で進行させ、生成されたフェロシアン化Coおよび選択された金属組成物を活性炭に担持することを特徴とするセシウム吸着物質担持活性炭の製造方法。
  12. 活性炭に、フェロシアン化合物を含浸させ、フェロシアン化合物を含浸させた活性炭にCoを含み、更にFe、Ni、Cu、V、Cr、Mn、Zn、Cd、Pt、PbおよびBaからなる金属グループの1つまたは2つ以上選択された金属を含浸させ、Coおよび選択された金属を含浸させた活性炭を加熱状態で熟成し、生成されたフェロシアン化Coおよび選択された金属組成物を活性炭に担持することを特徴とするセシウム吸着物質担持活性炭の製造方法。
  13. 活性炭に、フェリシアン化合物を含浸させ、フェリシアン化合物を含浸させた活性炭にCoを含み、更にFe、Ni、Cu、V、Cr、Mn、Zn、Cd、Pt、PbおよびBaからなる金属グループの1つまたは2つ以上選択された金属を含浸させた活性炭を加熱状態で熟成し、生成されたフェリシアン化Coおよび選択された金属組成物を活性炭に担持することを特徴とするセシウム吸着物質担持活性炭の製造方法。
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