JP2014030630A - 噴霧器用メッシュノズル及び噴霧器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の孔を有する基板を振動させることにより薬が基板の入口側から出口側へ孔を通過して噴霧される噴霧器用メッシュノズルにおいて、基板の入口側には粒子が互いにくっ付きあって塊となる粒子同士を分離するための複数の突起を形成するようにしたものである。
【選択図】図1
Description
かかる治療を適切に行うために、メッシュノズルの孔の径を変えることにより孔を通過する薬液の粒子の径や粉末薬の粒子の径を制御し、所望の患部へ到達させるようにする必要がある。すなわち、粒子径が大きいと咽喉等の太い気管に吸着し、粒子径が小さいと気管支等の細い気管に到達して吸着することになるが、メッシュノズルの孔の径を小さくすると薬の噴霧量が低下するため、孔の形状を改良したものが、例えば特許文献1で提案されている。
本発明は、かかる課題に鑑み、粒子同士がくっ付きあって塊になっても、この塊を崩して粒子をメッシュノズルの孔から噴霧するようにした斬新な噴霧器用メッシュノズル及びこのメッシュノズルを有する噴霧器を提供することを目的とする。
図1において、本実施形態に係る噴霧器1は、容器2と、圧電振動子3と、噴霧器用メッシュノズル4とを有している。容器2には、この容器2内に薬液6を開口21から供給する供給管22が設けられている。圧電振動子3は、高周波電圧を印加することにより振動する、例えば円環板状に形成されたセラミックス製の超音波振動子である。
そして、図3に示すように孔42の穴径aは1μm〜150μmであり、突起43の高さ寸法bは孔42の穴径a1μm〜150μmの0.5〜3倍にすることにより、突起43の強度を維持しつつ粒子61の塊611を効率良く崩すようにしている。
これは、突起43を孔42の穴径の3倍よりも高くすると突起43の強度が弱まり、0.5倍よりも低くすると粒子61の塊611が突起43と接触しないで孔42に到達して孔42を塞いでしまい、噴霧されなくなる虞が高いからである。
このように、突起43を噴霧器用メッシュノズル4と同じ材質である、例えばニッケル等の金属で形成するようにすると、突起43を噴霧器用メッシュノズル4の基板41と一体に同時に製作でき、製造工程を簡略化することができる。
尚、金属としてニッケルの代わりに、パラジューム、鉄、銅、金、銀等を用いても良い。
突起43は、円錐状の突起43の孔形状を有するスクリーン印刷により、耐熱・耐久性のある合成樹脂で噴霧器用メッシュノズル4の基板41と一体に同時に製作することもできる。
以下、このスクリーン印刷による製造工程について、図7に基づいて説明する。
図7(a)に示すように、窪み121を有するニッケル基盤12上にワイヤ131とワイヤ132からなるスクリーンマスク13とスキージー14を用いてインク15によりメッシュを形成する。形成するインク15は、有機物(エポキシ、ポリウレタン、ポリイミド、紫外光硬化樹脂等)や、セラミック(アルミナ、シリカ、等)のスラリー状のものや、アルコキシドセラッミクの混合物で良い。
しかし、必要によっては、弗素系の離型剤を予め薄くコートした方が好ましい。
次に、図7(c)に示すように、インク15を重合又は焼成したことによりメッシュが形成されるときに、窪み121にインク15が充填され、離型されればその充填個所が突起43となって形成される。
この工法は、スクリーン印刷で基盤12上にインク15からなるメッシュと突起43を一体形成したが、この基盤12をベースにインジェクション成形でメッシュを製作すれば、突起43を有する有機物のメッシュを形成することもできる。
このように合成樹脂で形成することにより、突起43の先鋭部431で粒子61の塊611を崩すとき、合成樹脂の柔軟性によって粒子61を傷つけることはないので、好ましい。
また、突起43をセラミックで形成することによりセラミック以外の例えば、有機物等の不純物を嫌う粒子を噴霧するときに有効である。
によって上下方向に振動させると、薬液6の粒子61の粘性や吸着により粒子61同士が孔42の入口側411で粒子61が互いにくっ付きあって塊611となる場合がある。
図8の写真で示すように、穴径が14μmで30ピッチの孔4が850個/1平方インチあり、高さ30μmの多数の突起43をライン幅に設けた噴霧器用メッシュノズル4を用意した。
そして、この噴霧器用メッシュノズル4を周波数35kHzの振とう機で10分間振動させると粒径5〜14μmの薬液6の粒子61が孔42から噴出するが、時間経過とともに粒子61がくっ付きあった粒子61の塊611が突起43の先鋭部431により崩されて分離分散していることが目視でき、14μm以下の粒子を回収したところ、突起43を有さない従来の噴霧器用メッシュノズルと比較すると、1.5〜2倍も噴霧量が多いことが確認できた。
図9〜図11は本発明の第3実施形態を示すもので、突起43の形状を三角錐形状にしたものであり、突起43以外の他の構成部品については図2〜図4と同一符号を付して詳細な説明は省略する。
尚、突起43は図5に示したように先端431の角度θを2°〜65°とすることにより突起の先端431が塊611と衝突し易くしており、しかもこの先端431のRを0.1μm〜5μmRとすることにより突起43の先端431で粒子61が破砕されるのを防止している。
この第3実施形態においても、図11に示すように、図4で上述した実施形態の場合と同様に基板41と一緒に振動している突起43の先鋭部431に粒子61の塊611がぶつかりあって塊611が崩され、粒子61同士が分離して矢印のように孔42を通過して薬液6の粒子61が噴出され、噴霧量を充分確保することができる。
図12〜図14は本発明の第4実施形態を示すもので、突起43の形状を円柱形状にしたものであり、突起43以外の他の構成部品については図2〜図4と同一符号を付して詳細な説明は省略する。
この第4実施形態においても、図14に示すように、図4で上述した実施形態の場合と同様に基板41と一緒に振動している突起43の先端部431に粒子61の塊611がぶつかりあって塊611が崩され、粒子61同士が分離して矢印のように孔42を通過して薬液6の粒子61が噴出され、噴霧量を充分確保することができる。
このように、突起43は何れの形状であっても塊611を崩すことは可能であり、突起形状であれば他の異なる形状でも適用することができる。
尚、上記実施形態では薬液6の粒子61について詳述したが、粉末状の薬の粒子であっても適用することができる。
4 噴霧器用メッシュノズル
41 基板
411 入口側
412 出口側
42 孔
43 突起
61 粒子
611 塊
Claims (5)
- 複数の孔を有する基板を振動させることにより薬が前記基板の入口側から出口側へ前記
孔を通過して噴霧される噴霧器用メッシュノズルにおいて、前記基板の入口側には前記薬の
粒子が互いにくっ付きあって塊となる粒子同士を分離するための複数の突起を形成したことを特徴とする噴霧器用メッシュノズル。 - 前記孔の穴径が1μm〜150μmで、前記突起の高さ寸法が前記穴径の0.5〜3倍であることを特徴とする請求項1に記載の噴霧器用メッシュノズル。
- 前記突起の先端の角度が2°〜65°で、この先端のRが0.1μm〜5μmRであることを特徴とする請求項1に記載の噴霧器用メッシュノズル。
- 前記突起が金属、合成樹脂、セラミックの何れかで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の噴霧器用メッシュノズル。
- 請求項1〜請求項4のいずれに記載の噴霧器用メッシュノズルを有していることを特徴とする噴霧器。
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