JP2014027347A - 無線通信システムおよび無線通信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アンテナ素子の間隔を変えることなく、チャネルの位相差θを所望の値に近づけること。
【解決手段】本発明による無線通信システム(1)は、印加される電界の強度に応じて比誘電率が変化する誘電体層と前記誘電体層に前記電界を印加するための一対の電極とを有し、前記電界の強度に応じて、前記誘電体層内を伝搬する電波の位相を回転させる位相回転部として機能するレドーム(140)と、送信アレーアンテナと受信アレーアンテナとの間に形成されるチャネルの位相差を推定する位相差推定部(760)と、前記位相差推定部により推定された前記位相差に基づいて、前記位相回転部が有する前記一対の電極間の電圧を制御することにより、所望のチャネル容量が得られるように前記チャネルの位相差を調整する位相差調整部として機能する制御装置(150)とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数のアンテナ素子から構成されるアレーアンテナを備えた無線通信システムおよび無線通信方法に関する。
近年、限られた周波数帯域でギガビット級の高速無線通信を実現することが求められている。その実現方法の一つに、MIMO(Multiple−Input Multiple−Output)伝送技術がある。MIMO伝送では、複数の送信アンテナから同一時間、同一周波数で異なる信号を送信し、送信機と受信機との間のマルチパス環境を利用することによって、受信機側で信号処理により各信号を分離し、復号する。これにより、使用周波数帯域を広げることなく、送受アンテナ素子数に応じて通信速度を向上させることができる。
通常、MIMO伝送はマルチパス環境を前提としている。送信機と受信機との間の環境がマルチパス環境でない場合は、送受信される複数の信号の伝搬経路がほぼ等しくなり、空間相関が増加する。このため、信号分離が困難になり、チャネル容量が減少する。ところが、近年、例えば非特許文献1に示されているように、送信アンテナと受信アンテナが近接し、送信機と受信機との間の環境がマルチパス環境でない近距離通信においてもMIMO伝送技術が適用可能であることが注目されている。以下、近距離通信におけるMIMO伝送を近距離MIMO伝送と称する。
非特許文献1の技術によれば、近距離MIMO伝送において、送信機と受信機との間の距離に応じてアレーアンテナの素子間隔を適切に設定することにより、マルチパス環境でない場合においてもアンテナ間の空間相関が低くなり、高いチャネル容量を達成することができる。また、非特許文献2では、コンクリート壁などの障害物内部を伝搬路として用いる近距離超高速無線中継システムが提案されている。この近距離超高速無線中継システムによれば、近距離であれば、壁などにより送受信アンテナの見通しが得られない環境においても、近距離MIMO伝送による高速通信が可能になる。
また、非特許文献2では、近距離MIMO伝送においてチャネル容量を増大するための検討が行われている。しかしながら、実際のMIMO伝送を実現するためには、チャネル容量を増大させる技術に加え、送受信機における信号処理技術が必要である。この信号処理技術について、非特許文献1では、MIMO伝送の最適送受信方法として知られている固有モード伝送(以下、EM−BFと称する)の特性と、受信側のみで信号処理を行う方法として知られているゼロフォーシング(以下、ZFと称する)の特性とが比較されている。そして、非特許文献2には、アレーアンテナの最適な素子間隔によりEM−BFの特性とZFの特性とがほぼ一致することが示されている。
図12は、近距離MIMO伝送におけるアンテナ素子の配置例を示す説明図である。図12において、送信側のアンテナ素子Tx(jは、1≦j≦Mの正整数であり、Mは、M≧2の正整数である。)の数と受信側のアンテナ素子Rx(iは、1≦i≦Mの正整数である。)の数は、いずれもMである。また、送信側のアンテナ素子Txは平面PT上に配置されており、受信側のアンテナ素子Rxは、平面PTと平行をなす平面PR上に、送信側のアンテナ素子Txと伝搬空間FSを挟んで対向するように配置されている。これら平面PTと平面PRとの間の距離はDである。以下では、平面PTと平面PRとの距離Dを「送受信間隔D」と称する。また、送信機側および受信機側の双方において、隣接する任意の二つのアンテナ素子の間隔はdである。以下では、説明の簡略化のため、M=2の場合、すなわち2×2(2入力2出力)近距離MIMO伝送の場合について説明する。
図13は、2×2近距離MIMO伝送のモデル図である。図13に示す2×2近距離MIMO伝送において、チャネル行列Hを式(1)で表すと、受信信号は式(2)で表される。
Figure 2014027347
Figure 2014027347
ここで、式(1)および式(2)において、要素hij(i,jは、それぞれ2以下の正整数)は、送信アンテナ素子Txから受信アンテナ素子Rxへのチャネルを伝搬した信号の位相および振幅の変化率を、例えば複素数表現により示す行列要素である。また、sは送信アンテナ素子Txから送信される信号を、rは受信アンテナ素子Rxで受信される信号を表す行列要素であり、nは受信信号に付加される雑音を表す行列要素である。
また、2×2MIMO伝送における信号分離のための受信ウェイト行列Wを、式(3)のように表すと、受信ウェイト演算後に各受信回路へ出力される信号は式(4)で表される。
Figure 2014027347
Figure 2014027347
式(3)および式(4)において、行列要素wij(i,jは、それぞれ2以下の正整数である。)は、送信アンテナ素子Txが送信するデータ系列s’に対応するデータ系列s’を抽出するために、受信アンテナ素子Rxが受信した信号に乗算されるウェイトを示す。
2×2近距離MIMO伝送では、各チャネルの位相差θ=tan−1(h21/h11)=tan−1(h12/h22)が90度となるようにアンテナ素子の間隔dが設定された場合にチャネル容量が最大となる。以下では、チャネル容量が最大となるアンテナ素子の間隔dを「最適素子間隔dopt」と称する。
アンテナ素子の間隔dを最適素子間隔doptに設定した場合、2×2近距離MIMO伝送のチャネル行列Hは式(5)で近似される。ここで、式(5)において、aは、送信アンテナ素子Txから受信アンテナ素子Rxへのチャネルを伝搬した信号の振幅と、送信アンテナ素子Txから受信アンテナ素子Rxへのチャネルを伝搬した信号の振幅との比率を表す。
Figure 2014027347
このとき、ZFにおける受信ウェイト行列WZFは式(6)で近似される。
Figure 2014027347
式(5)および式(6)から、チャネル行列と受信ウェイト行列の積は、式(7)のように対角行列で表される。すなわち、各送信アンテナから送信された信号は、受信機内で受信ウェイトを乗算することにより分離され、互いに干渉を与えることなく受信される。
Figure 2014027347
本間,西森,関,溝口,"近傍MIMO通信における伝送容量の評価" 信学技報,AP2008-125, Nov. 2008 関,西森,本間,西川,"近距離超高速中継システム" 信学技報,AP2008-124, Nov. 2008
前述のように、2×2近距離MIMO伝送では、各チャネルの位相差θ=tan−1(h21/h11)=tan−1(h12/h22)が90度となるようにアンテナ素子の間隔dを設定した場合にチャネル容量が最大となる。
しかしながら、通常、図12に示すような平面アレーアンテナの設計段階では、特定の送受信間隔Dが想定され、この送受信間隔Dに応じてアンテナ素子の間隔dが特定の値に設定される。そして、このアンテナの製造工程において、上述の設計段階で設定された特定の間隔dで1つの基板上にアンテナ素子が配列される。このため、設計段階で想定した送受信間隔D以外の送受信間隔では各チャネルの位相差θが90度とならず、近距離MIMO伝送の特性が劣化するという問題がある。
また、上記の問題は、非特許文献2でも提示されている、部屋間や屋内外間の壁を挟んで両側に送受信機を設置して近距離MIMO伝送を行うシステムのように、送受信間隔Dを任意の間隔に調整できない場合にいっそう顕著となる。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、実際の送受信間隔が平面アレーアンテナの設計段階で想定した送受信間隔からずれ、チャネルの位相差θが所望の値(例えば、90度)からずれた場合においても、アンテナ素子の間隔を変えることなく、チャネルの位相差θを所望の値に近づけることが可能な無線通信システムおよび無線通信方法を提供することにある。
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様による無線通信システムは、複数の送信アンテナ素子から構成された送信アレーアンテナと、前記複数の送信アンテナ素子にそれぞれ対向する複数の受信アンテナ素子から構成された受信アレーアンテナとを備えた無線通信システムであって、前記送信アレーアンテナと前記受信アレーアンテナとの間に配置され、印加される電界の強度に応じて比誘電率が変化する誘電体層と前記誘電体層に前記電界を印加するための一対の電極とを有し、前記電界の強度に応じて、前記誘電体層内を伝搬する電波の位相を回転させる位相回転部と、前記送信アレーアンテナの各送信アンテナ素子と前記受信アレーアンテナの各受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルの位相差を推定する位相差推定部と、前記位相差推定部により推定された前記位相差に基づいて、前記位相回転部が有する前記一対の電極間の電圧を制御することにより、所望のチャネル容量が得られるように前記チャネルの位相差を調整する位相差調整部と、を具備することを特徴とする。
また、本発明の一態様による無線通信システムは、前記位相回転部が、液晶で構成される誘電体層を具備することを特徴とする。
また、本発明の一態様による無線通信システムは、複数の送信アンテナ素子から構成された送信アレーアンテナと、前記複数の送信アンテナ素子にそれぞれ対向する複数の受信アンテナ素子から構成された受信アレーアンテナとを備えた無線通信システムであって、前記送信アレーアンテナと前記受信アレーアンテナとの間に配置され、印加される温度に応じて比誘電率が変化する誘電体層と前記誘電体層に前記温度を印加するための発熱部とを有し、前記温度に応じて、前記誘電体層内を伝搬する電波の位相を回転させる位相回転部と、前記送信アレーアンテナの各送信アンテナ素子と前記受信アレーアンテナの各受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルの位相差を推定する位相差推定部と、前記位相差推定部により推定された前記位相差に基づいて、前記位相回転部が有する前記発熱部の発熱量を制御することにより、所望のチャネル容量が得られるように前記チャネルの位相差を調整する位相差調整部とを具備することを特徴とする。
また、本発明の一態様による無線通信システムは、前記誘電体層が、相互に対向する配置関係にある前記送信アレーアンテナの送信アンテナ素子と前記受信アレーアンテナの受信アンテナ素子との間の第1経路と、相互に斜め方向に位置する配置関係にある前記送信アレーアンテナの送信アンテナ素子と前記受信アレーアンテナの受信アンテナ素子との間の第2経路とでは、当該誘電体層の厚さが異なる形状を有することを特徴とする。
また、本発明の一態様による無線通信システムは、前記誘電体層が、相互に対向する配置関係にある前記送信アレーアンテナの送信アンテナ素子と前記受信アレーアンテナの受信アンテナ素子との間の第1経路に沿って空洞が形成されると共に、相互に斜め方向に位置する配置関係にある前記送信アレーアンテナの送信アンテナ素子と前記受信アレーアンテナの受信アンテナ素子との間の第2経路に誘電体材料が位置する構造、または、前記第2経路に沿って空洞が形成されると共に前記第1経路に誘電体材料が位置する構造の何れかの構造を有することを特徴とする。
また、本発明の一態様による無線通信システムは、前記誘電体層が、相互に対向する配置関係にある前記送信アレーアンテナの送信アンテナ素子と前記受信アレーアンテナの受信アンテナ素子との間の第1経路と、相互に斜め方向に位置する配置関係にある前記送信アレーアンテナの送信アンテナ素子と前記受信アレーアンテナの受信アンテナ素子との間の第2経路とでは、比誘電率が異なる種類の誘電体材料から構成されたことを特徴とする。
また、本発明の一態様による無線通信システムは、複数の送信アンテナ素子から構成された送信アレーアンテナと、前記複数の送信アンテナ素子にそれぞれ対向する複数の受信アンテナ素子から構成された受信アレーアンテナとを備えた無線通信システムであって、前記送信アレーアンテナと前記受信アレーアンテナとの間に配置され、前記送信アレーアンテナと前記受信アレーアンテナとの間の送受信間隔の変化に対して、前記送信アレーアンテナの各送信アンテナ素子と前記受信アレーアンテナの各受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルの位相差を、チャネル容量を最大にする略一定の位相差に保つ曲面を含む形状を有する誘電体層を具備することを特徴とする。
また、本発明の一態様による無線通信方法は、複数の送信アンテナ素子から構成された送信アレーアンテナと、前記複数の送信アンテナ素子にそれぞれ対向する複数の受信アンテナ素子から構成された受信アレーアンテナと、前記送信アレーアンテナと前記受信アレーアンテナとの間に配置され、印加される電界の強度に応じて比誘電率が変化する誘電体層と前記誘電体層に前記電界を印加するための一対の電極とを有し、前記電界の強度に応じて、前記誘電体層内を伝搬する電波の位相を回転させる位相回転部とを備えた無線通信システムによる無線通信方法であって、前記送信アレーアンテナの各送信アンテナ素子と前記受信アレーアンテナの各受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルの位相差を推定する位相差推定段階と、前記位相差推定段階で推定された前記位相差に基づいて、前記位相回転部が有する前記一対の電極間の電圧を制御することにより、所望のチャネル容量が得られるように前記チャネルの位相差を調整する位相差調整段階と、を含むことを特徴とする。
また、本発明の一態様による無線通信方法は、前記位相回転部が、液晶で構成される誘電体層を具備することを特徴とする。
また、本発明の一態様による無線通信方法は、複数の送信アンテナ素子から構成された送信アレーアンテナと、前記複数の送信アンテナ素子にそれぞれ対向する複数の受信アンテナ素子から構成された受信アレーアンテナと、前記送信アレーアンテナと前記受信アレーアンテナとの間に配置され、印加される温度に応じて比誘電率が変化する誘電体層と前記誘電体層に前記温度を印加するための発熱部とを有し、前記温度に応じて、前記誘電体層内を伝搬する電波の位相を回転させる位相回転部とを備えた無線通信システムによる無線通信方法であって、前記送信アレーアンテナの各送信アンテナ素子と前記受信アレーアンテナの各受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルの位相差を推定する位相差推定段階と、前記位相差推定段階で推定された前記位相差に基づいて、前記位相回転部が有する前記発熱部の発熱量を制御することにより、所望のチャネル容量が得られるように前記チャネルの位相差を調整する位相差調整段階と、を含むことを特徴とする。
また、本発明の一態様による無線通信方法は、前記誘電体層が、相互に対向する配置関係にある前記送信アレーアンテナの送信アンテナ素子と前記受信アレーアンテナの受信アンテナ素子との間の第1経路と、相互に斜め方向に位置する配置関係にある前記送信アレーアンテナの送信アンテナ素子と前記受信アレーアンテナの受信アンテナ素子との間の第2経路とでは、当該誘電体層の厚さが異なる形状を有することを特徴とする。
また、本発明の一態様による無線通信方法は、前記誘電体層が、相互に対向する配置関係にある前記送信アレーアンテナの送信アンテナ素子と前記受信アレーアンテナの受信アンテナ素子との間の第1経路に沿って空洞が形成されると共に、相互に斜め方向に位置する配置関係にある前記送信アレーアンテナの送信アンテナ素子と前記受信アレーアンテナの受信アンテナ素子との間の第2経路に誘電体材料が位置する構造、または、前記第2経路に沿って空洞が形成されると共に前記第1経路に誘電体材料が位置する構造の何れかの構造を有することを特徴とする。
また、本発明の一態様による無線通信方法は、前記誘電体層が、相互に対向する配置関係にある前記送信アレーアンテナの送信アンテナ素子と前記受信アレーアンテナの受信アンテナ素子との間の第1経路と、相互に斜め方向に位置する配置関係にある前記送信アレーアンテナの送信アンテナ素子と前記受信アレーアンテナの受信アンテナ素子との間の第2経路とでは、比誘電率が異なる種類の誘電体材料から構成されたことを特徴とする。
また、本発明の一態様による無線通信方法は、複数の送信アンテナ素子から構成された送信アレーアンテナと、前記複数の送信アンテナ素子にそれぞれ対向する複数の受信アンテナ素子から構成された受信アレーアンテナと、前記送信アレーアンテナと前記受信アレーアンテナとの間に配置された誘電体層を有し、前記誘電体層を伝搬する電波の位相を回転させる位相回転部とを備えた無線通信システムによる無線通信方法であって、前記位相回転部により、前記送信アレーアンテナの各送信アンテナ素子と前記受信アレーアンテナの各受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルの位相差を制御する段階を含み、前記誘電体層は、前記送信アレーアンテナと前記受信アレーアンテナとの間の送受信間隔の変化に対して、前記送信アレーアンテナの各送信アンテナ素子と前記受信アレーアンテナの各受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルの位相差を、チャネル容量を最大にする略一定の位相差に保つ曲面を含む形状を有することを特徴とする。
本発明によれば、送受信間隔が平面アレーアンテナの設計時に想定した送受信間隔からずれ、各チャネルの位相差が近距離MIMO伝送のチャネル容量が最大となるときの位相差からずれが生じた場合においても、アンテナ素子の間隔を変えることなく、各チャネルの位相差をチャネル容量が最大となるときの所望の位相差に近づけることができる。従って、チャネル容量の低下を抑制し、近距離MIMO伝送の特性の劣化を抑制することが可能になる。
本発明の第1の実施形態における無線通信システムの概略構成の一例を示す構成図である。 本発明の第1の実施形態におけるレドームの構成の一例を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態における各チャネルの誘電体層内における経路の一例を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態の通信手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態におけるレドームの構成の一例を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態の通信手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態におけるレドームの構成の一例を示す説明図である。 本発明の第4の実施形態におけるレドームの構成の一例を示す説明図である。 本発明の第5の実施形態におけるレドームの構成の一例を示す説明図である。 本発明の第6の実施形態におけるレドームの構成の一例を示す説明図である。 本発明の第6の実施形態における無線通信システムの概略構成の一例を示す構成図である。 近距離MIMO伝送におけるアンテナ素子の配置例を示す説明図である。 2×2近距離MIMO伝送のモデル図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳しく説明する。
なお、以下に説明する全実施形態および全図面にわたって同一符号は同一要素を表す。
<第1の実施形態>
[構成の説明]
本発明の第1の実施形態による無線通信システム1の構成を説明する。
図1は、無線通信システム1の構成の一例を概略的に示す構成図である。無線通信システム1は、送信機として機能する通信装置100と、受信機として機能する通信装置700とを具備し、2×2MIMO(2入力2出力のMIMO)伝送において、通信装置100から通信装置700への2系列(データ系列S1およびデータ系列S2)のデータ通信を行うものである。ここで、通信装置100は、データ系列S1,S2を送信するものであり、送信部111,112と、複数の送信アンテナ素子131,132と、レドーム140と、制御装置150とを具備する。
このうち、送信部111は、データ系列S1の送信信号を生成するものであり、送信部112は、データ系列S2の送信信号を生成するものである。送信アンテナ素子131は、データ系列S1の送信信号を無線信号として送信するものであり、送信アンテナ素子132は、データ系列S2の送信信号を無線信号として送信するものである。レドーム140は、送信アンテナ素子131,132を保護するためのカバーとしての機能に加え、送信アンテナ素子131,132から電波として送信された各無線信号のチャネルの位相を回転させる位相回転部としての機能を有し、その詳細については後述する。制御装置150は、レドーム140における無線信号のチャネルの位相差θを調整する位相差調整部として機能するものである。
一方、通信装置700は、データ系列S1,S2を受信するためのものであり、受信部711,712と、ウェイト演算回路720と、複数の受信アンテナ素子731,732と、レドーム740と、制御装置750と、位相差推定部760とを具備する。このうち、レドーム740は、上述のレドーム140と同様に、受信する無線信号のチャネルの位相を回転させる位相回転部として機能するものである。受信アンテナ素子731,732は、無線信号を受信するものである。ウェイト演算回路720は、無線信号を受信して得られる受信信号に受信ウェイトを乗算することにより信号分離を行うものである。受信部711,712は、受信信号に対し復調や復号等の処理を行うものである。制御装置750は、レドーム740におけるチャネルの位相差を制御するものである。位相差推定部760は、受信信号のチャネルの位相差θを推定して、この位相差θの情報を通信装置100にフィードバックするものである。
次に、送信アンテナ素子131,132および受信アンテナ素子731,732の構成を詳細に説明する。
本実施形態では、通信装置100を構成する二つの送信アンテナ素子131,132は間隔dを隔てて同一平面上に配列されている。また、通信装置700を構成する二つの受信アンテナ素子731,732も同じく間隔dを隔てて同一平面上に配列されている。これら送信アンテナ素子131,132が配列された平面と受信アンテナ素子731,732が配列された平面とは相互に平行面をなす。また、送信アンテナ素子131,132が配列された平面と、受信アンテナ素子731,732が配列された平面との間の距離、即ち送受信間隔はDである。
以下では、同一平面上に配置された複数のアンテナ素子を具備するアンテナをアレーアンテナと称する。本実施形態では、送信アンテナ素子131と送信アンテナ素子132は送信アレーアンテナ130を構成し、受信アンテナ素子731と受信アンテナ素子732は受信アレーアンテナ730を構成する。また、受信アンテナ素子731および受信アンテナ素子732は、送信アンテナ素子131および送信アンテナ素子132とそれぞれ対向する位置に配置されている。具体的には、受信アンテナ素子731は、送信アンテナ素子131と対向する位置に配置され、受信アンテナ素子732は、送信アンテナ素子132と対向する位置に配置されている。
上述のように、本実施形態では、通信装置100および通信装置700のそれぞれは、二つのアンテナ素子を備えている。従って、無線通信システム1は、2×2MIMO(2入力2出力のMIMO)伝送において、通信装置1から通信装置2への、2系列(データ系列S1およびデータ系列S2)のデータ通信を行うものとして構成されている。
なお、上述の例に限定されず、送信アンテナ素子の数と、これに対応する受信アンテナ素子の数は任意である。
続いて、図2を参照してレドーム(位相回転部)140,740の構成を説明する。
図2は、第1の実施形態における通信装置100が備えるレドーム140の構成を示す説明図である。本実施形態では、位相回転部としての機能を有するレドーム140は、送信アレーアンテナ130と受信アレーアンテナ730との間に位置するように送信アレーアンテナ130の前方に配置される。レドーム140は、印加される電界の強度に応じて比誘電率が変化する液晶から構成された厚さTの誘電体層1401と、この誘電体層1401に上記電界を印加するために誘電体層1401の両面に配置された一対の電極1402,1403とを有し、上記電界の強度に応じて、誘電体層1401内を伝搬する電波の位相を回転させる。送信アレーアンテナ130から送信された無線信号(電波)は、レドーム140を通過した後に伝搬空間に放射される。レドーム740もレドーム140と同様に構成される。
なお、この例に限定されず、誘電体層1401(7401)および電極1402,1403(7402,7403)は、レドーム本体とは別体に備えられてもよい。
通信装置700が備えるレドーム740も上述のレドーム140と同様に、液晶から構成された厚さTの誘電体層7401と、この誘電体層7401の両面に配置された一対の電極7402,7403とから構成される。このレドーム740は、受信アレーアンテナ730の前方に配置され、通信装置100から通信装置700に到来した無線信号は、レドーム740内を通過した後に受信アレーアンテナ730で受信される。
本実施形態では、送信アレーアンテナ130の各送信アンテナ素子から送信された無線信号が受信アレーアンテナ730の各受信アンテナに伝搬する過程で、この無線信号の伝搬に影響を与えないように、レドーム140(740)の誘電体層1401(7401)に電極1402,1403(7402,7403)を配置する。例えば、図2に示すように誘電体層1401(7401)の外周部に電極1402,1403(7402,7403)を配置する。ただし、この例に限定されず、位相回転部としての機能を阻害することなく、通信に必要とされる無線信号の信号強度が得られることを限度として、電極1402,1403(7402,7403)をどのように誘電体層1401(7401)に配置してもよい。
[動作の説明]
次に、本実施形態による無線通信システム1の動作を説明する。
送信機として機能する通信装置100において、送信部111は、データ系列S1を取得し、符号化や変調等の処理を行って、データ系列S1の送信信号を生成してアンテナ素子131に出力する。同様に、送信部112はデータ系列S2を取得し、符号化や変調等の処理を行って、データ系列S2の送信信号を生成してアンテナ素子132に出力する。ここで、データ系列S1とデータ系列S2とは、互いに独立した系列であってもよいし、相関を有する系列であってもよい。
続いて、送信アンテナ素子131は、送信部111から出力された送信信号を無線信号(電波)として送信する。同様に、送信アンテナ素子132は送信部112から出力された送信信号を無線信号(電波)として送信する。これらの無線信号はレドーム140に入射される。
レドーム140では、位相差推定部760からフィードバックされる後述の位相差情報に基づいて実施される制御装置150の制御の下に誘電体層1401の電極1402と電極1403との間に電圧が印加される。この電圧により電極1402と電極1403との間の誘電体層1401の内部に形成される電界の強度に応じて、誘電体層1401の液晶の比誘電率εが変化する。誘電体層1401の液晶の比誘電率εが変化すると、この誘電体層1401の内部における電波の波長が変化する。ここで、無線通信システム1で使用する電波の周波数をfとし、その自由空間波長をλとすると、誘電体層1401内では電波の波長が1/√ε倍に短縮される。以下では、誘電体層1401内における電波の波長を記号λで表す。即ち、λ=λ/√εなる関係が成り立つ。
誘電体層1401の液晶の比誘電率εに応じて波長λが変化すると、厚さTの誘電体層1401の内部を伝搬する無線信号(電波)の位相回転量が変化する。従って、電極1402と電極1403との間に印加する電圧(電界強度)を制御し、誘電体層1401を構成する液晶の比誘電率εを変化させることにより、送信アレーアンテナ130と受信アレーアンテナ730との間における無線信号の位相回転量を変化させることができ、この無線信号のチャネルの位相差θを調整することができる。
図3は、本実施形態における各チャネルの誘電体層内における経路の一例を示し、チャネルの位相差の調整を説明するための説明図である。
図3に示すように、送信アンテナ素子131から受信アンテナ素子732への経路P21は、アンテナ素子131からアンテナ素子731への経路P11に対して角度θをなし、誘電体層1401の内部の伝搬距離はT/cosθ(ここで、0度<θ<90度)である。従って、アンテナ素子131からアンテナ素子731への経路P11における誘電体層1401の内部(距離T)を伝搬する間の無線信号の位相回転量と、アンテナ素子131からアンテナ素子732への経路P21における誘電体層1401の内部(距離T/cosθ)を伝搬する間の無線信号の位相回転量との差は、T(1/cosθ−1)/λ×360度である。
上述の誘電体層1401の内部における無線信号の波長λは、誘電体層1401の液晶の比誘電率εに応じて変化するため、この比誘電率εを変化させることにより、各経路を通って受信側に到来する無線信号の位相差θを制御することができる。即ち、送受信間隔Dが平面アレーアンテナの設計段階で想定された送受信間隔からずれ、チャネルの位相差θが、近距離MIMO伝送のチャネル容量が最大となる位相差θ=90度からずれた場合においても、アンテナ素子の間隔dを変えることなく、チャネルの位相差θを90度に近づけることが可能になる。
一方、通信装置700のレドーム740では、上述の通信装置100のレドーム140と同様に、位相差推定部760からフィードバックされる後述の位相差情報に基づいて実施される制御装置750の制御の下に、電極7402と電極7403との間に印加する電圧(電界強度)を制御する。これにより、レドーム740を構成する誘電体層7401の液晶の比誘電率εを変化させ、受信アンテナアレー730に到来する無線信号のチャネルの位相差θを90度に近づける。
次に、上述のチャネルの位相差θの調整に用いられる位相差情報のフィードバックについて説明する。
ここで、前述の図13に示した送信アンテナ素子TXA1,TXA2と受信アンテナ素子RXA1,RXA2との間のチャネルの行列要素hijを援用し、送信アンテナ素子131から受信アンテナ素子731へのチャネルの行列要素をh11、送信アンテナ素子131から受信アンテナ素子732へのチャネルの行列要素をh21、送信アンテナ素子132から受信アンテナ素子731へのチャネルの行列要素をh12、送信アンテナ素子132から受信アンテナ素子732へのチャネルの行列要素をh22と表す。
通信装置700の位相差推定部760は、送信アレーアンテナ130の各送信アンテナ素子と受信アレーアンテナ730の各受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルの位相差θを推定する。本実施形態では、位相差推定部760は、θ=tan−1(h21/h11)=tan−1(h12/h22)なる関係式から位相差θを推定する。そして、位相差推定部760は、上記の推定した位相差θの情報を位相差情報として制御装置150および制御装置750にフィードバックする。
通信装置100の制御装置150は、位相差推定部760により推定されたチャネルの位相差情報に基づいて、レドーム140が有する電極1402と電極1403との間に印加する電圧を制御する。同様に、制御装置750も位相差情報に基づいてレドーム740が有する電極7402と電極7403との間に印加する電圧を制御する。これにより、制御装置150および制御装置750は、それぞれ、誘電体層1401および誘電体層7401内の各電界強度を制御し、所望のチャネル容量が得られるようにチャネルの位相差θをフィードバック制御する。
本実施形態では、通信装置100は、データ系列S1およびデータ系列S2を送信する前に、チャネルの位相差θを推定するためのトレーニング信号を送信する。そして、通信装置700の位相差推定部760は、通信装置100から送信されたトレーニング信号を用いて推定した位相差θの情報を上述の位相差情報として通信装置100の制御装置150と通信装置700の制御装置750にフィードバックする。制御装置150および制御装置750は、位相差推定部760からフィードバックされた位相差θの情報を基に、この位相差θが90度に近づくように、レドーム140の電極1402と電極1403との間の電圧(電界強度)と、レドーム740の電極7402と電極7403との間の電圧(電界強度)の制御を行う。
なお、通信装置700の位相差推定部760で推定した位相差情報を通信装置100の制御装置150にフィードバックする手段および手法は、TDD(時分割複信)やFDD(周波数分割複信)等、任意の手段および手法を用いることができ、特定の手段に限定されるものではない。
続いて、通信装置700は、次に説明するように、通信装置100から受信された無線信号から各系列のデータを抽出する。
受信アンテナ素子731と、受信アンテナ素子732とは、いずれも、送信アンテナ素子131から送信された無線信号と、送信アンテナ素子132から送信された無線信号とを、両無線信号が合成された無線信号として受信し、ウェイト演算回路720に出力する。即ち、受信アンテナ素子731は、送信アンテナ素子131から送信された無線信号と、送信アンテナ素子132から送信された無線信号とが合成された無線信号を受信する。また、受信アンテナ素子732も、送信アンテナ素子131から送信された無線信号と、送信アンテナ素子132から送信された無線信号とが合成された無線信号を受信する。
ウェイト演算回路720は、受信アンテナ素子731が受信した信号と受信アンテナ素子732が受信した信号に対して受信ウェイトを乗算することにより信号分離を行う。そして、ウェイト演算回路720は、上記の信号分離により、送信アンテナ素子131が送信した系列S1の信号に対応する系列S1’の信号を取得し、この系列S1’の信号を受信部711に出力する。また、ウェイト演算回路720は、上記の信号分離により、送信アンテナ素子132が送信したデータ系列S2の信号に対応する系列S2’の信号を取得し、この系列S2’の信号を受信部712に出力する。
受信部711は、ウェイト演算回路720から出力された系列S1’の信号に対して復調や復号等の処理を行って、データ系列S1’を生成する。受信部712は、ウェイト演算回路720から出力される系列S2’の信号に対して復調や復号等の処理を行って、データ系列S2’を生成する。
以上により、送信側の通信装置100から送信されたデータ系列S1,S2が、受信側の通信装置700において、データ系列S1’,S2’として復元される。
次に、図4のフローチャートを参照して、上述の動作手順を総括的に説明する。
まず、ステップS101において、通信装置100はデータ系列S1およびデータ系列S2の無線信号を送信する前に、トレーニング信号を送信する。続いて、ステップS102において、通信装置700は通信装置100から送信されたトレーニング信号を受信し、位相差推定部760で、各チャネルの位相差θを推定した後、この位相差θの情報を位相差情報として制御装置150,750にフィードバックする。
続いて、ステップS103において、制御装置150,750は、フィードバックされた位相差情報を基に、レドーム140の電極1402と電極1403との間に印加する電圧(電界強度)と、レドーム740の電極7402と電極7403との間に印加する電圧(電界強度)とを制御し、各アンテナ素子間のチャネルの位相差θを90度に近づけるように制御する。続いて、ステップS104において、上述の位相差θの調節の後、通信装置100はデータ系列S1およびデータ系列S2の無線信号の送信を開始する。
なお、図1の構成では、送信側の通信装置100および受信側の通信装置700がそれぞれレドーム140およびレドーム740を具備し、送信側と受信側が共にレドームを構成する誘電体層の比誘電率を制御するが、通信装置100または通信装置700の何れか一方のみがレドームを具備し、その誘電体層の比誘電率を制御する構成としてもよい。
また、本実施形態では、チャネルの位相差θを推定するためにトレーニング信号を用いて各チャネルの位相差θを推定する場合を説明したが、トレーニング信号を用いずに各チャネルの位相差θを推定する、いわゆるブラインド推定を用いてもよい。
更に、本実施形態では、チャネルの位相差θを90度に近づけるものとしたが、これに限定されることなく、チャネルの位相差θを任意の所望の値に近づけるものとしてもよい。後述する他の実施形態でも同様である。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。
なお、説明の簡略化のため、第1の実施形態と装置構成と共通する要素については、図1に示す符号を援用して説明する。
上述の第1の実施形態では、誘電体層1401および誘電体層7401を構成する液晶の比誘電率を印加電界強度により制御するものとしたが、この誘電体層の比誘電率は誘電体層の温度を変化させることによっても制御することができる。そこで、第2の実施形態では、レドームを構成する誘電体層の比誘電率を温度により制御する。そのために、本実施形態による無線通信システムは、上述の図1に示す第1の実施形態による無線通信システム1の構成において、レドーム140,740のそれぞれを、図5に示すレドーム240に置き替えた装置構成を有する。また、本実施形態では、制御部150,750は、発熱部2402の発熱量を制御する点で第1の実施形態と相違する。
具体的には、本実施形態による無線通信システムは、上述の図1に示す第1の実施形態の構成において、レドーム140,740のそれぞれに代えて、レドーム240を備える。このレドーム240は、送信アレーアンテナ130と受信アレーアンテナ730との間に配置され、印加される温度に応じて比誘電率が変化する誘電体層2401と、この誘電体層2401に温度を印加するための発熱部2402とを有し、発熱部2402の発熱温度に応じて、誘電体層2401の内部を伝搬する電波の位相を回転させる位相回転部として機能する。また、本実施形態において、制御装置150,750は、位相差推定部760により推定された位相差に基づいて、レドーム240が有する発熱部2402の発熱量を制御することにより、所望のチャネル容量が得られるようにチャネルの位相差を調整する位相差調整部として機能する。その他の装置構成は第1の実施形態と同一である。
図5は、第2の実施形態による無線通信システムを構成する各通信装置が備えるレドーム240の構成を示す説明図である。
送信側および受信側の各通信装置が備えるレドーム240は、誘電体層2401と、発熱温度が可変の発熱部(温度可変部)2402とから構成される。本実施形態では、発熱部2402は誘電体層2401の一面側に取り付けられている。ただし、この例に限定されず、誘電体層2401の両面に発熱部2402を取り付けてもよい。
なお、説明の簡略化のため、送信側の通信装置が備えるレドームと、受信側の通信装置が備えるレドームを符号240により表現するが、これら送信側および受信側の各通信装置が備えるレドームは別個の要素である。
送信側の通信装置が備えるレドーム240は、図1の送信アレーアンテナ130の前方に配置される。送信アレーアンテナ130から送信された無線信号は、レドーム240の内部を通過した後に伝搬空間に放射される。同様に、受信側の通信装置が備えるレドーム240は、図1の受信アレーアンテナ730の前方に配置される。受信側の通信装置に到来した無線信号は、この受信側の通信装置のレドーム240の内部を通過した後に図1に示す受信アレーアンテナ730で受信される。
送信側のレドーム240では、制御装置150により設定される温度に応じて、誘電体層1の比誘電率εが変化する。第1の実施形態において述べたように、誘電体層2401の内部を伝搬する無線信号(電波)の位相回転量は比誘電率εに応じて変化する。従って、発熱部2402の発熱量を制御することにより、誘電体層2401の温度を制御し、誘電体層2401の比誘電率εを変化させる。これにより、各経路を通って受信側の通信装置に到来する無線信号のチャネルの位相差θを制御することができ、アンテナ素子の間隔dを変えることなく各チャネルの位相差θを90度に近づけることが可能になる。
一方、受信側の通信装置が備えるレドーム240では、送信側の通信装置が備えるレドーム240と同様、発熱部2402の発熱量を制御することにより、誘電体層2401の温度を制御し、誘電体層2401の比誘電率εを変化させる。これにより、各チャネルの位相差θを90度に近づける。
送信側の制御装置および受信側の制御装置は、それぞれ、各チャネルの位相差θ=tan−1(h21/h11)=tan−1(h12/h22)の情報を基に、送信側のレドーム240の誘電体層2401および受信側のレドーム240の誘電体層2401の温度の制御を行う。より具体的には、送信側の通信装置は、データ系列S1およびデータ系列S2を送信する前に、チャネルの位相差θを推定するためのトレーニング信号を送信する。受信側の通信装置の位相差推定部760は、送信側の通信装置から送信されたトレーニング信号を用いてチャネルの位相差θを推定し、この推定した位相差θの情報を推定位相差情報として送信側の通信装置の制御装置150および受信側の通信装置の制御装置750にフィードバックする。送信側の制御装置150および受信側の制御装置750は、位相差推定部760からフィードバックされた位相差θの情報を基に、この位相差θが90度に近づくように、発熱部2402の発熱量を制御し、誘電体層2401の温度の制御を行う。
次に、図6のフローチャートを参照して、本実施形態の無線通信システムの動作手順を総括的に説明する。基本的には、送信側および受信側の各通信装置が備えるレドームを構成する誘電体層の比誘電率を温度により制御する点を除けば、上述の第1実施形態と同様である。
まず、ステップS201において、送信側の通信装置は、データ系列S1およびデータ系列S2の無線信号を送信する前に、トレーニング信号を送信する。続いて、ステップS202において、受信側の通信装置は、送信側の通信装置から送信されたトレーニング信号を受信し、位相差推定部760において、各チャネルの位相差θを推定した後、位相差θの情報を位相差情報として送信側の制御装置150と受信側の制御部750にフィードバックする。
続いて、ステップS203において、制御装置150,750は、フィードバックされた位相差情報を基に、受信側および送信側の通信装置が有する各レドーム240の発熱部2402の発熱量を制御し、各アンテナ素子間のチャネルの位相差θを90度に近づける。続いて、ステップS204において、上述の位相差θの調整の後、送信側の通信装置は、データ系列S1およびデータ系列S2の無線信号の送信を開始する。
なお、第1の実施形態と同様、送信側の通信装置または受信側の通信装置の何れか一方のみがレドーム240を具備し、その誘電体層の比誘電率を制御する構成としてもよい。
また、第1の実施形態と同様、チャネルの位相差θを推定するアルゴリズムは、トレーニング信号を用いないブラインド推定であってもよい。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。
上述の第1の実施形態および第2の実施形態では、レドーム140,740,240の形状を平板状とし、この平板状のレドームの誘電体層の比誘電率を制御するものとしたが、第3の実施形態では、レドームを構成する誘電体層の形状を平板状以外の形状に加工することにより、チャネルの位相差θを調整する。本実施形態では、アンテナ素子の正面方向に比べて斜め方向に、より厚さのある形状を有する誘電体層で構成されるレドームを使用する。このレドームを構成する誘電体層の形状に関する構成を除けば、本実施形態による無線通信システムの構成は、上述の第1または第2の実施形態と同様である。
図7は、第3の実施形態による無線通信システムが備えるレドーム340の構成を示す説明図である。図7に示すように、レドーム340を構成する誘電体層3401の厚さに関して、送信アンテナ素子131,132の正面方向に位置する部分3402,3403の厚さをTaとし、正面方向以外の部分における誘電体層3401の厚さをTとしたときに、T>Taの関係が成り立つ。即ち、誘電体層3401は、アンテナ素子の正面方向における厚さTaが他の部分の厚さTよりも小さく設定された形状を有している。
このような構成において、送信アンテナ素子の斜め方向に向かう経路、すなわち送信アンテナ素子131から受信アンテナ素子732への経路P21または送信アンテナ素子132から受信アンテナ素子731への経路12における誘電体層3401の内部の伝搬距離は、T/cosθである。ここで、θは、経路P11と経路P21との間の角度また、あ経路P22と経路P12との間の角度であり、0度<θ<90度の範囲の値をとる。また、アンテナ素子の正面方向の経路、すなわち送信アンテナ素子131から受信アンテナ素子731への経路P11または送信アンテナ素子132から受信アンテナ素子732への経路P22における誘電体層3401の内部の伝搬距離はTaである。
従って、送信アンテナ素子の正面方向の経路における誘電体層3401の内部を伝搬する無線信号の位相回転量と、送信アンテナ素子の斜め方向の経路における誘電体層3401の内部を伝搬する無線信号の位相回転量との差は、(T/cosθ−Ta)/λ×360度である。ここで、T>Taであるため、上述の第1の実施形態および第2の実施形態におけるレドーム140,240,740による位相回転量の差T(1/cosθ−1)/λ×360度より大きな値となり、誘電体層3401の比誘電率εの変化による各経路の位相差θの変化も大きくなる。従って、本実施形態によれば、第1の実施形態および第2の実施形態における平板状のレドームを用いる場合よりも、位相差θをより90度に近づけることができる。
このように、本実施形態による誘電体層3401は、相互に対向する配置関係にある送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間の第1経路(例えば経路P11)と、相互に斜め方向に位置する配置関係にある送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間の第2経路(例えば経路P21)とでは、誘電体層3401の厚さが異なる形状を有している。
なお、本実施形態では、図7に示すように、送信アンテナ素子の正面方向に比べて斜め方向に、より厚さのある形状の誘電体層3401から構成されるレドーム340を使用する場合について説明してきたが、この例に限定されることなく、チャネル容量の低下が抑制されるようにチャネルの位相差を調整することができることを限度として、送信アンテナ素子の斜め方向に比べて正面方向において厚さが大きい形状であってもよい。また、送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間の位置関係に応じて、2種類の厚さ(TおよびTa)を有する形状の誘電体層3401から構成されたレドーム340について説明してきたが、アンテナ素子の正面方向の厚さと斜め方向の厚さに差異がある形状であれば、その厚さの種類の数は任意である。
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態を説明する。
上述の第1から第3の実施形態では、送信アンテナ素子の正面方向にも誘電体層が存在し、対向する受信アンテナ素子に無線信号が到来する過程で誘電体層の内部を無線信号が伝搬する構成であるが、第4の実施形態では、送信アンテナ素子(即ち、受信アンテナ素子)の正面方向のみにおいて誘電体材料が存在しない形状を有する誘電体層から構成されたレドームを使用する場合について説明する。その他の構成については、上述の第1から第3の実施形態と同様である。
図8は、第4の実施形態におけるレドーム440の構成を示す説明図である。
図8(a)に示すように、送信アンテナ素子131,132の正面方向、すなわちアンテナ素子131から受信アンテナ素子731への経路P11と、送信アンテナ素子132から受信アンテナ素子732への経路P22において、レドーム440を構成する誘電体層4401には空洞4402,4403が形成されている。この空洞4402,4403は、図8(b)に示すように、誘電体層4401の一面から他面に貫通する貫通孔として形成されている。送信アンテナ素子131と送信アンテナ素子132から送信された無線信号は、それぞれ、誘電体層4401を形成する誘電体材料の内部を伝搬することなく、空洞内の空間を伝搬して受信アンテナ素子731および受信アンテナ素子732に到来する。
一方、上述の第1から第3の実施形態と同様に、送信アンテナ素子の斜め方向、すなわち送信アンテナ素子131から受信アンテナ素子732への経路P21、または送信アンテナ素子132から受信アンテナ素子731への経路P22における誘電体層4401の内部の無線信号の伝搬距離はT/cosθ(ここで、0度<θ<90度)である。
従って、アンテナ素子の斜め方向でのみ、誘電体層4401の比誘電率εの変化によって無線信号の位相回転量が変化するため、第1から第3の実施形態におけるレドームを使用する場合よりも、各経路のチャネルの位相差θの変化も大きくなり、このチャネルの位相差θをいっそう90度に近づけることができる。
このように、本実施形態による誘電体層4401は、相互に対向する配置関係にある送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間の第1経路(例えば、経路P11)に沿って空洞(例えば、空洞4402)が形成されると共に、相互に斜め方向に位置する配置関係にある送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間の第2経路(例えば、経路P21)に誘電体材料が位置する構造を有する。
なお、本実施形態では、図8に示すように、送信アンテナ素子131,132の正面方向にのみ空洞が形成された形状を有する誘電体層4401を備えたレドーム440を使用する場合について説明してきたが、チャネル容量の低下が抑制されるようにチャネルの位相差を調整することができることを限度として、アンテナ素子の斜め方向にのみ空洞が形成された形状を有する誘電体層であってもよい。即ち、本実施形態による誘電体層4401は、相互に斜め方向に位置する配置関係にある送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間の第2経路(例えば、経路P21)に沿って空洞(図示なし)が形成されると共に、相互に対向する配置関係にある送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間の第1経路(例えば、経路P11)に誘電体材料が位置する構造を有してもよい。
<第5の実施形態>
次に、本発明の第5の実施形態を説明する。
前述の第3の実施形態では、送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との位置関係に応じて厚さが異なる形状を有する誘電体層3401を備えたレドーム340を使用する場合を説明し、第4の実施形態では、送信アンテナ素子の正面方向もしくは斜め方向の何れかのみに誘電体材料が存在しない空洞が形成された形状を有する誘電体層4401を備えたレドーム440を使用する場合を説明したが、第5の実施形態では、送信アンテナ素子の正面方向と斜め方向とで異なる種類の誘電体材料により構成される誘電体層を備えたレドームを使用する場合について説明する。その他の構成については、上述の第3または第4の実施形態と同様である。
図9は、第5の実施形態におけるレドーム540の構成を示す説明図である。
図9に示すように、レドーム540は、送信アンテナ素子の正面方向、すなわち送信アンテナ素子131から受信アンテナ素子731への経路P21において誘電体材料5402(比誘電率εr1)からなる誘電体層と、送信アンテナ素子132から受信アンテナ素子732への経路P22において誘電体材料5403(比誘電率εr1)からなる誘電体層とを備える。加えて、レドーム540は、アンテナ素子の斜め方向、すなわち送信アンテナ素子131から受信アンテナ素子732への経路P21および送信アンテナ素子132から受信アンテナ素子732への経路P12において誘電体材料5401(比誘電率εr2)からなる誘電体層を備える。
ここで、誘電体材料5402および誘電体材料5403は同一種類の誘電体材料であり、これら誘電体材料5402,5403は、誘電体材料5401とは種類の異なる誘電体材料(即ち、比誘電率が異なる材料)である。本実施形態では、送信アンテナ素子の正面方向と斜め方向とで異なる2種類の誘電体材料を使用し、これらの誘電体材料の比誘電率を変化させることで、各アンテナ素子間のチャネルの位相差θを90度に近づけるように調整する。
このように、本実施形態によるレドーム540が備える誘電体層は、相互に対向する配置関係にある送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間の第1経路(例えば、経路P21)と、相互に斜め方向に位置する配置関係にある送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間の第2経路(例えば、経路P21)とでは比誘電率が異なる種類の誘電体材料から構成される。本実施形態によれば、各誘電体材料の比誘電率を選択すれば、上述の第3または第4の実施形態に比較して、よりいっそうチャネルの位相差θを90度に近づけるように調整することが可能になる。
<第6の実施形態>
次に、本発明の第6の実施形態を説明する。
上述の第1から第5の実施形態では、レドームを構成する誘電体層の比誘電率εを変化させることで、各アンテナ素子間のチャネルの位相差θを調整するものであったが、第6の実施形態では、送受信間隔Dが平面アレーアンテナの設計段階で想定した送受信間隔からずれた場合においても、誘電体層の比誘電率εを変えることなく、誘電体層の形状によりチャネルの位相差θを90度からずれることを防ぐ。
図10は、第6の実施形態におけるレドーム640の構成を示す説明図である。レドーム640を構成する誘電体層6401,6402は、送受信間隔Dと、素子間隔dと、電波の誘電体層の内部における波長λと、アンテナ素子からの角度θとの関係から決定される曲面を含む形状を有する。
以下、誘電体層6401,6402が有する曲面の構成について説明する。
或るアンテナ素子の間隔dを有するアレーアンテナを使用する場合に、送受信間隔Dが変化すると、各アンテナ素子間のチャネルの位相差θがチャネル容量が最大となる最適な90度からずれると共に、斜め方向に位置する送受アンテナ素子間の経路も変化する。すなわち、送信アンテナ素子から受信アンテナ素子を観たときの方向の角度が変化し、このため、誘電体層の内部の無線信号の伝搬経路が変化する。
そこで、本実施形態では、レドーム640を構成する誘電体層6401,6402は、それぞれ、送受信間隔Dが変化しても、各チャネルの位相差θが90度で一定となるよう、送信アンテナ素子から受信アンテナ素子を観た方向の角度θに応じて誘電体層内部の無線信号の伝搬距離が異なる曲面の形状を有している。これにより、送受信間隔Dが変化した場合においても、各チャネルの位相差θが90度となる経路を通って無線信号が受信アンテナ素子に到来するため、第1から第5の実施形態とは異なり、誘電体層の比誘電率εを変えることなく、送受信間隔Dのずれに対応することができる。
図10に示す例では、送受信間隔Dが変化すると、例えば送信アンテナ素子131から受信アンテナ素子732を観た方向の角度θが変化する。この角度θの変化に応じて、例えば送信アンテナ素子131から斜め方向の受信アンテナ素子732へ向かう経路P21上の誘電体層6401の内部の無線信号の伝搬経路長Txが、その曲面の形状により、各チャネルの位相差θが90度となるように変化する。従って、送受信間隔Dが変化しても、チャネルの位相差θが90度に維持され、チャネル容量の低下が防止される。
図11は、本実施形態における無線通信システムの概略構成を示す構成図である。本実施形態における無線通信システムは、前述の図1に示す第1の実施形態の構成において、レドーム140,740に代えて、送信機として機能する通信装置100が、図10に示すレドーム640を備える。また、受信機として機能する通信装置700はレドーム764を備えるが、このレドーム764は、基本的には、レドーム640と同様に、チャネルの位相差θが90度に維持されるような曲面を有する誘電体層から構成されている。
このように、本実施形態による無線通信システムは、送信アレーアンテナと受信アレーアンテナとの間に配置された誘電体層からなるレドーム640,764を備え、この誘電体層は、送信アレーアンテナと受信アレーアンテナとの間の送受信間隔Dの変化に対して、送信アレーアンテナの各送信アンテナ素子と受信アレーアンテナの各受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルの位相差θを、チャネル容量を最大にする略一定の位相差(例えば、90度)に保つように形成された曲面を含む形状を有する。
本実施形態によれば、レドーム640,764の比誘電率εを制御する必要がないので、図1に示されるような制御装置150,750や位相差推定部760を備える必要がなく、無線通信システムの構成を簡略化することができる。その他については、第1の実施形態と同様である。
上述の本発明の第1から第6の実施形態では、本発明を無線通信システムとして説明したが、本発明は無線通信方法として表現することもできる。この場合、本発明は、上述の第1から第5の実施形態の無線通信システムに対応する無線通信方法として、例えば、複数の送信アンテナ素子から構成された送信アレーアンテナと、前記複数の送信アンテナ素子にそれぞれ対向する複数の受信アンテナ素子から構成された受信アレーアンテナと、前記送信アレーアンテナと前記受信アレーアンテナとの間に配置され、印加される電界の強度または温度に応じて比誘電率が変化する誘電体層と前記誘電体層に前記電界を印加するための一対の電極または前記誘電体層に前記温度を印加するための発熱部とを有し、前記電界の強度または前記温度に応じて、前記誘電体層内を伝搬する電波の位相を回転させる位相回転部とを備えた無線通信システムによる無線通信方法であって、前記送信アレーアンテナの各送信アンテナ素子と前記受信アレーアンテナの各受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルの位相差を推定する位相差推定段階と、前記位相差推定段階で推定された前記位相差に基づいて、前記位相回転部が有する前記一対の電極間の電圧または前記発熱部の発熱量を制御することにより、所望のチャネル容量が得られるように前記チャネルの位相差を調整する位相差調整段階と、を含むことを特徴とする無線通信方法として表現することができる。
また、本発明は、上述の第6の実施形態の無線通信システムに対応する無線通信方法として、例えば、複数の送信アンテナ素子から構成された送信アレーアンテナと、前記複数の送信アンテナ素子にそれぞれ対向する複数の受信アンテナ素子から構成された受信アレーアンテナと、前記送信アレーアンテナと前記受信アレーアンテナとの間に配置された誘電体層を有し、前記誘電体層を伝搬する電波の位相を回転させる位相回転部とを備えた無線通信システムによる無線通信方法であって、前記位相回転部により、前記送信アレーアンテナの各送信アンテナ素子と前記受信アレーアンテナの各受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルの位相差を制御する段階を含み、前記誘電体層は、前記送信アレーアンテナと前記受信アレーアンテナとの間の送受信間隔の変化に対して、前記送信アレーアンテナの各送信アンテナ素子と前記受信アレーアンテナの各受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルの位相差を、チャネル容量を最大にする略一定の位相差に保つ曲面を含む形状を有することを特徴とする無線通信方法として表現することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意の変形や修正が可能である。
例えば、上述の実施形態では、誘電体層として液晶を用いる場合を説明したが、この例に限定されることなく、比誘電率を変化させて制御することができるものであれば、どのような誘電体材料を使用してもよい。
また、上述の実施形態では、通信装置100を送信機とし、通信装置700を受信機として説明したが、通信装置100,700のそれぞれを送信機能と受信機能の双方を有する送受信機として構成してもよい。
1…無線通信システム、100,700…通信装置、111,112…送信部、130…送信アレーアンテナ、131,132…送信アンテナ素子、140,240,340,440,540,640,740,764…レドーム、150,750…制御装置、711,712…受信部、720…ウェイト演算回路、730…受信アレーアンテナ、731,732…受信アンテナ素子、760…位相差推定部。

Claims (8)

  1. 複数の送信アンテナ素子から構成された送信アレーアンテナと、前記複数の送信アンテナ素子にそれぞれ対向する複数の受信アンテナ素子から構成された受信アレーアンテナとを備えた無線通信システムであって、
    前記送信アレーアンテナと前記受信アレーアンテナとの間に配置され、印加される電界の強度に応じて比誘電率が変化する誘電体層と前記誘電体層に前記電界を印加するための一対の電極とを有し、前記電界の強度に応じて、前記誘電体層内を伝搬する電波の位相を回転させる位相回転部と、
    前記送信アレーアンテナの各送信アンテナ素子と前記受信アレーアンテナの各受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルの位相差を推定する位相差推定部と、
    前記位相差推定部により推定された前記位相差に基づいて、前記位相回転部が有する前記一対の電極間の電圧を制御することにより、所望のチャネル容量が得られるように前記チャネルの位相差を調整する位相差調整部と、
    を具備することを特徴とする無線通信システム。
  2. 複数の送信アンテナ素子から構成された送信アレーアンテナと、前記複数の送信アンテナ素子にそれぞれ対向する複数の受信アンテナ素子から構成された受信アレーアンテナとを備えた無線通信システムであって、
    前記送信アレーアンテナと前記受信アレーアンテナとの間に配置され、印加される温度に応じて比誘電率が変化する誘電体層と前記誘電体層に前記温度を印加するための発熱部とを有し、前記温度に応じて、前記誘電体層内を伝搬する電波の位相を回転させる位相回転部と、
    前記送信アレーアンテナの各送信アンテナ素子と前記受信アレーアンテナの各受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルの位相差を推定する位相差推定部と、
    前記位相差推定部により推定された前記位相差に基づいて、前記位相回転部が有する前記発熱部の発熱量を制御することにより、所望のチャネル容量が得られるように前記チャネルの位相差を調整する位相差調整部と
    を具備することを特徴とする無線通信システム。
  3. 前記誘電体層は、
    相互に対向する配置関係にある前記送信アレーアンテナの送信アンテナ素子と前記受信アレーアンテナの受信アンテナ素子との間の第1経路と、相互に斜め方向に位置する配置関係にある前記送信アレーアンテナの送信アンテナ素子と前記受信アレーアンテナの受信アンテナ素子との間の第2経路とでは、当該誘電体層の厚さが異なる形状を有することを特徴とする請求項1または請求項2の何れか1項に記載の無線通信システム。
  4. 前記誘電体層は、
    相互に対向する配置関係にある前記送信アレーアンテナの送信アンテナ素子と前記受信アレーアンテナの受信アンテナ素子との間の第1経路に沿って空洞が形成されると共に、相互に斜め方向に位置する配置関係にある前記送信アレーアンテナの送信アンテナ素子と前記受信アレーアンテナの受信アンテナ素子との間の第2経路に誘電体材料が位置する構造、または、前記第2経路に沿って空洞が形成されると共に前記第1経路に誘電体材料が位置する構造の何れかの構造を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の無線通信システム。
  5. 前記誘電体層は、
    相互に対向する配置関係にある前記送信アレーアンテナの送信アンテナ素子と前記受信アレーアンテナの受信アンテナ素子との間の第1経路と、相互に斜め方向に位置する配置関係にある前記送信アレーアンテナの送信アンテナ素子と前記受信アレーアンテナの受信アンテナ素子との間の第2経路とでは、比誘電率が異なる種類の誘電体材料から構成されたことを特徴とする請求項1または請求項2の何れか1項に記載の無線通信システム。
  6. 複数の送信アンテナ素子から構成された送信アレーアンテナと、前記複数の送信アンテナ素子にそれぞれ対向する複数の受信アンテナ素子から構成された受信アレーアンテナとを備えた無線通信システムであって、
    前記送信アレーアンテナと前記受信アレーアンテナとの間に配置され、前記送信アレーアンテナと前記受信アレーアンテナとの間の送受信間隔の変化に対して、前記送信アレーアンテナの各送信アンテナ素子と前記受信アレーアンテナの各受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルの位相差を、チャネル容量を最大にする略一定の位相差に保つ曲面を含む形状を有する誘電体層を具備することを特徴とする無線通信システム。
  7. 複数の送信アンテナ素子から構成された送信アレーアンテナと、
    前記複数の送信アンテナ素子にそれぞれ対向する複数の受信アンテナ素子から構成された受信アレーアンテナと、
    前記送信アレーアンテナと前記受信アレーアンテナとの間に配置され、印加される電界の強度または温度に応じて比誘電率が変化する誘電体層と前記誘電体層に前記電界を印加するための一対の電極または前記誘電体層に前記温度を印加するための発熱部とを有し、前記電界の強度または前記温度に応じて、前記誘電体層内を伝搬する電波の位相を回転させる位相回転部と
    を備えた無線通信システムによる無線通信方法であって、
    前記送信アレーアンテナの各送信アンテナ素子と前記受信アレーアンテナの各受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルの位相差を推定する位相差推定段階と、
    前記位相差推定段階で推定された前記位相差に基づいて、前記位相回転部が有する前記一対の電極間の電圧または前記発熱部の発熱量を制御することにより、所望のチャネル容量が得られるように前記チャネルの位相差を調整する位相差調整段階と、
    を含むことを特徴とする無線通信方法。
  8. 複数の送信アンテナ素子から構成された送信アレーアンテナと、前記複数の送信アンテナ素子にそれぞれ対向する複数の受信アンテナ素子から構成された受信アレーアンテナと、前記送信アレーアンテナと前記受信アレーアンテナとの間に配置された誘電体層を有し、前記誘電体層を伝搬する電波の位相を回転させる位相回転部とを備えた無線通信システムによる無線通信方法であって、
    前記位相回転部により、前記送信アレーアンテナの各送信アンテナ素子と前記受信アレーアンテナの各受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルの位相差を制御する段階を含み、
    前記誘電体層は、前記送信アレーアンテナと前記受信アレーアンテナとの間の送受信間隔の変化に対して、前記送信アレーアンテナの各送信アンテナ素子と前記受信アレーアンテナの各受信アンテナ素子との間に形成されるチャネルの位相差を、チャネル容量を最大にする略一定の位相差に保つ曲面を含む形状を有することを特徴とする無線通信方法。
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