JP2014027256A - 導電性アルミニウム分散ペースト、太陽電池の製造方法および太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷・塗布性に優れ、形成される裏面電極の表面抵抗値が低いうえ、焼成時におけるシリコン半導体基板の反りの発生を十分に抑制できる導電性アルミニウム分散ペーストを提供する。
【解決手段】表面側に反射防止層が形成されたpn接合を有するシリコン半導体の裏面に電極を形成するために用いられる導電性アルミニウム分散ペーストであって、アルミニウム粉末、ガラス粉末、分散剤および有機溶剤を含有し、前記分散剤が、塩基性基と酸性基とを含むブロック共重合体であって、前記ブロック共重合体のアミン価が2〜100mgKOH/gであり且つ酸価が10〜35mgKOH/gであることを特徴とする導電性アルミニウム分散ペーストである。
【選択図】図1

Description

本発明は、導電性アルミニウム分散ペースト、太陽電池の製造方法および太陽電池に関する。
近年、安全および環境保護の観点から、太陽電池が注目されている。太陽電池は、pn接合を有するシリコン(Si)半導体を含んで構成される。通常、受光面側であるシリコン半導体の表面側には、n層(n型不純物層)が形成され、このn層上に反射防止膜および表面電極が設けられる。一方、シリコン半導体の裏面側には裏面電極が設けられ、その焼成過程においてp層(BSF(Back Surface Field)層)が形成される。
通常、裏面電極としては、導電性アルミニウム分散ペーストから形成されるアルミニウム電極が用いられる。一般的な導電性アルミニウム分散ペーストは、アルミニウム粉末、ガラス粉末および有機バインダーを含んで構成される。この導電性アルミニウム分散ペーストを、シリコン半導体の裏面に印刷・塗布した後、乾燥して焼成することで、裏面電極が形成される。
ところで、裏面電極形成用の導電性アルミニウム分散ペーストとしては、印刷・塗布性が優れていることに加えて、形成される裏面電極の表面抵抗値が低いことが求められる。また、太陽電池の材料費削減の観点から、シリコン半導体の利用率を高めてその厚みを低減するに伴って、焼成時における導電性アルミニウム分散ペースト膜の収縮に起因するシリコン半導体基板の反りの発生を抑制することが求められる。
上記の要求を満たすべく、種々の導電性アルミニウム分散ペーストが提案されている。例えば、金属アルコキシドをさらに含むもの(特許文献1参照)、特定の軟化点を有するガラス粉末を含むもの(特許文献2参照)、非晶質二酸化シリコンをさらに含むもの(特許文献3参照)、純度99.9質量%以上のアルミニウム粉末を含むもの(特許文献4参照)等が提案されている。
ここで、本発明者らの研究により、上記の要求を満たすためには導電性アルミニウム分散ペーストの分散剤の検討が重要であることが分かっている。裏面電極形成用の導電性アルミニウム分散ペーストに分散剤を配合する技術としては、例えば、アルミニウム粉末、媒剤、無機高分子および分散剤を配合したものが提案されている(特許文献5参照)。また、少なくともアルミニウム、銅、もしくはそれらの合金を含む金属粒子と、酸化物粒子と、有機バインダーと、分散剤と、を配合したものが提案されている(特許文献6参照)。
また分散剤そのものの技術としては、例えば、顔料吸着基として塩基性基を含む顔料吸着ブロックと顔料吸着基を含まないブロックとからなるブロック共重合体樹脂で構成された分散剤が提案されている(特許文献7参照)。また、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基に、水酸基含有化合物と塩基性基含有化合物とを反応させて得られた塩基性ウレタン系樹脂からなる分散剤が提案されている(特許文献8参照)。
国際公開第2006/003830号 特開2006−351530号公報 特開2007−128872号公報 特開2008−159879号公報 特表2012−508812号公報 特開2011−077222号公報 特開2004−054213号公報 特開2011−057823号公報
しかしながら、特許文献1〜6の導電性アルミニウム分散ペーストでは、焼成時における導電性アルミニウム分散ペースト膜の収縮に起因するシリコン半導体基板の反りの発生を十分に抑制できてはいない。特に特許文献5および6では、分散剤を配合することが明記されているものの、分散剤に焦点を絞った技術ではないため、分散剤の反り抑制効果が認められないのが現状である。
また、特許文献7および8の分散剤はいずれも、カラーフィルターの顔料分散用途として提案されたものである。即ち、太陽電池の裏面電極形成用途とは、その用途が大きく相違し、これらは技術分野が大きく相違する。そのため、これら分散剤を、太陽電池の裏面電極形成用の導電性アルミニウム分散ペーストに適用する試みはなされていないのが現状である。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、印刷・塗布性に優れ、形成される裏面電極の表面抵抗値が低いうえ、焼成時におけるシリコン半導体基板の反りの発生を十分に抑制できる導電性アルミニウム分散ペーストを提供することにある。
上記目的を達成するため本発明は、表面側に反射防止層が形成されたpn接合を有するシリコン半導体の裏面に電極を形成するために用いられる導電性アルミニウム分散ペーストであって、アルミニウム粉末、ガラス粉末、分散剤および有機溶剤を含有し、上記分散剤が、塩基性基と酸性基とを含むブロック共重合体であって、上記ブロック共重合体のアミン価が2〜100mgKOH/gであり且つ酸価が10〜35mgKOH/gであることを特徴とする導電性アルミニウム分散ペーストを提供する。
上記導電性アルミニウム分散ペーストは、さらに、シリカ微粒子および樹脂のいずれか一方または両方を含有することが好ましい。
上記シリカ微粒子は、疎水性シリカ微粒子であることが好ましい。
上記シリカ微粒子の一次粒子の個数平均粒子径は、7〜12nmであることが好ましい。
上記樹脂を含有し、上記樹脂は、アクリル樹脂またはセルロース樹脂であることが好ましい。
上記アルミニウム粉末の含有量は、上記有機溶剤を除いた上記導電性アルミニウム分散ペーストの全質量に対して87〜99質量%であることが好ましい。
上記ガラス粉末の含有量は、上記有機溶剤を除いた上記導電性アルミニウム分散ペーストの全質量に対して0.2〜9.0質量%であり、上記分散剤の含有量は、上記全質量に対して0.2〜6.0質量%であることが好ましい。
上記ガラス粉末の含有量は、上記有機溶剤を除いた上記導電性アルミニウム分散ペーストの全質量に対して0.2〜9.0質量%であり、上記樹脂を含有し、上記分散剤の含有量と上記樹脂の含有量の合計量は、上記全質量に対して0.2〜6.0質量%であり、上記分散剤の含有量は、上記合計量に対して10〜90質量%であることが好ましい。
上記ガラス粉末は、ガラス転移温度400℃以上のガラス粉末であることが好ましい。
上記シリカ微粒子を含有し、上記シリカ微粒子の含有量は、上記有機溶剤を除いた上記導電性アルミニウム分散ペーストの全質量に対して0.1〜1.0質量%であることが好ましい。
また、表面側に反射防止層が形成されたpn接合を有するシリコン半導体の裏面に、上記導電性アルミニウム分散ペーストを印刷または塗布する印刷・塗布工程と、上記印刷または塗布された導電性アルミニウム分散ペースト膜を乾燥させ有機溶剤を揮発させる乾燥工程と、上記乾燥された導電性アルミニウム分散ペースト膜を焼成することで、上記シリコン半導体を導通させる焼成工程と、を有することを特徴とする太陽電池の製造方法を提供する。
また、pn接合を有するシリコン半導体と、上記シリコン半導体の表面側に形成された表面電極および反射防止層と、上記シリコン半導体の裏面側に形成された裏面電極と、を備える太陽電池において、上記裏面電極が、上記導電性アルミニウム分散ペーストを用いて形成されたことを特徴とする太陽電池を提供する。
本発明によれば、アルミニウム粉末、ガラス粉末、特定の構造および官能基価を持つ分散剤並びに有機溶剤を含有することによって、例えばスクリーン印刷において、印刷原版からの版離れがよい等の印刷・塗布性に優れ、且つ、形成される裏面電極の表面抵抗値が低いうえ、焼成時におけるシリコン半導体基板の反りの発生を十分に抑制できる導電性アルミニウム分散ペーストを提供できる。これは、分散剤を含有させることで印刷・塗布可能な粘性を確保できるため、樹脂の含有量を低減でき、その結果、導電性アルミニウム分散ペースト膜において焼成時の樹脂の揮散に由来する間隙が生じにくくなり、Si基板の反りを抑制できると推定される。
さらに、シリカ微粒子および/または樹脂のいずれか一方を含むことで導電性アルミニウム分散ペーストに良好な粘性および接着性が付与され、印刷・塗布工程において導電性アルミニウム分散ペースト膜が形成されたシリコンウエハ基板とスクリーン印刷の原版とを容易に分離できると推定される。
本発明の一実施形態に係る太陽電池の製造方法を説明するための図であり、(A)が印刷・塗布工程を示し、(B)が乾燥工程を示し、(C)が焼成工程を示す図である。 シリコン半導体基板の反りの測定方法を説明するための図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<導電性アルミニウム分散ペースト>
本実施形態に係る導電性アルミニウム分散ペーストは、太陽電池の裏面、即ち表面側に反射防止層が形成されたpn接合を有するシリコン半導体の裏面に電極を形成するために用いられる。具体的には、本実施形態に係る導電性アルミニウム分散ペーストは、シリコン半導体基板(以下、「Si基板」という。)の裏面に印刷・塗布された後、乾燥および焼成されることで、裏面電極を形成する。
ここで、太陽電池の表面とは、受光面を意味し、裏面とは、受光面の反対側の面を意味する。
本実施形態に係る導電性アルミニウム分散ペーストは、アルミニウム粉末、ガラス粉末、分散剤および有機溶剤を含有する。好ましくは、本実施形態に係る導電性アルミニウム分散ペーストは、シリカ微粒子および樹脂のいずれか一方または両方をさらに含有する。より好ましくは、シリカ微粒子および樹脂の両方をさらに含有する。
[アルミニウム粉末]
アルミニウム粉末は、本実施形態に係る導電性アルミニウム分散ペーストの主成分であり、裏面電極として必要な導電性を付与する。本実施形態で用いるアルミニウム粉末は、微粒化アルミニウムであることが好ましい。微粒化アルミニウムは、公知のアトマイズ法により、空気中または不活性雰囲気中でアルミニウムを微粒化することで得られる。アルミニウム粉末の形状としては、球状が好ましい。
アルミニウム粉末の平均粒子径は、1.0〜10μmであることが好ましい。アルミニウム粉末の平均粒子径がこの範囲内であれば、平滑で均一な膜からなる裏面電極を形成できるとともに、焼成時におけるSi基板の反りを抑制できる。アルミニウム粉末のより好ましい平均粒子径は、2.5〜5.0μmである。
なお本実施形態では、アルミニウム粉末の平均粒子径とは、レーザー回折法により測定した体積基準でのD50の粒子径を意味する。
アルミニウム粉末の含有量は、有機溶剤を除いた導電性アルミニウム分散ペーストの全質量に対して、87〜99質量%であることが好ましい。アルミニウム粉末の含有量がこの範囲内であれば、平滑で均一な膜からなる裏面電極を形成できるとともに、焼成時におけるSi基板の反りを抑制できる。アルミニウム粉末のより好ましい含有量は、89〜98質量%である。
[ガラス粉末]
ガラス粉末は、アルミニウム粉末の無機バインダーとして作用する。これにより、ガラス粉末は、Si基板に対する裏面電極の接着強度を向上させるとともに、焼成時におけるSi基板の反りを制御する。
また、ガラス粉末は、導電性アルミニウム分散ペースト中のアルミニウム元素が、焼成時にSi基板側に拡散することで形成されるp層(BSF層)の形成を制御する。p層(BSF層)において、電極付近の電子の再結合が抑制されることで、電気変換効率が向上する。
本実施形態で用いるガラス粉末の平均粒子径は、1.0〜5.0μmであることが好ましい。ガラス粉末の平均粒子径がこの範囲内であれば、上述のガラス粉末の効果が十分に発揮される。ガラス粉末のより好ましい平均粒子径は、1.0〜2.0μmである。
なお本実施形態では、ガラス粉末の平均粒子径とは、空気透過法により測定した平均粒子径を意味する。
ガラス粉末としては、亜鉛系ガラス、鉛系ガラス、ホウケイ酸系ガラス、ビスマス系ガラス、またはこれら2種以上の組み合わせからなるガラス粉末が挙げられる。具体的には、B−SiO−ZnO系ガラス、PbO−B−ZnO系ガラス、Bi−B−ZnO系ガラス、B−SiO−PbO系ガラス、B−SiO−Bi系ガラス、SiO−Bi−PbO系ガラス、PbO−B−Al系ガラス等が好ましく例示される。
また、ガラス粉末のガラス転移温度は、300℃以上であることが好ましい。ガラス粉末のガラス転移温度が300℃以上であれば、上述のガラス粉末の効果が十分に発揮される。より好ましいガラス粉末のガラス転移温度は、400℃以上である。
なお、例えばB−SiO−PbO系ガラス等のPbOを含有するガラスの場合には、PbOの含有比率を低減することで、ガラス転移点を上昇させることができる。
ガラス粉末の含有量は、有機溶剤を除いた導電性アルミニウム分散ペーストの全質量に対して、0.2〜9.0質量%であることが好ましい。ガラス粉末の含有量がこの範囲内であれば、上述のガラス粉末の効果が十分に発揮される。ガラス粉末のより好ましい含有量は、0.6〜5.1質量%である。
[分散剤]
分散剤は、本実施形態に係る導電性アルミニウム分散ペーストに対して適度な粘性を付与し、良好な印刷・塗布性を付与する。分散剤を含有させることで印刷・塗布可能な粘性を確保できるため、樹脂の含有量を低減できる。ここで、樹脂の含有量が多い場合には、焼成時に樹脂が多量に揮散して導電性アルミニウム分散ペースト膜に間隙が生じ、この間隙を埋めるべくペースト膜の収縮が生じることでSi基板の反りが発生すると考えられるところ、分散剤を含有させることで樹脂の含有量を低減できるため、Si基板の反りを抑制できる。
本実施形態で用いる分散剤は、吸着基として塩基性基と酸性基とを含むブロック共重合体で構成される。このブロック共重合体のアミン価は2〜100mgKOH/gであり、好ましくは2〜35mgKOH/gである。また、このブロック共重合体の酸価は10〜35mgKOH/gであり、好ましくは10〜25mgKOH/gである。上記アミン価および酸価を有する分散剤を用いることにより、アルミニウム粉末の分散性が良好となり、混練効率に優れ、導電性アルミニウム分散ペーストを効率よく生産することが可能となる。また、導電性アルミニウム分散ペーストをスクリーン印刷法にて塗布する場合においては、本発明の導電性アルミニウム分散ペーストのスクリーン印刷の原版およびシリコンウエハ基板との接着性が適度となることにより、効率よく良好な導電性アルミニウム分散ペースト膜を得ることが可能となる。
上記ブロック共重合体は、吸着基として塩基性基および酸性基を含むブロックと、塩基性基および酸性基のいずれも含まないその他のブロックと、からなるブロック共重合体である。このようなブロック共重合体は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
吸着基として塩基性基および酸性基を含むブロックは、塩基性基を有する単量体と、酸性基を有する単量体とを用いて構成される。また、塩基性基および酸性基のいずれも含まないその他のブロックは、塩基性基および酸性基のいずれも含まないその他の単量体を用いて構成される。
塩基性基を有する単量体としては、1級アミノ基、2級アミノ基または3級アミノ基を有する単量体であって、具体的には、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、アクリロイルモルホリン、ビニルイミダゾール、2−ビニルピリジン、アミノ基とカプロラクトン骨格を有する単量体、グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基を有する単量体と分子中に1個の2級アミノ基を有する化合物との反応物、(メタ)アクリロイルアルキルイソシアネート化合物と4−(2−アミノメチル)−ピリジン、4−(2−アミノエチル)−ピリジン、4−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン、1−(2−アミノエチル)−ピペラジン、2−アミノ−6−メトキシベンゾチアゾール、1−(2−ヒドロキシエチルイミダゾール)、N,N−ジアリルメラミン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミンとの反応物等が例示される。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
酸性基を有する単量体としては、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基を有する単量体であって、具体的には、カルボキシル基を有する単量体として、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸化合物、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸化合物およびそのハーフエステル等、スルホン酸基を有する単量体として、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸等、リン酸基を有する単量体として、アシッドホスホニル(メタ)アクリレート、アシッドホスホニルエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、塩基性基を有する単量体は、得られるブロック共重合体のアミン価が2〜100mgKOH/gとなるように、好ましくは2〜35mgKOH/gとなるように用いられる。ブロック共重合体のアミン価が2mgKOH/g未満であると、アルミニウム粉末表面への吸着力が不足して導電性アルミニウム分散ペーストの分散安定性が低下する。一方、ブロック共重合体のアミン価が100mgKOH/gを超えると、アルミニウム粉末表面に吸着したブロック共重合体の吸着部分に対する立体的反発層の比率が少なくなり、導電性アルミニウム分散ペーストの十分な分散性が得られなくなる。
また、酸性基を有する単量体は、得られるブロック共重合体の酸価が10〜35mgKOH/gとなるように、好ましくは10〜25mgKOH/gとなるように用いられる。ブロック共重合体の酸価が10mgKOH/g未満であると、アルミニウム粉末表面への吸着力が不足して導電性アルミニウム分散ペーストの分散安定性が低下する。一方、ブロック共重合体の酸価が35mgKOH/gを超えると、アルミニウム粉末表面に吸着したブロック共重合体の吸着部分に対する立体的反発層の比率が少なくなり、導電性アルミニウム分散ペーストの十分な分散性が得られなくなる。
塩基性基および酸性基いずれも含まないその他の単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、塩化ベンジル等の芳香族ビニル化合物、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸アルキルエステル、ベンジル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸アリールアルキルエステル、下記式(1)または下記式(2)等で表されるポリカプロラクトン含有単量体、ポリアルキレングリコールモノエステル系単量体等が例示される。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[化1]

CH=C(CH)−C(=O)−O−CHCH−O−[C(=O)−(CHO]1〜6−H ・・・(1)

CH=CH−C(=O)−O−CHCH−O−[C(=O)−(CHO]1〜6−H ・・・(2)
上記の塩基性基および酸性基いずれも含まないその他の単量体は、ブロック共重合体のアミン価および酸価を調整するために用いられる。即ち、アルミニウム粉末表面に対するブロック共重合体の吸着力を調整することで、導電性アルミニウム分散ペーストの分散性を調整するために用いられる。
上記のブロック共重合体を得る方法としては、従来公知の方法が利用できる。例えば、リビング重合法や、リビングラジカル重合(イニファータ)法等を利用できる。また、その他の方法として、次のような方法も利用できる。先ず、塩基性基および酸性基を有する単量体と、塩基性基および酸性基いずれも含まないその他の単量体とをラジカル重合する。このとき、チオールカルボン酸または2−アセチルチオエチルエーテルと、10−アセチルチオデカンチオール等の分子内にチオエステルとチオール基とを含有する化合物とを共存させて、ラジカル重合する。次いで、得られたラジカル重合体を、水酸化ナトリウムやアンモニア等のアルカリで処理することで、片末端にチオール基を有する重合体とする。次いで、得られた片末端にチオール基を有する重合体の存在下で、もう一方のブロックの単量体成分をラジカル重合する。これにより、上記のブロック共重合体が得られる。
なお、上記方法のうち、リビング重合が好ましく利用される。また、以上の方法で得られるブロック共重合体の分子量は、特に制限されないが、好ましくは5,000〜10,000の範囲である。
上記のブロック共重合体で構成される分散剤としては、市販品を用いることができる。具体的には、ビックケミー・ジャパン社製の「DISPERBYK−2001」(アミン価29mgKOH/g、酸価19mgKOH/g)、味の素ファインテクノ製の「アジスパーPB−821」(アミン価9mgKOH/g、酸価13mgKOH/g)、ゼネカ社製の「ソルスパース24000」(アミン価42mgKOH/g、酸価25mgKOH/g)等を用いることができる。
分散剤の含有量は、後述する樹脂を含有する場合において、分散剤の含有量と樹脂の含有量の合計量が、有機溶剤を除いた導電性アルミニウム分散ペーストの全質量に対して0.2〜6.0質量%であることが好ましい。分散剤の含有量と樹脂の含有量の合計量がこの範囲内であれば、上述の分散剤の効果と後述の樹脂の効果が十分に発揮される。より好ましい分散剤の含有量と樹脂の含有量の合計量は、0.9〜5.6質量%である。
分散剤の含有量は、後述する樹脂を含有しない場合においては、有機溶剤を除いた導電性アルミニウム分散ペーストの全質量に対して0.2〜6.0質量%であることが好ましい。分散剤の含有量がこの範囲内であれば、上述の分散剤の効果が十分に発揮される。より好ましい分散剤の含有量は、0.9〜5.6質量%である。
また、分散剤自体の含有量は、上記分散剤の含有量と樹脂の含有量の合計量に対して10〜90質量%であることが好ましい。分散剤自体の含有量がこの範囲内であれば、上述の分散剤の効果が十分に発揮される。より好ましい分散剤の含有量は、12〜85質量%である。
[有機溶剤]
有機溶剤としては、アルミニウム粉末を良好に分散させ得るものであればよく、種々の有機溶剤を用いることができる。具体的な有機溶剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(ブチルカルビトールアセテート)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルおよびヘキシレングリコール等のグリコールエーテル系溶剤、トルエン、キシレンおよびケロシン等の炭化水素系溶剤、α−またはβ−テルピネオール等のテルペン系溶剤、ジブチルフタレート等のフタル酸エステル系溶剤、テキサノール(2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート)等の高沸点溶剤が例示される。これらの各溶剤を単独または複数併用して用いることができる。
本実施形態では、有機溶剤の含有量は特に限定されない。有機溶剤の含有量は、導電性アルミニウム分散ペーストの粘度が適度となり、良好な印刷・塗布性が得られる範囲内で、適宜設定される。
[シリカ微粒子]
シリカ微粒子は、焼成時におけるSi基板の反りを抑制する効果を有する。シリカ微粒子の一次粒子の個数平均粒子径は、7〜12nmであることが好ましい。シリカ微粒子の一次粒子の個数平均粒子径がこの範囲内であれば、上記シリカ微粒子の効果が十分に発揮される。
なお本実施形態では、シリカ微粒子の平均粒子径とは、電子顕微鏡により測定した粒子径に基づく個数平均粒子径を意味する。
シリカ微粒子としては、親水性シリカ微粒子および疎水性シリカ微粒子のいずれも用いることができる。本実施形態では、疎水性シリカ微粒子が好ましく用いられる。
親水性シリカ微粒子は、乾式法シリカとも呼ばれ、その製法は珪素化合物の火炎加水分解法、火炎中燃焼による酸化法、またはこれら製法の併用により製造されたものであればよく、特に制限されない。中でも火炎加水分解法により製造された気相法シリカが好ましく用いられる。
疎水性シリカ微粒子は、親水性シリカ微粒子を疎水化処理することで製造される。シリカ微粒子の疎水化処理方法としては、例えば、シランカップリング剤とシリコーンオイルを用いる方法、オルガノハロゲンシランを用いる方法、オルガノポリシロキサンを用いる方法、シロキサンオリゴマーを用いる方法等が挙げられる。これらの疎水化処理方法により、例えばジメチルシリル基やトリメチルシリル基等の疎水性表面修飾基により疎水化された疎水性シリカ微粒子が得られる。
上記親水性シリカ微粒子および疎水性シリカ微粒子としては、市販品を用いることができる。具体的には、日本アエロジル社製またはエボニックデグサ社製の「アエロジル」、キャボット社製の「キャボジル」、ワッカー社製の「HDK」、トクヤマ社製の「レオロシール」等を用いることができる。
シリカ微粒子の含有量は、有機溶剤を除いた導電性アルミニウム分散ペーストの全質量に対して、0.1〜1.0質量%であることが好ましい。シリカ微粒子の含有量がこの範囲内であれば、上記シリカ微粒子の効果が十分に発揮される。より好ましいシリカ微粒子の含有量は、0.1〜0.6質量%である。
[樹脂]
本実施形態に係る導電性アルミニウム分散ペーストは、樹脂を含むものであることが好ましい。上記樹脂は、アルミニウム粉末の有機バインダーとして作用し、本実施形態に係る導電性アルミニウム分散ペーストに対して良好な粘性を付与するとともに、後述する印刷・塗布工程で形成されるペースト膜のSi基板に対する接着性を付与する。
具体的には、ポリメタクリル酸メチルおよび低級アルコールのポリメタクリレート等のアクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、キシレン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、エチルセルロース、ニトロセルロースおよびエチルヒドロキシエチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルコール樹脂、ウッドロジン等のロジン樹脂等を主体とするものを用いることができる。これら樹脂は、単独使用または複数を併用することができる。中でも、印刷・塗布性の観点から、アクリル樹脂やセルロース樹脂が好ましく用いられる。
上述したように、樹脂の含有量と分散剤の含有量の合計量は、有機溶剤を除いた導電性アルミニウム分散ペーストの全質量に対して、0.2〜6.0質量%であることが好ましい。樹脂の含有量と分散剤の含有量の合計量がこの範囲内であれば、上述の樹脂の効果と分散剤の効果が十分に発揮される。より好ましい樹脂の含有量と分散剤の含有量の合計量は、0.9〜5.6質量%である。なお、本実施形態における樹脂には、上記分散剤に該当する樹脂には包含されない。
[その他成分]
本実施形態に係る導電性アルミニウム分散ペーストは、その他成分として、各種添加剤を含有してもよい。各種添加剤としては、例えば、酸化防止剤、腐食抑制剤、消泡剤、可塑剤、タックファイヤー、カップリング剤、静電付与剤、重合禁止剤、粘性制御剤等が例示される。粘性制御剤として具体的には、ポリエチレングリコールエステル化合物、ポリエチレングリコールエーテル化合物、ポリオキシエチレンソルビタンエステル化合物、ソルビタンアルキルエステル化合物、脂肪族多価カルボン酸化合物、燐酸エステル化合物、ポリエステル酸のアマイドアミン塩、酸化ポリエチレン系化合物、脂肪酸アマイドワックス、粘土鉱物等を用いることができる。
<導電性アルミニウム分散ペーストの製造方法>
以上の構成を備える本実施形態に係る導電性アルミニウム分散ペーストは、例えば次のようにして製造される。
先ず、上述のアルミニウム粉末、ガラス粉末、分散剤および有機溶剤の他、必要に応じて上述のシリカ微粒子や樹脂を、所定量ずつ配合して混合する。混合には、ボールミルや撹拌器を用いる。次いで、3本ロールミルにて混練することにより、本実施形態に係る導電性アルミニウム分散ペーストが得られる。
<太陽電池の製造方法>
本実施形態に係る太陽電池の製造方法は、上述の導電性アルミニウム分散ペーストを用いて裏面電極を形成するものであり、印刷・塗布工程と、乾燥工程と、焼成工程と、を有する。
図1は、本実施形態に係る太陽電池の製造方法を説明するための図であり、(A)が印刷・塗布工程を示し、(B)が乾燥工程を示し、(C)が焼成工程を示す図である。
先ず、図1(A)に示すように、表面側に反射防止層(図示せず)が形成されたpn接合を有するSi基板1の裏面上に、上述のアルミニウム分散ペーストを、印刷または塗布する(印刷・塗布工程)。印刷・塗布の方法としては、例えばスクリーン印刷が好ましく利用される。
次いで、図1(B)に示すように、スクリーン印刷により形成されたペースト膜2を、例えば150℃で20分間、乾燥させる。これにより、ペースト膜2中の有機溶剤を揮発させる(乾燥工程)。
次いで、図1(C)に示すように、アルミニウムの融点660℃以上の温度、例えば800℃で10秒間、焼成し、ペースト膜2中の樹脂および分散剤を燃焼させる(焼成工程)。これにより、アルミニウム粉末、ガラス粉末およびシリカ微粒子から裏面電極層4が形成され、Si基板1を導通させる。
またこのとき、アルミニウム元素がSi基板1側に拡散することで、裏面電極層4とSi基板1の界面に、p層(BSF層)3が形成される。このp層(BSF層)3の存在により、電極付近の電子の再結合が抑制され、電気変換効率が向上する。
<太陽電池>
本実施形態に係る太陽電池は、上述の太陽電池の製造方法により製造される。本実施形態に係る太陽電池は、pn接合を有するSi基板と、Si基板の表面側に形成された表面電極および反射防止層と、Si基板の裏面側に形成された裏面電極と、を備える。
表面電極および反射防止膜としては、従来公知のものが形成される。裏面電極は、上述の導電性アルミニウム分散ペーストを用いて、上述の印刷・塗布工程、乾燥工程および焼成工程を経ることで形成される。
このような構成を備える本実施形態に係る太陽電池によれば、裏面電極の表面抵抗値が従来と遜色無く低いうえ、焼成時におけるSi基板の反りが十分に抑制されるため、従来よりも優れた電気的特性が得られる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<導電性アルミニウム分散ペーストの調製>
α−テルピネオールとテキサノールの混合有機溶剤に対して、表1に示した組成比となるように、エチルセルロースを溶解して有機バインダーを調製した。次いで、球状の微粒化アルミニウム粉末(平均粒子径2.5もしくは5.0μm)、B−SiO−PbO系のガラス粉末(平均粒子径2.0μm)および表1に示す分散剤を、表1に示した組成比となるように添加して混錬した。その後、3本ロールミル処理を行うことで、実施例1〜22および比較例1〜4の導電性アルミニウム分散ペーストを得た。
なお実施例2〜22では、上記成分に加えてさらに、表1に示す組成のシリカ微粒子を、表1に示した組成比となるように添加して調製した。
<評価>
[混練効率]
各実施例および比較例の混練の段階における混練作業の効率について評価した。具体的には、容易に混練でき、均一な混合物が得られたものを、混練効率が良好(○)と評価した。一方、混練に大きな力を要し、均一な混合物が容易に得られなかったものを、混練効率が不良(×)と評価した。結果を表1に示した。
[スクリーン印刷性]
各実施例および比較例で得た各種導電性アルミニウム分散ペーストを、それぞれ、6インチ(152mm)×6インチ(152mm)で厚み180μmの単結晶シリコンウエハ基板(以下、「シリコンウエハ基板」という。)上に、スクリーン印刷法で塗布した。このとき、シリコンウエハ基板上に平滑で均一な印刷面が得られたものを、スクリーン印刷性が良好(○)と評価した。一方、平滑で均一な印刷面が得られなかったり、印刷できなかったりしたものを、スクリーン印刷性が不良(×)と評価した。結果を表1に示した。
[版離れ性]
上記スクリーン印刷性評価において、スクリーン印刷直後に、導電性アルミニウム分散ペースト膜が形成されたシリコンウエハ基板とスクリーン印刷の原版とが容易に離れ、連続的にスクリーン印刷することが可能であったものを、版離れ性が良好(○)と評価した。一方、導電性アルミニウム分散ペースト膜が形成されたシリコンウエハ基板とスクリーン印刷の原版とが容易に離れず、連続的な印刷が困難であったものを、版離れ性が不良(×)と評価した。結果を表1に示した。
[膜厚]
平滑で均一な印刷面が得られ、スクリーン印刷性が良好と評価されたシリコンウエハ基板(実施例1〜22および比較例1のシリコンウエハ基板)を、150℃で20分間乾燥した後、800℃のオーブンで10秒間保持することで焼成した。焼成により形成された電極の膜厚を測定した結果、実施例1〜22および比較例1いずれも、膜厚は20μmであり、膜内における膜厚のばらつきは±2μmの範囲内であることが確認された。
[電極表面抵抗値]
焼成により形成された電極の表面抵抗値を、4探針式の表面抵抗測定装置にて測定した。結果を表1に示した。
[反り]
焼成後のシリコンウエハ基板の反りを評価した。図2は、シリコンウエハ基板の反りの測定方法を説明するための図である。図2に示すように、焼成により形成された電極膜を上方に向けてシリコンウエハ基板を平坦な台上に載置し、この状態で、台上表面からシリコンウエハ基板の四隅までの距離L(mm)をそれぞれ測定した。測定値の平均値を算出し、平均値を用いて反りを評価した。結果を表1に示した。
Figure 2014027256
表1において、分散剤、シリカ微粒子、ガラス粉末、樹脂、アルミニウム粉末および樹脂+分散剤の含有量は、有機溶剤を除いた導電性アルミニウム分散ペーストの全質量に対する質量%を表す。また、有機溶剤の含有量は、有機溶剤を除いた導電性アルミニウム分散ペーストの全質量に対する質量%を表し、分散剤/(樹脂+分散剤)の質量%は、樹脂と分散剤の合計量に対する分散剤の固形分質量%を表す。
表1の結果から、実施例1〜22によれば、スクリーン印刷性が良好であるとともに、焼成により形成された電極の表面抵抗値が比較例1と同レベルであり、十分に低いことが分かった。また、実施例1〜22はいずれも、比較例1に比べて、反りが抑制されていることが分かった。
以上の結果から、本発明によれば、印刷・塗布性に優れ、形成される裏面電極の表面抵抗値が従来と遜色無く低いうえ、焼成時におけるシリコンウエハ基板の反りの発生を十分に抑制できる導電性アルミニウム分散ペーストを提供できることが確認された。
より具体的には、適切な分散剤を選択することにより、アルミニウム分散ペースト中のアルミニウム濃度が高くても、混練作業の効率が良く、得られるアルミニウム分散ペーストのスリーン印刷性、版離れ性も良好であることが確認された。
また、アルミニウム分散ペースト中のアルミニウム濃度が高いことにより、アルミニウム分散ペーストによって得られる裏面電極の表面抵抗値が低く、焼成時におけるシリコン半導体基板の反りの発生を十分に抑制できることが確認された。
1…Si基板(シリコン半導体)
2…ペースト膜
3…p層(BSF層)
4…電極層(裏面電極)

Claims (12)

  1. 表面側に反射防止層が形成されたpn接合を有するシリコン半導体の裏面に電極を形成するために用いられる導電性アルミニウム分散ペーストであって、
    アルミニウム粉末、ガラス粉末、分散剤および有機溶剤を含有し、
    前記分散剤が、塩基性基と酸性基とを含むブロック共重合体であって、前記ブロック共重合体のアミン価が2〜100mgKOH/gであり且つ酸価が10〜35mgKOH/gであることを特徴とする導電性アルミニウム分散ペースト。
  2. さらに、シリカ微粒子および樹脂のいずれか一方または両方を含有することを特徴とする請求項1に記載の導電性アルミニウム分散ペースト。
  3. 前記シリカ微粒子が、疎水性シリカ微粒子であることを特徴とする請求項2に記載の導電性アルミニウム分散ペースト。
  4. 前記シリカ微粒子の一次粒子の個数平均粒子径が、7〜12nmであることを特徴とする請求項2または3に記載の導電性アルミニウム分散ペースト。
  5. 前記樹脂を含有し、前記樹脂が、アクリル樹脂またはセルロース樹脂であることを特徴とする請求項2から4いずれか1項に記載の導電性アルミニウム分散ペースト。
  6. 前記アルミニウム粉末の含有量が、前記有機溶剤を除いた前記導電性アルミニウム分散ペーストの全質量に対して87〜99質量%であることを特徴とする請求項2から5いずれか1項に記載の導電性アルミニウム分散ペースト。
  7. 前記ガラス粉末の含有量が、前記有機溶剤を除いた前記導電性アルミニウム分散ペーストの全質量に対して0.2〜9.0質量%であり、
    前記分散剤の含有量が、前記全質量に対して0.2〜6.0質量%であることを特徴とする請求項2から5に記載の導電性アルミニウム分散ペースト。
  8. 前記ガラス粉末の含有量が、前記有機溶剤を除いた前記導電性アルミニウム分散ペーストの全質量に対して0.2〜9.0質量%であり、
    前記樹脂を含有し、前記分散剤の含有量と前記樹脂の含有量の合計量が、前記全質量に対して0.2〜6.0質量%であり、
    前記分散剤の含有量が、前記合計量に対して10〜90質量%であることを特徴とする請求項2から5に記載の導電性アルミニウム分散ペースト。
  9. 前記ガラス粉末が、ガラス転移温度400℃以上のガラス粉末であることを特徴とする請求項2から8いずれか1項に記載の導電性アルミニウム分散ペースト。
  10. 前記シリカ微粒子を含有し、前記シリカ微粒子の含有量が、前記有機溶剤を除いた前記導電性アルミニウム分散ペーストの全質量に対して0.1〜1.0質量%であることを特徴とする請求項2から9いずれか1項に記載の導電性アルミニウム分散ペースト。
  11. 表面側に反射防止層が形成されたpn接合を有するシリコン半導体の裏面に、請求項1から10いずれか1項に記載の導電性アルミニウム分散ペーストを印刷または塗布する印刷・塗布工程と、
    前記印刷または塗布された導電性アルミニウム分散ペースト膜を乾燥させる乾燥工程と、
    前記乾燥された導電性アルミニウム分散ペースト膜を焼成することで、前記シリコン半導体を導通させる焼成工程と、を有することを特徴とする太陽電池の製造方法。
  12. pn接合を有するシリコン半導体と、前記シリコン半導体の表面側に形成された表面電極および反射防止層と、前記シリコン半導体の裏面側に形成された裏面電極と、を備える太陽電池において、
    前記裏面電極が、請求項1から10いずれか1項に記載の導電性アルミニウム分散ペーストを用いて形成されたことを特徴とする太陽電池。
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WO2018080096A1 (ko) * 2016-10-31 2018-05-03 엘에스니꼬동제련 주식회사 태양전지 전극용 도전성 페이스트 및 이를 사용하여 제조된 태양전지

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