JP2014025867A - 温度検出装置 - Google Patents

温度検出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014025867A
JP2014025867A JP2012168055A JP2012168055A JP2014025867A JP 2014025867 A JP2014025867 A JP 2014025867A JP 2012168055 A JP2012168055 A JP 2012168055A JP 2012168055 A JP2012168055 A JP 2012168055A JP 2014025867 A JP2014025867 A JP 2014025867A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
temperature detection
value
thermistor
switching element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012168055A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5861590B2 (ja
Inventor
Yosuke Watanabe
庸佑 渡邉
Tsuneo Maehara
恒男 前原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2012168055A priority Critical patent/JP5861590B2/ja
Publication of JP2014025867A publication Critical patent/JP2014025867A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5861590B2 publication Critical patent/JP5861590B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Inverter Devices (AREA)

Abstract

【課題】感温ダイオードTw#(#=p,n)の検出値Vfを補正することでスイッチング素子Sw#の温度検出精度の低下を抑制できる新たな温度検出装置を提供する。
【解決手段】スイッチング素子Sw#の温度検出回路には、スイッチング素子Sw#の温度を検出する感温ダイオードTw#及びサーミスタ38が備えられている。ここで、サーミスタ38の検出値Vsに含まれる誤差の取り得る範囲は、感温ダイオードTw#の検出値Vfに含まれる誤差の取り得る範囲よりも狭くなっている。こうした構成において、スイッチング素子Sw#の駆動前であると判断されてかつ、サーミスタ38の設置箇所の温度が低温領域にないと判断された場合、サーミスタ38の検出値Vsに基づき感温ダイオードTw#の検出値Vfを補正するための補正値を算出する。そして、算出された補正値に基づき、感温ダイオードTw#の検出値Vfを補正する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、所定の温度検出対象の温度を検出する温度検出装置に関する。
従来、下記特許文献1に見られるように、所定の温度検出対象(例えば半導体スイッチング素子)の温度を検出する温度センサについて、その検出値を補正する技術が知られている。この技術について説明すると、まず、温度センサが内蔵される製品の製造工程において、相違する一対の温度のそれぞれに対応した温度センサの検出値等のデータを取得する。そして、取得されたデータに基づき、温度センサの検出値を補正するための補正用データを算出し、算出された補正用データを製品内の制御基板に実装された不揮発性メモリに記憶させる。
こうした構成によれば、不揮発性メモリに記憶された補正用データに基づき温度センサの検出値を補正することができる。これにより、温度検出対象の温度検出精度の低下を回避することができる。
特開2008−197011号公報
ここで、製品の出荷後、補正用データがなくなったり、補正用データが適切なデータではなくなったりすることがある。これは、例えば、製品に故障が生じ、製品の修理工場において不揮発性メモリが実装された制御基板が交換されることで生じる。この場合、温度センサの検出値を適切に補正することができず、温度検出対象の温度検出精度が低下するおそれがある。こうした問題に対処する上では、例えば製品の出荷後においても、温度センサの検出値を補正可能な技術が要求される。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、上記検出値の補正によって温度検出対象の温度検出精度の低下を抑制できる新たな温度検出装置を提供することにある。
上記課題を解決すべく、請求項1記載の発明は、所定の温度検出対象(Sw#:#=p,n)の温度を検出する第1の温度検出手段(Tw#)と、前記温度検出対象の温度を検出する第2の温度検出手段(38)と、を備え、前記第2の温度検出手段の検出値(Vs)に含まれる誤差(Δvs)の取り得る範囲(−b〜+b)は、前記第1の温度検出手段の検出値(Vf)に含まれる誤差(Δvf)の取り得る範囲(−a〜+a)よりも狭く、前記第1の温度検出手段の設置箇所の温度及び前記第2の温度検出手段の設置箇所の温度が同一であると想定される状況下の前記第2の温度検出手段の検出値に基づき、前記第1の温度検出手段の検出値を補正する補正手段(34)を備えることを特徴とする。
上記発明では、第2の温度検出手段として、上記第2の温度検出手段の検出値に含まれる誤差の取り得る範囲が上記態様のものを用いている。このため、第2の温度検出手段の検出値の信頼性は、第1の温度検出手段の検出値の信頼性よりも高い。こうした構成を前提として、上記発明では、補正手段を備えることで、信頼性の高い第2の温度検出手段の検出値に基づき第1の温度検出手段の検出値を補正することができる。これにより、第1の温度検出手段による温度検出対象の温度検出精度の低下を抑制することができる。
さらに、上記発明によれば、例えば、上記特許文献1に記載された技術と異なり、温度検出装置の出荷後において、例えば、この装置の内部部品等が交換される場合であっても、上記補正手段によって第1の温度検出手段の検出値を補正することもできる。
第1の実施形態にかかるシステム構成図。 同実施形態にかかるスイッチング素子の温度検出回路の構成図。 同実施形態にかかるパワーカードの構成図。 同実施形態にかかる制御基板の上面図。 同実施形態にかかる制御基板の側面断面図。 同実施形態にかかる誤差の概要を示す図。 同実施形態にかかる補正処理の手順を示す流れ図。 同実施形態にかかるサーミスタの抵抗値の温度特性を示す図。 同実施形態にかかる補正処理の一例を示すタイムチャート。 第2の実施形態にかかる制御基板の上面図。 第3の実施形態にかかる異常検出処理の手順を示す流れ図。 第4の実施形態にかかる誤差の概要を示す図。 同実施形態にかかる補正処理の手順を示す流れ図。 同実施形態にかかる補正処理に用いるデータの取得タイミングを示す図。 その他の実施形態にかかるパワーカードの構成図。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる温度検出装置を車載主機として回転機を備える車両に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかる制御システムを示す。
図示されるように、車載主機としてのモータジェネレータ10は、インバータIVに接続されており、インバータIVは、コンバータCVを介して高電圧バッテリ12に接続されている。なお、コンバータCVは、高電圧バッテリ12の電圧(例えば「288V」)を所定の電圧(例えば「666V」)を上限として昇圧する機能を有する。
インバータIVは、上アーム側のスイッチング素子Swp及び下アーム側のスイッチング素子Swnの直列接続体が3つ並列接続されて構成されている。これら各スイッチング素子Swp及びスイッチング素子Swnの接続点は、モータジェネレータ10のU,V,W相にそれぞれ接続されている。ちなみに、本実施形態では、スイッチング素子Sw#(#=p,n)として、電圧制御形のものが用いられており、より具体的には、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)が用いられている。また、これらスイッチング素子Sw#にはそれぞれ、フリーホイールダイオードDw#が逆並列に接続されている。さらに、図示しないが、これらスイッチング素子Sw#付近には、スイッチング素子Sw#の温度を検出する感温ダイオードが備えられている。感温ダイオードについては、後に詳述する。
制御装置14は、低電圧バッテリ16を電源とし、マイクロコンピュータを主体として構成されている。制御装置14は、インターフェース18を介して、インバータIV等を操作することで、モータジェネレータ10を制御する。詳しくは、制御装置14は、インターフェース18を介してインバータIVのスイッチング素子Swp,Swnに駆動信号を伝達することで、これらスイッチング素子Swp,Swnをオンオフ操作する。これにより、モータジェネレータ10の制御量をその指令値に制御する。本実施形態では、モータジェネレータ10の制御量として、トルクを想定している。
なお、上アーム側のスイッチング素子Swpと、対応する下アーム側のスイッチング素子Swnとは、交互にオン状態とされる。また、トルク指令値Tr*は、例えば、車両の制御を統括する上位の制御装置から制御装置14に入力される。
上記インターフェース18は、高電圧バッテリ12を備える高電圧システムと低電圧バッテリ16を備える低電圧システムとの間を電気的に絶縁しつつ、これらの間の信号の授受を行うための伝達手段である。本実施形態では、インターフェース18として、光絶縁素子(フォトカプラ)を備えたものを用いている。なお、本実施形態において、高電圧システムが第1の領域に相当し、低電圧システムが第2の領域に相当する。
続いて、図2を用いて、本実施形態にかかるスイッチング素子Sw#(#=p,n)の駆動回路及び温度検出回路について説明する。なお、図2では、インターフェース18のうち、スイッチング素子Sw#の駆動信号伝達用のインターフェースの図示を省略している。
図示されるように、スイッチング素子Sw#は、フリーホイールダイオードDw#及び感温ダイオードTw#とともにパワーカードPCに収容されてパッケージ化されている。パワーカードPCは、これら素子を備えるスイッチングモジュールである。ここで、感温ダイオードTw#の検出値Vf(電圧降下量)は、スイッチング素子Sw#の温度Tfと負の相関を有している。ちなみに、本実施形態において、感温ダイオードTw#の検出値Vfは、スイッチング素子Sw#の温度の1次式となっている。また、感温ダイオードTw#は、自身における電圧降下量に基づきスイッチング素子Sw#の温度を検出する第1の温度検出手段に相当する。
スイッチング素子Sw#の開閉制御端子(ゲート)は、集積回路20に接続されている。集積回路20は、スイッチング素子Sw#の駆動回路を構成する専用の半導体装置であり、駆動制御部22を備えている。駆動制御部22は、制御装置14から伝達された駆動信号に基づきスイッチング素子Sw#をオンオフ操作したり、ローカルシャットダウン処理を行ったりする。ここで、ローカルシャットダウン処理は、感温ダイオードTw#の検出値Vf(補正回路34の出力値Vcr)が規定電圧を下回る(スイッチング素子Sw#の温度が規定温度を上回る)と判断された場合、スイッチング素子Sw#が過熱状態であるとしてスイッチング素子Sw#の駆動を禁止する処理である。ここで、上記規定温度は、例えば、スイッチング素子Sw#の信頼性が短時間に大きく低下するスイッチング素子Sw#の温度の下限値であり、上記規定電圧は、スイッチング素子Sw#の温度が規定温度となる場合の感温ダイオードTw#の検出値Vfに設定されている。ローカルシャットダウン処理によれば、スイッチング素子Sw#を迅速にオフ状態とさせることができ、スイッチング素子Sw#の過熱によってスイッチング素子Sw#の信頼性が大きく低下する事態を回避できる。
ちなみに、集積回路20は、インバータIVに備えられる6つのスイッチング素子Sw#のそれぞれに対応して備えられている。また、パワーカードPCは、図3に示すように、ケルビンエミッタ電極KE、センス端子SE、スイッチング素子Sw#のゲートG、感温ダイオードTw#のアノードA及びカソードKの各端子が、集積回路20等の実装された制御基板24の接続部に挿入され接続されている。ここで、ケルビンエミッタ電極KEとは、スイッチング素子Sw#の出力端子(エミッタ)と同電位の電極であり、センス端子SEとは、スイッチング素子Sw#の入力端子(コレクタ)及びエミッタ間を流れる電流(コレクタ電流)と相関を有する微小電流を出力するための端子である。
先の図2の説明に戻り、集積回路20は、更に、感温ダイオードTw#の検出値Vfを2値のパルス信号に変調する機能をも有する。詳しくは、集積回路20は、電源26、この電源26を電力供給源とする定電流電源28及びPWMコンパレータ30等を備えている。
定電流電源28の出力側は、感温ダイオードTw#のアノードに接続されており、感温ダイオードTw#のカソードは、接地されている。なお、本実施形態では、接地部位の電位を「0」としている。
感温ダイオードTw#のアノードは、さらに、抵抗体32及び補正回路34を介してPWMコンパレータ30の非反転入力端子に接続されている。PWMコンパレータ30の反転入力端子は、キャリア(三角波信号tc)を出力するキャリア生成回路36に接続されている。なお、本実施形態において、PWMコンパレータ30及びキャリア生成回路36が変調手段を構成する。また、抵抗体32は、例えば、補正回路34へのノイズの伝達を抑制する機能を有する。さらに、補正回路34は、感温ダイオードTw#の検出値Vfを補正するものである。補正回路34については後に詳述する。
PWMコンパレータ30では、補正回路34の出力値Vcrと上記三角波信号tcとの大小比較により、補正回路34の出力値Vcrをパルス幅変調する。これにより、PWMコンパレータ30の出力値は、感温ダイオードTw#の検出値Vfに応じて、論理「H」及び論理「L」の1周期に対する論理「H」の期間の比率(時比率Duty)が変化する信号となる。
ここで、感温ダイオードTw#の検出値Vfとスイッチング素子Sw#の温度Tfとは負の相関を有することから、PWMコンパレータ30の出力値の特性値である時比率Dutyは、上記検出値Vfが大きくなるほど高くなる。すなわち、スイッチング素子Sw#の温度Tfが高くなるほど、上記時比率Dutyは低くなる。
パワーカードPCと上記制御基板との接続部付近であってかつ制御基板上には、サーミスタ38が実装されている。サーミスタ38の一端は、端子電圧VHを有する電源40に接続され、他端は、抵抗体42を介して感温ダイオードTw#と同一の接地部位(グランド)に接続されている。サーミスタ38は、その温度が高くなるほど自身の抵抗値が小さくなる特性を有する。このため、スイッチング素子Sw#の温度Tfが高くなるほど、サーミスタ38及び抵抗体42の接続点の電位(以下、サーミスタ38の検出値Vs)が高くなる。すなわち、サーミスタ38の検出値Vsは、スイッチング素子Sw#の温度Tfと正の相関を有する。なお、サーミスタ38の検出値Vsは、補正回路34に入力される。また、本実施形態において、サーミスタ38としては、例えばNTCサーミスタを用いればよい。
PWMコンパレータ30の出力端子は、インターフェース18を構成するフォトカプラ44の1次側(フォトダイオード)に接続されている。
一方、フォトカプラ44の2次側には、上記制御装置14が接続されている。制御装置14は、ソフトウェア処理によってPWMコンパレータ30から出力されるアナログデータをデジタルデータに変換し、変換されたデジタルデータに基づきスイッチング素子Sw#の温度を検出する温度検出処理を行う。詳しくは、制御装置14は、PWMコンパレータ30から出力されるパルス信号の時比率Dutyが低いほど、スイッチング素子Sw#の温度検出値を高く算出する。なお、上記温度検出処理は、具体的には例えば、上記時比率Dutyを入力として、感温ダイオードTw#の検出値Vfがその中央特性値Vftypとなる場合の上記時比率Duty及び温度検出値が関係付けられたマップを用いて行われる。ここで、上記中央特性値Vftypとは、スイッチング素子Sw#の温度Tfが所定温度となる場合において、量産された複数の感温ダイオードの検出値の平均値のことである。
制御装置14は、さらに、上記温度検出値が上記規定温度よりも低い閾値温度以上になったと判断した場合、トルク指令値Tr*を制限するパワーセーブ処理を行う。この処理によれば、コレクタ電流を制限することができ、スイッチング素子Sw#を過熱から保護することができる。
なお、PWMコンパレータ30、キャリア生成回路36及びPWMコンパレータ30に接続されたインターフェース18は、部品数の低減を図るべく、実際には、インバータIVに備えられる6つのスイッチング素子Sw#のうちいずれか1つのみに対応して備えられている。具体的には、これら6つのスイッチング素子Sw#のうち温度が最も高くなると想定されるものに対応したもののみに備えられている。また、サーミスタ38も、インバータIVに備えられる6つのスイッチング素子Sw#のうちいずれか1つのみに対応して備えられている。
続いて、図4及び図5を用いて、パワーカードPCの制御基板24への接続手法及び制御基板24へのサーミスタ38の設置手法等について説明する。ここで、図4は、制御基板24の板面の正面図であり、図5は、制御基板24等の側面断面図である。詳しくは、図4は、図5のα方向から見た制御基板24の図である。
図4に示すように、制御基板24は、その板面の正面視において矩形状(長方形状)をなしている。制御基板24には、パワーカードPCを接続するための接続部sktがインバータIVを構成する6つのパワーカードPCのそれぞれに対応して設けられている。制御基板24の板面の正面視において、これら接続部sktのそれぞれは長方形状をなしており、これら接続部sktは、一列に並ぶように配置されている。また、制御基板24の板面の正面視において、これら接続部sktは、互いに離間して平行となるように設けられている。そして、接続部sktには、カソードK、アノードA、ゲートG、センス端子SE及びケルビンエミッタ電極KEの順で一直線上に並ぶようにこれら端子等を取り付けるためのスルーホールが形成されている。ちなみに、パワーカードPCの各端子は、ハンダ付けによって接続部sktに接続されている。すなわち、スイッチング素子Sw#、感温ダイオードTw#、サーミスタ38及び集積回路20は、同一の制御基板24に実装されている。
サーミスタ38は、制御基板24の板面のうち、接続部skt付近に設置されており、本実施形態では、対向する接続部sktに挟まれた領域に配置されている。サーミスタ38が接続部skt付近に設置されていることから、サーミスタ38は、制御基板24の板面のうち接続部sktのランド付近の温度を検出することとなる。ランドがパワーカードPCに近接していることから、サーミスタ38における電圧降下量に基づきスイッチング素子Sw#の温度を検出することができる。すなわち、サーミスタ38の温度検出対象をスイッチング素子Sw#とすることができる。
ちなみに、図5に示すように、パワーカードPCは、冷却器46によって冷却される。冷却器46は、自身に形成された流路に冷却流体を流通させることで、パワーカードPC等を冷却する機能を有する。
次に、本実施形態にかかる補正処理について説明する。
この処理は、補正回路34によって実行され、感温ダイオードTw#の検出値Vfに誤差Δvfが含まれ得ることに鑑みて実行される処理である。ここで、感温ダイオードTw#の検出値Vfに含まれる誤差Δvfとは、図6に示すように、感温ダイオードTw#の検出値Vfについて、実際の値Vαと中央特性値Vftypとの差「Vα−Vftyp」のことである。上記誤差Δvfは、感温ダイオードTw#の個体差等に起因して生じる。本実施形態では、誤差Δvfの取り得る範囲を「−a〜+a」(a>0)としている。また、誤差Δvfは、スイッチング素子Sw#の温度依存性がないものとする。すなわち、感温ダイオードTw#の検出値Vfに誤差Δvfが含まれる場合、感温ダイオードTw#の検出値Vfは、その中央特性値Vftypに対して誤差Δvfだけオフセットする。なお、上記誤差の取り得る範囲の高温側及び低温側の境界値「−a,+a」は、感温ダイオードTw#の仕様等に応じて定まる固定値であり、例えば、感温ダイオードTw#の耐用期間において保証される範囲である。
図7に、上記補正処理の手順を示す。この処理は、補正回路34によって例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、本実施形態にかかる補正回路34は、ハードウェアであるため、図7に示す処理は、実際にはロジック回路によって実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、スイッチング素子Sw#の駆動前(より詳しくは、スイッチング素子Sw#の駆動直前)であるか否かを判断する。すなわち、スイッチング素子Sw#にコレクタ電流が流れていないか否かを判断する。この処理は、サーミスタ38の設置箇所の温度と、感温ダイオードTw#の設置箇所の温度(スイッチング素子Sw#の温度Tf)とが同一であるか否かを判断するための処理である。つまり、スイッチング素子Sw#が駆動される前の状況は、スイッチング素子Sw#の駆動が前回停止されてから十分時間が経過していると考えられる状況である。このため、インバータIVを構成する各種部材が熱的に平衡状態となり、サーミスタ38の設置箇所の温度と、感温ダイオードTw#の設置箇所の温度とが同一である蓋然性が高い。
ステップS10において肯定判断された場合には、ステップS12に進み、サーミスタ38の検出値Vsが閾値Vth未満であるか否かを判断する。この処理は、サーミスタ38の設置箇所の温度が低温領域にあるか否かを判断するための処理であり、感温ダイオードTw#の検出値Vfの補正精度が低下することを回避するための処理である。以下、この処理について説明する。
本実施形態では、サーミスタ38の検出値Vsがスイッチング素子Sw#の温度Tfを正確に示す情報であるとして、感温ダイオードTw#の検出値Vfをサーミスタ38の検出値Vsに基づき補正する。ここで、サーミスタ38の検出値Vsがスイッチング素子Sw#の温度Tfを正確に示す情報であるのは、感温ダイオードTw#の検出値Vfの補正に用いられる上記検出値Vsに含まれる誤差Δvsの取り得る範囲「―b〜+b」が、感温ダイオードTw#の検出値Vfに含まれる誤差Δvfの取り得る範囲「−a〜+a」よりも狭いためである。すなわち、サーミスタ38の検出値Vsに含まれる誤差Δvsの取り得る範囲の境界値の絶対値「|b|」が、感温ダイオードTw#の検出値Vfに含まれる誤差Δvfの取り得る範囲の境界値の絶対値「|a|」よりも小さいためである。ここで、図8に示すように、サーミスタ38の抵抗値Rのばらつきは、サーミスタ38の設置箇所の温度が低くなるほど大きくなる。このため、サーミスタ38の検出値Vsに含まれる誤差Δvsの取り得る範囲「−b〜+b」は、サーミスタ38の設置箇所の温度が低いほど広くなる。したがって、サーミスタ38が低温状態とされる状況下においては、サーミスタ38の検出値Vsの信頼性が大きく低下し、サーミスタ38の検出値Vsに基づく感温ダイオードTw#の検出値Vfの補正精度が大きく低下するおそれがある。こうした問題を回避すべく、本ステップの処理を行う。
なお、上記閾値Vthは、具体的には例えば、サーミスタ38の検出値Vsに含まれる誤差Δvsが高温側の境界値「b」となるサーミスタ38を用いた場合において、サーミスタ38の設置箇所の実際の温度が規定温度(例えば0℃)となるときのサーミスタ38の検出値Vsに設定すればよい。
先の図7の説明に戻り、ステップS12において肯定判断された場合には、サーミスタ38の設置箇所の温度が低温領域にあると判断し、ステップS13に進む。ステップS13では、補正処理を禁止する処理を行う。具体的には、上記禁止する処理を、後述するステップS18における補正値Δcorの算出を禁止することで行う。
一方、上記ステップS12において否定判断された場合には、サーミスタ38の設置箇所の温度が低温領域にないと判断し、ステップS14に進む。ステップS14では、感温ダイオードTw#の検出値Vf及びサーミスタ38の検出値Vsを取得する。
続くステップS16では、サーミスタ38の検出値Vsに基づき、感温ダイオードTw#の検出値の中央特性値Vftypを算出する。ここで、サーミスタ38の検出値Vsに基づき上記中央特性値Vftypが算出可能なのは、サーミスタ38の検出値Vsがスイッチング素子Sw#の温度Tfを正確に示す情報であることから、サーミスタ38の検出値Vs及び感温ダイオードTw#の検出値の中央特性値Vftypを関係付けることが可能であることによる。ちなみに、感温ダイオードTw#の検出値の中央特性値Vftypは、具体的には例えば、サーミスタ38の検出値Vsを入力として、サーミスタ38の検出値Vs及び感温ダイオードTw#の検出値の中央特性値Vftypが関係付けられたマップを用いて算出すればよい。
続くステップS18では、上記ステップS16の処理で算出された感温ダイオードTwの検出値の中央特性値Vftypを上記ステップS14の処理で取得された感温ダイオードTw#の検出値Vfで減算した値として補正値Δcorを算出する。そして、集積回路20に備えられる記憶手段(例えば不揮発性メモリ)に算出された補正値Δcorを記憶させることで補正値Δcorを更新する。
一方、上記ステップS10において否定判断された場合には、スイッチング素子Sw#が駆動されていると判断し、ステップS20に進む。ステップS20では、感温ダイオードTw#の検出値Vfに補正値Δcorを加算することで上記検出値Vfを補正する。
なお、ステップS13、S18、S20の処理が完了した場合には、この一連の処理を一旦終了する。
ちなみに、上記ステップS12において肯定判断されて補正値Δcorが更新されなかった場合、その後スイッチング素子Sw#が駆動されたときに、前回更新された補正値Δcorを用いて感温ダイオードTw#の検出値Vfを補正すればよい。
図9に、補正値Δcorの更新時期の一例を示す。詳しくは、図9(a)は、低電圧バッテリ16から車載機器への給電の有無の推移を示し、図9(b)は、制御装置14からスイッチング素子Sw#に対して出力される駆動信号の推移を示し、図9(c)は、インターフェース18を介して制御装置14に入力されるPWMコンパレータ30の出力信号の推移を示す。
図示される例では、時刻t1において車両の制御システムが起動され、低電圧バッテリ16から各種車載機器に給電が開始される。そしてその後、制御装置14にトルク指令値Tr*が入力される時刻t2以前の所定のタイミングにおいて補正値Δcorが更新される。
そして、時刻t2において、制御装置14からスイッチング素子に対して駆動信号が出力されることで、スイッチング素子Sw#の駆動が開始され、また、補正回路34において感温ダイオードTw#の検出値Vfが補正される。そして、インターフェース18を介してPWMコンパレータ30の出力信号が制御装置14に入力され始める。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)サーミスタ38の検出値Vsに基づき感温ダイオードTw#の検出値Vfを補正する補正処理を行った。このため、スイッチング素子Sw#の温度検出精度の低下を好適に抑制することができる。また、上記補正処理によれば、製品の出荷後においても感温ダイオードTw#の検出値Vfを補正することができる。このため、例えば、上記特許文献1に記載された技術と比較して、市場において何らかの要因で制御システムに不具合が生じ、車両のディーラーで制御基板24が交換される事態が生じる場合であっても、上記検出値Vfを補正することもできる。これにより、制御基板24の交換性の向上が期待できる。
さらに、スイッチング素子Sw#の駆動前に自動的に補正値Δcorを更新するため、例えば、製品の製造工程において、製品個別に感温ダイオードTw#の検出値の補正を行う工程を廃止することなども期待できる。
(2)感温ダイオードTw#及びサーミスタ38を同一の制御基板24に実装した。このため、サーミスタ38に代えて、例えば、スイッチング素子Sw#の温度を検出可能であってかつ制御基板24に実装されない温度センサ(例えば、冷却器46を流れる冷却流体の温度を検出するセンサ)を補正処理に用いる構成と比較して、温度センサの検出値を補正回路34に伝達するための部材数を抑制することができる。これにより、補正処理を実行可能とすることに伴う回路規模の増大を抑制することができる。
(3)制御基板24上の接続部skt付近にサーミスタ38を設置した。接続部skt付近とスイッチング素子Sw#とは近接していることから、サーミスタ38の設置箇所の温度とスイッチング素子Sw#の温度とが略同一となる。すなわち、サーミスタ38によってスイッチング素子Sw#の温度を適切に検出することができる。
(4)サーミスタ38の検出値Vfが閾値Vth未満であると判断された場合、上記検出値Vfの補正を禁止した。このため、感温ダイオードTw#の検出値Vfの補正精度が大きく低下することを回避できる。
(5)感温ダイオードTw#及びサーミスタ38が接続されるグランドを同一とした。こうした構成によれば、例えば、サーミスタ38が接続されるグランドを低電圧システムのグランドとする構成と比較して、スイッチング素子Sw#の温度検出回路の複雑化を回避しつつ、集積回路20内に感温ダイオードTw#の検出値Vfを補正する手段(補正回路34)を備えることができる。このため、集積回路20において感温ダイオードTw#の検出値Vfの補正を完結することができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、制御基板24におけるサーミスタ38の設置位置を変更する。
図10に、サーミスタ38の設置位置を示す。なお、図10は、先の図4に対応している。
本実施形態では、サーミスタ38を、制御基板24の板面の正面視において、制御基板24の板面のうち接続部sktを通ってかつ接続部sktと平行な直線上に設置する。こうした設置手法によれば、例えば、制御基板24の板面のうち対向する接続部sktに挟まれた領域にサーミスタ38を設置する手法と比較して、パワーカードPCから放出される熱の影響をサーミスタ38が受けにくい。このため、先の図7のステップS10において肯定判断される状況下におけるサーミスタ38の設置箇所の温度と感温ダイオードTw#の設置箇所の温度とが同一である蓋然性をより高くできる。これにより、感温ダイオードTw#の検出値Vfの補正精度を好適に高めることができる。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、サーミスタ38による温度検出に関する異常を検出する異常検出処理を行う。ここで、上記異常には、サーミスタ38のショート故障、サーミスタ38のオープン故障、電源40からサーミスタ38を介して接地部位に至る電気経路(サーミスタ38及び抵抗体42を除く)の断線、抵抗体42のショート故障及び抵抗体42のオープン故障のうち少なくとも1つが含まれる。
図11に、上記異常検出処理の手順を示す。この処理は、補正回路34によって例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、本実施形態にかかる補正回路34は、ハードウェアであるため、図11に示す処理は、実際にはロジック回路によって実行される。
この一連の処理では、まずステップS22において、サーミスタ38の検出値Vsが「0」よりも高くてかつ電源40の端子電圧VHよりも低いか否かを判断する。この処理は、サーミスタ38による温度検出に関する異常が生じているか否かを判断するための処理である。つまり、上記電気経路のうちサーミスタ38及び抵抗体42の接続点よりも電源40側の断線や、サーミスタ38のオープン故障、更には抵抗体42のショート故障が生じると、サーミスタ38の検出値Vsは、温度検出回路の正常時に取り得ない値である「0」となる。一方、サーミスタ38のショート故障や抵抗体42のオープン故障が生じると、サーミスタ38の検出値Vsは、温度検出回路の正常時に取り得ない値である上記端子電圧「VH」となる。このため、本ステップの処理によって上記異常の有無が判断可能となる。
ステップS22において否定判断された場合には、サーミスタ38による温度検出に関する異常が生じている旨判断し、ステップS24に進む。ステップS24では、感温ダイオードTw#の検出値Vfに含まれる誤差Δvfの取り得る範囲のうち高温側の境界値「−a」を感温ダイオードTw#の検出値Vfに加えることで感温ダイオードTw#の検出値Vfを補正する。この処理は、補正値Δcorの算出が不可能な状況下におけるフェールセーフのために設けられる。
なお、上記ステップS22において肯定判断された場合や、ステップS24の処理が完了した場合には、この一連の処理を一旦終了する。
以上説明した本実施形態によれば、サーミスタ38による温度検出に関する異常が生じた場合であっても、スイッチング素子Sw#の温度が実際には高いにもかかわらず、これが過小評価されることを回避できる。
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
上記第1の実施形態では、感温ダイオードTw#の検出値Vfに含まれる誤差Δvfとして温度依存性を有しないものを想定した。本実施形態では、図12に示すように、上記誤差Δvfとして温度依存性を有するものを想定している。詳しくは、誤差Δvfは、スイッチング素子Sw#の温度Tfの1次式となっている。なお、図12に示す感温ダイオードTw#の実際の検出値Vαは、あくまでも一例である。
図13に、本実施形態にかかる補正処理の手順を示す。この処理は、補正回路34によって例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、本実施形態にかかる補正回路34は、ハードウェアであるため、図13に示す処理は、実際にはロジック回路によって実行される。また、図13において、先の図7に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、ステップS12において否定判断された場合には、ステップS26に進み、スイッチング素子Sw#の駆動停止直後であるか否かを判断する。そして、ステップS26において肯定判断された場合には、ステップS28に進み、ステップS26において肯定判断されたタイミングからの経過時間が規定時間TAとなるまで待機する。
続くステップS30では、上記規定時間TAが経過したタイミングにおける感温ダイオードTw#の検出値Vf1及びサーミスタ38の検出値Vs1を取得する。そして、取得されたこれら検出値Vf1,Vs1をメモリに記憶させることでこれら検出値Vf1,Vs1を更新する。ここで、上記規定時間TAは、図14に示すように、パワーカードPCの温度Tpc及びサーミスタ38の温度Tswが同一になる時間(固定時間)に設定されている。なお、図14は、スイッチング素子Sw#の駆動停止後のパワーカード等の温度推移を示す図である。
先の図13の説明に戻り、続くステップS32では、更新されたサーミスタ38の検出値Vs1に基づき、感温ダイオードTw#の検出値の中央特性値Vftyp1を算出する。そして、算出された中央特性値Vftyp1をメモリに記憶させることで上記中央特性値Vftyp1を更新する。なお、更新されたサーミスタ38の検出値Vs1に基づき感温ダイオードTw#の検出値の中央特性値Vftyp1を算出可能な理由は、先の図7のステップS16の処理で説明した理由と同様である。
一方、上記ステップS26において否定判断された場合には、ステップS10に進む。そして、ステップS10においてスイッチング素子Sw#の駆動前であると判断された場合には、ステップS34に進む。ステップS34では、スイッチング素子Sw#の駆動直前における感温ダイオードTw#の検出値Vf2及びサーミスタ38の検出値Vs2を取得する。そして、取得されたこれら検出値Vf2,Vs2をメモリに記憶させることでこれら検出値Vf2,Vs2を更新する。なお、本ステップにおいて取得された上記検出値Vf2,Vs2は、先の図14に示すように、スイッチング素子Sw#の駆動が前回停止されてから十分に時間が経過し、パワーカードPC及びサーミスタ38の設置箇所が熱的に平衡状態となっている状況(時刻t3にて例示)の検出値である。
先の図13の説明に戻り、続くステップS36では、更新されたサーミスタ38の検出値Vs2に基づき感温ダイオードTw#の検出値の中央特性値Vftyp2を算出する。なお、更新されたサーミスタ38の検出値Vs2に基づき感温ダイオードTw#の検出値の中央特性値Vftyp2を算出可能な理由は、先の図7のステップS16の処理で説明した理由と同様である。
ステップS32、S36の処理が完了した場合、ステップS38に進み、上記ステップS32、S36の処理で更新されたデータVf1,Vf2,Vftyp1,Vftyp2に基づき、補正値Δcorを算出し、更新する。本実施形態では、上述したように、感温ダイオードTw#の検出値Vfに含まれる誤差Δvfがスイッチング素子Sw#の温度Tfの1次式であることから、相違する一対のスイッチング素子Sw#の温度Tfに対応するこれらデータVf1,Vf2,Vftyp1,Vftyp2に基づき、補正値Δcorを感温ダイオードTw#の検出値Vfの1次式として算出する。
ステップS13の処理が完了した場合や、上記ステップS10において否定判断された場合には、ステップS20aに進み、感温ダイオードTw#の検出値Vfに基づき補正値Δcorを算出する。そして、算出された補正値Δcorを感温ダイオードTw#の検出値Vfに加算することで上記検出値Vfを補正する。
なお、ステップS20a、S38の処理が完了した場合には、この一連の処理を一旦終了する。
以上説明した本実施形態によれば、感温ダイオードTw#の検出値Vfに含まれる誤差Δvfが温度依存性を有する場合であっても、感温ダイオードTw#の検出値Vfを適切に補正することができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・パワーカードPC及び制御基板24の接続手法としては、上記第1の実施形態の図3に示した手法に限らない。例えば、図15に示すように、制御基板24とパワーカードPCの端子との接続をコネクタ48を介して行ってもよい。ここで、コネクタ48は、図中、左側に拡大図にて示すように、導体48aを備え、導体48aがパワーカードPCの端子(図では、カソードKを例示)との接触面の法線方向に力Fを及ぼすものである。こうした構成によれば、ハンダを用いることなくパワーカードPCの端子と制御基板24とを接続することができる。これにより、制御基板24等に経年劣化が生じる場合における制御基板24の交換性を高めるとともに、パワーカードPCの交換を回避することができる。
・温度検出処理で用いられる「特性情報」としては、パルス信号の時比率Duty及び温度検出値が関係付けられたマップに限らず、上記時比率Dutyを独立変数としてかつ温度検出値を従属変数とする数式であってもよい。
・「変調手段」において用いられるキャリアとしては、三角波信号に限らず、例えばのこぎり波信号であってもよい。
また、「変調手段」としては、感温ダイオードの検出値をパルス幅変調するものに限らず、例えば、上記検出値を、スイッチング素子の温度が高いほど周波数が高いパルス信号として出力する周波数変調回路を備えるものであってもよい(特開2009−171312号公報参照)。この場合、例えば、上記第1の実施形態において、周波数変調回路から出力されたパルス信号がインターフェース18を介して制御装置14に伝達されることとなる。そして、制御装置14は、パルス信号の特性値であるパルス幅が短いほど、スイッチング素子の温度検出値を高く算出する。ここでは、特性情報として、パルス信号のパルス幅及び温度検出値が関係付けられたマップが用いられる。こうした構成を採用する場合であっても、制御基板24の交換等によってスイッチング素子Sw#の温度検出精度が低下するおそれがあることから、本願発明の適用が有効である。
・上記第4の実施形態において、感温ダイオードTw#の検出値Vfに含まれる誤差Δvfがスイッチング素子Sw#の温度Tfの2次式であってもよい。この場合、例えば、サーミスタ38の設置箇所及び感温ダイオードTw#の設置箇所の温度が同一であることを条件として、互いに相違する3つの上記設置箇所の温度に対応するサーミスタ38の検出値Vs及び感温ダイオードTw#の検出値Vfに基づき、補正値Δcorを算出してもよい。
・上記第1の実施形態では、感温ダイオードTw#の検出値Vfに含まれる誤差Δvfの取り得る範囲のうち高温側の境界値及び低温側の境界値のそれぞれの絶対値同士が同一「a」となる感温ダイオードを採用したがこれに限らず、上記絶対値同士が相違する感温ダイオードを採用してもよい。なお、サーミスタ38についても同様である。
・上記第1の実施形態において、インバータIVに備えられる6つのスイッチング素子Sw#のそれぞれに対応してPWMコンパレータ30、キャリア生成回路36及びPWMコンパレータ30に接続されたインターフェース18が備えられていてもよい。この場合、制御装置14における温度検出処理によって6つのスイッチング素子Sw#のそれぞれの温度検出値が算出されることとなる。
・上記第1の実施形態において、スイッチング素子Sw#の駆動が停止されてから上記規定時間TA経過したと判断された場合に補正値Δcorを算出してもよい。
・「低温判断手段」としては、上記第1の実施形態に例示したものに限らない。例えば、先の図7のステップS12において、サーミスタ38の検出値Vsに代えて、感温ダイオードTw#の検出値Vfを用いてもよい。
・補正処理の実行主体としては、補正回路34に限らず、例えば、制御装置14であってもよい。この場合、補正回路34を除去してかつ抵抗体32の一端をPWMコンパレータ30の非反転入力端子に接続し、また、サーミスタ38の検出値を制御装置14に伝達させる構成(例えば、フォトカプラを備えるインターフェース)を追加すればよい。こうした構成において、制御装置14によって、サーミスタ38の検出値に基づき算出されたスイッチング素子Sw#の温度と上記温度検出処理によって算出された温度検出値との差を算出し、算出された上記差に基づき温度検出処理で算出された温度検出値を補正すればよい。
・上記第2の実施形態では、制御基板24の板面の正面視において、接続部sktを1行6列にて配置したがこれに限らない。例えば、制御基板24の板面の正面視において、接続部sktを2行3列にて配置してもよい。
・上記各実施形態では、サーミスタを、スイッチング素子Sw#の温度を検出する専用のものとしたがこれに限らず、スイッチング素子Sw#以外の部材を温度検出対象とするものであってもよい。ここでは、サーミスタがスイッチング素子Sw#付近に設置されることを要しない。この場合であっても、スイッチング素子Sw#の駆動前においてサーミスタの設置箇所とスイッチング素子Sw#の温度とが同一であると考えられることから、サーミスタの検出値に基づき補正値Δcorを算出することができる。
また、サーミスタとしては、1つに限らず、複数であってもよい。この場合、例えば、上記第1の実施形態の図7のステップS16において、複数のサーミスタの検出値の平均値に基づき感温ダイオードTw#の検出値の中央特性値Vftypを算出してもよい。上記平均値は、サーミスタの単一の検出値と比較して上記中央特性値Vstypに近い蓋然性が高くなることから、補正値Δcorの算出精度の向上が期待できる。
・「第1の温度検出手段」としては、温度検出対象の温度が高いほど、その検出値が小さくなるものに限らず、大きくなるものであってもよい。この場合、上記第3の実施形態の図11のステップS24において、補正に用いられる上記高温側の境界値は「a」となる。
また、「第1の温度検出手段」としては感温ダイオードに限らず、また、「第2の温度検出手段」としてはサーミスタに限らない。要は、第2の温度検出手段の検出値に含まれる誤差の取り得る範囲が第1の温度検出手段の検出値に含まれる誤差の取り得る範囲よりも狭いならば、第1,第2の温度検出手段として他の温度検出手段を採用してもよい。
・感温ダイオードTw#及びサーミスタ38が接続されるグランドとしては、同一のものに限らない。例えば、感温ダイオードTw#を高電圧システムのグランドに接続してかつ、サーミスタ38を低電圧システムのグランドに接続してもよい。この場合、集積回路20から補正回路34を除去してかつ、サーミスタ38の検出値を制御装置14に直接取り込む構成などを採用すれば、制御装置14において補正処理を行うことはできる。
・インターフェース18としては、フォトカプラ等の光絶縁素子を備えるものに限らず、例えば、磁気絶縁素子(例えばパルストランス)を備えるものであってもよい。
・「第1の領域」及び「第2の領域」としては、上記第1の実施形態に例示したものに限らない。例えば、低電圧システムにおける何らかの温度情報を低電圧システム側から高電圧システム側へと伝達する必要があるなら、低電圧システムを第1の領域とし、高電圧システムを第2の領域としてもよい。
・「所定の温度検出対象」であるスイッチング素子としては、IGBTに限らず、例えばパワーMOS型電界効果トランジスタであってもよい。また、「所定の温度検出対象」としては、インバータIVに備えられるスイッチング素子に限らず、さらに、スイッチング素子に限らない。
34…補正回路、38…サーミスタ、Sw#(#=p,n)…スイッチング素子、Tw#…感温ダイオード。

Claims (9)

  1. 所定の温度検出対象(Sw#:#=p,n)の温度を検出する第1の温度検出手段(Tw#)と、
    前記温度検出対象の温度を検出する第2の温度検出手段(38)と、
    を備え、
    前記第2の温度検出手段の検出値(Vs)に含まれる誤差(Δvs)の取り得る範囲(−b〜+b)は、前記第1の温度検出手段の検出値(Vf)に含まれる誤差(Δvf)の取り得る範囲(−a〜+a)よりも狭く、
    前記第1の温度検出手段の設置箇所の温度及び前記第2の温度検出手段の設置箇所の温度が同一であると想定される状況下の前記第2の温度検出手段の検出値に基づき、前記第1の温度検出手段の検出値を補正する補正手段(34)を備えることを特徴とする温度検出装置。
  2. 前記第1の温度検出手段及び前記第2の温度検出手段は、同一の基板(24)に実装されていることを特徴とする請求項1記載の温度検出装置。
  3. 前記第2の温度検出手段は、前記温度検出対象付近に設置されていることを特徴とする請求項2記載の温度検出装置。
  4. 前記第1の温度検出手段及び前記第2の温度検出手段のそれぞれは、同一のグランドに接続されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の温度検出装置。
  5. 前記第2の温度検出手段の検出値に含まれる誤差の取り得る範囲は、該第2の温度検出手段の設置箇所の温度が低いほど広くなり、
    前記第2の温度検出手段の設置箇所の温度が低温領域にあるか否かを判断する低温判断手段と、
    前記低温判断手段によって低温領域にあると判断されたことに基づき、前記補正手段による補正を禁止する禁止手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の温度検出装置。
  6. 前記第2の温度検出手段による温度検出に関する異常が生じているか否かを判断する異常判断手段を更に備え、
    前記補正手段は、前記異常判断手段によって異常が生じている旨判断されたことに基づき、前記第1の温度検出手段の検出値に含まれる誤差の取り得る範囲のうち高温側の境界値(−a)を用いて該第1の温度検出手段の検出値を補正することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の温度検出装置。
  7. 前記温度検出対象、前記第1の温度検出手段、前記第2の温度検出手段及び前記補正手段は、第1の領域に備えられ、
    前記第1の領域に備えられてかつ前記第1の温度検出手段の検出値をパルス信号に変調して出力する変調手段(30、36)と、
    前記第1の領域とは電気的に絶縁された第2の領域に備えられてかつ、前記変調手段の出力値と、該変調手段の出力値の特性値及び前記温度検出対象の温度が関係付けられた特性情報とに基づき、該温度検出対象の温度を算出する算出手段(14)と、
    を更に備え、
    前記補正手段は、前記変調手段に入力される前記第1の温度検出手段の検出値を補正することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の温度検出装置。
  8. 前記温度検出対象は、スイッチング素子(Sw#)であり、
    前記スイッチング素子及び前記第1の温度検出手段は、スイッチングモジュール(PC)を構成し、
    前記スイッチングモジュールは、その接続端子(K、A、G、SE、KE)によって基板(24)上に設けられた接続部(skt)に接続され、
    前記接続部は、前記基板の板面の平面視において、矩形状をなしてかつ、互いに離間して平行に配置されており、
    前記第2の温度検出手段は、前記基板の板面のうち対向する前記接続部によって挟まれた領域以外の領域に設置されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の温度検出装置。
  9. 前記第2の温度検出手段は、前記基板の板面のうち前記接続部を通ってかつ該接続部と平行な直線上に設置されていることを特徴とする請求項8記載の温度検出装置。
JP2012168055A 2012-07-30 2012-07-30 温度検出装置 Active JP5861590B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012168055A JP5861590B2 (ja) 2012-07-30 2012-07-30 温度検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012168055A JP5861590B2 (ja) 2012-07-30 2012-07-30 温度検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014025867A true JP2014025867A (ja) 2014-02-06
JP5861590B2 JP5861590B2 (ja) 2016-02-16

Family

ID=50199641

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012168055A Active JP5861590B2 (ja) 2012-07-30 2012-07-30 温度検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5861590B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016142717A (ja) * 2015-02-05 2016-08-08 株式会社デンソー 温度補正回路および感温素子の検出温度補正方法
CN105938022A (zh) * 2015-03-05 2016-09-14 瑞萨电子株式会社 电子装置
US10247625B2 (en) 2016-04-26 2019-04-02 Lsis Co., Ltd. Apparatus for correcting of temperature measurement signal

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001188547A (ja) * 1999-11-19 2001-07-10 Heraeus Electro Nite Internatl Nv 温度センサの較正方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001188547A (ja) * 1999-11-19 2001-07-10 Heraeus Electro Nite Internatl Nv 温度センサの較正方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016142717A (ja) * 2015-02-05 2016-08-08 株式会社デンソー 温度補正回路および感温素子の検出温度補正方法
CN105938022A (zh) * 2015-03-05 2016-09-14 瑞萨电子株式会社 电子装置
US10247625B2 (en) 2016-04-26 2019-04-02 Lsis Co., Ltd. Apparatus for correcting of temperature measurement signal

Also Published As

Publication number Publication date
JP5861590B2 (ja) 2016-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5655824B2 (ja) 温度検出装置
AU2012258584B2 (en) In-circuit temperature measurement of light-emitting diodes
CN103149407B (zh) 电路装置
US8360636B2 (en) Temperature detection and reporting system and method in power driving and/or consuming system
US10859624B2 (en) Semiconductor device, electronic control unit and vehicle apparatus
KR102388147B1 (ko) Igbt 온도 센서 보정 장치 및 이를 이용한 온도센싱 보정 방법
US20150063417A1 (en) Temperature sensing circuit for igbt module
JP5861590B2 (ja) 温度検出装置
US8947842B2 (en) Temperature evaluation circuit
RU2697050C1 (ru) Способ обнаружения отклонения температуры для устройства преобразования энергии и устройство обнаружения отклонения температуры для устройства преобразования энергии
US10948360B2 (en) Switching element having temperature monitoring and method for temperature monitoring
JP6557136B2 (ja) 電子装置
JP5776636B2 (ja) 温度検出装置
US11175189B2 (en) Electronics device
EP3419171A1 (en) Method and apparatus for monitoring a semiconductor switch
JP2014163679A (ja) 温度推定装置および半導体装置
JP3533518B2 (ja) ドライバicモジュール
US11476793B2 (en) Motor drive system with correction function of temperature deviation of IGBT module
JP2016116411A (ja) 半導体装置の異常検出方法
JP2007221908A (ja) 電動機制御装置
US20230327541A1 (en) Power converter
JP2011151266A (ja) 半導体装置
CN116359779A (zh) 用于检测逆变器模块内早期劣化的方法
JP5949584B2 (ja) スイッチング素子の駆動装置
JP2009250663A (ja) 温度検出回路

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141119

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150903

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150908

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151102

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151207

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5861590

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250