JP2014025863A - 炎症性動脈瘤の診断方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】新しい病態マーカーとして、被験者由来の体液中の、細胞外マトリックス分子であるテネイシンCを測定するステップを備える方法。測定は、少なくとも1つのテネイシンCと特異的に結合する抗体に被験者由来の体液を接触させるステップを有し、被験者由来の体液中のテネイシンCの前記抗体への結合を検出することによる。
【選択図】なし
Description
小児川崎病等血管炎に対して免疫グロブリン治療が行われるが、免疫グロブリン不応性例や、免疫グロブリンに反応しても動脈瘤が形成される症例が存在し、いったん動脈瘤が形成されると、根治療法はないため、初回治療導入時に、免疫グロブリン不応性および動脈瘤形成を予知し、適切な治療法を選択するための診断法が必要であるが、現在のところ存在していない。
(1) 炎症性動脈瘤形成症候群を診断するための情報を得る方法、又は炎症性動脈瘤形成症候群を診断する方法であって、被験者由来の体液中のTnCを測定するステップを備える方法。
(2) 炎症性動脈瘤形成症候群を診断するための情報を得る方法であって:
(a)被験者由来の体液中のTnCを測定するステップ;及び、
(b)TnCのレベルが高い場合、該被験者が炎症性動脈瘤形成症候群を発症していると評価することに基づき情報を得るステップを備える、請求項1に記載の方法、あるいは、
炎症性動脈瘤形成症候群を診断する方法であって:
(a)被験者由来の体液中のTnCを測定するステップ;及び、
(b)TnCのレベルが高い場合、該被験者が炎症性動脈瘤形成症候群を発症していると診断するステップを備える、(1)に記載の方法。
(3) 炎症性動脈瘤形成症候群を診断するための情報を得る方法であって、以下のステップを備える方法:
(a)少なくとも1つのTnCと特異的に結合する抗体に被験者由来の体液を接触させるステップ;
(b)被験者由来の体液中のTnCの前記抗体への結合を検出して被験者由来の体液中のTnCを測定するステップ;
(c)被験者由来の体液中のTnCのレベルから被験者の炎症性動脈瘤形成症候群発症に関する情報を得るステップ、
ここで、TnCレベルが高いことは、被験者が炎症性動脈瘤形成症候群を発症していることを示す方法、あるいは、
炎症性動脈瘤形成症候群を診断する方法であって、以下のステップを備える方法:
(a)少なくとも1つのTnCと特異的に結合する抗体に被験者由来の体液を接触させるステップ;
(b)被験者由来の体液中のTnCの前記抗体への結合を検出して被験者由来の体液中のTnCを測定するステップ;
(c)被験者由来の体液中のTnCのレベルから被験者の炎症性動脈瘤形成症候群発症を診断するステップ、
ここで、TnCレベルが高いことは、被験者が炎症性動脈瘤形成症候群を発症していることを示す方法。
(4) 患者由来の体液が、血液、血漿、血清、又は尿である、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の方法。
(5) TnCと特異的に結合する抗体を含有する、炎症性動脈瘤形成症候群の診断薬。
(6)TnCと特異的に結合する抗体を含有する、炎症性動脈瘤形成症候群の診断用キット。
(7) 炎症性動脈瘤形成症候群患者の大量免疫グロブリン療法への反応性を予測する方法であって、該患者由来の体液中のTnCを測定するステップを備える方法。
(8) 炎症性動脈瘤形成症候群患者の大量免疫グロブリン療法への反応性を予測する方法であって:
(a)被験者由来の体液中のTnCを測定するステップ;及び、
(b)TnCのレベルが高い場合、該被験者が大量免疫グロブリン療法に不応であると予測するステップを備える、(7)に記載の方法。
(9) 炎症性動脈瘤形成症候群患者の大量免疫グロブリン療法への反応性を予測する方法であって:
(a)被験者由来の体液中のTnCを測定するステップ;
(b)TnCのレベルから、大量免疫グロブリン療法反応クラスのうち一つのクラスに分類するステップ、ここで、当該分類結果はTnCのレベルに依存しており、TnCのレベルが高いクラスは、被験者の大量免疫グロブリン療法への反応性が低いことを示す;及び
(c)当該大量免疫グロブリン療法反応クラスの一つに属する患者に特異的な既知の性質から被験者の大量免疫グロブリン療法への反応を予測するステップを含む方法。
(10) 被験者由来の体液中のTnCを測定するステップが、
(i)少なくとも1つのTnCと特異的に結合する抗体に被験者由来の体液を接触させるステップ;
(ii)被験者由来の体液中のTnCの前記抗体への結合を検出して被験者由来の体液中のTnCを測定するステップを含む、請求項8又は請求項9に記載の方法。
(11) 被験者由来の体液が、血液、血漿、血清、又は尿である、(7)〜(10)のいずれか1項に記載の方法。
(12) TnCと特異的に結合する抗体を含有する、炎症性動脈瘤形成症候群患者の大量免疫グロブリン療法への反応性予測用薬剤。
(13) TnCと特異的に結合する抗体を含有する、炎症性動脈瘤形成症候群患者の大量免疫グロブリン療法への反応性予測キット。
(a)被験者由来の体液中のTnCを測定するステップ;及び、
(b)TnCのレベルが高い場合、該被験者が炎症性動脈瘤形成症候群を発症していると評価することに基づき情報を得るステップを備える方法、あるいは、
炎症性動脈瘤形成症候群を診断する方法であって:
(a)被験者由来の体液中のTnCを測定するステップ;及び、
(b)TnCのレベルが高い場合、該被験者が炎症性動脈瘤形成症候群を発症していると診断するステップを備える方法、に関する。
(a)少なくとも1つのTnCと特異的に結合する抗体に被験者由来の体液を接触させるステップ;
(b)被験者由来の体液中のTnCの前記抗体への結合を検出して被験者由来の体液中のTnCを測定するステップ;
(c)被験者由来の体液中のTnCのレベルから被験者の炎症性動脈瘤形成症候群発症に関する情報を得るステップ、
ここで、TnCレベルが高いことは、被験者が炎症性動脈瘤形成症候群を発症していることを示す方法、あるいは、
炎症性動脈瘤形成症候群を診断する方法であって、以下のステップを備える方法:
(a)少なくとも1つのTnCと特異的に結合する抗体に被験者由来の体液を接触させるステップ;
(b)被験者由来の体液中のTnCの前記抗体への結合を検出して被験者由来の体液中のTnCを測定するステップ;
(c)被験者由来の体液中のTnCのレベルから被験者の炎症性動脈瘤形成症候群発症を診断するステップ、
ここで、TnCレベルが高いことは、被験者が炎症性動脈瘤形成症候群を発症していることを示す方法、
に関する。
(a)被験者由来の体液中のテネイシンCを測定するステップ;及び、
(b)テネイシンCのレベルが高い場合、該被験者が大量免疫グロブリン療法に不応であると予測するステップを備える方法、に関する。
(a)少なくとも1つのTnCと特異的に結合する抗体に被験者由来の体液を接触させるステップ;
(b)被験者由来の体液中のTnCの前記抗体への結合を検出して被験者由来の体液中のTnCを測定するステップ;
(c)被験者由来の体液中のTnCのレベルから被験者の大量免疫グロブリン療法への反応性を予測するステップ、
ここで、TnCレベルが高いことは、大量免疫グロブリン療法への反応性が低いことを示す。
よって、より具体的には、本発明は以下の方法を含む:炎症性動脈瘤形成症候群患者の大量免疫グロブリン療法への反応性を予測する方法であって:
(a)被験者由来の体液中のテネイシンCを測定するステップ;
(b)テネイシンCのレベルから、大量免疫グロブリン療法反応クラスのうち一つのクラスに分類するステップ、ここで、当該分類結果はテネイシンCのレベルに依存しており、テネイシンCのレベルが高いクラスは、被験者の大量免疫グロブリン療法への反応性が低いことを示す;及び
(c)当該大量免疫グロブリン療法反応クラスの一つに属する患者に特異的な既知の性質から被験者の大量免疫グロブリン療法への反応を予測するステップを含む方法。
炎症性動脈瘤形成症候群患者の大量免疫グロブリン療法への反応性を予測する方法であって、該患者由来の体液中のテネイシンCを測定するステップ、群馬スコアの変数を測定又は判定するステップを備える方法に関する。
(a)被験者由来の体液中のテネイシンCを測定するステップ;
(b)被験者由来の血液中のNa濃度を測定するステップ;
(c)被験者由来の血液中のAST濃度(IU/L)を測定するステップ;
(d)被験者由来の血液中の好中球(%)を測定するステップ;
(e)被験者由来の血液中のCRP濃度を測定するステップ;
(f)被験者由来の血液中の血小板数(/μL)を測定するステップ:
(g)Naが133mmol/L以下である場合を2点とし、ASTが100IU/L以上である場合を2点とし、好中球が80%以上である場合を2点とし、CRPが10mg/dL以上である場合を1点とし、血小板数が300,000/μL以下である場合を1点とし、更に、被験者の治療開始(診断)病日が4病日以前である場合を2点とし、被験者の月齢が12か月以下である場合を1点として、これらの点数の総和として群馬スコア(点)を計算するステップ;
(h)テネイシンCのレベルが高く、かつ、群馬スコアが5点以上である場合、該被験者が大量免疫グロブリン療法に不応であると予測するステップを備える方法に関する。
(a)少なくとも1つのTnCと特異的に結合する抗体に被験者由来の体液を接触させるステップ;
(b)被験者由来の体液中のTnCの前記抗体への結合を検出して被験者由来の体液中のTnCを測定するステップ;
(c)被験者由来の血液中のNa濃度を測定するステップ;
(d)被験者由来の血液中のAST濃度(IU/L)を測定するステップ;
(e)被験者由来の血液中の好中球(%)を測定するステップ;
(f)被験者由来の血液中のCRP濃度を測定するステップ;
(g)被験者由来の血液中の血小板数(/μL)を測定するステップ:
(h)Naが133mmol/L以下である場合を2点とし、ASTが100IU/L以上である場合を2点とし、好中球が80%以上である場合を2点とし、CRPが10mg/dL以上である場合を1点とし、血小板数が300,000/μL以下である場合を1点とし、更に、被験者の治療開始(診断)病日が4病日以前である場合を2点とし、被験者の月齢が12か月以下である場合を1点として、これらの点数の総和として群馬スコア(点)を計算するステップ;
(i)テネイシンCのレベルが高く、かつ、群馬スコアが5点以上である場合、該被験者が大量免疫グロブリン療法に不応であると予測するステップを備える方法。
(a)被験者由来の体液中のテネイシンCを測定するステップ;
(c)被験者由来の血液中のNa濃度を測定するステップ;
(d)被験者由来の血液中のAST濃度(IU/L)を測定するステップ;
(e)被験者由来の血液中の好中球(%)を測定するステップ;
(f)被験者由来の血液中のCRP濃度を測定するステップ;
(g)被験者由来の血液中の血小板数(/μL)を測定するステップ:
(h)Naが133mmol/L以下である場合を2点とし、ASTが100IU/L以上である場合を2点とし、好中球が80%以上である場合を2点とし、CRPが10mg/dL以上である場合を1点とし、血小板数が300,000/μL以下である場合を1点とし、更に、被験者の治療開始(診断)病日が4病日以前である場合を2点とし、被験者の月齢が12か月以下である場合を1点として、これらの点数の総和として群馬スコア(点)を計算するステップ;
(i)テネイシンCのレベル及び群馬スコアから、大量免疫グロブリン療法反応クラスのうち一つのクラスに分類するステップ、ここで、当該分類結果はテネイシンCのレベル及び群馬スコアの点数に依存しており、テネイシンCのレベルが高いクラス、及び、群馬スコアの点数が高いクラスは、被験者の大量免疫グロブリン療法への反応性が低いことを示す;及び
(j)当該大量免疫グロブリン療法反応クラスの一つに属する患者に特異的な既知の性質から被験者の大量免疫グロブリン療法への反応を予測するステップを含む方法に関する。
本発明の抗体は、以下の方法により得ることができる。まず、本発明の抗体の作製に使用する免疫原は、当業者周知の方法に従い、TnCの全部、又はその一部を有するポリペプチドをコードするDNAを含む発現ベクター(例えば、pGEX(大腸菌用)、pcDNA3.1(動物細胞発現用)等)を大腸菌、酵母、昆虫細胞、動物細胞等に形質転換し、形質転換した大腸菌等の宿主微生物・培養細胞を適切な培地(例えば、LB培地等)で培養して発現させることにより得ることができる。また、当該配列を有するペプチドを化学合成したものを用いることも可能である。ポリクローナル抗体は、十分な抗体価を示す免疫感作動物の血清から精製することにより得ることができる。モノクローナル抗体の作製は、上記方法により免疫した免疫感作動物の脾臓等から得た抗体産生細胞と、骨髄腫系細胞(ミエローマ細胞)を融合することにより得られるハイブリドーマを培養することにより得ることができる。当該融合方法としては、例えば、ミルステインらの方法(Galfre、G.&Milstein、C.、Methods Enzymol.73:3−46、1981)を挙げることができる。
F(ab’)2断片(分子量約10万の抗原結合活性を有する抗体断片)は、本発明のIgG抗体をペプシンで処理することにより、H鎖の234番目のアミノ酸残基で切断して得ることができる。Fab’断片は、上述の方法により得られたF(ab’)2をジチオスレイトール処理して得ることができる。また、本発明のFab’断片は、本発明の抗体のFab’をコードするDNAから得ることができる。Fab断片(H鎖のN末端側の約半分の領域とL鎖の全領域がジスルフィド結合により結合された分子量約5万の抗原結合活性を有する抗体断片)は、本発明の抗体をパパインで処理することにより、H鎖の224番目のアミノ酸残基で切断して得ることができる。また、本発明のFab断片は、本発明の抗体のFabをコードするDNAから得ることができる。scFvは、本発明の抗体のVH及びVLをコードするcDNAの間にリンカー配列をコードするDNAを挿入して、scFvをコードするDNAを構築することにより得ることができる。リンカーの長さは、VHとVLが会合することができる長さであれば特に限定は無いが、好ましくは10〜20残基であり、より好ましくは15残基である。また、リンカーの配列は、VHとVLの二つのドメインのポリペプチド鎖の折りたたみを阻害しないものであれば特に限定は無いが、好ましくは、グリシン及び/又はセリンからなるリンカーであり、より好ましくは、GGGGS(G:グリシン、S:セリン)又はその繰り返し配列である。dsFvは、VH及びVL中のそれぞれ1アミノ酸残基をシステイン残基に置換し、当該システイン残基間をジスルフィド結合により結合させることにより得ることができる。Diabodyは、上述のscFvをコードするDNAにおいて、リンカーのアミノ酸配列が8残基以下(好ましくは5残基)となるように構築することにより得ることができる。バイスペシフィックなDiabodyは、異なる2種類のscFvのVH及びVLのDNAを組み合わせてscFvを作製することにより得ることができる。本発明のCDRを含むペプチドは、本発明の抗体のVH又はVLのCDRのアミノ酸配列を有するペプチドとして設計することにより得ることができる。
本発明の抗体は、必要に応じて標識化されていてもよい。当該標識としては、放射能標識、酵素、蛍光標識、生物発光標識、化学発光標識金属等の検出可能な標識を用いることができる。このような標識としては、これに限定されるものではないが例として、32P、3H、125I、14C等の放射能標識;βガラクトシダーゼ、ペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、グルコースオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、モノアミンオキシダーゼ、ホースラディッシュペルオキシダーゼ等の酵素;FAD、FMN、ATP、ビオチン、ヘム等の補酵素又は補欠分子族;フルオレセイン誘導体(フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、フルオレセインチオフルバミル等)、ローダミン誘導体(テトラメチルローダミン、トリメチルローダミン(RITC)、テキサスレッド、ローダミン110等)、Cy色素(Cy3、Cy5、Cy5.5、Cy7)、Cy−クロム、スペクトラムグリーン、スペクトラムオレンジ、プロピジウムイオダイド、アロフィコシアニン(APC)、R−フィコエリスリン(R−PE)等の蛍光標識;ルシフェラーゼ等の生物発光標識;あるいは、ルミノール、イソルミノール、N−(4−アミノブチル)−N−エチルイソルミノースエステル等のルミノール誘導体、N−メチルアクリジニウムエステル、N−メチルアクリジニウムアシルスルホンアミドエステル等のアクリジニウム誘導体、ルシゲニン、アダマンチルジオキセタン、インドキシル誘導体、ルテニウム錯体等の化学発光標識;金コロイド等の金属等の検出可能な標識を挙げることができる。
本発明のキットは、上述の方法に従って作製した抗体(又は標識化した抗体)を用いて、酵素免疫測定法(EIA法)、簡易EIA法、酵素結合イムノソルベントアッセイ法(ELISA法)、ラジオイムノアッセイ法(RIA法)、蛍光免疫測定法(FIA法)等の標識化免疫測定法;ウェスタンブロッティング法等のイムノブロッティング法;金コロイド凝集法等のイムノクロマト法;イオン交換クロマトグラフィ法、アフィニティクロマトグラフィ法等のクロマトグラフィ法;比濁法(TIA法);比ろう法(NIA法);比色法;ラテックス凝集法(LIA法);粒子計数法(CIA法);化学発光測定法(CLIA法、CLEIA法);沈降反応法;表面プラズモン共鳴法(SPR法);レゾナントミラーディテクター法(RMD法);比較干渉法用のキットとして当業者に慣用の技術を用いて製造することができる。
三重大学、国立国際医療研究センター、久留米大学、富山大学に入院した発熱症例のうち、倫理申請で利用の承認が得られ、臨床経過、画像診断による血液サンプルが保存されている川崎病患者140症例(439検体)が登録された。患者の血中バイオマーカーの測定には、患者から採血後、血清分離し、−80度で凍結保存したサンプルを使用した。
国立循環器病研究センターおよび東京女子医大で保存している冠動脈拡張、瘤形成のみられた川崎病剖検標本で、HE、Elastica Vangieson染色および、TnC、MMP−9、CD68、a−平滑筋アクチンを免疫組織染色し、炎症細胞浸潤、エラスチン線維破壊などの組織像と対比した。
カンジダ・アルビカンス標準株保存菌液を培養、集菌、0.5N KOH溶液で煮沸してアルカリ抽出液とし、PBSにて100mg/mLに調整した。4週令のC57BL/6系オスマウスにカンジダ抽出液2mg、4mgを腹腔内5日間連続投与、4週おきに2クール行い、初回投与後8週後に犠牲死させ、大動脈とその主要分枝、心臓、冠動脈を肉眼観察した後、4%パラホルムアルデヒドを定圧還流固定した。大動脈、心臓を摘出し、パラフィン標本を作製した。炎症細胞浸潤(HE染色)、エラスチン線維破壊の解析、TnCの発現を検討した。
川崎病において患者背景および初回治療前の検査データから標準治療(大量免疫グロブリン療法+アスピリン内服)への不応性を予測する場合、従来使用されている群馬スコア単独よりも、群馬スコアに初回治療前のTnC値を組み合わせた方が予測精度が向上するか否かについて、検討するため、川崎病患者140症例のうち、初回治療として標準治療が行われ、かつ初回治療前のTnC値および群馬スコアを調べ得た58症例について検討した。
Claims (13)
- 炎症性動脈瘤形成症候群を診断するための情報を得る方法、又は炎症性動脈瘤形成症候群を診断する方法であって、被験者由来の体液中のテネイシンCを測定するステップを備える方法。
- 炎症性動脈瘤形成症候群を診断するための情報を得る方法であって:
(a)被験者由来の体液中のテネイシンCを測定するステップ;及び、
(b)テネイシンCのレベルが高い場合、該被験者が炎症性動脈瘤形成症候群を発症していると評価することに基づき情報を得るステップを備える、請求項1に記載の方法、あるいは、
炎症性動脈瘤形成症候群を診断する方法であって:
(a)被験者由来の体液中のテネイシンCを測定するステップ;及び、
(b)テネイシンCのレベルが高い場合、該被験者が炎症性動脈瘤形成症候群を発症していると診断するステップを備える、請求項1に記載の方法。 - 炎症性動脈瘤形成症候群を診断するための情報を得る方法であって、以下のステップを備える方法:
(a)少なくとも1つのテネイシンCと特異的に結合する抗体に被験者由来の体液を接触させるステップ;
(b)被験者由来の体液中のテネイシンCの前記抗体への結合を検出して被験者由来の体液中のテネイシンCを測定するステップ;
(c)被験者由来の体液中のテネイシンCのレベルから被験者の炎症性動脈瘤形成症候群発症に関する情報を得るステップ、
ここで、テネイシンCレベルが高いことは、被験者が炎症性動脈瘤形成症候群を発症していることを示す方法、あるいは、
炎症性動脈瘤形成症候群を診断する方法であって、以下のステップを備える方法:
(a)少なくとも1つのテネイシンCと特異的に結合する抗体に被験者由来の体液を接触させるステップ;
(b)被験者由来の体液中のテネイシンCの前記抗体への結合を検出して被験者由来の体液中のテネイシンCを測定するステップ;
(c)被験者由来の体液中のテネイシンCのレベルから被験者の炎症性動脈瘤形成症候群発症を診断するステップ、
ここで、テネイシンCレベルが高いことは、被験者が炎症性動脈瘤形成症候群を発症していることを示す方法。 - 患者由来の体液が、血液、血漿、血清、又は尿である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の方法。
- テネイシンCと特異的に結合する抗体を含有する、炎症性動脈瘤形成症候群の診断薬。
- テネイシンCと特異的に結合する抗体を含有する、炎症性動脈瘤形成症候群の診断用キット。
- 炎症性動脈瘤形成症候群患者の大量免疫グロブリン療法への反応性を予測する方法であって、該患者由来の体液中のテネイシンCを測定するステップを備える方法。
- 炎症性動脈瘤形成症候群患者の大量免疫グロブリン療法への反応性を予測する方法であって:
(a)被験者由来の体液中のテネイシンCを測定するステップ;及び、
(b)テネイシンCのレベルが高い場合、該被験者が大量免疫グロブリン療法に不応であると予測するステップを備える、請求項7に記載の方法。
- 炎症性動脈瘤形成症候群患者の大量免疫グロブリン療法への反応性を予測する方法であって:
(a)被験者由来の体液中のテネイシンCを測定するステップ;
(b)テネイシンCのレベルから、大量免疫グロブリン療法反応クラスのうち一つのクラスに分類するステップ、ここで、当該分類結果はテネイシンCのレベルに依存しており、テネイシンCのレベルが高いクラスは、被験者の大量免疫グロブリン療法への反応性が低いことを示す;及び
(c)当該大量免疫グロブリン療法反応クラスの一つに属する患者に特異的な既知の性質から被験者の大量免疫グロブリン療法への反応を予測するステップを含む方法。 - 被験者由来の体液中のテネイシンCを測定するステップが、
(i)少なくとも1つのテネイシンCと特異的に結合する抗体に被験者由来の体液を接触させるステップ;
(ii)被験者由来の体液中のテネイシンCの前記抗体への結合を検出して被験者由来の体液中のテネイシンCを測定するステップを含む、請求項8又は請求項9に記載の方法。 - 被験者由来の体液が、血液、血漿、血清、又は尿である、請求項7〜請求項10のいずれか1項に記載の方法。
- テネイシンCと特異的に結合する抗体を含有する、炎症性動脈瘤形成症候群患者の大量免疫グロブリン療法への反応性予測用薬剤。
- テネイシンCと特異的に結合する抗体を含有する、炎症性動脈瘤形成症候群患者の大量免疫グロブリン療法への反応性予測キット。
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