JP2014022255A - レーザ転写方法およびこれに用いるレーザ転写設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機ELパネルの発光層を形成する有機EL層を、蒸着マスクを使用せずに形成する。
【解決手段】支持基板20に有機EL膜21を形成した金属ドナー基板220に対向して、有機EL素子形成部110を有する回路基板101を配置する。金属ドナー基板220に対してレーザ光を照射して、支持基板20内に衝撃波を発生させ、回路基板101側に有機EL層を形成し、高精細、大画面で、かつ、製造コストの低い有機ELパネルを実現する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、有機ELパネル、有機TFT、有機太陽電池等の機能性有機膜の製造方法に係る。
従来より、有機ELパネルの発光層を含む有機EL層の色分け法として、マスク蒸着法が用いられている。しかし、マスク蒸着法は使用される蒸着マスクが高価であるとともに運用コストも高く、デバイス基板と蒸着マスクを接触させるために異物の影響が大きく、製造歩留まりが低い。そのため、製造コストが高くなり、有機ELパネル単価を高いものとしている。更に、有機ELパネルの大型化・高精細化やワークサイズ拡大に対しても、蒸着マスク製造技術とマスク蒸着プロセスが追いついていない。
これらの問題を解決するため、「白色光+カラーフィルタ(CF)」法や色変換法、インクジェット法やオフセット法等の溶液プロセス等の、マスク蒸着を用いない方法が検討されている。「白色光+CF」法や色変換法、インクジェット法やオフセット法等の塗布プロセスを用いた有機ELパネルでは、発効効率が低下し、寿命も短くなる。そのため、これらの技術を用いた有機ELパネルを実現するためには、発光効率が高く、長寿命を達成できる材料の開発を待たなければならない。なお、「白色光+CF」法とは、全画素に白色光の有機EL層を形成しておき、画素毎に複数色のCFを使用してカラー画像を形成するものである。
マスク蒸着による色分け法に代わる別の手段としてレーザ転写法があげられる。レーザ転写法では、高精細対応が可能で、大面積基板への対応が可能である。特許文献1には、昇華法により材料を有機ELパネルに蒸着させるレーザ転写法が報告されている(LIPS、Laser Patternwise Sublimation)。また、特許文献2には、転写シートの熱膨張により有機材料を有機ELパネルに転写させるレーザ転写法が報告されている(LITI、Laser Induced Thermal Imaging)。
特許文献3では、ドナー基板の所定の場所にレーザ光を照射して、ドナー基板上に形成された吸収層でレーザ光を吸収する事により衝撃波を発生させ、ドナー基板上の発光材料を剥離させて有機ELパネルに転写させるマスクレスパターニングが開示されている。
特許3789991号公報 特表2002−534782号公報 特開2010−40380号公報
特許文献1に示すLIPS法は、ガラス基板全面に発光材料を形成したドナー基板にレーザを照射することにより発光材料を昇華させ、対向して設置させたデバイス基板上に有機EL層を形成する。成膜部分に選択的にレーザを照射することにより、マスクレスパターニングを実現している。この方法では、1層ずつ蒸着するため、昇華のための蓄熱層の温度上昇により蒸着雰囲気の影響を受けやすい。このため、工程数は長くなり、膜質劣化も生じやすい。また、LIPS法では、原理的に一度に1層しかパターニングできず、分離形成する層数が増えるに従って、転写する工程数が増えてしまう欠点を有する。また、レーザエネルギーを熱変換して利用しているため、転写雰囲気温度上昇による不純物混入などが生じ、有機EL素子の特性劣化が懸念される。
また、特許文献2に示すLITI法では、発光材料を形成したドナーフィルムをデバイスに密着させ、所定の場所にレーザを照射することによりマスクレスパターニングを実現している。LITI法は、基本的に熱転写法であるため、複数層の転写が可能である。しかし、圧力、温度を付加する必要があり、層数が増えたり、厚膜化すると膜質劣化が懸念される。従って、LITI法であっても1〜2層が実際的であるため、層数が増加する場合には、転写を繰り返すか、蒸着法との併用が必要となる。また、異物が存在するとそれを挟んだ状態で圧力を加えるため、欠陥が増加してしまう。
また、特許文献3には、衝撃波を発生させるための具体的なレーザ照射方法が開示されておらず、LIPS法と同様な昇華による発光材料の蒸着と考えられ、LIPS法と同様の課題を有する。
本発明の課題は以上の様な問題点を克服し、蒸着マスクを使用せずに、発光層を含む複数の有機膜層を歩留り良く形成することである。
本発明は、金属ドナーシート上に形成された薄膜を金属ドナーシートと対向する基板に転写するレーザ転写方法において、複数のパルスレーザ光列を一定の方向に掃引して金属ドナーシート裏面に照射し、第1のパルス光を照射した部分に、第2のパルス光の少なくとも一部が重なるように第2のパルス光を照射して掃引することを特徴とする。
また、金属ドナーシート上に形成された薄膜を金属ドナーシートと対向する基板に転写するレーザ転写方法のレーザ転写設備において、複数のパルスレーザ光列を一定の方向に掃引して金属ドナーシート裏面に照射し、第1のパルス光を照射した部分に、第2のパルス光の少なくとも一部が重なるように第2のパルス光を照射して掃引するレーザ転写方法を行う転写部と、金属ドナーシートに薄膜として有機膜を形成する薄膜形成部を有することを特徴とする。
本発明は、金属ドナーシート上に形成された薄膜を金属ドナーシートと対向する基板に転写する転写方法において、複数のパルスレーザ光列を一定の方向に掃引して金属ドナーシート裏面に照射し、第1のパルス光を照射した部分に、第2のパルス光の少なくとも一部が重なるように第2のパルス光を照射して掃引することにより、蒸着マスクを使用しないで有機膜層を形成することができるので、有機膜パネルの大型化、高精細化が可能となる。
また、有機膜パネルを形成するマザー基板の大型化が可能となることから、マザー基板あたりのパネル取得数を増大させることができ、その結果、有機膜パネルの製造コストを低減させる事ができる。
また、有機膜パネル上に複数形成される有機膜素子を構成する有機膜を制約条件の少ないベタ膜の状態で形成できるため、膜厚分布・再現性を高くすることができ、色純度などの特性を改善することができる。また、ベタ膜の状態で有機膜素子の膜構成ができるため、膜欠陥を低減でき、有機膜層の工程数低減に寄与できる。
本発明の有機EL表示装置を示す断面図である。 実施例1の製造プロセス図である。 実施例1のパルスレーザ光列を示すグラフである。 実施例1のパルスレーザ照射後の金属ドナーシートを示す断面図である。 実施例1のパルスレーザ照射方法を示す模式図である。 実施例1における凹凸構造を有する金属ドナーシートの製造方法を示す断面図である。 実施例1の2層構造を有する金属ドナーシートの製造方法を示す断面図である。 本発明のレーザ転写設備の一形態を示す模式図である。 本発明のレーザ転写設備の他の形態を示す模式図である。 本発明の実施例2の有機EL表示装置を示す断面図である。 本発明の実施例3の有機EL表示装置を示す断面図である。 本発明の実施例4の有機EL表示装置を示す断面図である。 本発明の実施例5の有機TFT装置を示す断面図である。 本発明の実施例6の有機太陽電池装置を示す断面図である。
以下、実施例に従って、図面等により本発明を詳細に説明する。以下の説明は本願発明の内容の具体例を示すものであり、本願発明がこれらの説明に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。また、本発明を説明するための全図において、同一の機能を有するものは、同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
本明細書においては、TFT等の駆動回路を有する駆動回路基板上に有機EL素子からなる発光素子を形成した基板を有機EL基板と呼び、有機EL基板を封止したものを有機ELパネルと呼ぶ。
始めに、本発明におけるレーザ転写方法を、パターン化された有機膜を有機EL基板上に形成す有機ELパネルの製造方法について説明する。図1は、実施例1の有機EL基板の断面図である。図1において、100は有機EL基板を示す。101はガラス基板上にTFT(薄膜トランジスタ)等を有する駆動回路を形成した駆動回路基板、102は駆動回路基板101上に設けたポリイミド等からなる平坦化層、103は有機EL素子の下部電極となる導電性薄膜からなる第1の電極、104は第1の電極端部を覆う絶縁バンク、105〜107は有機EL素子を構成する有機膜、108は上部電極となる第2の電極である。109は駆動回路基板101上に設けた上述の有機EL素子形成部を示している。有機EL基板100は駆動回路基板101とその上に形成された有機EL素子形成部109とから形成される。
発光した光を駆動回路基板101側から取り出すボトムエミッション型素子の場合には、第1の電極103はITO、IZO、ZnO等の透明導電膜により形成され、第2の電極108はAl等の反射性金属膜により構成される。一方、発光した光を駆動回路基板101の反対側から取り出すトップエミッション型素子の場合、第1の電極103としてはAl等の反射性金属膜が用いられる。第1の電極103の表面はITO等の透明膜により被覆される場合がある。第2の電極108としてITO、IZO、ZnO等の透明導電膜、或いは、薄く形成されたAg等金属膜の半透明膜が用いられる。第2の電極108は透明導電膜と金属膜の積層膜とする場合がある。
図1に示した有機EL基板100では、有機膜105と有機膜107は赤色発光素子106R、緑色発光素子106G、青色発光素子106Bの共通層として機能する。第1の電極103側が陽極である場合には、有機膜105は正孔輸送層(正孔注入層や電子阻止層を含む。)、有機膜107は電子輸送層(電子注入層や正孔阻止層を含む。)となる。逆に、第2の電極106側が陽極である場合、有機膜107が正孔輸送層、有機膜105は電子輸送層となる。
有機膜106は発光層を含む有機膜であり、発光色ごとに赤色発光素子106R、緑色発光素子106G、青色発光素子106Bにパターン分離されている。有機膜106には正孔阻止層や電子阻止層が含まれることがあり、有機EL素子に干渉効果をもたせる場合には正孔輸送層、電子輸送層を含むことがある。この有機膜106の成膜に本発明を適用している。
有機膜106の発光層は、2つの発光色のみがパターン分離されている場合もある。その場合は、有機膜105或いは有機膜107が残りの発光色の発光層として機能する。有機膜105、有機膜107のバンドギャップは広いため、パターン分離されない発光層の発光色としては青色発光が望ましい。
図2に本発明の一実施形態に係る有機EL基板の製造方法の工程フロー図を示す。ステップ(a)において、金属箔からなる支持基板20が示されている。後述する様に、支持基板にレーザ光が照射され、レーザ光のパルスエネルギーが吸収される。同金属箔の材質としては、オーステナイト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼、Ni、Fe−Ni合金等が挙げられるがこれに限定されない。
ステップ(b)において、支持基板20上に第1の有機膜21を形成することによりドナー基板220を形成する。第1の有機膜21は、少なくとも、106R、106G、106Bのいずれかの発光層を含む1層以上の有機膜からなるベタの(パターン化されていない)有機膜である。第1の有機膜21には正孔輸送層或いは電子阻止層が含まれてもよい。また、第1の有機膜21には電子輸送層或いは正孔輸送層が含まれてもよい。第1の有機膜21の形成方法としては、周知の真空蒸着法、印刷法、スピンコーティング法があげられるが、これに限定されない。
ステップ(c)において、平坦化層102、第1の電極103と共通層である有機膜104からなる有機EL素子形成部110を設けた駆動回路基板101とステップ(b)で示す工程で形成したドナー基板220を対向させて成膜室(転写室)200内にセットする。駆動回路基板101とドナー基板220は接触させてもよいし、接触させずにギャップを設けてもよい。次いで、100Pa以下の圧力まで真空排気を行い、ドナー基板220に設けた第1の有機膜21を駆動回路基板101に転送する雰囲気を作製する。この雰囲気は、ギャップ制御を容易にし、残留ガスの影響を抑制するため、100Pa以下の真空度としている。ギャップは100μm以下が望ましい。特に、接触しない10μm以上100μm以下が望ましい。100Paにおける平均自由工程は約100μmとなり、上記ギャップでは転写される分子が残留ガスと衝突することはほぼないため、転写された膜に残留ガスが入る事が低減され、転写膜の膜質の高品質が保たれる。また、100Paより高真空状態では、ギャップを100μm以上にしても転写膜の膜質の高品質が保たれる。なお、薄膜片の転送雰囲気は大気圧であっても良いが、駆動回路基板101とドナー基板220のギャップを著しく狭くする必要があり、転送に対する残留ガスの影響を受けることに注意が必要である。
ステップ(d)において、支持基板20の所定の場所(駆動回路基板101の発光素子パターンを形成する場所に対面するドナー基板220の場所)に、背面側からレーザ光La(例えば、Nd:YAGレーザの第2高調波、波長:532nm)を照射し、支持基板20内に衝撃波を誘起する。レーザ光Laの照射場所は、コンピュータ制御による番地指定で行っても良いし、発光部パターンに対応する開口部が設けられた遮光マスクを用いても良い。
ステップ(e)において、支持基板20の所定の位置に、複数のパルスレーザ光Laが照射される。パルス光は支持基板である金属箔の電子を励起する。その電子は無放射遷移により格子振動を励起し、支持基板の物体温度を上昇させる。それにより、支持基板では熱膨張による弾性歪が発生し、支持基板内部を弾性波が伝播する。始めに照射された第1のパルスレーザ光La1は、金属箔である支持基板に吸収され熱に変換される。変換された熱は、経過時間t-t1において式(1)で示された熱拡散長Lで定義される領域に拡散する。
熱拡散長L=2×[熱拡散率α×(t-t1)]1/2 ・・・・ (1)
式(1)に示された様に、熱拡散長は、熱拡散率とパルスレーザ光La1が照射されてからの経過時間t-t1の積の平方根の2倍となる。熱拡散率は、支持基板の材質の金属箔固有の物性値で、レーザフラッシュ法によって測定される。
ステップ(f)において、駆動回路基板101に向かって飛び出した薄膜片はドナー基板220と駆動回路基板101の間の空間を移動し、駆動回路基板101に到達して付着する。これにより、ステップ(g)に示すように駆動回路基板101の有機EL素子部110上に第1の有機膜21からなる薄膜パターン23が形成される。この薄膜パターン24が図1に示した発光層を含む有機膜106となる。
以上のステップ(a)〜ステップ(f)で示される工程を繰り返す事により、発光層を含む有機膜106を発光する色別に106R、106G、106Bにパターン分離できる。
上記の工程で、ステップ(d)において、レーザは繰返し周波数を有するパルスレーザを用いる。パルスレーザとしては、Nd:YAGレーザ、Nd:YVO4、Nd:YLFレーザ、チタンサファイアレーザが挙げられるが、この限りではない。レーザ光Laの波長としては支持層20の材質が吸収される光の波長を選択する。具体的には、UV光、可視光、赤外領域と幅広い波長領域となる。
図3はパルスレーザ光列の時間変化を示すグラフである。経過時間t=t1で第1のパルス光31が照射される。次いで、t=t2、t3で第2のパルス光32、第3のパルス光33が照射される。繰返しパルスレーザを用いる場合、各パルス光が照射される経過時間の間隔は等しく、Δt0である。また、各パルス光のパルス幅は、0.1〜10nsの範囲が望ましい。
さらに、ステップ(e)の工程において、図4は第2のパルスレーザ光が照射されるまでの熱拡散領域を示す模式図である。図4は、第2のパルス光が照射される経過時間t=t2-t1での熱拡散長L2が支持基板の板厚dより大きいと仮定している。φは集光されたパルスレーザ光の直径である。図4では、拡散した熱はt=t2までに支持基板のレーザ光入射面の反対側の面まで到達するため、直径φ+2L2、高さdの円柱41内に熱が拡散する。L2がdより小さい場合、円柱は直径φ+2L2、高さL2となる。円柱41の体積をVaとすると、同円柱41内の温度上昇ΔTは式(2)で示される。
ΔT=Ep/(Va×ρ×σ) ・・・・ (2)
ここで、Epは第1のパルスレーザ光31のパルスエネルギー、ρは支持基板20の密度、σは支持基板20の比熱である。よって、有機膜が形成された支持基板の表面の温度はT0+ΔTで表される。この温度が有機膜の蒸着温度TEVより低くなるような条件である式(3)を満たすように、パルスレーザ光列、支持基板20の条件を選択する。
T0+ΔT<TEV ・・・・ (3)
例えば、レーザ光のEpを小さくすることによりΔTを小さくする。或いは、t=t1〜t2の時間間隔を長くする、すなわち、レーザ光の繰返し周波数1/(Δt0)を低くする事でΔTを小さくする。或いは、支持基板の板厚dを厚くすることでΔTを小さくする。
蒸着温度TEVは、固体材料が加熱によって気化する温度或いは溶融を経て気化する温度と定義される。具体的には、真空下における飽和蒸気圧が0.1Paとなる温度と定義される。飽和蒸気圧は真空下で材料の熱重量変化測定から算出する。
第1のパルスレーザ光31が照射されてから同じ位置に第2のパルスレーザ光32、第3のパルスレーザ光33が照射される。それにより、支持基板内部を伝播する衝撃波が誘起され、発生した衝撃波によって、その場所に積層されていた第1の有機膜21が剥離する。第1の有機膜21が剥離して形成された薄片22は発生した衝撃波からエネルギーを得て駆動回路基板101に向かって飛び出す。
次に、図5は、パルスレーザ光列を照射掃引する方法を示す模式図である。有機膜21が形成された支持基板20に第1のパルスレーザ光51を照射する。第1のパルスレーザ光が照射されてからΔt0後、第2のパルスレーザ光52を照射する。その際、第2のパルスレーザ光の照射位置は第1のパルスレーザ光を照射した位置と一部分が重なる様に掃引する。重なる領域はパルスビームの半分以上の面積が重なるような走査条件が望ましい。同条件では、走査領域は最低2回のパルスが照射される事となる。そうすると、同じ位置に繰返し照射したときと同様、支持基板内部を伝播する衝撃波が誘起され、発生した衝撃波によって、その場所に積層されていた第1の有機膜21が剥離する。第1の有機膜21が剥離して形成された薄片22は発生した衝撃波からエネルギーを得て駆動回路基板101に向かって飛び出す。
以上述べてきたように、本発明による有機EL基板の形成方法によれば、次のような効果が得られる。
(1) 微細化・大型化が困難なメタルマスク(蒸着マスク)を用いる必要がない。また、メタルマスクを用いない有機膜形成であるため、異物の影響や蒸着マスクへの接触によるダメージなども抑制できる。
(2) 分離形成する必要のある発光層を含む有機膜の成膜に対する制限が少ないため、有機膜の高品質化が可能となる。すなわち、発光効率向上と長寿命化に寄与する。
(3) ドナー基板上に形成された第1の有機膜の層構成が維持されながら有機膜パターンが形成される。ドナー基板への薄膜層形成に対する制限がないため、工程数を増加させずに種々の膜を用いた積層構造を作製できる。
次に、2種類の金属ドナーシートの製造方法について説明する。図6は実施例1における凹凸構造を有する金属ドナーシートの製造方法を示す断面図である。図6では、支持基板620が2種類の金属シート60、61で構成される。衝撃波を発生させる金属シート61に対して、レーザを照射しない部分には厚い金属シート60を部分的に形成する。これにより、有機膜の剥離は金属シート60によって決定されるため、端面のきれいなパターン転写が行われる。
次に、図7は実施例1の2層構造を有する金属ドナーシートの製造方法を示す断面図である。図7では、支持基板が2種類の金属シート70、71で構成されている。衝撃波を発生させる金属シート71は、レーザ照射面側にある金属シート70に比べて、板厚が薄く、熱拡散率が低い。そのため、発生する衝撃波の周波数が低くなり、転写エネルギーが強まり、より低いレーザパワーでの転写が可能である。
本発明を用いる事によって、有機ELパネルの高精細化、大画面化、画面の高輝度化、長寿命化、大面積のマザー基板に多数の有機EL基板を形成することが出来ることによる1個当たりの有機ELパネルの製造コストの低減、製造歩留り向上等が可能となる。
図1に示した有機EL基板100では、駆動回路基板101上に平坦化層102と第1の電極103、有機膜共通層105を順次形成した後、パターン分離した有機膜106を本発明により形成し、その後、有機膜共通層107と共通層である第2の電極108を形成している。
実施例1で示した、有機EL素子の有機膜の具体例として、発光層のホスト材料、発光層に添加させる各発光色ドーパント、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、及び電子注入層が挙げられる。また、有機EL層の無機層の具体例として電子注入層が挙げられる。以下に各層の材料について説明する。
<ホスト>
ホスト材料として、カルバゾール誘導体、フルオレン誘導体またはアリールシラン誘導体などを用いることが好ましい。効率の良い発光を得るためには青色ドーパントの励起エネルギーよりも、ホスト材料の励起エネルギーが十分大きいことが好ましい。なお、励起エネルギーは発光スペクトルを用いて測定される。
<青色ドーパント>
青色ドーパントは400nmから500nmの間に室温におけるPLスペクトルの最大強度が存在する。青色ドーパントの主骨格としては例えばペリレン、イリジウム錯体(Bis(3、5−difluoro−2−(2−pyridyl)phenyl−(2−carboxypyridyl)iridium(III)):FIrpicなど)があげられる。発光効率やキャリア伝導の観点から、青色ドーパントの濃度はホストに対し10wt%以上が好ましい。青色ドーパントの重量平均分子量は500以上3000以下が望ましい。
<緑色ドーパント>
緑色ドーパントは500nmから590nmの間に室温におけるPLスペクトルの最大強度が存在する。緑色ドーパントの主骨格としては、例えばクマリンおよびその誘導体、イリジウム錯体(Tris(2−phenylpyridine)iridium(III):以下Ir(ppy)3、など)があげられる。緑色ドーパントの重量平均分子量は500以上3000以下が望ましい。
<赤色ドーパント>
赤色ドーパントは590nmから780nmの間に室温におけるPLスペクトルの最大強度が存在する。赤色ドーパントの主骨格としては、例えばルブレン、(E)−2−(2−(4−(dimethylamino)styryl)−6−methyl−4H−pyran−4−ylidene)malononitrile(DCM)およびその誘導体、イリジウム錯体(Bis(1−phenylisoquinoline)(acetylacetonate)iridium(III)など)、オスミウム錯体、ユーロピウム錯体があげられる。
<正孔注入層>
正孔注入層とは発光効率や寿命を改善する目的で使用される。また、特に必須ではないが、陽極の凹凸を緩和する目的で使用される。正孔注入層を単層もしくは複数層設けてもよい。正孔注入層としては、PEDOT(ポリ(3、4−エチレンジオキシチオフェン)):PSS(ポリスチレンスルホネート)等の導電性高分子が好ましい。その他にも、ポリピロール系やトリフェニルアミン系のポリマー材料を用いることができる。また、低分子(重量平均分子量10000以下)材料系と組合せてよく用いられる、フタロシアニン類化合物やスターバーストアミン系化合物も適用可能である。
<正孔輸送層>
正孔輸送層は発光層に正孔を供給する層である。広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層を単層もしくは複数層設けてもよい。正孔輸送層としては、スターバーストアミン系化合物やスチルベン誘導体、ヒドラゾン誘導体、チオフェン誘導体、フルオレン誘導体などを用いることができる。また、これらの材料に限られるものではなく、これらの材料を2種以上併用しても差し支えない。正孔輸送層を低抵抗化し駆動電圧を低下させるために、正孔輸送層中に電子受容性材料を添加しても良い。
<電子輸送層>
電子輸送層は発光層に電子を供給する層である。広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層を単層もしくは複数層設けてもよい。この電子輸送層の材料としては、例えば、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−(フェニルフェノラト)アルミニウム(BAlq)や、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3)、Tris(2、4、6−trimethyl−3−(pyridin−3−yl)phenyl)borane(3TPYMB)、1、4−Bis(triphenylsilyl)benzene(UGH2)、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フラーレン誘導体、フェナントロリン誘導体、キノリン誘導体、シロール誘導体などを用いることができる。電子輸送層を低抵抗化し素子の駆動電圧を低下させるために、電子輸送層中に電子供与性材料を添加しても良い。
電子受容性材料とは、電子を放出しやすい(電子受容性材料以外の分子に渡しやすい)材料をいう。電子供与性材料としては、例えばN−ethyl−1、10−phenanthrolium(NEP)誘導体、Methyltriphenylphosphonium(MTPP)誘導体、N、N、N、N−tetramethyl−p−phenylenendiamine(TMPD)誘導体、rhodamine B chloride誘導体、pyronin B chloride誘導体、8−Hydroxyquinolinolato−lithium(Liq)誘導体などが挙げられる。
<電子注入層>
電子注入層は陰極から電子輸送層への電子注入効率を向上させる。具体的には、弗化リチウム、弗化マグネシウム、弗化カルシウム、弗化ストロンチウム、弗化バリウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムが望ましい。また、もちろんこれらの材料に限られるわけではなく、また、これらの材料を2種以上併用しても差し支えない。
<パネル>
ここで言うパネルとは、有機発光素子を画素に用いた表示装置をさす。有機発光表示装置には、単純マトリクス有機発光表示装置とアクティブマトリクス有機発光表示装置がある。
単純マトリクス有機発光表示装置は、複数の陽極ラインと陰極ラインが交差した位置に正孔輸送層、発光層、電子輸送層等の有機膜が形成されており、各画素は1フレーム期間中、選択時間のみ点灯する。選択時間は、1フレーム期間を陽極ライン数で除した時間幅となる。
アクティブマトリクス有機発光表示装置では、各画素を構成する有機EL(発光)素子に、2〜4個の薄膜トランジスタのスイッチング素子及び容量から構成される駆動素子が接続されており、1フレーム期間中の全点灯が可能となる。そのため、輝度を高くする必要がなく、有機発光素子の寿命を長くすることが可能となる。
ここで言う画素とは、表示装置の画面の縦横に多数配置されて、表示領域において文字やグラフィックを表示する最小単位のものをいう。また、サブ画素とは、カラー表示を行う表示装置において、画素をさらに分割する最小単位のものをいう。カラー画像では、緑、赤、青の3色のサブ画素で構成される構造が一般的である。サブ画素の配置には、ストライプ配列、モザイク配列、デルタ配列がある。ストライプ配列では、各色のサブ画素が1列に並んでいる。そのため、ストライプ配列では、レーザ転写の掃引方向は、各色サブ画素が1列に並んでいる方向に行うことが望ましい。モザイク配列では、各色のサブ画素が斜め方向に並んだ配置となっている。そのため、レーザ転写の掃引方向は、各色サブ画素が斜めに並んでいる方向に行うことが望ましい。デルタ配列は、緑、赤、青のサブ画素が三角形となる配置を取る。そのため、あるサブ画素の上下にある他色のサブ画素はサブ画素の短手方向の長さの半分だけずれている。この配列では、レーザ転写の掃引方向は、各色のサブ画素が並んでいる斜め方向でもよいが、サブ画素間が離れているため、サブ画素の長手方向を移動して、短手方向に移動して次のサブ画素の長手方向に移動する掃引方法が望ましい。
<レーザ転写設備>
レーザ転写設備では、基板の搬入出を行うロードロック室、基板の搬送を行う搬送ロボット、有機EL基板に有機膜を蒸着する真空蒸着室、金属ドナーシートに有機膜を蒸着する真空蒸着室、金属ドナーシートを用いてレーザ転写を行うレーザ転写室から構成される。また、このレーザ転写設備は、カラー画像表示のため、赤、緑、青の発光色のサブ画素電極に対してレーザ転写を行う複数のレーザ転写室を設けることが望ましい。
図8はレーザ転写設備の一形態を示す模式図である。基板の搬入を行うロードロック室501から有機EL基板を搬入する。搬入された有機EL基板はロボット室510のアームを用いて各処理槽に搬入出される。始めに、前処理槽502において下部電極のクリーニング並びに表面処理を行う。前処理としては、大気圧プラズマ、UV/O3処理、ICPプラズマ処理等があげられるが、これに限定されない。次に、有機蒸着室503において、図1に示した有機膜105を真空蒸着法で形成する。次に、レーザ転写室504、或いは506で赤色発光層106Rを形成する。同室で用いられる赤色金属ドナーシートはドナー蒸着槽505で転写する有機膜が形成される。
図8では、2台の転写室に対して1台のドナー蒸着室が配置されているが、台数比はレーザ転写と転写する有機膜の形成のタクト時間の比で決まる。次に、レーザ転写室507、或いは509で緑色発光層106Gを形成する。緑色金属ドナーシートはドナー蒸着槽508で転写する有機膜が形成される。
次に、有機EL基板はロードロック室511を介してロボット室518を持つ隣のクラスターに搬送され、レーザ転写室512、或いは514で青色発光層106Bを形成する。青色金属ドナーシートはドナー蒸着槽513で転写する有機膜が形成される。次に、有機蒸着室515において、図1に示した有機膜107が形成され、蒸着室516において第2の電極が形成される。次に、後述する封止を封止室517で行い、ロードロック室519を介して搬出される。
図9は別のレーザ転写設備の一形態を示す模式図である。ロードロック室501から有機EL基板を搬入し、隣接する前処理槽502において下部電極のクリーニング並びに表面処理が行われる。次に、有機蒸着室503において、図1に示した有機膜105が真空蒸着法で形成される。次に、レーザ転写室504、或いは506で赤色発光層106Rが形成される。同室で用いられる赤色金属ドナーシートはドナー蒸着槽505で転写する有機膜が形成される。同図では、2台の転写室に対して1台のドナー蒸着室が配置されているが、台数比はレーザ転写と転写する有機膜の形成のタクト時間の比で決まる。
次に、レーザ転写室507、或いは509で緑色発光層106Gを形成する。緑色金属ドナーシートはドナー蒸着槽508で転写する有機膜が形成される。次に、レーザ転写室512、或いは514で青色発光層106Bが形成される。青色金属ドナーシートはドナー蒸着槽513で転写する有機膜が形成される。次に、有機蒸着室515において、図1に示した有機膜107が形成され、蒸着室516において第2の電極が形成される。次に、後述する封止を封止室517で行い、ロードロック室519を介して搬出される。
また、レーザ転写は以下のプロセスで実施することが望ましい。レーザ転写室に搬入された第1の有機EL基板に対して金属ドナーシートを用いてレーザ転写を行う。次に、第2の有機EL基板を搬入し、同金属ドナーシートの位置を調整して有機薄膜が付着している金属シート領域を用いてレーザ転写を行う。次に、第3の有機EL基板を搬入し、同金属ドナーシートの位置を調整して有機薄膜が付着している領域を用いてレーザ転写を行う。
金属ドナーシートと有機EL基板のアライメントには、有機EL基板の背面にあるアライメントカメラを用いる事が望ましい。アライメントカメラは、有機EL基板とレーザヘッドの位置関係を調整し、第2の有機EL基板、第3の有機EL基板に対しては同有機EL基板と金属ドナーシートの位置関係を調整する。これにより、金属ドナーシート全領域の有機薄膜が転写されるため、材料利用効率が向上し、金属ドナーシートの再生が可能となる。
図10は、実施例2の有機EL基板300の構成を示す模式図である。図10では、駆動回路基板101上に平坦化層102と第1の電極103、バンク104、共通層である有機膜105を順次形成した後、各色毎にパターン分離した発光素子である有機膜106R、106G、106Bとパターン分離した有機膜107R、107G、107Bを本発明により形成し、その後、共通層である第2の電極108を形成している。
有機EL基板300では、パターン分離した発光素子である有機膜106A、106B、106Cに有機膜107R、107G、107Bが含まれている。その他の構造や製造方法は図1に示した有機EL基板100と同じである。
図11は、実施例3の有機EL基板400の構成を示す模式図である。図11では、駆動回路基板101上に平坦化層102と第1の電極103、バンク104を順次形成した後、パターン分離した有機膜105R、105G、105Bとパターン分離した発光素子である有機膜106R、106G、106Bを本発明により形成し、その後、共通層である有機膜107と共通層である第2の電極108を形成している。
有機EL基板400では、パターン分離した有機膜106R、106G、106Bに有機膜105R、105G、105Bが含まれている。その他の構造や製造方法は図1に示した有機EL基板100と同じである。
図12は、実施例4の有機EL基板500の構成を示す模式図である。図12では、駆動回路基板101上に平坦化層102と第1の電極103、バンク104を順次形成した後、パターン分離した有機膜105R、105G、105Bを本発明により形成し、その後、パターン分離した発光素子である有機膜106R、106G、106Bを形成し、さらにパターン分離した有機膜107R、107G、107Bを形成し、その上に第2の電極108を形成している。
有機EL基板500では、パターン分離した有機膜106に、有機膜105R、105G、105Bと、有機膜107R、107G、107Bが含まれている。その他の構造や製造方法は図1に示した有機EL基板100と同じである。
本発明を用いて形成した有機EL基板を封止することにより有機ELパネルが完成する。本発明によってパターン分離した有機膜を有する有機EL素子を設けた駆動回路基板と封止ガラスをシール剤を用いて貼り合せ、駆動回路基板と封止ガラスの間の封止空間に窒素等の不活性ガスを充填する。
また、本発明によってパターン分離した有機膜を有する有機EL素子を設けた駆動回路の有機EL素子形成部を樹脂シートにより被覆してもよい。樹脂シートとしてはエポキシ系高分子化合物、アクリル系高分子化合物、ポリイミド系高分子化合物、などを用いることができる。樹脂シートと第2の電極の間には、シリコン系絶縁層(シリコン窒化膜、シリコン酸化膜、シリコン窒化酸化膜)やアルミニウム酸化膜等の無機系絶縁薄膜を介在させてもよい。また、封止ガラスの代わりにガスバリア層を設けたプラスチック等を用いてもよい。
さらに、本発明によってパターン分離した有機膜を有する有機EL素子を設けた駆動回路基板の有機EL素子形成部を薄膜封止層により被覆したものであり、有機ELパネルを薄くできる。薄膜封止層としては、前述した無機系絶縁膜と有機系絶縁薄膜の多層膜として用いる。本発明によってパターン分離した有機膜を有する有機EL素子を樹脂シートや薄膜封止層により押さえ込んでいるため、パターン化されて転写成膜された有機膜の密着力を高める効果が得られる。
なお、実施例1〜4では、有機EL素子の発光層のパターニングについて説明した。この発光層は活性層として機能する。活性層は素子の動作を行う部分をさすから、有機EL素子では発光層の事をさす。また、有機薄膜トランジスタ(TFT)の場合には、活性層はゲート電極に電圧を印可することで、電流が流れる有機半導体層をさす。また、有機太陽電池では、活性層は光を吸収して形成された励起状態が正孔と電子に乖離する有機半導体層をさす。
本発明の実施例5において、図13は本発明の実施例5の有機TFT装置を示す断面図である。図13に示した構造の有機TFT装置を作製した。基板802上にゲート絶縁電極802を形成し、その上に、ゲート絶縁膜803を形成した。その上に、ソース電極804とドレイン電極805を形成した。同基板のゲート電極上部でソース電極とドレイン電極で囲まれる領域に対して、実施例1で用いたレーザ転写方法により有機半導体806をパターニングして、有機TFT基板810を作製した。本発明のレーザ転写により高精細な有機半導体層を有する有機TFTを作製した。
本発明の実施例6において、図14は本発明の実施例6の有機太陽電池装置を示す断面図である。図14に示した構造の有機太陽電池装置を作製した。基板901上に第1の電極902を形成し、その端部を覆う絶縁バンク903を形成した。その上に、共通有機膜904を形成した。同基板の第1の電極上部に対して、実施例1で用いたレーザ転写方法により、p型有機半導体905とn型有機半導体906を積層した膜を形成した。その上に、第2の電極907を形成し、有機太陽電池基板910を作製した。本発明のレーザ転写により高精細な活性層エリアを有する有機太陽電池装置を作製した。
20、 60、 61、 70、 71…支持基板
21…第1の有機膜
22…薄膜片
23…薄膜パターン
31、 51…第1のパルス光
32、 52…第2のパルス光
33…第3のパルス光
41…熱が拡散する円柱領域
100、300、400、500…有機EL基板
101…駆動回路基板
102…平坦化層
103…第1の電極
104…バンク
105〜107…有機膜
108…第2の電極
109…有機EL素子形成部
220…ドナー基板
801…基板
802…ゲート電極
803…ゲート絶縁層
804…ソース電極
805…ドレイン電極
806…有機膜
810…有機TFT基板
901…基板
902…第1の電極
903…バンク
904〜906…有機膜
907…第2の電極
910…有機太陽電池基板
502…前処理室
503、515…有機蒸着室
504、506、507、509、512、514…レーザ転写室
505、508、513…ドナー蒸着槽
516…蒸着室
517…封止室

Claims (21)

  1. 金属ドナーシート上に形成された薄膜を前記金属ドナーシートと対向する基板に転写する転写方法において、複数のパルスレーザ光列を一定の方向に掃引して前記金属ドナーシート裏面に照射し、第1のパルス光を照射した部分に、第2のパルス光の少なくとも一部が重なるように第2のパルス光を照射して掃引することを特徴とするレーザ転写方法。
  2. 請求項1に記載のレーザ転写方法において、前記第1のパルス光が照射されてから前記第2のパルス光が照射されるまでの時間に、前記第1のパルス光が照射された前記金属ドナーシート裏面部分から熱拡散長領域までの温度が前記薄膜の蒸着温度より低くなる繰返し周波数を有する前記パルスレーザ光列を用いる事を特徴とするレーザ転写方法、
  3. 請求項1に記載のレーザ転写方法において、前記第1のパルス光が照射されてから前記第2のパルス光が照射されるまでの時間に、前記第1のパルス光が照射された前記金属ドナーシート裏面部分から熱拡散長領域までの温度が前記薄膜の蒸着温度より低くなる板厚の前記金属ドナーシートを用いる事を特徴とするレーザ転写方法。
  4. 請求項1に記載のレーザ転写方法において、前記第1のパルス光が照射されてから前記第2のパルス光が照射されるまでの時間に、前記第1のパルス光が照射された前記金属ドナーシート裏面部分から熱拡散長領域までの温度が前記薄膜の蒸着温度より低くなるパルスエネルギーの前記第1のパルス光を用いる事を特徴とするレーザ転写方法。
  5. 請求項1に記載のレーザ転写方法において、前記金属ドナーシートと前記基板の間にギャップを有する事を特徴とするレーザ転写方法。
  6. 請求項5に記載のレーザ転写方法において、前記ギャップを10μm以上かつ100μm以下としたことを特徴とするレーザ転写方法。
  7. 請求項1に記載のレーザ転写方法において、前記薄膜は、前記金属ドナーシート側からキャリア輸送層、活性層の順に積層された積層膜、或いは、前記金属ドナーシート側から活性層、キャリア輸送層の順に積層された積層膜である事を特徴とするレーザ転写方法。
  8. 請求項1に記載のレーザ転写方法において、前記薄膜は、前記金属ドナーシート側から活性層、キャリア輸送層の順に積層された積層膜である事を特徴とするレーザ転写方法。
  9. 請求項1に記載のレーザ転写方法において、前記薄膜は、前記金属ドナーシート側からキャリア輸送層、活性層、キャリア輸送層の順に積層された積層膜である事を特徴とするレーザ転写方法。
  10. 請求項1に記載のレーザ転写方法において、前記薄膜は、前記金属ドナーシート側から電極層、キャリア輸送層、活性層の順に積層された積層膜である事を特徴とするレーザ転写方法。
  11. 請求項1に記載のレーザ転写方法において、前記薄膜は、前記金属ドナーシート側から複数のキャリア輸送層、活性層、複数のキャリア輸送層の順に積層された積層膜である事を特徴とするレーザ転写方法。
  12. 請求項1に記載のレーザ転写方法において、前記基板上には電極が形成されており、前記パルスレーザ列の掃引方向が前記電極の長手方向となる掃引を特徴とするレーザ転写方法。
  13. 請求項12に記載のレーザ転写方法において、前記電極は画像表示装置の画素電極であり前記画素電極は少なくとも3種類以上の発光色を有するサブ画素電極に分類され、前記パルスレーザが特定の発光色の前記サブ画素電極の長手方向に掃引されることを特徴とするレーザ転写方法。
  14. 請求項13に記載のレーザ転写方法において、前記サブ画素電極はモザイク配列或いはデルタ配列で配置され、
    前記パルスレーザが特定の発光色の前記サブ画素電極が隣接する方向に掃引されることを特徴とするレーザ転写方法。
  15. 請求項1に記載のレーザ転写方法において、前記金属ドナーシートの板厚が異なる領域が形成され、前記パルスレーザ光列が照射されない領域の金属ドナーシートの板厚が前記パルスレーザ光列が照射される領域の金属ドナーシートの板厚に比べて厚いことを特徴とするレーザ転写方法。
  16. 請求項1に記載のレーザ転写方法において、前記金属ドナーシートが2層構造となっており、前記パルスレーザ光列が照射される側の金属シートの熱拡散率が前記薄膜が形成された側の金属シートの熱拡散率に比べて大きい事を特徴とする転写方法。
  17. 金属ドナーシート上に形成された薄膜を前記金属ドナーシートと対向する基板に転写する転写方法において、複数のパルスレーザ光列を一定の方向に掃引して前記金属ドナーシート裏面に照射し、第1のパルス光を照射した部分に、第2のパルス光の少なくとも一部が重なるように第2のパルス光を照射して掃引するレーザ転写方法を行う転写部と、前記金属ドナーシートに前記薄膜として有機膜を形成する薄膜形成部を有することを特徴とするレーザ転写設備。
  18. 請求項17に記載のレーザ転写設備において、前記基板にはカラー画像表示用として、少なくとも3種類以上の発光色のサブ画素電極を有し、第1の発光色のサブ画素電極に前記レーザ転写を行い、第2の発光色のサブ画素電極に前記レーザ転写を行い、第3の発光色のサブ画素電極に前記レーザ転写を行うことを特徴とするレーザ転写設備。
  19. 請求項17に記載のレーザ転写設備において、前記基板にはカラー画像表示用として、少なくとも3種類以上の発光色のサブ画素電極を有し、第1の発光色のサブ画素電極に前記レーザ転写を行い、第2の発光色のサブ画素電極に前記レーザ転写を行うことを特徴とするレーザ転写設備。
  20. 請求項17に記載のレーザ転写設備において、前記金属ドナーシートを用いて第1の基板に対して前記レーザ転写を行い、第2の基板と前記金属ドナーシートの位置を調整して前記薄膜付着している金属シート領域を用いて前記レーザ転写を行い、第3の基板と前記金属ドナーシートの位置を調整して前記薄膜が付着している領域を用いて前記レーザ転写を行うことを特徴とするレーザ転写設備。
  21. 請求項20に記載のレーザ転写設備において、前記第1の基板、前記第2の基板および前記第3の基板の背面にアライメントカメラを設け、該アライメントカメラを用いて前記基板とレーザヘッドを調整し、前記金属ドナーシートと前記レーザヘッドの位置を調整してレーザ転写を行うことを特徴とするレーザ転写設備。
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