JP2014019617A - チタン酸リチウム微粒子とその製造方法 - Google Patents

チタン酸リチウム微粒子とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】平均粒径が50nm以下の微粒子からなり、その粒子分布が狭く、大きな比表面積を有するチタン酸リチウム微粒子を提供する。さらに、単一の工程で、短時間の反応で、ナノ粒子を製造することが可能な、チタン酸リチウム微粒子の製造方法を提供する。加えて、リチウム電池やキャパシター等の幅広い技術分野で使用される負極電極材料等の製造に有用なチタン酸リチウム微粒子を提供する。
【解決手段】平均粒子径が50nm以下で、単結晶粒子からなるチタン酸リチウム微粒子を製造する方法であって、チタニウム金属化合物とリチウム化合物を、亜臨界ないし超臨界状態の水を媒体として、水熱反応させることを特徴とするチタン酸リチウム微粒子の製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、リチウム元素が固溶したチタニウム酸化物であって、平均粒子径50nm以下のチタン酸リチウム微粒子とその粉末を生産性良く製造する方法に関するものである。
チタン酸リチウムは、リチウムイオンの挿入・脱離に伴う結晶体積変化がわずかであり、電池容量劣化が殆ど無く、また、充放電電位が約1.5V(vs Li/Li)である。このことから、電解液の分解及び急速充放電によるリチウム金属の析出などの副反応が生じにくい特徴からリチウムイオン電池用電極材料として近年、注目され、使用され始めている。
特に現在負極材料として使用されている炭素材料では、高温下での発熱量が大きく、発火が生じやすいという問題があり、事故例も報告されている。これに対し、チタン酸リチウム負極材料は、熱的に安定である。また、リチウム析出電位に到達しないことから、リチウム金属の析出による短絡が生じにくい。たとえ短絡しても電極表面が高抵抗化して電流が流れにくくなるため、電池の破裂、発火、発煙などの事故を引き起こす可能性が極めて低い。
現在、チタン酸リチウムは、一般に固体の原材料を混合して高温で焼成する、固相反応により合成されており、焼成温度が600-1100℃、反応時間が1-200時間にもなる。そのため、粒子同士の融合により微粒子を得ることが難しい。粒子径は一般に5μmの大粒子から成るもので、後工程でボールミルなどにより微粉砕して製造しているのが現状である(特許文献1参照)。
他に噴霧熱分解法による合成例として、金属イオンを閉じ込めた水滴を熱分解して金属酸化物の球状粒子を得る方法が報告されている。この方法は、連続プロセスであり、製造時間も短縮されることから、製造コストの削減が図られる。しかし、粒子サイズは200-300nmであり、比表面積値が10m2/g以下であることから、充放電サイクル特性として徐々に容量の低下が認められる(特許文献2参照)。
水熱反応を利用したチタン酸リチウムの製造方法としては、原料として、ペルオキソチタン酸水溶液とリチウム化合物との混合溶液を、100℃〜350℃で加熱加圧して水熱反応を行なわせた後、300℃〜700℃でアニールし、その後分級する製造方法が開示されている(特許文献3参照)。その粒子の平均粒径は、0.1μm〜2.0μmで最大粒径が5μmを越えないことを特徴としている。しかし、水熱処理のみでは結晶性チタン酸リチウムが得られない。そのため、後工程で300℃以上でのアニール工程と分級工程が必要とする。アニールすることにより結晶粒子の成長に伴い粒度分布が広くなるため、分級工程が必要となり、煩雑な製造プロセスとなっている。また、水熱反応時間が長く、オートクレーブを用いる回分式水熱処理であるため、生産性が悪く、経済性に欠けるという問題がある。
また、水熱合成法の改良として、溶媒を水以外の有機溶媒を用いたソルボサーマル反応法も無機微粒子を合成する手法として注目されている。チタン酸リチウムについては、エタノールを媒体に200℃、12時間の反応で50nm程度の粒子径を有するチタン酸リチウム微粒子の合成例が報告されている(非特許文献1,2)。しかしながら、反応に0.6Mという高濃度水酸化リチウムを用い、pH14という強アルカリ雰囲気を必要とする。また、高温高圧のエタノールを用いることから、反応容器として耐圧容器を必要とするので、製造プロセスとして、装置に初期投資を必要とする。
従来、ナノメートルサイズの結晶粒子を得るには、短時間で核生成及び結晶化を完結させれば良いことは知られていた。しかし、特定の化合物の、ナノメートルサイズの結晶粒子を製造するには、個々の化合物について、それぞれ、経験的、実験的な事例の積み重ねによる外はない。最適な、原料化合物、反応方法、反応装置等を決めるには、多大の努力と時間を重ねる必要があり、当技術分野においてもそれらの問題を克服する新しい製造方法の開発が強く求められていた。
特許公開2003−238156号公報 特許公開2011−113924号公報 特許公開2010−228980号公報
D.Fattakhova,V.Petrykin,J.Brus,T.Kostlanova,J.Dedecek,P.Krtil,Solid State Ionics Vol 176,p1877-1885(2005). T.Kostlanova,J.Dedecek,P.Krtil,Electrochimica Acta、vol.52、p1847-1856(2007).
以上のように、従来のチタン酸リチウム微粒子は、固相合成物は結晶性は十分であるが、微粒化に粉砕工程などを必要とすること、一方、従来の水熱合成物では、粒子径はサブミクロン以下ではあるが、結晶性が低いため、後工程として、焼成処理と分級工程などを必要とするのが現状である。
本発明の課題は、平均粒径が50nm以下の微粒子からなり、その粒子分布が狭く、大きな比表面積(BET)を有するチタン酸リチウム微粒子を提供することである。さらに、本発明の課題は、単一の工程で、短時間の反応で、ナノ粒子(粒子径がナノメートルサイズの粒子をいう)を製造することが可能な、チタン酸リチウム微粒子の製造方法を提供することである。加えて、本発明の課題は、リチウム電池やキャパシター等の幅広い技術分野で使用される負極電極材料等の製造に有用なチタン酸リチウム微粒子を提供することである。
本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、上記諸問題を抜本的に解決することが可能な新しいナノサイズの結晶粒子からなるチタン酸リチウム微粒子を製造する技術を開発することを目指して、鋭意研究を積み重ねた。その結果、本発明者らは、チタン酸リチウムのナノメートルサイズの微粒子の合成において、超臨界状態の水は、非極性のガス状となるため、非極性の金属酸化物の生成速度が著しく大きくなり、核生成速度も極めて大きくなること、当該水の物質拡散係数は、ガス程度に大きく、水熱反応の結果で生じる水の拡散速度に律されることがなく結晶化が進行することを見出した。更に、反応媒体中に溶存するイオン濃度が極めて低いため、イオンの取り込みによる粒子成長が生じ難いので、粒子は一次微粒子の生成にとどまること、また、極めて短時間のうちに反応が終了すること、そしてそのために結晶の相転移も生じにくいこと、等の知見を得た。本発明者等は、これらの知見を基にさらに、研究を重ねることにより、本発明をなすに至った。
本発明の上記課題は、以下の技術的手段から構成される。
(1)平均粒子径が50nm以下で、単結晶粒子からなるチタン酸リチウム微粒子を製造する方法であって、チタニウム金属化合物とリチウム化合物を、亜臨界ないし超臨界状態の水を媒体として、水熱反応させることを特徴とするチタン酸リチウム微粒子の製造方法。
(2)チタニウム化合物として、チタニアゾル、硫酸チタン、塩化チタン、チタニウムアルコキシド、又はこれらのチタニウム化合物の加水分解物を、リチウム化合物として水酸化リチウム、またはリチウムの硝酸塩、塩化物、若しくは酢酸塩を使用することを特徴とする前記(1)に記載のチタン酸リチウム微粒子の製造方法。
(3)水熱反応を、温度370〜450℃、圧力20〜40MPaで行うことを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のチタン酸リチウム微粒子の製造方法。
(4)水熱反応時間が、60秒以内であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載のチタン酸リチウム微粒子の製造方法。
(5)水熱反応を、pH10以上の領域で遂行することにより、実質的にチタン酸化合物の溶解度を向上させ、リチウムとの反応を促進させることにより製造することを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載のチタン酸リチウム微粒子の製造方法。
(6)管型反応器を用い連続プロセスで行う前記(1)〜(5)のいずれかに記載のチタン酸リチウム微粒子の製造方法。
(7)リチウム金属化合物及びチタニウム化合物の混合水溶液を、亜臨界ないし超臨界状態の水を媒体として、水熱反応させることにより製造されたチタン酸リチウム微粒子であって、以下の特性、
1)平均粒径が50nm以下の細粒子である、
2)チタニウムとリチウム金属イオンの組成が制御されている、
3)単結晶粒子からなる、
を有することを特徴とするチタン酸リチウム微粒子。
本発明により、(1)平均粒子径が50nm以下のナノ粒子からなり、その粒径分布が非常に狭い範囲にある、チタン酸リチウム微粒子を提供できる、(2)結晶性が高く、単結晶の一次粒子の分散状体であり、熱処理による結晶化の必要がない、チタン酸リチウム微粒子を提供できる、(3)単一の工程で10秒以内の短時間の反応で、ナノ粒子を製造することができる、(4)ナノサイズレベルで、結晶構造が制御された、高密度で、欠陥のないチタン酸リチウム微粒子を提供できる、(5)リチウム二次電池等の技術分野で使用される負極電極材料等として有用な、チタン酸リチウム微粒子を提供できる、という効果が奏される。
本発明の流通式水熱合成反応装置の模式図を示す。 実施例1の生成物のTEM像を示す。スケールバーは20nmの長さを示す。 実施例1(a),3(b)及び4(c)の生成物のXRDチャートを示す。チタン原料:(a)チタニアゾル(pH3),(b)チタニアゾル(pH10),(c)硫酸チタン 実施例4及び比較例1の生成物のXRDチャートを示す。温度:(a)410℃,(b)400℃,(c)370℃,(d)350℃
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明の製造方法において、リチウム化合物及びチタニウム金属化合物を、亜臨界ないし超臨界状態の水を媒体として、水熱反応させることにより得る。この方法によれば、例えば、平均粒子径が50nm以下のもの、また、BET比表面積が90m/g以上であるチタン酸リチウム微粒子を得ることができる。反応時間は、好ましくは0.01〜60であり、より好ましくは0.1〜20であり、特にこのましくは10秒以下の短時間で製造することができる。本発明において平均粒子径とは個々の粒子の表面積の総計を重量換算より求めた比表面積値から計算した粒子径であり、比表面積値は窒素ガス吸着法によって測定したものである。
本発明のチタン酸リチウム微粒子においては、平均粒子径が50nm以下、BET法による比表面積が90m/g以上の特性を有するのは、新規な粒子である。特に、その粒径が非常に狭い範囲に集中した単分散性が高い。分散度は、偏差±10%以下にできる。しかも得られるのが、単結晶の一次粒子の分散体であり、凝集状態にはない結晶粒子である点に特徴を有する。
本発明の製造方法において、反応媒体として用いられる亜臨界ないし超臨界状態の水とは、具体的には、温度370〜500℃、圧力20〜40MPaの範囲にある水の状態を示し、好適には、温度380〜400℃、圧力25〜30MPaが例示される。特に、温度が、374℃以上にある水熱反応条件が、水の密度及び誘電率の低下にともない、水熱反応が加速される等の理由により好適である。反応媒体は、水を主要成分とするが、他の媒体、例えば、有機溶媒、極性溶媒等を含む水性の混合溶媒も適宜使用することができる。混合媒体であっても水の割合は少なくとも50容量%が好ましく、80容量%以上がより好ましい。
本発明の製造方法において、チタニアゾルなどのチタニウム金属化合物とリチウム化合物を、好ましくはpH10以上、より好ましくはpH10.6〜12.5で亜臨界ないし超臨界状態の水を媒体として水熱反応させることにより、短時間での反応で目的チタン酸リチウム微粒子が得られる。
本発明の、チタン酸リチウム微粒子の製造方法の反応に用いる、チタニア源としては、チタニウム塩類一般を用いることができ、好適には、例えば、塩化チタン、硫酸チタン、チタンのアルコキシド等のチタニウム化合物が例示されるが、これらの化合物に限定されるものではない。これらの化合物は、水溶性であると好適であるが、他に、例えば、チタニウム化合物の加水分解により得られる、固体状のチタニウム水酸化物を含むスラリー溶液、例えば、塩化チタンの水溶液を加水分解し、硝酸や有機酸などにより安定化させたチタニアゾルであっても使用が可能である。しかし、本発明で使用されるチタニウム化合物は、これらの物質に限定されるものではなく、これらと同等又は類似の物質であれが同様に使用することができる。
一方、リチウム化合物として、リチウム金属塩類一般を用いることができ、好適には、例えば、リチウムの水酸化物、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩等の希土類金属化合物が例示されるが、これらの化合物に限定されるものではない。反応媒体中の、チタニウム及びリチウム化合物の濃度は、0.01〜1.0モル/Lの範囲が好適であり、0.1〜0.4モル/Lの範囲が、より好適である。
本発明の反応で使用される反応容器としては、所定の温度、圧力に耐えるものであれば適宜の反応容器を使用することができる。例えば、チタニウム金属化合物とリチウム化合物の混合溶液を、バッチ式又は流通式の反応装置中で反応させて、チタン酸リチウム微粒子を合成する。流通式の反応装置を使用する場合には、原料化合物、反応温度等の条件にもよるが、反応ゾーンを、1〜60秒、好適には、1〜10秒で通過する間に反応が完了し、高収率でチタン酸リチウム微粒子を製造できる。
本発明では、平均粒径の範囲が、20〜50nmにあり、その粒径が、20〜30nmの範囲にある分布範囲の狭い値を有するチタン酸リチウム微粒子の製造が可能である。生成する微粒子の、平均粒径及び粒径の分布範囲は、温度、圧力及び濃度を調整することによって制御することが可能であり、粒径の小さい微粒子の製造には、温度、圧力、濃度及び反応時間の減少が有効であり、粒径の大きい微粒子の製造には、温度、圧力、濃度及び反応時間の増加が有効である。
次に、本発明の、チタン酸リチウム微粒子の製造装置の一例として、流通反応方式による装置の一例を図1に基づいて説明する。
本発明の製造装置は、基本的には、チタニアゾルなどのチタン化合物水溶液収納容器(1)、水酸化リチウム水溶液収納容器(2)、蒸留水収納容器(3)、チタニアゾルなどのチタン金属塩水溶液供給用、水酸化リチウム水溶液及び蒸留水供給用の、3基の高速液体クロマトグラフィ用無脈流ポンプ(4),(5),(6)、蒸留水加熱用電気炉(8)、反応管保温用電気炉(反応炉)(7)、反応液冷却用熱交換器(9)、圧力調整器(背圧弁)(10)、回収容器(11)、並びに反応管内及び反応媒体を設定温度に制御するための温度制御装置から構成される。図中MP1およびMP2はそれぞれの原料液が合流する混合点を示し,PGは圧力計,TCは熱電対(温度計)を示す。
本発明では、例えば、チタン化合物水溶液収納容器(1)、水酸化リチウム水溶液収納容器(2)内に収納されたチタニアゾルなどのチタン金属原料水溶液と水酸化リチウム水溶液を、高速液体クロマトグラフィ用無脈流ポンプ(4)、(5)により、それぞれ流量5cm/minで、反応管方向へ送液する。一方、蒸留水は、蒸留水収納容器(3)から、別の高圧ポンプ(6)により、流量40cm/minで、蒸留水加熱用電気炉(8)に送液し、そこで加熱して、反応に必要な所定の超臨界状態の水とした後、反応管を内在する反応炉(7)へ送液する。チタニアゾルなどのチタン金属原料水溶液は、水酸化リチウム水溶液と混合後に前記超臨界水と接触し、急速に反応温度まで昇温して、反応管中で水熱反応が開始する。反応液は、反応管保温用電気炉(反応炉)(7)によって、所定の温度、圧力に保持された反応管中に所定の時間滞在した後、反応管の出口側に接続した、2重管型の熱交換器(9)により冷却した後、背圧弁(10)により降圧して、回収容器(11)中に捕集される。捕集したチタン酸リチウム微粒子は、出口より反応終了液とともにスラリーとして回収し、適当なフィルターによりろ別し、粉体として回収する。各金属イオンの転化率は原料溶液の濃度と、ろ液の濃度を、プラズマ発光分光分析装置(ICP)により定量し、求めることができる。生成した粒子の特性は、粉末X線回折法(XRD)により結晶構造を同定し、粒子径や凝集の程度は電子顕微鏡観察(TEM)及びBET比表面積測定によって測定し、評価される。
本発明の合成法により、チタン酸リチウムのナノ微粒子を合成することが可能である。すなわち、高結晶性で、充放電特性に優れた、平均粒子径50nm以下のチタン酸リチウム微粒子を合成することが実現可能となる。本発明の合成方法を利用することにより、従来製品と比べて、充放電特性が改善されたチタン酸リチウム微粒子を合成し、提供することが可能となる。
次に、実施例に基づき本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これらの例によって限定されるものではない。
実施例1
本実施例では、図1に示した流通式反応装置によってチタン酸リチウム微粒子の合成実験を行った。流通式反応装置により、チタニアゾル溶液(多木化学タイノックM6(pH3))の濃度を0.2M、水酸化リチウムの原料溶液濃度を0.5Mとし、チタニア溶液を5cm/minとアルカリ溶液の流量を5cm/minで送液し、水の超臨界状態として、反応温度400℃,反応圧力30MPa下で、滞在時間10秒の条件で合成実験を行った。反応後のpHは11.64、Tiの添加率は、100%であった。
図2に生成物の電子顕微鏡像を示す。粒子径は50nm以下であり、粒子ひとつひとつが分離しており、凝集していないことがわかる。通常の水熱合成またはゾルゲル法で得られるチタン酸リチウム微粒子は、結晶化度が低く、その形状も球状の場合がほとんどである。しかし、本発明によって生成するチタン酸リチウム微粒子は結晶構造を反映した形態であり、ひとつひとつの粒子の結晶面が観察されることから、高結晶かつ単結晶性微粒子であることがわかる。粉末X線回折(XRD:図3a)による解析では、生成物のXRDチャートに、d=4.84,2.09,1.48,1.21の回折ピークが認められ、チタン酸リチウムLiTi12(JSPDS49−0207)に帰属されることがわかる。BET比表面積値は、161m/gであり、計算密度1.306g/cmから式6000/比表面積・計算密度により求めた平均粒子径は、28.6nmであった。組成分析結果からLi/Tiの値(原子数比、以下同様)は、0.797であった。
実施例2
実施例1においてチタニアゾル濃度を0.4M、水酸化リチウム濃度を1.0Mとした以外は実施例1と同様の条件で合成を行い、本発明製品2を得た。反応後のpHは11.84であった。粉末X線回折(XRD)による解析では、チタン酸リチウムLiTi12(JSPDS49−0207)に帰属された。生成物のBET比表面積値は、142m/gであり、平均粒子径は、32.4nmであった。組成分析結果からLi/Tiの値は、0.80であった。
実施例3
実施例1においてチタニアゾルとして多木化学タイノックA6(pH10)を用い、チタニアゾル濃度0.2M、水酸化リチウム濃度0.5Mとした以外は実施例1と同様の条件で合成を行い、本発明製品3を得た。反応後のpHは11.86であった。粉末X線回折(XRD:図3b)による解析では、チタン酸リチウムLiTi12(JSPDS49−0207)に帰属された。生成物のBET比表面積値は、127m/gであり、平均粒子径は、36.1nmであった。組成分析結果からLi/Tiの値は、0.879であった。
実施例4
実施例1においてチタン源として硫酸チタンを用い、チタニア濃度0.05M、水酸化リチウム濃度0.5Mとした以外は実施例1と同様の条件で合成を行った。反応後のpHは10.92であった。粉末X線回折(XRD:図3c)チャートの解析によれば、生成物はLiTi12とアナタース(TiO)との混合相であり、BET比表面積値は、152m/gであり、平均粒子径は、30.3nmであった。組成分析よりLi/Ti=0.39であった。
実施例5
実施例1において反応温度を370−410℃、チタニアゾル濃度を0.05M、水酸化リチウム濃度を0.1Mとした以外は、実施例1と同様の条件で合成を行った。反応生成物のX線回折パターンを図4に示す。粉末X線回折(XRD:図4a−c)チャートの解析によれば、水酸化リチウム濃度と原料チタニアゾル濃度比が2と低いため、チタン酸リチウムの単一相ではなく、酸化チタンのパターンも認められるものの、主生成物はチタン酸リチウムであり、反応温度370℃以上で、チタン酸リチウムを合成できることが判明した。
比較例1
本比較例では、反応温度を350℃、チタニアゾル濃度を0.05M、水酸化リチウム濃度を0.1Mとした以外は、実施例1と同様の条件で合成を行った。反応温度は350℃,反応圧力30MPaでは超臨界ないしは亜臨界状態でもない。この場合の反応時間は18秒とした。反応後のpHは10.13であった。粉末X線回折(XRD図4d)チャートの解析によれば、生成物はアナタース(酸化チタン)であり、350℃以下では、チタン酸リチウム相が生成しないことが判明した。BET比表面積値は、91m/gで平均粒子径は、50.8nmであった。組成分析よりLi/Ti=0.11であり、酸化チタンが主生成物であることが確認された。
本発明は、新しい、チタン酸リチウム微粒子の製造方法及びその微粒子を提供するものである。本発明は、複雑な装置、多段プロセスを必要とすることなく、極短時間で、結晶性の高い、単結晶からなるチタン酸リチウム微粒子を提供することを可能とするものであり、リチウム電池材料等の技術分野における、新技術の開発を推進するものとして有用である。
本発明は、チタニウム化合物を水酸化リチウムを亜臨界ないし超臨界状態の水を媒体として、水熱反応させることにより、Liを化学量論比で固溶化させたチタン酸リチウム微粒子を製造する方法に係るものであり、本発明により、単結晶からなり、一次粒子の高度分散体からなる、チタン酸リチウム微粒子を製造し提供することができる。また、本発明は、50nm以下の平均粒径を有し、その粒径の分布は、きわめて狭い範囲にある結晶粒子の高度分散体であるという特徴を有する微粒子を提供するものである。本発明のチタン酸リチウム微粒子は、例えば、リチウムイオン電池の負極電極材料やキャパシター材料等として有用である。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、従来得られたことのない主として50nm以下の超微粒子領域で、均一組成のチタン酸リチウム微粒子粉末を製造することが可能になり、高品位の電極粉末として単分散超微粒子が工業的に実用に供されるようになるため、蓄電池の大型化による再生可能エネルギー産業に大きく貢献するものと思われる。またアルコキシドなどの高価な原料を使用せず、製造工程が比較的簡単であり、特に水熱合成が極めて短時間で処理でき高効率であり、また流通式であるため連続合成が可能であるなど、生産性に著しい長所がある。ナノメートルサイズレベルで、結晶構造が制御された、チタン酸リチウム微粒子を提供できる、という格別の効果が奏される。
チタン酸リチウム微粒子の分散液からの単離は常法にしたがっておこなうことができる。たとえば、遠心分離やメンブレンフィルターを用いた減圧ろ過にてできる。
1 チタニアゾル水溶液槽
2 水酸化リチウム水溶液槽
3 蒸留水槽
4、5、6 液体クロマトグラフィ用高圧ポンプ
7 反応炉
8 予熱炉
9 二重冷却管
10 背圧弁
11 回収容器

Claims (7)

  1. 平均粒子径が50nm以下で、単結晶粒子からなるチタン酸リチウム微粒子を製造する方法であって、チタニウム金属化合物とリチウム化合物を、亜臨界ないし超臨界状態の水を媒体として、水熱反応させることを特徴とするチタン酸リチウム微粒子の製造方法。
  2. チタニウム化合物として、チタニアゾル、硫酸チタン、塩化チタン、チタニウムアルコキシド、又はこれらのチタニウム化合物の加水分解物を、リチウム化合物として水酸化リチウム、リチウムの硝酸塩、塩化物、若しくは酢酸塩を使用することを特徴とする請求項1記載のチタン酸リチウム微粒子の製造方法。
  3. 水熱反応を、温度370〜450℃、圧力20〜40MPaで行うことを特徴とする請求項1又は2記載のチタン酸リチウム微粒子の製造方法。
  4. 水熱反応時間が、60秒以内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のチタン酸リチウム微粒子の製造方法。
  5. 水熱反応を、pH10以上の領域で遂行することにより、実質的にチタン酸化合物の溶解度を向上させ、リチウムとの反応を促進させることにより製造することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のチタン酸リチウム微粒子の製造方法。
  6. 管型反応器を用い連続プロセスで行う請求項1〜5のいずれかに記載のチタン酸リチウム微粒子の製造方法。
  7. リチウム金属化合物及びチタニウム化合物の混合水溶液を、亜臨界ないし超臨界状態の水を媒体として、水熱反応させることにより製造されたチタン酸リチウム微粒子であって、以下の特性、
    1)平均粒径が50nm以下の細粒子である、
    2)チタニウムとリチウム金属イオンの組成が制御されている、
    3)単結晶粒子からなる、
    を有することを特徴とするチタン酸リチウム微粒子。
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