JP2014017351A - 太陽電池モジュール本体、太陽電池モジュール、及び太陽電池モジュール本体の製造方法 - Google Patents

太陽電池モジュール本体、太陽電池モジュール、及び太陽電池モジュール本体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】太陽電池モジュール本体の劣化を抑制し、高い信頼性を得ることができる太陽電池モジュール本体、太陽電池モジュール、及び太陽電池モジュール本体の製造方法を提供する。
【解決手段】太陽電池モジュール本体が、封止樹脂部材と、透光性の表面保護部材と、裏面保護部材と、接着部材と、を備える。封止樹脂部材は太陽電池セルを封止する。この封止樹脂部材は表面保護部材の一方の主面上に設けられる。裏面保護部材は、封止樹脂部材を介して表面保護部材の一方の主面上に設けられる。接着部材は、裏面保護部材の端部を表面保護部材の他方の主面に接着する。裏面保護部材は、第1及び第2基材層と、第1及び第2基材層の間に配置される金属層と、を含んで構成される。裏面保護部材の端面は接着部材で被覆される。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池モジュール本体、太陽電池モジュール、及び太陽電池モジュール本体の製造方法に関する。
一般的な太陽電池モジュールでは、透光性の表面保護部材(たとえばガラス基板)の裏面と裏面保護部材との間において、封止樹脂部材により太陽電池セルが封止される。その後、封止樹脂部材及び裏面保護部材は、表面保護部材の裏面の周縁部に沿って切りそろえられる。言い換えると、平面視において表面保護部材からはみ出す部分は切り取られる。こうして作製される太陽電池モジュール本体の外周縁には、端面封止材が取付けられた後、枠体で挟み込まれる。
このような太陽電池モジュールには、近年、より長期間の信頼性が求められている。また、太陽電池モジュールは過酷な環境で使用されることもある。そのため、太陽電池モジュールでは、特に太陽電池モジュール本体の外周端面からの水分及び腐食性物質などの侵入を防ぐ工夫がなされている。
たとえば、特許文献1では、ガラス基板の主面よりも大きなバックシートが、太陽電池モジュール本体の外周端面を被覆するように折り曲げられる構造を開示している。また、特許文献2では、さらに、太陽電池モジュール本体の外周端面を被覆するバックシートの基材層に、水分及び腐食性物質の侵入を防ぐためのバリア層が設けられる。
特開2009−246022号公報 特開2011−253836号公報
しかしながら、特許文献1では、ガラス基板とバックシートとの間、及びバックシートの端面から水分及び腐食性物質などが侵入しやすい。また、バックシートを耐候性の樹脂材料で形成しているが、長期にわたって水分の侵入を防ぐことは難しい。
また、特許文献2では、ガラス基板とバックシートとの間、及びバックシートの端面から水分及び腐食性物質などが侵入する可能性がある。たとえば、特許文献2では、ガラス基板の端面とバックシートとが直接に接するため、それらの間に隙間ができやすい。このような隙間には、水分及び腐食性物質が残留することがある。また、このような隙間があると、水分及び腐食性物質が侵入しやすくなる。また、特許文献2では、バックシートの端面を封止樹脂層で覆う構成を開示しているが、一般的に、封止樹脂部材に用いられる材料は水分を通し易い。
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、太陽電池モジュール本体の劣化を抑制し、高い信頼性を得ることができる太陽電池モジュール本体、太陽電池モジュール、及び太陽電池モジュール本体の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の太陽電池モジュール本体は、太陽電池セルを封止する封止樹脂部材と、一方の主面上に前記封止樹脂部材が設けられる透光性の表面保護部材と、前記封止樹脂部材を介して前記表面保護部材の前記一方の主面上に設けられる裏面保護部材と、前記裏面保護部材の端部を前記表面保護部材の他方の主面に接着する接着部材と、を備え、前記裏面保護部材は、第1及び第2基材層と、前記第1及び第2基材層の間に配置される金属層と、を含んで構成され、前記裏面保護部材の端面は前記接着部材で被覆されることを特徴とする。
上記構成によれば、裏面保護部材の端面及び封止樹脂部材が外部に露出することを防止することができる。また、表面保護部材と裏面保護部材との間での隙間の発生を防止することができる。従って、水分及び腐食性物質などに起因する裏面保護部材の金属層及び封止樹脂部材の劣化を抑制することができる。さらに、水分及び腐食性物質などが表面保護部材と裏面保護部材との間から太陽電池モジュール本体の内部に侵入することを防止することができる。よって、太陽電池モジュール本体の劣化を抑制し、高い信頼性を得ることができる。
上記構成において、前記表面保護部材の端面と前記裏面保護部材との間に、前記封止樹脂部材が介在してもよい。
この構成によれば、表面保護部材の端面と前記裏面保護部材との間に隙間が生じないので、水分及び腐食性物質などの侵入を確実に防止することができる。
また、上記構成において、前記封止樹脂部材は、複数の封止樹脂層を含んで構成され、前記表面保護部材の端面と前記裏面保護部材との間に、前記複数の封止樹脂層のうちの2つ以上が介在してもよい。
この構成によれば、表面保護部材の端面上に設けられる封止樹脂部材の厚さが増す。そのため、太陽電池モジュール本体の外周端面と太陽電池セルとの間の距離をより長くすることができる。従って、太陽電池モジュール本体の絶縁耐性を向上させることができる。さらに、表面保護部材の端面と前記裏面保護部材との間に隙間が生じないので、水分及び腐食性物質などの侵入を確実に防止することができる。
また、上記構成において、前記裏面保護部材の端面では前記金属層は露出しなくてもよい。
この構成によれば、金属層はバックシートの端面から離れた位置に設けられる。そのため、仮に裏面保護部材の端面に水分又は腐食性物質などが侵入したとしても、それらが金属層に到達する可能性は低い。従って、金属層が劣化する可能性をより低くすることができる。
また、上記目的を達成するために本発明の太陽電池モジュールは、上記の太陽電池モジュール本体と、前記太陽電池モジュール本体の外周縁に嵌め込まれる枠体と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、裏面保護部材の端面及び封止樹脂部材が外部に露出することを防止することができる。また、表面保護部材と裏面保護部材との間での隙間の発生を防止することができる。従って、水分及び腐食性物質などに起因する裏面保護部材の金属層及び封止樹脂部材の劣化を抑制することができる。さらに、水分及び腐食性物質などが表面保護部材と裏面保護部材との間から太陽電池モジュール本体の内部に侵入することを防止することができる。よって、太陽電池モジュール本体の劣化を抑制し、高い信頼性を得ることができる。
また、上記目的を達成するために本発明の太陽電池モジュール本体の製造方法は、太陽電池セルを封止する封止樹脂部材が透光性の表面保護部材の一方の主面上に設けられるステップと、第1及び第2基材層と、前記第1及び第2基材層の間に配置される金属層と、を含んで構成される裏面保護部材が、前記封止樹脂部材を介して前記表面保護部材の前記一方の主面上に設けられるステップと、前記接着部材が前記表面保護部材の他方の主面に前記裏面保護部材の端部を接着するステップと、を備え、前記裏面保護部材の端部を接着するステップにおいて、さらに、前記裏面保護部材の端面が前記接着部材で被覆されることを特徴とする。
上記構成によれば、裏面保護部材の端面及び封止樹脂部材が外部に露出することを防止することができる。また、表面保護部材と裏面保護部材との間での隙間の発生を防止することができる。従って、水分及び腐食性物質などに起因する裏面保護部材の金属層及び封止樹脂部材の劣化を抑制することができる。さらに、水分及び腐食性物質などが表面保護部材と裏面保護部材との間から太陽電池モジュール本体の内部に侵入することを防止することができる。よって、太陽電池モジュール本体の劣化を抑制し、高い信頼性を得ることができる。
本発明によると、太陽電池モジュール本体の劣化を抑制し、高い信頼性を得ることができる太陽電池モジュール本体、太陽電池モジュール、及び太陽電池モジュール本体の製造方法を提供することができる。
第1実施形態に係る太陽電池モジュールの外周縁の局所断面図である。 第1実施形態に係る太陽電池モジュールを示す斜視図である。 第1実施形態に係る太陽電池モジュール本体の製造工程を説明するための図である。 第2実施形態に係る太陽電池モジュールの外周縁の局所断面図である。 第3実施形態に係る太陽電池モジュールの外周縁の局所断面図である。 第4実施形態に係る太陽電池モジュールの外周縁の局所断面図である。 第5実施形態に係る太陽電池モジュールの外周縁における封止樹脂部材近傍の局所断面図である。 第5実施形態に係る太陽電池モジュール本体の製造工程を説明するための図である。 第6実施形態に係る太陽電池モジュールの外周縁の局所断面図である。 第7実施形態に係る太陽電池モジュールの外周縁の局所断面図である。
以下に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る太陽電池モジュールの外周縁の局所断面図である。図2は、第1実施形態に係る太陽電池モジュールを示す斜視図である。図1及び図2に示すように、太陽電池モジュール1は、太陽電池モジュール本体10と、枠体20と、を含んで構成されている。太陽電池モジュール本体10は、基板11と、太陽電池セル12と、封止樹脂部材13と、バックシート14と、接着部材15と、端子ボックス16と、ケーブル17と、を含んで構成される。なお、以下では、太陽電池モジュール本体10の2つの主面のうち、図1の下側を向く一方の主面を裏面10aと呼ぶ。また、図1の上側を向く他方の主面は太陽電池モジュール本体10の受光面10bである。また、図2では、図1とは逆に、太陽電池モジュール本体10の裏面10aは図2の上側を向き、その受光面10bは図2の下側を向いている。
基板11は、透光性を有する板状の表面保護部材である。基板11には、たとえば板状のガラスなどが用いられる。なお、以下では、基板11の2つの主面のうち、太陽電池モジュール本体10の裏面10a側となる一方の主面を、基板11の裏面11aと呼ぶ。また、太陽電池モジュール本体10の受光面10b側となる他方の主面を、基板11の外表面11bと呼ぶ。基板11の裏面11a上には、太陽電池セル12を封止している封止樹脂部材13と、バックシート14と、が順に配置されている。
太陽電池セル12は、結晶系のシリコン太陽電池セルである。この太陽電池セル12の種類は、特に限定しない。たとえば、太陽電池セル12は、GaAs系、Cu−In−Se系(CIS)、Cu−In−Ga−Se系(CIGS)、CdTe系などの材料を用いた化合物半導体太陽電池セル、薄膜系のシリコン太陽電池セル、色素増感型太陽電池セルなどであってもよい。なお、薄膜系のシリコン太陽電池セルが用いられる場合には、太陽電池モジュール本体10は受光面側封止樹脂層131を備えない。これは、薄膜系のシリコン太陽電池セルは基板11上に直接形成されるためである。また、太陽電池セル12は、1の太陽電池セルであってもよいし、電気的に直列に接続された複数の太陽電池セルであってもよい。
封止樹脂部材13は透光性を有する充填層である。封止樹脂部材13は、基板11とバックシート14との間に配置されている。封止樹脂部材13は、太陽電池セル12を挟んで封止する受光面側封止樹脂層131及び裏面側封止樹脂層132を含んで構成される。本実施形態では、受光面側封止樹脂層131及び裏面側封止樹脂層132は、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合樹脂)で形成されている。なお、受光面側封止樹脂層131及び裏面側封止樹脂層132の材料は、本実施形態に限定されない。他の材料(たとえば、アイオノマー樹脂、ポリオレフィン樹脂、PVB、その他の透明な樹脂材料)が用いられてもよい。
また、第1実施形態では、受光面側封止樹脂層131の主面の大きさは基板11の裏面11aの大きさと略同じである。また、裏面側封止樹脂層132の主面は基板11の裏面11aよりも大きくなっている。そのため、基板11の裏面11aの法線方向から見た平面視において、裏面側封止樹脂層132は基板11の裏面11aの周縁部からはみ出している。以下では、このはみ出した部分をはみ出し樹脂部132aと呼ぶ。このはみ出し樹脂部132aは、受光面側封止樹脂層131の裏面10a側の主面の周縁部にて折り曲げられ、受光面側封止樹脂層131の端面131b及び基板11の端面11cを被覆している。よって、裏面側封止樹脂層132は、はみ出し樹脂部132aを折り曲げたとき、このはみ出し樹脂部132aが少なくとも基板11の端面11c及び受光面側封止樹脂層131の端面131bを被覆できる程度の大きさを有している。また、基板11の外表面11bの法線方向において、はみ出し樹脂部132aの端面132bは基板11の外表面11bと同じ高さの位置にある。言い換えると、端面132bは外表面11bと面一である。
バックシート14は、太陽電池モジュール本体10の裏面10aを保護するための裏面保護部材である。バックシート14は、Al箔14aと、第1及び第2PET(Polyethylene terephthalate)層14b及び14cと、を含んで構成される。Al箔14aは第1及び第2PET層14b及び14cの間に配置される。すなわち、バックシート14は、第1PET層14b/Al箔14a/第2PET層14cの順に積層された三層構造を含んで構成される多層構造体である。Al箔14aは、太陽電池モジュール本体10の外部から内部に水分及び腐食性物質などが侵入することを防ぐために設けられる金属層の一例である。この金属層は、たとえばCu箔などの金属材料を用いて形成してもよい。また、第1及び第2PET層14b及び14cは、樹脂材料を用いて形成される基材層の一例である。この基材層は、PENなどを用いて形成してもよい。
バックシート14は、封止樹脂部材13を介して基板11の裏面11a上に設けられる。また、バックシート14の主面は基板11の裏面11aよりも大きい。そのため、基板11の裏面11aの法線方向から見た平面視において、バックシート14の端部141aは、基板11の裏面11aの周縁部からはみ出している。以下では、このはみ出した部分をはみ出しシート部141と呼ぶ。このはみ出しシート部141は、太陽電池モジュール本体10の裏面10aの周縁部(すなわち、裏面側封止樹脂層132の裏面10a側の主面の周縁部)、及び太陽電池モジュール本体10の受光面10bの周縁部(すなわち、はみ出し樹脂部132aの端部)にて折り曲げられる。そのため、はみ出しシート部141は、はみ出し樹脂部132aを介して基板11の端面11cを被覆している。言い換えると、太陽電池モジュール本体10の外周端面10cは、はみ出しシート部141で被覆されている。
また、基板11の端面11cとはみ出しシート部141との間には、はみ出し樹脂部132aが介在している。こうすれば、基板11の端面11cとはみ出しシート部141との間に隙間が生じない。従って、基板11の端面11cとはみ出しシート部141との間での水分及び腐食性物質などの侵入を確実に防止することができる。
はみ出しシート部141の端部141aは接着部材15により基板11の外表面11bに接着されている。この場合、全ての端部141aが接着部材15により外表面11bに接着されることが望ましい。また、バックシート14のはみ出しシート部141の端面141bは接着部材15で被覆されている。この場合、全ての端面141bが接着部材15で被覆されることが望ましい。なお、第1実施形態では、接着部材15として、封止樹脂層に用いられる樹脂材料よりも耐湿性が高いシリコーン樹脂を用いている。
こうすれば、バックシート14の端面141b及び封止樹脂部材13が外部に露出することを防止することができる。さらに、基板11とバックシート14との間での隙間の発生を防止することができる。従って、水分及び腐食性物質などに起因するバックシート14のAl箔14a及び封止樹脂部材13の劣化を抑制することができる。さらに、水分及び腐食性物質などが基板11とバックシート14との間から太陽電池モジュール本体10の内部に侵入することを防止することができる。よって、基板11とバックシート14との間、及びバックシート14の端面141bから侵入する水分及び腐食性物質などに起因する太陽電池モジュール本体10の劣化を抑制し、太陽電池モジュール本体10及び太陽電池モジュール1の信頼性を向上させることができる。
端子ボックス16は、太陽電池モジュール本体10の出力を取り出し、ケーブル17を通じて外部に出力するための出力インターフェースである。端子ボックス16は、太陽電池モジュール本体10の裏面10aに取り付けられている。
枠体20は、太陽電池モジュール本体10の外周縁に嵌め込まれて取り付けられる枠状部材である。枠体20は、たとえばアルミニウムを用いて、押し出し加工によりその断面形状が枠状となるように形成されている。
なお、図1に示すように、バックシート14のはみ出しシート部141及び接着部材15は、枠体20からはみ出さないように設けられている。こうすれば、バックシート14及び接着部材15が直射日光及び風雨に直接に曝されることがないので、バックシート14及び接着部材15の局所的な劣化が早まることを防止することができる。従って、太陽電池モジュール1の耐候性も維持し易くなる。さらに、太陽電池モジュール1の外観を良くすることができる。
次に、第1実施形態に係る太陽電池モジュール本体10の製造工程について説明する。
図3は、第1実施形態に係る太陽電池モジュール本体の製造方法を説明するための工程図である。なお、図3では、図1とは逆に、太陽電池モジュール本体10の裏面10aは同図の上側を向き、その受光面10bは同図の下側を向いている。
第1実施形態に係る太陽電池モジュール本体10の製造工程は、大きく分けると、太陽電池モジュール本体10を構成する各部材の載置工程と、裏面側封止樹脂層132及びバックシート14の折曲工程と、バックシート14の端部141aを基板11の表面に仮止めする仮止め工程と、太陽電池セル12を封止樹脂部材13でラミネートする封止工程と、バックシート14の端部141aを基板11の外表面11bに接着する接着工程と、を備えている。
まず、載置工程では、図3に示すように基板11の裏面11a上に、受光面側封止樹脂層131、太陽電池セル12、裏面側封止樹脂層132、バックシート14がこの順に重ねて載置される。
折曲工程では、受光面側封止樹脂層131の周端部において、裏面側封止樹脂層132のはみ出し樹脂部132aが折り曲げられる。また、はみ出し樹脂部132aは、基板11の外表面11bの法線方向において、その端部が基板11の外表面11bと同じ高さとなるように切り揃えられる(図1参照)。また、バックシート14のはみ出しシート部141が、裏面側封止樹脂層132のはみ出し樹脂部132aの折り曲げ位置、及び、はみ出し樹脂部132aの端部において折り曲げられる。
その後、仮止め工程では、はみ出しシート部141の端部141aが基板11の外表面11bに仮止めされる。本実施形態では、テフロン(登録商標)などのフッ素樹脂製のテープを用いて仮止めが行われる。なお、この仮止め工程では、バックシート14と基板11との間から外部に通じる空気の抜け道となる通気経路を確保するために、はみ出しシート部141の端部141aの全ては仮止めされない。この通気経路は、次の封止工程におけるバックシート14と基板11との間の脱気処理(脱泡処理)の際に必要となる。
封止工程では、ラミネート装置を用いて、加熱・加圧条件下で、脱気しながら太陽電池セル12を受光面側封止樹脂層131及び裏面側封止樹脂層132で封止する。受光面側封止樹脂層131と裏面側封止樹脂層132とが互いに隙間なく密着することにより、太陽電池セル12が封止樹脂部材13で封止されることになる。また、裏面側封止樹脂層132のはみ出し樹脂部132aは、基板11の端面11cとバックシート14のはみ出しシート部141とに隙間なく密着する。なお、受光面側封止樹脂層131及び/又は裏面側封止樹脂層132にEVAを用いた場合、さらに加熱することで架橋反応をすすめるキュアを行う。
接着工程では、接着部材15がバックシート14のはみ出しシート部141の端面141bを覆うようにして、はみ出しシート部141の端部141aが基板11の外表面11bに接着される。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態を説明する。図4は、第2実施形態に係る太陽電池モジュールの外周縁の局所断面図である。なお、以下では、第1実施形態と異なる構成を説明する。また、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
第2実施形態では、図4に示すように、受光面側封止樹脂層131の主面は基板11の裏面11aよりも大きくなっている。そのため、基板11の裏面11aの法線方向から見た平面視において、受光面側封止樹脂層131は基板11の裏面11aの周縁部からはみ出している。以下では、このはみ出した部分をはみ出し樹脂部131aと呼ぶ。このはみ出し樹脂部131aは、基板11の裏面11aの周縁部及び外表面11bの周縁部にて折り曲げられている。そのため、はみ出し樹脂部131aの端部は、基板11の外表面11bの周縁部にまで延びている。このように、はみ出し樹脂部131aは、少なくとも端面11cと外表面11bの周縁部近傍とを被覆できる程度の大きさを有している。
また、バックシート14のはみ出しシート部141は、裏面側封止樹脂層132の端面132bと、受光面側封止樹脂層131のはみ出し樹脂部131aとを被覆している。はみ出しシート部141は、受光面側封止樹脂層131のはみ出し樹脂部131aに沿って折り曲げられている。具体的に説明すると、太陽電池モジュール本体10の裏面10aの周縁部(すなわち、裏面側封止樹脂層132の裏面10a側の主面の周縁部)、太陽電池モジュール本体10の受光面10bの周縁部(すなわち、はみ出し樹脂部131aの外側面の上端部)、及びはみ出し樹脂部131aの端部にて折り曲げられる。
はみ出しシート部141の端面141bは接着部材15で被覆されている。この場合、全ての端面141bが接着部材15により被覆されることが望ましい。また、はみ出しシート部141の端面141bは、基板11の外表面11bと対向しており、接着部材15を介して基板11の外表面11bに接着されている。この場合、はみ出しシート部141の全ての端部141aにおいて、端面141bが、接着部材15を介して外表面11bに接着されることが望ましい。
以上のように、第2実施形態では、バックシート14のはみ出しシート部141と、基板11の端面11c及び外表面11bとの間に、受光面側封止樹脂層131のはみ出し樹脂部131aが介在している。また、バックシート14の端面141bは、接着部材15で被覆され、さらにこの接着部材15を介して基板11の外表面11bに接着される。こうすれば、基板11とバックシート14との間、及びバックシート14の端面141bから侵入する水分及び腐食性物質などに起因する太陽電池モジュール本体10の劣化を抑制し、太陽電池モジュール本体10の信頼性を向上させることができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態を説明する。図5は、第3実施形態に係る太陽電池モジュールの外周縁の局所断面図である。なお、以下では、第1実施形態と異なる構成を説明する。また、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
第3実施形態では、図5に示すように、また、基板11の外表面11bの法線方向において、裏面側封止樹脂層132のはみ出し樹脂部132aの端面132b、及びバックシート14のはみ出しシート部141の端面141bは基板11の外表面11bと略同じ高さの位置にある。言い換えると、端面132b及び端面141bは外表面11bと面一である。
はみ出し樹脂部132aの端部、及びはみ出しシート部141の端部141aは、接着部材15により、基板11の外表面11bの周縁部に接着されている。この場合、はみ出し樹脂部132aの全ての端部、及びはみ出しシート部141の全ての端部141aが、接着部材15により、基板11の外表面11bに接着されることが望ましい。さらに、この接着部材15により、はみ出し樹脂部132aの端面132b、及びはみ出しシート部141の端面141bは被覆されている。この場合、はみ出し樹脂部132aの全ての端面132b、及びはみ出しシート部141の全ての端面141bが接着部材15により被覆されることが望ましい。
以上のように、第3実施形態では、基板11の外表面11bの法線方向において、裏面側封止樹脂層132のはみ出し樹脂部132aの端面132b、及び、バックシート14のはみ出しシート部141の端面141bが基板11の外表面11bと略同じ位置となる。こうすれば、他の実施形態と比較して、はみ出しシート部141及びはみ出し樹脂部132aを小さくすることができる。従って、製造コストを削減することができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態を説明する。図6は、第4実施形態に係る太陽電池モジュールの外周縁の局所断面図である。第4実施形態では、図6に示すように、バックシート14のはみ出しシート部141と基板11の端面11cとの間に、受光面側封止樹脂層131及び裏面側封止樹脂層132の各はみ出し樹脂部131a及び132aが介在する。それ以外は、第1実施形態と同様である。なお、以下では、第1実施形態と異なる構成を説明する。また、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
第4実施形態では、受光面側封止樹脂層131及び裏面側封止樹脂層132の主面は基板11の裏面11aよりも大きくなっている。そのため、基板11の裏面11aの法線方向から見た平面視において、受光面側封止樹脂層131及び裏面側封止樹脂層132は基板11の裏面11aの周縁部からはみ出している。受光面側封止樹脂層131及び裏面側封止樹脂層132の各はみ出し樹脂部131a及び132aは、基板11の裏面11aの周縁部にて折り曲げられる。また、基板11の外表面11bの法線方向において、はみ出し樹脂部131a及びはみ出し樹脂部132aの各端面131b、132bが、基板11の外表面11bと略同じ高さの位置にある。言い換えると、各端面131b、132bは外表面11bと面一である。
以上のように、第4実施形態では、バックシート14のはみ出しシート部141と、基板11の端面11cとの間に、受光面側封止樹脂層131及び裏面側封止樹脂層132の各はみ出し樹脂部131a及び132aが介在する。言い換えると、はみ出しシート部141と基板11の端面11cとの間には、たとえば第1実施形態と比較して、さらに1つの封止樹脂層を加えた厚さの封止樹脂部材13が介在する。こうすれば、基板11の端面11c上に設けられる封止樹脂部材13の厚さが増す。そのため、太陽電池モジュール本体10の外周端面10cと太陽電池セル12との間の距離をより長くすることができる。そのため、たとえば、太陽電池モジュール本体10の外周縁に枠体20を取り付けると、太陽電池モジュール本体10の内部の太陽電池セル12と枠体20との距離を長くすることができる。従って、太陽電池モジュール本体10の絶縁耐性を向上させることができる。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態を説明する。図7は、第5実施形態に係る太陽電池モジュールの外周縁における封止樹脂部材近傍の局所断面図である。第5実施形態では、封止樹脂部材13は、受光面側封止樹脂層131、裏面側封止樹脂層132、及び中間封止樹脂層133を含んで構成される。また、バックシート14のはみ出しシート部141と基板11の端面11cとの間には、受光面側封止樹脂層131、裏面側封止樹脂層132、及び中間封止樹脂層133の各はみ出し樹脂部131a、132a及び133aが介在する。この構成以外は、第1〜第3実施形態と同様である。なお、以下では、第1〜第3実施形態と異なる構成を説明する。また、第1〜3実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図8は、第5実施形態に係る太陽電池モジュール本体の製造工程を説明するための図である。図8に示すように、第5実施形態における太陽電池モジュール本体10の製造工程では、載置工程において、基板11の裏面11a上に、受光面側封止樹脂層131、中間封止樹脂層133及び太陽電池セル12、裏面側封止樹脂層132、バックシート14がこの順に重ねて載置される。なお、中間封止樹脂層133は太陽電池セル12と並置される。また、折曲工程では、受光面側封止樹脂層131、裏面側封止樹脂層132、及び中間封止樹脂層133の各はみ出し樹脂部131a、132a及び133aと、バックシート14のはみ出しシート部141とが、基板11の裏面11aの周端部にてそれぞれ折り曲げられる。
以上のように、第5実施形態では、バックシート14のはみ出しシート部141と、基板11の端面11cとの間に、受光面側封止樹脂層131、裏面側封止樹脂層132、及び中間封止樹脂層133の各はみ出し樹脂部131a、132a及び133aが介在する。言い換えると、はみ出しシート部141と基板11の端面11cとの間には、たとえば第1〜第3実施形態と比較して、さらに2つの封止樹脂層を加えた厚さの封止樹脂部材13が介在する。こうすれば、基板11の端面11c上に設けられる封止樹脂部材13の厚さが増す。そのため、太陽電池モジュール本体10の外周端面10cと太陽電池セル12との間の距離をより長くすることができる。たとえば、太陽電池モジュール本体10の外周縁に枠体20を取り付けるとき、太陽電池モジュール本体10の内部の太陽電池セル12と枠体20との距離を長くすることができる。従って、太陽電池モジュール本体10及び太陽電池モジュール1の絶縁耐性を向上させることができる。
なお、封止樹脂部材13を構成する封止樹脂層の数、及び、はみ出しシート部141と基板11の端面11cとの間に介在する封止樹脂層の数は第1〜第5実施形態に限定されない。封止樹脂部材13は、封止樹脂層を含んで構成されていればよい。また、基板11の端面11cとバックシート14との間に、封止樹脂部材13を構成する封止樹脂層のうちの少なくとも1つが介在していればよい。
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態を説明する。図9は、第6実施形態に係る太陽電池モジュールの外周縁の局所断面図である。第6実施形態では、バックシート14の端面141bではAl箔14aは露出しない。この構成以外は、第1実施形態と同様である。なお、以下では、第1実施形態と異なる構成を説明する。また、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図9に示すように、バックシート14のAl箔14aは、基板11の裏面11a(一方の主面)の法線方向からみた平面視において封止樹脂部材13の上部にある部分のみに設けられている。また、この部分は、基板11の裏面11aの法線方向において封止樹脂部材13よりも高い位置にある部分でもある。この部分では、バックシート14は、第1PET層14b/Al箔14a/第2PET層14cの順に積層された三層構造のフィルムとなっている。
一方、封止樹脂部材13の上部にある部分以外(たとえばバックシート14のはみ出しシート部141)では、バックシート14はAl箔14aを含まない。そのため、バックシート14は、第1PET層14b/第2PET層14cの順に積層された二層構造のフィルムとなっている。なお、図9では、はみ出しシート部141の全体がAl箔14aを含んでいないが、第6実施形態は図9に限定されない。少なくとも、はみ出しシート部141の端面141bにおいてAl箔14aが露出していなければよい。
以上のように、第6実施形態では、バックシート14のはみ出しシート部141の端面141bにおいてAl箔14aが露出しない。こうすれば、Al箔14aは端面141bから離れた位置に設けられる。そのため、仮に端面141bに水分又は腐食性物質などが侵入したとしても、それらがAl箔14aに到達する可能性は低い。従って、Al箔14aが腐食し劣化する可能性をより低くすることができる。
なお、図9では、第6実施形態の構成を第1実施形態に適用しているが、この構成は他の実施形態にも適用可能である。
<第7実施形態>
次に、本発明の第7実施形態を説明する。図10は、第7実施形態に係る太陽電池モジュールの外周縁の局所断面図である。第7実施形態では、端面封止材30を介して、枠体20が太陽電池モジュール本体10の外周縁に取り付けられる。この構成以外は第1実施形態と同様である。なお、以下では、第1実施形態と異なる構成を説明する。また、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図10に示すように、端面封止材30は、太陽電池モジュール本体10の全ての外周縁に沿って、太陽電池モジュール本体10の外周縁の外周端面10cに取り付けられる。端面封止材30には、たとえば、エプトシーラー(登録商標)、エラストマー、柔軟性を有する他の発泡体、ブチルゴムなどの弾性樹脂材料などを用いることができる。
太陽電池モジュール本体10の外周縁に枠体20が取り付けられる際、端面封止材30は、太陽電池モジュール本体10の外周縁及び枠体20により幅方向の断面形状がコの字状となるように変形される。太陽電池モジュール本体10の裏面10a側の外周縁近傍の領域、受光面10b側の外周縁近傍の領域、及び外周端面10cが端面封止材30により被覆される。こうすれば、端面封止材30により、太陽電池モジュール本体10の内部(特に封止樹脂部材13)への水分(たとえば水又は水蒸気)の侵入を防止すること、及び、枠体20の内部での太陽電池モジュール本体10の受光面10b側から裏面10a側への水分の進入を防止することができる。
また、端面封止材30は枠体20からはみ出さないように設けられることが望ましい。こうすれば、端面封止材30が直射日光及び風雨に直接に曝されることがないので、端面封止材30の局所的な劣化が早まることを防止することができる。従って、太陽電池モジュール1の耐候性も維持し易くなり、さらに、太陽電池モジュール1の外観も良くすることができる。
なお、図10では、第7実施形態の構成を第1実施形態に適用しているが、この構成は他の実施形態にも適用可能である。
以上、本発明について実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、その各構成要素や各処理の組み合わせに色々な変形が可能であり、本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
1 太陽電池モジュール
10 太陽電池モジュール本体
10a 裏面
10b 受光面
10c 外周端面
11 基板(表面保護部材)
11a 裏面
11b 外表面
11c 端面
12 太陽電池セル
13 封止樹脂部材
131 受光面側封止樹脂層
131a はみ出し樹脂部
131b 端面
132 裏面側封止樹脂層
132a はみ出し樹脂部
132b 端面
133 中間封止樹脂層
133a はみ出し樹脂部
133b 端面
14 バックシート(裏面保護部材)
14a Al箔(金属層)
14b 第1PET層(第1基材層)
14c 第2PET層(第2基材層)
141 はみ出しシート部
141a 端部
141b 端面
15 接着部材
16 端子ボックス
17 ケーブル
20 枠体
30 端面封止材

Claims (6)

  1. 太陽電池セルを封止する封止樹脂部材と、
    一方の主面上に前記封止樹脂部材が設けられる透光性の表面保護部材と、
    前記封止樹脂部材を介して前記表面保護部材の前記一方の主面上に設けられる裏面保護部材と、
    前記裏面保護部材の端部を前記表面保護部材の他方の主面に接着する接着部材と、
    を備え、
    前記裏面保護部材は、第1及び第2基材層と、前記第1及び第2基材層の間に配置される金属層と、を含んで構成され、
    前記裏面保護部材の端面は前記接着部材で被覆されることを特徴とする太陽電池モジュール本体。
  2. 前記表面保護部材の端面と前記裏面保護部材との間に、前記封止樹脂部材が介在することを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール本体。
  3. 前記封止樹脂部材は、複数の封止樹脂層を含んで構成され、
    前記表面保護部材の端面と前記裏面保護部材との間に、前記複数の封止樹脂層のうちの2つ以上が介在することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の太陽電池モジュール本体。
  4. 前記裏面保護部材の端面では前記金属層は露出しないことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の太陽電池モジュール本体。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の太陽電池モジュール本体と、前記太陽電池モジュール本体の外周縁に嵌め込まれる枠体と、を備えることを特徴とする太陽電池モジュール。
  6. 太陽電池セルを封止する封止樹脂部材が透光性の表面保護部材の一方の主面上に設けられるステップと、
    第1及び第2基材層と、前記第1及び第2基材層の間に配置される金属層と、を含んで構成される裏面保護部材が、前記封止樹脂部材を介して前記表面保護部材の前記一方の主面上に設けられるステップと、
    前記接着部材が前記表面保護部材の他方の主面に前記裏面保護部材の端部を接着するステップと、
    を備え、
    前記裏面保護部材の端部を接着するステップにおいて、さらに、前記裏面保護部材の端面が前記接着部材で被覆されることを特徴とする太陽電池モジュール本体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021095217A1 (ja) * 2019-11-14 2021-05-20 三菱電機株式会社 太陽電池パネル、太陽電池モジュール、太陽電池パネルの製造方法および太陽電池モジュールの製造方法

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