JP2014016210A - 放射性汚染水除染システム及び放射性汚染水除染プロセス - Google Patents

放射性汚染水除染システム及び放射性汚染水除染プロセス Download PDF

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良明 田中
Takeshi Yamashita
岳史 山下
Katsuyoshi Tadenuma
克嘉 蓼沼
Mutsu Tanaka
睦 田仲
Akira Tsuguchi
明 津口
Yuko Komatsuzaki
優子 小松崎
Kiyoko Kurosawa
きよ子 黒澤
Hideyuki Akutsu
英之 圷
Satoshi Tomatsuri
智 戸祭
Yukio Hanamoto
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Abstract

【課題】使用済み吸着剤を減容化することができる放射性汚染水の除去システムを提供する。
【解決手段】放射性汚染水から放射性核種を除去する放射性汚染水除染システム1であって、放射性汚染水から、第1吸着剤を用いて、放射性核種を吸着する第1吸着手段10と、第1吸着手段10において放射性核種が吸着された後の放射性汚染水から、第2吸着剤を用いて、放射性核種を吸着する第2吸着手段20とを備え、第1吸着剤は、加熱処理による減容率が第2吸着剤よりも高いことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、放射性汚染水から複数種類の放射性核種を除去する放射性汚染水除染システム及び放射性汚染水除染プロセスに関し、特に、使用済み吸着剤を減容化するための技術に関する。
現在、原子力発電所事故に伴う大量の放射性汚染水が未処理のまま存在しており、保管場所には限りがあるため、できるだけ迅速に適正な処理を行う必要がある。
放射性汚染水は、法律で定められた全ての放射性核種を、それぞれが放出基準値以下になるまで除去することにより環境へ放出することが許される。
従来より、原子力発電プラントにおいては原子炉や燃料棒の冷却等のために恒常的に放射性汚染水が発生しており、このような放射性汚染水を除染するための様々な除染方法が提案され、既に実用化されている。例えば、特許文献1には、放射性物質含有排水酸化剤を添加した後濾過膜を用いて濾過し、さらに活性炭に通水した後イオン交換体又は逆浸透膜に通水する放射性物質含有排水の処理方法が開示されている。また例えば、特許文献2には、有機物を含む放射性廃液を酸化処理し、吸着剤を添加した後濾過することにより、清浄な処理水を得る方法が開示されている。
一方で非特許文献1には、原子力発電所事故における汚染水処理の現状が整理され、いくつかの汚染水処理設備が紹介されている。
特開2008−64703号公報 特開平7−260997号公報
日本原子力学会誌 Vol.154,No.3(2012)
放射性汚染水を除染する際に用いられた後の使用済み吸着剤は高い放射能レベルを示し、放射性廃棄物として地層処分などが必要になるので、使用済み吸着剤の体積は出来るだけ小さい方が望ましい。一方、従来の放射性汚染水の除去装置においては、除去性能を向上させる方法や、安価な吸着剤を用いる方法等についての技術は様々知られているが、使用済み吸着剤の減容化の技術は多くはない。
本発明は以上のような従来の課題を考慮してなされたものであり、使用済み吸着剤を減容化することができる放射性汚染水除染システム及び放射性汚染水除染プロセスを提供するものである。
本発明は、放射性汚染水から放射性核種を除去する放射性汚染水除染システムであって、前記放射性汚染水から、第1吸着剤を用いて、放射性核種を吸着する第1吸着手段と、前記第1吸着手段において前記放射性核種が吸着された後の放射性汚染水から、第2吸着剤を用いて、放射性核種を吸着する第2吸着手段とを備え、前記第1吸着剤は、加熱処理による減容率が前記第2吸着剤よりも高いことを特徴とする。
本発明の放射性汚染水除染システムにおいて、前記第1吸着剤は有機材料であり、前記第2吸着剤は無機材料であることが好ましい。
本発明の放射性汚染水除染システムにおいて、前記第1吸着剤は、多孔質炭素材料、又はイオン交換樹脂であることが好ましい。
本発明の放射性汚染水除染システムにおいて、前記第1吸着剤は放射性物質を吸着する官能基を添着した活性炭であることが好ましい。
本発明の放射性汚染水除染システムにおいて、前記第2吸着剤はアルミナ又はゼオライトを含むことが好ましい。
本発明は、放射性汚染水から放射性核種を除去する放射性汚染水除染プロセスであって、前記放射性汚染水から、第1吸着剤を用いて、放射性核種を吸着する第1吸着ステップと、前記第1吸着ステップにおいて前記放射性核種が吸着された後の放射性汚染水から、第2吸着剤を用いて、放射性核種を吸着する第2吸着ステップとを含み、前記第1吸着剤は、加熱処理による減容率が前記第2吸着剤よりも高いことを特徴とする。
本発明の放射性汚染水除染システム及び放射性汚染水除染プロセスは、上流側で加熱処理による減容率が比較的高い第1吸着剤を用いて、除去対象とする放射性核種を除去し、下流側で、加熱処理による減容率が低い第2吸着剤を用いて放射性核種を吸着するので、第2吸着剤の使用量を抑えることができ、第2吸着剤由来の放射性廃棄物の量を軽減できる。一方第1吸着剤の使用量は多くなり、第1吸着剤由来の放射性廃棄物の量は増えるが、第1吸着剤由来の放射性廃棄物は加熱処理すれば減容する割合が高いので、最終的に放射性廃棄物の総量を減らすことが期待できる。
本発明に係る実施形態1の放射性汚染水除染システムの概略図である。
<実施形態1>
図1において、放射性汚染水除染システム1は、放射性汚染水から複数種類の放射性核種を除去することができ、第1吸着手段10及び第2吸着手段20を含む。
第1吸着手段10は、放射性汚染水から、第1吸着剤を用いて、除去し得る放射性核種を吸着する。
第2吸着手段20は、第1吸着手段10において放射性核種が吸着された後の放射性汚染水から、第2吸着剤を用いて、除去し得る放射性核種を吸着する。なお第2吸着手段20は、例えば平成24年1月1日に施行された放射性物質汚染対処特措法で示された放出基準以下になるように、各放射性核種を除去することが好ましい。
第1吸着剤は、加熱処理することにより減容する割合(以下「減容率」という)が第2吸着剤よりも高い。ここで減容率は、{(加熱処理前の容積)−(加熱処理後の容積)}/(加熱処理前の容積)×100%で定義される。
ここで加熱処理は、例えば焼却処理であり、減容化されるのであれば焼却処理に限定されるものではなく、他のいかなる処理であってもよい。
第1吸着剤には有機材料を用いることができる。有機材料は加熱処理することにより炭素成分が二酸化炭素となり、水素成分や水分が水蒸気となって大気に放出されるため、減容率は例えば80%以上である。一方第2吸着剤には無機材料を用いることができる。第1吸着剤では除去することが難しい放射性核種を除去するが、無機材料は加熱処理することによる減容化が期待できないので加熱処理せずに処分される。なお第1吸着剤と第2吸着剤との減容率の差が50%以上、より好ましくは80%以上であるか、第1吸着剤の減容率が50%以上、より好ましくは80%以上であれば、第1吸着剤由来の放射性廃棄物を加熱処理することにより、最終的に放射性廃棄物の総量を減らすことが期待できるので好ましい。
第1吸着剤は、例えば活性炭に代表される多孔質炭素材料であり、放射性物質を吸着する機能を付加した機能性活性炭であることが好ましい。機能性活性炭には例えば特開平5−164896号公報に開示されたアミノメチルホスホン酸系等の官能基を添着した活性炭を用いることができる。なお第1吸着剤は多孔質炭素材料に限られず、イオン交換樹脂であってもよい。
なお第1吸着剤は、無機材料を用いた吸着剤と較べて、放射性核種の吸着能力が劣るものを用いても良い。例えば、第1吸着剤に、放射性核種の吸着能力が、除去対象とする放射性核種を除染目標値以下になるまで吸着することができないものを用いる場合には、第1吸着手段10において、除去対象とされた放射性核種を可能な限り吸着するが、除染目標値以下になるまで吸着することはできない。しかしながら、下流側の第2吸着手段20において、吸着能力に優れた第2吸着剤を用いて、最終的に当該放射性核種を除染目標値以下になるまで吸着することができる。従って、第1吸着剤の吸着力により除去可能な範囲で放射性核種を吸着することで、第2吸着剤の使用量を削減することができる。
第2吸着剤は、例えば、アルミナ又はゼオライトを含んでおり、ゼオライト系の無機材料、あるいはアルミナとシリカとから構成される無機材料を用いることができ、第1吸着剤よりも放射性核種の吸着力に優れた様々な吸着剤を用いることができる。なお第2吸着剤には、減容率が高いものが含まれていてもよい。
さらに第2吸着剤には、フェロシアン化コバルト(フェロシアン化Co)又はフェロシアン化鉄(フェロシアン化Fe)を主成分として担持したTiO(酸化チタン)系無機材料、無機炭素とAl(アルミナ)で構成される無機炭素及びアルミナ含有吸着剤(除去対象:多元素)、CeO(酸化セシウム)系無機材料で構成される酸化セシウムを主成分とする吸着剤(除去対象:Sb、Se、Te、ヨウ素酸)、ヨウ素(I)担持活性炭で構成されるヨウ素及び活性炭含有吸着剤(除去対象:ヨウ素)、タンニン担持活性炭で構成されるタンニン及び活性炭含有吸着剤(除去対象:超ウラン元素U、Np、Pu、Am、Cm)、還元鉄(rFe)担持活性炭で構成される還元鉄及び活性炭含有吸着剤(除去対象:Sb、Se、Te、多元素)、Al(アルミニウム)含有無機炭素系材料で構成されるアルミニウム含有炭素系の吸着剤(除去対象:Sb、Se、Te、Tc)、及び、DDTC担持活性炭とオキシン(Oxine)担持活性炭とDTPA担持活性炭とクペロン(Cupferron)担持活性炭とを混合したキレート剤含有活性炭で構成される超ウラン元素除去吸収剤(除去対象:超ウラン元素(U、Np、Pu、Am、Cm))を含むことがより好ましい。ここで除去対象を「多元素」と記載しているものは、Ag、Cd、Eu、Mn、Co、Y、Ru、Ce、Te、Ni、Zn、Rh、Nd、Sn、Sb、Tc、Pr、Sm、Gd、V+超ウラン元素(U、Np、Pu、Am、Cm)の一部又は全部を除去対象とする。
第1吸着手段10及び第2吸着手段20は協同して、原子炉事故に伴って原子炉格納容器から漏洩するものと想定される放射性核種のうちの、人体や環境に与える影響が無視できないとされている除去対象の全ての放射性核種を除去することが好ましい。除去対象の放射性核種の全てが放出基準以下となるように除去することによって放射性汚染水を除染して、環境へ放出することが許されるほどに放射能レベルが低い清浄処理水を得ることができる。
以上のように、実施形態1の放射性汚染水除染システムによれば、加熱処理すると減容する有機系の第1吸着剤を用いて放射性核種を除去し、その後に、加熱処理しても減容が期待できないが吸着能力に優れた無機系の第2吸着剤を用いて放射性核種を吸着するので、第1吸着剤の使用量は増えるが、第2吸着剤の使用量を抑えることができる。その結果、第2吸着剤由来の放射性廃棄物の量は軽減され、第1吸着剤由来の放射性廃棄物の量は増えるが、第1吸着剤由来の放射性廃棄物は加熱処理すれば減容するので、最終的に放射性廃棄物の総量を減らすことができる。
1 放射性汚染水除染システム
10 第1吸着手段
20 第2吸着手段

Claims (6)

  1. 放射性汚染水から放射性核種を除去する放射性汚染水除染システムであって、
    前記放射性汚染水から、第1吸着剤を用いて、放射性核種を吸着する第1吸着手段と、
    前記第1吸着手段において前記放射性核種が吸着された後の放射性汚染水から、第2吸着剤を用いて、放射性核種を吸着する第2吸着手段とを備え、
    前記第1吸着剤は、加熱処理による減容率が前記第2吸着剤よりも高いことを特徴とする放射性汚染水除染システム。
  2. 前記第1吸着剤は、有機材料であり、
    前記第2吸着剤は、無機材料である
    請求項1に記載の放射性汚染水除染システム。
  3. 前記第1吸着剤は、
    多孔質炭素材料、又はイオン交換樹脂である
    請求項1に記載の放射性汚染水除染システム。
  4. 前記第1吸着剤は、
    放射性物質を吸着する官能基を添着した活性炭である
    請求項1に記載の放射性汚染水除染システム。
  5. 前記第2吸着剤は、アルミナ又はゼオライトを含む
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の放射性汚染水除染システム。
  6. 放射性汚染水から放射性核種を除去する放射性汚染水除染プロセスであって、
    前記放射性汚染水から、第1吸着剤を用いて、放射性核種を吸着する第1吸着ステップと、
    前記第1吸着ステップにおいて前記放射性核種が吸着された後の放射性汚染水から、第2吸着剤を用いて、放射性核種を吸着する第2吸着ステップとを含み、
    前記第1吸着剤は、加熱処理による減容率が前記第2吸着剤よりも高いことを特徴とする放射性汚染水除染プロセス。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015175742A (ja) * 2014-03-14 2015-10-05 三菱重工業株式会社 放射性汚染水の処理装置および処理方法
JP2015175741A (ja) * 2014-03-14 2015-10-05 三菱重工業株式会社 放射性汚染水の処理装置および処理システムならびに処理方法
JP2016118407A (ja) * 2014-12-18 2016-06-30 株式会社神戸製鋼所 汚染水の処理方法及び汚染水処理装置
CN111063469A (zh) * 2019-12-23 2020-04-24 天津大学 一种去除水中放射性核素锶的方法

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