JP2014016008A - 無段変速伝動機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】チェーンが噛合する可動歯を径方向外方へ附勢するリング状バネ手段を拡開可能にする切り欠きを、附勢不能な可動歯が発生することのないように配置する。
【解決手段】チェーンリンクの内周と噛み合う可動歯17をプーリ径方向外方へ附勢するリング状バネ手段19は、当該附勢を司るU字状エレメント21間の連結エレメント22の1つを箇所23において切り欠くことによりC字状となし、プーリ中心ボス部16へ嵌合し得るように成す。バネ手段19の取り付けに際しては、切り欠き箇所23において円周方向に拡開させ、この状態でバネ手段19の連結エレメント22を可動歯ガイド18上の対応する円周溝18bに嵌合する。このときバネ手段19は、U字状エレメント21が可動歯収容溝18aと整列するような円周方向位置となす。従って、バネ手段19の切り欠き箇所23は可動歯収容溝18aに対し円周方向にずれた箇所に位置する。
【選択図】図7

Description

本発明は、無終端チェーンリンクと、この無終端チェーンリンクを無段変速可能に巻き掛けしたプーリとから成り、該プーリの中心ボス部外周にバネ手段で径方向外方へ附勢して径方向進退可能に設けた可動歯と、無終端チェーンリンクに設けた可動歯噛合溝との噛み合いにより、該噛み合いが可能な伝動比でのスリップ防止を可能にした無段変速伝動機構に関するものである。
この種の無段変速伝動機構としてはVベルト式無段変速機が良く知られており、無終端チェーンリンクをプーリのV溝に掛け渡して動力伝達可能となす一方、
この動力伝達中にプーリV溝の溝幅を変更することでプーリに対する無終端チェーンリンクの巻き掛け径を連続的に変化させることにより、無段変速が可能となるよう構成する。
他方、無段変速伝動機構のスリップを抑制して伝動効率を高める技術として従来、例えば特許文献1に記載のごとく、プーリV溝の底面を画成するプーリの中心ボス部外周面に歯を突設し、
無終端チェーンリンクの内周に形成した歯溝がプーリ中心ボス部外周面の歯と噛み合う伝動比である間、プーリおよび無終端チェーンリンク間のスリップを防止して無段変速伝動機構の伝動効率を高める技術が提案されている。
他方で特許文献1には、プーリ中心ボス部の外周面に設ける歯をバネ手段で径方向外方へ附勢して径方向進退可能に設けた可動歯となし、この可動歯が、無終端チェーンリンクに設けた可動歯噛合溝と噛み合った伝動比でのスリップ防止を実現可能にした技術も提案されている。
この提案技術によれば、上記の可動歯が無終端チェーンリンクの内周歯溝と噛み合い損なった場合、無終端チェーンリンクの内周により径方向内方へ後退され得ることから、
プーリ中心ボス部外周の歯が無終端チェーンリンクとの干渉により、この無終端チェーンリンクを損傷させるようなことがなくて、耐久性の点で有利である。
特開2010−014269号公報
しかし上記した先の提案技術にあっては、プーリ中心ボス部の外周面に設ける可動歯を径方向外方へ附勢するバネ手段として、コイルスプリングや環状スプリングを用いるため、以下のような問題を生ずる。
バネ手段としてコイルスプリングを用いる場合、可動歯が要求する径方向外方附勢力を発生させるのに必要なコイルスプリングのストロークが大きく、プーリ中心ボス部の外周面と可動歯との間にコイルスプリングを収納するのが困難である。
かといって、プーリ中心ボス部の外周面と可動歯との間に確保可能なスペース内に収まるようなコイルスプリングを用いる場合、要求されるバネ力を発生させることが困難で、可動歯を要求される力で径方向外方へ附勢することができない。
なおコイルスプリングのストロークを稼ぐには、プーリ中心ボス部の軸径を細くする手法があるが、この手法だと、プーリ中心ボス部の軸強度が不足して、耐久性の点で問題がある。
他方、バネ手段として環状スプリングを用いる場合、環状スプリングを逃がすための溝が可動歯に不可欠で、可動歯の構造が複雑になってコスト高になるほか、
可動歯を先に組み込んだ後に、環状スプリングを可動歯に押し付けつつ組み付けて、可動歯に弾性力を付与する手順となり、環状スプリングの組み付け作業性が悪いという問題も生ずる。
そこで、プーリ中心ボス部外周の可動歯を径方向外方へ附勢するバネ手段として、特許文献1におけるようなコイルスプリングや環状スプリングと異なり、全体としてリング状の捩りバネ型式のものを用い、
当該リング状のバネ手段が、該リングの径方向へ張り出すアーム部を介し可動歯をプーリ径方向外方へ附勢して可動歯をプーリ中心ボス部外周に対し径方向進退可能にすることが考えられる。
しかし当該捩りバネ型式のリング状バネ手段は、プーリ中心ボス部外周面の円周溝内に嵌合する時、バネ力に抗して拡開状態に変形させ、この状態でプーリ中心ボス部外周面の円周溝内に嵌合することになる。
このためリング状バネ手段は、上記の拡開が可能になるようリング状の一部を切り欠いて分割部を設定することが不可欠である。
ところで、リング状バネ手段に上記の切り欠き箇所(分割部)を設定するに際し、アーム部を1個除去してここに上記の切り欠き箇所(分割部)を設定すると、この箇所には、可動歯に当接して可動歯をプーリ径方向外方へ附勢するためのアーム部が存在しないことになる。
かようにバネ手段のアーム部が存在しない箇所における可動歯は、バネ手段からの捩りバネ力を受け得ず、プーリ中心ボス部外周面から進出した位置に保たれないため、無終端チェーンリンクとの噛み合いを行い得ない。
かように無終端チェーンリンクとの噛み合いを行い得ない可動歯が存在すると、可動歯によるチェーンリンクのスリップ防止能力が低下するという問題を生ずるだけでなく、他の可動歯のトルク分担が大きくなって耐久性の低下を招くという問題も免れない。
本発明は、バネ手段のアーム部を何ら除去せず、上記の切り欠き箇所(分割部)を隣り合うアーム部間に配置することで、バネ手段からのバネ力を受け得ない可動歯が発生することのないようにし、これにより可動歯による無終端チェーンリンクのスリップ防止能力が低下するという問題や、無終端チェーンリンクと噛み合う可動歯数の低下により耐久性が低下するという問題を解消し得るようにした無段変速伝動機構を提供することを目的とする。
この目的のため、本発明による無段変速伝動機構は、以下のごとくにこれを構成する。
先ず、本発明の要旨構成の基礎前提となる無段変速伝動機構を説明するに、これは、
無終端チェーンリンクと、この無終端チェーンリンクを無段変速可能に巻き掛けしたプーリとから成り、
該プーリの中心ボス部外周にリング状のバネ手段を嵌合させて設けると共に可動歯を軸線方向へ延在させて設け、上記リング状のバネ手段が該リングの径方向へ張り出すアーム部を介し上記可動歯をプーリ径方向外方へ附勢してプーリ中心ボス部外周に対し径方向進退可能となし、該可動歯と上記無終端チェーンリンクとの噛み合いにより、該噛み合いが可能な伝動比でのスリップ防止を可能にしたものである。
本発明は、かかる無段変速伝動機構における上記リング状のバネ手段をプーリ中心ボス部外周への嵌合時における拡開が可能となるようにするため該リング状バネ手段に設ける分割用の切り欠きを、隣り合う上記アーム部間の箇所に配置した構成に特徴づけられる。
リング状バネ手段の分割用切り欠きをかように配置した本発明の無段変速伝動機構によれば、
バネ手段の切り欠き箇所が可動歯に対しプーリ円周方向に位置ずれすることになるため、 バネ手段からのバネ力を受け得ない可動歯が存在せず、可動歯による無終端チェーンリンクのスリップ防止能力が低下するという問題や、無終端チェーンリンクと噛み合う可動歯数の低下により耐久性が低下するという問題を解消することができる。
本発明の第1実施例になる無段変速伝動機構の概略側面図である。 図1に示した無段変速伝動機構のセカンダリプーリ側における巻き掛け伝動部のスリップ防止機構を示す詳細図である。 図1,2に示した無段変速伝動機構の無終端チェーンリンクおよびセカンダリプーリ間におけるスリップ防止機構を示す要部拡大縦断側面図で、 (a)は、可動歯がプーリ径方向内方へ押し込まれていない状態の要部拡大縦断側面図、 (b)は、可動歯がプーリ径方向内方へ押し込まれた状態の要部拡大縦断側面図である。 図1〜3に示した無段変速伝動機構のセカンダリプーリ中心ボス部を、可動歯附勢用のバネ手段が取り付けられた状態で、しかし可動歯を取り付ける前の状態で示す斜視図である。 図1〜4の無段変速伝動機構に用いる可動歯附勢用のバネ手段を示す全体斜視図である。 図5に示した可動歯附勢用バネ手段の切り欠き箇所を詳細に示す図面で、 (a)は、その詳細正面図、 (b)は、その詳細平面図である。 図1〜4の無段変速伝動機構のセカンダリプーリ中心ボス部に対する可動歯取り付け状態を示し、 (a)は、図3(a)の矢X方向に見た斜視図、 (b)は、図3(a)の矢Y方向に見た側面図である。 図1〜4の無段変速伝動機構におけるバネ手段の切り欠き箇所を、バネ手段がセット状態である場合につき示す斜視図である。 図1〜4の無段変速伝動機構におけるバネ手段の切り欠き箇所を、バネ手段が縮径状態である場合につき示す斜視図である。 図1〜4の無段変速伝動機構において無終端チェーンリンクと可動歯との相関関係を模式的に示すイメージ図で、 (a)は、未だ可動歯に無終端チェーンリンクが接触せず、可動歯がバネ手段によりセカンダリプーリ中心ボス部に対し径方向突出限界位置にされているセット状態を示すイメージ図、 (b)は、可動歯に無終端チェーンリンクが完全に噛み合っているロックアップ状態を示すイメージ図、 (c)は、セット状態とロックアップ状態との間における過渡期のラチェッティング状態を示すイメージ図である。 図10(a),(b),(c)に示した状態間での変化をプーリ伝動比の時系列変化との関連において示した説明図である。 本発明の第2実施例になる無段変速伝動機構の可動歯附勢用バネ手段を示す全体斜視図である。 図12に示した可動歯附勢用バネ手段の切り欠き箇所を詳細に示す図面で、 (a)は、その詳細正面図、 (b)は、その詳細平面図である。 図12に示したバネ手段の切り欠き箇所を、バネ手段がセット状態である場合につき示す、本発明の第2実施例になる無段変速伝動機構の要部斜視図である。 図14においてバネ手段が縮径された場合につき、その切り欠き箇所の詳細を示す、図14と同様な要部斜視図である。 本発明の第3実施例になる無段変速伝動機構の可動歯附勢用バネ手段を示す全体斜視図である。 図16に示した可動歯附勢用バネ手段の切り欠き箇所を詳細に示す図面で、 (a)は、その詳細正面図、 (b)は、その詳細平面図である。 図16に示したバネ手段の切り欠き箇所を、バネ手段がセット状態である場合につき示す、本発明の第3実施例になる無段変速伝動機構の要部斜視図である。 図18においてバネ手段が縮径された場合につき、その切り欠き箇所の詳細を示す、図18と同様な要部斜視図である。 可動歯附勢用のバネ手段に係わる不適切な構成を示す全体斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
<第1実施例の構成>
図1〜6は、本発明の第1実施例になる無段変速伝動機構を示し、図1は、無段変速伝動機構10の全体を示す概略側面図、図2は、そのセカンダリプーリ側における巻き掛け伝動部の詳細図である。
図1において、11は、無段変速伝動機構10の駆動側プーリであるプライマリプーリ、12は、従動側プーリであるセカンダリプーリを示す。
これらプライマリプーリ11およびセカンダリプーリ12間に無終端チェーンリンク13を掛け渡して設け、
無段変速伝動機構10は、この無終端チェーンリンク13を介しプライマリプーリ11およびセカンダリプーリ12間で動力伝達を行い得るものとする。
プライマリプーリ11およびセカンダリプーリ12はそれぞれ、回転軸線方向に正対する対向シーブ11a,12a(図1では手前側のシーブを除去して、向こう側のシーブのみを示す)を具え、これら対向シーブ11a,11a間および対向シーブ12a,12a間にプーリV溝を画成したV溝プーリとする。
無終端チェーンリンク13は、図2に明示するごとく、多数のリンク板14を順次、その両端におけるリンクピン挿通孔14a内のリンクピン15で数珠繋ぎに連結して連続円環状に構成する。
そして各リンクピン15の両端面は、プライマリプーリ11およびセカンダリプーリ12のプーリV溝側壁を提供する対向シーブ11aの内側面および対向シーブ12aの内側面と面接触するよう傾斜させる。
かくて無終端チェーンリンク13は、プーリ巻き付き領域においてリンクピン15を、プライマリプーリ11の対向シーブ11a,11a間およびセカンダリプーリ12の対向シーブ12a,12a間に挟圧され、プライマリプーリ11およびセカンダリプーリ12間での動力伝達を行うことができる。
プライマリプーリ11の対向シーブ11aは、その一方を固定シーブとし、他方を軸線方向にストローク制御可能な可動シーブとする。
セカンダリプーリ12の対向シーブ12aは図3(a),(b)に示すように、プライマリプーリ11の可動シーブと同じ側におけるシーブ12a_1をプーリ中心ボス部16に固着した固定シーブとし、プライマリプーリ11の固定シーブと同じ側におけるシーブ12a_2をプーリ中心ボス部16にスプライン嵌合させて軸線方向にストローク制御可能な可動シーブとする。
プライマリプーリ11の可動シーブを固定シーブに対し接近させてプーリV溝幅を狭くすると同時に、セカンダリプーリ12の可動シーブ12a_2を固定シーブ12a_1から遠ざけてプーリV溝幅を広くするにつれ、
無終端チェーンリンク13は、プライマリプーリ11に対する巻き掛け径を増大されると共に、セカンダリプーリ12に対する巻き掛け径を小さくされ、無段変速伝動機構10は図1,2に示す最ハイ変速比選択状態に向け無段変速下にアップシフト可能である。
逆に、プライマリプーリ11の可動シーブを固定シーブから遠ざけてプーリV溝幅を広くすると同時に、セカンダリプーリ12の可動シーブ12a_2を固定シーブ12a_1に対し接近させてプーリV溝幅を狭くするにつれ、
無終端チェーンリンク13は、プライマリプーリ11に対する巻き掛け径を小さくされると共に、セカンダリプーリ12に対する巻き掛け径を増大され、無段変速伝動機構10は図1に示す最ハイ変速比選択状態から図示せざる最ロー変速比選択状態に向け無段変速下にダウンシフト可能である。
前記した図1の最ハイ変速比選択状態でセカンダリプーリ12に対する無終端チェーンリンク13のスリップを抑制して無段変速伝動機構10の伝動効率を向上させるため、図1,2では、セカンダリプーリ12の中心ボス部16に、その外周面から突出するよう複数個の可動歯17を円周方向等間隔に配して、またプーリ軸線方向に延在するよう設ける。
これら可動歯17は、セカンダリプーリ中心ボス部16の外周面に設けた円筒状の可動歯ガイド18によりプーリ径方向へ案内すると共に、図3(a)に示すごとくセカンダリプーリ12の固定シーブ12a_1および可動シーブ12a_2の内周面12bによりプーリ径方向外方への変位を制限する。
かくして可動歯17は、セカンダリプーリ中心ボス部16の外周面に対し制限範囲内で径方向へ進退可能であるが、後で詳述するようなバネ手段19により、図1,2および図3(a)に示すごとく可動歯ガイド18から径方向外方へ突出した進出限界位置に弾支する。
無終端チェーンリンク13の内周縁を画成する各リンク板14の内側縁には、セカンダリプーリ12に対する巻き掛け領域において、可動歯17の突出先端が図2および図3(a)のごとくに噛み合うための可動歯噛合溝14bを設け、
可動歯17と可動歯噛合溝14bとの噛み合いにより、最ハイ変速比選択状態でセカンダリプーリ12に対する無終端チェーンリンク13のスリップを抑制し、無段変速伝動機構10の伝動効率を向上させることができる。
しかして可動歯17は、可動歯噛合溝14bと整列せずこれとの噛み合いが不能である場合、図3(b)に示すごとくバネ手段19に抗してリンク板14の内側縁により可動歯ガイド18内に押し込まれた後退位置となり得て、可動歯17が無終端チェーンリンク13との干渉によりこれを損傷させるようなことがない。
<バネ手段の詳細>
可動歯ガイド18内の可動歯17を、セカンダリプーリ中心ボス部16の外周でその径方向外方へ附勢するバネ手段19を、本実施例においては図3,4に示すごとく2個一組とし、これらバネ手段19を可動歯17の長手方向、つまりセカンダリプーリ中心ボス部16の軸線方向へ分散配置する。
この分散配置に当たり、好ましくはバネ手段19が可動歯17の長手方向に等分にバネ力を付与するよう分散させるのが良い。
各バネ手段19は全てを同様なものとし、図4〜6につき説明する以下のごとき構成とする。
本実施例におけるバネ手段19は、その全体を図5に示すように、また要部を図6(a),(b)に示すように、線状体のU字状エレメント21と、同じく線状体の連結エレメント22とを交互に同一円周上に配置して一体ユニットとなし、全体としてリング状に構成する。
U字状エレメント21は、セカンダリプーリ中心ボス部16の外周と各可動歯17との間において、つまり可動歯ガイド18の対応する可動歯収容溝18a内において、該中心ボス部外周の母線方向へ延在するよう介在させる。
従ってU字状エレメント21は可動歯17と同数だけ存在し、これらU字状エレメント21は、その対向脚部21aが相互非結合端においてセカンダリプーリ中心ボス部16の外周に着座し、これら対向脚部21aが相互結合端において可動歯17に着座するよう指向させ、当該U字状エレメント21の指向方向を2個のバネ手段19で同じとする。
隣り合うU字状エレメント21の隣接脚部21a同士を、両者の相互非結合端において連結エレメント22により結合し合うことにより、全てのU字状エレメント21を相互に一体化する。
これらU字状エレメント21の一体化に際しては、U字状エレメント21を、対向脚部21aの相互結合端が相互非結合端よりも可動歯17に近づくよう、図5にθで示す角度だけ傾斜させて、U字状エレメント21が全周に亘って皿バネ形状に存在するようなものとする。
かくてバネ手段19は、線状エレメント21,22の交互組み合わせに成るリング状の連続線状体となり、捩りバネ型式の構造を持つこととなり、U字状エレメント21は、本発明におけるアーム部を構成する。
ところでバネ手段19は、図5および図6(a),(b)のVIII部において、連結エレメント22の途中を分割し、隣り合うU字状エレメント21の隣接脚部21a同士を連結せず、U字状エレメント21の一体化ユニットであるリング状バネ手段19を、最終的には1箇所23が切り欠かれたC字状に構成する。
上記のような図5および図6(a),(b)に示すC字状のバネ手段19は、後述する組み付け時の拡開が可能となるよう、図5および図6(a),(b)に示すような分割用の切り欠き箇所23を設定するのに加えて、
当該組み付けを容易にするため、自由状態での内径をセカンダリプーリ中心ボス部16の外径よりも若干大きくする。
かかるC字状のバネ手段19は2個一組とし、それぞれを図5および図6(a),(b)の切り欠き箇所23において円周方向に拡開させ、この拡開状態でバネ手段19の連結エレメント22を図4および図7(a),(b)に示すごとく可動歯ガイド18上の対応する円周溝18bに嵌合する。
このとき2個のC字状バネ手段19は、U字状エレメント21が図7,8に示すように可動歯収容溝18aと整列するような円周方向位置となす。
従って、C字状バネ手段19の切り欠き箇所23は、同じく図7,8に示すように可動歯収容溝18a(可動歯17)に対し円周方向にずれた箇所に位置する。
かようにC字状バネ手段19をセカンダリプーリ中心ボス部16の外周面(可動歯ガイド18上の対応する円周溝18b)に嵌合した後、可動歯ガイド18上の可動歯収容溝18a内に可動歯17を差し込んで、可動歯ガイド18に対するバネ手段19および可動歯17の組付けを完了する。
<第1実施例の作用・効果>
上記したようなバネ手段19は、図5に示すU字状エレメント21の傾斜角θを適切に設定することにより、可動歯ガイド18上の可動歯収容溝18a内に可動歯17を差し込んで組み付けるとき、U字状エレメント21の対向脚部21aが相互結合端において可動歯17により径方向内方へ押し込まれ、連結エレメント22を捩り変形させる。
よって可動歯17の組み付け時に、連結エレメント22の捩り変形反力がU字状エレメント21(アーム部)を介して可動歯17を可動歯ガイド18の可動歯収容溝18a内で径方向外方へ附勢し、可動歯17を通常は可動歯ガイド18の可動歯収容溝18aから径方向外方へ突出した図3(a)および図7(a),(b)の進出限界位置に弾支することができ、最ハイ変速比選択状態において前記したスリップ防止を実現し得る。
しかして可動歯17は、可動歯噛合溝14bと整列せずこれとの噛み合いが不能である場合、図3(b)に示すごとくバネ手段19に抗してリンク板14の内側縁により可動歯ガイド18内に押し込まれた後退位置となり得て、可動歯17が無終端チェーンリンク13との干渉によりこれを損傷させるようなことがない。
このとき可動歯17が可動歯ガイド18内に大きく押し込まれた場合は、バネ手段19の切り欠き箇所23は、図9に示すごとく相互に衝接する。
ここで、無終端チェーンリンク13を成すリンク板14の可動歯噛合溝14bが、最ハイ(OD)プーリ伝動比へ向けてのアップシフト中、可動歯17に完全噛合するまでの過程と、逆に最ハイ(OD)プーリ伝動比からのダウンシフト中、可動歯17から完全に外脱するまでの過程とを以下に説明する。
図10は、リンク板14と可動歯17との相関関係を示すイメージ図で、同図(a)は最ハイ(OD)プーリ伝動比へのアップシフト前のため、未だ可動歯17にリンク板14が接触せず、リンク板14が図に現れていないない状態、つまり可動歯17がバネ手段19によりセカンダリプーリ中心ボス部16に対し径方向突出限界位置にされているセット状態を示す。
なお図3(a)および図7(a),(b)は、図10(a)と同じく可動歯17が当該セット状態である場合を示す。
最ハイ(OD)プーリ伝動比へのアップシフトが行われると、図10(b)に示すようにリンク板14の可動歯噛合溝14bが可動歯17に完全に係合した完全噛み合い状態(ロックアップ状態)EODとなり、最ハイ(OD)プーリ伝動比で無終端チェーンリンク13(リンク板14)とセカンダリプーリ12(中心ボス部16)との間におけるスリップを防止可能である。
図10(b)のロックアップ状態EODになる直前のプーリ離間伝動比領域では、リンク板14が可動歯17に接触し始めてから、図10(b)のロックアップ状態になるまでの間、図10(c)に示すようにリンク板14は、可動歯17をバネ手段19のバネ力に抗してプーリ径方向内方へ押し込みながら、しかし可動歯17がリンク板14の可動歯噛合溝14bに整列する時この可動歯噛合溝14bに可動歯17が陥入するのを(プーリ径方向外方への可動歯17の戻り変位)を許容するサイクルを繰り返す、所謂ラチェッティング状態(チェーンピッチ乗り越え状態)EOD INとなる。
なお図10(c)に示すラチェッティング状態は、最ハイ(OD)プーリ伝動比からのダウンシフト中、図10(b)のロックアップ状態から図10(a)のセット状態に切り替わる過程においても同様に生じ、この場合のラチェッティング状態に対し以下ではEOD OUTの符号を付する。
上記の状態変化をプーリ伝動比の時系列変化との関連において図示すると図11に示すごとくにより、実線が図10(a)のセット状態とプーリ伝動比との関連を示し、破線が図10(c)のラチェッティング状態EOD INまたはEOD OUTとプーリ伝動比との関連を示し、一点鎖線が図10(b)のロックアップ状態とプーリ伝動比との関連を示す。
上記のように作用する本実施例の無段変速伝動機構においては、可動歯17を上記のごとくプーリ径方向外方へ附勢するバネ手段19を特に、可動歯17ごとのU字状エレメント21と、隣り合うU字状エレメント21の隣接脚部21a間を相互に結合する連結エレメント22との交互連続体によりリング状に構成したため、
バネ手段19が捩りバネ型式のものとなり、従来のようにコイルバネなどを用いた場合よりも、小さなバネストロークで大きな荷重(バネ力)を発生させることができる。
従って、小さなバネストロークで、可動歯17が要求する径方向外方附勢力を発生させることができ、プーリ中心ボス部16の外周と可動歯17との間における制限されたスペースでも、ここに上記のバネ手段19を容易に収納することができると共に、可動歯17を所定の力で径方向外方へ附勢することができる。
また本実施例のバネ手段19によれば、上記の通り小さなバネストロークで要求するバネ力を発生させ得ることから、バネストロークを稼ぐ必要がなくて、バネストロークのためにプーリ中心ボス部16の軸径を細くする必要もなく、プーリ中心ボス部16の軸強度不足に伴う耐久性の問題も生ずることがない。
本実施例によれば更に、リング状のバネ手段19をプーリ中心ボス部外周への嵌合時における拡開が可能となるようにするため該リング状バネ手段19に設ける分割用の切り欠き箇所23を、隣り合うU字状エレメント21(アーム部)間に配置したため、
リング状バネ手段19の切り欠き箇所23が図7,8に示すごとく可動歯17に対しプーリ円周方向に位置ずれすることとなり、バネ手段19からのバネ力を受け得ない可動歯17が存在せず、可動歯17による無終端チェーンリンク13のスリップ防止能力が低下するという問題や、無終端チェーンリンク13と噛み合う可動歯数の低下により耐久性が低下するという問題を解消することができる。
ちなみにリング状バネ手段19に上記の切り欠き箇所23(分割部)を設定するに際し図20に示すごとく、VIIIにおける箇所のU字状エレメント21(アーム部)を1個除去してここに切り欠き箇所23(分割部)を設定すると、この箇所には、可動歯17に当接して可動歯17をプーリ径方向外方へ附勢するための切り欠き箇所23(アーム部)が存在しないことになる。
かようにバネ手段19のU字状エレメント21(アーム部)が存在しない箇所における可動歯17は、バネ手段19からの捩りバネ力を受け得ず、プーリ中心ボス部外周面から進出した位置に保たれないため、無終端チェーンリンク13との噛み合いを行い得ない。
かように無終端チェーンリンク13との噛み合いを行い得ない可動歯17が存在すると、可動歯17によるチェーンリンク13のスリップ防止能力が低下するという問題を生ずるだけでなく、他の可動歯17のトルク分担が大きくなって耐久性の低下を招くという問題も免れないが、本実施例では上記したように当該問題を解消することができる。
<第2実施例>
前記した第1実施例では、リング状バネ手段19の切り欠き箇所23が相互に正対しているため、無段変速伝動機構10の前記ラチェッティグ中におけるリング状バネ手段19の縮径時に、切り欠き箇所23が相互に図9に示すごとく衝接して、可動歯17のプーリ径方向内方への後退を制約してラチェッティグ作用に悪影響が及ぶ可能性を否定できない。
そこで第2実施例においては図12〜14に示すごとく、バネ手段19の切り欠き箇所VIIIにおける切り欠き端部23同士が相互接近時に衝接しないようプーリ軸線方向にオフセットさせる。
その他の構成は、前記した第1実施例における無段変速伝動機構と同じとする。
<第2実施例の効果>
かかるリング状バネ手段19を用いた第2実施例の無段変速伝動機構においては、無段変速伝動機構の前記ラチェッティグ中におけるリング状バネ手段19の縮径時に、切り欠き箇所VIIIにおける切り欠き端部23が図15に示すごとく相互に接近しても決して衝接することがない。
従って、リング状バネ手段19の縮径時に、リング状バネ手段19の切り欠き端部23が衝接により可動歯17のプーリ径方向内方への後退を制約することがなく、前記したラチェッティグ作用に悪影響が及ぶ可能性を排除することができる。
<第3実施例>
図16〜18は、本発明の第3実施例になる無段変速伝動機構のバネ手段19を示し、本実施例においてはバネ手段19の切り欠き箇所VIIIにおける切り欠き端部23同士が相互接近時に衝接しないようプーリ径方向にオフセットさせる。
その他の構成は、前記した第1実施例における無段変速伝動機構と同じとする。
<第3実施例の効果>
かかるリング状バネ手段19を用いた第3実施例の無段変速伝動機構においても、無段変速伝動機構の前記ラチェッティグ中におけるリング状バネ手段19の縮径時に、切り欠き箇所VIIIにおける切り欠き端部23が図19に示すごとく相互に接近しても決して衝接することがない。
従って本実施例でも第2実施例と同様、リング状バネ手段19の縮径時に、リング状バネ手段19の切り欠き端部23が衝接により可動歯17のプーリ径方向内方への後退を制約することがなく、前記したラチェッティグ作用に悪影響が及ぶ可能性を排除することができる。
<その他の実施例>
なお上記した各実施例では、最ハイ(OD)プーリ伝動比で無終端チェーンリンク13とセカンダリプーリ12との間のスリップを防止するよう、セカンダリプーリ12の中心ボス部16に可動歯17を設置する場合につき本発明の着想を説明したが、
かかる本発明の着想は、最ロープーリ伝動比で無終端チェーンリンク13とプライマリプーリ11との間のスリップを防止するよう、プライマリプーリ11の中心ボス部に可動歯を設置する場合も同様にして適用可能であり、この場合も前記したと同様な作用効果を奏し得ることは言うまでもない。
10 無段変速伝動機構
11 プライマリプーリ
12 セカンダリプーリ
13 無終端チェーンリンク
14 リンク板
14a リンクピン挿通孔
14b 可動歯噛合溝
15 リンクピン
16 プーリ中心ボス部
17 可動歯
18 可動歯ガイド
19 バネ手段
21 U字状エレメント(アーム部)
22 連結エレメント
23 切り欠き箇所(切り欠き端部)

Claims (4)

  1. 無終端チェーンリンクと、この無終端チェーンリンクを無段変速可能に巻き掛けしたプーリとから成り、
    該プーリの中心ボス部外周にリング状のバネ手段を嵌合させて設けると共に可動歯を軸線方向へ延在させて設け、前記リング状のバネ手段が該リングの径方向へ張り出すアーム部を介し前記可動歯をプーリ径方向外方へ附勢してプーリ中心ボス部外周に対し径方向進退可能となし、該可動歯と前記無終端チェーンリンクとの噛み合いにより、該噛み合いが可能な伝動比でのスリップ防止を可能にした無段変速伝動機構において、
    前記リング状のバネ手段を前記プーリ中心ボス部外周への嵌合時における拡開が可能となるようにするため該リング状バネ手段に設ける分割用の切り欠きを、隣り合う前記アーム部間の箇所に配置したことを特徴とする無段変速伝動機構。
  2. 請求項1に記載の無段変速伝動機構において、
    前記バネ手段は、前記切り欠き箇所における切り欠き端部同士が相互接近時に衝接しないようオフセットされたものであることを特徴とする無段変速伝動機構。
  3. 請求項2に記載の無段変速伝動機構において、
    前記バネ手段は、前記切り欠き箇所における切り欠き端部同士が相互接近時に衝接しないようプーリ軸線方向にオフセットされたものであることを特徴とする無段変速伝動機構。
  4. 請求項2に記載の無段変速伝動機構において、
    前記バネ手段は、前記切り欠き箇所における切り欠き端部同士が相互接近時に衝接しないようプーリ径方向にオフセットされたものであることを特徴とする無段変速伝動機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104763783A (zh) * 2014-12-08 2015-07-08 北京工业大学 级联式活齿无级变速传动装置

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